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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-14
(45)【発行日】2022-03-23
(54)【発明の名称】画像形成装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20220315BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20220315BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20220315BHJP
【FI】
B41J29/38 201
B41J29/00 Z
H04N1/00 127Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018006842
(22)【出願日】2018-01-19
(65)【公開番号】P2019123192
(43)【公開日】2019-07-25
【審査請求日】2020-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】特許業務法人南青山国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100104215
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100196575
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 満
(74)【代理人】
【識別番号】100168181
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100117330
【弁理士】
【氏名又は名称】折居 章
(74)【代理人】
【識別番号】100160989
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 正好
(74)【代理人】
【識別番号】100168745
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 彩子
(74)【代理人】
【識別番号】100176131
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100197398
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 絢子
(74)【代理人】
【識別番号】100197619
【弁理士】
【氏名又は名称】白鹿 智久
(72)【発明者】
【氏名】平塚 元規
【審査官】佐藤 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-087373(JP,A)
【文献】特開2015-166152(JP,A)
【文献】特開2008-229913(JP,A)
【文献】特開2004-223989(JP,A)
【文献】特開2017-205904(JP,A)
【文献】特開2011-055268(JP,A)
【文献】特開2006-346986(JP,A)
【文献】特開2017-140750(JP,A)
【文献】特開2015-058699(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0046015(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0245886(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
B41J 29/00
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置であって、
ネットワークに接続された情報処理装置と通信可能なネットワーク通信デバイスと、
用紙に画像を形成することが可能なプリンターと、
前記プリンターが前記画像を形成した前記用紙を、取り出し不可能にロックするロック機構と、
ユーザーがログインした前記情報処理装置から印刷データを取得し、
前記印刷データに基づき画像を形成するのに必要な前記用紙の枚数が、閾値以上か未満かを判断し、
前記用紙の枚数が前記閾値未満と判断すると、前記ユーザーの距離が、第1の距離以上か未満かを判断し、
前記ユーザーの距離が前記第1の距離未満と判断すると、前記プリンターを制御して、前記用紙に前記画像を形成させ、
前記ユーザーの距離が前記第1の距離以上と判断すると、前記ユーザーの距離が前記第1の距離未満に変化したことを判断した場合に、前記プリンターを制御して、前記用紙に前記画像を形成させ
前記ユーザーの距離が前記第1の距離未満と判断し、前記プリンターを制御して、前記用紙に前記画像を形成させた場合、
前記ユーザーと別の人物が、前記第1の距離未満であり前記画像形成装置に手が届く至近距離である第3の距離未満にいるか否かを判断し、
前記別の人物が前記第3の距離未満にいると判断すると、前記ロック機構を制御して、前記用紙を、前記画像形成装置から取り出し不可能にロックし、
前記ユーザーの距離が、前記第1の距離未満であり前記画像形成装置に手が届く至近距離である第2の距離未満であると判断すると、前記ロックを解除する
プロセッサーと
を具備する
画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置であって、
前記プロセッサーは、
前記用紙の枚数が前記閾値以上と判断すると、前記プリンターを制御して、前記用紙に前記画像を形成させ、前記ロック機構を制御して、前記用紙を、前記画像形成装置から取り出し不可能にロックし、
前記ユーザーの距離が、前記第2の距離未満であると判断すると、前記ロックを解除する
画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画像形成装置であって、
前記プロセッサーは、前記用紙の枚数が大きいほど前記第1の距離も大きくなるように、前記第1の距離を、前記用紙の枚数に応じて可変とする
画像形成装置。
【請求項4】
請求項1乃至の何れか一項に記載の画像形成装置であって、
前記プロセッサーは、
前記印刷データに基づき、前記画像が非公開性か否かを判断し、
前記画像が非公開性であると判断すると、前記用紙の枚数が前記閾値以上か未満かを判断し、前記ユーザーの距離が前記第1の距離以上か未満かを判断し、
前記画像が非公開性でないと判断すると、前記プリンターを制御して、前記用紙に前記画像を形成させる
画像形成装置。
【請求項5】
請求項に記載の画像形成装置であって、
前記プロセッサーは、
前記印刷データを文字認識可能なフォーマットのデータに変換し、
前記変換後のデータが非公開性を意味する文字列を含むか否かを判断することにより、前記画像が非公開性か否かを判断する
画像形成装置。
【請求項6】
ネットワークに接続された情報処理装置と通信可能なネットワーク通信デバイスと、
用紙に画像を形成することが可能なプリンターと、
前記プリンターが前記画像を形成した前記用紙を、取り出し不可能にロックするロック機構と
を有する画像形成装置のプロセッサー
ユーザーがログインした前記情報処理装置から印刷データを取得し、
前記印刷データに基づき画像を形成するのに必要な前記用紙の枚数が、閾値以上か未満かを判断し、
前記用紙の枚数が前記閾値未満と判断すると、前記ユーザーの距離が、第1の距離以上か未満かを判断し、
前記ユーザーの距離が前記第1の距離未満と判断すると、前記プリンターを制御して、前記用紙に前記画像を形成させ、
前記ユーザーの距離が前記第1の距離以上と判断すると、前記ユーザーの距離が前記第1の距離未満に変化したことを判断した場合に、前記プリンターを制御して、前記用紙に前記画像を形成させ
前記ユーザーの距離が前記第1の距離未満と判断し、前記プリンターを制御して、前記用紙に前記画像を形成させた場合、
前記ユーザーと別の人物が、前記第1の距離未満であり前記画像形成装置に手が届く至近距離である第3の距離未満にいるか否かを判断し、
前記別の人物が前記第3の距離未満にいると判断すると、前記ロック機構を制御して、前記用紙を、前記画像形成装置から取り出し不可能にロックし、
前記ユーザーの距離が、前記第1の距離未満であり前記画像形成装置に手が届く至近距離である第2の距離未満であると判断すると、前記ロックを解除する
処理を実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セキュリティ性の高い画像形成装置及び情報処理プログラムに関する。
【0002】
非公開性(守秘性)のある文書を別の人物が取り出し不可能とするような、セキュリティ性の高い画像形成装置が知られている(特許文献1乃至特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-229913号公報
【文献】特開2010-016438号公報
【文献】特開2016-132174号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像形成装置は複数のユーザーが使用するものである。このため、非公開性(守秘性)のある文書を別の人物が取り出し不可能としつつも、即ち、セキュリティ性を保ちつつも、複数のユーザーにとって使用しやすいような画像形成装置が望ましい。
【0005】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、セキュリティ性を保ちつつも、複数のユーザーにとって使用しやすいような画像形成装置及び情報処理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態に係る画像形成装置は、
ネットワークに接続された情報処理装置と通信可能なネットワーク通信デバイスと、
用紙に画像を形成することが可能なプリンターと、
前記プリンターが前記画像を形成した前記用紙を、取り出し不可能にロックするロック機構と、
ユーザーがログインした前記情報処理装置から印刷データを取得し、
前記印刷データに基づき画像を形成するのに必要な前記用紙の枚数が、閾値以上か未満かを判断し、
前記用紙の枚数が前記閾値未満と判断すると、前記ユーザーの距離が、第1の距離以上か未満かを判断し、
前記ユーザーの距離が前記第1の距離未満と判断すると、前記プリンターを制御して、前記用紙に前記画像を形成させ、
前記ユーザーの距離が前記第1の距離以上と判断すると、前記ユーザーの距離が前記第1の距離未満に変化したことを判断した場合に、前記プリンターを制御して、前記用紙に前記画像を形成させる
プロセッサーと
を具備する。
【0007】
本形態によれば、画像形成装置は、用紙の枚数が閾値未満、且つ、ユーザーから画像形成装置までの距離が、第1の距離未満の場合、直ちに用紙に画像を形成する。言い換えれば、用紙の枚数が比較的少量、且つ、ユーザーが画像形成装置に短時間で到着できる場所にいる場合、直ちに用紙に画像を印刷する。これにより、ユーザーが画像形成装置に到着する頃に、印刷した用紙が排紙トレイに排出されるので、用紙を物理的にロックしなくてもセキュリティに問題がなく、ユーザーの待ち時間も増えない。
【0008】
前記プロセッサーは、
前記用紙の枚数が前記閾値以上と判断すると、前記プリンターを制御して、前記用紙に前記画像を形成させ、前記ロック機構を制御して、前記用紙を、前記画像形成装置から取り出し不可能にロックし、
前記ユーザーの距離が、前記第1の距離以下である第2の距離未満であると判断すると、前記ロックを解除する。
【0009】
本形態によれば、画像形成装置は、用紙の枚数が閾値以上の場合、直ちに用紙に画像を形成し、排出された用紙を、物理的に取り出し不可能にロックする。言い換えれば、用紙の枚数が比較的大量の場合は、ユーザーと画像形成装置との距離に拘わらず、直ちに印刷を開始する。これにより、ユーザーの待ち時間を可能な限り短くする。しかしながら、ユーザーが画像形成装置に到着するより前に、印刷した用紙が排紙トレイに溜まって別の人物が用紙を取り出すことが可能な状態となる可能性もある。そこで、印刷後、直ちに用紙を物理的に取り出し不可能にロックして、セキュリティを保つ。これにより、別の人物が用紙を取り出すことができなくなる。そして、ユーザーの距離が、第2の距離未満であると判断すると、ロックを解除する。これにより、ユーザーが画像形成装置の近くに来て初めて、用紙を物理的に取り出し可能な状態となる。
【0010】
前記プロセッサーは、
前記ユーザーの距離が前記第1の距離未満と判断し、前記プリンターを制御して、前記用紙に前記画像を形成させた場合、
前記ユーザーと別の人物が、前記第1の距離以下である第3の距離未満にいるか否かを判断し、
前記別の人物が前記第3の距離未満にいると判断すると、前記ロック機構を制御して、前記用紙を、前記画像形成装置から取り出し不可能にロックし、
前記ユーザーの距離が、前記第1の距離以下である第2の距離未満であると判断すると、前記ロックを解除する。
【0011】
本形態によれば、画像形成後、ユーザーより先に、別の人物が画像形成装置の近くに来る可能性もある。そこで、別の人物が、画像形成装置まで第3の距離未満にいる場合、排出された用紙を、物理的に取り出し不可能にロックして、セキュリティを保つ。これにより、別の人物が用紙を取り出すことができなくなる。そして、ユーザーの距離が、第2の距離未満であると判断すると、ロックを解除する。これにより、ユーザーが画像形成装置の近くに来て初めて、用紙を物理的に取り出し可能な状態となる。
【0012】
前記プロセッサーは、前記用紙の枚数が大きいほど前記第1の距離も大きくなるように、前記第1の距離を、前記用紙の枚数に応じて可変とする。
【0013】
本形態によれば、用紙の枚数が大きいほど、ユーザーから画像形成装置までの第1の距離も大きくすることで、ユーザーが画像形成装置にちょうど到着する頃に、印刷した用紙が排紙トレイに排出される可能性が高まる。これにより、セキュリティ性がさらに高まる。
【0014】
前記プロセッサーは、
前記印刷データに基づき、前記画像が非公開性か否かを判断し、
前記画像が非公開性であると判断すると、前記用紙の枚数が前記閾値以上か未満かを判断し、前記ユーザーの距離が前記第1の距離以上か未満かを判断し、
前記画像が非公開性でないと判断すると、前記プリンターを制御して、前記用紙に前記画像を形成させる。
【0015】
本形態によれば、画像が非公開性のときのみセキュリティ性を高め、画像が非公開性でないときはスピードを重視して直ちに画像を形成することができる。
【0016】
前記プロセッサーは、
前記印刷データを文字認識可能なフォーマットのデータに変換し、
前記変換後のデータが非公開性を意味する文字列を含むか否かを判断することにより、前記画像が非公開性か否かを判断する。
【0017】
本形態によれば、画像形成装置は、印刷データを、文字認識可能なフォーマットのデータに変換しておくので、画像形成時には、変換済みのデータに基づき画像を形成することができ、画像形成開始から終了までの時間を短縮できる。
【0018】
本発明の一形態に係る情報処理プログラムは、
ネットワークに接続された情報処理装置と通信可能なネットワーク通信デバイスと、
用紙に画像を形成することが可能なプリンターと、
前記プリンターが前記画像を形成した前記用紙を、取り出し不可能にロックするロック機構と
を有する画像形成装置のプロセッサーを、
ユーザーがログインした前記情報処理装置から印刷データを取得し、
前記印刷データに基づき画像を形成するのに必要な前記用紙の枚数が、閾値以上か未満かを判断し、
前記用紙の枚数が前記閾値未満と判断すると、前記ユーザーの距離が、第1の距離以上か未満かを判断し、
前記ユーザーの距離が前記第1の距離未満と判断すると、前記プリンターを制御して、前記用紙に前記画像を形成させ、
前記ユーザーの距離が前記第1の距離以上と判断すると、前記ユーザーの距離が前記第1の距離未満に変化したことを判断した場合に、前記プリンターを制御して、前記用紙に前記画像を形成させる
処理を実行させる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、セキュリティ性を保ちつつも、複数のユーザーにとって使用しやすいような画像形成装置及び情報処理プログラムを提供することができる。
【0020】
なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本発明中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一形態に係る情報処理システムを模式的に示す。
図2】画像形成装置のハードウェア構成を示す。
図3】モバイルデバイスのハードウェア構成を示す。
図4】画像形成装置の機能的構成を示す。
図5】画像形成装置の動作フローを示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら、本発明の形態を説明する。
【0023】
1.情報処理システムの構成
【0024】
図1は、本発明の一形態に係る情報処理システムを模式的に示す。
【0025】
情報処理システム1は、画像形成装置10と、情報処理装置20と、モバイルデバイス30とを有する。画像形成装置10と、情報処理装置20と、モバイルデバイス30とは、インターネットやLAN(Local Area Network)等のネットワークNに接続され、相互に通信可能である。
【0026】
画像形成装置10は、典型的には、MFP(Multifunction Peripheral)であり、以下MFP10と称する。MFP10は、近距離無線通信の一規格であるBluetooth(登録商標)発信機(ビーコン)を有し、周期的に電波を発信する。
【0027】
情報処理装置20は、MFP10に、印刷データ(printable data)を送信する。情報処理装置20は、典型的には、デスクトップコンピューター、ラップトップコンピューター、タブレットコンピューター等であり、以下PC(Personal Computer)20と称する。
【0028】
モバイルデバイス30は、スマートフォン、ウェアラブルコンピューター、ラップトップコンピューター、タブレットコンピューター等である。モバイルデバイス30は、MFP10の発信機が発信する電波を受信可能である。ユーザー(例えば、MFP10が設置されたオフィスの従業員)は、PC20及びモバイルデバイス30を使用する。言い換えれば、1人のユーザー(エンドユーザー)が、同じログインIDでPC20及びモバイルデバイス30にログインし、PC20及びモバイルデバイス30を使用する。
【0029】
2.画像形成装置のハードウェア構成
【0030】
図2は、画像形成装置のハードウェア構成を示す。
【0031】
MFP10は、制御部11を備える。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)及び専用のハードウェア回路等から構成され、MFP10の全体的な動作制御を司る。MFP10を各機能部(後述)として機能させるコンピュータープログラムは、ROM等の非一過性のコンピューター読み取り可能な記録媒体に記憶される。
【0032】
制御部11は、画像読取部12、画像処理部14、画像メモリー15、画像形成部16、ロック機構16a、操作部17、記憶部18、通信制御部13及び発信機19等と接続されている。制御部11は、接続されている上記各部の動作制御や、各部との間での信号又はデータの送受信を行う。
【0033】
制御部11は、ユーザーから、操作部17またはネットワーク接続されたパーソナルコンピュータ(図示せず)等を通じて入力されるジョブの実行指示に従って、スキャナー機能、印刷機能及びコピー機能などの各機能についての動作制御を実行するために必要な機構の駆動及び処理を制御する。
【0034】
画像読取部12は、原稿から画像を読み取るスキャナーである。
【0035】
画像処理部14は、画像読取部12で読み取られた画像の画像データを必要に応じて画像処理する。例えば、画像処理部14は、画像読取部12により読み取られた画像が画像形成された後の品質を向上させるために、シェーディング補正等の画像処理を行う。
【0036】
画像メモリー15は、画像読取部12による読み取りで得られた原稿画像のデータを一時的に記憶したり、画像形成部16での印刷対象となるデータを一時的に記憶したりする領域を有する。
【0037】
画像形成部16は、画像データに基づき、用紙に画像を形成するプリンターである。
【0038】
ロック機構16aは、画像形成部16(プリンター)が画像を形成し、排紙トレイ(図示せず)に排出された用紙を、物理的に取り出し不可能にロックする。
【0039】
操作部17は、MFP10が実行可能な各種動作及び処理についてユーザーからの指示を受け付けるタッチパネル部および操作キー部を備える。タッチパネル部は、タッチパネルが設けられたLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ等の表示部17aを備えている。
【0040】
通信制御部13は、ネットワークNに接続するためのインターフェースである。
【0041】
記憶部18は、画像読取部12によって読み取られた原稿画像等を記憶する、HDD(Hard Disk Drive)などの大容量の記憶装置である。
【0042】
発信機19は、近距離無線通信の一規格であるBluetooth(登録商標)発信機であり、周期的に電波(ビーコン)を発信する。
【0043】
3.モバイルデバイスのハードウェア構成
【0044】
図3は、モバイルデバイスのハードウェア構成を示す。
【0045】
モバイルデバイス30は、制御部31と、制御部31とバス37を介して接続された表示部32、通信制御部33、操作部35、記憶部36及び受信機38とを有する。
【0046】
制御部31は、CPU等を含む。制御部31のCPUは、コンピューター読み取り可能な非一過性の記録媒体の一例であるROMに記録されたプログラムをRAMにロードして実行する。
【0047】
記憶部36は、ROMと、RAMと、HDDなどの大容量の記憶装置とを含む。ROMは、制御部31が実行するプログラムやデータなどを固定的に格納する。RAMには、ROMに格納されたプログラムがロードされる。
【0048】
表示部32は、LCDや有機ELディスプレイ等を含む。表示部32は、制御部31から受け取った情報に基づいて演算処理を行い、生成した画像信号を画面に表示する。
【0049】
操作部35は、タッチパネル及び各種スイッチ等を含む。操作部35は、ユーザーからの操作を検出して制御部31に出力する。
【0050】
通信制御部33は、ネットワークNに接続するためのインターフェースである。
【0051】
受信機38は、近距離無線通信の一規格であるBluetooth(登録商標)発信機(ビーコン)が発信する電波を受信する。
【0052】
4.情報処理装置のハードウェア構成
【0053】
PC20のハードウェア構成は図示を省略する。例えば、PC20のハードウェア構成は、モバイルデバイス30のハードウェア構成(図3)から受信機38を除いたものである。PC20のCPUは、ROMに記録されたプログラムをRAMにロードして実行する。
【0054】
5.画像形成装置の機能的構成
【0055】
図4は、画像形成装置の機能的構成を示す。
【0056】
MFP10の制御部11のCPU(プロセッサー)は、ROMが記憶する情報処理プログラムをRAMにロードして実行することにより、印刷データ取得部101と、印刷データ変換部102と、文字認識部103と、プリンター制御部104と、枚数判断部105と、距離判断部106と、ロック機構制御部107として動作する。
【0057】
印刷データ取得部101は、PC20からネットワークNを介して、印刷データ(printable data)を受信する。
【0058】
印刷データ変換部102は、PC20から受信した印刷データを、文字認識可能なフォーマットのデータに変換する。
【0059】
文字認識部103は、光学文字認識(OCR、Optical Character Recognition)により、OCR用データベース201を参照し、ビットマップデータから、非公開性を意味する文字列を抽出する。
【0060】
プリンター制御部104は、画像形成部16(プリンター)を制御して、画像を形成させる。
【0061】
枚数判断部105は、PC20から受信した印刷データに基づき画像を形成(ビットマップデータを印刷)するのに必要な用紙の枚数を判断する。
【0062】
距離判断部106は、モバイルデバイス30から、受信した電波(ビーコン)強度と、モバイルデバイス30にログインしたユーザーを識別するログインIDとを、ネットワークNを介して受信する。距離判断部106は、モバイルデバイス30からMFP10までの距離を判断する。
【0063】
ロック機構制御部107は、ロック機構16aを制御して、画像形成部16が画像を形成し、排紙トレイ(図示せず)に排出された用紙を、物理的に取り出し不可能にロックする。また、ロック機構制御部107は、ロック機構16aを制御して、ロックを解除する。
【0064】
6.画像形成装置の動作フロー
【0065】
図5は、画像形成装置の動作フローを示す。
【0066】
前提として、1人のユーザーは、同じログインIDでPC20及びモバイルデバイス30にログイン済みである。ユーザーは、PC20が有するデータをMFP10を使って印刷したいと考え、PC20を操作し、PC20からMFP10にネットワークNを介して印刷データを送信させる。
【0067】
また、前提として、MFP10の発信機19は、周期的に電波(ビーコン)を発信する。モバイルデバイス30の受信機38は、MFP10の発信機19が発信した電波(ビーコン)を、周期的に受信する。モバイルデバイス30は、電波(ビーコン)を受信する度に、受信した電波強度(近ければ強く、遠ければ弱い)と、モバイルデバイス30にログインしたユーザーを識別するログインIDとを、ネットワークNを介してMFP10に送信する。MFP10は、モバイルデバイス30が受信した電波(ビーコン)強度と、モバイルデバイス30にログインしたユーザーを識別するログインIDとを、ネットワークNを介してモバイルデバイス30から、周期的に受信する。MFP10は、モバイルデバイス30から電波(ビーコン)強度を周期的に受信することで、MFP10とモバイルデバイス30(を持つユーザー)との距離(ユーザーが移動するにつれて変化する)を判断できる。
【0068】
印刷データ取得部101は、PC20からネットワークNを介して、印刷データ(printable data)を受信する(ステップS101)。印刷データは、例えば、PDL(Page Description Language)で記述されている。
【0069】
印刷データ変換部102は、PC20から受信した印刷データを、文字認識可能なフォーマットのデータに変換する(ステップS102)。文字認識可能なフォーマットのデータの具体例は、ビットマップデータ(例えばJPEG)である。
【0070】
文字認識部103は、ビットマップデータから、光学文字認識(OCR、Optical Character Recognition)により、非公開性を意味する文字列(厳密には、文字列の画像)を抽出する(ステップS103)。具体的には、OCR用データベース201には、非公開性を意味する文字列の画像パターンが登録されている。文字認識部103は、OCR用データベース201を参照し、ビットマップデータから、非公開性を意味する文字列を抽出する。「非公開性を意味する文字列」の具体例は、「社外秘」、「極秘」、「決算書」、「Confidential」等である。文字列はウォーターマークでもよい。OCR用データベース201は、記憶部18のHDD等が記憶する。
【0071】
文字認識部103が非公開性を意味する文字列を抽出しなければ(ステップS104、NO)、プリンター制御部104は、画像形成部16(プリンター)を制御して、画像を形成させる(ステップS105)。このように、非公開性でないときは直ちに画像を形成するが、非公開性の場合は、以下の様に、セキュリティ性の高い処理を行う。
【0072】
一方、文字認識部103が非公開性を意味する文字列を抽出すると(ステップS104、YES)、枚数判断部105は、PC20から受信した印刷データに基づき画像を形成(ビットマップデータを印刷)するのに必要な用紙の枚数を判断する。枚数判断部105は、判断した用紙の枚数が、閾値以上か未満かを判断する(ステップS106)。枚数の閾値は、全て印刷するまでに比較的時間が掛かるような比較的大量の値である。閾値は、例えば、21枚又はそれ以上の値とすればよい。
【0073】
まず、枚数判断部105が、用紙の枚数が閾値未満(ステップS106、YES)と判断した場合を説明する。言い換えれば、用紙の枚数は、全て印刷するまでに比較的時間が掛からない(例えば、20秒以内等)ような比較的少量の値である。
【0074】
距離判断部106は、モバイルデバイス30から、受信した電波(ビーコン)強度と、モバイルデバイス30にログインしたユーザーを識別するログインIDとを、ネットワークNを介して受信する。距離判断部106は、PC20にログインしたユーザーのログインIDと同じログインIDを送信したモバイルデバイス30からMFP10までの距離が、第1の距離以上か未満かを判断する(ステップS107)。言い換えれば、距離判断部106は、PC20にログインしたユーザー(モバイルデバイス30を所持しているユーザー)からMFP10までの距離が、第1の距離以上か未満かを判断する。
【0075】
「第1の距離」は、用紙の枚数に応じて可変である。典型的には、用紙の枚数が大きいほど、第1の距離も大きくなる。例えば、用紙の枚数が5枚以下のとき、第1の距離は5メートルでよい。用紙の枚数が20枚以下のとき、第1の距離は20メートルでよい。これらの具体例は、MFP10の印刷出力速度を60ppm(page per minute)、ユーザーの歩行速度を1メートル/秒と仮定した場合である。この場合、第1の距離は、全ての用紙を出力する時間にユーザーの歩行速度を乗じることにより算出できる。
【0076】
距離判断部106は、ユーザーが所持するモバイルデバイス30からMFP10までの距離が、第1の距離以上と判断すると、印刷を保留する(ステップS107、NO)。モバイルデバイス30を所持しているユーザーからMFP10までの距離が大きい(枚数に対して大きい)ため、直ちに印刷すると、ユーザーがMFP10に到着するより前に、印刷した用紙が排紙トレイに溜まって別の人物が用紙を取り出すことが可能な状態となり、セキュリティに問題があるためである。
【0077】
距離判断部106は、ユーザーが所持するモバイルデバイス30からMFP10までの距離が、第1の距離未満であることを判断する。あるいは、距離判断部106は、ユーザーが所持するモバイルデバイス30からMFP10までの距離が、第1の距離以上であったが、第1の距離未満に変化したことを判断する(ステップS107、YES)。すると、プリンター制御部104は、画像形成部16(プリンター)を制御して、画像を形成させる(ステップS108)。モバイルデバイス30を所持しているユーザーからMFP10までの距離が小さい(枚数に対して小さい)ため、直ちに印刷しても、ユーザーがMFP10に到着する頃に、印刷した用紙が排紙トレイに排出されるので、用紙をロックしなくてもセキュリティに問題がなく、ユーザーの待ち時間も増えないからである。
【0078】
画像形成開始後、距離判断部106は、上記ユーザーと別の人物のログインIDでログインしたモバイルデバイス(つまり、別の人物が所持するモバイルデバイス)(図示せず)が、MFP10まで第3の距離未満にいるか否かを判断する(ステップS109)。別の人物が所持するモバイルデバイスからMFP10までの第3の距離は、第1の距離以下の値である。つまり、第3の距離は、第1の距離と同じでもよいし(上の具体例では、5メートル又は20メートル)、第1の距離より小さくてもよい(例えば、MFP10に手が届くような至近距離である1メートル)。
【0079】
距離判断部106は、別の人物(別の人物が所持するモバイルデバイス)が、MFP10から第3の距離未満にいると判断する(ステップS109、YES)。この場合、ロック機構制御部107は、ロック機構16aを制御して、画像形成部16が画像を形成し、排紙トレイ(図示せず)に排出された用紙を、物理的に取り出し不可能にロックする(ステップS110)。このとき、MFP10は、スピーカー(図示せず)から警告音を発してもよい。
【0080】
ロック後、距離判断部106は、上記ユーザーがログインしたモバイルデバイス30からMFP10までの距離が、第2の距離未満にいるか否かを判断する(ステップS111)。ユーザーが所持するモバイルデバイス30からMFP10までの第2の距離は、第1の距離以下の値である。つまり、第2の距離は、第1の距離と同じでもよいし(上の具体例では、5メートル又は20メートル)、第1の距離より小さくてもよい(例えば、MFP10に手が届くような至近距離である1メートル)。第2の距離と第3の距離は、同じでも異なってもよい。
【0081】
距離判断部106は、ユーザー(ユーザーが所持するモバイルデバイス30)が第2の距離未満にいると判断する(ステップS111、YES)。この場合、ロック機構制御部107は、ロック機構16aを制御して、ロックを解除する(ステップS112)。これにより、ユーザーが、用紙を物理的に取り出し可能となる。
【0082】
次に、枚数判断部105が、用紙の枚数が閾値以上(ステップS106、NO)と判断した場合を説明する。言い換えれば、用紙の枚数は、全て印刷するまでに比較的時間が掛かるような比較的大量の値である。
【0083】
この場合、プリンター制御部104は、画像形成部16(プリンター)を制御して、画像を形成させる(ステップS113)。上述のように、枚数の閾値は、全て印刷するまでに比較的時間が掛かるような比較的大量の値である。このため、ユーザーの待ち時間を増やさないために、直ちに印刷を開始する。
【0084】
印刷終了後、ロック機構制御部107は、ロック機構16aを制御して、画像形成部16が画像を形成し、排紙トレイ(図示せず)に排出された用紙を、物理的に取り出し不可能にロックする(ステップS110)。直ちに印刷すると、ユーザーがMFP10に到着するより前に、印刷した用紙が排紙トレイに溜まって別の人物が用紙を取り出すことが可能な状態となる可能性があり、セキュリティに問題があるためである。
【0085】
ロック後、距離判断部106は、上記ユーザーがログインしたモバイルデバイス30からMFP10までの距離が、第2の距離未満にいるか否かを判断する(ステップS111)。距離判断部106は、ユーザー(ユーザーが所持するモバイルデバイス30)が第2の距離未満にいると判断する(ステップS111、YES)。この場合、ロック機構制御部107は、ロック機構16aを制御して、ロックを解除する(ステップS112)。これにより、ユーザーが、用紙を物理的に取り出し可能となる。
【0086】
7.変形例
【0087】
形態では、「第1の距離」は、用紙の枚数に応じて可変である。典型的には、用紙の枚数が大きいほど、第1の距離も大きくなる。これに替えて、「第1の距離」は、用紙の枚数に拘わらない固定値でもよい。
【0088】
形態では、1人のユーザーが、同じログインIDでPC20及びモバイルデバイス30にログインし、PC20及びモバイルデバイス30を使用する。PC20は、印刷データをネットワークNを介してMFP10に送信する。モバイルデバイス30は、MFP10が発信した電波(ビーコン)を受信し、電波強度をネットワークNを介してMFP10に送信する。これに替えて、PC20及びモバイルデバイス30は、単一のモバイルデバイス(図示せず)でもよい。つまり、単一のモバイルデバイスが、印刷データをネットワークNを介してMFP10に送信し、MFP10が発信した電波(ビーコン)を受信し、電波強度をネットワークNを介してMFP10に送信すればよい。
【0089】
8.結語
【0090】
非公開性(守秘性)のある文書を別の人物が取り出し不可能とするような、セキュリティ性の高い画像形成装置としては、例えば、排出した用紙をロックする技術が考えられる。しかしながら、画像形成装置によっては、排出トレイの数が少ない(例えば、1個)の場合もある。画像形成装置は複数のユーザーが使用するものである。排出した用紙を随時ロックすることは、他のユーザーにとっては不便であり、望ましくない。
【0091】
これに対して、第1に、本形態によれば、MFP10は、用紙の枚数が閾値未満(ステップS106、YES)、且つ、ユーザー(モバイルデバイス30を所持しているユーザー)からMFP10までの距離が、第1の距離未満(ステップS107、YES)の場合、直ちに用紙に画像を形成する(ステップS108)。言い換えれば、用紙の枚数が比較的少量、且つ、ユーザーがMFP10に短時間で到着できる場所にいる場合、直ちに用紙に画像を印刷する。これにより、ユーザーがMFP10に到着する頃に、印刷した用紙が排紙トレイに排出されるので、用紙を物理的にロックしなくてもセキュリティに問題がなく、ユーザーの待ち時間も増えない。
【0092】
また、用紙の枚数が大きいほど、ユーザー(モバイルデバイス30を所持しているユーザー)からMFP10までの「第1の距離」も大きくすることで、ユーザーがMFP10にちょうど到着する頃に、印刷した用紙が排紙トレイに排出される可能性が高まる。これにより、セキュリティ性がさらに高まる。
【0093】
しかしながら、印刷後、ユーザーより先に、別の人物がMFP10の近くに来る可能性もある。そこで、別の人物が、MFP10まで第3の距離未満にいる場合(ステップS109、YES)、排出された用紙を、物理的に取り出し不可能にロック(ステップS110)して、セキュリティを保つ。これにより、別の人物が用紙を取り出すことができなくなる。そして、ユーザーの距離が、第2の距離未満であると判断すると、ロックを解除する(ステップS112)。これにより、ユーザーがMFP10の近くに来て初めて、用紙を物理的に取り出し可能な状態となる。
【0094】
第2に、本形態によれば、MFP10は、用紙の枚数が閾値以上(ステップS106、NO)の場合、直ちに用紙に画像を形成し(ステップS113)、排出された用紙を、物理的に取り出し不可能にロックする(ステップS110)。言い換えれば、用紙の枚数が比較的大量の場合は、ユーザーとMFP10との距離に拘わらず、直ちに印刷を開始する。これにより、ユーザーの待ち時間を可能な限り短くする。しかしながら、ユーザーがMFP10に到着するより前に、印刷した用紙が排紙トレイに溜まって別の人物が用紙を取り出すことが可能な状態となる可能性もある。そこで、印刷後、直ちに用紙を物理的に取り出し不可能にロックして、セキュリティを保つ。これにより、別の人物が用紙を取り出すことができなくなる。そして、ユーザーの距離が、第2の距離未満であると判断すると、ロックを解除する(ステップS112)。これにより、ユーザーがMFP10の近くに来て初めて、用紙を物理的に取り出し可能な状態となる。
【0095】
また、本形態によれば、印刷データ変換部102は、PC20から受信した印刷データを、文字認識可能なフォーマットのデータ(ビットマップデータ)に変換しておく(ステップS102)ので、印刷時には、このビットマップデータに基づき画像を形成することができ、印刷開始から終了までの時間を短縮できる。
【0096】
本技術の各形態及び各変形例について上に説明したが、本技術は上述の形態にのみ限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0097】
情報処理システム1
画像形成装置10
情報処理装置20
モバイルデバイス30
印刷データ取得部101
印刷データ変換部102
文字認識部103
プリンター制御部104
枚数判断部105
距離判断部106
ロック機構制御部107
図1
図2
図3
図4
図5