(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-11
(45)【発行日】2022-03-22
(54)【発明の名称】ボディダイオードの電力損失を最小にするスイッチングコンバータのゲートドライバ
(51)【国際特許分類】
H02M 1/08 20060101AFI20220314BHJP
H03K 17/08 20060101ALI20220314BHJP
H03K 17/695 20060101ALI20220314BHJP
【FI】
H02M1/08 A
H03K17/08 C
H03K17/695
(21)【出願番号】P 2021043530
(22)【出願日】2021-03-17
(62)【分割の表示】P 2019029200の分割
【原出願日】2019-02-21
【審査請求日】2021-04-20
(32)【優先日】2018-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514037697
【氏名又は名称】リテルヒューズ・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100071010
【氏名又は名称】山崎 行造
(74)【代理人】
【識別番号】100118647
【氏名又は名称】赤松 利昭
(74)【代理人】
【識別番号】100123892
【氏名又は名称】内藤 忠雄
(74)【代理人】
【識別番号】100169993
【氏名又は名称】今井 千裕
(72)【発明者】
【氏名】チルガノビッチ、アナトリー ヴィー
(72)【発明者】
【氏名】ネイマン、レオニッド エー
(72)【発明者】
【氏名】サタール、ムド アブドゥス
(72)【発明者】
【氏名】ツカノフ、ウラジミール
【審査官】遠藤 尊志
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-143804(JP,A)
【文献】特開2015-216818(JP,A)
【文献】特開2011-15461(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 1/00- 1/44
H02M 7/42- 7/98
H03K 17/00-17/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハイサイドドライバデジタル制御信号入力端子と、
ハイサイドドライバ出力端子と、
前記ハイサイドドライバ出力端子にハイサイドゲートドライバ出力信号を出力するよう構成されたハイサイドゲートドライバ回路と、
ローサイドドライバデジタル制御信号入力端子と、
ローサイドドライバ出力端子と、
前記ローサイドドライバ出力端子にローサイドゲートドライバ出力信号を出力するよう構成されたローサイドゲートドライバ回路と、
ハイサイド電流検出入力端子と、
ハイサイド電圧検出入力端子と、
ローサイド電流検出入力端子と、
ローサイド電圧検出入力端子と、
前記ハイサイドゲートドライバ回路に制御信号を供給し、前記ハイサイドドライバデジタル制御信号入力端子からハイサイドドライバデジタル制御信号を受信するよう構成されたハイサイドドライバ論理回路と、
前記ローサイドゲートドライバ回路に制御信号を供給し、前記ローサイドドライバデジタル制御信号入力端子からローサイドドライバデジタル制御信号を受信するよう構成されたローサイドドライバ論理回路と、
第1のコンパレータを具備し、前記ハイサイド電流検出入力端子から信号を受信するよう構成され、前記ハイサイドドライバ論理回路に信号を供給するよう構成されたハイサイド電流検出回路と、
第2のコンパレータを具備し、前記ハイサイド電圧検出入力端子から信号を受信するよう構成され、前記ローサイドドライバ論理回路に信号を供給するよう構成されたハイサイド電圧検出回路と、
第3のコンパレータを具備し、前記ローサイド電流検出入力端子から信号を受信するよう構成され、前記ローサイドドライバ論理回路に信号を供給するよう構成されたローサイド電流検出回路と、
第4のコンパレータを具備し、前記ローサイド電圧検出入力端子から信号を受信するよう構成され、前記ハイサイドドライバ論理回路に信号を供給するよう構成されたローサイド電圧検出回路と、
を具備するゲートドライバ集積回路。
【請求項2】
スイッチングノード入力端子と、
前記第2のコンパレータに第1の基準電圧を供給するよう構成された第1の基準電圧回路であって、前記第1の基準電圧は、前記スイッチングノード入力端子の電圧を基準にしたものである、第1の基準電圧回路と、
接地ノード入力端子と、
前記第4のコンパレータに第2の基準電圧を供給するよう構成された第2の基準電圧回路であって、前記第2の基準電圧は、前記接地ノード入力端子の電圧を基準にしたものである、第2の基準電圧回路と、
をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載のゲートドライバ集積回路。
【請求項3】
ローサイドトランジスタのゲートにローサイドゲート信号を送り、ハイサイドトランジスタのゲートにハイサイドゲート信号を送るのに適したゲートドライバ集積回路であって、前記ハイサイドトランジスタはボディダイオードを有し、前記ゲートドライバ集積回路は、
ハイサイドドライバデジタル制御信号入力端子と、
ハイサイドドライバ出力端子と、
前記ハイサイドドライバ出力端子にハイサイドゲートドライバ出力信号を出力するハイサイドゲートドライバ回路と、
ローサイドドライバデジタル制御信号入力端子と、
ローサイドドライバ出力端子と、
前記ローサイドドライバ出力端子にローサイドゲートドライバ出力信号を出力するローサイドゲートドライバ回路と、
第1のコンパレータを具備し、前記ハイサイドトランジスタの前記ボディダイオードに接続されたボディダイオード電流監視回路と、
前記ローサイドドライバデジタル制御信号入力端子及び前記ハイサイドトランジスタに接続されたハイサイドドライバ論理回路と、
第2のコンパレータを具備し、前記ハイサイドトランジスタ及び前記ローサイドゲートドライバ回路に接続されたVGs監視回路と、
を具備することを特徴とするゲートドライバ集積回路。
【請求項4】
前記第1のコンパレータは、前記ハイサイドドライバ論理回路に伝達される第1のコンパレータ出力信号を出力するよう構成され、前記第2のコンパレータは、ローサイドドライバ論理回路に伝達される第2のコンパレータ出力信号を出力するよう構成され、前記ハイサイドドライバ論理回路は、前記ハイサイドドライバデジタル制御信号入力端子からハイサイドドライバデジタル制御信号を受信するよう構成されることを特徴とする請求項3に記載のゲートドライバ集積回路。
【請求項5】
前記ゲートドライバ集積回路は命令を受け取り実行するデジタルプロセッサを含まないことを特徴とする請求項4に記載のゲートドライバ集積回路。
【請求項6】
前記ボディダイオード電流監視回路は、電流検出入力端子及び基準電圧回路をさらに具備し、前記第1のコンパレータの第1の差動入力リードは前記電流検出入力端子に接続され、前記第1のコンパレータの第2の差動入力リードは前記基準電圧回路に接続されることを特徴とする請求項4に記載のゲートドライバ集積回路。
【請求項7】
前記VGs監視回路は、電圧検出入力端子及び基準電圧回路をさらに具備し、前記第2のコンパレータの第1の差動入力リードは前記電圧検出入力端子に接続され、前記第2のコンパレータの第2の差動入力リードは前記基準電圧回路に接続されることを特徴とする請求項4に記載のゲートドライバ集積回路。
【請求項8】
前記VGs監視回路は前記ハイサイドトランジスタのゲート・ソース間電圧が所定の閾値電圧より低下したときを検出するためのものであり、このゲート・ソース間電圧の低下は、前記ハイサイドドライバ論理回路が前記ハイサイドトランジスタをターンオフさせたことに起因するものであり、前記ハイサイドドライバデジタル制御信号入力端子上にデジタル論理ロー値が生じていた間の、このターンオフの直前には、前記ハイサイドトランジスタはオンであり導通していたことを特徴とする、請求項3に記載のゲートドライバ集積回路。
【請求項9】
前記ゲートドライバ集積回路がマルチビットデジタル制御値を受信するためのシリアルデジタルインターフェース回路をさらに具備し、前記マルチビットデジタル制御値により所定の閾値電流が設定されることを特徴とする、請求項3に記載のゲートドライバ集積回路。
【請求項10】
前記ゲートドライバ集積回路がマルチビットデジタル制御値を受信するためのシリアルデジタルインターフェース回路をさらに具備し、前記マルチビットデジタル制御値により所定の閾値電圧が設定されることを特徴とする、請求項3に記載のゲートドライバ集積回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示による実施形態は、電力用電界効果トランジスタ(いわゆるMOSFET)のよ
うな電力トランジスタのゲートを駆動するためのゲートドライバに関する。
【背景技術】
【0002】
スイッチング電力コンバータにはいくつかのタイプの電力損失がある。これを説明する
ために、ここでは1つの特定のタイプのスイッチングコンバータについて簡単に説明する
。これは一般に「インバータ」と呼ばれるDC/ACスイッチングコンバータである。イ
ンバータは、DC供給電圧を受け取り、そして正弦波のAC電圧または電流を出力する。
インバータには様々な回路トポロジーがあるが、
図1Aは、1つの例示的なインバータ回
路の一部を例示する。インバータ回路には、QHSと呼ばれるいわゆる「ハイサイド」ト
ランジスタと、QLSと呼ばれるいわゆる「ローサイド」トランジスタとが含まれる。こ
れらのトランジスタの各々は、しばしばNチャネルMOSFET(金属酸化膜半導体電界
効果トランジスタ)と俗に呼ばれるNチャネル電界効果トランジスタである。これらの各
トランジスタは、半導体ダイの一部として実現されている。そのダイの一部として固有の
ボディダイオードがある。ダイオードは、Nチャネルトランジスタとの記号で示すことが
でき、または全く示さないこともできるが、ここではトランジスタに添えて示されている
。インバータ回路では、ノードN1に第1のDC供給電圧が印加され、ノードN2にそれ
より高い第2のDC供給電圧が印加されている。ノードGNDは接地ノードである。符号
Lはトランスの一次巻線(一次側巻線)を示す。トランスのコア及びトランスの二次巻線
(二次側巻線)は図示されていない。インバータ回路の全体的な目的は、一次巻線Lを流
れる交流電流を発生させることである。これにより、変圧器の二次巻線にも同様の交流電
流が流れ、二次巻線のこの交流電流を負荷に流す。ハイサイドトランジスタ及びローサイ
ドトランジスタを制御する制御回路及び駆動回路は示されていない。
【0003】
巻線Lに流れる出力正弦波交流電流の最初の半サイクルでは、ハイサイドトランジスタ
がオフにされる。これは、
図1A、
図1B、
図1C、及び
図1Dにおいて、ハイサイドト
ランジスタQHSに文字「OFF」で示されている。一方、ローサイドトランジスタQL
Sは、正弦波のAC電流が第1の巻線を流れるようにオン/オフされる。そして、正弦波
交流電流の2番目の半サイクルで、ローサイドトランジスタQLSがオフにされる。この
2番目の半サイクルにおけるインバータ回路の動作は図示されていない。正弦波交流電流
の2番目の半サイクルでは、正弦波交流電流を流すようにハイサイドトランジスタQHS
がオン/オフされる。
【0004】
図1A、
図1B、
図1C、及び
図1Dは、正弦波交流電流の例示的な最初の半サイクル
中の電流の流れを示す。
図1Aは第1の状況を示す。ローサイドトランジスタQLSはオ
ンにされる。電流は、矢印Aで示すように流れる。電流は、ノードN1から巻線Lを通り
、トランジスタQLSを通って接地ノードGNDに流れる。その後、ローサイドトランジ
スタQLSはオフにされる。これにより、
図1Bに示す状況が生じる。電流は第1の巻線
Lのインダクタンスにより、即座に止めることはできず、またブロッキングローサイドト
ランジスタQLSを通っても流れることもできないので、矢印Bに示すように流れる。ハ
イサイドトランジスタQHSはオフであるが、電流BはボディダイオードDHSを通って
ノードN2まで流れる。その後、ローサイドトランジスタQLSが再びオンになる。そし
て、
図1Cの矢印Cに示すように電流が流れる。ローサイドトランジスタQLSはオンと
なり導通しているので、電流はノードN1から巻線Lを通り、ローサイドトランジスタQ
LSを通って接地ノードGNDに流れる。しかし、ローサイドトランジスタQLSが最初
にオンになったとき、ハイサイドトランジスタのボディダイオードDHSの両端に逆電圧
が印加される。これにより、ボディダイオードDHSに短時間の逆回復電流が流れる。こ
の逆回復電流のショートバーストが、
図1Cに示す経路Cを流れる。この逆回復電流の流
れが停止したあと、電流の流れは
図1Dに示す通りとなる。
【0005】
ボディダイオードDHSを流れる電流は、スイッチングコンバータ内で電力損失を引き
起こす可能性がある。
図1Cに示す逆回復電流のサージは、比較的短い持続時間ではある
が大きな電流であり、ボディダイオードの両端に大きな逆電圧が存在する期間中に生じる
。ボディダイオードDHSを流れる瞬時電流の時間積分にボディダイオードDHSの両端
の瞬時電圧降下を乗じたものがエネルギー損失を表す。これは逆回復電流によるエネルギ
ー損失である。加えて、ボディダイオードDHSを流れる順方向電流によるエネルギー損
失もある。
図1Bに示す電流BがボディダイオードDHSを流れると、ボディダイオード
DHSの両端に約1ボルトの電圧降下が生じる。ボディダイオードDHSを流れる瞬時電
流とボディダイオードDHS両端の瞬時電圧降下との積算がエネルギー損失を表す。
【発明の概要】
【0006】
第1の新規な態様において、ゲートドライバ集積回路は、ハイサイドゲートドライバと
ローサイドゲートドライバとを有する。ゲートドライバ集積回路は、DC/ACインバー
タ回路のハイサイドNチャネル電界効果トランジスタ及びローサイドNチャネル電界効果
トランジスタを制御する。ハイサイドトランジスタ及びローサイドトランジスタは、スイ
ッチングレグ回路又は位相レグ回路の一部である。ハイサイドトランジスタのソースは、
中央スイッチングノードSWでローサイドトランジスタのドレインに接続されている。大
きなインダクタ又はトランスの巻線の一端も中央スイッチングノードSWに接続されてい
る。
【0007】
ゲートドライバ集積回路は、ハイサイドドライバデジタル制御信号を受信するVHSC
1入力端子を有する。このVHSC1入力信号がハイデジタルロジックレベルになると、
ハイサイドトランジスタがオンになる。ゲートドライバ集積回路はまた、ローサイドドラ
イバデジタル制御信号を受信するVLSC1入力端子を有する。このVLSC1入力信号
がハイのデジタル論理レベルになると、ローサイドトランジスタがオンになる。VHSC
1入力信号及びVLSC1入力信号は、通常、マイクロコントローラ集積回路によってゲ
ートドライバ集積回路のVHSC1及びVLSC1入力端子にそれぞれ供給されるデジタ
ル論理信号である。
【0008】
トランジスタのうちの1つがマイクロコントローラによってオフとなり、非導電通態と
なるように制御されているときであって、しかしながら、誘導負荷によりトランジスタの
ボディダイオードを通って電流が流されているとき、このような電流状態が検出される。
ボディダイオードを流れる電流が所定の電流閾値を超えていることが検出されると、ドラ
イバ集積回路はトランジスタをオンにする。マイクロコントローラがトランジスタをオフ
にしようとしていることを、マイクロコントローラから受信した入力デジタル制御信号に
より示されていても、そのトランジスタはゲートドライバ集積回路によってオンにされる
。このため、さもなければボディダイオードを通って流れていたはずの電流は、並列接続
された導電性トランジスタを通って流れる。次にスイッチングレグの他方のトランジスタ
がマイクロコントローラによってオンになると、ゲートドライバ集積回路はこの状況を検
出し、最初に導電性トランジスタをオフにするように動作する。ゲートドライバ集積回路
は、ターンオフ状態のトランジスタのゲート・ソース間電圧を監視する。ゲートドライバ
集積回路が、トランジスタのゲート・ソース間電圧が所定の閾値電圧を下回ったことを検
出すると、ゲートドライバ集積回路は、スイッチングレッグの他方のトランジスタをオン
にして導通状態にする。このようにして、さもなければ導電性ハイサイドトランジスタを
通り、そして、導電性ローサイドトランジスタを通って流れたかもしれないような貫通電
流が流れることを回避する。オフになっているトランジスタのゲート・ソース間電圧を監
視することで、他のトランジスタをターンオンするタイミングを最適化することが可能に
なる。
【0009】
トランジスタをターンオンさせなければ電流がボディダイオードを通って流れるはずの
時間中に、トランジスタをターンオンさせることによって、ボディダイオードにおける電
力損失が低減される。このようにしなかった場合に次のダイオードで生じるはずの逆回復
電流の大きさを、減少させることになる。トランジスタをターンオンさせなければ大きな
電圧降下のボディダイオードを通って流れたはずの順方向電流のいくらかは、導電トラン
ジスタの並列接続の結果、電圧降下が小さい導電トランジスタを通って流れるので、ダイ
オードを通る順方向伝導損失も減少する。両方の効果(すなわち、小さな電圧降下で導電
性トランジスタへ順方向電流を分路すること及びボディダイオードにおける逆回復電流の
大きさの減少させること)により、ボディダイオードにおける損失が減少する。
【0010】
ハイサイドトランジスタ及びローサイドトランジスタを制御する方法に起因して、ハイ
サイドトランジスタのボディダイオードが電流を流している場合、新規のゲートドライバ
集積回路により、この期間、ハイサイドトランジスタはオンとなり導通するように制御さ
れる。ゲートドライバ集積回路は、ハイサイドトランジスタのボディダイオードにおける
損失を減少させるように動作する。一方、ハイサイドトランジスタ及びローサイドトラン
ジスタを制御する方法に起因して、ローサイドトランジスタのボディダイオードが電流を
流している場合、新規ゲートドライバ集積回路により、この期間、ローサイドトランジス
タはオンとなり導通するように制御される。ゲートドライバ集積回路は、ローサイドトラ
ンジスタのボディダイオードにおける損失を低減するように動作する。
【0011】
他の新規な態様では、ゲートドライバ集積回路はただ1つのゲートドライバ回路を有す
る。ゲートドライバ回路は、他の半導体ダイの一部である電力用電界効果トランジスタを
駆動するためのものである。電力用電界効果トランジスタのボディダイオードもこの他の
半導体ダイの一部である。ゲートドライバ集積回路は、ドライバデジタル制御信号入力端
子、ドライバ出力端子、ゲートドライバ回路、ボディダイオード電流監視手段、及び電力
用電界効果トランジスタをオフにする手段を具備する。ゲートドライバ回路は、ドライバ
出力端子にゲートドライバ出力信号を出力し、これにより、所定のデジタル論理値のデジ
タル信号がドライバデジタル制御信号入力端子に生じると、電力用電界効果トランジスタ
をオンにするように電力用電界効果トランジスタのゲートを駆動する。ボディダイオード
電流監視手段は、ゲートドライバ回路が電力用電界効果トランジスタをオフにしている間
にボディダイオードを流れる電流が所定の閾値電流を超えたときを判断し、この判断に応
じて、所定のデジタル論理値のデジタル信号がドライバデジタル制御信号入力端子に生じ
ていなくても、電力用電界効果トランジスタをオンにするためのものである。電力用電界
効果トランジスタをオフにする手段は、第2のデジタル制御信号の変化に応答して電力用
電界効果トランジスタをオフにするためのものである。第2のデジタル制御信号の変化は
、電力用電界効果トランジスタがオンであるがドライバデジタル制御信号入力端子上のデ
ジタル信号が所定のデジタル論理値ではないときに生じる。第2のデジタル制御信号は、
例えば、他の外部の個別的な電力用電界効果トランジスタ装置を制御するためのデジタル
制御信号とすることができる。第2のデジタル制御信号は、例えば、専用の入力端子によ
ってゲートドライバ集積回路で受信することもできる。
【0012】
さらなる詳細及び実施形態ならびに方法及び技術は、以下の詳細な説明に記載されてい
る。これは本発明を定義することを意図するものではない。本発明は特許請求の範囲によ
って規定される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
添付の図面では、類似する参照符号により類似する構成要素が示されており、本発明の
実施形態を示している。
【0014】
【
図1A】(従来技術)ローサイドトランジスタがオンとなり導通しているときのDC/ACインバータ回路内の電流の流れを示す図である。
【0015】
【
図1B】(従来技術)ローサイドトランジスタがターンオフしたときの
図1AのDC/ACインバータ回路内の電流の流れを示す図である。
【0016】
【
図1C】(従来技術)ローサイドトランジスタが再びオンになったときの
図1Aのインバータ回路内の電流の流れを示す図である。
【0017】
【
図1D】(従来技術)ハイサイドトランジスタのボディダイオードに逆回復電流が流れた後の
図1Aのインバータ回路内の電流の流れを示す図である。
【0018】
【
図2】一新規態様による新規ドライバ集積回路を含むスイッチングDC/ACインバータ回路の図である。
【0019】
【
図3】
図2のドライバ集積回路のローサイドドライバ論理回路のブロック図である。
【0020】
【
図4】
図2のドライバ集積回路のハイサイドドライバ論理回路のブロック図である。
【0021】
【
図5】
図2のDC/ACインバータ回路の動作を説明する波形図である。
【0022】
【
図6】
図5の時間T2と時間T6との間の期間における概略波形図である。この波形図は単純化している。波形をより正確に理解するためには、回路を製造し、実際の回路内の実際の信号を試験装置で監視し、検査すべきである。
【0023】
【
図7】ハイサイドトランジスタQHSをオンにして、ハイサイドトランジスタQHSのボディダイオードD1の周りに電流をシャントし、ボディダイオードD1を流れる逆回復電流による損失を低減する方法100のフローチャートである。
【0024】
【
図8】ローサイドトランジスタQLSをオンにして、ローサイドトランジスタQLSのボディダイオードD2の周りで電流をシャントし、ボディダイオードD2を流れる逆回復電流による損失を低減する方法200のフローチャートである。
【0025】
【
図9】ドライバ集積回路3がマイクロコントローラからマルチビットデジタル制御値を受け取るシリアルデジタルインターフェースを示す図であり、マルチビットデジタル制御値は閾値電圧(例えば、閾値電圧62)及び閾値電流(例えば、閾値電流61)を定める。
【発明を実施するための形態】
【0026】
ここで、本発明の実施形態について詳細に言及し、その例を添付の図面に示す。用語「
デジタル論理レベル」及び「デジタル論理値」は、この特許明細書では互換的に使用され
ている。
【0027】
図2は、1つの新規な態様によるDC/ACインバータ回路システム1の図である。D
C/ACインバータシステム1は、マイクロコントローラ集積回路2、ドライバ集積回路
3、ローサイドトランジスタ装置4、ハイサイドトランジスタ装置5、第1の巻線6及び
第2の巻線7を有する変圧器、第1の電圧源8、第2の電圧源9、ハイサイド電流検出抵
抗10、ハイサイドトランジスタ装置用の電流制限ゲート抵抗11、ローサイド電流検出
抵抗12、及びローサイドトランジスタ装置用の抵抗13を含む。
【0028】
ローサイドトランジスタ装置4とハイサイドトランジスタ装置5とは同一の装置である
。1つの例では、これらの装置は、カリフォルニア州、ミルピタス、バックアイ ドライ
ブ 1590のイクシス コーポレーションから入手可能なMMIXT132N5OP3
装置である。ローサイドトランジスタ装置4は、ローサイドNチャネル電界効果トランジ
スタQLS14と、小電流検出Nチャネル電界効果トランジスタQLSS15とを有する
。参照番号16は、ローサイドトランジスタ14のボディダイオードD2を示す。参照番
号17は、電流検知トランジスタ15のボディダイオードD2Sを示す。トランジスタ1
4及び15のゲートは互いに接続されている。トランジスタ14及び15のドレインは互
いに接続されている。電流検知トランジスタ15は、メイントランジスタ14よりもずっ
と小さい。電流検出トランジスタ15は、メインローサイドトランジスタと同じ半導体ダ
イ上に設けられているので、電流検出トランジスタ15を流れる電流は、メインローサイ
ドトランジスタ14を流れる電流に比例する。
【0029】
ハイサイドトランジスタ装置5は、ハイサイドNチャネル電界効果トランジスタ18と
、小電流検出Nチャネル電界効果トランジスタ19とを有する。参照番号20は、ハイサ
イドトランジスタ18のボディダイオードD1を示す。参照番号21は電流検出トランジ
スタ19のボディダイオードD1Sを示す。トランジスタ18及び19のゲートは互いに
接続されている。トランジスタ18と19のドレインは互いに接続されている。
【0030】
第1の電圧源8はノード22に+200VDCの電圧を供給する。この+200ボルト
は、接地ノードGND23の接地電位を基準とするものである。第1の電圧源8は、例え
ば、電池のスタックまたは並列に接続された大きなコンデンサを有する他の電圧源とする
ことができる。第2の電圧源9はノード24に+200VDCの電圧を供給する。この+
200ボルトは、ノード22の+200ボルト電位を基準とするものである。したがって
、接地ノードGND23の接地電位を基準としてノード24には+400ボルトのDC電
位がある。第2の電圧源9は、例えば、電池のスタックまたは並列に接続された大きなコ
ンデンサを有する他の電圧源とすることができる。
【0031】
ハイサイドトランジスタ18のドレインはノード24に接続されている。ハイサイドト
ランジスタ18のソースは、SWノード25においてローサイドトランジスタ14のドレ
インに接続されている。ローサイドトランジスタ14のソースは、接地ノードGND23
に接続されている。巻線6の第1の端部6Aは、スイッチングノードSW25に接続され
ており、その一部となっている。巻線6の第2の端部6Bはノード22に結合されており
、ノード22の一部となっている。
【0032】
ドライバ集積回路3は、ローサイドゲートドライバ論理回路26と、ハイサイドゲート
ドライバ論理回路27と、ローサイドゲートドライバ回路28と、ハイサイドゲートドラ
イバ回路29と、ハイサイド電流検出コンパレータ32と、ハイサイド電圧検出コンパレ
ータ33と、ローサイド電流検出コンパレータ30と、ローサイド電圧検出コンパレータ
31と、電圧基準回路34~37と、レベルシフト回路38~40と、VLSC1ローサ
イドドライバデジタル制御信号入力端子41と、VHSC1ハイサイドドライバデジタル
制御信号入力端子42と、グランド端子43と、ローサイド電流検出入力端子44と、ロ
ーサイドドライバ出力端子45と、ローサイド電圧検出入力端子46と、ローサイドドラ
イバ電圧供給端子47、SWノード端子48と、ハイサイド電流検出入力端子49と、ハ
イサイドドライバ出力端子50と、ハイサイド電圧検出入力端子51と、ハイサイドドド
ライバ電圧供給端子52とを有する。これらの端子は、ドライバ集積回路3の回路を含む
半導体装置パッケージのパッケージ端子である。各パッケージ端子について、関連する集
積回路ダイ端子(例えばボンドパッド)がある。
図2の端子記号は、パッケージ端子とそ
れに関連する集積回路ダイ端子の両方を表す。
【0033】
動作中、ドライバ回路集積回路3は、マイクロコントローラ2からデジタルローサイド
制御信号VLSC1を受信する。このVLSC1ローサイドドライバ制御信号がローデジ
タル論理レベルを有する場合、マイクロコントローラ2はローサイドゲートドライバ回路
28を制御し、ローサイドトランジスタQLS14のゲートを正電圧にしてローサイドト
ランジスタQLS14をオンし、導通状態にする。同様に、ドライバ集積回路3は、マイ
クロコントローラ2からデジタルハイサイド制御信号VHSC1を受信する。このVHS
C1制御信号がハイデジタル論理レベルを有するとき、マイクロコントローラ2はハイサ
イドゲートドライバ回路29を制御し、ローサイドトランジスタQHS18のゲートを正
電圧にしてハイサイドトランジスタQHS18をオンし、導通状態にする。
【0034】
マイクロコントローラ2から受信したときこのVLSC1ローサイドドライバデジタル
制御信号がローデジタル論理レベルを有する場合、ドライバ集積回路3はローサイドゲー
トドライバ回路28を制御し、常にローサイドトランジスタQLS14のゲートを低電圧
にしてローサイドトランジスタQLS14をオフにし非導通状態にすると考えるかもしれ
ないが、本発明によれば常にそうなるわけではない。以下にさらに詳細に説明するように
、ドライバ集積回路3は、ローサイドトランジスタ14のボディダイオード16を通って
順方向電流が流れるかどうかを検出し、その状態でローサイドトランジスタQLS14の
ゲートを高電圧とし、ローサイドトランジスタQLS14をターンオンさせる。したがっ
て、マイクロコントローラ2から受信したVLSC1ローサイドドライバデジタル制御信
号がローデジタル論理レベルであっても、ローサイドトランジスタQLS14はターンオ
ンする。ローサイドトランジスタQLS14がターンオンすることで、ボディダイオード
16の周りに電流の流れがシャントされ、シャントされなければこの期間中にボディダイ
オード16を横切って生じるはずの電圧降下が減少し、それによってボディダイオード1
6における電力消費が減少する。ローサイドトランジスタQLS14がオンであることは
、ボディダイオード16が迅速に転流されることになった場合に逆回復電流の大きさを減
少させるのにも役立つ。しかし、ローサイドトランジスタQLS14は、ハイサイドトラ
ンジスタQHS18がオンで導通状態になるように制御されている間は、オンとならず導
通状態にもならないように制御される。
【0035】
同様に、マイクロコントローラ2から受信したVLHC1ハイサイドドライバデジタル
制御信号がローデジタル論理レベルを有するとき、ドライバ集積回路3はハイサイドゲー
トドライバ回路29を制御し、常にハイサイドトランジスタQHS18のゲートを低電圧
にしてハイサイドトランジスタQHS18をオフにし非導通状態にすると考えるかもしれ
ないが、本発明によれば常にそうなるわけではない。以下にさらに詳細に説明するように
、ドライバ集積回路3は、ハイサイドトランジスタ18のボディダイオード20を通って
順方向電流が流れるかどうかを検出し、その状態でハイサイドトランジスタQHS18の
ゲートを高電圧とし、ハイサイドトランジスタQHS18をターンオンさせる。したがっ
て、マイクロコントローラ2から受信したVHSC1ハイサイドドライバデジタル制御信
号がローデジタル論理レベルにあっても、ハイサイドトランジスタQHS18はターンオ
ンする。ハイサイドトランジスタQHS18がターンオンすることで、ボディダイオード
20の周りに電流の流れがシャントされ、シャントされなければこの期間中にボディダイ
オード20を横切って生じるはずの電圧降下が減少し、それによってボディダイオード2
0における電力消費が減少する。ハイサイドトランジスタQHS18がオンであることは
、ボディダイオード20が迅速に転流されることになった場合に逆回復電流の大きさを減
少させるのにも役立つ。しかし、ハイサイドトランジスタQHS18は、ローサイドトラ
ンジスタQLS14がオンで導通状態になるように制御されている間は、オンとならず導
通状態にもならないように制御される。
【0036】
図3は、LSドライバロジック26の回路構成の一例を示すブロック図である。LSド
ライバロジック26は、遅延回路80と、2つの立ち下がりエッジ検出回路81、82と
、立ち上がりエッジ検出回路83と、2つのORゲート84、85と、フリップフロップ
86とを有する。立ち上がりエッジ検出回路及び立ち下がりエッジ検出回路はワンショッ
ト回路である。
【0037】
図4は、HSドライバロジック27の回路構成の一例を示すブロック図である。HSド
ライバロジック27は、遅延回路90と、立ち下がりエッジ検出回路91と、2つの立ち
上がりエッジ検出回路92、93と、2つのORゲート94、95と、フリップフロップ
96とを有する。立ち上がりエッジ検出回路及び立ち下がりエッジ検出回路はワンショッ
ト回路である。
【0038】
図5は、
図2のDC/ACインバータ回路の動作を説明する波形図である。一番上の波
形55は、DC/ACインバータ回路が巻線6を介して動作している望ましい正弦波のA
C電流を表す。この巻線電流はインダクタ電流とも呼ばれ、ILと表される。2番目の波
形VLSC1・56は、端子VLSC1・41でドライバ集積回路3によって受信される
ようなVLSC1ローサイドドライバデジタル制御信号を表す。3番目の波形VHSC1
・57は、端子VHSC1・42でドライバ集積回路3によって受信されるようなVHS
C1デジタル制御信号を表す。一番下の波形58は、DC/ACインバータ回路が巻線6
を介して動作している実際のAC電流の流れを表す。実際のインダクタ電流ILは完全な
正弦波ではないが、ほぼ正弦波となる。インダクタ電流正弦波の最初の半サイクル59の
間、VLSC1ローサイドドライバ制御信号はマイクロコントローラ2によって制御され
て上下に変化するが、VHSC1制御信号はデジタル論理ローレベルのままである。VL
SC1ローサイドドライバ制御信号がデジタル論理ハイレベルのとき、この一番下の波形
のインダクタ電流ILの大きさが上昇する。VLSC1ローサイドドライバ制御信号がデ
ジタル論理ローレベルになると、この一番下の波形のインダクタ電流ILの大きさが減少
する。VLSC1ローサイドドライバ制御信号のパルスのタイミング及びデューティサイ
クルにより、結果としてこの一番下の波形58で流れるインダクタ電流を理想的な正弦波
形に近似させる。
【0039】
インダクタ電流正弦波の2番目の半サイクル60の間、VHSC1制御信号はマイクロ
コントローラ2によって制御されて上下に変化するが、VLSC1ローサイドドライバ制
御信号はデジタル論理ローレベルのままである。VHSC1制御信号がデジタル論理ハイ
レベルにあるとき、一番下の波形のインダクタ電流ILの大きさが減少することに留意す
べきである。VHSC1制御信号がデジタル論理ローレベルにあるとき、一番下の波形の
インダクタ電流ILの大きさが上昇することに留意すべきである。VHSC1制御信号の
パルスのタイミング及びデューティサイクルは、結果として生じるインダクタ電流が望ま
しい正弦波形を有するようになっている。
【0040】
図6は、時間T1と時間T6との間の期間をさらに詳細に示す。
図6の上部の2つの波
形は、ドライバ集積回路3がマイクロコントローラ2から受信したデジタル制御信号VH
SC1及びVLSC1を表す。T1とT6の間の期間は出力インダクタ電流ILの最初の
サイクル59の間に発生するので、マイクロコントローラ2はハイサイド制御信号VHS
C1をデジタル論理ローレベルに保持している。VLSC2で表示された第4の波形は、
ローサイドドライバ論理回路26によってローサイドゲートドライバ回路28の入力リー
ドに出力される電圧信号である。ローサイドドライバデジタル制御信号VLSC1が時間
T2とT3との間でハイデジタル論理レベルにあるとき、ローサイドゲートドライバ回路
28は12ボルトのVGs電圧をローサイドトランジスタQLS14のゲートに与えてい
る。したがって、ローサイドトランジスタQLS14はオンで導通状態である。したがっ
て、インダクタ電流ILは、「インダクタ電流(IL)」と表示された第5の波形に示さ
れるように、時間T2とT3との間で上昇している。しかしながら、時間T3において、
マイクロコントローラ2はVLSC1ローサイドドライバ制御信号をデジタル論理ローレ
ベルに変化させる。この立ち下がりエッジは、LSドライバロジック26内の立ち下がり
エッジ検出器82によって検出される。立ち下がりエッジの検出は丸で囲まれた「1」で
表示された矢印によって
図6に示されている。第3の波形に示されるパルスは、この立ち
下がりエッジ検出器82によって出力される信号FED82を示す。この検出の結果とし
て、ローサイドドライバロジック26は、デジタル論理ロー信号VLSC2をローサイド
ゲートドライバ回路28に出力する。ローサイドゲートドライバ回路28は、ローサイド
トランジスタQLS14のゲート電圧VGsをゼロボルトに下げる。これは
図6において
、丸で囲まれた「2」で表示された矢印によって示されている。ローサイドトランジスタ
QLS14のゲートの電圧がローにされると、ローサイドトランジスタQLS14はオフ
になる。これは
図6において、丸で囲まれた「3」で表示された矢印によって示されてい
る。6番目の波形によって表されるようにローサイドトランジスタQLSを通って流れる
電流IQLSはゼロまで降下する。しかしながら、変圧器巻線6の大きなインダクタンス
を通って流れていた電流ILは、直ちに止まることはできないので、電流ILは、SWノ
ード25からハイサイドトランジスタ装置5へと上向きに方向転換する。このときハイサ
イドトランジスタQHS18はオフであるため、ボディダイオードD1・20を介してノ
ード24に電流が流れる。SWノード25からハイサイドトランジスタ装置5に向かって
上向きに流れる電流IQHSのこの急激な増加は、
図6において、丸で囲まれた「4」で
表示された矢印によって示されている。時間T3における電流の上昇は、IQHSで表示
された波形で示されている。この電流IQHSが所定の閾値電流61を超えると、コンパ
レータ32はデジタル論理ハイ信号を出力する。この信号は、レベルシフト回路38によ
ってレベルシフトされた後、信号ICOMPHSとなる。信号ICOMPHSの立ち上が
りエッジは、ハイサイドドライバロジック27内の立ち上がりエッジ検出器93によって
検出される。これは、
図6において、丸で囲まれた「5」で表示された矢印によって示さ
れている。立ち上がりエッジ検出器93は、信号ICOMPHSの立ち上がりを検出して
、ハイパルスの信号RED93を出力する。信号RED93がフリップフロップ96のセ
ット入力リードに供給されるので、ハイサイドドライバロジック27内のフリップフロッ
プ96がセットされ、ハイサイドドライバ論理回路27はその出力信号VHSC2をハイ
にアサートする。これは、
図6において、丸で囲まれた「6」で表示された矢印によって
示されている。ハイサイドゲートドライバ回路29は、12ボルトのゲート電圧(VGs
)をハイサイドトランジスタQHS18のゲートに与える。これは、
図6において、丸で
囲まれた「7」で表示された矢印によって示されている。ハイサイドトランジスタ18の
ゲート上の12VのVGs電圧(SWノード上の電圧を基準にして)は、ハイサイドトラ
ンジスタQHS18をオンにする。これは、
図6において、丸で囲まれた「8」で表示さ
れた矢印によって示されている。IQHS(NFET)波形によって示されるように、ハ
イサイドトランジスタQHS18は電流を流す。この電流は、IQHS(DIODE)で
表示された一番下の波形に示すように、ボディダイオードD1・20を通って流れる電流
の大きさを減少させる。電流IQHS(NFET)が増加すると、それに応じて電流IQ
HS(DIODE)は減少することに留意されたい。端子42上の入力デジタル制御信号
VHSC1がデジタル論理ローレベルであっても、ハイサイドトランジスタQHS18は
オンとなり導通状態になるように制御される。
【0041】
この状態は、時間T4でマイクロコントローラ2がローサイドドライバデジタル制御信
号VLSC1をデジタル論理ハイレベルにアサートするまで続く。ドライバ集積回路3は
、ローサイドドライバデジタル制御信号VLSC1の立ち上がりエッジを検出するが、ロ
ーサイドトランジスタQLS14を直ちにターンさせることはしない。むしろ、最初にハ
イサイドトランジスタQHS18をオフにする。まず、ハイサイドドライバロジック27
内の立ち上がりエッジ検出器92が、VLSC1ローサイドドライバ制御信号の立ち上が
りエッジを検出する。これは、
図6において、丸で囲まれた「9」で表示された矢印によ
って示されている。
図6の7番目の波形RED92に示すパルスは、この立ち上がりエッ
ジ検出器92によって出力されるパルスを表す。これに応答して、ハイサイドドライバロ
ジック27は、VHSC2制御信号をデジタル論理ローレベルにする。これは、
図6にお
いて、丸で囲まれた「10」で表示された矢印によって示されている。これにより、ハイ
サイドトランジスタ18のゲートの電圧が減少する。これは、
図6において、丸で囲まれ
た「11」で表示された矢印によって示されている。ハイサイドトランジスタ18のゲー
トの電圧信号VGHSは、抵抗11の抵抗値とハイサイドトランジスタ装置5のゲート・
ソース間容量とによって決まる速度で減少する。抵抗器11及びハイサイドトランジスタ
のゲート容量により、端子50上の信号VHSGDOSの電圧はハイサイドトランジスタ
QHS18のゲート上の信号VGHSの電圧と同じではない。ハイサイドトランジスタQ
HS18のゲートの信号VGHSの電圧が低下すると、ハイサイドトランジスタQHS1
8を流れる電流が減少する。これは、
図6において、丸で囲まれた「12」で表示された
矢印によって示されている。ハイサイドトランジスタQHS18のゲートの電圧VGHS
が所定の閾値電圧62より下に下降すると、コンパレータ33は出力信号をハイデジタル
論理レベルにアサートする。レベルシフト後、この信号はデジタル信号VCOMPHSと
なる。デジタル信号VCOMPHSのこの信号のローからハイへの変化により、フリップ
フロップ86はデジタルのハイの値にクロックインする。したがって、制御信号VLSC
2は、高いデジタル論理値に変化する。これは、
図6において、丸で囲まれた「13」で
表示された矢印によって示されている。これにより、ローサイドトランジスタQLS14
がターンオンし、インダクタ電流ILが向きを変えSWノード25からローサイドトラン
ジスタQLS14を通って接地ノードGND23に向けて下方に流れる。これは、
図6に
おいて、丸で囲まれた「14」で表示された矢印によって示されている。時間T5から時
間T6まで、ローサイドトランジスタQLS14を流れる電流は、
図6においてIQLS
で表示された波形によって示されるように増加する。
【0042】
したがって、ローサイドトランジスタQLS14が最初の半サイクル59の間、最初に
、オフになるように制御されると、ハイサイドトランジスタのボディダイオードD1・2
0を通る電流の急激な増加が検出される。この検出が、ハイサイドトランジスタQHS1
8をオンにするためのトリガとして使用される。ハイサイドトランジスタQHS18がオ
ンにならなければボディダイオードD1・20を通過したはずの電流は、ハイサイドトラ
ンジスタQHS18を通って流れる。これにより、さもなければボディダイオードD1・
20において生じていたはずの電力損失が低減する。ハイサイドトランジスタQHS18
は、ドライバ集積回路3がマイクロコントローラ2からVLSC1ローサイドドライバデ
ジタル制御信号の立ち上がりエッジを受信するまでオンとなり導通し続ける。マイクロコ
ントローラ2から受信したVLSC1ローサイドドライバデジタル制御信号のこの立ち上
がりエッジに応答して、ドライバ集積回路3は、最初にハイサイドトランジスタQHS1
8をオフにする。ハイサイドトランジスタQHS18のゲート・ソース間電圧が閾値電圧
を下回ると、ドライバ集積回路3はシュートスルーの問題を引き起こすことなくローサイ
ドトランジスタQLS14をターンオンさせることができる。したがって、ハイサイドト
ランジスタQHS18上のVGsゲート電圧が閾値電圧を下回ったことの検出に応答して
、ドライバ集積回路3はローサイドトランジスタQLS14をターンオンさせる。その後
、マイクロコントローラ2から受信したVLSC1ローサイドドライバデジタル制御信号
がデジタル論理ハイ値であり続ける限り、ローサイドトランジスタQLS14はオンのま
まであり導通状態のままとなる。
【0043】
図7は、
図6の波形図に示された方法100のフローチャートである。この方法100
は、正弦波交流出力電流ILの最初の半サイクル59の間のドライバ集積回路3の動作に
関する。まず、
図6の時刻T3において、ローサイドトランジスタQLS14はオン状態
である。VHSC1ハイサイドドライバデジタル制御信号はデジタル論理ローレベルにあ
り、
図7の方法100において一貫してこのレベルに留まる。次に、マイクロコントロー
ラ2は、ローサイドドライバ制御信号VLSC1をデジタル論理ローレベルにディアサー
トする。これにより、ローサイドトランジスタQLS14がターンオフし、インダクタ電
流ILの方向が変わり、SWノード25からハイサイドトランジスタ装置5へと上方に流
れる。したがって、電流IQHSは増加する。コンパレータ32によって電流IQHSが
閾値電流を超えたことが検出されると(ステップ101)、ドライバ集積回路3はハイサ
イドトランジスタQHS18をターンオンさせる(ステップ102)。
図2の例では、こ
の検出は検出ボディダイオードD1S21を流れる電流がしきい値電流を超えるかどうか
を検出することによって間接的に行われる。マイクロコントローラ2がVHSC1信号を
デジタル論理ローレベルに保っていても、ハイサイドトランジスタQHSはドライバ集積
回路3によってオンになる。マイクロコントローラ2がローサイドトランジスタQLS1
4をオフ状態に維持し続けている限り、ドライバ集積回路3はハイサイドトランジスタQ
HS18をオンにし、導通状態を維持する。これにより、ボディダイオードD1・20の
周囲に電流がシャントされる。このシャント電流は、ハイサイドトランジスタQHSを流
れる。次にマイクロコントローラ2がローサイドトランジスタQLS14をターンオンさ
せるためにVLSC1ローサイドドライバデジタル制御信号をデジタル論理ハイレベルに
アサートすると(ステップ103)、ドライバ集積回路3はハイサイドトランジスタQH
S18をまずターンオフさせる(ステップ104)。ハイサイドトランジスタQHS18
のゲートの電圧VGsが閾値電圧を下回ったことがコンパレータ33によって検出される
と(ステップ105)、ドライバ集積回路3は「ローサイドゲートドライバ出力信号」(
VLSGDOS)を端子45にアサートする。これにより、ローサイドトランジスタQL
S14がターンオンする(ステップ106)。マイクロコントローラ2がVLSC1ロー
サイドドライバ制御信号をデジタル論理ハイレベルにアサートし続ける限り、ドライバ集
積回路3はハイゲート・ソース間電圧信号VGLSをローサイドトランジスタQLS14
のゲートに送り続ける。マイクロコントローラ2が次にVLSC1ローサイドドライバ制
御信号をデジタル論理ローレベルにディアサートすると(ステップ107)、ドライバ集
積回路3はローサイドトランジスタQLS14をターンオフさせ、(ステップ108)、
そして、ステップ101からステップ108までを繰り返す。
【0044】
図5の最初の半サイクル59の間の電力損失を減少させることに加えて、ドライバ集積
回路3も同様に動作して、
図5の2番目の半サイクル60の間の損失も低減させる。2番
目の半サイクル60の間、マイクロコントローラ2はVLSC1ローサイドドライバデジ
タル制御信号を固定デジタル論理ローレベルに保持する。しかし、マイクロコントローラ
2は、インダクタ電流ILが
図5に示す正弦波形を有するようにVHSC1デジタル制御
信号をパルス化する。この第2の半サイクル60の間に、ハイサイドトランジスタQHS
18はマイクロコントローラ2の制御によりターンオンして、電流ILを巻線6に流す。
そのような電流のパルスは、
図2においてILで示される矢印の方向とは反対方向であり
、したがって、電流のパルスは負のIL電流と考えられる。IL波形は、
図5の2番目の
半のサイクル60に現れ、したがって、
図5のインダクタンス電流ILは負となる。この
ような負のIL電流のパルスがハイサイドトランジスタQHS18を流れた後、ハイサイ
ドトランジスタQHS18はターンオフする。これにより負電流の流れの向きが変わる。
負電流は、接地ノードGND23からローサイドトランジスタQLS14のボディダイオ
ードD2・16を通ってSWノード25へ、そして次にトランスの巻線6を通ってノード
22へ流れるように流れの向きが変わる。1つの新規な態様では、ドライバ集積回路3は
この間にローサイドトランジスタQLS14をオンにする。したがって、さもなければボ
ディダイオードD2・16を通って流れたはずの電流の一部は、導電性ローサイドトラン
ジスタQLS14を通って流れる。次に、マイクロコントローラ2がハイサイドトランジ
スタQHS18をターンオンさせるためにVHSC1デジタル制御信号をアサートすると
、ドライバ集積回路3が直ちにハイサイドトランジスタQHS18のゲートに12ボルト
のVGs信号を送るのではなく、ローサイドドライバロジック26が最初にローサイドト
ランジスタQLS14をターンオフさせる。ドライバ集積回路3は、ローサイドトランジ
スタQLS14のゲートのゲート電圧信号VGLS(VGs)を監視する。ローサイドト
ランジスタQLS14のゲートのゲート電圧VGsが電圧閾値62を下回ったことが検出
されると、ハイサイドドライバロジック27はハイサイドトランジスタQHS18をター
ンオンさせる。
【0045】
図7のフローチャートは、マイクロコントローラ2がVHSC1信号をデジタル論理の
ローに維持している状態に関するものである。マイクロコントローラ2がVHSC1信号
をデジタル論理ハイにアサートすると、ローからハイへの変化が、ハイサイドドライバロ
ジック27の遅延素子90を通過し、ORゲート95を通過してフリップフロップ96を
クロックする。フリップフロップ96のD入力にデジタル「1」が存在するため、フリッ
プフロップ96はデジタル論理ハイレベルでクロックインし、VHSC2信号はデジタル
論理ハイレベルにアサートされる。信号は、ハイサイドドライバ29を通過し、ドライバ
集積回路3から出てハイサイドトランジスタQHSをオンにする。ハイサイドトランジス
タQHSをオンにする際の遅延により、上述のように、ローサイドトランジスタQLSが
ドライバ集積回路3によって(VLSC1がローであってもボディダイオードD2の周り
に電流をシャントするために)オンになっている場合に、ローサイドトランジスタQLS
がオフになる時間がもたらされる。一実施形態では、ドライバ集積回路3は、ローサイド
トランジスタQLS上のVGsが閾値電圧を下回る場合にのみ、ハイサイドトランジスタ
QHSをオンにすることを可能にする。
【0046】
図8は、マイクロコントローラがハイサイドトランジスタをオン及びオフに切り替えて
いるが、VSLC1をローに維持している状態におけるドライバ集積回路3の動作方法2
00のフローチャートである。最初、マイクロコントローラ2は、ハイサイドトランジス
タQHS18をオンにして導通状態にしている。VLSC1ローサイドドライバデジタル
制御信号はデジタル論理ローレベルにあり、
図8の方法200を通してこのレベルを維持
する。次にマイクロコントローラ2はデジタル制御信号VHSC1をデジタル論理ローレ
ベルにディアサートする。これに応じて、ドライバ集積回路3は、ハイサイドトランジス
タQHS18をターンオフさせる。ハイサイドトランジスタQHS18のターンオフによ
り、インダクタ電流ILの流れの向きが変わる。インダクタ電流の流れは、接地ノードG
ND23からローサイドトランジスタQLS14のボディダイオードD1・16を通って
SWノード25へ、そして次に巻線6を通ってノード22へ流れる。この電流の流れはI
QLS電流の矢印と反対であるため、この電流の流れは負のIQLC電流と見なされる。
電流IQLSが閾値電流を超えたことがコンパレータ30によって検出されると(ステッ
プ201)、ドライバ集積回路3はローサイドトランジスタQLS14をオンにする(ス
テップ202)。
図2の例では、この検出は、検出トランジスタのボディダイオードD2
S17を流れる電流が閾値に相当する電流を超えるかどうかを検出することによって間接
的に行われる。マイクロコントローラ2がハイサイドトランジスタQHS18をオフ状態
に維持し続ける限り、ドライバ集積回路3はローサイドトランジスタQLS14のオン状
態を維持し導通状態を維持し続ける。これはボディダイオードD2・16の周りに電流の
流れをシャントする。マイクロコントローラ2がVHSC1ハイサイドドライバデジタル
制御信号をデジタル論理ハイレベルにアサートしてハイサイドトランジスタQHS18を
オンにすると(ステップ203)、ドライバ集積回路3はまずローサイドトランジスタQ
LS14をターンオフさせる(ステップ204)。ローサイドトランジスタQLS14の
ゲートの電圧信号VGLS(VGs)が閾値電圧を下回ったことがコンパレータ31によ
って検出されると(ステップ205)、ドライバ集積回路3は「ハイサイドゲートドライ
バ出力信号」(VHSGDOS)を端子50にアサートする。これにより、ハイサイドト
ランジスタQHS18がターンオンする(ステップ206)。マイクロコントローラ2が
VHSC1ハイサイドドライバデジタル制御信号をデジタル論理ハイレベルにアサートし
続ける限り、ドライバ集積回路3は12ボルトのゲート・ソース間電圧VGsをハイサイ
ドトランジスタQHS18のゲートに送り続ける。次に、マイクロコントローラ2がVH
SC1ハイサイドドライバデジタル制御信号をデジタル論理ローレベルにディアサートす
ると、ドライバ集積回路3はハイサイドトランジスタQHS18をターンオフさせ(ステ
ップ208)、そして、ステップ201から208までを繰り返す。
【0047】
図8のフローチャートは、マイクロコントローラ2がVLSC1信号をデジタル論理ロ
ーに維持する状態に関するものである。マイクロコントローラ2がVLSC1信号をデジ
タル論理ハイにアサートすると、ローからハイへの変化が、ローサイドドライバロジック
26の遅延素子80を通過し、ORゲート84を通過してフリップフロップ86をクロッ
クする。フリップフロップ86のD入力にデジタル「1」が存在するため、フリップフロ
ップ86はデジタル論理ハイレベルでクロックインし、VLSC2信号はデジタル論理ハ
イレベルにアサートされる。この信号はローサイドドライバ28を通過し、ドライバ集積
回路3から出てローサイドトランジスタQLSをターンオンさせる。ローサイドトランジ
スタQLSをターンオンにすることにおいて遅延が生じることにより、前述のようにハイ
サイドトランジスタQHSが(たとえVHSC1がローであってもボディダイオードD1
の周りに電流をシャントするために)ドライバ集積回路3によってオンになっていても、
ハイサイドトランジスタQHSをターンオフさせるための時間を提供する。一実施形態で
は、ドライバ集積回路3は、ハイサイドトランジスタQHS上のVGsが閾値電圧より低
い場合にのみローサイドトランジスタQLSをターンオンさせることができる。
【0048】
マイクロコントローラは、検知電流及び検知電圧を含む多くの異なるセンサ入力に基づ
いて、ハイサイドドライバとローサイドドライバを複雑に制御することができる。したが
って、クロックドデジタルマイクロコントローラが新規なドライバ集積回路3の機能を実
行することができると考えられるかもしれない。しかし、これは必ずしも正しくない。一
実施形態では、ゲートドライバ集積回路3のハイサイドドライバ及びローサイドドライバ
を制御するマイクロコントローラは、比較的遅いクロックレートでクロックされる。マイ
クロコントローラ3のこの比較的遅いクロッキングは、いくつかの理由で望ましいことで
ある。その結果、マイクロコントローラ3は、好ましい速度で、必要な電流及び/又は電
圧の検出を行い、それらの検出に基づいて決定を下し、そして、ハイサイドドライバ及び
ローサイドドライバを制御することができなくなる。そのため、新規なゲートドライバ集
積回路3は、コンパレータ30~33及びそれらの関連回路を含むこととして、それによ
ってドライバ集積回路3はアナログ領域で速く検出し、応答することができるようにした
。
図6の矢印「1」から「8」及び矢印「9」から「14」で示す信号伝搬は、デジタル
クロック信号のクロックエッジを待たなければならないために遅くなるということはなく
なる。ゲートドライバ集積回路3は、命令を受け取り実行するいかなるクロックドデジタ
ルプロセッサも含まない。
【0049】
図9は、
図2のドライバ集積回路3のデジタルインターフェースロジック63及び関連
する端子64及び65を示す。端子64及び65、及びデジタルインターフェースロジッ
ク63は、
図2の簡略化した図には示されていない。デジタルインターフェースロジック
63は、マイクロコントローラ2からシリアル情報を受信するためのI
2Cインタフェー
ス、4つのマルチビットデジタル制御レジスタ、及び4つの対応するデジタル/アナログ
変換器(DAC)を有する。電圧基準回路34~37のそれぞれは、これらのマルチビッ
ト制御レジスタのうちの1つとそれに関連するDACである。レジスタに格納されたマル
チビットデジタル制御値は、DACが所望の基準電圧を出力するように、DACに供給さ
れる。マイクロコントローラ2は、端子SDA64及び端子SCL65にシリアル方式で
デジタル信号を供給し、それによってマルチビットデジタル電圧制御値を4つの制御レジ
スタのそれぞれに書き込み、それによって電圧基準回路34~37によって出力される基
準電圧のそれぞれを制御し設定する。導体68はコンパレータ33の反転入力リード線に
結合されている。導体69は、コンパレータ32の非反転入力リード線に接続されている
。導体70は、コンパレータ31の非反転入力リード線に接続されている。導体71は、
コンパレータ30の非反転入力リード線に接続されている。垂直破線72は、
図2のドラ
イバ集積回路3の左側境界を表す。したがって、電圧基準回路34~37によって出力さ
れる基準電圧は、マイクロコントローラ2によってプログラム可能である。
【0050】
特定の実施形態が説明目的で上記に記載されているが、この明細書の開示は一般的な応
用可能性を示すものであり、上記の特定の実施形態に限定することを意味するものではな
い。この新規なゲートドライバは、マイクロコントローラとは別の集積回路上に配置され
るのが最も好都合であるが、新規のゲートドライバを、マイクロコントローラと共に同じ
集積回路上に配置してもよい。したがって、特許請求の範囲に記載の本発明の範囲から逸
脱することなく、記載された実施形態の様々な特徴の種々の修正、改良、及び組み合わせ
を実施することができる。