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特許7039732凹凸構造を含む発色フィルム、圧力試験フィルム及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-11
(45)【発行日】2022-03-22
(54)【発明の名称】凹凸構造を含む発色フィルム、圧力試験フィルム及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B32B 27/20 20060101AFI20220314BHJP
   B01J 13/18 20060101ALI20220314BHJP
   B05D 5/06 20060101ALI20220314BHJP
   B05D 7/24 20060101ALI20220314BHJP
   B05D 3/12 20060101ALI20220314BHJP
   B05D 3/02 20060101ALI20220314BHJP
   B05D 3/00 20060101ALI20220314BHJP
   B05D 1/36 20060101ALI20220314BHJP
【FI】
B32B27/20 A
B01J13/18
B05D5/06 104Z
B05D7/24 301T
B05D3/12 Z
B05D7/24 303A
B05D7/24 301E
B05D3/02 A
B05D3/00 D
B05D1/36 Z
B05D7/24 301P
B05D7/24 303F
B05D5/06 104B
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020564996
(86)(22)【出願日】2019-01-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-27
(86)【国際出願番号】 CN2019073336
(87)【国際公開番号】W WO2019154148
(87)【国際公開日】2019-08-15
【審査請求日】2020-09-30
(31)【優先権主張番号】201810143407.8
(32)【優先日】2018-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520303612
【氏名又は名称】ボーディング・ラッキー・イノベイティブ・マテリアルズ・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BAODING LUCKY INNOVATIVE MATERIALS CO.LTD
【住所又は居所原語表記】No.569,Herun Road,Baoding City,Hebei 071051,China
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ツゥイ、イェ
(72)【発明者】
【氏名】ラン、グアンニャン
(72)【発明者】
【氏名】リウ、ヤジュン
【審査官】松浦 裕介
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-331467(JP,A)
【文献】特開2009-068991(JP,A)
【文献】特開2009-068990(JP,A)
【文献】特開2009-128248(JP,A)
【文献】特開平10-062276(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0184233(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第101874199(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC B32B 1/00 - 43/00
B01J 13/00 - 13/00
B05D 1/00 - 7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の層が塗布されて発色フィルムを形成するための基材と、
前記基材に形成される凹凸構造層と、
前記凹凸構造層に塗布され、かつ電子供与性無色染料前駆体が内包されたマイクロカプセルを含み、前記電子供与性無色染料が電子受容性化合物と接触して着色する発色層と、を備え、
前記発色フィルムが圧力を受けると、前記凹凸構造層が前記発色層を押圧し、前記発色層内のマイクロカプセルが破壊されて前記電子供与性無色染料前駆体が放出され
前記凹凸構造層が少なくとも2つの凸部を有し、隣接する2つの凸部の先端間の直線距離Lが、D50×0.2≦L≦D50×0.8という関係を満たし、ここで、D50は、前記マイクロカプセルの累積粒度分布数が50%に達したときの対応する粒子径を表す
発色フィルム。
【請求項2】
前記基材と前記凹凸構造層との間に、前記基材上に前記凹凸構造層を強固に支持するためのアンダーコート層をさらに含む、
請求項1に記載の発色フィルム。
【請求項3】
前記凹凸構造層がUV樹脂で形成されている、
請求項1又は2に記載の発色フィルム。
【請求項4】
前記凹凸構造層における凸部形状が、円柱状、円錐状、直方体又は立方体である、
請求項1又は2に記載の発色フィルム。
【請求項5】
前記凹凸構造層における凸部の先端部が尖った形状である、
請求項1又は2に記載の発色フィルム。
【請求項6】
前記アンダーコート層は水性樹脂が塗布されて形成され、前記水性樹脂は、ポリビニルアルコール又はスチレン-ブタジエン共重合体ラテックス系水性樹脂であることが好ましい、
請求項2に記載の発色フィルム。
【請求項7】
請求項1~のいずれか1項に記載の発色フィルムを含む発色フィルム層と、
電子受容性化合物の呈色材料を含む呈色フィルム層と、を含む、
圧力試験フィルム。
【請求項8】
活性希釈剤をUV樹脂に加えて均一に攪拌し、光開始剤又は助剤を加えて均一に攪拌することにより、凹凸構造層スラリーを調製することと、
電子供与性無色染料前駆体を含む油相及び水相を調製し、膜乳化法により油相を水相に加えてエマルションを形成し、硬化剤をさらに加えて均一に攪拌し、50℃に昇温して4時間反応させてマイクロカプセル分散液を調製し、接着剤及び水をさらに加えて均一に攪拌して発色層スラリーを調製することと、
基材に凹凸構造層スラリー、発色層スラリーを順に塗布して圧力試験フィルムに使用可能な発色フィルムを得ることと、を含む、
請求項1~のいずれか1項に記載の発色フィルムを製造する方法。
【請求項9】
活性希釈剤をUV樹脂に加えて均一に攪拌し、光開始剤又は助剤を加えて均一に攪拌することにより、凹凸構造層スラリーを製造することと、
電子供与性無色染料前駆体を含む油相及び水相を調製し、膜乳化法により油相を水相に加えてエマルションを形成し、硬化剤をさらに加えて均一に攪拌し、50℃に昇温して4時間反応させてマイクロカプセル分散液を調製し、接着剤及び水をさらに加えて均一に攪拌して発色層スラリーを調製することと、
活性白土を水に加えて攪拌し予備分散させた後、サンドミルで磨砕して活性白土水分散液を調製し、接着剤を加えて均一に攪拌して呈色層スラリーを調製することと、
基材に凹凸構造層スラリー、発色層スラリーを順に塗布して圧力試験フィルムに使用可能な発色フィルムを得て、また、基材に呈色層スラリーを塗布して圧力試験フィルムに使用可能な呈色フィルムを得ることと、
前記発色フィルムと前記呈色フィルムを組み合わせて前記圧力試験フィルムとすることと、を含む、
請求項に記載の圧力試験フィルムを製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発色フィルム及び圧力試験フィルム並びにその製造方法に関し、特に、凹凸構造層を含む発色フィルム及び圧力試験フィルム並びにその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
圧力試験は、主にプリント配線板のラミネート、ロール間圧力の確認及び調整、液晶ガラスパネルの貼り合わせ、エンジンシリンダーパッケージングなどの、圧力に厳しい要求が求められる各生産加工工程において応用されている。圧力試験は、通常、圧力試験機を用いて行われるが、このような圧力試験方法は操作が煩雑で、測定結果に遅延性があり、試験精度と感度が劣り、小さい面積の領域の圧力試験にしか適用できず、オンライン圧力監視には適さないほか、特殊な形状の領域を有する圧力試験にも適さない。
【0003】
これらの圧力試験の応用を便利にするために、圧力試験フィルムが大量に使用されている。圧力試験フィルムは通常、発色部分と呈色部分を有し、発色部分はマイクロカプセルを含み、マイクロカプセルは電子供与性無色染料前駆体を含む。発色部分は圧力の作用下で、そのうちのマイクロカプセルが破壊されて電子供与性無色染料が放出し、これらの電子供与性無色染料が電子受容性化合物と接触することにより呈色部分が着色され、その後、呈色部分の着色面積と色度などにより、前記圧力の大きさと着力点などを確定する。
【0004】
しかし、従来の圧力試験フィルムでは、圧力試験フィルムの受圧面積とマイクロカプセルの実際の受圧面積を縮小化することはできなかった。実際の使用においては、相当の圧力の下でこそ、マイクロカプセルが破裂して電子供与性無色染料を放出し、電子受容性化合物と接触して着色することができる。このため、圧力試験フィルムを用いて小さな圧力を試験する場合、高感度の圧力試験を実現することは困難であった。
【0005】
このため、圧力の小さい試験環境下での圧力試験に対応できる圧力試験フィルムが求められている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
このため、本開示は、圧力試験フィルムの発色層と基材との間に凹凸構造層を追加し、圧力試験フィルムの受圧面積とマイクロカプセルの実際の受圧面積を縮小化して、圧力試験フィルムの高感度を実現する。
【0007】
具体的には、本開示の1つの形態では、他の層が塗布されて発色フィルムを形成するための基材、基材に形成される凹凸構造層、及び、凹凸構造層に塗布され、電子供与性無色染料前駆体が内包されたマイクロカプセルを含み、当該電子供与性無色染料が電子受容性化合物と接触して着色する発色層、を備え、発色フィルムが圧力を受けると、前記凹凸構造層が前記発色層を押圧し、前記発色層内のマイクロカプセルが破壊されて電子供与性無色染料前駆体が放出される、発色フィルムを提供する。
【0008】
好ましくは、前記発色フィルムは、前記基材と前記凹凸構造層との間に、前記基材上に前記凹凸構造層を強固に支持するためのアンダーコート層をさらに含む。
【0009】
好ましくは、前記凹凸構造層が少なくとも2つの凸部を有し、隣接する2つの凸部の先端間の直線距離Lが、D50×0.2≦L≦D50×0.8という関係を満たし、ここで、D50は、前記マイクロカプセルの累積粒度分布数が50%に達したときの対応する粒子径を表す。
【0010】
好ましくは、前記凹凸構造層はUV樹脂で形成される。
【0011】
好ましくは、前記凹凸構造層における凸部形状が、円柱状、円錐状、直方体又は立方体である。
【0012】
好ましくは、前記凹凸構造層上の凸部の先端部が尖った形状である。
【0013】
凹凸構造層の形成方法については、出願人が同日に提出した発明名称を「凹凸構造作製装置」とする出願を参照することができる。
【0014】
好ましくは、前記アンダーコート層は水性樹脂が塗布されて形成され、前記水性樹脂は、ポリビニルアルコール又はスチレン-ブタジエン共重合体ラテックス系水性樹脂である。
【0015】
本開示のもう1つの形態では、上記の発色フィルムを含む発色フィルム層と、電子受容性化合物の呈色材料を含む呈色フィルム層と、を含む圧力試験フィルムを提供する。
【0016】
本開示のさらにもう1つの形態では、活性希釈剤をUV樹脂に加えて均一に攪拌し、光開始剤又は助剤を加えて均一に攪拌することにより、凹凸構造層スラリーを調製することと、電子供与性無色染料前駆体を含む油相及び水相を調製し、膜乳化法により油相を水相に加えてエマルションを形成し、硬化剤をさらに加えて均一に攪拌し、50℃に昇温して4時間反応させてマイクロカプセル分散液を調製し、接着剤及び水をさらに加えて均一に攪拌して発色層スラリーを調製することと、基材に凹凸構造層スラリー、発色層スラリーを順に塗布して圧力試験フィルムに使用可能な発色フィルムを得ることと、を含む、発色フィルムを製造する方法を提供する。
【0017】
本開示のもう1つの形態では、活性希釈剤をUV樹脂に加えて均一に攪拌し、光開始剤又は助剤を加えて均一に攪拌することにより、凹凸構造層スラリーを製造することと、電子供与性無色染料前駆体を含む油相及び水相を調製し、膜乳化法により油相を水相に加えてエマルションを形成し、硬化剤をさらに加えて均一に攪拌し、50℃に昇温して4時間反応させてマイクロカプセル分散液を調製し、接着剤及び水をさらに加えて均一に攪拌して発色層スラリーを調製することと、活性白土を水に加えて攪拌し予備分散させた後、サンドミルで磨砕して活性白土水分散液を調製し、接着剤を加えて均一に攪拌して呈色層スラリーを調製することと、基材に凹凸構造層スラリー、発色層スラリーを順に塗布して圧力試験フィルムに使用可能な発色フィルムを得て、基材に呈色層スラリーを塗布して圧力試験フィルムに使用可能な呈色フィルムを得ることと、前記発色フィルムと前記呈色フィルムを組み合わせて前記圧力試験フィルムとすることと、を含む、圧力試験フィルムを製造する方法を提供する。
【0018】
本開示の圧力試験フィルムは使用過程において、塗布層が対向するように発色フィルム材料Lと呈色フィルム材料Kを重ね、受圧面の間に置き、マイクロカプセルがその破裂限界値を超える圧力を受けたときに破裂して電子供与性無色染料を放出し、当該電子供与性無色染料が呈色フィルム材料Kに含まれる電子受容性化合物と接触して発色反応を起こし、発色領域濃度の濃淡の観察、測定により、圧力の試験を行うことができる。これは電子供与性無色染料と電子受容性化合物との発色原理を利用した圧力試験であるため、高感度、高解像度特性を有し、かつ低温環境、特に5℃~15℃の環境下での使用要件を満たすこともできる。
【0019】
さらに、本開示の圧力試験フィルムは、発色層とアンダーコート層との間に凹凸構造層を設けることにより、圧力試験フィルムの受圧面積とマイクロカプセルの実際の受圧面積を縮小集約化することができる。圧力換算式P=F/Sによれば、同一の圧力下において、受圧面積が小さくなるとマイクロカプセルが実際に受ける圧力の値が大きくなり、実際に受ける圧力がその限界値を超えるとマイクロカプセルが破裂して電子供与性無色染料を放出し、電子受容性化合物に接触して発色する。よって、圧力試験フィルムに小さな圧力が加えられても、圧力試験フィルムの高感度を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本開示をよりよく理解できるように、かつ本開示を如何にして実施するかをより明確に説明するために、図面及び実施の形態を参照して本開示について説明する。
図1図1は本開示の1つの実施の形態に係る発色フィルム材料Lの構造概念図である。
図2図2は本開示の1つの実施の形態に係る圧力試験フィルムの構造概念図である。
図3図3は本開示の1つの実施の形態に係る発色フィルムの製造方法のフロー図である。
図4図4は本開示の1つの実施の形態に係る圧力試験フィルムの製造方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本開示を実施するための具体的な実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の説明は、本開示内容のある好ましい例についての説明に過ぎず、本開示の範囲を限定するものではない。以下の説明により、本開示の他の例、特徴、態様、実施の形態及び利点が当業者にとって自明なものになるであろう。本開示明細書に記載の思想、表現、実施の形態、例などのうちの任意の1つ又は複数は、本開示明細書に記載の他の思想、表現、実施の形態、例などのうちの任意の1つ又は複数と組み合わせてよいと理解すべきである。よって、以下に説明する教示、表現、実施形態、例などは、互いに独立しているものと見なすべきではない。
【0022】
また、図面における図示は必ずしも縮尺どおりではなく、場合によって、本開示の特徴は、本開示の内容を理解しやすくするために図面において拡大又は縮小されることがある。図面において、同一の図面符号は通常、同一の特徴を表す。
【0023】
図1は本開示の1つの実施の形態に係る発色フィルムの構造概念図である。図1に示すように、本開示によれば、発色フィルムは発色フィルム材料Lからなり、発色フィルム材料Lは発色フィルム基材213、アンダーコート層215、凹凸構造層217及び発色層219からなる。発色フィルム基材213に、アンダーコート層215、凹凸構造層217、発色層219が順次塗布されて付着している。アンダーコート層215、凹凸構造層217、発色層219の構造及び作用については後にさらに詳細に説明する。
【0024】
図2は本開示の1つの実施の形態に係る圧力試験フィルムの構造概念図である。図2に示すように、本開示によれば、圧力試験フィルムは、発色層材料Lを含む発色フィルム層と呈色フィルム材料Kを含む呈色フィルム層とからなる。発色フィルム材料Lは上記のように構成され、呈色フィルム材料Kは、呈色フィルム基材223と呈色層225とからなる。当該圧力試験フィルムは、発色フィルムの発色層219が呈色フィルムの呈色層225に対向するように重ねて形成されている。なお、発色フィルム材料Lと呈色フィルム材料Kは、製造時に圧力試験フィルムを形成せずに、単独のフィルム、つまり発色フィルムと呈色フィルムを別々に製造及び販売し、応用時に、発色フィルムと呈色フィルムとを、発色フィルムの発色層219が呈色フィルムの呈色層255に対向するように重ねて圧力試験フィルムを形成するというような構成としてもよい(以下では説明の便宜上、引き続きこれを圧力試験フィルムという)。
【0025】
また、圧力試験フィルムの応用時に、発色フィルム受圧面211と呈色フィルム受圧面221との間に圧力Pを加えることにより、発色フィルムにおけるマイクロカプセルが破壊されて電子供与性無色染料が放出され、当該電子供与性無色染料が呈色層内の電子受容性化合物と会することにより発色し、発色の程度に応じて圧力Pの大きさを確定することにより、圧力試験フィルムによる圧力試験という目的を達成する。
【0026】
<基材>
ここでいう基材には、発色フィルムの基材213と呈色フィルムの基材223とを含む。本開示の1つの実施の形態において、本開示に適した基材は、プラスチックフィルム、紙、合成紙などの基材から選択できる。このうち、プラスチックフィルムは、具体的にポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)などが挙げられる。紙の具体例としては、上質紙、塗工紙、アート紙などが挙げられる。合成紙の具体例としては、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレートなどの合成繊維からなる合成紙又はこれらを紙の片面若しくは両面に積層して製造された合成紙などが挙げられる。本開示では50~125μmのPETが好ましい。
【0027】
<アンダーコート層215>
本開示の1つの実施の形態において、前記アンダーコート層215の役割は、発色フィルム基材213に対する凹凸構造層217の密着性を向上させることである。前記アンダーコート層215は通常、スチレン-ブタジエン共重合体ラテックス(SBR)、アクリル酸エステル系ラテックス、ポリビニルアルコール(PVA)、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース(CMC)などの合成物質又は天然高分子物質を含む一種類又は複数種類の水性樹脂で構成される。本開示ではPVA及びSBRが好ましい。
【0028】
<凹凸構造層217>
本開示の1つの実施の形態において、前記凹凸構造層217の役割は、圧力試験フィルム表面にかかる圧力を面積変換した後に発色層219内のマイクロカプセルに加えることである。前記凹凸構造層217は、UV樹脂、活性希釈剤、光開始剤からなる。
【0029】
本開示の1つの実施の形態において、前記凹凸構造層217に含まれるUV樹脂は、以下のUV樹脂のうちの2つ以上からなり、本開示に適用可能なUV樹脂としては、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、脂肪族ウレタンアクリレートなどを含むがこれらに限定されない。前記凹凸構造層217における活性希釈剤は以下の活性希釈剤のうちの2つ以上からなり、トリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)、ジプロピレングリコールジアクリレート(DPGDA)のような二官能性モノマー、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PET3A)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)のような三官能性モノマー、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PET4A)のような多官能性モノマーなどを含むがこれらに限定されない。光開始剤としては、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(184)、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニルホスフィンオキシト゛(TPO)、2-メチル-1-[4-メチルチオフェニル]-2-モルホリニル-1-プロパノン(907)などを含むがこれらに限定されない。
【0030】
本開示の1つの実施の形態において、前記凹凸構造層217がアンダーコート層215に設けられ、前記凹凸構造層217の凹凸部分は少なくとも2つ以上の凸部を有し、隣接する2つの凸部間の直線距離LがD50×0.2≦L≦D50×0.8を満たす。L<D50×0.2である場合、隣接する凸部のピッチが小さすぎるためマイクロカプセルの受圧面積を有効に集中させることができず、微小圧力条件下での圧力分布試験ができない。L>D50×0.8であれば、大部分のマイクロカプセルが、隣接する凸部間の空隙に入り込み、受圧時に破裂発色できず圧力分布試験ができない。
【0031】
本開示の1つの実施の形態において、前記凹凸構造層217の凸部形状は、円柱状、円錐状、直方体、立方体などの形状を含むがこれらに限定されない。
【0032】
本開示の1つの実施の形態において、前記凹凸構造層217の凸部の先端部は尖った形状である。
【0033】
<発色層219>
本開示の1つの実施の形態において、前記発色層219は、マイクロカプセル、接着剤及び助剤を含み、当該マイクロカプセルは電子供与性無色染料前駆体を含む。本開示の1つの実施の形態において、本開示のマイクロカプセルには電子供与性無色染料前駆体溶液とマイクロカプセル壁の2つの部分を少なくとも含んでいる。
【0034】
(電子供与性無色染料前駆体溶液)
本開示の1つの実施の形態において、前記電子供与性無色染料前駆体溶液は、少なくとも一種類の電子供与性無色染料前駆体及び少なくとも一種類の溶媒を含む。そのうち、電子供与性無色染料前駆体は主要な発色剤として役に立つ。電子供与性無色染料前駆体は、公知の物質を使用することができ、フルオラン系化合物、インドリルペプチドケトン系化合物、ローダミンラクタム系化合物、スピロピラン系化合物、フェノチアジン系化合物などが挙げられる。本開示に適した電子供与性無色染料前駆体は、クリスタルバイオレットラクトン(CVL)、無色メチレンブルー(BLMB)を含むがこれらに限定されない。
【0035】
溶媒の主な役割は前記電子供与性無色染料前駆体を溶解することであり、公知の物質を用いることができる。例えば、1-フェニル-1-ジメチルフェニルエタンなどのジアリールアルカン類、ジアリールアルケン類、ジイソプロピルナフタレンなどのアルキルナフタレン類、イソアルカンなどの脂肪族炭化水素類、コーン油、ヒマシ油、ナタネ油などの天然動植物油類、鉱物油などが挙げられる。
【0036】
本開示の1つの実施の形態において、前記の電子供与性無色染料前駆体溶液は、前記染料溶液100部に対する3~12部の電子供与性無色染料前駆体を含み、電子供与性無色染料前駆体が3部未満であれば発色濃度が不足し、電子供与性無色染料前駆体が12部を超えると低温環境下で当該電子供与性無色染料前駆体が晶出し有効発色成分が減少する。
【0037】
また、本開示の1つの実施の形態では、必要に応じて、低い沸点を有する溶媒を補助溶媒として加えて、電子供与性無色染料前駆体を溶媒によりよく溶解させることができる。本開示に適した低沸点溶媒は、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類を含むがこれらに限定されない。
【0038】
(マイクロカプセル壁材)
本開示の1つの実施の形態において、前記マイクロカプセルの壁材は、ポリウレタンウレア、ゼラチン、メラミンホルムアルデヒド樹脂などの公知の水不溶性かつ油不溶性の物質から選択することができ、本開示においてはポリウレタンウレアが好ましい。
【0039】
前記マイクロカプセルの壁材の形成には、界面重合法、in situ重合法、コアセルベーション法などの公知の方法を用いることができる。本開示の1つの実施の形態においては界面重合法で壁材を形成するのが好ましい。
【0040】
本開示の1つの実施の形態において、前記壁材料は、少なくとも反応性モノマー及び硬化剤からなる。前記マイクロカプセル壁材に適用する反応性モノマーは、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物、キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物などのポリイソシアネートオリゴマーを含むがこれらに限定されない。前記マイクロカプセル壁材の製造に適用する硬化剤は、脂肪族又は芳香族ポリオールなどの多価ヒドロキシ化合物、トリエチレンテトラミン、ヘキサメチレンジアミンなどのポリアミン、エチレンジアミンのブチレンオキサイド付加物などの脂肪族ポリアミンのアルキレンオキサイド付加物などを含むがこれらに限定されず。分子中に2つ以上の-NH基又は-NH基を持つポリアミンであれば使用することができる。本開示の1つの実施の形態においては硬化剤を水に溶解して使用することが好ましい。
【0041】
本開示の1つの実施の形態において、前記マイクロカプセルの粒径分布の特徴は、粒度分布D50が5μm~15μmで、粒度分布スパン(span)が0.5~1.2であるというものであり、ここでは、span=(D90-D10)/D50)である。D50が5μm未満である場合、マイクロカプセルの受圧限界値は急激に増加し、実際の適用範囲は限られる上、多くのマイクロカプセルは粒子径が小さいため、前記凸部構造間の空隙に入り込み、発色に関与できない。D50が15μmを超える場合、圧力試験フィルムの外観が不均一になる。spanが0.5未満である場合、マイクロカプセルの製造コストが劇的に増加し、spanが1.2より大きい場合、マイクロカプセル体系内の大小の粒子が表面エネルギーの差により凝集を生じるという現象が顕著になり、圧力試験フィルムの応用過程において、凝集による発色濃度のムラが発生し、試験精度が低下する。
【0042】
(接着剤及び助剤)
本開示の1つの実施の形態において、前記発色層における接着剤は、デンプン、CMC、PVAなどの水溶性高分子から選択することができる。
【0043】
本開示の1つの実施の形態において、前記助剤は少なくとも乳化剤を含み、前記乳化剤は、PVA、CMC、デンプン、ゼラチンなどの両親媒性高分子を含むがこれらに限定されず、本開示ではPVAが好ましい。
【0044】
<呈色層225>
本開示の1つの実施の形態において、前記呈色層225は電子受容性化合物及び接着剤を含む。本開示の1つの実施の形態において、前記電子受容性化合物は主要な顕色剤であり、前記電子受容性化合物は、公知の電子受容性化合物を用いることができ、例えば、活性白土、カオリン、粘土類などの無機化合物、芳香族カルボン酸金属塩類、カルボキシル化テルペンフェノール樹脂金属塩類、フェノール樹脂、サリチル酸塩類及びその誘導体などの有機化合物を用いることができる。
【0045】
前記呈色層225における接着剤の役割は、電子受容性化合物の呈色フィルム基材223への付着性を高めることである。本開示に係る呈色層225に適用する接着剤は、以下の水溶性結合剤のうちの1つ以上から構成され、SBR、アクリルラテックス、PVA、アラビアゴム、ゼラチン、CMCなどを含むがこれらに限定されない。
【0046】
図3は本開示の1つの実施の形態に係る発色フィルムの製造方法のフロー図である。図3に示すように、本開示の1つの実施の形態では、ステップS310において、発色フィルムである発色フィルム材料Lの製造に用いる各種スラリーを調製する。前記スラリーは、アンダーコート層スラリー、凹凸構造層スラリー及び発色層スラリーを少なくとも含む。前記ステップS310は、水性樹脂を水に溶解し、助剤を加えて均一に攪拌して、アンダーコート層スラリーを調製しておくことを含む。前記ステップS310は、UV樹脂に活性希釈剤を加えて均一に攪拌し、光開始剤又は助剤を添加して均一に攪拌することにより、凹凸構造層スラリーを調製しておくことをさらに含む。前記ステップS310は、マイクロカプセルを作製することと、発色層スラリーを調製することとをさらに含み、前記マイクロカプセルの作製は、水と油の混合物を乳化させてマイクロカプセル壁材を形成することを含む。前記油相は、少なくとも前記電子供与性無色染料前駆体溶液、マイクロカプセル壁材を合成するための反応モノマーからなり、また、前記水相は、少なくとも乳化剤、水からなる。前記乳化工程は、例えば、機械攪拌乳化法、ホモエマルション法、超音波乳化法、膜乳化法などの公知の乳化方法を用いることができる。本開示の1つの実施の形態において、好ましくは膜乳化法を用いてエマルションを調製し、硬化剤の水溶液をさらに加えて均一に攪拌し、50℃に昇温して4時間反応させてマイクロカプセル分散液を調製する。発色層スラリーの調製は、マイクロカプセル分散液に接着剤及び水をさらに加えて均一に攪拌して発色層スラリーを調製しておくことを含む。
【0047】
ステップS320では、アンダーコート層を、ワイヤーバー、グラビア塗工、押出塗工、反転ローラー塗工などの公知の塗工方式によって基板に塗布して乾燥させる。
【0048】
ステップS330では、凹凸構造層のウェットコーティング層を、ワイヤーバー、グラビア塗工、押出塗工、反転ローラー塗工などの公知の塗工方式によってアンダーコート層に塗布して凹凸構造層を得る。
【0049】
ステップS340では、凹凸構造層に、スライドコート、カーテンコートなどの公知の塗工方式によって発色層を塗布して乾燥させて、本開示に係る発色フィルム材料を得る。
【0050】
図4は本開示の1つの実施の形態に係る圧力試験フィルムの製造方法のフロー図である。図4に示すように、圧力試験フィルムの製造方法は、ステップS410、ステップS450及びステップS460以外は、図3に示す発色フィルムの製造方法とほぼ同一であるため、同一の部分については図3の説明を参照されたい。また、図4に示すように、圧力試験フィルムの製造方法におけるステップS410は、図3に示すステップS310の内容を含む。本開示の当該実施の形態では、ステップS410において呈色フィルム材料を形成するためのスラリーを調製することが追加されただけで、前記スラリーは、少なくとも呈色層スラリーを含み、前記呈色層スラリーは、活性白土を水に加えて攪拌し予備分散させた後、サンドミルで磨砕して活性白土水分散液を調製し、接着剤を加えて均一に攪拌して形成される。
【0051】
また、ステップS450では、呈色層を、ワイヤーバー、グラビア塗工、押出塗工、反転ローラー塗工などの公知の塗工方式によって基板に塗布して乾燥させて前記呈色フィルム材料を得る。
【0052】
そして、ステップS460では、得られた発色フィルム材料を呈色フィルム材料と組み合わせるか、又は、それらを使用するときに一時的に組み合わせることにより、前記圧力試験フィルムを形成する。
【0053】
なお、本開示の1つの実施の形態では、図4に示すステップS410において、図3に示すステップS310に対して追加した内容と、図4に示すステップS450の内容とを併せて、呈色フィルム材料の製造方法を形成してもよい。
【実施例
【0054】
本開示に係る圧力試験フィルムの例
以下では、具体的な実施の形態を組み合わせて本開示についてさらに説明するが、本開示はこれらに限定されない。
【0055】
(例1)
アンダーコート層スラリーの調製
SBR 6kg
PVA217(10%) 10kg
水 84kg
6kgのSBRと10kgの10%のPVA217水溶液を84kgの水に加え、均一に攪拌してアンダーコート層スラリーを調製しておく。
【0056】
凹凸構造層塗布液の調製
ウレタンアクリレート 40kg
エポキシアクリレート 20kg
PET3A 25kg
DPHA 15kg
184 3kg
TPO 3kg
20kgのエポキシアクリレートを40kgのウレタンアクリレートに加え、均一に攪拌し、さらに25kgのPET3A及び15kgのDPHAを順次加え、均一に攪拌した後、3kgの184及び3kgのTPOを加え、十分に均一に攪拌して凹凸構造層スラリーを調製しておく。
【0057】
マイクロカプセル及びその分散液の調製
油相溶液の調製
ジイソプロピルナフタレン 60kg
CVL 3.0kg
BLMB 2.4kg
ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物 12kg
メチルエチルケトン 5kg
3.0kgのCVLと2.4kgのBLMBを60kgのジイソプロピルナフタレンと5kgのメチルエチルケトンに加え、完全に溶解するまで攪拌して染料溶液を得ておき、上記の染料溶液に12kgのヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物を加え、十分に均一に攪拌して油相溶液を得ておく。
【0058】
水相溶液の調製
水 60kg
PVA217水溶液(10%) 40kg
40kgの10%のPVA217水溶液を60kgの水に加え、均一に攪拌して水相溶液を得ておく。
【0059】
硬化剤水溶液
トリエチレンテトラミン 5kg
水 20kg
膜乳化器の連続移動相として水相溶液を、分散相として油相溶液を用い、膜乳化法によりマイクロカプセルエマルションを得た後、得られたエマルションに硬化剤水溶液を加え、攪拌状態下で50℃まで昇温して4時間反応を継続した後、室温まで冷却し、水を加えて固形分30%に調整し、電子供与性無色染料前駆体を含むマイクロカプセル分散液を得る。
【0060】
発色層分散液の調製
マイクロカプセル分散液(30%) 50kg
PVA205水溶液(10%) 20kg
CMC水溶液(10%) 30kg
水 33kg
20kgの10%のPVA205水溶液及び30kgの10%のCMC水溶液を50kgの30%のマイクロカプセル分散液に順次加え、均一に攪拌した後、33kgの水を加えて固形分15%に調整して発色層分散液を得ておく。
【0061】
呈色層分散液の調製
水 30kg
活性白土 10kg
SBR 2kg
ゼラチン 2kg
10kgの活性白土を30kgの水に加え、サンドミルでサンドミル分散して活性白土水分散液を得て、2kgのSBRと2kgのゼラチンをさらに加えて均一に攪拌し、呈色層分散液を得ておく。
【0062】
75μmのPET基材にワイヤーバーを使用して順次に0.5μmのアンダーコート層、凹凸構造層を塗布し、スライドコーターで12μmの発色層を塗布し、乾燥し、巻き取って、本開示に係る圧力試験フィルムの発色フィルム材料を得る。
【0063】
75μmのPET基材にワイヤーバーで13μmの呈色層を塗布し、乾燥、巻取り後、本開示に係る圧力試験フィルムの呈色フィルム材料を得る。得られた発色フィルム材料を呈色フィルム材料に塗布層が対向するように重ねてその性能を検査する。
【0064】
(例2)
アンダーコート層スラリーの調製
SBR 6kg
PVA217(10%) 10kg
水 84kg
6kgのSBRと10kgの10%のPVA217水溶液を84kgの水に加え、均一に攪拌してアンダーコート層スラリーを調製しておく。
【0065】
凹凸構造層塗布液の調製
ウレタンアクリレート 40kg
エポキシアクリレート 20kg
PET3A 22kg
DPHA 18kg
907 3kg
TPO 3kg
20kgのエポキシアクリレートを40kgのウレタンアクリレートに加え、均一に攪拌し、さらに22kgのPET3Aと18kgのDPHAを順次加え、均一に攪拌した後、3kgの907と3kgのTPOを加えて、十分に均一に攪拌して凹凸構造層スラリーを調製しておく。
【0066】
マイクロカプセル及びその分散液の調製
油相溶液の調製
ジイソプロピルナフタレン 60kg
CVL 4.4kg
BLMB 3.6kg
ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物 10kg
メチルエチルケトン 5kg
4.4kgのCVLと3.6kgのBLMBを60kgのジイソプロピルナフタレンと5kgのメチルエチルケトンに加え、完全に溶解するまで攪拌して染料溶液を得ておき、上記の染料溶液に10kgのヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物を加え、十分に均一に攪拌して油相溶液を得ておく。
【0067】
水相溶液の調製
水 60kg
PVA205水溶液(10%) 40kg
40kgの10%のPVA205水溶液を60kgの水に加え、均一に攪拌して水相溶液を得ておく。
硬化剤水溶液
エチレンジアミンのブチレンオキサイド付加物 5kg
水 20kg
膜乳化器の連続移動相として水相溶液を、分散相として油相溶液を用い、膜乳化法によりマイクロカプセルエマルションを得る。その後、得られたエマルションに硬化剤水溶液を加え、攪拌状態下で50℃まで昇温して4時間反応を継続した後、室温まで冷却し、水を加えて固形分30%に調整し、電子供与性無色染料前駆体を含むマイクロカプセル分散液を得る。
【0068】
発色層分散液の調製
マイクロカプセル分散液(30%) 50kg
PVA205水溶液(10%) 20kg
CMC水溶液(10%) 30kg
水 33kg
20kgの10%のPVA205水溶液と30kgの10%のCMC水溶液を50kgの30%のマイクロカプセル分散液に順次加え、均一に攪拌した後、33kgの水を加えて固形分15%に調整して発色層分散液を得ておく。
【0069】
呈色層分散液の調製
水 30kg
活性白土 10kg
SBR 2kg
ゼラチン 2kg
10kgの活性白土を30kgの水に加え、サンドミルでサンドミル分散して活性白土水分散液を得て、2kgのSBRと2kgのゼラチンをさらに加えて均一に攪拌し、呈色層分散液を得ておく。
【0070】
75μmのPET基材にワイヤーバーを使用して順次に0.5μmのアンダーコート層、凹凸構造層を塗布し、スライドコーターで12μmの発色層を塗布し、乾燥し、巻き取って、本開示に係る圧力試験フィルムの発色フィルム材料を得る。
【0071】
75μmのPET基材にワイヤーバーで13μmの呈色層を塗布し、乾燥、巻取り後、本開示に係る圧力試験フィルムの呈色フィルム材料を得る。得られた発色フィルム材料を呈色フィルム材料に塗布層が対向するように重ねてその機能を検査する。
【0072】
(例3)
アンダーコート層スラリーの調製
SBR 5kg
PVA117(10%) 15kg
水 80kg
5kgのSBRと15kgの10%のPVA117水溶液を80kgの水に加え、均一に攪拌してアンダーコート層スラリーを調製しておく。
【0073】
凹凸構造層塗布液の調製
ウレタンアクリレート 40kg
エポキシアクリレート 20kg
TPGDA 25kg
DPHA 15kg
184 3kg
TPO 3kg
20kgのエポキシアクリレートを40kgのウレタンアクリレートに加え、均一に攪拌し、さらに25kgのTPGDAと15kgのDPHAを順次加え、均一に攪拌した後、3kgの184及び3kgのTPOを加え、十分に均一に攪拌して凹凸構造層スラリーを調製しておく。
【0074】
マイクロカプセル及びその分散液の調製
油相溶液の調製
1-フェニル-1-ジメチルフェニルエタン 60kg
CVL 1.5kg
BLMB 1.2kg
ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物 8kg
メチルエチルケトン 5kg
1.5kgのCVLと1.2kgのBLMBを60kgの1-フェニル-1-ジメチルフェニルエタンと5kgのメチルエチルケトンに加え、完全に溶解するまで攪拌して染料溶液を得ておき、上記の染料溶液に8kgのヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物を加え、十分に均一に攪拌して油相溶液を得ておく。
【0075】
水相溶液の調製
水 60kg
PVA217水溶液(10%) 40kg
40kgの10%のPVA217水溶液を60kgの水に加え、均一に攪拌して水相溶液を得ておく。
【0076】
硬化剤水溶液
ヘキサメチレンジアミン 4kg
水 20kg
膜乳化器の連続移動相として水相溶液を、分散相として油相溶液を用い、膜乳化法によりマイクロカプセルエマルションを得る。その後、得られたエマルションに硬化剤水溶液を加え、攪拌状態下で50℃まで昇温して4時間反応を継続した後、室温まで冷却し、水を加えて固形分30%に調整し、電子供与性無色染料前駆体を含むマイクロカプセル分散液を得る。
【0077】
発色層分散液の調製
マイクロカプセル分散液(30%) 50kg
PVA205水溶液(10%) 20kg
CMC水溶液(10%) 30kg
水 33kg
20kgの10%のPVA205水溶液と30kgの10%のCMC水溶液を50kgの30%のマイクロカプセル分散液に順次加え、均一に攪拌した後、33kgの水を加えて固形分15%に調整して発色層分散液を得ておく。
【0078】
呈色層分散液の調製
水 30kg
活性白土 10kg
SBR 2kg
ゼラチン 2kg
10kgの活性白土を30kgの水に加え、サンドミルでサンドミル分散して活性白土水分散液を得て、2kgのSBRと2kgのゼラチンをさらに加えて均一に攪拌し、呈色層分散液を得ておく。
【0079】
75μmのPET基材にワイヤーバーを使用して順次に0.5μmのアンダーコート層、凹凸構造層を塗布し、スライドコーターで12μmの発色層を塗布し、乾燥し、巻き取って、本開示に係る圧力試験フィルムの発色フィルム材料を得る。
【0080】
75μmのPET基材にワイヤーバーで13μmの呈色層を塗布し、乾燥、巻取り後、本開示に係る圧力試験フィルムの呈色フィルム材料を得る。得られた発色フィルム材料を呈色フィルム材料に塗布層が対向するように重ねてその性能を検査する。
【0081】
(例4)
アンダーコート層スラリーの調製
SBR 5kg
PVA217(10%) 15kg
水 80kg
5kgのSBRと15kgの10%のPVA217水溶液を80kgの水に加え、均一に攪拌してアンダーコート層スラリーを調製しておく。
【0082】
凹凸構造層塗布液の調製
ウレタンアクリレート 35kg
エポキシアクリレート 25kg
PET3A 20kg
PET4A 20kg
184 3kg
907 3kg
25kgのエポキシアクリレートを35kgのウレタンアクリレートに加え、均一に攪拌し、さらに20kgのPET3A及び20kgのPET4Aを順次加え、均一に攪拌した後、3kgの184及び3kgの907を加えた後、十分に均一に攪拌して凹凸構造層スラリーを調製しておく。
【0083】
マイクロカプセル及びその分散液の調製
油相溶液の調製
ジイソプロピルナフタレン 60kg
CVL 3.0kg
BLMB 2.4kg
ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物 7.5kg
メチルエチルケトン 5kg
3.0kgのCVLと2.4kgのBLMBを60kgのジイソプロピルナフタレンと5kgのメチルエチルケトンに加え、完全に溶解するまで攪拌して染料溶液を得ておき、上記の染料溶液に7.5kgのヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物を加え、十分に均一に攪拌して油相溶液を得ておく。
【0084】
水相溶液の調製
水 60kg
PVA217水溶液(10%) 40kg
40kgの10%のPVA217水溶液を60kgの水に加え、均一に攪拌して水相溶液を得ておく。
【0085】
硬化剤水溶液
トリエチレンテトラミン 4kg
水 20kg
膜乳化器の連続移動相として水相溶液を、分散相として油相溶液を用い、膜乳化法によりマイクロカプセルエマルションを得る。その後、得られたエマルションに硬化剤水溶液を加え、攪拌状態下で50℃まで昇温して4時間反応を継続した後、室温まで冷却し、水を加えて固形分30%に調整し、電子供与性無色染料前駆体を含むマイクロカプセル分散液を得る。
【0086】
発色層分散液の調製
マイクロカプセル分散液(30%) 50kg
PVA205水溶液(10%) 20kg
CMC水溶液(10%) 30kg
水 33kg
20kgの10%のPVA205水溶液と30kgの10%のCMC水溶液を50kgの30%のマイクロカプセル分散液に順次加え、均一に攪拌した後、33kgの水を加えて固形分15%に調整して発色層分散液を得ておく。
【0087】
呈色層分散液の調製
水 30kg
活性白土 10kg
SBR 2kg
ゼラチン 2kg
10kgの活性白土を30kgの水に加え、サンドミルでサンドミル分散して活性白土水分散液を得て、2kgのSBRと2kgのゼラチンをさらに加えて均一に攪拌し、呈色層分散液を得ておく。
【0088】
75μmのPET基材にワイヤーバーを使用して順次に0.5μmのアンダーコート層、凹凸構造層を塗布し、スライドコーターで12μmの発色層を塗布し、乾燥し、巻き取って、本開示に係る圧力試験フィルムの発色フィルム材料を得る。
【0089】
75μmのPET基材にワイヤーバーで13μmの呈色層を塗布し、乾燥、巻取り後、本開示に係る圧力試験フィルムの呈色フィルム材料を得る。得られた発色フィルム材料を呈色フィルム材料に塗布層が対向するように重ねてその性能を検査する。
【0090】
(例5)
アンダーコート層スラリーの調製
SBR 6kg
PVA117(10%) 10kg
水 84kg
6kgのSBRと10kgの10%のPVA217水溶液を84kgの水に加え、均一に攪拌してアンダーコート層スラリーを調製しておく。
【0091】
凹凸構造層塗布液の調製
ウレタンアクリレート 30kg
エポキシアクリレート 30kg
DPGDA 30kg
PET4 10kg
184 2.5kg
TPO 4kg
30kgのエポキシアクリレートを30kgのウレタンアクリレートに加え、均一に攪拌し、さらに30kgのDPGDA及び10kgのPET4Aを順次加え、均一に攪拌した後、2.5kgの184及び4kgのTPOを加え、十分に均一に攪拌して凹凸構造層スラリーを製造しておく。
【0092】
マイクロカプセル及びその分散液の作製
油相溶液の調製
1-フェニル-1-ジメチルフェニルエタン 60kg
CVL 2.0kg
BLMB 1.6kg
ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物 12kg
メチルエチルケトン 5kg
2.0kgのCVLと1.6kgのBLMBを60kgの1-フェニル-1-ジメチルフェニルエタンと5kgのメチルエチルケトンに加え、完全に溶解するまで攪拌して染料溶液を得ておき、上記の染料溶液に12kgのヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物を加え、十分に均一に攪拌して油相溶液を得ておく。
【0093】
水相溶液の調製
水 60kg
PVA217水溶液(10%) 40kg
40kgの10%のPVA217水溶液を60kgの水に加え、均一に攪拌して水相溶液を得ておく。
【0094】
硬化剤水溶液
トリエチレンテトラミン 5kg
水 20kg
膜乳化器の連続移動相として水相溶液を、分散相として油相溶液を用い、膜乳化法によりマイクロカプセルエマルションを得る。その後、得られたエマルションに硬化剤水溶液を加え、攪拌状態下で50℃まで昇温して4時間反応を継続した後、室温まで冷却し、水を加えて固形分30%に調整し、電子供与性無色染料前駆体を含むマイクロカプセル分散液を得る。
【0095】
発色層分散液の調製
マイクロカプセル分散液(30%) 50kg
PVA205水溶液(10%) 20kg
CMC水溶液(10%) 30kg
水 33kg
20kgの10%のPVA205水溶液と30kgの10%のCMC水溶液を50kgの30%のマイクロカプセル分散液に順次加え、均一に攪拌した後、33kgの水を加えて固形分15%に調整して発色層分散液を得ておく。
【0096】
呈色層分散液の調製
水 30kg
活性白土 10kg
SBR 2kg
ゼラチン 2kg
10kgの活性白土を30kgの水に加え、サンドミルでサンドミル分散して活性白土水分散液を得て、2kgのSBRと2kgのゼラチンをさらに加えて均一に攪拌し、呈色層分散液を得ておく。
【0097】
75μmのPET基材にワイヤーバーを使用して順次に0.5μmのアンダーコート層、凹凸構造層を塗布し、スライドコーターで12μmの発色層を塗布し、乾燥し、巻き取って、本開示に係る圧力試験フィルムの発色フィルム材料を得る。
【0098】
75μmのPET基材にワイヤーバーで13μmの呈色層を塗布し、乾燥、巻取り後、本開示に係る圧力試験フィルムの呈色フィルム材料を得る。得られた発色フィルム材料を呈色フィルム材料に塗布層が対向するように重ねてその性能を検査する。
【0099】
従来の圧力試験フィルムとの比較
(比較例1)
アンダーコート層スラリーの調製
SBR 6kg
PVA217(10%) 10kg
水 84kg
6kgのSBRと10kgの10%のPVA217水溶液を84kgの水に加え、均一に攪拌してアンダーコート層スラリーを調製しておく。
【0100】
マイクロカプセル及びその分散液の調製
油相溶液の調製
ジイソプロピルナフタレン 60kg
CVL 5.0kg
BLMB 3.8kg
ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物 12kg
メチルエチルケトン 5kg
5.0kgのCVLと3.8kgのBLMBを60kgのジイソプロピルナフタレンと5kgのメチルエチルケトンに加え、完全に溶解するまで攪拌して染料溶液を得ておき、上記の染料溶液に12kgのヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物を加え、十分に均一に攪拌して油相溶液を得ておく。
【0101】
水相溶液の調製
水 60kg
PVA217水溶液(10%) 40kg
40kgの10%のPVA217水溶液を60kgの水に加え、均一に攪拌して水相溶液を得ておく。
【0102】
硬化剤水溶液
トリエチレンテトラミン 5kg
水 20kg
機械乳化法により、水相溶液を連続相とし、750rpm高速攪拌状態下で油相溶液を加えて10分間乳化し、マイクロカプセルエマルションを得る。その後、得られたエマルションに硬化剤水溶液を加え、攪拌状態下で50℃まで昇温して4時間反応を継続した後、室温まで冷却し、水を加えて固形分を30%に調整し、電子供与性無色染料前駆体を含むマイクロカプセル分散液を得る。
【0103】
発色層分散液の調製
マイクロカプセル分散液(30%) 50kg
PVA205水溶液(10%) 20kg
CMC水溶液(10%) 30kg
水 33kg
20kgの10%のPVA205水溶液と30kgの10%のCMC水溶液を50kgの30%のマイクロカプセル分散液に順次加え、均一に攪拌した後、33kgの水を加えて固形分15%に調整して発色層分散液を得ておく。
【0104】
呈色層分散液の調製
水 30kg
活性白土 10kg
SBR 2kg
ゼラチン 2kg
10kgの活性白土を30kgの水に加え、サンドミルでサンドミル分散して活性白土水分散液を得て、2kgのSBRと2kgのゼラチンをさらに加えて均一に攪拌し、呈色層分散液を得ておく。
【0105】
75μmのPET基材にワイヤーバーを使用して順次に0.5μmのアンダーコート層を塗布し、スライドコーターで12μmの発色層を塗布し、乾燥し、巻き取って圧力試験フィルムの発色フィルム材料を得る。
【0106】
75μmのPET基材にワイヤーバーで13μmの呈色層を塗布し、乾燥、巻取り後、圧力試験フィルムの呈色フィルム材料を得る。得られた発色フィルム材料を呈色フィルム材料に塗布層が対向するように重ねてその性能を検査する。
【0107】
(比較例2)
アンダーコート層スラリーの調製
SBR 5kg
PVA217(10%) 15kg
水 80kg
5kgのSBRと15kgの10%のPVA217水溶液を80kgの水に加え、均一に攪拌してアンダーコート層スラリーを調製しておく。
【0108】
凹凸構造層塗布液の調製
ウレタンアクリレート 40kg
エポキシアクリレート 20kg
PET3A 25kg
DPHA 15kg
184 3kg
TPO 3kg
20kgのエポキシアクリレートを40kgのウレタンアクリレートに加え、均一に攪拌し、さらに25kgのPET3A及び15kgのDPHAを順次加え、均一に攪拌した後、3kgの184及び3kgのTPOを加えた後、十分に均一に攪拌して凹凸構造層スラリーを調製しておく。
【0109】
マイクロカプセル及びその分散液の調製
油相溶液の調製
ジイソプロピルナフタレン 60kg
CVL 6.5kg
BLMB 5.4kg
ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物 12kg
メチルエチルケトン 5kg
6.5kgのCVLと5.4kgのBLMBを60kgのジイソプロピルナフタレンと5kgのメチルエチルケトンに加え、完全に溶解するまで攪拌して染料溶液を得ておき、上記の染料溶液に12kgのヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物を加え、十分に均一に攪拌して油相溶液を得ておく。
【0110】
水相溶液の調製
水 60kg
PVA217水溶液(10%) 40kg
40kgの10%のPVA217水溶液を60kgの水に加え、均一に攪拌して水相溶液を得ておく。
【0111】
硬化剤水溶液
トリエチレンテトラミン 5kg
水 20kg
機械乳化法により、水相溶液を連続相とし、950rpm高速攪拌状態下で油相溶液を加えて10分間乳化し、マイクロカプセルエマルションを得る。その後、得られたエマルションに硬化剤水溶液を加え、攪拌状態下で50℃まで昇温して、4時間反応を継続した後、室温まで冷却し、水を加えて固形分を30%に調整し、電子供与性無色染料前駆体を含むマイクロカプセル分散液を得る。
【0112】
発色層分散液の調製
マイクロカプセル分散液(30%) 50kg
PVA205水溶液(10%) 20kg
CMC水溶液(10%) 30kg
水 33kg
20kgの10%のPVA205水溶液と30kgの10%のCMC水溶液を50kgの30%のマイクロカプセル分散液に順次加え、均一に攪拌した後、33kgの水を加えて固形分15%に調整して発色層分散液を得ておく。
【0113】
75μmのPET基材にワイヤーバーを使用して順次に0.5μmのアンダーコート層、凹凸構造層を塗布し、スライドコーターで12μmの発色層を塗布し、乾燥し、巻き取って圧力試験フィルムの発色フィルム材料を得る。
【0114】
75μmのPET基材にワイヤーバーで13μmの呈色層を塗布し、乾燥、巻取り後、圧力試験フィルムの呈色フィルム材料を得る。得られた発色フィルム材料を呈色フィルム材料に塗布層が対向するように重ねてその性能を検査する。
【0115】
【表1】
【0116】
表において、各項目の性能のテスト方法は以下のとおりである。
【0117】
1.粒度分布のテスト方法
マイクロカプセル分散液を採取し、BT-9300ST型レーザー粒度分布計を用いてテストし、マイクロカプセル分散液の粒度分布D50と粒度分布スパン(span)を得る。
【0118】
2.A値のテスト方法
アンダーコート層及び凹凸構造層を塗布したシートを採取し、電子顕微鏡(SEM)で隣接する凸部5組の間の最短距離を測定し、その平均値を求めてA値を得る。
【0119】
3.低温発色適性のテスト方法
上記で得られた圧力試験フィルムを2つのグループI、IIに分け、それぞれ25℃の条件下と10℃の条件下で以下のテストを行う。まず、上記マイクロカプセルを3cm×3cmの大きさに切断し、塗布層が対向するように電子供与性無色染料前駆体を含む発色シートと電子受容性化合物を含む呈色シートを重ね、2つの滑らかな表面の間にこれを配置し、シート全体に全面的に圧力を加えて飽和発色させ、次いで、重ね合わせた両シートを剥離し、呈色シートの呈色部分の濃度値OD1をX. rite色差計を用いて測定し、同一の方法で呈色シートの非呈色部分の初期濃度値OD0を求め、OD1-OD0から実際の発色濃度ODを求める。ODI-ODIIにより、異なる温度下における2つのグループのシートの、同一圧力下での発色濃度の差ΔODを得ることができる。
【0120】
評価基準
A (1.5≦OD、ΔOD≦0.2):10℃で染料が析出せず、通常使用可能である。
B (1.3≦OD<1.5、0.2<ΔOD≦0.4):10℃で染料がわずかに析出し、使用には影響しない。
C (OD<1.3、ΔOD>0.4):10℃で色素が激しく析出し、正常に使用できない。
【0121】
4.試験感度のテスト方法
上記で得られた圧力試験フィルムを20cm×20cmの大きさに切断し、塗布層が対向するように電子供与性無色染料前駆体を含む発色シートと電子受容性化合物を含む呈色シートを重ね、2つの滑らかな表面の間にこれを配置し、シート全体に全面的に圧力を加えて発色させ、その後、重ね合わせた両シートを剥離し、呈色シート上の異なる5つの領域の呈色濃度値ODiをX. rite色差計を用いてランダム測定し、平均値ODを求めるとともに最大誤差値ΔODを求め、ΔODをODで除算すれば百分率数値Xが得られる。
【0122】
A (X≦5%):境界が明瞭に識別でき、試験感度は高い。
B (5%<X≦10%):境界の鮮明さは許容可能であり、試験感度は許容可能である。
C (10%<X):境界がややぼやけており、試験感度は劣る。
【0123】
5.外観均一性のテスト方法
上記で得られた圧力試験フィルムを10cm×10cmの大きさに切断し、ランダムに5つの領域を選び、電子顕微鏡によるマイクロカプセルの外観観察を行う。
【0124】
A:大小の粒子の広がりが均一であり、凝集がない。
B:大小の粒子の広がりがほぼ均一であり、顕著な凝集がない。
C:大小の粒子の広がりが十分に均一ではなく、小さな粒子が大きな粒子に引き寄せられて島状構造を形成する。
【0125】
表におけるテスト結果から分かるように、低温発色適性、試験感度及び外観均一性がいずれも比較例より優れるため、本開示の技術案を採用することによって製造された圧力試験フィルムは、低温環境の使用要件を満たすことができ、高感度及び高解像度の圧力分布試験を実現することができる。
【0126】
本開示は、図面に示され、本明細書に記載されている実施の形態に限らない。上記説明は単なる例示的なものであり、本開示の範囲を限定するものではない。上記説明から、本開示の思想及び範囲内に入る多数の変形例が明らかとなるであろう。
図1
図2
図3
図4