IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ インファイ コーポレーションの特許一覧

特許7039809光通信システムにおける多経路干渉軽減のための回路
<>
  • 特許-光通信システムにおける多経路干渉軽減のための回路 図1
  • 特許-光通信システムにおける多経路干渉軽減のための回路 図2
  • 特許-光通信システムにおける多経路干渉軽減のための回路 図3
  • 特許-光通信システムにおける多経路干渉軽減のための回路 図4
  • 特許-光通信システムにおける多経路干渉軽減のための回路 図5A
  • 特許-光通信システムにおける多経路干渉軽減のための回路 図5B
  • 特許-光通信システムにおける多経路干渉軽減のための回路 図6
  • 特許-光通信システムにおける多経路干渉軽減のための回路 図7
  • 特許-光通信システムにおける多経路干渉軽減のための回路 図8
  • 特許-光通信システムにおける多経路干渉軽減のための回路 図9
  • 特許-光通信システムにおける多経路干渉軽減のための回路 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-14
(45)【発行日】2022-03-23
(54)【発明の名称】光通信システムにおける多経路干渉軽減のための回路
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/25 20130101AFI20220315BHJP
   H04B 10/07 20130101ALI20220315BHJP
【FI】
H04B10/25
H04B10/07
【請求項の数】 2
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017006223
(22)【出願日】2017-01-17
(65)【公開番号】P2017184226
(43)【公開日】2017-10-05
【審査請求日】2019-12-23
(31)【優先権主張番号】15/040,812
(32)【優先日】2016-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】517018433
【氏名又は名称】インファイ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INPHI CORPORATION
【住所又は居所原語表記】2953 BUNKER HILL LANE, SUITE 300 SANTA CLARA, CALIFORNIA 95054
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】スミス,ベンジャミン ピー.
(72)【発明者】
【氏名】リアーニ,ジャマール
(72)【発明者】
【氏名】ファーフードファー,アラーシュ
(72)【発明者】
【氏名】バット,ヴィプール
(72)【発明者】
【氏名】ボジャ,スディープ
【審査官】前田 典之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0308046(US,A1)
【文献】特表2019-506767(JP,A)
【文献】特表2009-530995(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/25
H04B 10/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パルス振幅変調(PAM)電界を有する光信号の複数のサンプルを処理する回路であって、
各サンプルについて前記サンプルの各PAMレベルを推定するスライサーと、
各サンプルについて前記各PAMレベルから前記サンプルを差し引いて対応するエラーサンプルを生成する減算器と、
前記エラーサンプルをフィルタリングして多経路干渉(MPI)の推定値を生成するローパスフィルタと、
各サンプルについてMPIの前記推定値のうちの1つを前記サンプルと組み合わせて干渉軽減サンプルを生成する合成器と、
を含
前記合成器は、MPIの前記推定値のうちの前記1つと、前記サンプルから推定される前記電界を変調する各PAMレベルに比例する値とを掛け合わせることで、重み付けされた推定値を生成し、前記サンプルから前記重み付けされた推定値を差し引いて前記MPI軽減サンプルを生成することにより、所与のサンプルについてMPIの前記推定値のうちの1つを前記サンプルと組み合わせて干渉軽減サンプルを生成するレベル依存型の減算器である、
回路。
【請求項2】
パルス振幅変調(PAM)電界を有する光信号の複数のサンプルの処理方法であって、
各サンプルについて各PAMレベルを推定することと、
各サンプルについて、前記各PAMレベルから前記サンプルを差し引いて、対応するエラーサンプルを生成することと、
前記エラーサンプルを、ローパスフィルタリングして、多経路干渉(MPI)の推定値を生成することと、
各サンプルについてMPIの前記推定値のうちの1つを前記サンプルと組み合わせて、干渉軽減サンプルを生成することと、
を含み、
所与のサンプルについてMPIの前記推定値のうちの1つを前記サンプルと組み合わせて干渉軽減サンプルを生成することは、
MPIの前記推定値のうちの前記1つと前記サンプルから推定された前記電界を変調する各PAMレベルに比例する値とを掛け合わせることにより、重み付けされた推定値を生成することと、
前記サンプルから前記重み付けされた推定値を差し引いて前記MPI軽減サンプルを生成することと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、光通信システムにおける干渉を軽減するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
直接検出型の光通信システムにおいて、多経路干渉(MPI)は、光インターフェース(コネクタ、受信器/送信器インターフェース)における伝送波形の反射の組み合わせから発生する。図1に示す一例において、光インターフェース104、106および108において接続された一連の光ケーブルを介して受信器102へ接続された送信器100が図示される。送信器100から信号s(t)が送信された後、インターフェース104、106および108における反射のために、受信器102において受信される信号u(t)は、送信信号の1組の遅延レプリカの合計である。参照符号110によって主に示すのは、図1のシステムの論理的に等価なバージョンであり、各減衰a、a、aおよびaを含む4つの遅延成分の合計を示す。
【0003】
別の干渉源は、例えば、受信器中のフォトダイオードの後または送信器中のレーザー変調器の前の電気的領域中に発生する反射に起因する。各成分の遅延および振幅を推測することにより、これらの電気的反射を直接キャンセルすることができる。このような電気的反射は、典型的には極めて短距離(数十mm以下のオーダー)にわたって発生するため、主要信号からの少数のボー内に残留する。
【図面の簡単な説明】
【0004】
以下、本開示の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
【0005】
図1】光学システムおよび対応する信号を多経路干渉と共に示す。
図2】リターンロスが異なるコネクタを有する光学システムの別の例である。
図3図2の光学システムの多経路チャンネルモデルである。
図4】ボーレートシステムモデルのブロック図である。
図5A】MPI軽減回路を有する光受信器のブロック図である。
図5B図5Aの受信器のボーレートモデルである。
図6図5AのRX1成分の例示的実行のブロック図である。
図7】MPI軽減回路および干渉成分推定器を有する光受信器のブロック図である。
図8】MPI軽減回路を有する光モジュールのブロック図である。
図9】MPI軽減回路を備えた、ネットワーク要素を含む光ネットワークのブロック図である。
図10】MPI軽減を行う方法のフローチャートである。
【発明の概要】
【0006】
背景セクションにおいて述べたように、各成分の遅延および振幅を推定することにより、電気的領域内において発生する反射に起因する干渉を直接キャンセルすることができる。なぜならば、電気的反射は典型的には極めて短距離(~mm)にわたって発生するため、主要信号からのわずかなボー内に残留するからである。干渉キャンセルに対する従来のアプローチにおいては、個々に反射される項を(例えば判定帰還型等化器を用いて)明示的にキャンセルする。このアプローチの場合、例えば機械的振動およびレーザー位相変化に起因して反射が多数の1000個のボーで遅延する可能性があり、タップのサイズおよび位置も時間の関数として変動し得るため、MPIへの適用は困難である。適合ループを充分に高速に作成することは極めて困難であり、過去の決定を保存するためには、大量のメモリが必要になる。
【0007】
加えて、MPIの影響は、直接検出受信器(すなわち、光波形の出力を検出する受信器)においてはレベルに依存する。より詳細には、パルス振幅変調(PAM)などの多レベル変調スキームにおいては、PAMレベルが低い場合よりも、PAMレベルが高い場合の方が、MPIの影響が大きくなる。
【0008】
本発明の一局面によれば、パルス振幅変調(PAM)電界を有する光信号の複数のサンプルの処理方法が提供される。方法は、各サンプルについて各PAMレベルを推定することと、各サンプルについて、各PAMレベルからサンプルを差し引いて、対応するエラーサンプルを生成することと、エラーサンプルを、ローパスフィルタを通して、多経路干渉(MPI)の推定値を生成することと、各サンプルについて、MPIの推定値のうちの1つをサンプルと組み合わせて、干渉軽減サンプルを生成することとを含む。
【0009】
本発明の別の局面によれば、パルス振幅変調(PAM)電界を有する光信号の複数のサンプルを処理する回路が提供される。回路は、各サンプルについてサンプルの各PAMレベルを推定するスライサーと、各サンプルについて各PAMレベルからサンプルを差し引いて対応するエラーサンプルを生成する減算器と、エラーサンプルをフィルタリングして多経路干渉(MPI)の推定値を生成するローパスフィルタと、各サンプルについてMPIの推定値のうちの1つをサンプルと組み合わせて干渉軽減サンプルを生成する合成器とを含む。
【発明を実施するための形態】
【0010】
光通信システムの一例を図2に示す。本例は、送信光サブアセンブリ(TOSA)コネクタ230を有する第1のトランシーバ201、および受信光サブアセンブリ(ROSA)コネクタ232を有する第2のトランシーバ204を含む。これら2つのトランシーバ201および204は、ケーブルの5つの部分200、202、206、208および210と、コネクタ212、214、216、218、220、222、224および226とを有する光路によって接続される。典型的な光通信システムにおいては、異なる品質のコネクタが用いられる。図2において、コネクタ214、216、222および224は、その他のコネクタと比較して優れたリターンロスを有する。本システムは、図3に示すような多経路チャンネルモデルを用いてモデル化することができ、ここで、リターンロスが優れているコネクタについては、MPIにあまり寄与しないため、記載を省略している。この特定の例において、長さlを有するケーブル配線の5つの物理的な長さがある。本モデルは、4つの比較的リターンロスについて劣るコネクタと、TOSAコネクタおよびROSAコネクタとにおいて境界を含む。本アプローチは任意の数のコネクタおよびケーブルへ一般化されることが、理解されるべきである。
【0011】
各コネクタは、関連付けられたリターンロスを有する。各長さのケーブルは、干渉物のリンク誘起位相ランダム化(本明細書中、干渉被害者または単に被害者と呼ぶ場合もある主要信号に対するもの)に関連する、関連付けられた位相シフトθを有する。
【0012】
図2のシステムに基づいた(ここでも、より一般的には任意の数のコネクタおよびケーブルを備えたシステムに基づいた)ボーレートシステムモデルを図4に示す。本モデルにおいて、入力サンプルx[k]は、入力サンプルx[k]をy[k]へ変換する多経路チャンネルを介して送信される。y[k]に対する直接検出が402において行われて、w[k]が生成される。ノイズ寄与n[k]が404において付加されて、受信サンプルr[k]が生成される。入力サンプルx[k]の複素ベースバンドの表現は、以下のようにモデル化することができる。
【数1】
【0013】
ここで、A[k]は、入力サンプルx[k]のPAMレベルであり、PAM変調スキームに従った1組のPAMレベルのうちの1つであり、φ[k]は、入力サンプルx[k]の位相である。
【0014】
加えて、y[k]、r[k]およびMPI干渉成分は、以下のようにモデル化することができる。
【数2】
【0015】
本モデルの目的のため、以下を前提とする:
送信信号の位相は、ランダムウォークによって変動し、ここで、
φ[k]-φ[k-l]=ρ[l]であり、式中、ρ[l]は、分散σ=2πΔvlTのゼロ平均ガウス確率変数であり、ここで、Δvはレーザーの3-dB線幅であり、Tは信号のボー期間である。
およびθは、干渉経路と関連付けられた時間的遅延および位相遅延であり、機械的/熱的影響に起因して変動する。
付加ノイズn[k]は、チャンネル中の他のノイズ源をモデル化する。
データ記号A[k]の独立性に起因して、被害者および干渉物の振幅も共に独立する。
γは、反射が発生したコネクタのリターンロスに起因する反射信号の減衰をモデル化する。
ψ[m]は、a, b ∈{1、2、3、4、5}について一般形態
をとる。
【0016】
ここで図5Aを参照して、本発明の実施形態によって提供されるMPI軽減回路500を含む光受信器のブロック図が図示されている。ブロックRX1 501は、MPI軽減回路500の前に実行される任意の入力信号処理を示す。特定の例を以下に示す。ブロックRX2 510は、MPI軽減回路500の後に行われる受信信号処理を示す。特定の例を以下に示す。MPI軽減回路500は、図1図3に示すような光信号経路へ接続された受信器において実装される。
【0017】
MPI軽減回路500は、エラー生成器506を有する。エラー生成器506は、RX1 501から受信されたサンプルのPAMレベルを推定し、対応するエラー信号を生成する。MPIの推定値を生成するため、エラー信号はローパスフィルタ508中においてフィルタリングされる。補償合成器504は、任意選択的に遅延502の後に、MPIの推定値と、RX1 501から受信されたサンプルとを組み合わせる。この遅延502は、エラー生成器506およびフィルタ508中のサンプルの処理にかかる時間を考慮している。
【0018】
図5Bは、図5AのMPI軽減回路500のボーレート図である。入力サンプルr[k]が、各サンプルについてサンプルの各PAMレベルを推定するスライサー522中においてスライスされる。減算器524(図5Aのエラー生成器506の特定の例)は、各推定されたPAMレベルからサンプルを差し引いて、対応するエラーサンプルを生成する。これらのエラーサンプルは、MPIの推定値を生成するためにローパスフィルタ526中においてフィルタリングされ、その後、これらの推定値は減算器528によって入力サンプルr[k]から差し引かれる。
【0019】
ローパスフィルタについては多数の選択肢がある。いくつかの実施形態において、ローパスフィルタは、連続するサンプルのブロックのエラーサンプルの平均を決定する固定ブロック平均成分である。このようにして決定された平均は、連続するサンプルのブロック中の各サンプルと組み合わされるMPIの推定値として用いられる。特定の例において、MPIの推定値は、以下に従って固定の32個のボーウィンドウを用いて決定される。
【数3】
【0020】
このアプローチの場合、32ボーあたり31個の付加が必要になる。
【0021】
いくつかの実施形態において、ローパスフィルタは、各サンプルについて、移動ウィンドウによって規定されるエラーサンプルの各ブロックについてのエラーサンプルの平均を決定する移動ウィンドウ平均成分であり、ここで、平均は、サンプルと組み合わされるMPIの推定値として用いられる。いくつかの実施形態において、各サンプルに対して用いられる独自のウィンドウがある。他の実施形態において、同じウィンドウが、エラーサンプルのブロックのサイズよりも小さな一組の連続するサンプルに対して用いられる。特定の例において、MPIの推定値は、以下の式に従って、8個の連続するボーにわたって共通のMPI軽減により、スライドする32個のボーウィンドウを用いて決定される。
【数4】
【0022】
このアプローチの場合、32個のボーあたり、40個以上の付加が必要になる。
【0023】
いくつかの実施形態において、(固定窓または移動窓の実施形態において)連続するサンプルのブロックのサイズは、送信器コヒーレンスの関数として設定される。
【0024】
いくつかの実施形態において、補償合成器504は、多経路干渉の成分の推定値とサンプルとを組み合わせて、サンプルから推定値を減算して干渉軽減サンプルを生成することにより、干渉軽減サンプルを生成する減算器である。
【0025】
いくつかの実施形態において、補償合成器504は、フィルタによるMPI出力の推定値と、サンプルから推定された電界を変調する各PAMレベルに比例する値とを掛け合わせることにより、重み付けされた推定値を生成する、レベル依存型の減算器である。この重み付けされた推定値は、その後、干渉軽減サンプルを生成するために、サンプルから差し引かれる。電界を変調するPAMレベルは、直接検出の後のPAMレベルが出力の関数であるために電界の振幅の二乗となる点において、直接検出器(例えば、スライサー522)の出力から区別されるべきである。
【0026】
上記したように、RX1ブロック501は、フィードフォワード型MPI軽減回路500の前に行われる任意の入力信号処理を表す。図6を参照して、特定の例において、これは、少なくとも、フォトダイオード(PD)600などの直接検出受信器と、直接検出出力を増幅するトランスインピーダンス増幅器(TIA)601と、TIAの出力に対してアナログ/デジタル変換を行って未加工のサンプルを生成するアナログ/デジタル変換器(ADC)602と、未加工のサンプルを等化して複数のサンプルを生成する等化器604とを含む。異なるかまたはさらなる機能がRX1ブロック501中に設けられ得る。
【0027】
上記したように、RX2ブロック510は、フィードフォワード型MPI軽減回路500の後に行われる任意の入力信号処理を示す。いくつかの実施形態において、これは、各干渉軽減サンプルに対してPAM決定スライシングを行うPAM決定スライサーを含む。さらなる機能がRX2ブロック510中に設けられ得る。
【0028】
以下、本発明の実施形態によって提供される別の干渉軽減回路について、図7を参照して説明する。図7は、図5Aと共通する多くの構成要素を含む。この回路は、干渉成分推定器702と、MPI推定器500の出力および干渉成分推定器702の1つ以上の出力を受信する合成器704とをさらに含む。
【0029】
干渉成分推定器702は、各干渉成分について各遅延および各振幅を推定することにより、少なくとも1つの干渉成分を推定する。典型的には、干渉成分推定器は、電気的反射に起因する成分を推定する。電気的反射は典型的には(数十mm以下のオーダーの)極めて短距離において発生するため、主要信号からの少数のボーに残留する。合成器705は、MPIの推定値および推定された少なくとも1つの電気的干渉成分702とサンプルとを組み合わせて、干渉軽減サンプルを生成する。これらの干渉軽減サンプルは、RX2ブロック510へと送られる。
【0030】
図8を参照して、本発明の別の実施形態は、光モジュールを提供する。光モジュールは、光学的IO(入力/出力)802および電気的IO804を有する。光学的I/Oにおいて受信された光信号については、直接検出を行って直接検出出力を生成するフォトダイオード(PD)810がある。直接検出出力は、TIA812において増幅される。TIA812の出力に対してPAM復調を行って電気的IO804において信号を生成するように構成されたPAM ASIC806がある。PAM ASICは、本明細書中に記載される実施形態の1つに従ってMPI軽減を実行するMPI軽減回路804を含む。PAM ASICは、例えば図6の回路を含む。
【0031】
電気的IO804において受信された信号について、PAMASICは、入来電気信号に基づいてPAM変調を行うようにさらに構成される。光モジュールは、PAM変調電界を有する光学的IOにおいてPAM変調の出力に基づいて光信号を出力するレーザープラス変調器808も有する。
【0032】
ここで図9を参照して、本発明の実施形態によって提供される光通信システムのブロック図が図示される。本システムは、複数のネットワーク要素900および902を含む(2つのみを図示しているが、典型的にはより多数のネットワーク要素が存在する)。ネットワーク要素902および904は、例えばスイッチ、ルータ、サーバなどであり得る。ネットワーク要素902および904は、光ファイバおよび光インターフェースを含む光路によって相互接続される。図示の特定の例において、ネットワーク要素902および904は、光ファイバ908、インターフェース914、光ファイバ910、インターフェース916および光ファイバ912を含む光路によって相互接続される。ファイバおよびインターフェースの数は、実装時固有である。さらに、ネットワーク要素のうち少なくとも1つは、本明細書中に記載される実施形態の1つによるMPI軽減回路を有する光モジュールを含む。図示の例において、ネットワーク要素900および902は、各MPI軽減回路906および926を含む各光モジュール904および924を含む。いくつかの実施形態において、光モジュールは、図8の例に従う。
【0033】
入来信号のボーレートの点から、特定の動作周波数と、ローパスフィルタの通過帯域とは、実装時固有である。いくつかの実施形態において、本明細書中記載されるシステムおよび方法は、25Gボーよりも高いボーレートを有する光信号について適用され、MPI軽減回路は、ローパスフィルタリングを行って、いくつかの実施形態において周波数が100MHzを下回るMPIを除去し、他の実施形態において10MHzを下回るMPIを除去する。
【0034】
図10は、パルス振幅変調(PAM)電界を有する光信号の複数のサンプルの処理方法のフローチャートである。ブロック10-1において、各サンプルについて、各PAMレベルが推定される。ブロック10-2において、各サンプルについて、サンプルを各PAMレベルから差し引いて、対応するエラーサンプルを生成する。ブロック10-3において、エラーサンプルをローパスフィルタリングして、多経路干渉(MPI)の推定値を生成する。ブロック10-4において、各サンプルについて、MPIの推定値のうちの1つをサンプルと組み合わせて、干渉軽減サンプルを生成する。これらのステップがどのように実行され得るかについての多様な例が上述された。
【0035】
上記教示に鑑みれば、本開示の多数の改変例および変更例が可能である。よって、添付の特許請求の範囲内において、本開示は、本明細書中に具体的に記載された様態以外の様態で実行され得ることが理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10