IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本精機株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-車両情報出力装置 図1
  • 特許-車両情報出力装置 図2
  • 特許-車両情報出力装置 図3
  • 特許-車両情報出力装置 図4
  • 特許-車両情報出力装置 図5
  • 特許-車両情報出力装置 図6
  • 特許-車両情報出力装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-14
(45)【発行日】2022-03-23
(54)【発明の名称】車両情報出力装置
(51)【国際特許分類】
   G01D 11/00 20060101AFI20220315BHJP
   B60K 37/02 20060101ALI20220315BHJP
   G01D 7/00 20060101ALI20220315BHJP
【FI】
G01D11/00 Z
B60K37/02
G01D7/00 K
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018072405
(22)【出願日】2018-04-04
(65)【公開番号】P2019184306
(43)【公開日】2019-10-24
【審査請求日】2021-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100144048
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 智弘
(74)【代理人】
【識別番号】100186679
【弁理士】
【氏名又は名称】矢田 歩
(74)【代理人】
【識別番号】100189186
【弁理士】
【氏名又は名称】大石 敏弘
(72)【発明者】
【氏名】菅野 哲郎
【審査官】細見 斉子
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-030388(JP,A)
【文献】特開2007-218682(JP,A)
【文献】特開2006-273067(JP,A)
【文献】特開2016-078574(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 11/00
G01D 7/00
B60K 37/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両情報を表示する表示装置と、
前記表示装置を制御する第1制御ポートを備える処理装置と、
前記表示装置と前記第1制御ポートとを電気的に接続する第1配線部と、
外部装置が接続可能な外部端子と、
前記第1配線部から分岐し前記外部端子と前記第1制御ポートとを電気的に接続する第2配線部とを含み、
さらに、前記処理装置は、第1モード又は第2モードで動作し、
前記処理装置は、前記第1モードでは前記第1制御ポートを出力用のポートとして機能させ、
前記処理装置は、前記第2モードでは前記第1制御ポートを前記出力用から入力用のポートへと切り替えて機能させる、
車両情報出力装置。
【請求項2】
前記処理装置に電気的に接続される書き換え可能な記憶装置を更に含み、
前記処理装置は、前記第1モードでは前記表示装置に前記車両情報を表示させる制御信号を前記第1制御ポートから出力し、
前記処理装置は、前記第2モードでは前記外部装置から出力されたデータを前記第1制御ポートから入力し、前記データに基づいて前記記憶装置を書き換える、請求項1に記載の車両用情報出力装置。
【請求項3】
前記第1制御ポートは、第1-1ポート(P1)、第1-2ポート(P2)、第1-3ポート(P3)を含み、
前記処理装置は、前記第1モードにおいて、前記第1-1ポート(P1)、前記第1-2ポート(P2)、前記第1-3ポート(P3)を全て前記出力用のポートとして機能させ、
前記処理装置は、前記第2モードにおいて、前記第1-1ポート(P1)を同期用のポートに切り替えて機能させ、前記第1-2ポート(P2)を前記入力用のポートに切り替えて機能させ、前記第1-3ポート(P3)を前記出力用のポートのまま機能させ、前記第2配線を介して前記外部装置とシリアル通信する、請求項1または請求項2に記載の車両情報出力装置。
【請求項4】
前記表示装置は、前記車両情報として警告を表す意匠を表示する、請求項1から請求項3の何れか1項に記載の車両用情報出力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両情報出力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
フラッシュメモリを内蔵したマイクロコンピュータと、外部装置とが、回路基板に実装されるコネクタや、回路基板表面に設けられる平面状のランドを介して通信可能であり、マイクロコンピュータに外部装置から入力される情報に基づいて、フラッシュメモリ内のバリエーション設定情報が書き換えられる技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-173489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような従来技術では、マイクロコンピュータのような処理装置の各ポートを効率的に利用することが難しい。例えば、外部装置が接続可能な構成とするためには、メータに車両情報を出力するための制御ポートのほかに、外部装置が接続可能な制御ポートが必要となり、処理装置の制御ポートの数が増加する傾向となる。
【0005】
そこで、1つの側面では、本発明は、処理装置の各ポートを効率的に利用することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの側面では、以下の構成を備える車両用情報出力装置を提供する。
車両情報を表示する表示装置と、
前記表示装置を制御する第1制御ポートを備える処理装置と、
前記表示装置と前記第1制御ポートとを電気的に接続する第1配線部と、
外部装置が接続可能な外部端子と、
前記第1配線部から分岐し前記外部端子と前記第1制御ポートとを電気的に接続する第2配線部とを含み、
さらに、前記処理装置は、第1モード又は第2モードで動作し、
前記処理装置は、前記第1モードでは前記第1制御ポートを出力用のポートとして機能させ、
前記処理装置は、前記第2モードでは前記第1制御ポートを前記出力用から入力用のポートへと切り替えて機能させる。
【発明の効果】
【0007】
1つの側面では、本発明によれば、処理装置の各ポートを効率的に利用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施例による車両情報出力装置の概略的な構成を示す図である。
図2】メータの外観(ユーザ側から見た外観)の一例を示す図である。
図3】処理装置と出力装置及び外部端子との間の配線の説明図である。
図4】処理装置の動作モードの説明図である。
図5】書き換えモードにおける接続状態の説明図である。
図6】処理装置の動作モードの遷移方法の一例を示すフローチャートである。
図7】基板上における処理装置と外部端子等との位置関係の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら各実施例について詳細に説明する。
【0010】
図1は、一実施例による車両情報出力装置1の概略的な構成を示す図である。なお、図1は、概略図であり、各要素間の接続線の本数は配線数を表しているわけではない。以下の説明において、ユーザとは、車両情報出力装置1が搭載される車両のユーザを指す。
【0011】
車両情報出力装置1は、メータ(計器)70(図2参照)に車両情報を出力する装置である。メータ70は、車両のインストルメントパネルに搭載される。出力対象の車両情報は、任意であるが、例えば車速、エンジン回転数のような車両状態を表す情報である。
【0012】
車両情報出力装置1は、処理装置10と、記憶装置12と、出力装置14と、外部端子20とを含む。
【0013】
処理装置10は、例えばマイクロコンピュータにより形成される。処理装置10は、図示しないが、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)や、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、補助記憶装置等を備える。
【0014】
処理装置10は、メータ70の状態を制御するメータECU(Electronic Control Unit)を形成する。なお、メータECUは、CAN(Controller Area Network)などのバスを介して、車両内の各種の電子部品(ブレーキECU等)に電気的に接続される。
【0015】
記憶装置12は、書き換え可能な記憶装置であり、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)やフラッシュメモリであってよい。記憶装置12に記憶されるデータは、例えば、メータ70の制御に関する情報(例えば各種設定情報)や制御プログラム等を含んでよい。
【0016】
出力装置14は、メータ70に車両情報を出力する際に駆動される装置である。出力装置14は、例えば、指針を回転させるためのステッピングモータ(図示せず)や、メータ70の文字盤等を背後(ユーザから見て背後)から照明するLED(Light Emitting Diode)、各種インジケータを照明するLED等を含む。
【0017】
外部端子20は、外部装置90が電気的に接続可能な端子である。外部装置90は、記憶装置12内の情報を書き換え等するために、外部端子20に電気的に接続される。外部端子20は、コネクタの形態であってもよいし、後述のように基板上のランドの形態であってもよい。
【0018】
外部装置90は、記憶装置12内の情報を書き換え等するための装置である。外部装置90は、例えば車両の販売店(ディーラ)等に設けられる。外部装置90は、ツールのような携帯型の装置であってもよい。外部装置90は、外部端子20に接続可能な端子(図5の第1端子91から第4端子94参照)を有する。外部装置90は、外部端子20に他の中継装置を介して通信可能に接続されてもよい。
【0019】
図2は、メータ70の外観(ユーザ側から見た外観)の一例を示す図である。メータ70は、タコメータ71と、スピードメータ72と、燃料計73と、インジケータ表示部74とを含む。
【0020】
インジケータ表示部74には、各種の警告灯として機能するインジケータ741、742、743等が配置される。インジケータ741、742、743等は、背後に配置される発光素子(後述のLED)により照明されることで点灯する。なお、発光素子は、インジケータごとに設けられてよい。また、図示しないが、インジケータ741、742、743等のインジケータは、警告内容を表す意匠を有する。
【0021】
なお、メータ70におけるタコメータ71等の配置態様は任意であり、インジケータの数や種類も任意である。また、メータ70には、TFT(Thin Film Transistor)液晶等のディスプレイが搭載されてもよい。
【0022】
図3は、処理装置10と出力装置14及び外部端子20との間の配線の説明図である。図3に示す処理装置10及び配線は、基板(図示せず)上に実装及び形成される。なお、図3は、配線の接続態様の説明図であり、実際の基板上の配線設計を示すものではない。
【0023】
処理装置10は、図3に示すように、6つのポートP1~P6を含む。なお、処理装置10は、6つのポートP1~P6以外のポート(図示せず)を含む。すなわち、6つのポートP1~P6は、処理装置10が有するポートの一部である。
【0024】
ポートP1には、配線301を介して、LED141が電気的に接続される。LED141は、図1に示した出力装置14の一要素である。LED141は、陽極が抵抗R1を介してイグニッション電源200に電気的に接続され、陰極がトランジスタTR1を介して、ポートP1に電気的に接続される。イグニッション電源200は、イグニッションスイッチ(図示せず)がオンすると機能する電源である。トランジスタTR1には、配線301の他端(ポートP1側でない端部)が電気的に接続される。なお、トランジスタTR1には、並列でコンデンサC1が電気的に接続される。トランジスタTR1がオンすると、イグニッション電源200からグランドに電流が流れ、LED141がオンする(すなわち点灯する)。LED141は、例えばアイドリングストップシステムの警告用インジケータ(例えば、図2のインジケータ741)を照明する。
【0025】
ポートP2には、配線302を介して、LED142が電気的に接続される。LED142は、図1に示した出力装置14の一要素である。LED142は、陽極が抵抗R2を介してイグニッション電源200に電気的に接続され、陰極がトランジスタTR2を介して、ポートP2に電気的に接続される。LED142は、イグニッション電源200とグランドとの間に、LED141と並列に電気的に接続される。トランジスタTR2には、配線302の他端(ポートP2側でない端部)が電気的に接続される。なお、トランジスタTR2には、並列でコンデンサC2が電気的に接続される。トランジスタTR2がオンすると、イグニッション電源200からグランドに電流が流れ、LED142がオンする(すなわち点灯する)。LED142は、例えばエンジンチェック用インジケータ(例えば、図2のインジケータ742)を照明する。
【0026】
ポートP3には、配線303を介して、LED143が電気的に接続される。LED143は、図1に示した出力装置14の一要素である。LED143は、陽極がイグニッション電源200に電気的に接続され、陰極が抵抗R3及びトランジスタTR3を介して、ポートP3に電気的に接続される。LED143は、イグニッション電源200とグランドとの間に、LED141と並列に電気的に接続される。トランジスタTR3には、配線303の他端(ポートP3側でない端部)が電気的に接続される。なお、トランジスタTR3には、並列でコンデンサC3が電気的に接続される。トランジスタTR3がオンすると、イグニッション電源200からグランドに電流が流れ、LED143がオンする(すなわち点灯する)。LED143は、例えばトランスミッション(図示せず)の異常報知用のインジケータ(例えば、図2のインジケータ743)を照明する。
【0027】
ポートP4には、配線404を介して、後述の外部端子CL4が電気的に接続される。ポートP4は、後述の処理装置10の動作モードを切り替えるための信号(後述)が入力される。外部端子CL4は、図1に示した外部端子20の一要素である。外部端子CL4とポートP4との間には、抵抗R4の一端とコンデンサC4の一端とが電気的に接続される。抵抗R4の他端とコンデンサC4の他端は、ともにグランドに電気的に接続される。
【0028】
ポートP5及びポートP6には、グランドが電気的に接続される。
【0029】
配線301には、図3に示すように、配線401を介して外部端子(接点)CL1が電気的に接続される。配線401は、配線301から分岐する態様で形成される。外部端子CL1は、図1に示した外部端子20の一要素である。
【0030】
配線302には、図3に示すように、配線402を介して外部端子(接点)CL2が電気的に接続される。配線402は、配線302から分岐する態様で形成される。外部端子CL2は、図1に示した外部端子20の一要素である。
【0031】
配線303には、図3に示すように、配線403を介して外部端子(接点)CL3が電気的に接続される。配線403は、配線303から分岐する態様で形成される。外部端子CL3は、図1に示した外部端子20の一要素である。
【0032】
なお、図3においては、ポートP1~P3は、第1制御ポートの一例を形成し、ポートP4は、第2制御ポートの一例を形成し、配線301~303は、第1配線部の一例を形成し、配線401~配線404は、第2配線部の一例を形成する。
【0033】
図4は、処理装置10の動作モード(ポートP1~P6に係る動作モード)の説明図である。処理装置10の動作モードは、図4に示すように、通常モードM1(第1モードの一例)と、書き換えモードM2(第2モードの一例)とを含む。図5は、書き換えモードM2における接続状態の説明図である。なお、図5は、図3と同様、配線の接続態様の説明図であり、実際の基板上の配線設計を示すものではない。また、図5では、外部装置90が模式的に図示されている。なお、外部端子20が基板上のランドの形態である場合は、外部装置90は当該ランド上に載置されることで、外部端子20と外部装置90とが電気的に接続されることになる。
【0034】
通常モードM1では、処理装置10は、ポートP1~P3を用いてLED141~143を制御することで、車両情報を出力する。例えば、処理装置10は、所定のイベントが発生すると、ポートP1に、トランジスタTR1をオンさせる信号を出力する。この結果、LED141を点灯させることで、LED141に係るインジケータを介して、対応する車両情報を出力する。
【0035】
書き換えモードM2では、処理装置10は、ポートP1~P3を用いて記憶装置12内のデータを書き換える。なお、データの書き換えは、一部のデータの書き換えであるが、全データの書き換えであってもよい。例えば、データの書き換えは、設定情報の変更や、制御プログラムの修正等のために実行される。
【0036】
より具体的には、書き換えモードM2では、ポートP1~P3は、シリアル通信用のポートとして機能する。その際、ポートP1は、同期用のポートとして機能し、ポートP2は、入力用のポートとして機能し、ポートP3は、出力用のポートとして機能する。すなわち、外部端子CL1に外部装置90の第1端子91(図5参照)が電気的に接続されると、ポートP1を介して相互接続される処理装置10と外部装置90との間で、ポートP2及びP3を介した通信が可能となる(同期される)。また、外部端子CL2に外部装置90の第2端子92(図5参照)が電気的に接続されると、ポートP2を介して処理装置10に外部装置90から書き換え用のデータを入力できる状態となる。また、外部端子CL3に外部装置90の第3端子93(図5参照)が電気的に接続されると、ポートP3を介して処理装置10から外部装置90に情報(例えば書き換え完了通知等)を出力できる状態となる。
【0037】
通常モードM1と書き換えモードM2との間の遷移は、ポートP4の状態に応じて実現される。本実施例では、一例として、ポートP4の状態が“Lo(Low信号)”であるとき、通常モードM1が実現され、ポートP4の状態が“Hi(High信号)”であるとき、書き換えモードM2が実現される。外部端子CL4が開放されている状態(図3参照)では、コンデンサC4の両端電圧が0となり、ポートP4の状態が“Lo”となる。外部端子CL4に外部装置90の第4端子94(図5参照)が電気的に接続されかつ外部装置90から外部端子CL4にHigh信号が入力されると(配線404に、High信号に係る電流が流されると)、コンデンサC4の両端電圧が0よりも大きくなり、ポートP4の状態が“Hi”となる。このようにして、外部装置90は、ポートP4の状態を“Hi”に変更させることで、書き換えモードM2に移行させることができる。
【0038】
例えば、ディーラーの作業員は、外部装置90を外部端子20に電気的に接続し、例えば外部装置90のユーザインターフェース(図示せず)を介してプログラム書き換え指令ボタンを押す。これにより、外部端子CL4にHigh信号が入力されるとともに、書き換え用のプログラムが配線402を介して処理装置10に入力される。その結果、処理装置10は、書き換えモードM2で動作し、配線402を介して入力される書き換え用のプログラムに基づいて、記憶装置12内のデータを書き換える。
【0039】
図6は、処理装置10の動作モードの遷移方法の一例を示すフローチャートである。
【0040】
ステップS50では、処理装置10は、イグニッションスイッチがオフからオンになるイベント(以下、「IGオンイベント」と称する)が発生したか否かを判定する。IGオンイベントが発生すると、ステップS51に進み、それ以外の場合は、今回周期の処理は終了する。
【0041】
ステップS51では、処理装置10は、初期化処理の一要素として、ポートP4の状態をチェックする。
【0042】
ステップS52では、処理装置10は、ポートP4の状態が“Hi”であるか否かを判定する。ポートP4の状態が“Hi”である場合は、ステップS53に進み、それ以外の場合は、ステップS54に進む。
【0043】
ステップS53では、処理装置10は、書き換えモードM2で動作する。
【0044】
ステップS54では、処理装置10は、通常モードM1で動作する。
【0045】
図6に示す処理によれば、IGオンイベントが発生すると、処理装置10は、以後、イグニッションスイッチがオフされるまでの間、IGオンイベントの際のポートP4の状態に応じて、通常モードM1又は書き換えモードM2のいずれかで選択的に動作する。
【0046】
なお、動作モードの変更の契機は、IGオンイベントの発生の際が好適であるが、他のタイミングであってもよい。
【0047】
図7は、基板60上における処理装置10と外部端子20等との位置関係の一例を示す図である。図7には、基板60が平面視で示され、基板60の表面に沿った2方向(X,Y方向)が示される。なお、基板60は、例えば多層配線基板である。
【0048】
車両情報出力装置1の処理装置10、記憶装置12、出力装置14、外部端子20、及び各種配線(配線301~303、401~404)等は、基板60上に実装又は形成される。なお、図7では、車両情報出力装置1の記憶装置12の図示や、説明されない実装部品(例えばLED141~143以外のLED等)の図示は省略されている。また、図7では、配線301~303及び401~404の図示は、省略されている。配線301~303及び401~404は、例えば基板60の内層に形成され、スルーホール等を介して、表面実装されたLED141~143や外部端子CL1~CL4に電気的に接続されてよい。あるいは、配線301~303及び401~404は、基板60の表面に形成されてもよい。あるいは、配線301~303及び401~404は、一部が基板60の内層に形成され、他の部分が基板60の表面に形成されてもよい。
【0049】
処理装置10は、図7に示すように、平面視で矩形のチップの形態である。処理装置10は、X方向(第1方向の一例)のX1側(第1側の一例)にポートP1~P3、及びポートP4を有する。
【0050】
外部端子20は、図7に示すように、好ましくは、基板60における処理装置10のX1側(ポートP1~P3の側)に形成される。すなわち、外部端子20は、基板60において、処理装置10に対してX方向のX1側に形成される。これにより、外部端子20が基板60における処理装置10のX2側(ポートP1~P3の側とは逆側)に形成される場合に比べて、処理装置10と外部端子20との間の配線設計(レイアウト)が容易となる。なお、図7では、外部端子20の配置領域は、処理装置10の配置領域に対してY方向で重なる関係である。この場合、処理装置10と外部端子20との間の配線長さを短くできる。
【0051】
本実施例によれば、上述のように、処理装置10のポートP1~P3を、車両情報の出力用と、記憶装置12内のデータの書き換え用とで共通に利用できる。これにより、処理装置10のポートP1~P3を車両情報の出力の専用としかつ記憶装置12内のデータの書き換え用に新たなポートを利用する場合に比べて、処理装置10の各ポートを効率的に利用できる。
【0052】
特に、記憶装置12内のデータの書き換えは、ディーラー等で行われ、通常の車両の使用中に実行されるものではない。従って、書き換えモードM2において、車両情報が出力されないことによる不都合は実質的に生じない。すなわち、書き換えモードM2は、通常の車両の使用中に形成されるモードではないので、処理装置10のポートP1~P3が、一時的に、記憶装置12内のデータの書き換え用として利用される場合でも、車両情報が出力されないことによる不都合は実質的に生じない。このようにして、本実施例によれば、車両情報の出力による有用性を阻害しない態様で、処理装置10のポートP1~P3の共用が実現されている。
【0053】
ところで、処理装置10が備えるポートは、上述のようなインジケータを照明するためのポートP1~P3の他、指針駆動用ポートや、バックライト用ポート等を含む。指針駆動用ポートは、タコメータ71の指針711(図2参照)や、スピードメータ72の指針721、燃料計73の指針731等の指針の駆動用のポートである。なお、ステッピングモータ(図示せず)は、指針711、721、731ごとに設けられ、指針711、721、731の位置を変化させることで車両情報を出力する。バックライト用ポートは、メータ70の文字盤等を背後(ユーザから見て背後)から照明するLED用ポートである。
【0054】
従って、書き換えモードM2で使用するポート(共用化対象のポート)は、ポートP1~P3に限られず、指針駆動用ポートやバックライト用ポートであってもよい。
【0055】
ただし、指針駆動用ポートではなく、インジケータを照明するためのポートP1~P3を共用化対象のポートとすることで、指針駆動用ポートを共用化対象のポートとすることで生じうる不都合、例えば、書き換えモードM2での利用がその後の通常モードM1での指針の動きに有意な影響を与えうる不都合、を回避できる。なお、インジケータの照明は、指針の動きほど厳しい要求がなく、書き換えモードM2での利用がその後の通常モードM1におけるインジケータの点灯態様に有意な影響を与えることはない。
【0056】
以上、各実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、前述した実施例の構成要素を全部又は複数を組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0057】
1 車両情報出力装置
10 処理装置
12 記憶装置
14 出力装置
20 外部端子
60 基板
70 メータ
71 タコメータ
72 スピードメータ
73 燃料計
74 インジケータ表示部
90 外部装置
200 イグニッション電源
301 配線
302 配線
303 配線
401 配線
402 配線
403 配線
404 配線
711 指針
712 指針
713 指針
741 インジケータ
742 インジケータ
743 インジケータ
C1 コンデンサ
C2 コンデンサ
C3 コンデンサ
C4 コンデンサ
CL1 外部端子
CL2 外部端子
CL3 外部端子
CL4 外部端子
P1 ポート
P2 ポート
P3 ポート
P4 ポート
P5 ポート
P6 ポート
R1 抵抗
R2 抵抗
R3 抵抗
R4 抵抗
TR1 トランジスタ
TR2 トランジスタ
TR3 トランジスタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7