(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-11
(45)【発行日】2022-03-22
(54)【発明の名称】ノズルアセンブリ、注射器本体、及びこれを含む無針注射器
(51)【国際特許分類】
A61M 5/30 20060101AFI20220314BHJP
【FI】
A61M5/30 500
(21)【出願番号】P 2020529302
(86)(22)【出願日】2019-09-09
(86)【国際出願番号】 KR2019011611
(87)【国際公開番号】W WO2020256217
(87)【国際公開日】2020-12-24
【審査請求日】2020-05-28
(31)【優先権主張番号】10-2019-0073150
(32)【優先日】2019-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0110705
(32)【優先日】2019-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520165951
【氏名又は名称】イ ジウン
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】イ ジウン
【審査官】竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-321440(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1913544(KR,B1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0190685(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に薬液が収容され、前記薬液が吐出されるノズルアセンブリと、
前記薬液が吐出されるように前記ノズルアセンブリに圧力を加える注射器本体と、を含み、
前記ノズルアセンブリは、
内部に薬液が収容される空間が提供され、前記薬液が吐出される吐出ホールが形成されるノズル容器と、
前記ノズル容器内の薬液に圧力を加えるプランジャーと、を含み、
前記注射器本体は、
前記プランジャーに連結されるピストンと、
前記ピストンに前記プランジャーが前記薬液に圧力を加える第1方向に弾性力を加えるピストン弾性部材と、
前記ピストンを前記第1方向と反対方向である第2方向にロッキン
グ位置まで移動させる装填部と、
前記ロッキング位置で前記ピストンが停止されるようにロッキングさせ、前記ロッキングを解除させるロッキング部と、を含
み、
前記ノズル容器の前記空間は、前記吐出ホールと隣接し、前記吐出ホールと連通される第1空間及び前記第1空間より前記吐出ホールから遠く提供される第2空間を含み、
前記第1方向に見る時、前記第1空間の直径は、前記第2空間の直径より小さく提供され、
前記プランジャーは、前記第2空間から前記第1空間に挿入される無針注射器。
【請求項2】
前記ノズルアセンブリは、前記注射器本体に脱着可能に提供される請求項1に記載の無針注射器。
【請求項3】
前記ノズル容器には外部から薬液が注入されることができる注入ホールが形成される請求項1に記載の無針注射器。
【請求項4】
前記プランジャーは、前記注入ホールを通じて前記ノズル容器に挿入及び離脱される請求項3に記載の無針注射器。
【請求項5】
前記プランジャーの一端は、前記注入ホールを通じて前記ノズル容器の外部に露出され、
前記プランジャーの一端及び前記ピストンの一端は互いに対して前記第1方向及び前記第2方向に対して固定されるようにかみ合うように提供される請求項4に記載の無針注射器。
【請求項6】
前記プランジャーには側面の一領域及び前記他端の間を貫通する薬液移動路が形成され、
前記第1空間には前記吐出ホールから前記第1空間に流体が逆流することを防止する逆流防止部が提供され、
前記側面の前記一領域は、前記プランジャーが前記ロッキング位置に位置される場合には前記第2空間に位置され、前記プランジャーが前記ロッキング位置より前記吐出ホールに隣接するように位置される場合には前記第1空間に位置される請求項
1に記載の無針注射器。
【請求項7】
内部に薬液が収容され、注射器本体に脱着され、前記注射器本体によって加えられる圧力によって前記薬液を吐出するノズルアセンブリにおいて、
内部に薬液が収容される空間が提供され、前記薬液が吐出される吐出ホールが形成されるノズル容器と、
前記ノズル容器内の薬液に圧力を加えるプランジャーと、を含み、
前記プランジャーは、前記注射器本体のピストンに脱着され、前記ピストンの移動によって移動され
、
前記ノズル容器の前記空間は、前記吐出ホールと隣接し、前記吐出ホールと連通される第1空間及び前記第1空間より前記吐出ホールから遠く提供される第2空間を含み、
前記第1方向に見る時、前記第1空間の直径は、前記第2空間の直径より小さく提供され、
前記プランジャーは、前記第2空間から前記第1空間に挿入されるノズルアセンブリ。
【請求項8】
前記ノズル容器には外部から薬液が注入されることができる注入ホールが形成される請求項
7に記載のノズルアセンブリ。
【請求項9】
前記プランジャーは、前記ノズル容器の前記吐出ホールが形成された面の反対面を通じて前記ノズル容器に挿入及び離脱され、
前記プランジャーの一端は、前記プランジャーが前記ノズル容器に挿入された状態で前記ノズル容器の外部に露出され、
前記プランジャーの前記一端にはユーザが把持することができる把持部が提供され、
前記把持部は、前記プランジャーが前記ノズル容器に挿入された後、前記プランジャーから除去される請求項
7に記載のノズルアセンブリ。
【請求項10】
前記プランジャーには側面の一領域及び他端の間を貫通する薬液移動路が形成され、
第1空間には前記吐出ホールから前記第1空間に流体が逆流することを防止する逆流防止部が提供され、
前記側面の前記一領域は、前記プランジャーがロッキング位置に位置される場合には第2空間に位置され、前記プランジャーが前記ロッキング位置より前記吐出ホールに隣接するように位置される場合には前記第1空間に位置される請求項
8に記載のノズルアセンブリ。
【請求項11】
前記第1空間は、
前記プランジャーが挿入される挿入空間と、
前記吐出ホールと連通され、前記挿入空間より前記吐出ホールに隣接するバルブ提供空間と、を含み、
前記挿入空間及び前記バルブ提供空間の間には、前記逆流防止部によって開閉される逆流防止ホールが形成される逆流防止壁が提供され、
前記逆流防止部は、
前記バルブ提供空間の前記逆流防止ホールに対応される位置に提供されるバルブ部材と、
前記バルブ部材に前記吐出ホールから前記逆流防止ホールに向かう方向に弾性力を加えるバルブ弾性部材を含む請求項
10に記載のノズルアセンブリ。
【請求項12】
内部に薬液が収容されるノズルアセンブリが脱着され、前記ノズルアセンブリに前記薬液が吐出されるように圧力を加える注射器本体において、
前記ノズルアセンブリのプランジャーが脱着されるピストンと、
前記ピストンに前記プランジャーが前記薬液に圧力を加える第1方向に弾性力を加えるピストン弾性部材と、
前記ピストンを前記第1方向と反対方向である第2方向にロッキング位置まで移動させる装填部と、
前記ロッキング位置で前記ピストンが停止されるようにロッキングさせ、前記ロッキングを解除させるロッキング部と、
内部に前記ピストンが提供される空間が形成されるハウジングと、を含
み、
前記ノズルアセンブリは、
内部に薬液が収容される空間が提供され、前記薬液が吐出される吐出ホールが形成されるノズル容器を含み、
前記ノズル容器の前記空間は、前記吐出ホールと隣接し、前記吐出ホールと連通される第1空間及び前記第1空間より前記吐出ホールから遠く提供される第2空間を含み、
前記第1方向に見る時、前記第1空間の直径は、前記第2空間の直径より小さく提供され、
前記プランジャーは、前記第2空間から前記第1空間に挿入される注射器本体。
【請求項13】
前記ハウジングは、前記ピストンの一端に向かう面が開放され、
前記ハウジングの側面には前記ノズルアセンブリが挿入されるように、前記ピストンの前記一端に向かう面から前記ピストンの前記一端に対応される領域まで開放されるノズルアセンブリ結合ホールが形成され、
前記ノズルアセンブリ結合ホールには前記ノズルアセンブリ結合ホールを開閉する開閉部材が提供される請求項
12に記載の注射器本体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はノズルアセンブリ、注射器本体、及びこれを含む無針注射器に関り、より詳細には針無しで薬液を連続的に注入することができるノズルアセンブリ、注射器本体、及びこれを含む無針注射器に係る。
【背景技術】
【0002】
従来、薬物、即ち薬液を動物又は人に注入するために有針注射器を使用した。しかし、このような有針注射器は走査を打たれる対象の交差汚染、そのような注射と関連された痛み、及び走査を打たれる対象内で針が折れ、脱落される等の多様な問題点がある。特に、走査を打たれる対象内で針が折れるか、或いは脱落される場合、その対象の健康及び安全に有害することのみならず、相当な経済的な問題を誘発することもある。
【0003】
現在に使用される有針注射器と関連された問題点を回避するための試図として、多様な企業が無針注射器の開発に拍車をかけている。
【0004】
無針注射器は薬液注入のために動物又は人の肌を貫通する針を具備せず、瞬間的な圧力を通じて薬液を注入する。
【0005】
しかし、既存の無針注射器の中で一部の製品は対象に注入しようとする薬液と機構部が一体型に具備されているので、非衛生的であり、感染危険性があり得る。又は、手動方式の無針注射器の中で一部の製品は一度の装填に一度の薬液注入のみが可能であるので、連続的に注入するには不便さがあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は衛生的であり、感染リスクを下げることができるノズルアセンブリ、注射器本体、及びこれを含む無針注射器を提供することにある。
【0007】
また、本発明の目的は連続的に薬液を注入することができるノズルアセンブリ、注射器本体、及びこれを含む無針注射器を提供することにある。
【0008】
本発明が解決しようとする課題はここに制限されなく、言及されないその他の課題は下の記載から通常の技術者に明確に理解されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は無針注射器を提供する。一実施形態によれば、無針注射器は、内部に薬液が収容され、前記薬液が吐出されるノズルアセンブリと、前記薬液が吐出されるように前記ノズルアセンブリに圧力を加える注射器本体と、を含み、前記ノズルアセンブリは、内部に薬液が収容される空間が提供され、前記薬液が吐出される吐出ホールが形成されるノズル容器と、前記ノズル容器内の薬液に圧力を加えるプランジャーと、を含み、前記注射器本体は、前記プランジャーに連結されるピストンと、前記ピストンに前記プランジャーが前記薬液に圧力を加える第1方向に弾性力を加えるピストン弾性部材と、前記ピストンを前記第1方向と反対方向である第2方向にロッキング(Locking)位置まで移動させる装填部と、前記ロッキング位置で前記ピストンが停止されるようにロッキングさせ、前記ロッキングを解除させるロッキング部と、を含む。
【0010】
前記ノズルアセンブリは前記注射器本体に脱着可能に提供されることができる。
【0011】
前記ノズル容器には外部から薬液が注入されることができる注入ホールが形成されることができる。
【0012】
前記プランジャーは前記注入ホールを通じて前記ノズル容器に挿入及び離脱されることができる。
【0013】
前記プランジャーの一端は前記注入ホールを通じて前記ノズル容器の外部に露出され、前記プランジャーの一端及び前記ピストンの一端は互いに対して前記第1方向及び前記第2方向に対して固定されるようにかみ合うように提供されることができる。
【0014】
前記ノズル容器の前記空間は、前記吐出ホールと隣接し、前記吐出ホールと連通される第1空間及び前記第1空間より前記吐出ホールから遠く提供される第2空間を含み、前記第1方向に見る時、前記第1空間の直径は前記第2空間の直径より小さく提供され、前記プランジャーの他端は前記第2空間から前記第1空間に挿入されることができる。
【0015】
前記プランジャーには側面の一領域及び前記他端の間を貫通する薬液移動路が形成され、前記第1空間には前記吐出ホールから前記第1空間に流体が逆流することを防止する逆流防止部が提供され、
前記側面の前記一領域は、前記プランジャーが前記ロッキング位置に位置される場合には前記第2空間に位置され、前記プランジャーが前記ロッキング位置より前記吐出ホールに隣接するように位置される場合には前記第1空間に位置されることができる。
【0016】
また、本発明は内部に薬液が収容され、注射器本体に脱着され、前記注射器本体によって加えられる圧力によって前記薬液を吐出するノズルアセンブリを提供する。一実施形態によれば、ノズルアセンブリは、内部に薬液が収容される空間が提供され、前記薬液が吐出される吐出ホールが形成されるノズル容器と、前記ノズル容器内の薬液に圧力を加えるプランジャーと、を含み、前記プランジャーは前記注射器本体のピストンに脱着され、前記ピストンの移動によって移動される。
【0017】
前記ノズル容器には外部から薬液が注入されることができる注入ホールが形成されることができる。
【0018】
前記プランジャーは前記ノズル容器の前記吐出ホールが形成された面の反対面を通じて前記ノズル容器に挿入及び離脱され、前記プランジャーの一端は前記プランジャーが前記ノズル容器に挿入された状態で前記ノズル容器の外部に露出され、前記プランジャーの前記一端にはユーザが把持することができる把持部が提供され、前記把持部は前記プランジャーが前記ノズル容器に挿入された後、前記プランジャーから除去されることができる。
【0019】
前記ノズル容器の前記空間は、前記吐出ホールと隣接し、前記吐出ホールと連通される第1空間及び前記第1空間より前記吐出ホールから遠く提供される第2空間を含み、前記第1方向に見る時、
前記第1空間の直径は前記第2空間の直径より小さく提供され、前記プランジャーの他端は前記第2空間から前記第1空間に挿入されることができる。
【0020】
前記プランジャーには側面の一領域及び前記他端の間を貫通する薬液移動路が形成され、前記第1空間には前記吐出ホールから前記第1空間に流体が逆流することを防止する逆流防止部が提供され、前記側面の前記一領域は、前記プランジャーがロッキング位置に位置される場合には前記第2空間に位置され、前記プランジャーが前記ロッキング位置より前記吐出ホールに隣接するように位置される場合には前記第1空間に位置されることができる。
【0021】
前記第1空間は、前記プランジャーが挿入される挿入空間と、前記吐出ホールと連通され、前記挿入空間より前記吐出ホールに隣接するバルブ提供空間を含み、前記挿入空間及び前記バルブ提供空間の間には、前記逆流防止部によって開閉される逆流防止ホールが形成される逆流防止壁が提供され、前記逆流防止部は、前記バルブ提供空間の前記逆流防止ホールに対応される位置に提供されるバルブ部材と、前記バルブ部材に前記吐出ホールから前記逆流防止ホールに向かう方向に弾性力を加えるバルブ弾性部材を含むことができる。
【0022】
また、本発明は内部に薬液が収容されるノズルアセンブリが脱着され、前記ノズルアセンブリに前記薬液が吐出されるように圧力を加える注射器本体を提供する。一実施形態によれば、注射器本体は、前記ノズルアセンブリのプランジャーが脱着されるピストンと、前記ピストンに前記プランジャーが前記薬液に圧力を加える第1方向に弾性力を加えるピストン弾性部材と、前記ピストンを前記第1方向と反対方向である第2方向にロッキング位置まで移動させる装填部と、前記ロッキング位置で前記ピストンが停止されるようにロッキングさせ、前記ロッキングを解除させるロッキング部と、内部に前記ピストンが提供される空間が形成されるハウジングと、を含む。
【0023】
前記ハウジングは前記ピストンの一端に向かう面が開放され、前記ハウジングの側面には前記ノズルアセンブリが挿入されるように、前記ピストンの前記一端に向かう面から前記ピストンの前記一端に対応される領域まで開放されるノズルアセンブリ結合ホールが形成され、前記ノズルアセンブリ結合ホールには前記ノズルアセンブリ結合ホールを開閉する開閉部材が提供されることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の実施形態に係るノズルアセンブリ、注射器本体、及びこれを含む無針注射器は衛生的であり、感染リスクを下げることができる。
【0025】
また、本発明の実施形態に係るノズルアセンブリ、注射器本体、及びこれを含む無針注射器は連続的に薬液を注入することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の一実施形態に係る無針注射器を示した斜視図である。
【
図2】
図1の無針注射器のノズルアセンブリが注射器本体に結合された後、作動準備状態を示した側断面図である。
【
図3】
図2の無針注射器の吐出ホールに隣接する領域を示した側断面図である。
【
図4】
図2の無針注射器のピストンの他端に隣接する領域を示した側断面図である。
【
図5】
図1の無針注射器のピストンがロッキング位置に移動される形状を示した側断面図である。
【
図6】
図5の無針注射器の吐出ホールに隣接する領域を示した側断面図である。
【
図7】
図1の無針注射器のピストンがロッキング位置に位置された形状を示した側断面図である。
【
図8】
図7の無針注射器の吐出ホールに隣接する領域を示した側断面図である。
【
図9】
図7の無針注射器のピストンの他端に隣接する領域を示した側断面図である。
【
図10】
図1の無針注射器の薬液が吐出された状態の形状を示した側断面図である。
【
図11】
図1の無針注射器の薬液が吐出されたある状態の吐出ホールに隣接する領域を示した側断面図である。
【
図13】
図1の無針注射器の薬液が吐出され、ハンドルに加えられた力が緩んだ形状を示した側断面図である。
【
図14】
図1のノズルアセンブリに薬液を注入する方法の一例を順次的に示した図面である。
【
図15】
図1のノズルアセンブリに薬液を注入する方法の一例を順次的に示した図面である。
【
図16】
図1のノズルアセンブリに薬液を注入する方法の一例を順次的に示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態を添付された図面を参照してさらに詳細に説明する。本発明の実施形態は様々な形態に変形することができ、本発明の範囲が以下の実施形態に限定されることと解釈されてはならない。本実施形態は当業界で平均的な知識を有する者に本発明をさらに完全に説明するために提供されることである。したがって、図面での要素の形状はより明確な説明を強調するために誇張されたことである。
【0028】
図1は本発明の一実施形態に係る無針注射器10を示した斜視図である。
図2は
図1の無針注射器10のノズルアセンブリ1000が注射器本体2000に結合された後、作動準備状態を示した側断面図である。
図3は
図2の無針注射器10の吐出ホール1120に隣接する領域を示した側断面図である。
図4は
図2の無針注射器10のピストン2100の他端に隣接する領域を示した側断面図である。
図1乃至
図4を参照すれば、無針注射器10はノズルアセンブリ1000及び注射器本体2000を含む。
【0029】
ノズルアセンブリ1000は内部に薬液が収容される。ノズルアセンブリ1000は注射器本体2000によって加えられる圧力によって内部に収容される薬液が吐出されるように提供される。一実施形態によれば、ノズルアセンブリ1000はノズル容器1100、プランジャー1200、及び逆流防止部1300を含む。ノズルアセンブリ1000は注射器本体2000に脱着可能に提供される。
【0030】
ノズル容器1100は内部に薬液が収容される空間1110が提供される。ノズル容器1100には内部に収容された薬液が吐出される吐出ホール1120が形成される。吐出ホール1120はノズル容器1100の注射器本体2000の外部に露出され、薬液を注入する体部に向かう領域に形成される。例えば、吐出ホール1120はノズル容器1100の注射器本体2000に向かう方向と反対方向の終端面に形成されることができる。
【0031】
ノズル容器1100には外部から薬液が注入されることができる注入ホール1130が形成される。一実施形態によれば、注入ホール1130はノズル容器1100の注射器本体2000に結合された状態での注射器本体2000に向かう面に形成されることができる。注入ホール1130はノズル容器1100の吐出ホール1120が形成された面の反対面に形成されることができる。
【0032】
一実施形態によれば、ノズル容器1100の空間1110は第1空間1111及び第2空間1112を含む。
【0033】
第1空間1111はノズル容器1100の空間1110の吐出ホール1120と隣接し、吐出ホール1120と連通される領域である。一実施形態によれば、第1空間1111は挿入空間1111a及びバルブ提供空間1111bを含む。
【0034】
挿入空間1111aにはプランジャー1200が挿入される。バルブ提供空間1111bは吐出ホール1120と直接的に連通される。バルブ提供空間1111bは挿入空間1111aより吐出ホール1120に隣接するように位置される。挿入空間1111a及びバルブ提供空間1111bの間には逆流防止壁1310が提供される。逆流防止壁1310には逆流防止ホール1311が形成される。薬液吐出の時、挿入空間1111aの薬液は逆流防止ホール1311を通じてバルブ提供空間1111bに流入される。
【0035】
第2空間1112はノズル容器1100の空間1110の第1空間1111より吐出ホール1120から遠く提供される領域である。
【0036】
第1方向に見る時、第1空間1111の直径は第2空間1112の直径より小さく提供される。一実施形態によれば、第1方向は注射器本体2000からノズルアセンブリ1000に向かう方向である。
【0037】
一実施形態によれば、第1空間1111の第2空間1112に隣接する領域にはOリング(O-ring)1140が提供されることができる。Oリング1140の内側面はプランジャー1200の側面に密着されるように提供される。Oリング1140は弾性を有する防水材質で提供される。Oリング1140が提供されることによって、プランジャー1200の側面及び第1空間1111の内側面の間を通じて薬液が移動されることを防止することができる。
【0038】
プランジャー1200はノズル容器1100内の薬液に圧力を加える。プランジャー1200はノズル容器1100の吐出ホール1120が形成された面の反対面を通じてノズル容器に挿入及び離脱されることができる。例えば、プランジャー1200は注入ホール1130を通じてノズル容器1100に挿入及び離脱されることができる。
【0039】
プランジャー1200は注射器本体2000のピストン2100に脱着されるように提供されることができる。プランジャー1200はピストン2100の移動によって移動されることができる。プランジャー1200の一端はプランジャー1200がノズル容器1100に挿入された状態で、注入ホール1130を通じてノズル容器1100の外部に露出されることができる。プランジャー1200の一端及びピストン2100の一端は互いに対して第1方向及び第2方向に対して固定されるようにかみ合う。第2方向は第1方向と反対方向である。
【0040】
プランジャー1200の他端1220は第2空間1112から第1空間1111に第1方向及び第2方向に沿って挿入及び離脱される。
【0041】
一実施形態によれば、プランジャー1200には薬液移動路1230が形成される。薬液移動路1230はプランジャー1200の側面の一領域及びプランジャー1200の他端1220の間を貫通するように形成される。プランジャー1200の側面の前記一領域は、プランジャー1200がロッキング位置に位置される場合には第2空間1112に位置され、プランジャー1200がロッキング位置より吐出ホール1120に隣接するように位置される場合には第1空間1111に位置される。
【0042】
第1空間1111には逆流防止部1300が提供される。逆流防止部1300は吐出ホール1120から第1空間1111に薬液や外部空気等の薬液が逆流することを防止する。一実施形態によれば、逆流防止部1300は逆流防止ホール1311を開閉することによって、前記逆流を防止することができる。例えば、逆流防止部1300はバルブ部材1320及びバルブ弾性部材1330を含む。
【0043】
バルブ部材1320はバルブ提供空間1111bの逆流防止ホール1311に対応するように提供される。バルブ部材1320はバルブ弾性部材1330の弾性力及びプランジャー1200の移動によって発生される薬液の流れに応じて移動されて逆流防止壁1310に密着及び離隔されることによって逆流防止ホール1311を開閉することができる。
【0044】
バルブ弾性部材1330はバルブ部材1320に吐出ホール1120から逆流防止ホール1311に向かう方向に弾性力を加える。バルブ弾性部材1330は圧縮された状態で薬液が吐出ホール1120に排出されることができる隙間を形成するために、吐出ホール1120からバルブ部材1320に行くほど、直径が小さくなるコイル型スプリングで提供されることができる。
【0045】
注射器本体2000はノズルアセンブリ1000内の薬液が吐出されるようにノズルアセンブリ1000に圧力を加える。一実施形態によれば、注射器本体2000には内部に薬液が収容されるノズルアセンブリ1000が脱着される。注射器本体2000はピストン2100、ピストン弾性部材2200、装填部2300、ロッキング部2400、及びハウジング2500を含む。
【0046】
ピストン2100はプランジャー1200と連結される。一実施形態によれば、ピストン2100にはプランジャー1200が脱着可能に連結される。ピストン2100の側面には内側ボール収容溝2130が形成される。内側ボール収容溝2130はピストン2100がロッキング位置に位置された場合、ロッキングボール2420が内側に移動して内側ボール収容溝2130に収容されるように提供される。
【0047】
ピストン弾性部材2200はピストンにプランジャー1200がノズル容器1100内の薬液に圧力を加える第1方向に弾性力を加える。ピストン弾性部材2200はコイル型スプリングで提供されることができる。
【0048】
装填部2300はピストン2100を第2方向にロッキング(Locking)位置まで移動させる。一実施形態によれば、装填部2300はハンドル2310及び係止突起2320を含む。
【0049】
ハンドル2310はハウジング2500の側面から延長されてハウジング2500に連結される一端を中心に他端がハウジング2500に接する位置及びハウジング2500から遠くなる位置の間に回転可能するように提供される。
【0050】
一実施形態によれば、ハンドル2310のハウジング2500に向かう側面にはハウジングに向かって延長される係止突起2320が提供される。係止突起2320はハンドル2310の側面に連結される一端を中心に他端がハンドル2310の回転面と平行な面に沿って回転可能するように提供される。
【0051】
一実施形態によれば、ハウジング2500の側面のハンドル2310に対応される領域は開放されるように提供される。ピストン2100の側面のハンドル2310の前記領域に対応される領域には係止突起2320の他端が第2方向に掛かる係止部材2110が提供される。
【0052】
したがって、ハンドル2310の他端がハウジング2500から遠い位置から隣接する位置に移動されれば、それに応じて係止突起2320の他端が係止部材2110に掛かりながら、係止部材2110に第2方向に力を加えるようになる。
【0053】
装填部2300には係止突起2320に他端がハンドル2310から遠い方向に弾性力を加える係止突起弾性部材が提供されることができる。したがって、ハンドル2310はユーザによってピストン2100をロッキング位置に位置させるためにハウジング2500の方向に移動された後、係止突起弾性部材の弾性力によって再びハウジング2500から遠い位置に移動される。
【0054】
ロッキング部2400はロッキング位置でピストン2100が停止されるようにロッキングさせ、前記ロッキングを解除させる。一実施形態によれば、ロッキング部2400はプッシュボタン2410、ロッキングボール2420、ボール収容部材2430、及びボール収容部材弾性部材2440を含む。
【0055】
プッシュボタン2410はハウジング2500のピストン2100のプランジャー1200と連結される一端に向かう面の反対面に提供される。
【0056】
ロッキングボール2420はハウジング2500の内部の一位置に回転可能するように提供される。ロッキングボール2420はピストン2100の他端に隣接する側面を囲むように複数に提供されることができる。ロッキングボール2420は第1方向及び第2方向に対して固定されるように提供される。ロッキングボール2420は第1方向及び第2方向に垂直になる方向に沿って移動可能するように提供される。
【0057】
ボール収容部材2430はプッシュボタン2410によって第1方向に移動される。ボール収容部材2430には外側ボール収容溝2431が形成される。外側ボール収容溝2431はボール収容部材2430の位置がロッキングボール2420に対応される位置に位置される場合、ロッキングボール2420が外側に移動可能な空間を提供する。
【0058】
ボール収容部材弾性部材2440はボール収容部材2430に第2方向に弾性力を加える。ボール収容部材弾性部材2440はコイル型スプリングで提供されることができる。
【0059】
ハウジング2500は内部にピストン2100が提供される空間を有する。一実施形態によれば、ハウジング2500はピストン2100の一端に向かう面が開放される。ハウジング2500の側面にはノズルアセンブリ1000がハウジング2500に挿入されるようにノズルアセンブリ結合ホールが形成される。
【0060】
ノズルアセンブリ結合ホールはピストン2100の一端に向かう面からピストン2100の一端が対応される領域まで開放されるように形成される。
【0061】
ノズルアセンブリ結合ホールにはノズルアセンブリ結合ホールを開閉する開閉部材2520が提供されることができる。一実施形態によれば、開閉部材2520は第2方向に向かう一端がヒンジ2521によってハウジング2500に連結され、前記一端を中心に他端が第1方向に向かう位置及びハウジングから遠くなる位置の間を回転することによってノズルアセンブリ結合ホールを開閉することができる。
【0062】
以下、
図1の無針注射器10を利用して薬液を注射する方法に対して説明する。
【0063】
図2乃至
図4を参照すれば、薬液がノズル容器1100の空間に供給された状態のノズルアセンブリ1000を注射器本体2000と結合される。一実施形態によれば、開閉部材2520が開放された状態で、ノズルアセンブリ1000はノズルアセンブリ結合ホールを通じてプランジャー1200の注入ホール1130に突出された一端がピストン2100の一端に結合されるようにハウジング2500に挿入されて注射器本体2000と結合される。この時、ピストン2100はロッキングが解除された状態である。したがって、プランジャー1200は挿入空間1111aに最大に挿入されている状態である。また、ロッキングボール2420は外側ボール収容溝2431に挿入された状態であり、内側ボール収容溝2130はロッキングボール2420に対向される位置より第1方向に移動された状態である。
【0064】
図5は
図1の無針注射器10のピストン2100がロッキング位置に移動される形状を示した側断面図である。
図6は
図5の無針注射器10の吐出ホール1120に隣接する領域を示した側断面図である。
図5及び
図6を参照すれば、
図2の過程が遂行された後、ユーザがハンドル2310に力を加えてハンドル2310をハウジング2500が位置された方向に移動させれば、ピストン2100が第2方向に沿ってロッキング位置に移動される。この時、プランジャー1200もピストン2100と共に第2方向に移動しながら、薬液移動路1230のピストン2100の側面に形成されたホールが第2空間1112に露出される前まで挿入空間1111aの逆流防止壁1310及びピストン2100の他端の間の空間が真空状態になる。ユーザは手でハンドル2310及びハウジング2500の側面の周辺を共に握ることによって、ハンドル2310にハウジング2500の方に力を加えれることができる。この時、ハンドル2310がハウジング2500の方に完全に移動された状態では、係止突起2320の一端から垂直方向に突出された補助突起の終端がハウジングの側面の補助突起に対応される領域から外側に突出され、外側に行くほど、第1方向に傾く傾斜面を有する傾斜突起の前記傾斜面に沿って回転され、これに応じて、係止突起2320が回転されて係止突起2320の他端が係止部材2110から逸脱されるようになる。
【0065】
図7は
図1の無針注射器10のピストン2100がロッキング位置に位置された形状を示した側断面図である。
図8は
図7の無針注射器10の吐出ホール1120に隣接する領域を示した側断面図である。
図9は
図7の無針注射器10のピストン2100の他端に隣接する領域を示した側断面図である。
図7乃至
図9を参照すれば、
図5及び
図6の過程が完了されれば、ピストン2100は内側ボール収容溝2130がロッキングボール2420に対応される位置に位置される。したがって、ロッキングボール2420は内側ボール収容溝2130に収容され、ボール収容部材2430を止めっていたロッキングボール2420が内側ボール収容溝2130に移動されることによって、ボール収容部材2430はボール収容部材弾性部材2440の弾性力によって第2方向に移動される。したがって、ボール収容部材2430の外側ボール収容溝2431より第1方向の方に位置される領域によってロッキングボール2420が外側に移動されることが防止され、ピストン2100は内側ボール収容溝2130に収容されたロッキングボール2420によってロッキング位置に停止される。この場合、薬液移動路1230のプランジャー1200の外側に形成されたホールが第2空間1112に露出されることによって、第2空間1112の薬液が薬液移動路1230を通じて真空状態の挿入空間1111aに流入される。
【0066】
図10は
図1の無針注射器10の薬液が吐出された状態の形状を示した側断面図である。
図11は
図1の無針注射器10の薬液が吐出されたある状態の吐出ホール1120に隣接する領域を示した側断面図である。
図12は
図10の無針注射器10の形状を示した側断面図である。
図10乃至
図12を参照すれば、ユーザが上述したように無針注射器10を手で握った状態で親指等を利用してプッシュボタン2410を押すと、ボール収容部材2430は外側ボール収容溝2431がロッキングボール2420に対応される位置まで第1方向に移動される。したがって、内側ボール収容溝2130に収容されていたロッキングボール2420が外側ボール収容溝2431に移動され、ロッキングボール2420が内側ボール収容溝2130に挿入されることによってロッキングされていたピストン2100がピストン弾性部材2200の弾性力によって第2方向に移動される。この時、ピストン2100に連結されたプランジャー1200はピストン2100の移動によって第2方向に移動され、これによって挿入空間1111aに収容された薬液が吐出ホール1120を通じて吐出される。この時、バルブ部材1320はピストン2100によって加えられた薬液の圧力によって吐出ホール方向に移動され、薬液はバルブ部材1320及び逆流防止ホール1311の間を通じて吐出ホールに伝達される。
【0067】
図13は
図1の無針注射器10の薬液が吐出されハンドル2310に加えられた力が緩んだ形状を示した側断面図である。
図13を参照すれば、薬液が吐出された後、ユーザが無針注射器10を握っていた手を緩めると、係止突起弾性部材の弾性力によって係止突起2320が回転してハンドル2310をハウジング2500から遠くなる方向に回転させることによって、無針注射器10は再び
図1と同一な状態になり、上述した方法を繰り返すことによって、再び一定量の薬液を反復走査することができる。特に、本発明の実施形態に係る無針注射器10は上述したように、一回吐出の時、ノズル容器1100に収容された薬液の中で挿入空間1111aに流入される薬液のみが吐出されることによって、薬液が収容されたノズルアセンブリ1000が一度注射器本体2000に結合されれば、一定量ずつ数回連続的に薬液を走査することができる。
【0068】
以下、本発明の一実施形態に係る無針注射器10のノズルアセンブリ1000に薬液を注入する方法を説明する。
【0069】
図14乃至
図16は
図1のノズルアセンブリ1000に薬液を注入する方法の一例を順次的に示した図面である。
図14乃至
図16を参照すれば、スポイト30等を利用して、注入ホール1130を通じて空いているノズルアセンブリ1000に薬液を注入する。
【0070】
その後、薬液が注入されたノズルアセンブリ1000に注入ホール1130を通じてプランジャー1200を他端1220から挿入する。
【0071】
一実施形態によれば、プランジャー1200の一端には把持部1240が提供されることができる。ユーザは把持部1240を把持した状態でプランジャー1200を容易に移動させることができる。把持部1240はプランジャー1200がノズル容器1100に挿入された後、プランジャー1200から除去される。把持部1240のプランジャー1200の側面の隣接する領域にはプランジャー1200の側面の周辺方向に沿って内側方向のみに湾入されるように提供される切断領域が形成されることができる。したがって、把持部1240に力を加えてランジャー1200から除去させる時、切断領域が切断されて、把持部1240を容易に除去することができる。
【0072】
上述したように、本発明の一実施形態に係る無針注射器10は一回のノズルアセンブリ1000の交替で一定量の薬液を複数回連続的に走査することができる。また、本発明の一実施形態に係る無針注射器10は薬液が収容されるノズルアセンブリ1000が交替されて使用されるので、衛生的であり、感染リスクを下げることができる。
【0073】
以上の詳細な説明は本発明を例示することである。また、前述した内容は本発明の好ましい実施形態を例として説明することであり、本発明は多様な他の組合、変更、及び環境で使用することができる。即ち、本明細書に開示された発明の概念の範囲、前述した開示内容と均等な範囲及び/又は当業界の技術又は知識の範囲内で変更又は修正が可能である。前述した実施形態は本発明の技術的思想を具現するための最善の状態を説明することであり、本発明の具体的な適用分野及び用途で要求される多様な変更も可能である。したがって、以上の発明の詳細な説明は開示された実施状態に本発明を制限しようとする意図ではない。添付された請求の範囲は他の実施状態も含むこととして解釈されなければならない。