(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-11
(45)【発行日】2022-03-22
(54)【発明の名称】表示装置、工作機械、および表示方法
(51)【国際特許分類】
B23Q 17/00 20060101AFI20220314BHJP
B23B 1/00 20060101ALI20220314BHJP
G05B 19/409 20060101ALI20220314BHJP
【FI】
B23Q17/00 E
B23B1/00 A
G05B19/409 C
(21)【出願番号】P 2021573874
(86)(22)【出願日】2021-07-06
(86)【国際出願番号】 JP2021025472
【審査請求日】2021-12-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000146847
【氏名又は名称】DMG森精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002745
【氏名又は名称】特許業務法人河崎・橋本特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】飯山 浩司
【審査官】山本 忠博
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-191857(JP,A)
【文献】国際公開第2016/059729(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/117203(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 1/00-41/08,
B23B 1/00,
G05B 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動切削の入力パラメータを入力するための入力部と、
前記入力パラメータに基づいて、振動切削の設定パラメータの許容値を示すグラフを表示する表示部と、
を備え、
前記入力パラメータは、振動周波数倍率、振動振幅倍率、および振動方向の少なくとも1つを含み、
前記設定パラメータは、ワークまたは工具の回転数と、前記ワークまたは前記工具の送り速度とを含む、表示装置。
【請求項2】
前記入力パラメータの入力パターンが複数格納された記憶部をさらに備え、
前記入力部において、複数の前記入力パターンから一の前記入力パターンが選択されることにより前記入力パラメータが入力される、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記入力パラメータは、振動切削を行う工作機械が備える、前記ワークまたは前記工具を送り動作させるモータの負荷率をさらに含む、請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記グラフは、振動切削を行う工作機械が備える、前記ワークまたは前記工具を送り動作させるモータに流れる電流の平均値が、定格出力の100%を超えない範囲の前記設定パラメータを示す、請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項5】
振動切削を行う工作機械であって、
請求項1~4のいずれか1項に記載の表示装置を備える工作機械。
【請求項6】
振動切削の入力パラメータを入力する入力工程と、
前記入力パラメータに基づいて、振動切削の設定パラメータの許容値を示すグラフを表示する表示工程と、
を備え、
前記入力パラメータは、振動周波数倍率、振動振幅倍率、および振動方向の少なくとも1つを含み、
前記設定パラメータは、ワークまたは工具の回転数と、前記ワークまたは前記工具の送り速度とを含む、表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置、工作機械、および表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、旋削機能を有する工作機械において、工具を送り方向に振動させながらワークの旋削を行うことで、旋削中に生じる切屑を分断する技術(振動切削とも呼ばれる。)が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、振動切削には、工具振動の周期や幅など、複数の可変パラメータが存在する。オペレータは、複数の可変パラメータに応じて、工具の送り速度などの設定パラメータを決定する必要がある。しかし、可変パラメータが複数存在するために、そのような設定パラメータの決定は容易でない。このような状況において、本開示は、振動切削の設定パラメータを容易に決定可能とすることを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に係る一局面は、表示装置に関する。当該表示装置は、振動切削の入力パラメータを入力するための入力部と、前記入力パラメータに基づいて、振動切削の設定パラメータの許容値を示すグラフを表示する表示部と、を備え、前記入力パラメータは、振動周波数倍率、振動振幅倍率、および振動方向の少なくとも1つを含み、前記設定パラメータは、ワークまたは工具の回転数と、前記ワークまたは前記工具の送り速度とを含む。
【0006】
本開示に係る別の一局面は、工作機械に関する。当該工作機械は、上述の表示装置を備える。
【0007】
本開示に係る別の一局面は、表示方法に関する。当該表示方法は、振動切削の入力パラメータを入力する入力工程と、前記入力パラメータに基づいて、振動切削の設定パラメータの許容値を示すグラフを表示する表示工程と、を備え、前記入力パラメータは、振動周波数倍率、振動振幅倍率、および振動方向の少なくとも1つを含み、前記設定パラメータは、ワークまたは工具の回転数と、前記ワークまたは前記工具の送り速度とを含む。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、振動切削の設定パラメータを容易に決定可能とすることができる。
【0009】
本発明の新規な特徴を添付の請求の範囲に記述するが、本発明は、構成および内容の両方に関し、本願の他の目的および特徴と併せ、図面を照合した以下の詳細な説明によりさらによく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示に係る工作機械の構成を示すブロック図である。
【
図2】振動切削の様子を模式的に示す斜視図である。
【
図3】ある条件下での振動切削における工具軌跡を示すグラフである。
【
図4】別の条件下での振動切削における工具軌跡を示すグラフである。
【
図5】さらに別の条件下での振動切削における工具軌跡を示すグラフである。
【
図6】表示部に表示される設定パラメータのグラフの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示に係る表示装置、工作機械、および表示方法の実施形態について例を挙げて以下に説明する。しかしながら、本開示は以下に説明する例に限定されない。以下の説明では、具体的な数値や材料を例示する場合があるが、本開示の効果が得られる限り、他の数値や材料を適用してもよい。
【0012】
(表示装置)
本開示に係る表示装置は、入力部と、表示部とを備える。表示装置は、例えば、タッチパネル式の操作盤で構成されてもよい。
【0013】
入力部は、振動切削の入力パラメータを入力するための要素である。入力部は、オペレータが入力パラメータの入力に用いる入力画面を表示してもよい。
【0014】
表示部は、入力パラメータに基づいて、振動切削の設定パラメータの許容値を示すグラフを表示する。グラフは、二次元グラフであってもよいし、三次元グラフであってもよい。
【0015】
入力パラメータは、振動周波数倍率と、振動振幅倍率と、振動方向との少なくとも1つを含む。例えば、入力パラメータは、振動周波数倍率および振動振幅倍率を含んでもよいし、振動周波数倍率、振動振幅倍率、および振動方向を含んでもよい。
【0016】
振動周波数倍率とは、ワークまたは工具が1回転する際の、ワークまたは工具の振動回数のことである。例えば、振動周波数倍率が0.5であれば、ワークまたは工具が2回転する毎に、ワークまたは工具が1回振動する。
【0017】
振動振幅倍率とは、ワークまたは工具の1回転あたりの送り量に対する、ワークまたは工具の振幅の比率のことである。例えば、振動振幅倍率が1.5であれば、ワークまたは工具の1回転あたりの送り量の1.5倍の両振幅でワークまたは工具が振動する。
【0018】
振動方向とは、ワークまたは工具が振動する方向のことである。例えば、X軸方向のみにおいて送り動作を行う際には、X軸方向が振動方向として入力され得る。一方、例えば、X軸方向とZ軸方向の二軸において送り動作を行う際には、送り動作の主成分方向(例えば、X軸方向の送り量がZ軸方向の送り量よりも大きい場合のX軸方向)が振動方向として入力され得る。
【0019】
設定パラメータは、ワークまたは工具の回転数と、ワークまたは工具の送り速度とを含む。ワークまたは工具の回転数および送り速度の許容値は、両方とも、振動周波数倍率または振動振幅倍率が大きくなるにつれて小さくなる傾向にある。また、ワークまたは工具の回転数および送り速度の許容値は、表示装置が備えられる工作機械の構造などに応じて、振動方向の違いにしたがって増減し得る。
【0020】
本開示では、このような入力パラメータと設定パラメータとの関係に基づいて、ある入力パラメータが入力された場合に、それに応じた設定パラメータの許容値を示すグラフを表示部に表示する。オペレータは、当該グラフを見ることで、自身が入力した入力パラメータに応じた適切な設定パラメータを容易に決定することができる。「許容値」は、ワークの加工精度もしくは工作機械にかかる負荷が所定範囲内になるように設定パラメータを決定するための指標であってもよい。
【0021】
表示装置は、入力パラメータの入力パターンが複数格納された記憶部をさらに備えてもよい。入力部において、複数の入力パターンから一の入力パターンが選択されることにより入力パラメータが入力されてもよい。複数の入力パターンは、例えば無数に存在する入力パラメータの組合せの中から選択される、使用頻度が高い組合せに対応する入力パターンであってもよい。オペレータは、そのような複数の入力パターンから一の入力パターンを選択することで、設定パラメータのみでなく入力パラメータをも容易に決定することができる。
【0022】
入力パラメータは、振動切削を行う工作機械が備える、ワークまたは工具を送り動作させるモータの負荷率をさらに含んでもよい。モータの負荷率とは、モータの定格出力に対する、送り動作におけるモータ出力の比率のことである。ワークまたは工具の回転数および送り速度の許容値は、両方とも、モータの負荷率が高くなるにつれて大きくなる傾向にある。入力パラメータにモータの負荷率が含まれる場合、そのような傾向を加味して設定パラメータのグラフを表示することが可能となる。
【0023】
グラフは、振動切削を行う工作機械が備える、ワークまたは工具を送り動作させるモータに流れる電流の平均値が、定格出力の100%を超えない範囲の設定パラメータを示してもよい。そのような範囲から設定パラメータを決定することで、モータに過負荷がかからない状態で振動切削を行うことが可能となる。
【0024】
(工作機械)
本開示に係る工作機械は、振動切削を行う工作機械であって、上述の表示装置を備える。したがって、工作機械のオペレータは、表示部に表示される設定パラメータのグラフを見ることで、自身が入力した入力パラメータに応じた振動切削の設定パラメータを適切かつ容易に決定することができる。決定された設定パラメータに基づいてワークを振動切削することで、状況に応じた柔軟かつ適切な条件で振動切削を行うことが可能になる。
【0025】
(表示方法)
本開示に係る表示方法は、入力工程と、表示工程とを備える。
【0026】
入力工程では、振動切削の入力パラメータを入力する。この入力は、オペレータからの指令を受けたコンピュータが行ってもよい。入力パラメータは、振動周波数倍率と、振動振幅倍率と、振動方向との少なくとも1つを含む。
【0027】
表示工程では、入力パラメータに基づいて、振動切削の設定パラメータの許容値を示すグラフを表示する。この表示は、上記コンピュータが任意の表示装置を介して行ってもよい。設定パラメータは、ワークまたは工具の回転数と、ワークまたは工具の送り速度とを含む。
【0028】
このような表示方法によると、工作機械のオペレータは、表示されたグラフを見ることで、入力パラメータに応じた適切な設定パラメータを容易に決定することができる。
【0029】
以上のように、本開示によれば、工作機械のオペレータは、表示部に表示されるグラフを見て、振動切削の設定パラメータを容易に決定することができる。さらに、本開示によれば、入力パラメータの変更に応じて、適切な設定パラメータを示すグラフを表示することができる。
【0030】
以下では、本開示に係る表示装置、工作機械、および表示方法の一例について、図面を参照して具体的に説明する。以下で説明する一例の表示装置、工作機械、および表示方法の構成要素および工程には、上述した構成要素および工程を適用できる。以下で説明する一例の表示装置、工作機械、および表示方法の構成要素および工程は、上述した記載に基づいて変更できる。また、以下で説明する事項を、上記の実施形態に適用してもよい。以下で説明する一例の表示装置、工作機械、および表示方法の構成要素および工程のうち、本開示に係る表示装置、工作機械、および表示方法に必須ではない構成要素および工程は省略してもよい。なお、以下で示す図は模式的なものであり、実際の部材の形状や数を正確に反映するものではない。
【0031】
本実施形態の工作機械10は、ターニングセンタであるが、これに限られるものではない。
図1に示すように、工作機械10は、ワーク主軸11と、工具主軸12と、モータ13と、表示装置14とを備える。工作機械10は、
図2~
図5に示すように、工具主軸12の送り動作に低周波(数十Hz程度)の振動を重畳させてワーク加工を行う振動切削を実行することができる。なお、工作機械10は、ワーク主軸11の送り動作を行うタイプであってもよい。
【0032】
ワーク主軸11は、加工対象物であるワーク20(
図2を参照)を保持する。ワーク主軸11は、ワーク20の加工中に、ワーク20を所定の軸心回りに回転させる。
【0033】
工具主軸12は、ワーク20の加工に用いる工具30(
図2を参照)を保持する。工具主軸12は、加工空間内を三次元的に移動可能である。工具主軸12は、ワーク20の加工中に、ワーク20に対して工具30の刃を接触させる。
【0034】
モータ13は、工具30(あるいは、工具主軸12)を送り動作させるサーボモータである。モータ13は、流れる電流に対応するトルクを生じることで、工具主軸12の駆動装置(図示せず)を駆動して工具30を送り動作させてもよい。モータ13は、振動切削を行う際に、工具30の送り動作に低周波の振動を重畳させる。
図2では、ワーク20の外周面に、振動切削における工具30の移動軌跡を模式的に示してある。
【0035】
表示装置14は、振動切削の入力パラメータの入力を受けると共に、オペレータに対して振動切削の設定パラメータの許容値を示すグラフを表示する。本実施形態の表示装置は、タッチパネル式の操作盤によって構成されるが、これに限られるものではない。表示装置14は、入力部15と、表示部16と、記憶部17とを有する。記憶部17は、入力部15および表示部16と一体でもよく、遠隔サーバに具備されるなど別体でもよい。
【0036】
入力部15は、振動切削の入力パラメータを入力するための要素である。入力部15は、操作盤の画面によって構成される。入力部15は、入力パラメータの入力に用いる入力画面を表示する。この入力画面は、各入力パラメータを入力するための少なくとも1つの入力窓を含んでもよい。
【0037】
表示部16は、入力パラメータに基づいて、振動切削の設定パラメータの許容値を示すグラフを表示する。本実施形態のグラフは、
図6に示すように二次元グラフであるが、これに限られるものではない。
【0038】
入力パラメータは、振動周波数倍率と、振動振幅倍率と、振動方向と、モータ13の負荷率とを含む。ここで、振動周波数倍率および振動振幅倍率を変動させた場合の工具軌跡の違いを、
図3~
図5を参照して説明する。
【0039】
図3は、振動周波数倍率が0.5であり、かつ振動振幅倍率が1.0である場合の、ワーク表面における工具軌跡を実線で示す。
図3において、横軸はワーク20の回転角度(単位:°)を示し、縦軸は工具30の送り軸移動量(単位:mm)を示し、破線は振動が重畳されていない場合の工具軌跡を示す(
図4および
図5も同様)。
図3に示すように、ワーク20が1回転する毎に工具30が0.5回振動していること、ならびに、ワーク20の1回転あたりの工具30の送り量(隣り合う破線同士の上下間隔)と等しい振幅で工具30が振動していることがわかる。旋削時に生じる切屑は、工具軌跡同士がぶつかる箇所で切断される。
【0040】
図4は、振動周波数倍率が1.5であり、かつ振動振幅倍率が1.0である場合の、ワーク表面における工具軌跡を実線で示す。
図4に示すように、ワーク20が1回転する毎に工具30が1.5回振動していること、ならびに、ワーク20の1回転あたりの工具30の送り量と等しい振幅で工具30が振動していることがわかる。旋削時に生じる切屑は、工具軌跡がぶつかる箇所で切断される。
【0041】
図5は、振動周波数倍率が1.5であり、かつ振動振幅倍率が1.4である場合の、ワーク表面における工具軌跡を実線で示す。
図4に示すように、ワーク20が1回転する毎に工具30が1.5回振動していること、ならびに、ワーク20の1回転あたりの工具30の送り量よりも大きい振幅で工具30が振動していることがわかる。旋削時に生じる切屑は、工具軌跡がぶつかる箇所で切断される。
【0042】
設定パラメータは、ワーク20の回転数と、工具30の送り速度とを含む。なお、工具30が送り動作および回転動作を行うもの(例えば、ドリル)である場合、設定パラメータは、工具30の回転数と、工具30の送り速度とを含む。
【0043】
記憶部17は、入力パラメータの入力パターンが複数格納されている。記憶部17は、不揮発性メモリによって構成されてもよい。複数の入力パターンの情報は、例えばオペレータの要求に応じて、入力部15に表示されてもよい。オペレータは、複数の入力パターンから一の入力パターンを選択することで、振動切削の入力パラメータを簡易に入力することができる。
【0044】
図6は、表示部16に表示されるグラフの一例を示す。
図6において、横軸は工具30の送り速度(単位:mm/rev)を示し、縦軸はワーク20の回転数(単位:rev/min)を示す。
図6に一例として示す曲線は、振動周波数倍率が0.5、振動振幅倍率が0.6、振動方向がZ軸方向(ワーク主軸11の軸心に沿った方向)、モータ13の負荷率が100%である場合に対応する。つまり、
図6のグラフは、モータ13に流れる電流の平均値が、定格出力の100%を超えない範囲の設定パラメータ(曲線よりも下側の領域の設定パラメータ)を示す。そして、この曲線よりも下側の領域(
図6にハッチングで示す領域)が、工作機械10において加工精度を確保しながら振動切削を行うことができる設定パラメータの領域である。オペレータは、この領域を視覚的に把握した後、その中から設定パラメータを適宜決定することができる。
【0045】
グラフに表示される曲線は、入力パラメータの各組合せに対して振動切削を安定的に行える回転数と送り速度の組合せを複数取得し、取得した複数の組合せを近似する二次曲線として作成することができる。なお、この方法はあくまで一例であり、他の方法で曲線を作成してもよい。
【0046】
なお、
図6に一例を示す曲線には、振動周波数倍率や振動振幅倍率が大きいほど左下側(原点側)にシフトする傾向がある。これは、両パラメータが大きいほど、重畳振動に起因する負荷が大きくなるためである。また、同曲線には、モータ13の負荷率が低いほど左下側にシフトする傾向がある。
【0047】
-表示方法-
上述の表示装置14を用いて実行可能な本開示に係る表示方法について説明する。表示方法は、入力工程と、表示工程とを備える。
【0048】
入力工程では、オペレータが、振動切削の入力パラメータを入力する。入力パラメータは、振動周波数倍率と、振動振幅倍率と、振動方向と、モータ13の負荷率とを含む。オペレータは、工作機械10が備えるタッチパネル式の操作盤の表示画面を介して入力パラメータを入力してもよい。
【0049】
表示工程では、表示部16が、入力パラメータに基づいて、振動切削の設定パラメータのグラフを表示する。このグラフは、例えば、
図6に示すタイプのグラフであってもよいし、他のタイプのグラフであってもよい。設定パラメータは、ワーク20の回転数と、工具30の送り速度とを含む。
【0050】
本発明を現時点での好ましい実施態様に関して説明したが、そのような開示を限定的に解釈してはならない。種々の変形および改変は、上記開示を読むことによって本発明に属する技術分野における当業者には間違いなく明らかになるであろう。したがって、添付の請求の範囲は、本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、すべての変形および改変を包含する、と解釈されるべきものである。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本開示は、表示装置、工作機械、および表示方法に利用できる。
【符号の説明】
【0052】
10:工作機械
11:ワーク主軸
12:工具主軸
13:モータ
14:表示装置
15:入力部
16:表示部
17:記憶部
20:ワーク
30:工具
【要約】
開示される表示装置14は、振動切削の入力パラメータを入力するための入力部15と、入力パラメータに基づいて、振動切削の設定パラメータの許容値を示すグラフを表示する表示部16と、を備え、入力パラメータは、振動周波数倍率、振動振幅倍率、および振動方向の少なくとも1つを含み、設定パラメータは、ワーク20または工具30の回転数と、ワーク20または工具30の送り速度とを含む。これにより、振動切削の設定パラメータを容易に決定することができる。