(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-14
(45)【発行日】2022-03-23
(54)【発明の名称】表示装置及び画像処理装置
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20220315BHJP
G06F 3/0483 20130101ALI20220315BHJP
G06F 3/0485 20220101ALI20220315BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20220315BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20220315BHJP
【FI】
H04N1/00 C
G06F3/0483
G06F3/0485
B41J29/38
B41J29/42 F
(21)【出願番号】P 2018001126
(22)【出願日】2018-01-09
【審査請求日】2020-11-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117651
【氏名又は名称】高垣 泰志
(72)【発明者】
【氏名】友野 和明
【審査官】橘 高志
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-085353(JP,A)
【文献】特開2003-198975(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
G06F 3/0483
G06F 3/0485
B41J 29/38
B41J 29/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長方形状の表示領域を有する表示手段を備え、前記表示手段の向きを、第1の向きと、前記第1の向きから90度回転させた第2の向きとに変化させることが可能な表示装置であって、
前記表示手段の向きが前記第1の向きと前記第2の向きのいずれであるかを検知する検知手段と、
前記表示手段の向きが前記第1の向きである場合に、ユーザーが操作可能な操作画面を前記表示領域の全体に配置した第1画面を前記表示手段に表示させる第1表示制御手段と、
前記表示手段の向きが前記第2の向きである場合に、前記表示領域の一部に前記操作画面を縮小して配置すると共に、前記表示領域の残部に前記操作画面に含まれるコンテンツを配置した第2画面を前記表示手段に表示させる第2表示制御手段と、
前記操作画面ごとに、前記第2画面において前記表示領域の残部に配置すべきコンテンツを予め登録したコンテンツ登録情報を記憶する記憶手段と、
を備え
、
前記第2表示制御手段は、前記表示手段の向きが前記第2の向きである場合に、前記コンテンツ登録情報に基づいて、前記表示領域の残部に、前記操作画面に含まれるコンテンツを配置することにより前記第2画面を生成することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記第2表示制御手段は、前記表示手段に前記第2画面を表示している状態で前記操作画面を更新するとき、更新後の前記操作画面に対応する前記コンテンツ登録情報に基づいて、更新後の前記操作画面に対応する前記第2画面を生成することを特徴とする請求項
1に記載の表示装置。
【請求項3】
ユーザーによる操作に基づいて前記コンテンツ登録情報に対するコンテンツの登録又は更新を行うコンテンツ設定手段を更に備えることを特徴とする請求項
1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
長方形状の表示領域を有する表示手段を備え、前記表示手段の向きを、第1の向きと、前記第1の向きから90度回転させた第2の向きとに変化させることが可能な表示装置であって、
前記表示手段の向きが前記第1の向きと前記第2の向きのいずれであるかを検知する検知手段と、
前記表示手段の向きが前記第1の向きである場合に、ユーザーが操作可能な操作画面を前記表示領域の全体に配置した第1画面を前記表示手段に表示させる第1表示制御手段と、
前記表示手段の向きが前記第2の向きである場合に、前記表示領域の一部に前記操作画面を縮小して配置すると共に、前記表示領域の残部に前記操作画面に含まれるコンテンツを配置した第2画面を前記表示手段に表示させる第2表示制御手段と、
を備え
、
前記第2表示制御手段は、前記表示領域の残部に対して前記操作画面に含まれるコンテンツを配置するとき、前記第1画面において表示されるコンテンツサイズと同サイズ以上で配置することを特徴とする表示装置。
【請求項5】
長方形状の表示領域を有する表示手段を備え、前記表示手段の向きを、第1の向きと、前記第1の向きから90度回転させた第2の向きとに変化させることが可能な表示装置であって、
前記表示手段の向きが前記第1の向きと前記第2の向きのいずれであるかを検知する検知手段と、
前記表示手段の向きが前記第1の向きである場合に、ユーザーが操作可能な操作画面を前記表示領域の全体に配置した第1画面を前記表示手段に表示させる第1表示制御手段と、
前記表示手段の向きが前記第2の向きである場合に、前記表示領域の一部に前記操作画面を縮小して配置すると共に、前記表示領域の残部に前記操作画面に含まれるコンテンツを配置した第2画面を前記表示手段に表示させる第2表示制御手段と、
を備え
、
前記第2表示制御手段は、前記表示領域の残部に配置すべき複数のコンテンツの全てを前記表示領域の残部に配置することができない場合、前記複数のコンテンツをスクロール表示可能な状態で前記表示領域の残部に配置することを特徴とする表示装置。
【請求項6】
長方形状の表示領域を有する表示手段を備え、前記表示手段の向きを、第1の向きと、前記第1の向きから90度回転させた第2の向きとに変化させることが可能な表示装置であって、
前記表示手段の向きが前記第1の向きと前記第2の向きのいずれであるかを検知する検知手段と、
前記表示手段の向きが前記第1の向きである場合に、ユーザーが操作可能な操作画面を前記表示領域の全体に配置した第1画面を前記表示手段に表示させる第1表示制御手段と、
前記表示手段の向きが前記第2の向きである場合に、前記表示領域の一部に前記操作画面を縮小して配置すると共に、前記表示領域の残部に前記操作画面に含まれるコンテンツを配置した第2画面を前記表示手段に表示させる第2表示制御手段と、
ステータスを管理するステータス管理手段と、
を備え
、
前記第2表示制御手段は、前記ステータスが正常状態であるとき、前記表示領域の残部に対して複数のコンテンツを配置するときに前記複数のコンテンツのそれぞれに予め設定されている優先順位に基づいて前記複数のコンテンツを配置することを特徴とする表示装置。
【請求項7】
前記第2表示制御手段は、前記ステータスが異常状態であるとき、前記表示領域の残部に対して複数のコンテンツを配置するときに、前記異常状態を示す文字列を優先的に配置することを特徴とする請求項
6に記載の表示装置。
【請求項8】
長方形状の表示領域を有する表示手段を備え、前記表示手段の向きを、第1の向きと、前記第1の向きから90度回転させた第2の向きとに変化させることが可能な表示装置であって、
前記表示手段の向きが前記第1の向きと前記第2の向きのいずれであるかを検知する検知手段と、
前記表示手段の向きが前記第1の向きである場合に、ユーザーが操作可能な操作画面を前記表示領域の全体に配置した第1画面を前記表示手段に表示させる第1表示制御手段と、
前記表示手段の向きが前記第2の向きである場合に、前記表示領域の一部に前記操作画面を縮小して配置すると共に、前記表示領域の残部に前記操作画面に含まれるコンテンツを配置した第2画面を前記表示手段に表示させる第2表示制御手段と、
を備え
、
前記第2表示制御手段は、前記操作画面に含まれるコンテンツを前記表示領域の残部に配置して表示させるとき、前記表示領域の一部に縮小して配置される前記操作画面において当該コンテンツが含まれる位置を表示することを特徴とする表示装置。
【請求項9】
長方形状の表示領域を有する表示手段を備え、前記表示手段の向きを、第1の向きと、前記第1の向きから90度回転させた第2の向きとに変化させることが可能な表示装置であって、
前記表示手段の向きが前記第1の向きと前記第2の向きのいずれであるかを検知する検知手段と、
前記表示手段の向きが前記第1の向きである場合に、ユーザーが操作可能な操作画面を前記表示領域の全体に配置した第1画面を前記表示手段に表示させる第1表示制御手段と、
前記表示手段の向きが前記第2の向きである場合に、前記表示領域の一部に前記操作画面を縮小して配置すると共に、前記表示領域の残部に前記操作画面に含まれるコンテンツを配置した第2画面を前記表示手段に表示させる第2表示制御手段と、
を備え
、
前記第2表示制御手段は、前記表示領域の一部に縮小して配置した前記操作画面に対するユーザーの操作を受け付け可能であると共に、前記表示領域の残部に配置したコンテンツに対するユーザーの操作を受け付け可能であることを特徴とする表示装置。
【請求項10】
前記表示領域の残部に配置されるコンテンツには、プレビュー画像、文字列又は操作ボタンが含まれることを特徴とする請求項1
乃至9のいずれかに記載の表示装置。
【請求項11】
長方形状の表示領域を有する表示手段を備え、前記表示手段の向きを、第1の向きと、前記第1の向きから90度回転させた第2の向きとに変化させることが可能な画像処理装置であって、
前記表示手段の向きが前記第1の向きと前記第2の向きのいずれであるかを検知する検知手段と、
前記表示手段の向きが前記第1の向きである場合に、ユーザーが操作可能な操作画面を前記表示領域の全体に配置した第1画面を前記表示手段に表示させる第1表示制御手段と、
前記表示手段の向きが前記第2の向きである場合に、前記表示領域の一部に前記操作画面を縮小して配置すると共に、前記表示領域の残部に前記操作画面に含まれるコンテンツを配置した第2画面を前記表示手段に表示させる第2表示制御手段と、
前記第1表示制御手段によって前記第1画面が表示されているときには、前記表示領域の全体で表示される前記操作画面に対するユーザーの操作に基づいてジョブの実行を制御し、前記第2表示制御手段によって前記第2画面が表示されているときには、前記表示領域の一部に縮小して表示される前記操作画面又は前記表示領域の残部において表示されるコンテンツに対するユーザーの操作に基づいてジョブの実行を制御するジョブ制御手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項12】
前記表示領域の残部に配置されるコンテンツには、プレビュー画像、文字列又は操作ボタンが含まれることを特徴とする請求項
11に記載の画像処理装置。
【請求項13】
前記操作画面ごとに、前記第2画面において前記表示領域の残部に配置すべきコンテンツを予め登録したコンテンツ登録情報を記憶する記憶手段、
を更に備え、
前記第2表示制御手段は、前記表示手段の向きが前記第2の向きである場合に、前記コンテンツ登録情報に基づいて、前記表示領域の残部に、前記操作画面に含まれるコンテンツを配置することにより前記第2画面を生成することを特徴とする請求項
11又は12に記載の画像処理装置。
【請求項14】
前記第2表示制御手段は、前記表示手段に前記第2画面を表示している状態で前記操作画面を更新するとき、更新後の前記操作画面に対応する前記コンテンツ登録情報に基づいて、更新後の前記操作画面に対応する前記第2画面を生成することを特徴とする請求項
13に記載の画像処理装置。
【請求項15】
ユーザーによる操作に基づいて前記コンテンツ登録情報に対するコンテンツの登録又は更新を行うコンテンツ設定手段を更に備えることを特徴とする請求項
13又は14に記載の画像処理装置。
【請求項16】
前記第2表示制御手段は、前記表示領域の残部に対して前記操作画面に含まれるコンテンツを配置するとき、前記第1画面において表示されるコンテンツサイズと同サイズ以上で配置することを特徴とする請求項
11乃至
15のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項17】
前記第2表示制御手段は、前記表示領域の残部に配置すべき複数のコンテンツの全てを前記表示領域の残部に配置することができない場合、前記複数のコンテンツをスクロール表示可能な状態で前記表示領域の残部に配置することを特徴とする請求項
11乃至
16のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項18】
前記画像処理装置のステータスを管理するステータス管理手段、
を更に備え、
前記第2表示制御手段は、前記ステータスが正常状態であるとき、前記表示領域の残部に対して複数のコンテンツを配置するときに
前記複数のコンテンツのそれぞれに予め設定されている優先順位に基づいて前記複数のコンテンツを配置することを特徴とする請求項
11乃至
17のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項19】
前記第2表示制御手段は、前記ステータスが異常状態であるとき、前記表示領域の残部に対して複数のコンテンツを配置するときに、前記異常状態を示す文字列を優先的に配置することを特徴とする請求項
18に記載の画像処理装置。
【請求項20】
前記第2表示制御手段は、前記操作画面に含まれるコンテンツを前記表示領域の残部に配置して表示させるとき、前記表示領域の一部に縮小して配置される前記操作画面において当該コンテンツが含まれる位置を表示することを特徴とする請求項
11乃至
19のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項21】
原稿の画像を読み取って画像データを生成する画像読取手段、
を更に備え、
前記第2表示制御手段は、前記画像読取手段によって生成される画像データに基づくプレビュー画像を前記表示領域の残部に配置して表示させることが可能であることを特徴とする請求項
11乃至
20のいずれかに記載の画像処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、画像処理装置及びプログラムに関し、特に表示装置の姿勢に応じて表示画面を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
MFP(Multifunction Peripherals)などの画像処理装置は、タッチパネル式の表示装置を備えている。表示装置は、画像処理装置の操作パネルとして設けられ、ユーザーが画像処理装置を使用する際のユーザーインタフェースとなる。つまり、表示装置は、ユーザーが操作可能な各種の操作画面を表示し、操作画面に対するユーザーの操作を受け付ける。この種の表示装置は、長方形状の表示領域を有するのが一般的である。
【0003】
近年、この種の画像処理装置において、表示装置の姿勢(向き)をユーザーが適宜変化させることができるようにしたものが知られている(例えば特許文献1)。この従来技術ででは、ユーザーが表示装置を回転させることにより、長方形状の表示領域の長手方向が左右方向(横方向)となる第1の姿勢(第1の向き)と、表示領域の長手方向が上下方向(縦方向)となる第2の姿勢(第2の向き)とに変化させることが可能である。そして第1の向きから第2の向きに変化させた場合、表示装置は、第1の向きのときに表示していた一部の画像を回転させて拡大表示することにより、第2の向きに合わせた画面を表示する。すなわち、この従来技術は、表示装置が第1の向きであるときには画面内に複数のコンテンツを表示し、表示装置が第1の向きから第2の向きに変化すると、複数のコンテンツのうちの一部のコンテンツだけを拡大して全画面表示するのである。
【0004】
このような従来技術では、表示装置の回転前に表示されていた一部のコンテンツが回転後には表示されなくなるため、表示装置の回転によって表示されなくなったコンテンツをユーザーが確認するためには表示装置の姿勢を元に戻す必要がある。特に表示装置の回転によってユーザーが操作するための操作ボタンが表示されなくなると、ユーザーは表示装置を回転させた状態で所望の操作を行うことができなくなる。そのため、ユーザーは、所望の操作を行うために表示装置を元の姿勢に戻さなくてはならず、操作性が低下するという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、表示装置の姿勢が変化した場合であっても操作性を低下させず、使い勝手の良い画面を表示できるようにした表示装置及び画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、長方形状の表示領域を有する表示手段を備え、前記表示手段の向きを、第1の向きと、前記第1の向きから90度回転させた第2の向きとに変化させることが可能な表示装置であって、前記表示手段の向きが前記第1の向きと前記第2の向きのいずれであるかを検知する検知手段と、前記表示手段の向きが前記第1の向きである場合に、ユーザーが操作可能な操作画面を前記表示領域の全体に配置した第1画面を前記表示手段に表示させる第1表示制御手段と、前記表示手段の向きが前記第2の向きである場合に、前記表示領域の一部に前記操作画面を縮小して配置すると共に、前記表示領域の残部に前記操作画面に含まれるコンテンツを配置した第2画面を前記表示手段に表示させる第2表示制御手段と、前記操作画面ごとに、前記第2画面において前記表示領域の残部に配置すべきコンテンツを予め登録したコンテンツ登録情報を記憶する記憶手段と、を備え、前記第2表示制御手段は、前記表示手段の向きが前記第2の向きである場合に、前記コンテンツ登録情報に基づいて、前記表示領域の残部に、前記操作画面に含まれるコンテンツを配置することにより前記第2画面を生成することを特徴としている。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の表示装置において、前記第2表示制御手段は、前記表示手段に前記第2画面を表示している状態で前記操作画面を更新するとき、更新後の前記操作画面に対応する前記コンテンツ登録情報に基づいて、更新後の前記操作画面に対応する前記第2画面を生成することを特徴としている。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の表示装置において、ユーザーによる操作に基づいて前記コンテンツ登録情報に対するコンテンツの登録又は更新を行うコンテンツ設定手段を更に備えることを特徴としている。
【0012】
請求項4に係る発明は、長方形状の表示領域を有する表示手段を備え、前記表示手段の向きを、第1の向きと、前記第1の向きから90度回転させた第2の向きとに変化させることが可能な表示装置であって、前記表示手段の向きが前記第1の向きと前記第2の向きのいずれであるかを検知する検知手段と、前記表示手段の向きが前記第1の向きである場合に、ユーザーが操作可能な操作画面を前記表示領域の全体に配置した第1画面を前記表示手段に表示させる第1表示制御手段と、前記表示手段の向きが前記第2の向きである場合に、前記表示領域の一部に前記操作画面を縮小して配置すると共に、前記表示領域の残部に前記操作画面に含まれるコンテンツを配置した第2画面を前記表示手段に表示させる第2表示制御手段と、を備え、前記第2表示制御手段は、前記表示領域の残部に対して前記操作画面に含まれるコンテンツを配置するとき、前記第1画面において表示されるコンテンツサイズと同サイズ以上で配置することを特徴としている。
【0013】
請求項5に係る発明は、長方形状の表示領域を有する表示手段を備え、前記表示手段の向きを、第1の向きと、前記第1の向きから90度回転させた第2の向きとに変化させることが可能な表示装置であって、前記表示手段の向きが前記第1の向きと前記第2の向きのいずれであるかを検知する検知手段と、前記表示手段の向きが前記第1の向きである場合に、ユーザーが操作可能な操作画面を前記表示領域の全体に配置した第1画面を前記表示手段に表示させる第1表示制御手段と、前記表示手段の向きが前記第2の向きである場合に、前記表示領域の一部に前記操作画面を縮小して配置すると共に、前記表示領域の残部に前記操作画面に含まれるコンテンツを配置した第2画面を前記表示手段に表示させる第2表示制御手段と、を備え、前記第2表示制御手段は、前記表示領域の残部に配置すべき複数のコンテンツの全てを前記表示領域の残部に配置することができない場合、前記複数のコンテンツをスクロール表示可能な状態で前記表示領域の残部に配置することを特徴としている。
【0014】
請求項6に係る発明は、長方形状の表示領域を有する表示手段を備え、前記表示手段の向きを、第1の向きと、前記第1の向きから90度回転させた第2の向きとに変化させることが可能な表示装置であって、前記表示手段の向きが前記第1の向きと前記第2の向きのいずれであるかを検知する検知手段と、前記表示手段の向きが前記第1の向きである場合に、ユーザーが操作可能な操作画面を前記表示領域の全体に配置した第1画面を前記表示手段に表示させる第1表示制御手段と、前記表示手段の向きが前記第2の向きである場合に、前記表示領域の一部に前記操作画面を縮小して配置すると共に、前記表示領域の残部に前記操作画面に含まれるコンテンツを配置した第2画面を前記表示手段に表示させる第2表示制御手段と、ステータスを管理するステータス管理手段と、を備え、前記第2表示制御手段は、前記ステータスが正常状態であるとき、前記表示領域の残部に対して複数のコンテンツを配置するときに前記複数のコンテンツのそれぞれに予め設定されている優先順位に基づいて前記複数のコンテンツを配置することを特徴としている。
【0015】
請求項7に係る発明は、請求項6に記載の表示装置において、前記第2表示制御手段は、前記ステータスが異常状態であるとき、前記表示領域の残部に対して複数のコンテンツを配置するときに、前記異常状態を示す文字列を優先的に配置することを特徴としている。
【0016】
請求項8に係る発明は、長方形状の表示領域を有する表示手段を備え、前記表示手段の向きを、第1の向きと、前記第1の向きから90度回転させた第2の向きとに変化させることが可能な表示装置であって、前記表示手段の向きが前記第1の向きと前記第2の向きのいずれであるかを検知する検知手段と、前記表示手段の向きが前記第1の向きである場合に、ユーザーが操作可能な操作画面を前記表示領域の全体に配置した第1画面を前記表示手段に表示させる第1表示制御手段と、前記表示手段の向きが前記第2の向きである場合に、前記表示領域の一部に前記操作画面を縮小して配置すると共に、前記表示領域の残部に前記操作画面に含まれるコンテンツを配置した第2画面を前記表示手段に表示させる第2表示制御手段と、を備え、前記第2表示制御手段は、前記操作画面に含まれるコンテンツを前記表示領域の残部に配置して表示させるとき、前記表示領域の一部に縮小して配置される前記操作画面において当該コンテンツが含まれる位置を表示することを特徴としている。
【0017】
請求項9に係る発明は、長方形状の表示領域を有する表示手段を備え、前記表示手段の向きを、第1の向きと、前記第1の向きから90度回転させた第2の向きとに変化させることが可能な表示装置であって、前記表示手段の向きが前記第1の向きと前記第2の向きのいずれであるかを検知する検知手段と、前記表示手段の向きが前記第1の向きである場合に、ユーザーが操作可能な操作画面を前記表示領域の全体に配置した第1画面を前記表示手段に表示させる第1表示制御手段と、前記表示手段の向きが前記第2の向きである場合に、前記表示領域の一部に前記操作画面を縮小して配置すると共に、前記表示領域の残部に前記操作画面に含まれるコンテンツを配置した第2画面を前記表示手段に表示させる第2表示制御手段と、を備え、前記第2表示制御手段は、前記表示領域の一部に縮小して配置した前記操作画面に対するユーザーの操作を受け付け可能であると共に、前記表示領域の残部に配置したコンテンツに対するユーザーの操作を受け付け可能であることを特徴としている。
請求項10に係る発明は、請求項1乃至9のいずれかに記載の表示装置において、前記表示領域の残部に配置されるコンテンツには、プレビュー画像、文字列又は操作ボタンが含まれることを特徴としている。
【0018】
請求項11に係る発明は、長方形状の表示領域を有する表示手段を備え、前記表示手段の向きを、第1の向きと、前記第1の向きから90度回転させた第2の向きとに変化させることが可能な画像処理装置であって、前記表示手段の向きが前記第1の向きと前記第2の向きのいずれであるかを検知する検知手段と、前記表示手段の向きが前記第1の向きである場合に、ユーザーが操作可能な操作画面を前記表示領域の全体に配置した第1画面を前記表示手段に表示させる第1表示制御手段と、前記表示手段の向きが前記第2の向きである場合に、前記表示領域の一部に前記操作画面を縮小して配置すると共に、前記表示領域の残部に前記操作画面に含まれるコンテンツを配置した第2画面を前記表示手段に表示させる第2表示制御手段と、前記第1表示制御手段によって前記第1画面が表示されているときには、前記表示領域の全体で表示される前記操作画面に対するユーザーの操作に基づいてジョブの実行を制御し、前記第2表示制御手段によって前記第2画面が表示されているときには、前記表示領域の一部に縮小して表示される前記操作画面又は前記表示領域の残部において表示されるコンテンツに対するユーザーの操作に基づいてジョブの実行を制御するジョブ制御手段と、を備えることを特徴としている。
【0019】
請求項12に係る発明は、請求項11に記載の画像処理装置において、前記表示領域の残部に配置されるコンテンツには、プレビュー画像、文字列又は操作ボタンが含まれることを特徴としている。
【0020】
請求項13に係る発明は、請求項11又は12に記載の画像処理装置において、前記操作画面ごとに、前記第2画面において前記表示領域の残部に配置すべきコンテンツを予め登録したコンテンツ登録情報を記憶する記憶手段、を更に備え、前記第2表示制御手段は、前記表示手段の向きが前記第2の向きである場合に、前記コンテンツ登録情報に基づいて、前記表示領域の残部に、前記操作画面に含まれるコンテンツを配置することにより前記第2画面を生成することを特徴としている。
【0021】
請求項14に係る発明は、請求項13に記載の画像処理装置において、前記第2表示制御手段は、前記表示手段に前記第2画面を表示している状態で前記操作画面を更新するとき、更新後の前記操作画面に対応する前記コンテンツ登録情報に基づいて、更新後の前記操作画面に対応する前記第2画面を生成することを特徴としている。
【0022】
請求項15に係る発明は、請求項13又は14に記載の画像処理装置において、ユーザーによる操作に基づいて前記コンテンツ登録情報に対するコンテンツの登録又は更新を行うコンテンツ設定手段を更に備えることを特徴としている。
【0023】
請求項16に係る発明は、請求項11乃至15のいずれかに記載の画像処理装置において、前記第2表示制御手段は、前記表示領域の残部に対して前記操作画面に含まれるコンテンツを配置するとき、前記第1画面において表示されるコンテンツサイズと同サイズ以上で配置することを特徴としている。
【0024】
請求項17に係る発明は、請求項11乃至16のいずれかに記載の画像処理装置において、前記第2表示制御手段は、前記表示領域の残部に配置すべき複数のコンテンツの全てを前記表示領域の残部に配置することができない場合、前記複数のコンテンツをスクロール表示可能な状態で前記表示領域の残部に配置することを特徴としている。
【0025】
請求項18に係る発明は、請求項11乃至17のいずれかに記載の画像処理装置において、前記画像処理装置のステータスを管理するステータス管理手段、を更に備え、前記第2表示制御手段は、前記ステータスが正常状態であるとき、前記表示領域の残部に対して複数のコンテンツを配置するときに前記複数のコンテンツのそれぞれに予め設定されている優先順位に基づいて前記複数のコンテンツを配置することを特徴としている。
【0026】
請求項19に係る発明は、請求項18に記載の画像処理装置において、前記第2表示制御手段は、前記ステータスが異常状態であるとき、前記表示領域の残部に対して複数のコンテンツを配置するときに、前記異常状態を示す文字列を優先的に配置することを特徴としている。
【0027】
請求項20に係る発明は、請求項11乃至19のいずれかに記載の画像処理装置において、前記第2表示制御手段は、前記操作画面に含まれるコンテンツを前記表示領域の残部に配置して表示させるとき、前記表示領域の一部に縮小して配置される前記操作画面において当該コンテンツが含まれる位置を表示することを特徴としている。
【0028】
請求項21に係る発明は、請求項11乃至20のいずれかに記載の画像処理装置において、原稿の画像を読み取って画像データを生成する画像読取手段、を更に備え、前記第2表示制御手段は、前記画像読取手段によって生成される画像データに基づくプレビュー画像を前記表示領域の残部に配置して表示させることが可能であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、表示装置の姿勢が90度回転した場合であっても操作性を低下させず、ユーザーにとって使い勝手の良い画面を表示することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】画像処理装置の外観構成の一例を示す図である。
【
図2】第1実施形態における画像処理装置のハードウェア構成及び機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】表示装置が第1の向き及び第2の向きのそれぞれの場合を例示する図である。
【
図6】表示部に表示される第1画面及び第2画面の例を示す図である。
【
図7】画像処理装置が異常状態である場合に表示部に表示される第1画面及び第2画面の例を示す図である。
【
図8】第2表示制御部による第2画面の更新例を示す図である。
【
図9】プレビュー画像を含む操作画面が表示される場合の第1画面及び第2画面の例を示す図である。
【
図10】複数のコンテンツをスクロール表示可能な第2画面を生成する例を示す図である。
【
図11】表示装置において行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図12】第2実施形態における画像処理装置のハードウェア構成及び機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図13】表示部の長手方向が上下方向(縦方向)となる向きを基本姿勢(第1の向き)とした場合の画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
【0033】
(第1実施形態)
まず本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、画像処理装置1の外観構成の一例を示す図である。画像処理装置1は、コピー機能、スキャン機能、プリント機能、FAX機能などの複数の機能を搭載したMFPである。この画像処理装置1は、複数の機能のうちからユーザーによって選択された機能を動作させてジョブを実行する装置本体2と、装置本体2の正面側に配置される表示装置3とを備えている。
【0034】
表示装置3は、ユーザーが画像処理装置1を操作する際の操作パネルとして設けられたものであり、ユーザーが操作可能な各種の操作画面を表示すると共に、ユーザーによる操作を受け付ける。例えば、表示装置3は、装置本体2と有線又は無線で通信可能であり、装置本体2を操作するための操作画面を表示し、ユーザーによる操作を受け付けると、その操作に基づく操作情報を装置本体2へ送信する。これにより、表示装置3は、ユーザーの操作に基づいて装置本体2を動作させることができる。
【0035】
このような表示装置3は、長方形状の表示領域を有する表示部23を有している。また表示装置3は、装置本体2によって少なくとも90度回転可能に保持されている。したがって、表示装置3は、
図1(a)に示すように表示部23の長手方向が左右方向(横方向)となる第1の姿勢(第1の向き)と、
図1(b)に示すように表示部23の長手方向が上下方向(縦方向)となる第2の姿勢(第2の向き)とにその姿勢を変化させることが可能である。つまり、表示装置3は、90度回転することにより、第1の向きと第2の向きの間でその姿勢を変化させる。
【0036】
また表示装置3は、装置本体2に対して着脱可能であっても構わない。装置本体2に対して着脱可能である場合、ユーザーは、表示装置3を装置本体2から取り外した状態で表示装置3を回転させることにより、表示装置3を第1の向きと第2の向きとに変化させることが可能である。
【0037】
表示装置3は、
図1(a)に示すように第1の向きにあるときと、
図1(b)に示すように第2の向きにあるときとで、表示部23に表示する操作画面の表示態様を切り替える。すなわち、表示装置3は、第1の向き及び第2の向きのいずれか一方のときに表示部23に全画面表示させるように予め設計された操作画面を保持しており、ユーザーによる回転操作によって姿勢が変化した場合には、その操作画面に基づいて姿勢変化後に表示すべき画面を自動生成する。本実施形態の表示装置3は、一例として、
図1(a)に示すように第1の向きである状態を基本姿勢としており、第1の向きのときに表示部23に全画面表示させるように予め設計された操作画面を保持しており、ユーザーによる回転操作によって第1の向きから第2の向きに変化した場合には、第1の向きのときに全画面表示させる操作画面を加工し、第2の向きに適合する画面を自動生成する。以下、これについて詳しく説明する。
【0038】
図2は、第1実施形態における画像処理装置1のハードウェア構成及び機能構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、装置本体2と表示装置3は、互いに通信可能なように接続される。
【0039】
装置本体2は、ハードウェアとして、制御部10と、通信インタフェース11と、スキャナ部12と、プリンタ部13と、FAX部14とを備えている。制御部10は、装置本体2における各部の動作を制御するものである。制御部10は、図示を省略するCPU及びメモリを備えており、CPUが所定のプログラムを実行することにより、ジョブ制御部15及びステータス管理部16として機能する。
【0040】
ジョブ制御部15は、表示装置3から受信する操作情報に基づき、ジョブに関する各種処理を実行する。例えば操作情報がジョブの設定を指示するものである場合、ジョブ制御部15は、操作情報に基づいてジョブの設定を行う。また操作情報がジョブの実行開始を指示するものである場合、ジョブ制御部15は、スキャナ部12、プリンタ部13及びFAX部14のうちの少なくとも1つを動作させてユーザーによって指定されたジョブの実行を制御する。
【0041】
またジョブ制御部15は、各種情報を表示装置3へ出力することが可能である。例えばジョブ制御部15は、ジョブの実行に伴って取得される画像データを表示装置3へ出力し、その画像データに基づくプレビュー画像を表示装置3において表示させることが可能である。
【0042】
ステータス管理部16は、画像処理装置1のステータスが正常状態と異常状態のいずれであるかを管理するものである。画像処理装置1において何も異常が発生していない状態は正常状態である。これに対し、装置本体2において紙詰まりやトナーエンプティ、用紙エンプティなどが検知されると、画像処理装置1のステータスは正常状態から異常状態に切り替わる。そしてステータス管理部16は、画像処理装置1の現在のステータスを、通信インタフェース11を介して表示装置3へ出力する。
【0043】
通信インタフェース11は、表示装置3と有線又は無線による1対1の通信を行うものである。制御部10は、この通信インタフェース11を介して、表示装置3へ各種情報を送信すると共に、表示装置3から送信される情報を受信する。通信インタフェース11は、表示装置3が装置本体2に装着されているか否かに応じて、表示装置3との通信形態を有線通信及び無線通信のいずれか一方に切り替えるようにしても良い。例えば通信インタフェース11は、表示装置3が装置本体2に装着されている場合に表示装置3と有線通信を行い、表示装置3が装置本体2から取り外されている場合に表示装置3と無線通信を行うようにしても良い。
【0044】
スキャナ部12は、コピージョブやスキャンジョブの実行時に機能し、ユーザーによってセットされた原稿の画像を光学的に読み取って画像データを生成する。スキャナ部12は、画像データを生成すると、その画像データをジョブ制御部15へ出力する。スキャナ部12は、自動原稿搬送装置(ADF)を備えるものであっても良い。自動原稿搬送装置を備えたスキャナ部12は、原稿の自動搬送中に原稿の紙詰まりが生じると、ステータス管理部16に対して異常の発生を通知する。
【0045】
プリンタ部13は、コピージョブやプリントジョブの実行時に機能し、ジョブ制御部15から入力する画像データに基づいて印刷出力を行う。プリンタ部13は、ジョブの実行中に用紙の紙詰まりやトナーエンプティ、用紙エンプティなどが生じると、ステータス管理部16に対して異常の発生を通知する。
【0046】
FAX部14は、公衆電話網を介してFAXデータの送受信を行うものである。FAX部14は、ジョブ制御部15から入力する画像データをFAXデータに変換し、そのFAXデータを指定された宛先に送信する。またFAX部14は、公衆電話網からFAXデータを受信すると、そのFAXデータを画像データに変換し、ジョブ制御部15へ出力する。
【0047】
表示装置3は、ハードウェアとして、CPU20と、記憶部21と、通信インタフェース22と、表示部23と、操作部24と、姿勢検知センサー25とを備えている。
【0048】
CPU20は、プログラムを実行することにより、各部の動作を制御するハードウェアプロセッサである。表示装置3に電源が投入されると、CPU20は、記憶部21に記憶されているプログラム26を読み出して実行する。これにより、CPU20は、表示制御部30、操作検知部31、コンテンツ設定部32及びステータス管理部33として機能する。これら各部の詳細については後述する。
【0049】
記憶部21は、例えばSSD(ソリッドステートドライブ)などによって構成される不揮発性の記憶デバイスであり、コンピュータ読み取り可能な記録媒体の一種である。記憶部21は、上述したプログラム26を予め記憶している。また記憶部21は、表示部23に表示するための各種操作画面が記録された操作画面情報27を記憶している。さらに記憶部21には、コンテンツ登録情報28が予め保存されている。操作画面情報27及びコンテンツ登録情報28の詳細については後述する。
【0050】
通信インタフェース22は、装置本体2と有線又は無線による1対1の通信を行うものである。CPU20は、この通信インタフェース22を介して、装置本体2から各種情報を取得すると共に、装置本体2へ操作情報を含む各種情報を送信することが可能である。通信インタフェース22は、表示装置3が装置本体2に装着されているか否かに応じて、装置本体2との通信形態を有線通信及び無線通信のいずれか一方に切り替えるようにしても良い。例えば通信インタフェース22は、表示装置3が装置本体2に装着されている場合に装置本体2と有線通信を行い、表示装置3が装置本体2から取り外されている場合に装置本体2と無線通信を行うようにしても良い。
【0051】
表示部23は、例えばカラー液晶ディスプレイで表示され、画像処理装置1を使用しようとするユーザーに対して各種の操作画面を表示する。表示部23は、上述したように長方形状の表示領域を有しており、その表示領域の全体に対して1つの操作画面を表示することが可能である。また、表示部23は、長方形状の表示領域を複数に分割し、個々の表示領域に異なる画像を表示することも可能である。この表示部23は、CPU20から出力される画面を表示領域に表示することにより、ユーザーが操作可能な各種の操作画面を表示する。尚、本実施形態では、表示部23のアスペクト比が16:9である場合を例示する。ただし、表示部23のアスペクト比は、必ずしも16:9に限られるものではない。
【0052】
操作部24は、ユーザーの操作を受け付けるものである。操作部24は、例えば表示部23の表示領域に設けられるタッチパネルキーによって構成される。また操作部24は、タッチパネルキーの他に、表示領域の周囲に配置される押しボタンキーを備えていても良い。操作部24は、ユーザーの操作を検知すると、その操作位置を示す情報をCPU20へ出力する。
【0053】
姿勢検知センサー25は、表示装置3の姿勢を検知するセンサーである。すなわち、姿勢検知センサー25は、表示装置3が第1の姿勢(第1の向き)及び第2の姿勢(第2の向き)のいずれの姿勢であるかを検知することが可能なセンサーである。姿勢検知センサー25は、表示装置3の姿勢を常時検知するように構成されており、表示装置3の現在の姿勢をCPU20へ出力する。
【0054】
表示制御部30は、表示部23に表示する画面を制御するものである。表示制御部30は、姿勢検知センサー25によって検知される現在の表示装置3の姿勢に基づき、表示部23に表示する操作画面の表示態様を制御する。このような表示制御部30は、第1表示制御部41と、第2表示制御部42とを備えている。
【0055】
第1表示制御部41は、表示装置3が第1の姿勢(第1の向き)である場合に機能する。第1表示制御部41は、記憶部21に記憶されている操作画面情報27から表示部23に表示するための操作画面を読み出し、その操作画面を表示領域の全体に配置した第1画面を表示部23に表示させる。
【0056】
図3は、記憶部21に記憶される操作画面情報27の一例を示す図である。操作画面情報27は、表示装置3が第1の姿勢(第1の向き)であるときに表示部23において全画面表示させるための複数の操作画面G1,G2,G3,…を記録した情報である。すなわち、操作画面情報27に蓄積されている各操作画面G1,G2,G3,…のアスペクト比は、16:9である。例えば操作画面G1は、ユーザーがコピー機能を選択した場合にコピー機能に関する各種設定を行うための画面となっている。この他にも、操作画面情報27には、様々な操作画面が記録されている。
【0057】
図4は、表示装置3が第1の向き及び第2の向きのそれぞれの場合を例示する図である。
図4(a)に示すように、表示装置3が第1の向きである場合、表示部23の表示領域はアスペクト比が16:9となる。そのため、第1表示制御部41は、表示領域の全体の領域Rに対し、操作画面情報27から読み出した操作画面をそのまま表示領域の全体に配置することにより、アスペクト比16:9で予め作成されている操作画面を表示部23において全画面表示させることができる。したがって、表示装置3が第1の向きのときに表示部23において表示される第1画面は、操作画面情報27に記録されている操作画面G1,G2,G3,…をそのまま全画面表示させた画面となる。
【0058】
第2表示制御部42は、表示装置3が第2の姿勢(第2の向き)である場合に機能する。第2表示制御部42は、記憶部21に記憶されている操作画面情報27から表示部23に表示するための操作画面を読み出し、表示部23の表示領域の一部に操作画面を縮小して配置すると共に、表示領域の残部に操作画面に含まれるコンテンツを配置した第2画面を生成し、その第2画面を表示部23に表示させる。
【0059】
すなわち、
図4(b)に示すように、表示装置3が第2の向きである場合、表示部23の表示領域はアスペクト比が9:16となる。そのため、第2表示制御部42は、表示部23の表示領域を、一部の表示領域R1と、残部の表示領域R2との2つの領域に分割する。一部の表示領域R1はアスペクト比が16:9となる領域であり、例えば第2の向きとなった表示部23の上部に位置する。残部の表示領域R2は一部の表示領域R1を除く領域である。そして第2表示制御部42は、一部の表示領域R1に対して操作画面情報27から読み出した操作画面を縮小して配置し、残部の表示領域R2に対してその操作画面に含まれるコンテンツを配置した第2画面を生成する。このとき、第2表示制御部42は、残部の表示領域R2に表示するコンテンツを縮小することなく配置することが好ましい。したがって、表示装置3が第2の向きのときに表示部23において表示される第2画面は、操作画面情報27に記録されている操作画面G1,G2,G3,…を一部の表示領域R1において縮小させた状態に表示し、且つ、それらの操作画面G1,G2,G3,…に含まれるコンテンツを残部の表示領域R2において表示させた画面となる。
【0060】
第2表示制御部42は、残部の表示領域R2に対して操作画面に含まれるコンテンツを配置するとき、コンテンツ登録情報28に基づいて操作画面に含まれる複数のコンテンツのうちから残部の表示領域R2に表示すべきコンテンツを抽出する。すなわち、第2表示制御部42は、操作画面に含まれる複数のコンテンツの全てを残部の表示領域R2に配置するのではなく、コンテンツ登録情報28に予め登録されているコンテンツだけを残部の表示領域R2への配置対象として抽出するのである。ただし、コンテンツ登録情報28において、操作画面に含まれる全てのコンテンツが残部の表示領域R2への配置対象として予め登録されている場合、第2表示制御部42は、操作画面に含まれる全てのコンテンツを残部の表示領域R2への配置対象として抽出することになる。そして第2表示制御部42は、コンテンツ登録情報28に基づいて抽出したコンテンツを、残部の表示領域R2に配置し、第2画面を生成する。
【0061】
図5は、コンテンツ登録情報28の一例を示す図である。
図5に示すように、コンテンツ登録情報28は、操作画面の項目28aと、コンテンツの項目28bと、表示位置の項目28cと、抽出表示設定の項目28dと、優先順位の項目28eとが相互に対応付けられた情報である。操作画面の項目28aには、表示部23において表示可能な操作画面が全て登録されている。コンテンツの項目28bには、各操作画面に含まれる全てのコンテンツが登録されている。すなわち、各操作画面には、ユーザーに対するメッセージとなる文字列、ユーザーが操作可能な操作ボタン、プレビュー画像を表示するためのプレビュー領域などの様々なコンテンツが含まれる。そのため、コンテンツの項目28bには、1つの操作画面に含まれるそれら複数のコンテンツの全てが予め登録されている。表示位置の項目28cには、操作画面中における各コンテンツの表示位置に関する情報が登録されている。この表示位置の項目28cを参照すれば、操作画面中において各コンテンツがどの位置に含まれているかを把握することができる。
【0062】
抽出表示設定の項目28dは、表示装置3が第2の向きになったときに、操作画面に含まれる複数のコンテンツのうちから残部の表示領域R2へ配置すべきコンテンツを登録した情報である。すなわち、抽出表示設定の項目28dにおいて「ON」に設定されているコンテンツが、表示装置3が第2の向きになったときに残部の表示領域R2へ配置されるコンテンツである。これに対し、抽出表示設定の項目28dにおいて「OFF」に設定されているコンテンツは、表示装置3が第2の向きになった場合でも残部の表示領域R2へ配置されない。
【0063】
優先順位の項目28eは、抽出表示設定の項目28dにおいて「ON」に設定されているコンテンツの優先順位を登録した情報である。
図5の例では、「High」と「Low」の2段階の優先順位が登録されている。ただし、優先順位の段階は2段階に限られるものではなく、3段階以上の優先順位が定められたものであっても構わない。
【0064】
第2表示制御部42は、表示部23に表示する操作画面に対応する抽出表示設定の項目28dに基づいて操作画面から残部の表示領域R2へ配置するコンテンツを抽出し、さらに優先順位の項目28eに基づいてその抽出したコンテンツを残部の表示領域R2へ配置していくことにより、第2画面を生成する。そして第2表示制御部42は、第2の向きである表示部23へ第2画面を出力して表示させる。
【0065】
操作検知部31は、操作部24から入力する情報に基づいてユーザーの操作を検知するものである。上述したように操作部24は、ユーザーの操作を検知すると、ユーザーの操作位置を示す情報をCPU20へ出力する。操作検知部31は、操作位置を示す情報を取得することにより、ユーザーによって操作が行われたことを把握する。そして操作検知部31は、ユーザーの操作位置に基づいてユーザーによって行われた操作がどのような操作であるかを特定し、その特定した操作に応じた処理を行う。例えばユーザーによって行われた操作が操作画面を更新させる操作である場合、操作検知部31は、表示制御部30に対して操作画面の更新を指示する。これに対し、ユーザーによって行われた操作がジョブの設定操作やジョブの実行指示であった場合、操作検知部31は、通信インタフェース22を介して装置本体にジョブの設定指示や実行指示を送出する。
【0066】
コンテンツ設定部32は、上述したコンテンツ登録情報28における抽出表示設定の項目28dと優先順位の項目28eとをユーザーによる設定操作に基づいて設定変更する処理部である。コンテンツ設定部32は、例えばユーザーによってコンテンツ登録情報28の編集が指定された場合に機能し、表示制御部30を介して表示部23にコンテンツ登録情報28を設定変更するための画面を表示させる。表示部23に設定変更画面が表示されると、ユーザーは、コンテンツ登録情報28における抽出表示設定の項目28dと優先順位の項目28eとを編集することができる。すなわち、ユーザーは、表示装置3が第2の向きであるときに残部の表示領域R2へ表示させるコンテンツを追加したり、削除したりすることができる。またユーザーは、残部の表示領域R2へ表示させるコンテンツの優先順位を変更することも可能である。そしてコンテンツ設定部32は、ユーザーによる操作に基づき、コンテンツ登録情報28を更新する。
【0067】
ステータス管理部33は、装置本体2のステータス管理部16から出力される画像処理装置1のステータスを管理する。すなわち、ステータス管理部33は、画像処理装置1のステータスが正常状態と異常状態のいずれであるかをリアルタイムで管理するものである。したがって、装置本体2において紙詰まりやトナーエンプティ、用紙エンプティなどの異常が検知されると、ステータス管理部33は、画像処理装置1が異常状態になったことを検知することができる。
【0068】
次に表示制御部30による画面制御の例について説明する。
図6は、表示部23に表示される第1画面100及び第2画面200の例を示す図である。
図6(a)は表示装置3が第1の向きである場合に表示される第1画面100を示しており、
図6(b)は表示装置3が第2の向きである場合に表示される第2画面200を示している。
【0069】
まず表示装置3が第1の向きである場合、上述したように表示制御部30において第1表示制御部41が機能する。第1表示制御部41は、操作画面情報27から表示部23に表示すべき操作画面G1を読み出し、その操作画面G1を表示部23の表示領域の全体に配置して表示させる。その結果、表示装置3が第1の向きである場合には、
図6(a)に示すように、操作画面G1が全画面表示される第1画面100が表示部23に表示される。
図6(a)に示す操作画面G1には、例えばユーザーに対するメッセージである文字列101、ユーザーが操作可能な複数の操作ボタン102、ユーザーによる設定内容に応じて原稿がどのように出力されるかを画像で表すための画像表示領域103などがコンテンツとして含まれている。
【0070】
次に表示装置3の姿勢が第1の向きから第2の向きに変化すると、表示制御部30において第2表示制御部42が機能する。そして第2表示制御部42は、第1表示制御部41が表示していた操作画面G1を取得し、その操作画面G1を縮小し、表示部23の一部の表示領域R1に配置する。また第2表示制御部42は、コンテンツ登録情報28に基づいて操作画面G1に含まれる複数のコンテンツのうちから、残部の表示領域R2に表示すべきコンテンツを抽出する。すなわち、第2表示制御部42は、コンテンツ登録情報28において操作画面G1に対応する抽出表示設定の項目28dを参照し、「ON」に設定されているコンテンツを全て抽出するのである。そして第2表示制御部42は、操作画面G1から抽出したコンテンツを、優先順位の項目28eに基づいて残部の表示領域R2に配置する。このとき、第2表示制御部42は、優先順位の高いコンテンツを残部の表示領域R2の上部から順に配置していく。その結果、
図6(b)に示すような第2画面200が生成される。
図6(b)では、操作画面G1に含まれる操作ボタン102と文字列101とが抽出され、残部の表示領域R2に配置された例を示している。また
図6(b)では、操作ボタン102の優先順位が文字列101の優先順位よりも高い場合を例示している。
【0071】
第2表示制御部42は、操作画面G1に含まれるコンテンツを残部の表示領域R2に配置するとき、第1画面100において表示されるコンテンツサイズと同サイズ以上で配置する。すなわち、第2表示制御部42は、操作画面G1から抽出したコンテンツをそのままのサイズで配置しても良いし、サイズを拡大して配置しても良い。これにより、残部の表示領域R2に配置されるコンテンツの視認性及び操作性を確保することができる。
【0072】
また第2表示制御部42は、操作画面G1に含まれるコンテンツを残部の表示領域R2へ配置するとき、コンテンツ登録情報28の表示位置の項目28cを参照し、操作画面G1における各コンテンツの表示位置を特定する。そして第2表示制御部42は、一部の表示領域R1において縮小して配置する操作画面G1において、残部の表示領域R2に配置したコンテンツが含まれている位置にフレーム画像210を配置する。このフレーム画像210は、残部の表示領域R2に配置されるコンテンツが、縮小表示される操作画面G1に含まれる複数のコンテンツのうちのどれに対応するコンテンツであるかをユーザーに示すためのインジケーターである。したがって、ユーザーは、フレーム画像210を確認することにより、残部の表示領域R2に表示されるコンテンツが縮小された操作画面G1のどこに存在するコンテンツであるかを把握することができる。
【0073】
表示装置3が第2の向きのときには、
図6(b)に示すような第2画面200が表示部23に表示されることにより、ユーザーは、操作画面G1の全体を把握することができると共に、残部の表示領域R2に表示される操作ボタン102に対してジョブの設定操作などを行うことができる。したがって、表示装置3の姿勢が変化した場合であっても、操作画面G1に対する操作性が低下せず、使い勝手の良い画面を表示することができるようになる。
【0074】
また
図6(b)に示すような第2画面200が表示されているとき、操作検知部31は、残部の表示領域R2に表示されている操作ボタン102に対する操作だけでなく、一部の表示領域R1において縮小表示されている操作画面G1に対する操作も受け付ける。そのため、ユーザーは、縮小されていない操作ボタン102に対する操作を行えるだけでなく、縮小された操作画面G1に対しても操作を行うことができる。したがって、第2画面200は、一部及び残部のいずれの表示領域R1,R2においても操作を行うことができる画面であることからも、ユーザーにとって使い勝手の良い画面である。
【0075】
また第2表示制御部42は、ステータス管理部33によって管理される画像処理装置1のステータスが正常状態である場合、コンテンツ登録情報28における優先順位の項目28eに基づいて各コンテンツを残部の表示領域R2へ表示する。ただし、コンテンツ登録情報28において、残部の表示領域R2への表示対象として指定されている複数のコンテンツの優先順位が同一順位であることもある。そのような場合、第2表示制御部42は、ユーザーが操作可能な操作ボタン102を他のコンテンツよりも優先的に残部の表示領域R2へ表示する。これにより、操作ボタン102に対する操作性を向上させることができる。
【0076】
また第2表示制御部42は、ステータス管理部33によって管理される画像処理装置1のステータスが異常状態である場合、コンテンツ登録情報28における優先順位の項目28eにかかわらず、異常状態であることを示すメッセージである文字列を最優先に残部の表示領域R2へ配置する。これにより、表示装置3が第2の向きであるときに画像処理装置1が異常状態となっていれば、ユーザーに対して異常状態であることを効果的に通知することができる。
【0077】
図7は、画像処理装置1が異常状態である場合に表示部23に表示される第1画面100及び第2画面200の例を示す図である。
図7(a)は表示装置3が第1の向きである場合に表示される第1画面100を示しており、
図7(b)は表示装置3が第2の向きである場合に表示される第2画面200を示している。
【0078】
図7(a)に示すように表示装置3が第1の向きである場合、表示部23には第1画面100が表示される。このとき、画像処理装置1は異常状態であるため、第1画面100には、異常状態であることを示す文字列105が表示される。尚、
図7では、画像処理装置1において紙詰まりが発生している場合を例示しているが、トナーエンプティや用紙エンプティなどの他の異常が発生した場合も同様に異常であることを示す文字列105が表示される。
【0079】
図7(b)に示すように表示装置3が第2の向きである場合、第2表示制御部42は、上記と同様にして第2画面200を生成する。このとき、画像処理装置1は異常状態であるため、第2表示制御部42は、操作画面G1に含まれる複数のコンテンツのうちから異常状態であることを示す文字列105を最優先で残部の表示領域R2へ配置する。したがって、ユーザーが操作可能な操作ボタン102は、文字列105よりも優先度の低い位置へ配置されることになる。その結果、
図7(b)に示すような第2画面200が生成され、表示部23に表示される。
図7(b)に示す第2画面200では、異常状態であることを示す文字列が縮小されることなく残部の表示領域R2に表示されるため、ユーザーは、画像処理装置1が異常状態であることを把握することができる。
【0080】
第2表示制御部42は、表示部23に第2画面200を表示している状態で一部の表示領域R1の操作画面を更新するとき、更新後の操作画面に基づいて新たな第2画面200を生成し、表示部23の第2画面200を更新する。
図8は、第2表示制御部42による第2画面200の更新例を示す図である。
図8(a)は、操作画面G2に基づく第2画面200を表示している。操作画面G2は、ユーザーによってスキャン機能が選択された場合の宛先選択画面の一例を示しており、ユーザーが選択可能な複数のタブのうち、画像処理装置1に予め登録されているアドレス帳の中から画像データの送信先を選択するためのタブ221が選択された状態の画面を示している。このような操作画面G2は、表示部23の一部の表示領域R1に縮小させた状態で表示される。一方、表示部23の残部の表示領域R2には、
図8(a)に示すように、ユーザーが操作可能な操作ボタンと、ユーザーに対するメッセージである文字列とが表示されている。
【0081】
図8(a)に示すような第2画面200が表示されている状態で、ユーザーが操作画面G2のタブ222を選択すると、第2表示制御部42は、
図8(a)に示す第2画面200を、
図8(b)に示す第2画面200に切り替える。すなわち、
図8(b)の第2画面200は、タブ222が選択された状態の操作画面G3を一部の表示領域R1に表示し、その操作画面G3に含まれるコンテンツを残部の表示領域R2に表示する画面となる。このとき、第2表示制御部42は、上記と同様に、コンテンツ登録情報28において操作画面G3に対応する抽出表示設定及び優先順位の項目28d,28eに基づいて操作画面G3に含まれるコンテンツを抽出し、残部の表示領域R2へ配置する。
【0082】
また操作画面G3に基づく第2画面200が表示されているときに、ユーザーが再びタブ221を選択すると、第2表示制御部42は、
図8(b)に示す第2画面200を再び
図8(a)に示す第2画面200へ戻す。このように第2表示制御部42は、表示部23に第2画面200を表示している状態で操作画面を更新するときには、更新後の操作画面に対応するコンテンツ登録情報28に基づいて、更新後の操作画面に対応する第2画面200を生成し、表示部23における第2画面200を更新する。つまり、表示装置3が第2の向きである状態であっても、第2画面200をユーザーの操作に応じて更新することが可能である。したがって、ユーザーにとっては表示装置3の姿勢を第1の向きに戻すことなく、操作を継続させることが可能であり、操作性に優れている。
【0083】
次に操作画面にプレビュー画像が含まれる場合を例示する。
図9は、プレビュー画像106を含む操作画面G4が表示される場合の第1画面100及び第2画面200の例を示す図である。
図9(a)は表示装置3が第1の向きである場合に表示される第1画面100を示しており、
図9(b)は表示装置3が第2の向きである場合に表示される第2画面200を示している。
【0084】
表示装置3が第1の向きであるとき、プレビュー画像106を含む操作画面G4は、第1画面100において全画面表示される。プレビュー画像106は、例えばスキャン機能により原稿を読み取って生成された画像データに基づく画像である。ただし、これに限られるものではなく、例えばプリントジョブの実行対象として取得された画像データに基づく画像であっても構わない。
図9(a)に示すように第1画面100において操作画面G4が全画面表示されると、ユーザーにとってプレビュー画像106を確認し易い。しかし、表示装置3が第2の向きに変更されると、操作画面G4が縮小された状態で表示部23の一部の表示領域R1に配置されるため、ユーザーにとっては操作画面G4内のプレビュー画像106を確認することが困難になる。
【0085】
このような場合、コンテンツ登録情報28において、操作画面G4に対応する抽出表示設定の項目28dに、プレビュー画像106を表示するコンテンツを予め登録しておくことにより、
図9(b)に示すように第2画面200においてプレビュー画像106を拡大表示させることができる。すなわち、第2表示制御部42は、表示装置3が第2の向きに変更されると、操作画面G4に対応する抽出表示設定の項目28dに基づいて残部の表示領域R2に表示すべきコンテンツを抽出する。そのため、操作画面G4に対応する抽出表示設定の項目28dにプレビュー画像106を表示するコンテンツが含まれていれば、第2表示制御部42は、操作画面G4からプレビュー画像106を抽出して残部の表示領域R2へ配置する。その結果、
図9(b)に示すような第2画面200が表示されるようになり、表示装置3が第2の向きであっても、ユーザーはプレビュー画像106を確認することができる。
【0086】
尚、表示装置3が第2の向きから第1の向きに姿勢変更されると、表示部23は、
図9(b)の第2画面200を表示している状態から
図9(a)の第1画面100を表示する状態へと戻る。
【0087】
また第2表示制御部42は、第2画面200を生成するとき、残部の表示領域R2への配置対象となる複数のコンテンツの全てを残部の表示領域R2へ表示することができない場合にはそれら複数のコンテンツをスクロール可能な状態で残部の表示領域R2へ配置する。
図10は、その場合の第1画面100及び第2画面200の例を示す図である。
図10(a)は表示装置3が第1の向きである場合に表示される第1画面100を示しており、
図10(b)は表示装置3が第2の向きである場合に表示される第2画面200を示している。
【0088】
図10(a)に示す操作画面G2は、ユーザーによってスキャン機能が選択された場合の宛先選択画面の一例を示している。この操作画面G2には、ユーザーがスキャン設定を行うための複数の操作ボタン102と、画像処理装置1に予め登録されている複数の送信先のそれぞれに対応する複数の操作ボタン108とが含まれる。コンテンツ登録情報28の抽出表示設定の項目28dにおいて、複数の操作ボタン102,108の全てが残部の表示領域R2に配置すべきコンテンツとして登録されている場合、第2表示制御部42は、第2画面200を生成するとき、複数の操作ボタン102,108の全てを残部の表示領域R2へ配置する。このとき、サイズを縮小することなく複数の操作ボタン102,108の全てを残部の表示領域R2へ配置することができない場合、第2表示制御部42は、
図10(b)に示すように残部の表示領域R2の右端にスクロールバー212を配置し、複数の操作ボタン102,108をスクロール表示可能な状態で配置する。したがって、第2画面200が表示されたとき、ユーザーは、残部の表示領域R2をスクロールさせることにより、複数の操作ボタン102,108の全てを確認することが可能であり、所望の操作ボタンを操作することができる。すなわち、ユーザーは、表示装置3の姿勢を第1の向きに変更することなく、第2の向きのままで所望の操作ボタンに対する操作を行うことが可能であり、操作性に優れている。
【0089】
次に表示装置3において行われる処理手順について説明する。
図11は、表示装置3において行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。尚、この処理は、表示装置3においてCPU20がプログラム26を実行することによって行われる処理である。
【0090】
表示装置3は、この処理を開始すると、まず操作画面情報27を読み出し、操作画面情報27の中から表示部23に表示すべき操作画面を取得する(ステップS10)。次に表示装置3は、姿勢検知センサー25の出力に基づき表示装置3の姿勢を検知する(ステップS11)。すなわち、表示装置3は、現在の姿勢が第1の向きと第2の向きのいずれであるかを検知する。表示装置3は、現在の姿勢が第1の向きであるか否かを判断し(ステップS12)、第1の向きである場合(ステップS12でYES)、ステップS10で取得した操作画面を表示部23の全体の表示領域Rに対して配置する(ステップS13)。これにより、表示装置3が第1の向きであるときに、表示部23に表示するための第1画面100が生成される。
【0091】
一方、表示装置3の現在の姿勢が第2の向きである場合(ステップS12でNO)、表示装置3は、ステップS10で取得した操作画面を縮小し、表示部23の一部の表示領域R1へ配置する(ステップS14)。そして表示装置3は、コンテンツ登録情報28を読み出し(ステップS28)、コンテンツ登録情報28に基づいて操作画面に含まれるコンテンツを抽出する(ステップS16)。また表示装置3は、コンテンツ登録情報28に登録されている各コンテンツの優先順位を確認する(ステップS17)。
【0092】
表示装置3は、ステータス管理部33において管理されている画像処理装置1の現在のステータスを確認し、異常状態であるか否かを判断する(ステップS18)。画像処理装置1が異常状態である場合(ステップS18でYES)、表示装置3は、画像処理装置1の状態を表示する文字列、すなわち異常状態であることをユーザーに示す文字列を最優先コンテンツに設定し(ステップS19)、その文字列を残部の表示領域R2に対して優先的に配置する(ステップS20)。したがって、画像処理装置1が異常状態であれば、コンテンツ登録情報28に登録されている最も優先順位の高いコンテンツよりも、異常状態であることを示すコンテンツが優先的に残部の表示領域R2に配置されることになる。表示装置3は、異常状態であることを示すコンテンツを優先的に配置した後、ステップS17で確認した優先順位に基づき、コンテンツ登録情報28において設定されている各コンテンツを残部の表示領域R2に配置する。これに対し、画像処理装置1が異常状態ではなく、正常状態であった場合(ステップS18でNO)、表示装置3は、ステップS17で確認した優先順位に基づき、コンテンツ登録情報28において設定されている各コンテンツを残部の表示領域R2に配置する(ステップS21)。以上で、表示装置3が第2の向きであるときに、表示部23に表示するための第2画面200が生成される。
【0093】
その後、表示装置3は、ステップS13で生成した第1画面100、又は、ステップS14~S21で生成した第2画面200を表示部23に表示させる(ステップS22)。第1画面100又は第2画面200を表示した後、表示装置3は、姿勢変化を検知したか否かを判断し(ステップS23)、姿勢変化を検知している場合(ステップS23でYES)、ステップS12に戻って上述した処理を繰り返す。
【0094】
また姿勢変化を検知していない場合(ステップS23でNO)、表示装置3は、操作画面を更新する必要があるか否かを判断する(ステップS24)。例えばユーザーによる操作に基づいて操作画面を更新する必要がある場合、表示装置3は、ステップS24においてYESと判断する。操作画面を更新する必要がある場合(ステップS24でYES)、表示装置3による処理はステップS10へ戻り、上述した処理を繰り返す。
【0095】
さらに操作画面を更新する必要がない場合(ステップS24でNO)、表示装置3は、表示部23に対する表示処理を終了させるか否かを判断する(ステップS25)。表示処理を終了させない場合(ステップS25でNO)、表示装置3は、ステップS23に戻って上述した判断を繰り返す。これに対し、例えば表示装置3に対する電源供給が停止された場合には表示終了となり(ステップS25でYES)、表示装置3による処理が終了する。
【0096】
以上のように本実施形態における表示装置3は、長方形状の表示領域を有する表示部23の向きが第1の向きと第2の向きのいずれであるかを検知し、第1の向きである場合に、ユーザーが操作可能な操作画面を表示領域の全体に配置した第1画面100を表示部23に表示させる第1表示制御部41と、表示部23の向きが第2の向きである場合に、表示領域の一部に操作画面を縮小して配置すると共に、表示領域の残部に操作画面に含まれるコンテンツを配置した第2画面200を表示部23に表示させる第2表示制御部42と、を備えている。このような構成を有する表示装置3によれば、表示装置3の向きを変更したときに、ユーザーが所望の操作を行うことができなくなるといった不具合を解消することが可能であり、ユーザーによる操作性を低下させず、使い勝手の良い画面を表示することができるようになる。
【0097】
また本実施形態の画像処理装置1は、表示装置3によって検知されるユーザーの操作に基づいてジョブの実行を制御するジョブ制御部15を備えている。このジョブ制御部15は、第1表示制御部41によって第1画面100が表示されているときには、表示部23の全体の表示領域Rで表示される操作画面に対するユーザーの操作に基づいてジョブの実行を制御する。またジョブ制御部15は、第2表示制御部42によって第2画面200が表示されているときには、表示部23の一部の表示領域R1に縮小して表示される操作画面、又は、表示部23の残部の表示領域R2において表示されるコンテンツ、に対するユーザーの操作に基づいてジョブの実行を制御する。したがって、本実施形態の画像処理装置1は、表示装置3が第1の向きと第2の向きのいずれであっても、第1画面100又は第2画面200に対するユーザーの操作に基づいてジョブを実行することが可能であり、ユーザーにとって使い勝手の良い装置となっている。
【0098】
(第2実施形態)
次に本発明の第2実施形態について説明する。上述した第1実施形態では、表示装置3の記憶部21に操作画面情報27及びコンテンツ登録情報28が記憶されており、表示装置3のCPU20が表示制御部30として機能し、表示装置3の姿勢に応じて表示部23に表示する画面を第1画面100及び第2画面200のいずれか一方に切り替える場合を例示した。これに対し、本実施形態では、装置本体2において表示装置3に表示する画面の切り替え制御を行う一形態について説明する。
【0099】
図12は、第2実施形態における画像処理装置1のハードウェア構成及び機能構成の一例を示すブロック図である。
図12に示すように、本実施形態の装置本体2は、第1実施形態で説明した構成に加え、パネル制御部34と、記憶部21とを備えている。記憶部21は、第1実施形態において表示装置3に設けられていたものと同様であり、操作画面情報27と、コンテンツ登録情報28とを記憶している。
【0100】
パネル制御部34は、表示装置3を制御するものである。パネル制御部34は、図示を省略するCPUとメモリとを備えており、CPUが所定のプログラムを実行することにより、表示制御部30、コンテンツ設定部32及びステータス管理部33として機能する。そして表示制御部30は、第1表示制御部41及び第2表示制御部42を備えている。つまり、本実施形態の画像処理装置1は、第1実施形態で説明した表示制御部30、コンテンツ設定部32及びステータス管理部33の機能を装置本体2において機能させるように構成されている。
【0101】
これに対し、表示装置3は、CPU20が所定のプログラムを実行することにより、表示処理部35、操作検知部31及び姿勢通知部36として機能する。表示処理部35は、装置本体2の表示制御部30から出力される第1画面100又は第2画面200を表示部23に表示する。操作検知部31は、操作部24によって受け付けられるユーザーの操作に基づき、操作情報を生成して装置本体2へ出力する。これにより、装置本体2の表示制御部30は、ユーザーの操作に応じて第1画面100又は第2画面200を更新することができる。姿勢通知部36は、姿勢検知センサー25によって検知される表示装置3の姿勢を装置本体2へ通知するものである。
【0102】
したがって、本実施形態の画像処理装置1は、装置本体2において機能する表示制御部30が、表示装置3の姿勢に応じて表示部23に表示される画面を第1画面100及び第2画面200のいずれか一方に切り替える制御を行う。このような構成であっても、第1実施形態で説明した作用効果と同様の作用効果を奏すること可能である。
【0103】
また本実施形態の画像処理装置1は、第1実施形態で説明した表示装置3の機能の一部を装置本体2に搭載したものであると言える。そのため、本実施形態の画像処理装置1は、全体として、第1実施形態で説明した表示装置3として動作するものである。
【0104】
尚、本実施形態において上述した点以外については、第1実施形態で説明したものと同様である。
【0105】
(変形例)
以上、本発明に関する幾つかの実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態において説明した内容のものに限られるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
【0106】
例えば上記実施形態においては、表示装置3が
図1(a)に示すように表示部23の長手方向が左右方向(横方向)となる第1の向きを基本姿勢としており、第1の向きであるときに操作画面を全画面表示し、第2の向きであるときに操作画面を表示部23の一部の表示領域R1に縮小して表示すると共に、残部の表示領域R2に操作画面に含まれるコンテンツを縮小することなく表示する例を説明した。しかし、基本姿勢とする表示装置3の向きは、上記実施形態で説明した向きとは逆であっても構わない。
【0107】
図13は、表示部23の長手方向が上下方向(縦方向)となる向きを基本姿勢(第1の向き)とした場合の画面例を示す図である。
図13(a)に示すように表示部23が基本姿勢である場合、表示部23には、操作画面が全画面表示される。これに対し、
図13(b)に示すように、表示部23の姿勢が基本姿勢から90度回転した姿勢(第2の向き)に変更されると、表示部23の一部の表示領域R1に操作画面が縮小した状態で配置され、残部の表示領域R2に操作画面に含まれるコンテンツが配置された画面が表示されるようにしても良い。
【0108】
また上述した表示装置3は、一般的なタブレット端末などによって構成されるものであっても良い。すなわち、上述した表示装置3は、画像処理装置1の専用品として設けられるものに限られず、一般的なタブレット端末などを用いて実現することも可能である。この場合、一般的な表示装置3において上述したプログラム26をインストールして実行させることにより、表示装置3が第1の向きにあるときと第2の向きにあるときとで表示部23に表示する画面を切り替えることが可能になり、上記と同様の作用効果を奏する。
【0109】
また上記実施形態では、表示装置3が画像処理装置1の表示手段として設けられる場合を例示したが、表示装置3の用途は必ずしも画像処理装置1の表示手段としての用途に限られない。すなわち、上述した表示装置3は、画像処理装置1以外の装置にも適用可能である。
【0110】
また上述したプログラム26は表示装置3に予めインストールされている場合を例示した。しかし、プログラム26は、表示装置3に予めインストールされているものに限られず、それ単独で取引の対象となるものであっても構わない。その場合、プログラム26は、インターネットなどを介して提供されるものであっても良いし、CD-ROMなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された状態で提供されるものであっても構わない。
【符号の説明】
【0111】
1 画像処理装置
3 表示装置
12 スキャナ部(画像読取手段)
15 ジョブ制御部(ジョブ制御手段)
21 記憶部(記憶手段)
23 表示部(表示手段)
25 姿勢検知センサー(検知手段)
26 プログラム
28 コンテンツ登録情報
30 表示制御部
32 コンテンツ設定部(コンテンツ設定手段)
33 ステータス管理部(ステータス管理手段)
41 第1表示制御部(第1表示制御手段)
42 第2表示制御部(第2表示制御手段)