(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-14
(45)【発行日】2022-03-23
(54)【発明の名称】精米設備
(51)【国際特許分類】
B02B 7/00 20060101AFI20220315BHJP
B02B 7/02 20060101ALI20220315BHJP
【FI】
B02B7/00 105
B02B7/00 102
B02B7/02 109
(21)【出願番号】P 2018197794
(22)【出願日】2018-10-19
【審査請求日】2021-03-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092794
【氏名又は名称】松田 正道
(74)【代理人】
【識別番号】110000899
【氏名又は名称】特許業務法人新大阪国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小野寺 佑介
(72)【発明者】
【氏名】川端 英臣
(72)【発明者】
【氏名】高田 康兵
【審査官】田辺 義拓
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-166600(JP,A)
【文献】実開昭54-071777(JP,U)
【文献】特開平8-215589(JP,A)
【文献】特開2018-127340(JP,A)
【文献】実開平02-015057(JP,U)
【文献】特開平09-276720(JP,A)
【文献】特開平04-144831(JP,A)
【文献】米国特許第04583883(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B02B 1/00 - 7/02
B65G 53/00 - 53/66
B65G 65/30 - 65/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入ホッパ(5)と、前記投入ホッパ(5)内の玄米を繰り出すロータリバルブ(6)と、石抜機(8)と、精米機(10)と、前記投入ホッパ(5)の玄米を前記石抜機(8)側に搬送する搬送手段(7)とを備えた精米設備において、前記搬送手段(7)は搬送パイプ(17)に送風機(16)を接続して玄米を空気搬送する構成とし、前記搬送手段(7)を構成する前記搬送パイプ(17)の揚上部途中に異物捕捉手段(TR)を備え、前記異物捕捉手段(TR)の配置位置よりも下位において前記搬送パイプ(17)に異物排出シャッタ(19a)を介して連通する異物排出口(19)を設けた精米設備。
【請求項2】
前記異物捕捉手段(TR)を、玄米の通過を許容するが長尺異物の通過を許容しない目合い(G1)の網体(20)とした請求項1に記載の精米設備。
【請求項3】
前記異物捕捉手段(TR)を所定間隔離れた上下2段の網体(40b,40a)で構成すると共に、玄米搬送下手側網体(40a)の目合い(G1)に対して上手側網体(40b)の目合い(G2)を大に形成し、上下の前記網体(40b,40a)の間の前記搬送パイプ(17)に形成する開口(17c)に開閉シャッタ(41)を設けてなる請求項1に記載の精米設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、料金を投入して精米する精米設備に関する。
【背景技術】
【0002】
建屋内に仕切壁を挟んで前後に客室と機械室とを設け、仕切壁の客室側に操作盤を配置し、機械室には、原料投入ホッパ、玄米昇降機、石抜機、精米昇降機、精米機を順に配置する構成がある(特許文献1)。
【0003】
また、石抜機の排出口の下方にエアー搬送機を備え、エアー搬送機には送風路を介してブロワーと接続し、エアー搬送路には空気揚穀路を介して精米機に接続し、玄米を空気搬送する構成がある(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-131843号公報
【文献】特開平8-215589号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、精米設備の玄米搬送装置を廉価にすることを課題とする。併せて、玄米中に混在する異物の分離を効率的に行わせる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決するために、請求項1記載の発明は、投入ホッパ5と、投入ホッパ5内の玄米を繰り出すロータリバルブ6と、石抜機8と、精米機10と、投入ホッパ5の玄米を石抜機8側に搬送する搬送手段7とを備えた精米設備において、搬送手段7は搬送パイプ17に送風機16を接続して玄米を空気搬送する構成とし、搬送手段7を構成する搬送パイプ17の揚上部途中に異物捕捉手段TRを備え、異物捕捉手段TRの配置位置よりも下位において搬送パイプ17に異物排出シャッタ19aを介して連通する異物排出口19を設けた精米設備とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、異物捕捉手段TRは玄米の通過を許容するが長尺異物の通過を許容しない目合いG1の網体20とした。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、異物捕捉手段TRを所定間隔離れた上下2段の網体40b,40aで構成すると共に、玄米搬送下手側網体40aの目合いG1に対して上手側網体40bの目合いG2を大に形成し、上下の網体40b,40aの間の搬送パイプ17に形成する開口17cに開閉シャッタ41を設けてなる。
【発明の効果】
【0009】
請求項1及び請求項2に記載の発明によると、バケット昇降機に代替して空気搬送手段をもって玄米の搬送手段を構成するものであるから、廉価に構成できる。また、異物捕捉手段TRによって搬送パイプ17内を移動できない異物は、送風機16の停止によって落下して開かれている異物排出口19から排出される。
【0010】
請求項3に記載の発明によると、請求項1に記載の効果に加え、異物捕捉手段TRの網体40b,40aを構成することによって、2段階の捕捉箇所を設定することで、玄米からの藁くず等の長尺異物の分離が確実となる。そして、上手側網体40bを通過するが下手側網体40aを通過できないで上手側網体40b面に残る異物を開閉シャッタ41部から排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図10】(A)投入ホッパ及び別例の第1搬送手段を示す側面図、(B)第1搬送手段の一部断面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施の形態の料金式精米設備について以下説明する。
【0013】
図2に示すように精米設備は、建屋1を仕切壁2で前後方向に機械室3と客室4に仕切る構成である。
【0014】
精米設備内には、利用者が持参した玄米を収容する投入ホッパ5と、投入ホッパ5内の玄米を繰り出すロータリバルブ6と、繰り出された玄米を受けて揚穀する第1の搬送手段7と、玄米中に混在する石を選別分離する石抜機8と、石抜機8で選別された玄米を揚穀する第2の搬送手段9と、玄米を精米処理して精白米とする精米機10と、精白米を収容する白米タンク11を設ける。
【0015】
投入ホッパ5と白米タンク11は客室4側にのぞむように設け、第1の搬送手段7・石抜機8・第2の搬送手段9・精米機10は機械室3側に設ける。投入ホッパ5は客室4の左右一側に設け、白米タンク11は客室4の左右他側に設ける。投入ホッパ5と白米タンク11の間には、その盤面に精白度を設定する精白度選択スイッチ12、料金を投入する料金投入口13、釣銭返却口14等を配設した制御盤を設ける。投入ホッパ5の前側には、投入ホッパ5の投入口を閉鎖・開放する開閉扉15を設ける。
【0016】
前記第1の搬送手段7は、前記ロータリバルブ6の回転連動によって投入ホッパ5から繰り出される玄米を受けて送風機16からの高圧空気により搬送する第1の搬送パイプ17を備えている。この第1の搬送パイプ17は、ホース部材によって構成されていて、一端に送風機16を接続し途中部に玄米を受けるようロータリバルブ6のフレーム部6a下方に接続した水平搬送部17aと、前記石抜機8の近傍上方に設置された貯留部としての石抜タンク18に上端を接続する垂直搬送部17bとに折曲形成されている。
【0017】
前記送風機16は、送風モータ16mの回転駆動によって図外ファンを連動し第1の搬送パイプ17に圧風を供給できる構成であり、送風モータ16mはオン,オフ制御される。すなわち、料金投入を条件に精白度精白スイッチ12をオンすると、精米設備各部のモータに駆動出力されるとともに、該送風モータ16mもONされ圧風が搬送パイプ17に供給される。ロータリバルブ6を連動するバルブモータ6mも同様にONしてロータリバルブ6を介して投入ホッパ5内の玄米を繰り出そうとし、そしてバルブのフレーム部6aの下方開口部から繰り出される玄米は、搬送パイプ17に沿って空気搬送され貯留タンクとしての石抜タンク18に達する。
【0018】
前記搬送パイプ17の水平搬送部17aから垂直搬送部17bへの屈曲部に、水平搬送部17a側において夾雑物等の異物排出口19を形成し、さらにこの異物排出口19を開閉する異物排出シャッタ19aを備えている。前記搬送パイプ17の垂直搬送部17b途中に夾雑物等のうち比較的径大あるいは長尺の異物、例えば藁くずを捕捉する異物捕捉手段TRとしての網体20を配置し、玄米搬送中は例え異物が垂直搬送部17bに沿って揚上されてもこの網体20に達して捕捉され自重で又は送風機16による送風が停止されたときに垂直搬送部17b内を落下して異物排出口19部に堆積しようとし、適宜に開動作する異物排出シャッタ19a部から機外又は回収箱19bに排出できる。
【0019】
なお、前記異物捕捉手段TRとしての網体20は、空気搬送される玄米が通過し得る目合いの網を採用し、もって玄米は垂直搬送部17bの上端から石抜タンク18に至ることができるが、藁くずは網体20を通過できない目合いG1とする。
【0020】
石抜タンク18は、第1排出口18aと第2排出口18bを備え、このうち第1排出口18aは石抜機8に玄米供給可能に設けられ、第2排出口18bは前記投入ホッパ5の上方に構成する玄米還元口21に連通する構成である。
【0021】
前記第1排出口18aと第2排出口18bにはそれぞれに対応して第1・第2開閉シャッタ22a,22bを備え、常時は閉姿勢の第1・第2開閉シャッタ22a,22bは対応する第1・第2排出口用ソレノイド23a,23bの励磁によって開姿勢となる。ソレノイド23a又は23bの消磁によって閉姿勢に復帰する構成としている。そして、第1排出口18aと第2排出口18bとの間に切替弁23が設けられ、常時は貯留タンク18に至る玄米を第1排出口18a側に流下するよう設けられ、持ち帰りスイッチ24のON操作によって切替弁23を姿勢切替して玄米を第2排出口18b側に流下させるよう構成している。
【0022】
石抜機8で石抜処理された玄米及び残米としての玄米は前記第2の搬送手段9の下部に設けられた下部ホッパ25に流下する。第2の搬送手段9は、送風機26の駆動によって生じる圧風によって玄米を垂直上方に空気搬送するよう構成されている。第2の搬送手段9によって揚上された玄米は、精米機10の精米タンク27に流下するよう構成されている。
【0023】
精米タンク27から繰り出された玄米は精米機10によって精白処理され、精白米は白米タンク11に収容される構成である。
【0024】
前記第1の搬送手段7は、送風機16の駆動により玄米を空気搬送する構成であるから、投入ホッパ5の玄米量が少なくなると圧風を受けて水平搬送部7aに落下できない状態となる。このため投入ホッパ5の玄米量が所定以下になると送風機5の駆動を停止して残米を少なくするよう構成している。
図7のフローチャートにおいて、制御部30に各部スイッチやセンサ情報を入力する(S101)。後述ホッパ下限センサ31が玄米有りを判定して、複数ある精白度選択スイッチ12のいずれか一がONされると、送風モータ16mとバルブモータ6mがONすべく出力される(S102~S105)。ロータリバルブ6の回転によって投入ホッパ5内の玄米は所定量に繰り出され、繰り出された玄米は送風機6の回転による圧風によって空気搬送される(S106)。
【0025】
そして、投入ホッパ5内の玄米量が所定位置に配置された下限センサ31高さを下回り、下限センサ31がONとなると(S107)、送風モータ16mはOFFし送風機16は回転停止する(S108)。同時に、前記異物排出シャッタ19aは開出力される(S109)。所定時間T1に設定されたタイマ作動するが、この所定時間T1経過すると、送風モータ16mは再起動し異物排出シャッタ19aは閉じられるが(S112,S113)、この所定時間T1中において、バルブモータ6mは作動継続しており、玄米を繰り出すものであるから、下限センサ31以下に残る投入ホッパ5内の玄米はほぼ全部が繰り出されて水平搬送部7aに堆積できる。所定時間T1経過後は、バルブモータ6mがOFFし(S114)、送風モータ16mの再起動により(S115)、堆積する玄米は空気搬送され(S116)、水平搬送部17a・垂直搬送部17bを経て石抜タンク18に至ることができる。
【0026】
このように、ロータリバルブ6による玄米繰り出し中に、所定時間T1送風モータ16mを停止することにより、少量となった玄米を確実に水平搬送部7aに繰り出すことができ、送風機16を継続することによりロータリバルブ6の回転で生じる隙間部を圧風が噴き上げて玄米を投入ホッパ5部で停滞させることなく残米を少なくできる。またこの時バルブモータ6mをオフすることでロータリバルブ6を停止することによって送風機16の圧風の吹き上がりを防ぐこととなり客室4の利用者に不快感を抱かせない。
【0027】
なお、上記S115の送風モータ16m再起動及びこの再起動に伴うS116の空気搬送は、予め設定した所定時間T2の間実行される(S117,S118)。この所定時間T2経過後送風モータ16mはOFF出力され停止する。この所定時間T2は、前記下限センサ31以下に残る投入ホッパ5内の玄米を搬送手段7で搬送できる時間に設定されている。
【0028】
次に、第1搬送手段7によって空気搬送される玄米の貯留タンクとしての石抜タンク18からの排出制御について、
図8に基づき説明する。S201~S204については、
図7のS101~S106に対応するもので玄米は石抜タンク18へ空気搬送される。そして、前記持ち帰りスイッチ24ON操作の有無が判定され、持ち帰りスイッチ24ON操作の無いときは、玄米は通常の石抜・精米の工程を実行するもので、切替弁23は石抜機8へ供給する側に切り替わり、さらに第1排出口18aは開き、第2排出口18bは閉じて、空気搬送される玄米を順次石抜機8に供給する。
【0029】
また、S205で持ち帰りスイッチ24がONしたと判定されると、切替弁23は持ち帰り側に切り替わる(S212)。そして第1排出口18a及び第2排出口18bは共に閉じて玄米を所定に貯留する(S213~S216)。実施例では所定時間T3中、第1,第2排出口18a,18bを閉じて貯留することができ(S217~S219)、この所定時間T3経過後、送風機16のモータ16mに停止出力して送風機16を停止し(S220)、第2排出口18bが開いて玄米は玄米還元口21から回収できる(S221~S223)。
【0030】
玄米還元、すなわち玄米持ち帰りの場合には、玄米還元口21を介して空気搬送される石抜タンク18に連通するものであるから、圧風がこの玄米還元口21から噴き出して客室4側にいる利用者に不快感を与える恐れがあるが、前記のように所定時間T3中石抜タンク18に玄米貯留することでこの貯留玄米が噴き出しをブロックでき客室側への噴き出しを防止できる。なお、実施例のように、第2排出口18b開作動の条件として送風機16停止を組み入れることによって塵埃飛散防止の効果が顕著である。
【0031】
図8における実施例において、S211又はS223を実行するとS201にリターンできるものであり、従ってS223で玄米還元されても未だ投入ホッパ5に残米があるときは、S202で検出され、2度目、3度目…の玄米還元が実行されるようになっている。
【0032】
石抜機8においては傾斜揺動選別盤32を備え玄米と石又はこれに類似の異物は比重選別され、傾斜下手側に玄米が取り出され傾斜上手側には石又は類似の異物が取り出される。なお、傾斜揺動選別盤32の盤面に残る残米は傾斜上手側から取り出される。
【0033】
前記石抜機8の作動によって取り出される玄米及び残米は第2の搬送手段9の下部ホッパ25に受けられ、揚上搬送される。第2の搬送手段9は、第1の搬送手段7と同様の構成であり、第2の搬送パイプ33は送風機26を接続し下部ホッパ25の玄米を受ける水平搬送部33aとこの水平搬送部33aに連通する垂直搬送部33bからなり、空気搬送された玄米は垂直搬送部33bの上端側から精米タンク27に流下案内される構成としている。
【0034】
図9に基づき精米機への玄米供給制御と第1・第2搬送手段駆動制御について説明する。精米タンク27内には上限センサ35uと下限センサ35d、そして下方にロータリバルブ36を備え、上限センサ35uが玄米検知していない場合には(S301,S302)、玄米受入可能の判断とし、第1搬送手段7、第2搬送手段9及びロータリバルブ36を駆動して精米機10への玄米供給によって精米処理を行う(S303~S306)。精米処理中予め設定した設定時間T4をカウントし、この設定時間T4(例えば5分)が経過し(S307,S308)、下限センサ35dに玄米を検知すると(S309),第1搬送手段7、第2搬送手段9及びロータリバルブ36を所定時間T5(例えば10秒)停止する(S310~S314)。この後スタートに戻り、上記の内容を繰り返す。
【0035】
なお、S302で上限センサ35u玄米検知する場合は、これ以上の玄米受入はできないためS310~S311の各部停止に移行する。また、S309で下限センサ35d以下を検知するときは、各部停止制御を行うことなく各部駆動状態を継続しフロースタートに戻ることとなる。玄米がこの下限センサ35d以下の場合は精米終了間際が想定される。
【0036】
前記石抜タンク18内には、空気搬送される玄米中に混在する塵埃類は、接続する塵埃ホース37を介して排出可能に設けるが、この塵埃ホース37の排出端部を精米機10の精白処理によって排出される糠を所定に搬送する糠ファン装置38に導入可能に接続するよう構成する。石抜タンク18内には空気搬送のための風圧を緩和する傾斜棚18f,18f…を傾斜姿勢に備えて塵埃飛散を防止している。
次に、料金投入口13に現金を投入して精米運転を行う手順について説明する。
【0037】
利用者が料金投入口13に料金を投入したことを、料金投入検出センサ(図示せず)が検出すると、制御部30は検出情報を入力し開閉扉15に開放出力し、開閉扉15は開放動作をする。利用者は、持参した玄米を投入ホッパ5に投入して精白度選択スイッチ12で所望の精白度(例えば無洗米・標準・分搗き)を選択する。制御部30は精白度選択スイッチ12の選択情報を受けて装置各部に運転開始出力する。
【0038】
装置各部が運転すると、前記のように、ロータリバルブ6で投入ホッパ5内の玄米を繰り出し、第1の搬送手段7で搬送し、石抜機8で石抜処理し、第2の搬送手段で搬送し、精米機10で精米処理されて精白米となり白米タンク11に排出される。料金に対応する運転時間が経過するか、精米機10に供給される玄米が無くなったことを投入ホッパ下限センサ31が検出すると、制御部30は運転停止出力し、その所定時間後に精米運転は終了する。精米運転停止出力から設定時間が経過すると、開閉扉15が閉鎖する。精米運転終了時、釣銭がある場合には、釣銭返却口14の近傍に設けた釣銭ランプ14aを点滅させる。利用者は、この釣銭ランプ14aの表示を見て、釣銭返却口14から出てくる釣銭を回収できる。
【0039】
図10は、前記異物捕捉手段TRの変更例を示すものである。玄米の通過を許容する目合いG1に構成する網体40aの上手側(図例では下側)に目合いG1よりもやや大きい目合いG2の網体40bを所定間隔に配置している。このように、玄米は網体40b、網体40aの順に通過して行くが、この際に藁くず等の長尺異物は網体40b又は網体40aで捕捉されて下流側(図例では上昇)側への移動を阻止される。ここで2段階に異物捕捉手段TRの網体40b,40aを構成することによって、玄米の径ほどの比較的細径の藁くずが目合いG2又は目合いG1から網体40b,40aに至ると、例え移送方向と略並行の縦姿勢で網体40bの目合いG2を通過し得ても、その後に縦姿勢を維持し難く網体40aの直前で姿勢を崩してこの網体40aの目合いG1の通過はなし難い。このように、2段階の捕捉箇所を設定することで、玄米からの藁くず等の長尺異物の分離が確実となる。
【0040】
なお、上手側の網体20bを傾斜状態に配置し、この傾斜下手側の搬送パイプ17部には開口17cを形成するとともにこの開口17cを開閉できる開閉シャッタ41を設け、このシャッタ41を開くことによって網体40b上に残留する藁くず等の異物を機外に排出できる。この排出の際には送風機16を駆動することで排出を短時間に効率よく行うことができる。
【0041】
次に、
図11に基づき、開閉シャッタ41制御について説明する。なお、図例では異物捕捉手段TRの開閉シャッタ41の開閉は、運転前清掃モード中、精米運転中(特に、前記
図7のS108~S115の間)及び運転後清掃モード中に実行されるよう構成している。運転開始直後の運転前清掃モードであるか、精米運転中であるか、精米運転終了後の清掃モードであるかを判定し(S401~S404)、いずれのモードであっても、第1搬送手段7が運転中であるか否か、即ち送風モータ16mがONし投入ホッパ5から繰り出される玄米を搬送する状態であるか否かが判定され(S405)、例えば前記
図7のS108の状況のように一時的に送風モータ16mがOFFの場合であるとき(S406)、開閉シャッタ41を連動する開閉モータ41mを開側にONする(S407)。なお開閉モータ41mはこの開閉シャッタ41の上部支点41aを連動するよう構成され、開閉モータ41mが正転すると、この上部支点41a回りにシャッタ下方を外方に回動することとなって、つまり開側作動できる構成である。この開閉シャッタ41の開側作動にタイミングを合わせて送風モータ16mはONし(S408)、送風機16の風圧で網体40b面に存在する藁くず等の異物を機外排出させることができる。このシャッタ開作動及び送風機16駆動状態は予め設定した短時間T6において実行され(S409,S410)、その後開閉モータ41mは閉側ONされる(S411)。なお、開閉モータ41mの閉側ONは、開閉モータ41mの逆転によって上部支点41aを介して開閉シャッタ41を閉じ作動できるように構成している。シャッタ41の閉じ作動構成としては復帰ばねによる簡易構成としてもよく、この場合は開閉モータ41mに代替して開閉ソレノイドを構成してもよい。
【0042】
上記のように、異物捕捉手段TRとして2段階の網体40b,40aを構成し、かつ開閉シャッタ41を設け、この開閉シャッタ41の開閉作動と送風機16駆動とを関連付けることによって、効率よく網体40b面に残る藁くず等の異物を排出することができる。また精米運転前や精米運転後の清掃モード中に実行することによって、続く精米作業を円滑に行うことができる。
【0043】
機外排出された藁くず等の異物を前記回収箱19bに回収させる案内通路を構成すると回収作業を簡単化できる。
【符号の説明】
【0044】
5 投入ホッパ
6 ロータリバルブ
7 搬送手段
8 石抜機
10 精米機
16 送風機
17 搬送パイプ
17c 開口
19 異物排出口
19a 異物排出シャッタ
20 網体
40a 網体
40b 網体
41 開閉シャッタ
TR 異物捕捉手段