(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-14
(45)【発行日】2022-03-23
(54)【発明の名称】タイヤ成形用押さえ装置
(51)【国際特許分類】
B29D 30/28 20060101AFI20220315BHJP
B29D 30/72 20060101ALI20220315BHJP
【FI】
B29D30/28
B29D30/72
(21)【出願番号】P 2018010555
(22)【出願日】2018-01-25
【審査請求日】2020-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000183233
【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】丸山 拓馬
(72)【発明者】
【氏名】花原 敬太
【審査官】橋本 有佳
(56)【参考文献】
【文献】特開昭51-037170(JP,A)
【文献】特開平01-078826(JP,A)
【文献】特公昭50-022074(JP,B1)
【文献】特開2011-102023(JP,A)
【文献】特開2016-064508(JP,A)
【文献】特開平07-060867(JP,A)
【文献】特開2007-320287(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29D 30/26
B29D 30/28
B29D 30/30
B29D 30/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状のタイヤ成形用フォーマに巻装された一次カバーの軸方向端面と、上記一次カバーの上記端面と外周面との間の屈曲面とに、サイドウォール部材を押圧するタイヤ成形用押さえ装置であって、
上記一次カバーに上記サイドウォール部材を押圧する押さえローラを備えており、
上記押さえローラが、
上記屈曲面に上記サイドウォール部材を押圧するローラ本体と、上記端面に上記サイドウォール部材を押圧する端面ブラダーとを備えているタイヤ成形用押さえ装置。
【請求項2】
上記押さえローラが、上記ローラ本体から上記ローラ本体の半径方向に延在する鍔部を更に備えており、
上記ローラ本体が上記屈曲面に上記サイドウォール部材を押圧する本体押圧部を備えており、
上記端面ブラダーが、上記ローラ本体の軸方向において、上記本体押圧部と上記鍔部との間に位置している請求項1に記載の押さえ装置。
【請求項3】
上記端面ブラダーの膨張状態において、上記端面ブラダーの外径Dbが上記鍔部の外径Dtより大きい請求項2に記載の押さえ装置。
【請求項4】
上記ローラ本体が上記屈曲面に上記サイドウォール部材を押圧する本体押圧部を備えており、
上記端面ブラダーの内部の流体圧力を調整する端面圧力調整装置と、
上記本体押圧部が上記サイドウォール部材を押圧する押圧力を検知する押圧力検知センサーと
を更に備えており、
上記端面圧力調整装置が、上記押圧力検知センサーが上記押圧力を検知したときに、上記端面ブラダーを膨張させる機能を備えている請求項1から3のいずれかに記載の押さえ装置。
【請求項5】
上記押さえローラが、
上記一次カバーの上記外周面に上記サイドウォール部材を押圧する外周ブラダーを更に備えている、請求項1から4のいずれかに記載の押さえ装置。
【請求項6】
上記ローラ本体が上記屈曲面に上記サイドウォール部材を押圧する本体押圧部を備えており、
上記押さえローラが、上記ローラ本体の軸方向において上記端面ブラダーから離れる向きに上記本体押圧部から延びる軸部を更に備えており、
上記外周ブラダーが、上記軸部の半径方向外側に位置している請求項5に記載の押さえ装置。
【請求項7】
上記ローラ本体が上記屈曲面に上記サイドウォール部材を押圧する本体押圧部を備えており、
上記外周ブラダーの内部の流体圧力を調整する外周圧力調整装置と、
上記本体押圧部が上記サイドウォール部材を押圧する押圧力を検知する押圧力検知センサーと
を備えており、
上記外周圧力調整装置が、上記押圧力検知センサーが上記押圧力を検知したときに、上記外周ブラダーを膨張させる機能を備えている請求項5又は6に記載の押さえ装置。
【請求項8】
円筒状のタイヤ成形用フォーマに巻装された一次カバーの外周面にサイドウォール部材を巻回するサイドウォール巻回工程と、
上記一次カバーの軸方向端面と、上記一次カバーの上記端面と上記外周面との間の屈曲面とに、押さえローラでサイドウォール部材を押圧するサイドウォール押圧工程と
を備えており、
上記押さえローラが上記屈曲面に上記サイドウォール部材を押圧するローラ本体と、上記端面に上記サイドウォール部材を押圧する端面ブラダーとを備えており、
上記サイドウォール押圧工程において、
上記ローラ本体が上記屈曲面に上記サイドウォール部材を押圧するときに、上記端面ブラダーが膨張して上記端面に上記サイドウォール部材を押圧するタイヤの製造方法。
【請求項9】
上記押さえローラが、上記ローラ本体から上記ローラ本体の半径方向に延在する鍔部を備えており、
上記サイドウォール押圧工程において、
上記フォーマの半径方向において、上記ローラ本体が上記屈曲面に上記サイドウォール部材を押圧するときに、上記鍔部の内端が上記一次カバーの軸方向端面の内端より内側に位置しており、
上記端面ブラダーが軸方向において上記鍔部と上記端面との間に位置して上記サイドウォール部材を上記端面に押圧する、請求項8に記載の製造方法。
【請求項10】
上記押さえローラが、上記外周面に上記サイドウォール部材を押圧する外周ブラダーを更に備えており、
上記サイドウォール押圧工程において、
上記ローラ本体が上記屈曲面に上記サイドウォール部材を押圧するときに、上記外周ブラダーが膨張して上記外周面に上記サイドウォール部材を押圧する請求項8又は9に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォーマにサイドウォール部材を押圧するタイヤ成形用押さえ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
空気入りタイヤの製造方法は、ローカバーを形成する予備成形工程と、このローカバーを加硫成形する加硫工程とを備えている。予備成形工程では、タイヤ成形用フォーマ(以下、単にフォーマとも言う)に、タイヤの各部を構成するゴム部材が巻装されて、ローカバーが形成される。
【0003】
この予備成形工程では、タイヤのサイドウォールを形成するサイドウォール部材が、フォーマに巻装される。特開2016-83888号公報には、フォーマに巻き付けられた一次カバーにサイドウォール部材が巻き回されている。この一次カバーに押さえローラでサイドウォール部材を押圧する押さえ装置が開示されている。特開2011-102023号公報には、膨張したブラダーでサイドウォール部材を押圧する押さえ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-83888号公報
【文献】特開2011-102023号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
サイドウォール部材は、一次カバーの表面に巻装される。特開2016-83888号公報では、押さえローラがサイドウォール部材を一次カバーの屈曲面に押圧する。この押さえローラでは、サイドウォール部材を屈曲面に押圧しつつ、軸方向端面に押圧することは容易でない。この押さえローラでは、サイドウォール部材と一次カバーとの間に隙間が生じ易い。特開2011-102023号公報では、ブラダーがサイドウォール部材を押圧する。このブラダーでは、大きな押圧力が得られ難い。このブラダーでの押圧とは別に、ローラでサイドウォール部材を一次カバーの屈曲面に押圧する必要が生じる。
【0006】
本発明の目的は、サイドウォール部材を一次カバーに効率的に押圧しうるタイヤ成形用押さえ装置の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にかかるタイヤ成形用押さえ装置は、円筒状のタイヤ成形用フォーマに巻装された一次カバーの軸方向端面と、上記一次カバーの上記端面と外周面との間の屈曲面とに、サイドウォール部材を押圧する。このタイヤ成形用押さえ装置は、上記一次カバーに上記サイドウォール部材を押圧する押さえローラを備えている。上記押さえローラは、上記屈曲面に上記サイドウォール部材を押圧するローラ本体と、上記端面に上記サイドウォール部材を押圧する端面ブラダーとを備えている。
【0008】
好ましくは、上記押さえローラは、上記ローラ本体から上記ローラ本体の半径方向に延在する鍔部を更に備えている。上記ローラ本体は、上記屈曲面に上記サイドウォール部材を押圧する本体押圧部を備えている。上記端面ブラダーは、上記ローラ本体の軸方向において、上記本体押圧部と上記鍔部との間に位置している。
【0009】
好ましくは、上記端面ブラダーの膨張状態において、上記端面ブラダーの外径Dbは、上記鍔部の外径Dtより大きい。
【0010】
この押さえ装置は、上記端面ブラダーの内部の流体圧力を調整する端面圧力調整装置と、上記本体押圧部が上記サイドウォール部材を押圧する押圧力を検知する押圧力検知センサーとを更に備えている。好ましくは、上記端面圧力調整装置は、上記押圧力検知センサーが上記押圧力を検知したときに、上記端面ブラダーを膨張させる機能を備えている。
【0011】
好ましくは、上記押さえローラは、上記一次カバーの上記外周面に上記サイドウォール部材を押圧する外周ブラダーを更に備えている。
【0012】
好ましくは、上記押さえローラは、上記ローラ本体の軸方向において、上記端面ブラダーから離れる向きに上記本体押圧部から延びる軸部を更に備えている。上記外周ブラダーは、上記軸部の半径方向外側に位置している。
【0013】
この押さえ装置は、上記外周ブラダーの内部の流体圧力を調整する外周圧力調整装置と、上記本体押圧部が上記サイドウォール部材を押圧する押圧力を検知する押圧力検知センサーとを備えている。好ましくは、上記外周圧力調整装置は、上記押圧力検知センサーが上記押圧力を検知したときに、上記外周ブラダーを膨張させる機能を備えている。
【0014】
本発明に係るタイヤの製造方法は、
円筒状のタイヤ成形用フォーマに巻装された一次カバーの外周面にサイドウォール部材を巻回するサイドウォール巻回工程と、
上記一次カバーの軸方向端面と、上記一次カバーの上記端面と上記外周面との間の屈曲面とに、押さえローラでサイドウォール部材を押圧するサイドウォール押圧工程と
を備えている。
上記押さえローラは、上記屈曲面に上記サイドウォール部材を押圧するローラ本体と、上記端面に上記サイドウォール部材を押圧する端面ブラダーとを備えている。
上記サイドウォール押圧工程において、上記ローラ本体が上記屈曲面に上記サイドウォール部材を押圧するときに、上記端面ブラダーが膨張して上記端面に上記サイドウォール部材を押圧する。
【0015】
好ましくは、上記押さえローラは、上記ローラ本体から上記ローラ本体の半径方向に延在する鍔部を備えている。
上記サイドウォール押圧工程では、上記フォーマの半径方向において、上記ローラ本体が上記屈曲面に上記サイドウォール部材を押圧するときに、上記鍔部の内端が上記一次カバーの軸方向端面の内端より内側に位置している。上記端面ブラダーが軸方向において上記鍔部と上記端面との間に位置して、上記サイドウォール部材を上記端面に押圧する。
【0016】
好ましくは、上記押さえローラは、上記外周面に上記サイドウォール部材を押圧する外周ブラダーを更に備えている。
上記サイドウォール押圧工程において、上記ローラ本体が上記屈曲面に上記サイドウォール部材を押圧するときに、上記外周ブラダーが膨張して上記外周面に上記サイドウォール部材を押圧する。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係るタイヤ成形用押さえ装置では、ローラ本体がサイドウォール部材を一次カバーの屈曲面に押圧する。更に、この押圧に合わせて、端面ブラダーがサイドウォール部材を一次カバーの端面に押圧する。この押さえ装置は、サイドウォール部材を一次カバーの表面の形状に倣って押圧しうる。この押さえ装置は、サイドウォール部材を一次カバーの端面及び屈曲面に、隙間の発生を抑制しつつ、効率よく押圧しうる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係るタイヤ成形用押さえ装置の一部の使用状態が示された断面図である。
【
図2】
図2は、
図1のタイヤ成形用押さえ装置の一部の他の使用状態が示された断面図である。
【
図3】
図3(a)は
図1のタイヤ成形用押さえ装置の使用方法の説明図であり、
図3(b)はこのタイヤ成形用押さえ装置の使用方法の他の説明図であり、
図3(c)はこのタイヤ成形用押さえ装置の使用方法の更に他の説明図であり、
図3(d)はこのタイヤ成形用押さえ装置の使用方法の更に他の説明図である。
【
図4】
図4は、本発明の他の実施形態に係るタイヤ成形用押さえ装置の一部の使用状態が示された断面図である。
【
図5】
図5は、
図4のタイヤ成形用押さえ装置の一部の他の使用状態が示された断面図である。
【
図6】
図6(a)は
図4のタイヤ成形用押さえ装置の使用方法の説明図であり、
図6(b)はこのタイヤ成形用押さえ装置の使用方法の他の説明図であり、
図6(c)はこのタイヤ成形用押さえ装置の使用方法の更に他の説明図である。
【
図7】
図7は、比較例のタイヤの製造方法に使用されたタイヤ成形用押さえ装置の使用状態が示された断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
【0020】
図1には、本発明に係るタイヤ成形用押さえ装置2(以下押さえ装置2ともいう)の一部が示されている。この押さえ装置2は、押さえローラ4と、端面圧力調整装置としての圧力調整装置6とを備えている。図示されないが、この押さえ装置2は、更に、回転駆動装置、押圧装置、押圧力検知センサー及び制御装置を備えている。
【0021】
押さえローラ4は、ローラ支持部8、ローラ本体10、鍔部12及び端面ブラダー14を備えている。
図1の一点鎖線Laは押さえローラ4の軸線を表している。ここでは、
図1の左右方向右向きを押さえローラ4の軸方向前方とし、上下方向を押さえローラ4の半径方向とし、紙面に垂直な方向を押さえローラ4の周方向として説明がされる。
【0022】
ローラ本体10は、軸受支持部16及び本体押圧部18を備えている。軸受支持部16は、ローラ支持部8に回転可能に支持されている。ローラ本体10は、軸線Laを回転軸として回転可能にされている。本体押圧部18は、軸受支持部16の軸方向前方に位置している。本体押圧部18の外径は、軸方向後方から前方に向かって漸減している。この本体押圧部18の外周面18aは、軸方向後方から前方に向かって半径方向外側から内側向きに傾斜して延びるテーパ面として形成されている。
【0023】
鍔部12は、ローラ本体10から半径方向に延在している。鍔部12は、ローラ本体10の周方向に一周している。鍔部12は、リング状の形状を備えている。鍔部12は、前向きの支持面12aを備えている。鍔部12は、軸方向において、軸受支持部16と本体押圧部18との間に位置している。
図1の両矢印Dtは、鍔部12の外径を表している。
【0024】
端面ブラダー14は、軸方向において、鍔部12と本体押圧部18との間に位置している。端面ブラダー14は、ローラ本体10及び鍔部12に取り付けられている。端面ブラダー14は、支持面12aに沿って周方向に一周している。端面ブラダー14は、内部の流体圧力(内圧)を調整することによって膨張収縮可能にされている。端面ブラダー14の材質は、膨張収縮性及び耐久性を備えた材料であればよい。端面ブラダー14は、例えば、ポリウレタンからなる。
【0025】
圧力調整装置6は、流体流路20と、図示されないが、端面切替弁と、端面加圧装置とを備えている。流体流路20は、端面加圧装置の流体排出口と端面ブラダー14の流体供給口とを連通している。端面切替弁は、この流体流路20を遮断する閉姿勢と、流体流路20を連通させる開姿勢と、端面ブラダー14の内部を大気開放させる開放姿勢とに切り替え可能にされている。
【0026】
回転駆動装置は、ローラ本体10の軸線Laを回転軸にして、回転駆動する機能を備えている。押圧装置は、押さえローラ4を軸方向前後方向及び半径方向に移動させる機能を備えている。押圧力検知センサーは、ローラ本体10の押圧力を検知する機能を備えている。押圧力検知センサーは、この押圧力の検知信号を制御装置に送信する機能を備えている。
【0027】
制御装置は、圧力調整装置6、回転駆動装置及び押圧装置を制御する機能を備えている。制御装置は、圧力調整装置6の端面切替弁を制御する機能を備えている。制御装置は、押圧力検知センサーから押圧力の検知信号を受信する機能を備えている。
【0028】
図1では、端面切替弁が流体流路20を閉状態にしている。端面ブラダー14に、流体が所定の使用内圧で封入されている。この端面ブラダー14は、膨張状態にされている。
図1の両矢印Dbは膨張状態の端面ブラダー14の外径を表している。
【0029】
図2では、端面切替弁が流体流路20を開放状態にしている。端面ブラダー14の内部の流体が大気開放されている。端面ブラダー14は収縮状態にある。
【0030】
図3(a)には、タイヤ成形用フォーマ22に一次カバー24が巻装された状態が示されている。このフォーマ22は、円筒状の形状を備えている。一次カバー24は、フォーマ22の外周面22aと軸方向端面22bとに巻装されている。一次カバー24は、外周面22aに沿って延びる外周面24aと、端面22bに沿って延びる端面24bと、この外周面24aと端面24bとの間で屈曲して延びる屈曲面24cとを備えている。一次カバー24は、ビードを形成するビード部材26と、カーカスを形成する第一プライ部材28及び第二プライ部材30とを備えている。
【0031】
ビード部材26は、コアを形成するコア部材32及びエイペックスを形成するエイペックス部材34を備えている。エイペックス部材34は、フォーマ22の端面22b及び外周面22aに沿って、コア部材32から延びている。このエイペックス部材34は、端面22bに沿って延びる内側部分と外周面22aに沿って延びる外側部分との間で屈曲させられている。
【0032】
第一プライ部材28は、ビード部材26の周りで、フォーマ22の軸方向内側から外側に折り返されている。この折り返しによって、第一プライ部材28には、主部36と折り返し部38とが形成されている。主部36は、第二プライ部材30の外側で、フォーマ22の端面22b及び外周面22aに沿って延びている。折り返し部38は、ビード部材26及び主部36の外側で、フォーマ22の端面22b及び外周面22aに沿って延びている。この折り返し部の端38aは、主部36に重ね合わされている。
【0033】
第二プライ部材30は、ビード部材26の周りで、フォーマ22の軸方向内側から外側に折り返されている。この折り返しによって、第二プライ部材30には、主部40と折り返し部42とが形成されている。主部40は、第一プライ部材28の主部36の内側で、フォーマ22の端面22b及び外周面22aに沿って延びている。折り返し部42は、第一プライ部材28の折り返し部38の外側で、フォーマ22の端面22bに沿って延びている。この折り返し部の端42aは、折り返し部38に重ね合わされている。この折り返し部の端42aは、フォーマ22の軸方向において、端面22bに沿って延びるエイペックス部材34の軸方向外側に位置している。
【0034】
図3(b)には、サイドウォールを形成するサイドウォール部材44が巻き重ねられた状態が示されている。サイドウォール部材44は、一次カバー24の外周面24aに重ね合わされている。
【0035】
図3(c)には、押さえローラ4で、サイドウォール部材44を一次カバー24に押圧する状態が示されている。この
図3(c)では、端面ブラダー14は収縮状態にある。押さえローラ4の本体押圧部18が、サイドウォール部材44を、一次カバー24の屈曲面24cに押圧している。サイドウォール部材44は、一次カバー24の外周面24a、屈曲面24c及び端面24bに沿って屈曲させられている。
【0036】
図3(d)には、押さえローラ4で、サイドウォール部材44を一次カバー24に押圧する他の状態が示されている。この
図3(d)では、端面ブラダー14は膨張状態にある。押さえローラ4の本体押圧部18が、サイドウォール部材44を、一次カバー24の屈曲面24cに押圧している。端面ブラダー14が、サイドウォール部材44を、一次カバー24の端面24bに押圧している。
【0037】
この押さえ装置2を用いたタイヤの製造方法が説明される。このタイヤの製造方法は、予備成形工程及び加硫工程を備えている。予備成形工程では、タイヤの各部を形成する部材が組み合わされてローカバーが成形される。加硫工程では、このローカバーが加硫成形される。この加硫成形によって、ローカバーからタイヤが形成される。
【0038】
この予備成形工程は、一次カバー形成工程、サイドウォール巻回工程、サイドウォール押圧工程及びトレッド部材積層工程を備えている。
【0039】
一次カバー形成工程では、第二プライ部材30、第一プライ部材28等を、順次フォーマ22の外周面22aに巻回する。一対のビード部材26をフォーマ22の端面22bに位置決めする。エイペックス部材34を、フォーマ22の外周面22a及び端面22bに沿って屈曲させる。第一プライ部材28をビード部材26の周りで折り返して、主部36と折り返し部38とを形成する。第二プライ部材30をビード部材26の周りで折り返して、主部40と折り返し部42とを形成する。この様にして、
図3(a)に示されるように、一次カバー24が形成される。
【0040】
サイドウォール巻回工程では、帯状のサイドウォール部材44を一次カバー24の端部に巻回する。サイドウォール部材44を、一次カバー24の外周面24a、端面24b及び屈曲面24cに積層される位置に、巻回する。この様にして、
図3(b)に示されるように、一次カバー24にサイドウォール部材44を巻回する。
【0041】
サイドウォール押圧工程では、押さえローラ4がサイドウォール部材44を一次カバー24に押圧する。本体押圧部18がサイドウォール部材44を一次カバー24の屈曲面24cに押圧する。サイドウォール部材44は、一次カバー24の外周面24a、屈曲面24c及び端面24bに沿って屈曲して重ね合わされる。この様にして、
図3(c)に示される様に、一次カバー24にサイドウォール部材44を押圧する。
【0042】
押圧力検知センサーが、ローラ本体10の押圧力を検知する。この押圧力は、軸方向及び半径方向に作用する。この押圧力は、軸方向及び半径方向のいずれか一方の方向で、検知されてもよい。押圧力検知センサーは、この押圧力の検知信号を制御装置に送信する。制御装置は、端面切替弁を開放姿勢から開姿勢に切り替える。流体流路20を通って、流体が端面ブラダー14の内部に流入する。端面ブラダー14が所定の圧力に達すると、制御装置は端面切替弁を開姿勢から閉姿勢に切り替える。この様にして、
図3(d)に示される様に、端面ブラダー14が膨張する。この端面ブラダー14がサイドウォール部材44を一次カバー24の端面24bに押圧する。
【0043】
回転駆動装置によって、ローラ本体10は、軸線Laを回転軸にして回転する。フォーマ22は、フォーマ22の軸線を回転軸にして回転する。フォーマ22の回転によって、本体押圧部18は、一次ブラダー24の周方向に位置を変えながら、サイドウォール部材44を屈曲面24cに沿って屈曲させて押圧する。端面ブラダー14は、一次ブラダー24の周方向に位置を変えながら、端面24bに沿って延びるサイドウォール部材44の部分を、端面24bに押圧する。この様にして、押さえローラ4は一次カバー24の周方向にサイドウォール部材44を押圧する。この様にして、一次カバー24とサイドウォール部材44を含む第一成形体が形成される。
【0044】
トレッド部材積層工程では、ベルトを形成するベルト部材、トレッドを形成するトレッド部材等がリング状に積層された第二成形体が準備される。第一成形体の半径方向外側に第二成形体が配置される。第一成形体が拡径されて、第一成形体と第二成形体とが一体にされる。この様に、第一成形体と第二成形体とから、ローカバーが形成される。
【0045】
この押さえ装置2の押さえローラ4では、本体押圧部18が屈曲面24cにサイドウォール部材44を押圧する。本体押圧部18で押圧することで、屈曲面24cにサイドウォール部材44を確りと押圧しうる。この一次カバー24では、高硬度のエイペックスを形成するエイペックス部材34とコードを含む第一プライ部材28とが屈曲させられている。エイペックス部材34や第一プライ部材28と共に、サイドウォール部材44をフォーマ22に対して十分に押圧しうる。
【0046】
この押さえローラ4では、端面ブラダー14が端面24bにサイドウォール部材44を押圧する。膨張した端面ブラダー14は、端面24bの凹凸に沿わせて、サイドウォール部材44を押圧する。これにより、端面24bとサイドウォール部材44との間に隙間が生じることを抑制しうる。この一次カバー24では、端面24bに折り返し部42の端42aで段差が生じている。この端面ブラダー14が押圧することで、この段差に沿わせてサイドウォール部材44が押圧される。この端面ブラダー14が押圧することで、端面24bとサイドウォール部材44と間に隙間が生じることが、抑制されうる。
【0047】
この端面ブラダー14を備えることで、本体押圧部18が押圧すると同時に、端面ブラダー14が押圧しうる。この押さえローラ4は、サイドウォール部材44を屈曲面24cと端面24bとに同時に押圧しうる。この押さえ装置2は、効率的にサイドウォール部材44を押圧しうる。この押さえ装置2は、サイドウォール部材44の押圧時間を短縮しうる。
【0048】
この押さえ装置2では、端面ブラダー14は、軸線Laの方向において、本体押圧部18と鍔部12との間に位置している。膨張した端面ブラダー14は、鍔部12に支持されて、サイドウォール部材44を押圧する。これにより、この一次カバー24の端面24bとサイドウォール部材44と間に隙間が生じることを更に抑制しうる。
【0049】
図1に示される様に、端面ブラダー14の膨張状態において、端面ブラダー14の外径Dbが鍔部12の外径Dtより大きい。この端面ブラダー14は、鍔部12の外径Dtの位置まで、サイドウォール部材44を一次カバー24に沿って押圧しうる。
【0050】
図3(d)に示される様に、フォーマ22の半径方向において、この鍔部12の内端12bは一次カバー24の内端24dより内側に位置している。これにより、サイドウォール部材44が一次カバー24の端面24bの全面を覆う場合にも、この押さえローラ4は端面24bにサイドウォール部材44を押圧しうる。
【0051】
この押さえ装置2では、押圧力検知センサーが本体押圧部18の押圧力を検知する。この押圧力は、ローラ本体10が受ける反力として検知される。圧力調整装置6は、押圧力が検知されたときに、端面ブラダー14を膨張させる。この端面ブラダー14は、本体押圧部18がサイドウォール部材44を屈曲面24cに押圧する障害にならない。本体押圧部18とサイドウォール部材44との間に、端面ブラダー14が噛み込まれることが抑制されている。この端面ブラダー14は、噛み込みが抑制されるので、本体押圧部18の軸方向後端に連続して取り付けることができる。この押さえ装置2では、サイドウォール部材44を、一次カバー24の屈曲面24cと端面24bとをその境界部分を含む領域を、隙間を空けることなく押圧しうる。
【0052】
図4には、本発明に係る他のタイヤ成形用押さえ装置52(以下押さえ装置52ともいう)の一部が示されている。この押さえ装置52は、押さえローラ54と、圧力調整装置6と、外周圧力調整装置としての圧力調整装置56とを備えている。図示されないが、この押さえ装置52は、更に、回転駆動装置、押圧装置、押圧力検知センサー及び制御装置を備えている。ここでは、押さえ装置52について、押さえ装置2と異なる構成について説明がされ、押さえ装置2と同様の構成について説明が省略される。ここでは、押さえ装置52において、押さえ装置2と同様の構成については、押さえ装置2と同様の符号を用いて説明がされる。
【0053】
押さえローラ54は、ローラ支持部8、ローラ本体10、鍔部12、端面ブラダー14、軸部58及び外周ブラダー60を備えている。
図4の一点鎖線Laは押さえローラ54の軸線を表している。
【0054】
軸部58は、ローラ本体10から軸方向前方に延びている。この軸部58は棒状の本体62と本体62の前方に位置する頭部64とを備えている。軸部58の軸線は軸線Laに一致している。軸部58は、軸方向において端面ブラダー14から離れる向きに、本体押圧部18から前方に延びている。この軸部58は、ローラ本体10と一体にされている。
【0055】
外周ブラダー60は、軸部58の本体62の半径方向外側に位置している。外周ブラダー60は、軸方向において本体62の後端から前端まで延びている。外周ブラダー60は、本体62の外周面62aを覆っている。この外周ブラダー60は、本体押圧部18の前端から本体押圧部18に連続して延びている。外周ブラダー60は、内部の流体圧力(内圧)を調整することによって膨張収縮可能にされている。外周ブラダー60の材質は、膨張収縮性及び耐久性を備えた材料であればよい。外周ブラダー60は、例えば、ポリウレタンからなる。
【0056】
圧力調整装置56は、流体流路66と、図示されないが、外周切替弁と、外周加圧装置とを備えている。流体流路66は、外周加圧装置の流体排出口と外周ブラダー60の流体供給口とを連通している。外周切替弁は、この流体流路66を遮断する閉姿勢と、流体流路66を連通させる開姿勢と、外周ブラダー60の内部を大気開放させる開放姿勢とに切り替え可能にされている。
【0057】
図4では、外周切替弁が流体流路66を閉状態にしている。外周ブラダー60は、流体が所定の内圧で封入されている。この外周ブラダー60は、膨張状態にされている。
【0058】
図5では、外周切替弁が流体流路66を開放状態にしている。外周ブラダー60の内部を流体が大気開放されている。外周ブラダー60は収縮状態にある。
【0059】
図6(a)には、
図3(b)と同様に、一次カバー24の外周面24aに、サイドウォール部材44が巻き重ねられた状態が示されている。サイドウォール部材44は、一次カバー24の外周面24aに重ね合わされている。
【0060】
図6(b)には、押さえローラ54で、サイドウォール部材44を一次カバー24に押圧する状態が示されている。この
図6(b)では、端面ブラダー14及び外周ブラダー60は収縮状態にある。押さえローラ54の本体押圧部18が、サイドウォール部材44を、一次カバー24の屈曲面24cに押圧している。サイドウォール部材44は、一次カバー24の外周面24a、屈曲面24c及び端面24bに沿って屈曲させられている。
【0061】
図6(c)には、押さえローラ54で、サイドウォール部材44を一次カバー24に押圧する他の状態が示されている。この
図6(c)では、端面ブラダー14及び外周ブラダー60は膨張状態にある。押さえローラ4の本体押圧部18が、サイドウォール部材44を、一次カバー24の屈曲面24cに押圧している。端面ブラダー14が、サイドウォール部材44を、一次カバー24の端面24bに押圧している。外周ブラダー60が、サイドウォール部材44を、一次カバー24の外周面24aに押圧している。
【0062】
この押さえ装置52を用いたタイヤの製造方法について、押さえ装置2を用いたタイヤの製造方法と異なる部分について説明がされ、同様の部分については説明が省略される。
【0063】
この製造方法のサイドウォール押圧工程では、押さえローラ54がサイドウォール部材44を一次カバー24に押圧する。本体押圧部18がサイドウォール部材44を一次カバー24の屈曲面24cに押圧する。サイドウォール部材44は、一次カバー24の外周面24a、屈曲面24c及び端面24bに沿って屈曲して重ね合わされる。この様にして、
図6(a)から
図6(b)に示される様に、一次カバー24にサイドウォール部材44を押圧する。
【0064】
押圧力検知センサーが、ローラ本体10の押圧力を検知する。押圧力検知センサーは、この押圧力の検知信号を制御装置に送信する。制御装置は、端面切替弁を開放姿勢から開姿勢に切り替える。流体が端面ブラダー14の内部に流入する。端面ブラダー14が所定の圧力に達すると、制御装置は端面切替弁を開姿勢から閉姿勢に切り替える。
図6(c)に示される様に、端面ブラダー14が膨張する。この端面ブラダー14がサイドウォール部材44を一次カバー24の端面24bに押圧する。
【0065】
また、制御装置は、外周切替弁を開放姿勢から開姿勢に切り替える。流体が外周ブラダー60の内部に流入する。外周ブラダー60が所定の圧力に達すると、制御装置は外周切替弁を開姿勢から閉姿勢に切り替える。
図6(c)に示される様に、外周ブラダー60が膨張する。この外周ブラダー60がサイドウォール部材44を一次カバー24の外周面24aに押圧する。
【0066】
ローラ本体10は、軸線Laを回転軸にして回転する。フォーマ22は、フォーマ22の軸線を回転軸にして回転する。本体押圧部18は、一次ブラダー24の周方向に位置を変えながら、サイドウォール部材44を屈曲面24cに沿って屈曲させて押圧する。端面ブラダー14は、一次ブラダー24の周方向に位置を変えながら、サイドウォール部材44を、端面24bに押圧する。外周ブラダー60は、一次ブラダー24の周方向に位置を変えながら、サイドウォール部材44を、外周面24aに押圧する。この様にして、押さえローラ54は一次カバー24の周方向にサイドウォール部材44を押圧する。一次カバー24とサイドウォール部材44を含む第一成形体が形成される。
【0067】
この押さえローラ54では、外周ブラダー60が外周面24aにサイドウォール部材44を押圧する。膨張した外周ブラダー60は、外周面24aの凹凸に沿わせて、サイドウォール部材44を押圧する。これにより、外周面24aとサイドウォール部材44との間に隙間が生じることを抑制しうる。この一次カバー24では、外周面24aに折り返し部38の端38aで段差が生じている。この外周ブラダー60が押圧することで、この段差に沿わせてサイドウォール部材44が押圧される。この外周ブラダー60が押圧することで、外周面24aとサイドウォール部材44と間に隙間が生じることが、抑制されうる。
【0068】
この外周ブラダー60を備えることで、本体押圧部18が押圧し、端面ブラダー14が押圧すると同時に、外周ブラダー60が押圧しうる。この押さえローラ54は、サイドウォール部材44を屈曲面24cと端面24bと外周面24aとに同時に押圧しうる。この押さえ装置52は、効率的にサイドウォール部材44を押圧しうる。この押さえ装置52は、サイドウォール押圧工程の時間を更に短縮しうる。
【0069】
この押さえ装置52では、外周ブラダー60は、半径方向において、軸部58の外側に位置している。膨張した外周ブラダー60は、軸部58に支持されて、サイドウォール部材44を押圧する。これにより、この一次カバー24の外周面24aとサイドウォール部材44と間に隙間が生じることを更に抑制しうる。
【0070】
図4に示される様に、外周ブラダー60の膨張状態において、外周ブラダー60の軸方向前端から後端まで、軸部58が位置している。この外周ブラダー60は、軸方向においてその全面で、サイドウォール部材44を一次カバー24に沿って押圧しうる。
【0071】
図6(c)に示される様に、フォーマ22の軸方向において、外周ブラダー60の前端は、サイドウォール部材44の前端より、前方に位置している。これにより、サイドウォール部材44のうち外周面24aに沿って延びる全体を外周面24aに押圧しうる。
【0072】
この押さえ装置52では、圧力調整装置56は、押圧力が検知されたときに外周ブラダー60を膨張させる。この外周ブラダー60は、本体押圧部18がサイドウォール部材44を屈曲面24cに押圧する障害にならない。本体押圧部18とサイドウォール部材44との間に、外周ブラダー60が噛み込まれることが抑制されている。この外周ブラダー60は、噛み込みが抑制されるので、本体押圧部18の軸方向前端に連続して取り付けることができる。この押さえ装置52では、サイドウォール部材44を、一次カバー24の屈曲面24cと外周面24aとをその境界部分を含む領域を、隙間を空けることなく押圧しうる。
【0073】
ここでは、圧力調整装置56は、圧力調整装置6と別体としたが、圧力調整装置6と圧力調整装置56とが同じ圧力調整装置であってもよい。流体流路66は流体流路20と連通し、端面切替弁と外周切替弁とが一の切替弁にされ、端面加圧装置と外周加圧装置とが一の加圧装置であってもよい。
【実施例】
【0074】
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
【0075】
[比較テスト1]
[実施例1]
図1の押さえ装置が準備された。この押さえ装置を用いて、タイヤが製造された。製造本数は1000本であった。このタイヤは乗用車用タイヤであった。このタイヤサイズは、155/55R14であった。このサイドウォール押圧工程の後に、押さえローラで押圧されたサイドウォール部材の圧着状態が目視検査された。目視検査において、浮きが確認された場合には、作業者が適宜修正した。その後に、ローカバーが成形されて、このローカバーが加硫成形されてタイヤが得られた。
【0076】
[比較例1]
図7に示される押さえローラ70を備える押さえ装置72が準備された。この押さえローラ70は、一次カバー24の端面24b及び屈曲面24cに、サイドウォール部材44を押圧する押圧面74を備えていた。製造本数は50本であった。その他は、実施例1と同様にして、タイヤが製造された。
【0077】
[実施例2]
タイヤサイズが185/65R15にされた他は、実施例1と同様にして、タイヤが製造された。
【0078】
[比較例2]
図7に示される押さえ装置72が準備された。製造本数は50本であった。その他は、実施例2と同様にして、タイヤが製造された。
【0079】
[実施例3]
タイヤサイズが195/65R15にされた他は、実施例1と同様にして、タイヤが製造された。
【0080】
[比較例2]
図7に示される押さえ装置72が準備された。製造本数は50本であった。その他は、実施例3と同様にして、タイヤが製造された。
【0081】
[修正率及び不良率]
サイドウォール押圧工程について、修正された比率(修正率)(単位%)が求められた。また、製造されたタイヤのサイドウォールの外観検査がされた。外観不良が確認されたタイヤの比率(不良率)が求められた。この修正率及び不良率が、表1に示されている。
【0082】
[生産性]
サイドウォール押圧工程において、サイドウォール部材を一次カバーに押圧するのに要する押圧時間が測定された。比較例1における押圧時間を1とすると、実施例1における押圧時間はその0.7倍であった。
【0083】
【0084】
[テスト2]
[実施例4]
図4の押さえ装置が準備された。この押さえ装置を用いた他は実施例1と同様にして、タイヤが製造された。
【0085】
[実施例5]
タイヤサイズが185/65R15にされた他は、実施例4と同様にして、タイヤが製造された。
【0086】
[実施例6]
タイヤサイズが195/65R15にされた他は、実施例4と同様にして、タイヤが製造された。
【0087】
[修正率及び不良率]
テスト1と同様にして、修正率と不良率とが求められた。この修正率及び不良率が、表2に示されている。
【0088】
【0089】
表1及び表2に示されるように、実施例の製造方法では、比較例の製造方法に比べて評価が高い。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0090】
以上説明された方法は、タイヤの製造に広く適用されうる。
【符号の説明】
【0091】
2、52・・・押さえ装置
4、54・・・押さえローラ
6、56・・・圧力調整装置
8・・・ローラ支持部
10・・・ローラ本体
12・・・鍔部
14・・・端面ブラダー
18・・・本体押圧部
20・・・流体流路
22・・・フォーマ
24・・・一次カバー
44・・・サイドウォール部材
58・・・軸部
60・・・外周ブラダー