(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-14
(45)【発行日】2022-03-23
(54)【発明の名称】表示制御装置、車両用表示装置、表示制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G09G 5/00 20060101AFI20220315BHJP
B60K 35/00 20060101ALI20220315BHJP
B60R 11/02 20060101ALI20220315BHJP
【FI】
G09G5/00 510V
B60K35/00 Z
B60R11/02 C
G09G5/00 510G
G09G5/00 510X
(21)【出願番号】P 2018073904
(22)【出願日】2018-04-06
【審査請求日】2020-08-31
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小室 友暢
【審査官】武田 悟
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-20020(JP,A)
【文献】特開2012-169948(JP,A)
【文献】特開2011-54108(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0293502(US,A1)
【文献】国際公開第2016/133159(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 5/00 - 5/42
B60K 11/02 , 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に関する情報を取得する車両情報取得部と、
前記車両情報取得部が取得した前記情報を含む映像を、複数の表示部に対してそれぞれ生成して表示させる制御をする表示制御部と、
前記複数の表示部を視認者に対して可動させる駆動機構を制御する駆動機構制御部と、
を備え、
前記表示制御部は、前記駆動機構制御部が前記表示部を視認者に対して可動させる制御を実行するとき、前記複数の表示部に対してフレームレートをそれぞれ調整した映像を生成して表示させる、
ことを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、視認者と向かい合う位置に配置される前記表示部に表示させる前記映像のフレームレートを、他の前記表示部に表示させる前記映像のフレームレートより高くする、
請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記駆動機構制御部が前記表示部を視認者に対して可動させる制御を実行するとき、前記表示部の位置の変化に応じて、前記映像のフレームレートを変化させる、
請求項1または2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記駆動機構制御部が視認者と向かい合う前記表示部の切り替え中ではないとき、前記情報と、前記情報以外であってナビゲーション情報またはオーディオ情報の
どちらかである付加情報とを含む映像を表示させ、前記駆動機構制御部が視認者と向かい合う前記表示部の切り替え中であるとき、前記付加情報を含まず前記情報を含む映像を表示させる、
請求項1から3のいずれか一項に記載の表示制御装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の表示制御装置と、
複数の前記表示部と前記駆動機構との少なくともどちらかと、
を備えることを特徴とする車両用表示装置。
【請求項6】
車両に関する情報を取得する車両情報取得ステップと、
前記車両情報取得ステップによって取得した前記情報を含む映像を、複数の表示部に対してそれぞれ生成して表示させる制御をする表示制御ステップと、
前記複数の表示部を視認者に対して可動させる駆動機構を制御する駆動機構制御ステップと、
を含み、
前記表示制御ステップは、前記駆動機構制御ステップによって、前記表示部を視認者に対して可動させる制御が実行されるとき、前記複数の表示部に対してフレームレートをそれぞれ調整した映像を生成して表示させる、
表示制御方法。
【請求項7】
車両に関する情報を取得する車両情報取得ステップと、
前記車両情報取得ステップによって取得した前記情報を含む映像を、複数の表示部に対してそれぞれ生成して表示させる制御をする表示制御ステップと、
前記複数の表示部を視認者に対して可動させる駆動機構を制御する駆動機構制御ステップと、
を含み、
前記表示制御ステップは、前記駆動機構制御ステップによって、前記表示部を視認者に対して可動させる制御が実行されるとき、前記複数の表示部に対してフレームレートをそれぞれ調整した映像を生成して表示させる、
ことを表示制御装置として動作するコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置、車両用表示装置、表示制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、車両を含む移動体のインストルメントパネルに搭載する表示装置は、例えば、速度またはエンジン回転数のような、移動体の操縦に要する車両状態情報に加えて、例えば、ナビゲーション情報またはオーディオ情報の少なくともどちらかを含む付加情報を表示する。このような表示装置では、1つのCPU(Central Processing Unit)が、表示に関する映像データを集中して生成して、表示させる。これにより、CPUの負担が過大になるおそれがある。CPUの負担が過大になると、表示の安定性が損なわれるおそれがある。また、表示の安定性が損なわれて車両状態情報が表示されなくなると、移動体の高い安全性を損なうおそれがある。
【0003】
移動体に搭載される表示システムについて、複数のプロセッサが分担して映像データを生成することで、CPUの負担を軽減する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、複数のプロセッサで処理を分担すると、プロセッサの数に応じてコストが増大する。そこで、プロセッサの数を増やすことなく、CPUの負担を軽減して、表示を安定させることと、移動体の安全性をより高めることが望まれる。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであってCPUの負担を軽減して、表示を安定させることと、移動体の安全性をより高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る表示制御装置は、車両に関する情報を取得する車両情報取得部と、前記車両情報取得部が取得した前記情報を含む映像を、複数の表示部に対してそれぞれ生成して表示させる制御をする表示制御部と、前記複数の表示部を視認者に対して可動させる駆動機構を制御する駆動機構制御部と、を備え、前記表示制御部は、前記駆動機構制御部が前記表示部を視認者に対して可動させる制御を実行するとき、前記複数の表示部に対してフレームレートをそれぞれ調整した映像を生成して表示させることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る車両用表示装置は、上記の表示制御装置と、複数の前記表示部と前記駆動機構との少なくともどちらかと、を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る表示制御方法は、車両に関する情報を取得する車両情報取得ステップと、前記車両情報取得ステップによって取得した前記情報を含む映像を、複数の表示部に対してそれぞれ生成して表示させる制御をする表示制御ステップと、前記複数の表示部を視認者に対して可動させる駆動機構を制御する駆動機構制御ステップと、を含み、前記表示制御ステップは、前記駆動機構制御ステップによって、前記表示部を視認者に対して可動させる制御が実行されるとき、前記複数の表示部に対してフレームレートをそれぞれ調整した映像を生成して表示させる。
【0010】
本発明に係るプログラムは、車両に関する情報を取得する車両情報取得ステップと、前記車両情報取得ステップによって取得した前記情報を含む映像を、複数の表示部に対してそれぞれ生成して表示させる制御をする表示制御ステップと、前記複数の表示部を視認者に対して可動させる駆動機構を制御する駆動機構制御ステップと、を含み、前記表示制御ステップは、前記駆動機構制御ステップによって、前記表示部を視認者に対して可動させる制御が実行されるとき、前記複数の表示部に対してフレームレートをそれぞれ調整した映像を生成して表示させることを表示制御装置として動作するコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、CPUの負担を軽減して、表示を安定させることと、移動体の安全性をより高めることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、第一実施形態に係る車両用表示装置の構成例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、第一実施形態に係る車両用表示装置の表示部ユニットの開状態を説明する概略図である。
【
図3】
図3は、第一実施形態に係る車両用表示装置の表示部ユニットの閉状態を説明する概略図である。
【
図4】
図4は、第一実施形態に係る車両用表示装置の表示部ユニットの開閉途中の状態を説明する概略図である。
【
図5】
図5は、表示部ユニットの開閉状態ごとの第一表示部と第二表示部とのフレームレートの一例を説明する図である。
【
図6】
図6は、第一実施形態に係る車両用表示装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、CPU使用率比の一例を説明する図である。
【
図8】
図8は、第二実施形態に係る第一表示部と第二表示部とのフレームレートの一例を説明する図である。
【
図9】
図9は、第二実施形態に係る第一表示部と第二表示部とのフレームレートの他の例を説明する図である。
【
図10】
図10は、第三実施形態に係る車両用表示装置の表示部ユニットの開閉途中の状態を説明する概略図である。
【
図11】
図11は、第三実施形態に係る車両用表示装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る制御部(表示制御装置)40、車両用表示装置1、表示制御方法およびプログラムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0014】
以下の説明においては、車両用表示装置1を車両の運転席の前方に搭載した状態で各方向を定義する。前後方向とは、車両直進時の進行方向と平行な方向であり、運転席側に向かう方向を前後方向の「前」、前方ウインドシールド側に向かう方向を前後方向「後」とする。前後方向を、X軸方向とする。左右方向とは、前後方向に対して水平に直交する方向である。運転席側から見て、左手側が「左」、右手側が「右」である。左右方向を、Y軸方向とする。上下方向とは、前後方向および左右方向に対して直交する方向である。上下方向を、Z軸方向とする。したがって、前後方向、左右方向および上下方向は、3次元で直交する。
【0015】
[第一実施形態]
図1は、第一実施形態に係る車両用表示装置の構成例を示すブロック図である。車両用表示装置1は、インストルメントパネルに搭載される。車両用表示装置1は、例えば、車両の速度またはエンジン回転数のような、車両の運転に要する車両状態情報(情報)に加えて、例えば、ナビゲーション情報またはオーディオ情報
の少なくともどちらかを含む付加情報を表示する。本実施形態では、車両用表示装置1は、車両状態情報を表示するものとして説明する。
【0016】
車両用表示装置1は、表示部ユニット20と、開閉駆動機構(駆動機構)30と、制御部(表示制御装置)40とを有する。
【0017】
図2ないし
図4を用いて、表示部ユニット20について説明する。表示部ユニット20は、車両状態情報を表示する。
図2は、第一実施形態に係る車両用表示装置の表示部ユニットの開状態を説明する概略図である。
図3は、第一実施形態に係る車両用表示装置の表示部ユニットの閉状態を説明する概略図である。
図4は、第一実施形態に係る車両用表示装置の表示部ユニットの開閉途中の状態を説明する概略図である。表示部ユニット20は、複数の表示部と、複数の表示部をそれぞれ制御する複数の制御部とを有する。表示部ユニット20は、
図2ないし
図4に示すように、使用態様に応じて開閉可能である。
【0018】
使用態様とは、表示部ユニット20が有する複数の表示部のうち、どの表示部を視認者である運転者に正対させた状態で使用するかである。使用態様は、例えば、車両の通常走行モードまたは高速走行モードまたはレーシングモードを含む車両の走行モードに対応付けられている。本実施形態では、車両の通常走行モードと、高速走行モードまたはレーシングモードとでは、異なる使用態様になる。使用態様は、運転者が車両の走行モードを変更する操作を行うことで変更される。または、使用態様は、ユーザの操作によって任意に設定されてもよい。
【0019】
図1に戻って、本実施形態では、表示部ユニット20は、2つの表示部と、2つの表示部をそれぞれ制御する2つの制御部とを有する。より詳しくは、表示部ユニット20は、第一表示部(表示部)21と、第一表示部21を制御する制御部22と、第二表示部(表示部)23と、第二表示部23を制御する制御部24と、第一表示部21と制御部22と第二表示部23と制御部24とが組み付けられた筐体29とを有する。以下の説明において、第一表示部21と第二表示部23との区別を要しないとき、「表示部」という。
【0020】
第一表示部21は、車両状態情報を映像によって確認するためのモニタ211と、バックライト212とを有する。
【0021】
モニタ211は、車両の通常走行モードに対応付けられた使用態様において使用される。言い換えると、モニタ211は、通常走行モード時に、運転者に正対させた状態で使用される。モニタ211が運転者に正対した状態を、表示部ユニット20の開状態という。モニタ211は、筐体29の外周の少なくとも一部に配置されている。モニタ211は、横長の矩形状に形成されている。モニタ211は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)などを含むディスプレイである。モニタ211は、映像信号に基づいて制御部22のモニタ制御部221によって各画素の光の透過率が制御されることで映像を表示する。本実施形態では、
図2、
図4に示すように、モニタ211は、速度情報を示す映像101と、エンジン回転数を示す映像102とを表示する。
【0022】
バックライト212は、点灯と消灯とを切り替え可能である。バックライト212が点灯されると、モニタ211に表示された映像が視認可能になる。バックライト212が消灯されると、モニタ211に表示された映像が視認不可能になる。バックライト212は、制御部22のバックライト制御部222から出力された駆動信号に基づいて点灯と消灯とが切り替えられる。
【0023】
制御部22は、例えば、CPUなどで構成された演算処理装置である。制御部22は、モニタ制御部221と、バックライト制御部222とを有する。モニタ制御部221は、モニタ211に対して、制御部40の第一表示制御部431から出力された映像信号に基づいてモニタ211の各画素の光の透過率を制御することにより映像を表示させる制御を行う。バックライト制御部222は、制御部40の第一表示制御部431から出力された制御信号に基づいてバックライト212の駆動信号を生成し、バックライト212の点灯と消灯とを切り替えるタイミングの制御およびバックライト212に流れる電流値の制御を行う。
【0024】
第二表示部23は、車両状態情報を映像によって確認するためのモニタ231と、バックライト232とを有する。
【0025】
モニタ231は、高速走行モードまたはレーシングモードに対応付けられた使用態様において使用される。言い換えると、モニタ231は、高速走行モード時またはレーシングモード時に、運転者に正対させた状態で使用される。モニタ231が運転者に正対した状態を、表示部ユニット20の閉状態という。モニタ231は、筐体29の外周の少なくとも一部であって、モニタ211とは異なる位置に配置されている。本実施形態では、モニタ231は、モニタ211と直交する平面内に配置されている。モニタ231は、横長の矩形状に形成されている。モニタ231は、表示面の面積がモニタ211の表示面の面積より狭い。モニタ231は、例えば、液晶ディスプレイなどを含むディスプレイである。モニタ231は、映像信号に基づいて制御部24のモニタ制御部241によって各画素の光の透過率が制御されることで映像を表示する。本実施形態では、
図3、
図4に示すように、モニタ231は、速度情報を示す映像111と、エンジン回転数を示す映像112とを表示する。モニタ231に表示された速度情報を示す映像111は、モニタ211に表示された速度情報を示す映像101より表示面積が小さい。モニタ231に表示されたエンジン回転数を示す映像112は、モニタ211に表示されたエンジン回転数を示す映像102より表示面積が小さい。
【0026】
バックライト232は、点灯と消灯とを切り替え可能である。バックライト232が点灯されると、モニタ231に表示された映像が視認可能になる。バックライト232が消灯されると、モニタ231に表示された映像が視認不可能になる。バックライト232は、制御部24のバックライト制御部242から出力された駆動信号に基づいて点灯と消灯とが切り替えられる。
【0027】
制御部24は、例えば、CPUなどで構成された演算処理装置である。制御部24は、モニタ制御部241と、バックライト制御部242とを有する。モニタ制御部241は、モニタ231に対して、制御部40の第二表示制御部432から出力された映像信号に基づいてモニタ231の各画素の光の透過率を制御することにより映像を表示させる制御を行う。バックライト制御部242は、制御部40の第二表示制御部432から出力された制御信号に基づいてバックライト232の駆動信号を生成し、バックライト232の点灯と消灯とを切り替えるタイミングの制御およびバックライト232に流れる電流値の制御を行う。
【0028】
筐体29は、少なくとも第一表示部21と第二表示部23とが配置される位置が開口した箱型に形成されている。筐体29は、内部に制御部22と制御部24とが配置されている。筐体29と第一表示部21と第二表示部23とによって、表示部ユニット20の外形が規定される。
【0029】
開閉駆動機構30は、表示部ユニット20を開閉する駆動機構である。開閉駆動機構30は、筐体29をY軸方向と平行な軸を中心に回動させて、表示部ユニット20を開閉させる。開閉駆動機構30は、表示部ユニット20を開状態にするとき、
図3に示す状態から、
図4に示すように筐体29の前部を後上側に起立させるように回動させて、
図2に示すようにモニタ211を運転者に正対させる。開閉駆動機構30は、表示部ユニット20を閉状態にするとき、
図2に示す状態から、
図4に示すように筐体29の上部を前下側に傾倒させるように回動させて、
図3に示すようにモニタ231を運転者に正対させる。開閉駆動機構30は、制御部40の駆動機構制御部41から出力された制御信号に基づいて駆動と駆動停止とが制御される。
【0030】
制御部40は、表示部ユニット20と開閉駆動機構30とを制御して、使用態様に応じて表示部ユニット20を開閉したり、表示部ユニット20に映像を表示させたりする。制御部40は、例えば、CPUなどで構成された演算処理装置である。制御部40は、駆動機構制御部41と、車両情報取得部42と、表示制御部43とを有する。制御部40は、図示しない記憶部に記憶されているプログラムをメモリにロードして、プログラムに含まれる命令を実行する。制御部40には図示しない内部メモリが含まれ、内部メモリは制御部40におけるデータの一時記憶などに用いられる。
【0031】
駆動機構制御部41は、開閉駆動機構30に対して、使用態様情報に応じて、視認者と向かい合う表示部を切り替える動作をするように制御をする。駆動機構制御部41は、車両から使用態様情報を取得する。
【0032】
使用態様情報は、運転者が車両の走行モードを変更する操作を行うと、車両によって生成される。または、使用態様情報は、ユーザが使用態様を変更する操作を行うと、車両によって生成される。車両によって生成された使用態様情報は、使用態様が変化したとき、車両からCAN(Controller Area Network)、または、ECU(Engine Control Unit)を介して取得される。
【0033】
車両情報取得部42は、車両の速度とエンジン回転数との少なくともどちらかの車両状態情報を算出可能な車両情報を取得して、車両状態情報を算出する。車両情報取得部42は、車両情報を、CAN、ECU、または、車両の状態をセンシングする各種センサなどから取得する。車両情報取得部42は、算出した車両状態情報を表示制御部43に出力する。
【0034】
表示制御部43は、車両情報取得部42が算出した車両状態情報を含む映像を、複数の表示部に対してそれぞれ生成して表示させる。表示制御部43は、駆動機構制御部41によって、視認者と向かい合う表示部を切り替える制御が実行されるとき、使用態様に応じて、複数の表示部に対してフレームレートをそれぞれ調整した映像を生成して表示させる。本実施形態では、表示制御部43は、視認者と向かい合う位置に配置される表示部に表示させる映像のフレームレートを、他の表示部に表示させる映像のフレームレートより高くする。表示制御部43は、複数の表示部を制御する、複数の表示制御部を有する。本実施形態では、表示制御部43は、第一表示部21を制御する第一表示制御部431と、第二表示部23を制御する第二表示制御部432とを有する。
【0035】
第一表示制御部431は、第一表示部21に表示させる映像を生成して、第一表示部21に表示させる。第一表示制御部431は、車両情報取得部42が算出した車両状態情報に基づいて、第一表示部21に表示させる映像として、速度情報を示す映像101と、エンジン回転数を示す映像102とを生成して、第一表示部21に表示させる。速度情報を示す映像101は、速度の数値を表示する映像である。エンジン回転数を示す映像102は、エンジン回転数をタコメータの形式で表示する映像である。
【0036】
第一表示制御部431は、使用態様ごとに設定されたフレームレートで、第一表示部21に表示させる映像を生成する。より詳しくは、第一表示制御部431は、通常走行モードに対応付けられた使用態様であると、第一表示部21に表示させる映像のフレームレートが、第二表示部23に表示させる映像のフレームレートより高くなるように調整して、映像を生成する。第一表示制御部431は、高速走行モードまたはレーシングモードに対応付けられた使用態様であると、第一表示部21に表示させる映像のフレームレートが、第二表示部23に表示させる映像のフレームレートより低くなるように調整して、映像を生成する。第一表示制御部431は、使用態様を変更している間、言い換えると、表示部ユニット20が開閉途中の状態であると、第一表示部21に表示させる映像のフレームレートを、高速走行モードまたはレーシングモードに対応付けられた使用態様の映像のフレームレートより高く、通常走行モードに対応付けられた使用態様の映像のフレームレートより低くなるように中間のフレームレートに調整して、映像を生成する。そして、第一表示制御部431は、制御部22のモニタ制御部221に生成した映像の映像信号を出力する。
【0037】
第一表示制御部431は、表示部ユニット20の開閉状態に応じて、バックライト212の点灯と消灯とを切り替える制御信号を制御部22のバックライト制御部222に出力する。より詳しくは、第一表示制御部431は、表示部ユニット20が開状態または開閉途中の状態であるとき、制御部22のバックライト制御部222にバックライト212を点灯させる制御信号を出力する。第一表示制御部431は、表示部ユニット20が閉状態であるとき、制御部22のバックライト制御部222にバックライト212を消灯させる制御信号を出力する。
【0038】
第二表示制御部432は、第二表示部23に表示させる映像を生成して、第二表示部23に表示させる。第二表示制御部432は、車両情報取得部42が算出した車両状態情報に基づいて、第二表示部23に表示させる映像として、速度情報を示す映像111と、エンジン回転数を示す映像112とを生成して、第二表示部23に表示させる。
【0039】
第二表示制御部432は、使用態様ごとに設定されたフレームレートで、第二表示部23に表示させる映像を生成する。より詳しくは、第二表示制御部432は、高速走行モードまたはレーシングモードに対応付けられた使用態様であると、第二表示部23に表示させる映像のフレームレートが、第一表示部21に表示させる映像のフレームレートより高くなるように調整して、映像を生成する。第二表示制御部432は、通常走行モードに対応付けられた使用態様であると、第二表示部23に表示させる映像のフレームレートが、第一表示部21に表示させる映像のフレームレートより低くなるように調整して、映像を生成する。第二表示制御部432は、使用態様を変更している間、言い換えると、表示部ユニット20が開閉途中の状態であると、第二表示部23に表示させる映像のフレームレートを、通常走行モードに対応付けられた使用態様の映像のフレームレートより高く、高速走行モードまたはレーシングモードに対応付けられた使用態様の映像のフレームレートより低くなるように中間のフレームレートに調整して、映像を生成する。本実施形態では、使用態様を変更している間、第二表示部23に表示させる映像のフレームレートと第一表示部21に表示させる映像のフレームレートとは同じとする。そして、第二表示制御部432は、制御部22のモニタ制御部241に生成した映像の映像信号を出力する。
【0040】
第二表示制御部432は、表示部ユニット20の開閉状態に応じて、バックライト232の点灯と消灯とを切り替える制御信号を制御部22のバックライト制御部242に出力する。より詳しくは、第二表示制御部432は、表示部ユニット20が閉状態または開閉途中の状態であるとき、制御部24のバックライト制御部242にバックライト232を点灯させる制御信号を出力する。第二表示制御部432は、表示部ユニット20が開状態であるとき、制御部24のバックライト制御部242にバックライト232を消灯させる制御信号を出力する。
【0041】
図5を用いて、使用態様ごとに設定されたフレームレートについて説明する。
図5は、表示部ユニットの開閉状態ごとの第一表示部と第二表示部とのフレームレートの一例を説明する図である。表示部ユニット20が開状態、言い換えると、表示部ユニット20のオープン時、第一表示部21に表示させる映像のフレームレートを60(fps)、第二表示部23に表示させる映像のフレームレートを10(fps)とする。表示部ユニット20が閉状態、言い換えると、表示部ユニット20のクローズ時、第一表示部21に表示させる映像のフレームレートを10(fps)、第二表示部23に表示させる映像のフレームレートを60(fps)とする。表示部ユニット20が開閉途中の状態、言い換えると、表示部ユニット20のオープンとクローズの間、第一表示部21に表示させる映像のフレームレートを40(fps)、第二表示部23に表示させる映像のフレームレートを40(fps)とする。
【0042】
次に、
図6を用いて、制御部40における処理の流れについて説明する。
図6は、第一実施形態に係る車両用表示装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【0043】
図6に示す処理の前提として、車両用表示装置1の起動中、駆動機構制御部41は、使用態様情報を取得している。車両用表示装置1の起動中、車両情報取得部42は、車両情報を取得して、車両状態情報を算出している。
【0044】
制御部40は、使用態様情報が変化したかを判定する(ステップS101)。制御部40は、駆動機構制御部41が取得した使用態様情報が直前に取得した使用態様情報から変化している場合(ステップS101でYes)、ステップS102に進む。制御部40は、駆動機構制御部41が取得した使用態様情報が直前に取得した使用態様情報と同じである場合(ステップS101でNo)、ステップS101の処理を再度実行する。
【0045】
制御部40は、表示部ユニット20は閉状態から開状態にされるかを判定する(ステップS102)。制御部40は、使用態様情報に基づいて、高速走行モードまたはレーシングモードに対応付けられた使用態様から、通常走行モードに対応付けられた使用態様に変更される場合、表示部ユニット20は閉状態から開状態にされると判定して(ステップS102でYes)、ステップS103に進む。制御部40は、使用態様情報に基づいて、通常走行モードに対応付けられた使用態様から、高速走行モードまたはレーシングモードに対応付けられた使用態様に変更される場合、表示部ユニット20は閉状態から開状態にされないと判定して(ステップS102でNo)、ステップS111に進む。ステップS102でNoと判定されるとき、表示部ユニット20は開状態から閉状態にされる。
【0046】
制御部40は、駆動機構制御部41によって、開閉駆動機構30を介して表示部ユニット20を開く(ステップS103)。制御部40は、ステップS104に進む。
【0047】
制御部40は、第一表示制御部431によって、第一表示部21に表示させる映像のフレームレートを現在のフレームレートより高い中間のフレームレートにする(ステップS104)。より詳しくは、制御部40は、第一表示制御部431によって、第一表示部21に表示させる映像のフレームレートを開閉途中の状態のフレームレートに調整した映像を生成して表示させる。本実施形態では、第一表示部21に表示させる映像のフレームレートを40とする。制御部40は、ステップS105に進む。
【0048】
制御部40は、第一表示制御部431によって、第一表示部21のバックライト212を点灯させる(ステップS105)。これにより、表示部ユニット20が開閉途中の状態においては、第一表示部21のバックライト212と第二表示部23のバックライト232とが点灯する。制御部40は、ステップS106に進む。
【0049】
制御部40は、第二表示制御部432によって、第二表示部23に表示させる映像のフレームレートを現在のフレームレートより低い中間のフレームレートにする(ステップS106)。より詳しくは、制御部40は、第二表示制御部432によって、第二表示部23に表示させる映像のフレームレートを、開閉途中の状態のフレームレートに調整した映像を生成して表示させる。本実施形態では、第二表示部23に表示させる映像のフレームレートを40とする。制御部40は、ステップS107に進む。
【0050】
制御部40は、表示部ユニット20が開状態になったかを判定する(ステップS107)。より詳しくは、制御部40は、表示部ユニット20が開状態になった場合(ステップS107でYes)、ステップS108に進む。制御部40は、表示部ユニット20が開状態になっていない場合(ステップS107でNo)、ステップS107の処理を再度実行する。表示部ユニット20が開状態になっていない場合、表示部ユニット20は、開閉途中の状態である。
【0051】
制御部40は、第二表示制御部432によって、第二表示部23のバックライト232を消灯させる(ステップS108)。これにより、表示部ユニット20が開状態のとき、第一表示部21のバックライト212のみが点灯する。制御部40は、ステップS109に進む。
【0052】
制御部40は、第一表示制御部431によって、第一表示部21に表示させる映像のフレームレートを高くする(ステップS109)。より詳しくは、制御部40は、第一表示制御部431によって、第一表示部21に表示させる映像のフレームレートが、第二表示部23に表示させる映像のフレームレートより高くなるように調整した映像を生成して表示させる。制御部40は、第一表示制御部431によって、第一表示部21に表示させる映像のフレームレートを、開状態のフレームレートに調整した映像を生成して表示させる。本実施形態では、第一表示部21に表示させる映像のフレームレートを60とする。制御部40は、ステップS110に進む。
【0053】
制御部40は、第二表示制御部432によって、第二表示部23に表示させる映像のフレームレートを低くする(ステップS110)。より詳しくは、制御部40は、第二表示制御部432によって、第二表示部23に表示させる映像のフレームレートが、第一表示部21に表示させる映像のフレームレートより低くなるように調整した映像を生成して表示させる。制御部40は、第二表示制御部432によって、第二表示部23に表示させる映像のフレームレートを、開状態のフレームレートに調整した映像を生成して表示させる。本実施形態では、第二表示部23に表示させる映像のフレームレートを10とする。制御部40は、処理を終了する。
【0054】
一方、ステップS102でNoと判定されるとき、制御部40は、駆動機構制御部41によって、開閉駆動機構30を介して表示部ユニット20を閉じる(ステップS111)。制御部40は、ステップS112に進む。
【0055】
制御部40は、第二表示制御部432によって、第二表示部23に表示させる映像のフレームレートを現在のフレームレートより高い中間のフレームレートにする(ステップS112)。より詳しくは、制御部40は、第二表示制御部432によって、第二表示部23に表示させる映像のフレームレートを、開閉途中の状態のフレームレートに調整した映像を生成して表示させる。本実施形態では、第二表示部23に表示させる映像のフレームレートを40とする。制御部40は、ステップS113に進む。
【0056】
制御部40は、第二表示制御部432によって、第二表示部23のバックライト232を点灯させる(ステップS113)。これにより、表示部ユニット20が開閉途中の状態においては、第一表示部21のバックライト212と第二表示部23のバックライト232とが点灯する。制御部40は、ステップS114に進む。
【0057】
制御部40は、第一表示制御部431によって、第一表示部21に表示させる映像のフレームレートを現在のフレームレートより低い中間のフレームレートにする(ステップS114)。より詳しくは、制御部40は、第一表示制御部431によって、第一表示部21に表示させる映像のフレームレートを開閉途中の状態のフレームレートに調整した映像を生成して表示させる。本実施形態では、第一表示部21に表示させる映像のフレームレートを40とする。制御部40は、ステップS115に進む。
【0058】
制御部40は、表示部ユニット20が閉状態になったかを判定する(ステップS115)。より詳しくは、制御部40は、表示部ユニット20が閉状態になった場合(ステップS115でYes)、ステップS116に進む。制御部40は、表示部ユニット20が閉状態になっていない場合(ステップS115でNo)、ステップS115の処理を再度実行する。表示部ユニット20が閉状態になっていない場合、表示部ユニット20は、開閉途中の状態である。
【0059】
制御部40は、第一表示制御部431によって、第一表示部21のバックライト212を消灯させる(ステップS116)。これにより、表示部ユニット20が閉状態のとき、第二表示部23のバックライト232のみが点灯する。制御部40は、ステップS117に進む。
【0060】
制御部40は、第二表示制御部432によって、第二表示部23に表示させる映像のフレームレートを高くする(ステップS117)。より詳しくは、制御部40は、第二表示制御部432によって、第二表示部23に表示させる映像のフレームレートが、第一表示部21に表示させる映像のフレームレートより高くなるように調整した映像を生成して表示させる。制御部40は、第二表示制御部432によって、第二表示部23に表示させる映像のフレームレートを、閉状態のフレームレートに調整した映像を生成して表示させる。本実施形態では、第二表示部23に表示させる映像のフレームレートを60とする。制御部40は、ステップS118に進む。
【0061】
制御部40は、第一表示制御部431によって、第一表示部21に表示させる映像のフレームレートを低くする(ステップS118)。より詳しくは、制御部40は、第一表示制御部431によって、第一表示部21に表示させる映像のフレームレートが、第二表示部23に表示させる映像のフレームレートより低くなるように調整した映像を生成して表示させる。制御部40は、第一表示制御部431によって、第一表示部21に表示させる映像のフレームレートを、閉状態のフレームレートに調整した映像を生成して表示させる。本実施形態では、第一表示部21に表示させる映像のフレームレートを10とする。制御部40は、処理を終了する。
【0062】
このようにして、制御部40は、表示部ユニット20が通常走行モードに対応付けられた使用態様のとき、第一表示部21に表示させる映像のフレームレートを高く、第二表示部23に表示させる映像のフレームレートを低くする。また、制御部40は、高速走行モードまたはレーシングモードに対応付けられた使用態様のとき、第二表示部23に表示させる映像のフレームレートを高く、第一表示部21に表示させる映像のフレームレートを低くする。さらに、制御部40は、表示部ユニット20が開閉途中の状態のとき、第一表示部21に表示させる映像のフレームレートと第二表示部23に表示させる映像のフレームレートを、中間のフレームレートにする。
【0063】
上述したように、本実施形態によれば、表示部ユニット20が通常走行モードに対応付けられた使用態様のとき、運転者に正対した第一表示部21にはフレームレートの高い映像を表示し、運転者に正対せずに上向きの第二表示部23にはフレームレートの低い映像を表示することができる。また、本実施形態によれば、高速走行モードまたはレーシングモードに対応付けられた使用態様のとき、運転者に正対した第二表示部23にはフレームレートの高い映像を表示し、運転者に正対せずに下向きの第一表示部21にはフレームレートの低い映像を表示することができる。さらに、本実施形態によれば、表示部ユニット20が開閉途中の状態のとき、第一表示部21と第二表示部23とには、中間のフレームレートの映像を表示することができる。
【0064】
図7を用いて、CPU使用率比について説明する。
図7は、CPU使用率比の一例を説明する図である。case1は、
図2に示す表示部ユニット20が開状態であり、第一表示制御部431のCPU使用率はxである。case2は、
図3に示す表示部ユニット20が閉状態であり、第二表示制御部432のCPU使用率はyである。case3は、比較例であり、
図4に示す表示部ユニット20の開閉途中の状態において、第一表示制御部431と第二表示制御部432とのCPU使用率を抑制しない場合のCPU使用率を示す。case3では、case1とcase2のCPU使用率をそのまま合計して、CPU使用率は(x+y)となる。case4は、
図4に示す表示部ユニット20の開閉途中の状態において、第一表示部21と第二表示部23に表示される映像のフレームレートをそれぞれ1/2に低下させた場合のCPU使用率を示す。case4では、case1とcase2のCPU使用率をそれぞれ1/2して合計して、CPU使用率は(x+y)/2となる。このように、第一表示部21と第二表示部23に表示される映像のフレームレートを低くすることにより、制御部40のCPU使用率を低減することができる。
【0065】
このように、本実施形態によれば、表示部の視認性を損なうことなく、制御部40のCPU使用率を低減することができる。本実施形態によれば、CPUの負担が軽減されるので、車両状態情報の算出処理を安定して実行し表示することができる。
【0066】
本実施形態によれば、運転者に正対する、言い換えると、運転者が視認する表示部に表示される映像のフレームレートを高く、運転者に正対していない、言い換えると、運転者から視認することが難しい位置の表示部に表示される映像のフレームレートを低くすることができる。また、本実施形態によれば、表示部ユニット20が開閉途中の状態では、表示部に表示される映像のフレームレートを中間のフレームレートにする。表示部ユニット20が開閉途中の状態では、表示部ユニット20が可動しているので、フレームレートが低い映像が表示されていても、運転者が違和感を覚えにくい。これらにより、本実施形態は、運転者が表示部を視認した際に違和感を与えることなく、フレームレートを低減することができる。
【0067】
このようにして、本実施形態によれば、プロセッサを追加することなく、CPUの負担を軽減することができる。本実施形態は、CPUの負担を軽減することによって、表示を安定させることと、移動体の安全性をより高めることができる。しかも、本実施形態によれば、プロセッサの数を増やさなくてよいので、コストの増加を抑制することができる。
【0068】
[第二実施形態]
図8、
図9を参照しながら、本実施形態に係る車両用表示装置1について説明する。
図8は、第二実施形態に係る第一表示部と第二表示部とのフレームレートの一例を説明する図である。
図9は、第二実施形態に係る第一表示部と第二表示部とのフレームレートの他の例を説明する図である。車両用表示装置1は、基本的な構成は第一実施形態の車両用表示装置1と同様である。以下の説明においては、車両用表示装置1と同様の構成要素には、同一の符号または対応する符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0069】
表示制御部43は、駆動機構制御部41によって、視認者と向かい合う表示部を切り替える制御を実行するとき、言い換えると、表示部ユニット20を可動させるとき、表示部の位置の変化に応じて、表示部に表示させる映像のフレームレートを変化させる。表示制御部43は、表示部ユニット20を開閉するとき、表示部ユニット20の開閉状態に応じて、表示部ユニット20に表示させる映像のフレームレートを変化させる。表示部ユニット20が開閉されるとき、モニタ211の表示面のZ軸方向に対する角度に応じて、運転者にとっての視認性が変化する。そこで、表示制御部43は、運転者から視認しやすい角度になるほど、開閉動作の完了時に運転者に正対する表示部のフレームレートを高くする。また、表示制御部43は、運転者から視認しにくい角度になるほど、開閉動作の完了時に運転者に正対しない表示部のフレームレートを低くする。表示制御部43は、例えば、フレームレートを、
図8に示すように線形状に変化させてもよいし、
図9に示すように階段状に変化させてもよい。
【0070】
第一表示制御部431は、表示部ユニット20が閉状態から開状態にされるとき、言い換えると、高速走行モードまたはレーシングモードに対応付けられた使用態様から、通常走行モードに対応付けられた使用態様に変更される場合、モニタ211の表示面のZ軸方向に対する角度に応じて、第一表示部21に表示させる映像のフレームレートを、
図8に示すように線形状、または、
図9に示すように階段状に高くしながら映像を生成して表示させる。第一表示制御部431は、表示部ユニット20が開状態から閉状態にされるとき、言い換えると、通常走行モードに対応付けられた使用態様から、高速走行モードまたはレーシングモードに対応付けられた使用態様に変更される場合、モニタ211の表示面のZ軸方向に対する角度に応じて、第一表示部21に表示させる映像のフレームレートを、
図8に示すように線形状、または、
図9に示すように階段状に低くしながら映像を生成して表示させる。
【0071】
第二表示制御部432は、表示部ユニット20が閉状態から開状態にされるとき、モニタ211の表示面のZ軸方向に対する角度に応じて、第二表示部23に表示させる映像のフレームレートを、
図8に示すように線形状、または、
図9に示すように階段状に低くしながら映像を生成して表示させる。第二表示制御部432は、表示部ユニット20が開状態から閉状態にされるとき、モニタ211の表示面のZ軸方向に対する角度に応じて、第二表示部23に表示させる映像のフレームレートを、
図8に示すように線形状、または、
図9に示すように階段状に高くしながら映像を生成して表示させる。
【0072】
上述したように、本実施形態は、表示部ユニット20が開閉されるとき、モニタ211の表示面のZ軸方向に対する角度に応じて、第一表示部21に表示させる映像のフレームレートと第二表示部23に表示させる映像のフレームレートとを調整しながら映像を生成して表示させることができる。本実施形態によれば、運転者に正対する表示部の視認性を損なうことなく、制御部40のCPU使用率を低減することができる。
【0073】
[第三実施形態]
図10、
図11を参照しながら、本実施形態に係る車両用表示装置1について説明する。
図10は、第三実施形態に係る車両用表示装置の表示部ユニットの開閉途中の状態を説明する概略図である。
図11は、第三実施形態に係る車両用表示装置の処理の一例を示すフローチャートである。車両用表示装置1は、基本的な構成は第一実施形態の車両用表示装置1と同様である。
【0074】
図10に示すように、モニタ211は、表示部ユニット20が開状態または閉状態のとき、速度情報を示す映像101と、エンジン回転数を示す映像102と、さらにオーディオ情報を示す映像103とを表示する。モニタ211は、表示部ユニット20が開閉途中の状態のとき、速度情報を示す映像101と、エンジン回転数を示す映像102とを表示し、オーディオ情報を示す映像103の更新を停止する。モニタ211に表示される各映像の更新が停止しているとき、視認者から視認不可能にして違和感を軽減するために、当該映像が表示される領域に対応するバックライト212が消灯されることが好ましい。モニタ211に表示される各映像を、表示コンテンツという。
【0075】
表示制御部43は、駆動機構制御部41によって、視認者と向かい合う表示部を切り替え中ではないとき、言い換えると、表示部ユニット20が開状態または閉状態のとき、車両状態情報と、車両状態情報以外の付加情報とを含む映像を表示させる。表示制御部43は、駆動機構制御部41によって、視認者と向かい合う表示部を切り替える制御を実行するとき、車両状態情報を含む映像を表示させる。言い換えると、表示制御部43は、駆動機構制御部41によって、視認者と向かい合う表示部を切り替え中であるとき、言い換えると、表示部ユニット20が視認者に対して可動しているとき、車両状態情報以外の付加情報を含む映像の更新を停止する。
【0076】
第一表示制御部431は、表示部ユニット20が開状態または閉状態のとき、速度情報を示す映像101と、エンジン回転数を示す映像102と、さらにオーディオ情報を示す映像103とを第一表示部21に表示させる。第一表示制御部431は、表示部ユニット20が開状態のとき、少なくとも、速度情報を示す映像101とエンジン回転数を示す映像102とオーディオ情報を示す映像103とが表示される領域に対応するバックライト212を点灯させる。第一表示制御部431は、表示部ユニット20が閉状態であるとき、バックライト212を消灯させる。
【0077】
第一表示制御部431は、表示部ユニット20が視認者に対して可動しているとき、速度情報を示す映像101と、エンジン回転数を示す映像102とを第一表示部21に表示させる。第一表示制御部431は、表示部ユニット20が視認者に対して可動しているとき、オーディオ情報を示す映像103の更新を停止する。さらに、第一表示制御部431は、表示部ユニット20が視認者に対して可動しているとき、オーディオ情報を示す映像103が表示される領域に対応するバックライト212を消灯する。第一表示制御部431は、表示部ユニット20が視認者に対して可動しているとき、少なくとも、速度情報を示す映像101とエンジン回転数を示す映像102とが表示される領域に対応するバックライト212を点灯する。
【0078】
次に、
図11を用いて、制御部40における処理の流れについて説明する。ステップS201ないしステップS203、ステップS205ないしステップS208、ステップS210ないしステップS220の処理は、
図6に示すフローチャートのステップS101ないしステップS103、ステップS104ないしステップS107、ステップS108ないしステップS118と同様の処理を行う。
【0079】
制御部40は、第一表示部21の表示コンテンツの一部を更新停止する(ステップS204)。本実施形態では、制御部40は、第一表示制御部431によって、速度情報を示す映像101と、エンジン回転数を示す映像102とを第一表示部21に表示させる。制御部40は、第一表示制御部431によって、オーディオ情報を示す映像103を更新停止する。制御部40は、第一表示制御部431によって、オーディオ情報を示す映像103が表示される領域に対応するバックライト212を消灯する。制御部40は、第一表示制御部431によって、少なくとも、速度情報を示す映像101とエンジン回転数を示す映像102とが表示される領域に対応するバックライト212を点灯する。
【0080】
制御部40は、第一表示部21の更新停止にした表示コンテンツの更新を再開する(ステップS209)。本実施形態では、制御部40は、第一表示制御部431によって、速度情報を示す映像101と、エンジン回転数を示す映像102と、さらにオーディオ情報を示す映像103とを第一表示部21に表示させる。制御部40は、第一表示制御部431によって、少なくとも、速度情報を示す映像101とエンジン回転数を示す映像102とオーディオ情報を示す映像103とが表示される領域に対応するバックライト212を点灯させる。
【0081】
上述したように、本実施形態は、表示部ユニット20が可動しているとき、車両状態情報以外の付加情報を含む映像の更新を停止する。本実施形態は、表示部ユニット20が可動しているとき、一部の表示コンテンツの更新が停止されるので、CPUの負担をより軽減することができる。また、更新が停止された表示コンテンツが表示される領域に対応するバックライト212が消灯されることにより、視認者に与える違和感を軽減することができる。
【0082】
第一表示部21の表示コンテンツの一部を更新停止にした後、更新を再開するとき、更新後の映像が表示されるまでの立ち上がり時間が視認者に与える違和感を軽減するため、次のようにしてもよい。例えば、更新停止した表示コンテンツがオーディオ情報を示す映像103である場合、更新停止にしている間に、曲が変わったり音量が変わったりして映像103に含まれるオーディ情報が更新されるときには、視認不可能な状態のまま映像103を更新してもよい。このように、視認不可能な状態であっても映像103を最新の情報に更新しておくことにより、更新を再開するときに立ち上がり時間を要しても、視認者に与える違和感を軽減することができる。
【0083】
さて、これまで本発明に係る車両用表示装置1について説明したが、上述した実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
【0084】
図示した車両用表示装置1の各構成要素は、機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていなくてもよい。すなわち、各装置の具体的形態は、図示のものに限られず、各装置の処理負担や使用状況などに応じて、その全部または一部を任意の単位で機能的または物理的に分散または統合してもよい。
【0085】
車両用表示装置1の構成は、例えば、ソフトウェアとして、メモリにロードされたプログラムなどによって実現される。上記実施形態では、これらのハードウェアまたはソフトウェアの連携によって実現される機能ブロックとして説明した。すなわち、これらの機能ブロックについては、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、または、それらの組み合わせによって種々の形で実現できる。
【0086】
上記では、表示部が2つの場合について説明したが、表示部の数は2つに限定されない。3つ以上であっても適用可能である。
【0087】
上記した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものを含む。さらに、上記した構成は適宜組み合わせが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において構成の種々の省略、置換または変更が可能である。
【符号の説明】
【0088】
1 車両用表示装置
20 表示部ユニット
21 第一表示部(表示部)
22 制御部
23 第二表示部(表示部)
24 制御部
30 開閉駆動機構(駆動機構)
40 制御部(表示制御装置)
41 駆動機構制御部
42 車両情報取得部
43 表示制御部
431 第一表示制御部
432 第二表示制御部