(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-14
(45)【発行日】2022-03-23
(54)【発明の名称】倉庫システム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20220315BHJP
【FI】
B65G1/04
(21)【出願番号】P 2018213579
(22)【出願日】2018-11-14
【審査請求日】2021-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】110001117
【氏名又は名称】特許業務法人ぱてな
(72)【発明者】
【氏名】柳澤 秀生
【審査官】中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】特許第6379459(JP,B2)
【文献】特許第2560967(JP,B2)
【文献】特許第4716468(JP,B2)
【文献】特開2006-321595(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の物品を入庫して保管し、保管された前記各物品のうち、出庫すべき選択物品を出庫可能な倉庫システムにおいて、
前記物品を入庫させる入庫口と、
前記選択物品を出庫させる出庫口と、
前記入庫口側から前記出庫口側に向かって延在し、前記物品を保管可能な保管棚と、
前記保管棚に並設され、前記保管棚と並走しつつ前記入庫口側から前記出庫口側に向かって延在し、前記選択物品を載置可能な搬送棚と、
前記保管棚に保管された前記物品から前記選択物品を選択する選択手段と、
前記物品を前記保管棚上で前記保管棚の延在方向に移動させる第1移動手段と、
前記第1移動手段とは独立して作動し、前記選択物品を前記搬送棚上で前記出庫口側に移動させる第2移動手段と、
前記第1移動手段及び前記第2移動手段とは独立して作動し、前記選択物品を前記保管棚から前記搬送棚に移動させる第3移動手段とを備え、
前記第3移動手段は、前記選択物品を前記搬送棚に向けて押圧する押圧装置と、
前記保管棚の延在方向に前記押圧装置を案内する案内装置と、
前記押圧装置及び前記案内装置を制御する制御装置とを有していることを特徴とする倉庫システム。
【請求項2】
前記押圧装置は、前記案内装置に取り付けられる装置本体と、前記装置本体に設けられて軸方向に延び、前記選択物品を押圧可能なロッドとを有し、
前記ロッドは、第1長さと、前記第1長さよりも長い第2長さとの間で伸縮可能であり、
前記ロッドが前記第2長さに伸張する過程で前記選択物品を押圧する請求項1記載の倉庫システム。
【請求項3】
前記押圧装置は、前記案内装置に取り付けられる装置本体と、前記装置本体に設けられる第1チェーン及び第2チェーンとを有し、
前記第1チェーンと前記第2チェーンとは、少なくとも一部が離間した状態から、互いに噛合しつつ前記選択物品に向かって延びて前記選択物品を押圧する請求項1記載の倉庫システム。
【請求項4】
前記押圧装置は、前記案内装置に取り付けられる装置本体と、板状をなす押圧板と、前記装置本体と前記押圧板とを連結しつつ、前記押圧板を支持するリンク機構とを有し、
前記リンク機構は、第1状態と、前記第1状態よりも前記選択物品に向かって延びる第2状態との間で変形可能であり、
前記押圧板は、前記リンク機構が前記第1状態から第2状態に変形することによって前記選択物品を押圧する請求項1記載の倉庫システム。
【請求項5】
前記押圧装置は複数である請求項1乃至4のいずれか1項記載の倉庫システム。
【請求項6】
前記各押圧装置は、互いに相対移動可能に前記物品の高さ方向に配設されている請求項5記載の倉庫システム。
【請求項7】
前記各押圧装置は、互いに相対移動可能に前記保管棚の前記延在方向に並列で配設されている請求項5又は6記載の倉庫システム。
【請求項8】
複数の物品を入庫して保管し、保管された前記各物品のうち、出庫すべき選択物品を出庫可能な倉庫システムにおいて、
前記物品を入庫させる入庫口と、
前記選択物品を出庫させる出庫口と、
前記入庫口側から前記出庫口側に向かって延在し、前記物品を保管可能な保管棚と、
前記保管棚に並設され、前記保管棚と並走しつつ前記入庫口側から前記出庫口側に向かって延在し、前記選択物品を載置可能な搬送棚と、
前記保管棚に保管された前記物品から前記選択物品を選択する選択手段と、
前記物品を前記保管棚上で前記保管棚の延在方向に移動させる第1移動手段と、
前記第1移動手段とは独立して作動し、前記選択物品を前記搬送棚上で前記出庫口側に移動させる第2移動手段と、
前記第1移動手段及び前記第2移動手段とは独立して作動し、前記物品を前記保管棚の前記延在方向に移動させる第1移動状態と、前記選択物品を前記保管棚から前記搬送棚に移動させる第2移動状態とに切り替え可能な第3移動手段とを備え、
前記第3移動手段は、前記保管棚に設けられ、前記第1移動状態及び前記第2移動状態に切り替え可能な複数のコンベア装置と、
前記各コンベア装置を個別に前記第1移動状態と前記第2移動状態とに切り替える制御装置とを有していることを特徴とする倉庫システム。
【請求項9】
前記保管棚は、前記各コンベア装置が設けられる床面を有し、
前記各コンベア装置は、前記床面に対して垂直に延びる回転軸心周りで回動することにより、前記第1移動状態と前記第2移動状態とを切り替える請求項8記載の倉庫システム。
【請求項10】
前記各コンベア装置は、前記第2移動状態では、前記保管棚側から前記搬送棚側に下り傾斜となる請求項8記載の倉庫システム。
【請求項11】
前記保管棚上の前記物品が前記選択物品とともに前記搬送棚へ移動することを規制する規制手段をさらに備えている請求項1乃至10のいずれか1項記載の倉庫システム。
【請求項12】
前記規制手段は、前記保管棚における前記物品の位置を位置情報として検出する検出装置と、
前記位置情報に基づき、前記保管棚の前記延在方向において、前記各物品同士の間に所定の隙間を設けつつ、前記保管棚に前記物品を静止させる静止装置とを有している請求項11記載の倉庫システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は倉庫システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数の物品を入庫して保管し、保管された各物品のうち、出庫すべき選択物品を出庫可能な倉庫システムが種々提案されている。例えば、特許文献1に開示された倉庫システムは、水平方向で対面して配置される一対の保管棚と、スタッカークレーンとを備えている。各保管棚は、複数の支柱材と、複数の側面水平材と、複数の腕木材とによって構成されている。これらの各支柱材、各側面水平材及び各腕木材により、各保管棚には、複数の収納部が形成されている。各収納部は格子状に配置されており、それぞれ物品を保管することが可能となっている。
【0003】
スタッカークレーンは、対面する保管棚の間に配置されている。スタッカークレーンは、各保管棚の幅方向に沿って走行可能な走行台車と、物品を載置しつつ、保管棚の高さ方向に移動可能な昇降台と、昇降台に対して出退可能に取り付けられたスライドフォークとを有している。
【0004】
この倉庫システムにおいて保管棚に物品を入庫する場合、作業者は、入庫する物品を昇降台に載置する。そして、スタッカークレーンを操作して、物品が保管されていない収納部の位置まで昇降台を移動させる。その後、スライドフォークを突出させて、昇降台に載置された物品を収納部に保管する。一方、選択物品を出庫する場合には、作業者は、スタッカークレーンを操作して、選択物品が保管されている収納部の位置まで昇降台を移動させる。その後、スライドフォークを突出させて、収納部に保管されている選択物品を昇降台に載置する。こうして、選択物品は、スタッカークレーンによって搬送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記従来の倉庫システムでは、目的の収納部の位置までスタッカークレーンを移動させることによって、物品を収納部に保管しており、また、収納部から選択物品を取り出している。このため、この倉庫システムでは、スタッカークレーンによって物品の保管作業を行っている際には、選択物品の出庫作業を行うことができないことから、保管作業及び出庫作業の効率が低い。
【0007】
そこで、複数のスタッカークレーンを用意し、物品の保管作業と選択物品の出庫作業とを別々のスタッカークレーンで行うことが考えられる。しかし、この場合には、倉庫システムが高騰化する。
【0008】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、効率高く物品の保管作業と選択物品の出庫作業とを行うことが可能であるとともに、低コスト化を実現可能な倉庫システムを提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の倉庫システムは、複数の物品を入庫して保管し、保管された前記各物品のうち、出庫すべき選択物品を出庫可能な倉庫システムにおいて、
前記物品を入庫させる入庫口と、
前記選択物品を出庫させる出庫口と、
前記入庫口側から前記出庫口側に向かって延在し、前記物品を保管可能な保管棚と、
前記保管棚に並設され、前記保管棚と並走しつつ前記入庫口側から前記出庫口側に向かって延在し、前記選択物品を載置可能な搬送棚と、
前記保管棚に保管された前記物品から前記選択物品を選択する選択手段と、
前記物品を前記保管棚上で前記保管棚の延在方向に移動させる第1移動手段と、
前記第1移動手段とは独立して作動し、前記選択物品を前記搬送棚上で前記出庫口側に移動させる第2移動手段と、
前記第1移動手段及び前記第2移動手段とは独立して作動し、前記選択物品を前記保管棚から前記搬送棚に移動させる第3移動手段とを備え、
前記第3移動手段は、前記選択物品を前記搬送棚に向けて押圧する押圧装置と、
前記保管棚の延在方向に前記押圧装置を案内する案内装置と、
前記押圧装置及び前記案内装置を制御する制御装置とを有していることを特徴とする。
【0010】
本発明の第1の倉庫システムでは、入庫口から入庫された物品について、第1移動手段が保管棚上を出庫口側に移動させることにより、物品を順次保管棚に保管する。そして、選択手段が保管棚に保管された物品から選択物品を選択する。これにより、第3移動手段は、選択物品を保管棚から搬送棚に移動させる。そして、選択物品は、第2移動手段によって、搬送棚上を出庫口側に移動する。こうして、選択物品が出庫口から順次出庫される。
【0011】
この倉庫システムでは、第1移動手段、第2移動手段及び第3移動手段が互いに独立して作動する。このため、第1移動手段による保管棚上での物品の移動と、第2移動手段による搬送棚上での選択物品の移動と、第3移動手段による保管棚から搬送棚への選択物品の移動とをそれぞれ独立して行うことができる。これにより、この倉庫システムによれば、複数のスタッカークレーン等を用いることなく、入庫口から入庫された物品の保管作業と、選択物品の出庫作業とを同時に行うことができる。
【0012】
したがって、本発明の第1の倉庫システムによれば、効率高く物品の保管作業と選択物品の出庫作業とを行うことが可能であるとともに、低コスト化を実現可能できる。
【0013】
特に、この倉庫システムでは、第3移動手段が押圧装置と、案内装置と、制御装置とを有している。そして、案内装置が押圧装置を保管棚の延在方向に案内することにより、押圧装置は選択物品が存在する位置まで保管棚の延在方向に移動する。このため、第3移動手段は、保管棚に保管される物品と同数の押圧装置を有する必要がない。この点においても、この倉庫システムでは、低コスト化を実現できる。
【0014】
押圧装置は、案内装置に取り付けられる装置本体と、装置本体に設けられて軸方向に延び、選択物品を押圧可能なロッドとを有し得る。そして、ロッドは、第1長さと、第1長さよりも長い第2長さとの間で伸縮可能であり得る。そして、ロッドが第2長さに伸張する過程で選択物品を押圧することが好ましい。この場合には、押圧装置の構成を簡素化できるため、押圧装置を低コスト化することができる。
【0015】
また、押圧装置は、案内装置に取り付けられる装置本体と、装置本体に設けられる第1チェーン及び第2チェーンとを有し得る。そして、第1チェーンと第2チェーンとは、少なくとも一部が離間した状態から、互いに噛合しつつ選択物品に向かって延びて選択物品を押圧することも好ましい。この場合には、ロッドが選択物品に当接して選択物品を押圧する構成に比べて、押圧装置を小型化することができる。
【0016】
さらに、押圧装置は、案内装置に取り付けられる装置本体と、板状をなす押圧板と、装置本体と押圧板とを連結しつつ、押圧板を支持するリンク機構とを有し得る。また、リンク機構は、第1状態と、第1状態よりも選択物品に向かって延びる第2状態との間で変形可能であり得る。そして、押圧板は、リンク機構が第1状態から第2状態に変形することによって選択物品を押圧することも好ましい。この場合には、押圧板が選択物品を押圧することにより、押圧装置は、選択物品を安定的に保管棚から搬送棚に移動させることが可能となる。
【0017】
押圧装置は複数であることが好ましい。この場合には、第3移動手段によって、保管棚から搬送棚へ複数の選択物品を同時に移動させることが可能となる。このため、この倉庫システムでは、選択物品の出庫作業をより効率高く行うことができる。なお、押圧装置は複数であっても、保管棚に保管される物品と同数である必要はない。
【0018】
各押圧装置は、互いに相対移動可能に物品の高さ方向に配設されていることが好ましい。また、各押圧装置は、互いに相対移動可能に保管棚の延在方向に並列で配設されていることも好ましい。
【0019】
これらの場合には、各押圧装置同士が保管棚の延在方向に移動するに当たって、互いに干渉することを回避できる。このため、各押圧装置は、選択物品が存在する位置まで好適に移動できる。
【0020】
本発明の第2の倉庫システムは、複数の物品を入庫して保管し、保管された前記各物品のうち、出庫すべき選択物品を出庫可能な倉庫システムにおいて、
前記物品を入庫させる入庫口と、
前記選択物品を出庫させる出庫口と、
前記入庫口側から前記出庫口側に向かって延在し、前記物品を保管可能な保管棚と、
前記保管棚に並設され、前記保管棚と並走しつつ前記入庫口側から前記出庫口側に向かって延在し、前記選択物品を載置可能な搬送棚と、
前記保管棚に保管された前記物品から前記選択物品を選択する選択手段と、
前記物品を前記保管棚上で前記保管棚の延在方向に移動させる第1移動手段と、
前記第1移動手段とは独立して作動し、前記選択物品を前記搬送棚上で前記出庫口側に移動させる第2移動手段と、
前記第1移動手段及び前記第2移動手段とは独立して作動し、前記物品を前記保管棚の前記延在方向に移動させる第1移動状態と、前記選択物品を前記保管棚から前記搬送棚に移動させる第2移動状態とに切り替え可能な第3移動手段とを備え、
前記第3移動手段は、前記保管棚に設けられ、前記第1移動状態及び前記第2移動状態に切り替え可能な複数のコンベア装置と、
前記各コンベア装置を個別に前記第1移動状態と前記第2移動状態とに切り替える制御装置とを有していることを特徴とする。
【0021】
本発明の第2の倉庫システムにおいても、第1移動手段、第2移動手段及び第3移動手段が互いに独立して作動する。このため、これらの倉庫システムにおいても、複数のスタッカークレーン等を用いることなく、入庫口から入庫された物品の保管作業と、選択物品の出庫作業とを同時に行うことができる。
【0022】
したがって、本発明の第2の倉庫システムによれば、効率高く物品の保管作業と選択物品の出庫作業とを行うことが可能であるとともに、低コスト化を実現可能できる。
【0023】
特に、第2の倉庫システムでは、第3移動手段の各コンベア装置が保管棚に設けられている。これにより、この倉庫システムでは小型化も可能となる。
【0024】
保管棚は、各コンベア装置が設けられる床面を有し得る。そして、各コンベア装置は、床面に対して垂直に延びる回転軸心周りで回動することにより、第1移動状態と第2移動状態とを切り替えることが好ましい。この場合には、第1移動状態と第2移動状態とを好適に切り替えることが可能となる。
【0025】
また、各コンベア装置は、第2移動状態では、保管棚側から搬送棚側に下り傾斜となることも好ましい。この場合には、選択物品を保管棚から搬送棚に移動させるに当たって、重力を利用できるため、選択物品を保管棚から搬送棚に移動させるための動力を小さくしたり、選択物品を保管棚から搬送棚に移動させるための動力を不用としたりすることができる。
【0026】
本発明の第1の倉庫システム及び第2の倉庫システムは、保管棚上の物品が選択物品とともに搬送棚へ移動することを規制する規制手段をさらに備えていることが好ましい。この場合には、選択物品の保管棚から搬送棚への移動を正確に行うことが可能となるとともに、選択物品以外の物品が保管棚を経て出庫口から出庫されることを確実性高く防止できる。
【0027】
規制手段は、保管棚における物品の位置を位置情報として検出する検出装置と、位置情報に基づき、保管棚の延在方向において、各物品同士の間に所定の隙間を設けつつ、保管棚に物品を静止させる静止装置とを有していることが好ましい。この場合には、保管棚上の物品が選択物品とともに搬送棚へ移動することをより好適に規制できる。
【発明の効果】
【0028】
本発明の第1の倉庫システム及び第2の倉庫システムによれば、効率高く物品の保管作業と選択物品の出庫作業とを行うことが可能であるとともに、低コスト化を実現可能できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】
図1は、実施例1の倉庫システムを示す模式図である。
【
図2】
図2は、実施例1の倉庫システムに係り、保管棚、搬送棚及び第1~3移動手段等を示す上面図である。
【
図3】
図3は、実施例1の倉庫システムに係り、保管棚等を
図2におけるD1方向から見た正面図である。
【
図4】
図4は、実施例1の倉庫システムに係り、
図2におけるA-A断面を示す断面図である。
【
図5】
図5は、実施例2の倉庫システムに係り、押圧装置を示す部分断面図である。
【
図6】
図6は、実施例2の倉庫システムに係り、押圧装置を示す部分断面図である。
【
図7】
図7は、実施例3の倉庫システムに係り、押圧装置を示す上面図である。
【
図8】
図8は、実施例3の倉庫システムに係り、押圧装置を示す上面図である。
【
図9】
図9は、実施例4の倉庫システムに係り、保管棚、搬送棚及び第1~3移動手段等を示す上面図である。
【
図10】
図10は、実施例4の倉庫システムに係り、選択物品が保管棚から搬送棚に移動している状態を示す上面図である。
【
図11】
図11は、実施例5の倉庫システムに係り、保管棚、搬送棚及び第1~3移動手段等を示す上面図である。
【
図12】
図12は、実施例5の倉庫システムに係り、
図11におけるB-B断面を示す断面図である。
【
図13】
図13は、実施例5の倉庫システムに係り、選択物品が保管棚から搬送棚に移動している状態を示す
図12と同様の断面図である。
【
図14】
図14は、実施例6の倉庫システムに係り、保管棚、搬送棚及び第1~3移動手段等を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明を具体化した実施例1~6を図面を参照しつつ説明する。
【0031】
(実施例1)
図1に示すように、実施例1の倉庫システムは、倉庫本体1と、第1エレベータ装置3と、第2エレベータ装置5と、作業用コンピュータ7とを備えている。また、この倉庫システムでは、倉庫本体1に入庫される前の荷物9を待機させる待機所11と、倉庫本体1から出庫された選択荷物90を受取可能な受取所13とが設けられている。荷物9は本発明における「物品」の一例であり、選択荷物90は本発明における「選択物品」の一例である。また、作業用コンピュータ7は、本発明における「選択手段」及び「制御装置」の一例である。
【0032】
図2に示すように、荷物9には、識別標識9aが貼付されている。識別標識9aは、数字、文字及び図形等によって作成されている。識別標識9aは、貼付される荷物9毎に内容が異なるように作成されている。なお、識別標識9aが貼付される位置は適宜変更することが可能である。
【0033】
本実施例では、
図1に示す各矢印によって、倉庫本体1の左右方向及び上下方向を規定している。また、
図2では、
図1に対応して、倉庫本体1の左右方向を規定している他、倉庫本体1の前後方向を規定している。そして、
図3以降では、
図1及び
図2に対応して、倉庫本体1の左右方向、上下方向及び前後方向を規定している。これらの左右方向、上下方向及び前後方向は、互いに直交している。
【0034】
図1に示すように、倉庫本体1は矩形状に形成されたハウジング17を有している。ハウジング17の右側には、第1~4入庫口17a~17dが形成されている。また、ハウジング17の左側には、第1~4出庫口17e~17hが形成されている。各第1~4入庫口17a~17d及び各第1~4出庫口17e~17hは、それぞれハウジング17の高さ方向に配置されている。また、第1入庫口17aに対して第1出庫口17eが対応している。同様に、第2~4入庫口17b~17dに対して、第2~4出庫口17f~17hがそれぞれ対応している。第1~4入庫口17a~17dは、本発明の「入庫口」の一例である。また、第1~4出庫口17e~17hは、本発明の「出庫口」の一例である。
【0035】
ハウジング17内には、第1~4棚ユニット19a~19dが設けられている。これらの各第1~4棚ユニット19a~19dは、ハウジング17の高さ方向に層状に配置されている。これにより、ハウジング17内において、第1棚ユニット19aが最上層に位置しており、第4棚ユニット19dが最下層に位置している。また、ハウジング17内において、各第1~4棚ユニット19a~19dは、左右方向に水平に配置されている。なお、ハウジング17内に設けられる棚ユニットの個数は、適宜設計可能である。また、棚ユニットの個数に応じて、ハウジング17に形成される入庫口及び出庫口の個数は適宜設計可能である。
【0036】
第1棚ユニット19aは、第1入庫口17aと第1出庫口17eとに接続している。第2棚ユニット19bは、第2入庫口17bと第2出庫口17fとに接続している。第3棚ユニット19cは、第3入庫口17cと第3出庫口17gとに接続している。第4棚ユニット19dは、第4入庫口17dと第4出庫口17hとに接続している。
【0037】
第1~4棚ユニット19a~19dは、いずれも同様の構成であり、保管棚21と搬送棚23とを有している。以下、第1棚ユニット19aを基に、保管棚21及び搬送棚23の構成を説明する。
【0038】
図2に示すように、保管棚21は、第1入庫口17a側から第1出庫口17eに向かって左右方向に水平に延在している。保管棚21は、搬入路21aと、棚本体21bとを有している。搬入路21aは、棚本体21bの右端と接続しており、棚本体21bから第1入庫口17a側に向かって延びており、
図1に示す第1入庫口17aから第1エレベータ装置5に臨んでいる。
図2に示すように、搬入路21aは、左右方向及び前後方向に水平をなす第1床面210と、第1立壁211とが設けられている。第1立壁211は第1床面210に対して上方に垂直に延びており、搬入路21aを移動する荷物9が搬入路21aから落下することを防止する。
【0039】
棚本体21bは、前後方向の幅が搬入路21aと等しく形成されており、搬入路21aと接続しつつ左側に延びている。棚本体21bは、搬入路21aによって搬送された各荷物9を保管可能となっている。棚本体21bは、左右方向及び前後方向に水平をなす第2床面212と、第2立壁213とが設けられている。第2床面212は、本発明の「床面」の一例である。第2立壁213は第2床面212に対して上方に垂直に延びており、棚本体21bから荷物9や選択荷物90が落下することを防止する。
【0040】
図3に示すように、第2立壁213には、複数の検出センサ214が設けられている。第2立壁213において、各検出センサ214は、所定の間隔を設けつつ、左右方向に整列している。本実施例では、検出センサ214は、棚本体21bに保管可能な荷物9の個数と同数とされている。各検出センサ214は、本発明における「検出装置」の一例である。各検出センサ214は、
図1に示す作業用コンピュータ7と通信可能に接続されている。各検出センサ214は、棚本体21bにおける各荷物9の位置を位置情報として検出し、この位置情報を作業用コンピュータ7に送信する。
【0041】
また、搬入路21aの第1床面210には、第1ベルトコンベア装置25が設けられており、棚本体21bの第2床面212には、ローラコンベア装置27が設けられている。これらの第1ベルトコンベア装置25及びローラコンベア装置27によって、本発明の「第1移動手段」が構成されている。
【0042】
第1ベルトコンベア装置25は公用品である。第1ベルトコンベア装置25は、
図1に示す作業用コンピュータ7によって制御可能となっている。
図2に示すように、第1ベルトコンベア装置25は、各荷物9を載置しつつ、搬入路21a上で第1入庫口17aから棚本体21bに向けて各荷物9を搬送する。
【0043】
図3に示すように、ローラコンベア装置27は、複数の搬送ローラ27aを有している。各搬送ローラ27aには、それぞれモータ(図示略)が設けられており、軸方向に延びる回転軸心O1周りで、同図に示すR1方向に回転可能となっている。ローラコンベア装置27では、各搬送ローラ27aが
図1に示す作業用コンピュータ7によって個別に制御可能となっている。なお、
図3では、説明を容易にするため、各荷物9を仮想線で示している。
【0044】
ローラコンベア装置27では、各搬送ローラ27aが回転することにより、
図2の白色矢印で示すように、搬入路21aを搬送された各荷物9を棚本体21b上で左側、つまり、第1出庫口17e側に向けて搬送する。また、ローラコンベア装置27では、検出センサ214が検出した位置情報に基づき、作業用コンピュータ7が各搬送ローラ27aの回転を停止することにより、棚本体21bで各荷物9を静止させて、棚本体21bに各荷物9を保管させる。これにより、ローラコンベア装置27は、本発明における「静止装置」としても機能する。つまり、各検出センサ214、作業用コンピュータ7及びローラコンベア装置27は、本発明の「規制手段」を構成している。なお、棚本体21bにおける各荷物9の保管についての詳細は後述する。
【0045】
搬送棚23は、保管棚21の前方側で保管棚21と並設されている。搬送棚23は、保管棚21と並走しつつ、第1入庫口17a側から第1出庫口17eに向かって左右方向に水平に延在している。また、
図4に示すように、搬送棚23は、棚本体21bと左右方向及び前後方向において平行となっている。搬送棚23には、左右方向及び前後方向に水平をなす第3床面230と、第3立壁231とが設けられている。第3立壁231は第3床面230に対して上方に垂直に延びており、搬送棚23から選択荷物90が落下することを防止する。そして、第3床面230は、第2床面212の前端と接続している。こうして、搬送棚23は、棚本体21bの前端と接続している。
【0046】
搬送棚23の第3床面230には、第2ベルトコンベア装置29が設けられている。第2ベルトコンベア装置29は、本発明における「第2移動手段」の一例である。上記の第1ベルトコンベア装置25と同様、第2ベルトコンベア装置29も公用品である。第2ベルトコンベア装置29は、
図1に示す作業用コンピュータ7によって制御可能となっている。
図2の黒色矢印で示すように、第2ベルトコンベア装置29は、選択荷物90を載置しつつ、搬送棚23上で選択荷物90を第1出庫口17eに向けて搬送する。なお、第1、2ベルトコンベア装置25、29に換えて、ローラコンベア装置を採用しても良い。
【0047】
また、
図1に示すように、倉庫本体1には、第1~4ゲート装置31a~31dが設けられている。第1ゲート装置31aは、ハウジング17内において、第1棚ユニット19aに設置されており、第1出庫口17e側に位置している。同様に、第2~4ゲート装置31b~31dは、ハウジング17内において、それぞれ第2~4棚ユニット19b~19dに設置されており、第2~4出庫口17f~17h側に位置している。
【0048】
第1~4ゲート装置31a~31dは、いずれも同様の構成であり、装置本体311と遮蔽板312とを有している。以下、第1ゲート装置31aを基に、装置本体311及び遮蔽板312の構成を説明する。
【0049】
図2に示すように、装置本体311は、搬送棚23における第1出庫口17e側に取り付けられている。装置本体311内には、312を揺動させるための駆動装置(図示略)が設けられている。装置本体311は、
図1に示す作業用コンピュータ7によって制御可能となっている。
図2に示す遮蔽板312は、装置本体311に対して揺動可能に取り付けられている。第1ゲート装置31aは、装置本体311に対して遮蔽板312を揺動させることにより、搬送棚23を搬送される選択荷物90について、第1出庫口17eから出庫することを許容する場合と、禁止する場合とを切り替える。
【0050】
また、
図1に示すように、倉庫本体1には、プッシング機構33が設けられている。プッシング機構33は、本発明における「第3移動手段」の一例である。プッシング機構33は、ハウジング17内に設けられており、第1~4棚ユニット19a~19dの後方に配置されている。
【0051】
プッシング機構33は、第1支柱35aと、第2支柱35bと、4つのガイドレール群41と、4つの押圧装置群43と、作業用コンピュータ7とによって構成されている。なお、ガイドレール群41の個数は、棚ユニットの個数に応じて決定される。
【0052】
第1、2支柱35a、35bは、ハウジング17の床部に固定されており、上方に向かって垂直に延びている。
図2に示すように、第1支柱35aと、第2支柱35bとは、保管棚21の棚本体21bにおける左右方向の長さとほぼ同じ間隔を有して配置されている。
【0053】
図4に示すように、各ガイドレール群41は、第1~5ガイドレール37a~37eによって構成されている。
図1に示すように、各ガイドレール群41は、第1、2支柱35a、35bに固定されることにより、第1支柱35aと第2支柱35bとの間に架橋されている。こうして、各ガイドレール群41は、第1~4棚ユニット19a~19dの後方に位置している。
【0054】
図2に示すように、各ガイドレール群41、すなわち、第1~5ガイドレール37a~37eは、それぞれ金属製である。これにより、第1~5ガイドレール37a~37eは、後述する第1~5押圧装置39a~39eの重量に対する剛性を有している他、第1~5押圧装置39a~39eのロッド393が選択荷物90を押圧した際の反力に対する剛性を有している。第1~5ガイドレール37a~37eは、保管棚21に沿って、左右方向に水平に延びている。
図4に示すように、第1~5ガイドレール37a~37eのうち、第1~3ガイドレール37a~37cは、所定の間隔を設けつつ、高さ方向に整列して配置されている。そして、第4、5ガイドレール37d、37eは、第1~3ガイドレール37a~37cの後方に所定の間隔を設けて配置されている。また、第4ガイドレール37dと第5ガイドレール37eとは、所定の間隔を設けつつ、高さ方向に整列して配置されている。より具体的には、第4ガイドレール37dは、第1ガイドレール37aと第2ガイドレール37bとの間に配置されており、第5ガイドレール37eは、第2ガイドレール37bと第3ガイドレール37cとの間に配置されている。
【0055】
図2及び
図4に示すように、各押圧装置群43は、第1~5押圧装置39a~39eによって構成されている。第1~5押圧装置39a~39eは、
図1に示す作業用コンピュータ7によって制御可能となっている。
図4に示すように、第1~5押圧装置39a~39eは、いずれも同一の構成であり、装置本体391と、ロッド393とを有している。なお、押圧装置群43を構成する押圧装置の個数は適宜設計可能である。また、ガイドレール群41を構成するガイドレールの個数は、押圧装置の個数に応じて決定される。
【0056】
装置本体391には、挿通孔391aが形成されている。挿通孔391aは、装置本体391を左右方向に貫通しており、第1~5ガイドレール37a~37eを挿通可能となっている。また、装置本体391内には、ガイドローラ40aと、第1、2従動ローラ40b、40cと、第1、2作動モータ40d、40eとが設けられている。
【0057】
ガイドローラ40aと、第1、2従動ローラ40b、40cとは、対向して配置されている。第1作動モータ40dは、ガイドローラ40aを作動させる。第2作動モータ40eは、ロッド393を作動させる。第1、2作動モータ40d、40eは、
図1に示す作業用コンピュータ7によって制御可能となっている。第1、2支柱35a、35b、各ガイドレール群41、ガイドローラ40a、第1、2従動ローラ40b、40c及び第1作動モータ40dによって、本発明の「案内装置」が構成されている。なお、ガイドローラ40a及び第1、2従動ローラ40b、40cの個数は適宜設計可能である。
【0058】
ロッド393は金属製であり、選択荷物90を押圧した際の反力に対する剛性を有している。ロッド393は、装置本体391の前面に設けられている。ロッド393は、装置本体391から前方に向かってロッド393の軸方向に延びている。
図2に示すように、ロッド393は、最も縮小した状態である第1長さL1と、最も伸張した状態である第2長さL2との間で多段に伸縮することが可能となっている。なお、ロッド393の大きさや長さは、保管棚21に保管される荷物9、ひいては選択荷物90の大きさや重量等に応じて適宜設計可能である。
【0059】
図4に示すように、第1押圧装置39aでは、装置本体391の挿通孔391aに第1ガイドレール37aを挿通させている。この際、装置本体391内において、ガイドローラ40aと、第1、2従動ローラ40b、40cとが第1ガイドレール37aを保持する。こうして、装置本体391が第1ガイドレール37aに取り付けられることにより、第1押圧装置39aは、保管棚21の後方で第1ガイドレール37aに取り付けられている。そして、第1押圧装置39aは、第1作動モータ40dによってガイドローラ40aが作動し、第1、2従動ローラ40b、40cがガイドローラ40aに従動することにより、第1ガイドレール37aに案内されつつ、保管棚21に対して左右方向に水平に移動可能となっている。第1押圧装置39aと同様に、第2~5押圧装置39b~39eについても、それぞれ保管棚21の後方で第2~5ガイドレール37b~37eに取り付けられている。こうして、第2~5押圧装置39b~39eも、それぞれ第2~5ガイドレール37b~37eに案内されつつ、保管棚21に対して左右方向に水平に移動可能となっている。ここで、第1~5押圧装置39a~39eは、作業用コンピュータ7によって制御されることにより、それぞれ個別に移動可能となっている。
【0060】
このように、第1~5押圧装置39a~39eが第1~5ガイドレール37a~37eに取り付けられることにより、第1~3押圧装置39a~39cは、荷物9の高さ方向に配設されている。また、第4、5押圧装置39d、39eは、第1~3押圧装置39a~39cの後方に配置されている。つまり、
図2に示すように、第1~3押圧装置39a~39cと、第4、5押圧装置39d、39eとは、保管棚21の延在方向に並列で配置されている。さらに、第4、5押圧装置39d、39eは、荷物9の高さ方向に配設されている。より具体的には、第4押圧装置39dは、第1~3押圧装置39a~39cの後方であって、第1押圧装置39aと第2押圧装置39bとの間に位置している。また、第5押圧装置39eは、第1~3押圧装置39a~39cの後方であって、第2押圧装置39bと第3押圧装置39cとの間に位置している。
【0061】
そして、第1押圧装置39aと第2押圧装置39bとの間には、高さ方向に隙間が設けられており、第2押圧装置39bと第2押圧装置39bとの間にも、高さ方向に隙間が設けられている。このため、第1~3押圧装置39a~39cは、左右方向に水平に移動するに当たって、互いに高さ方向にすれ違いつつ相対移動することが可能となっている。また、第4押圧装置39dと第5押圧装置39eとの間にも、高さ方向に隙間が設けられている。このため、第4、5押圧装置39d、39eも、左右方向に水平に移動するに当たって、互いに高さ方向にすれ違いつつ相対移動することが可能となっている。さらに、第1~3押圧装置39a~39cと、第4、5押圧装置39d、39eとの間には、前後方向に隙間が設けられている。このため、第1~3押圧装置39a~39cと、第4、5押圧装置39d、39eとは、左右方向に水平に移動するに当たって、互いに前後方向にすれ違いつつ相対移動することが可能となっている。
【0062】
図1に示す第1エレベータ装置3は、左右方向に水平に延びる複数の載置台3aと、各載置台3aと直交しつつ、上下方向に垂直に延びる複数のガイドレール3bと、装置本体3cとを有している。装置本体3cには、各載置台3aを移動させるための図示しない動力装置が設けられている。第1エレベータ装置3は、作業用コンピュータ7によって制御可能となっている。これにより、第1エレベータ装置3では、ガイドレール3bに沿って各載置台3aが高さ方向に各々周回する。こうして、第1エレベータ装置3では、待機所11に待機する荷物9を載置台3aに1つずつ載置させて、荷物9を倉庫本体1の第1~4入庫口17a~17dまで自動で搬送することが可能となっている。
【0063】
第2エレベータ装置5は、第1エレベータ装置3と同様の構成であり、複数の載置台5aと、複数のガイドレール5bと、装置本体5cとを有している。第2エレベータ装置5も、作業用コンピュータ7によって制御可能となっている。これにより、第2エレベータ装置5では、ガイドレール5bに沿って各載置台5aが高さ方向に各々周回する。ここで、第2エレベータ装置5では、各載置台5aは、第1エレベータ装置3の各載置台3aとは反対方向で高さ方向に各々周回する。こうして、第2エレベータ装置5では、第1~4出庫口17e~17hから出庫された選択荷物90を載置台5aに1つずつ載置させて、選択荷物90を受取所13まで自動で搬送することが可能となっている。
【0064】
作業用コンピュータ7は、コンピュータ本体7aと、ディスプレイ7bと、キーボード7cとを有している。作業用コンピュータ7は、倉庫本体1から離れた位置に配置されている。
【0065】
コンピュータ本体7a内には、ROM70、CPU71及び記憶媒体72等が設けられている。ROM70には、第1、2ベルトコンベア装置25、29、ローラコンベア装置27、第1~4ゲート装置31a~31d、第1~5押圧装置39a~39e及び第1、2エレベータ装置3、5を制御するためのプログラムを含め、倉庫システムを運用するためのプログラム記憶されている。CPU71は、プログラムを実行し、第1、2ベルトコンベア装置25、29、ローラコンベア装置27、第1~4ゲート装置31a~31d、第1~5押圧装置39a~39e及び第1、2エレベータ装置3、5に対して、個別に制御信号を送信する。また、CPU71は、各検出センサ214が検出した位置情報に基づいて、ローラコンベア装置27に対して制御信号を送信する。こうして、この倉庫システムは、第1、2ベルトコンベア装置25、29と、ローラコンベア装置27と、第1~4ゲート装置31a~31dと、第1~5押圧装置39a~39eと、第1、2エレベータ装置3、5とが、互いに独立して作動することが可能となっている。
【0066】
記憶媒体72には、各荷物9に貼付された識別標識9aがそれぞれ記憶されている。これにより、記憶媒体72には、各識別標識9aに基づき、各荷物9の内容を記憶している。ディスプレイ7bには、各識別標識9aの情報と、各識別標識9aに基づく各荷物9の内容の情報とが表示される。また、ディスプレイ7bには、各検出センサ214が検出した位置情報に基づき、各保管棚21の棚本体21bにおける各荷物9の位置の情報が表示される。キーボード7cは、図示しない作業者が倉庫システムを運用するための各種の操作を行うことが可能となっている。
【0067】
この倉庫システムでは、以下のようにして複数の荷物9を倉庫本体1内に入庫して保管するとともに、保管された各荷物9のうち、出庫すべき選択荷物90を倉庫本体1から出庫することが可能である。
【0068】
まず、各荷物9を倉庫本体1内に入庫して保管する保管作業を行う場合、作業者は待機所11において、荷物9を載置台3aに載置する。載置台3aに載置された荷物9は、第1エレベータ装置3によって上昇し、第1~4入庫口17a~17dのいずれかから倉庫本体1内に入庫される。ここで、この倉庫システムでは、各荷物9が第1~4入庫口17a~17dのいずれから倉庫本体1内に入庫されるかについては問題とはならず、第1~4棚ユニット19a~19dにおける各保管棚21における各荷物9の保管状況に応じて、入庫可能な第1~4入庫口17a~17dが選択される。
【0069】
そして、例えば、第1入庫口17aから入庫された荷物9は、
図2に示すように、第1ベルトコンベア装置25によって、保管棚21の搬入路21a上を第1出庫口17e側、すなわち、棚本体21b側に向かって移動する。そして、棚本体21bに至った荷物9は、ローラコンベア装置27によって、棚本体21bを第1出庫口17e側に向かって移動する。
【0070】
ここで、棚本体21bに他の荷物9が保管されていない場合には、第1入庫口17aから入庫された荷物9は、ローラコンベア装置27によって、棚本体21bを最も左側、つまり、最も第1出庫口17e側まで移動する。そして、第2立壁213において、最も左側に配置された検出センサ214が荷物9を検出し、位置情報を作業用コンピュータ7に送信する。これにより、作業用コンピュータ7は、ローラコンベア装置27において、荷物9が載置されている搬送ローラ27aの作動を停止する。具体的には、
図3におけるグループG1に属する搬送ローラ27aの作動を停止する。こうして、荷物9を棚本体21bに保管する。一方、作業用コンピュータ7は、グループG1以外に属する搬送ローラ27aについては、引き続き作動させる。これにより、ローラコンベア装置27は、第1入庫口17aから新たに入庫された荷物9について、棚本体21b上を第1出庫口17e側に向けて移動させる。
【0071】
一方、棚本体21bに他の荷物9が既に保管されている場合には、第1入庫口17aから入庫された荷物9は、ローラコンベア装置27によって、棚本体21b上を移動し、既に保管されている荷物9に接近する。そして、作業用コンピュータ7は、既に受信している位置情報に基づき、ローラコンベア装置27を制御することにより、既に保管されている荷物9との間に一定の間隔を設けつつ、第1入庫口17aから入庫された荷物9の移動を停止させる。つまり、作業用コンピュータ7は、既に停止しているグループG1に属する搬送ローラ27aに続いて、グループG2に属する搬送ローラ27aも停止させる。一方、作業用コンピュータ7は、グループG1、G2以外に属する搬送ローラ27aについては、引き続き作動させる。そして、第1入庫口17aから順次入庫された各荷物9についても、作業用コンピュータ7は、グループG3~G5に属する搬送ローラ27aを順次停止することにより、棚本体21bでの移動を停止させる。こうして、棚本体21bにおいて、各荷物9が互いに左右方向に所定の間隔を設けた状態で順次保管される。
【0072】
次に、選択荷物90を倉庫本体1から出庫する出庫作業を行う場合には、作業者は、
図1に示すディスプレイ7bに表示された各識別標識9a及び各荷物9の各情報に基づき、倉庫本体1内に保管された各荷物9から、出庫の対象となる荷物9を選択する。こうして選択された荷物9が選択荷物90となる。
【0073】
選択荷物90が選択されることにより、作業用コンピュータ7は、押圧装置群43の中から、作業を行う第1~5押圧装置39a~39eを選択する。ここで、例えば、選択荷物90が第1棚ユニット19aに存在する場合には、作業用コンピュータ7は、第1棚ユニット19に対応する押圧装置群43の中から、作業を行う第1~5押圧装置39a~39eを選択する。同様に、選択荷物90が第2~4棚ユニット19b~19dに存在する場合には、作業用コンピュータ7は、第2~4棚ユニット19b~19dに対応する押圧装置群43の中から、作業を行う第1~5押圧装置39a~39eを選択する。なお、第1~5押圧装置39a~39eの選択は、第1~5押圧装置39a~39eの稼働状況や第1~5押圧装置39a~39eと選択荷物90との距離等に基づいて行われる。
【0074】
こうして、例えば第1押圧装置39aが選択された場合には、
図2に示すように、第1押圧装置39aは、第1ガイドレール37aに案内されつつ、選択荷物90の後方まで移動する。そして、第1押圧装置39aは、第2作動モータ40eによって、ロッド393を第1長さL1から伸張させて選択荷物90と当接させる。この状態で、第2作動モータ40eは、ロッド393を第2長さL2まで伸張させることにより、ロッド393は選択荷物90を搬送棚23に向けて押圧する。こうして、第1押圧装置39aによって、選択荷物90を棚本体21bから搬送棚23に移動させる。この際、上記のように、各荷物9同士は、左右方向に所定の間隔を設けた状態で保管されているため、選択荷物90を棚本体21bから搬送棚23に移動させるに当たって、選択荷物90の隣に存在する荷物9が選択荷物90とともに搬送棚23に移動することが防止されている。
【0075】
そして、選択荷物90を搬送棚23に移動させた後は、第2作動モータ40eがロッド393を縮小させて、ロッド393を第1長さL1とする。また、選択荷物90が搬送棚23に移動することにより、作業用コンピュータ7は、停止している搬送ローラ27aを作動させる。こうして、棚本体21bに選択荷物90が存在した分のスペースを詰めるように、棚本体21bに保管されている各荷物9を移動させる。
【0076】
この倉庫システムでは、各押圧装置群43がそれぞれ第1~5押圧装置39a~39eによって構成されているため、第1~4棚ユニット19a~19dにおいて、それぞれ5つまで同時に選択荷物90を搬送棚23に移動させることが可能となっている。また、選択荷物90の大きさや重量等により、例えば、第1、2、4押圧装置39a、39b、39dによって選択荷物90を搬送棚23に移動させたり、第2、3、5押圧装置39b、39c、39eによって選択荷物90を搬送棚23に移動させたりすることも可能となっている。ここで、
図4に示すように、第4押圧装置39dは、第1、2押圧装置39a、39bの後方であって、第1押圧装置39aと第2押圧装置39bとの間に位置している。このため、第4押圧装置39dは、第1押圧装置39aと第2押圧装置39bとの間からロッド393を伸張させて選択荷物90を押圧することが可能となっている。同様に、第5押圧装置39eは、第2押圧装置39bと第3押圧装置39cとの間からロッド393を伸張させて選択荷物90を押圧することが可能となっている。このように、この倉庫システムでは、第4、5押圧装置39d、39eが選択荷物90を押圧するに当たって、第1~3押圧装置39a~39cが邪魔になることがない。
【0077】
そして、搬送棚23に移動した選択荷物90は、第2ベルトコンベア装置29によって、
図1に示す第1~4出庫口17e~17hに向けて搬送される。そして、第1~4出庫口17e~17hから出庫された選択荷物90は、載置台5aに載置される。ここで、第1~4ゲート装置31a~31dにより、第1~4出庫口17e~17hから出庫される選択荷物90を載置台5aに載置するタイミングが調整される。そして、選択荷物90は、第2エレベータ装置5によって下降し、倉庫本体1から受取所13まで移動する。こうして、選択荷物90の出庫作業が完了し、作業者は、選択荷物90を仕向地に向けて更に搬送する等の作業を行うことが可能となる。
【0078】
この倉庫システムでは、第1、2ベルトコンベア装置25、29、ローラコンベア装置27及び第1~5押圧装置39a~39eが作業用コンピュータ7によって制御されつつ、互いに独立して作動する。このため、第1ベルトコンベア装置25及びローラコンベア装置27による保管棚21上での各荷物9の移動と、第2ベルトコンベア装置29による搬送棚23上での選択荷物90の移動と、第1~5押圧装置39a~39eによる棚本体21bから搬送棚23への選択荷物90の移動とをそれぞれ独立して行うことができる。これにより、この倉庫システムによれば、複数のスタッカークレーン等を用いることなく、第1~4入庫口17a~17dから入庫された各荷物9の保管作業と、選択荷物90の出庫作業とを同時に行うことができる。
【0079】
また、この倉庫システムでは、プッシング機構33において、各押圧装置群43を構成する第1~5押圧装置39a~39eが作業用コンピュータ7によって制御されている。そして、各ガイドレール群41を構成する第1~5ガイドレール37a~37eが第1~5押圧装置39a~39eを保管棚21の延在方向に案内することにより、第1~5押圧装置39a~39eは、選択荷物90が存在する位置まで保管棚21の延在方向に移動することが可能となっている。このため、プッシング機構33は、棚本体21bに保管される荷物9と同数の押圧装置を有する必要がない。
【0080】
したがって、本発明の第1の倉庫システムによれば、効率高く荷物9の保管作業と選択荷物90の出庫作業とを行うことが可能であるとともに、低コスト化を実現可能できる。
【0081】
特に、この倉庫システムでは、第1~5押圧装置39a~39eが装置本体391と、ロッド393とを有している。そして、第1~5押圧装置39a~39eは、ロッド393を伸張させることによって、ロッド393は選択荷物90を押圧する。これにより、この倉庫システムでは、第1~5押圧装置39a~39eの構成を簡素化できるため、この点においても低コスト化を実現している。
【0082】
ここで、ロッド393は金属製であり、剛性を有しているため、選択荷物90を押圧する際の反力が作用しても撓みが生じ難くなっている。同様に、各ガイドレール37a~37eについても、選択荷物90を押圧する際の反力によって撓みが生じ難くなっている。これらのため、第1~5押圧装置39a~39eによって、選択荷物90を好適に押圧でき、選択荷物90を棚本体21bから搬送棚23に好適に移動させることが可能となっている。
【0083】
また、第1~5押圧装置39a~39eにおいて、第1~3押圧装置39a~39cは荷物9の高さ方向に配設されており、第1~3押圧装置39a~39cと、第4、5押圧装置39d、39eとは、保管棚21の延在方向に並列で配置されている。さらに、第4、5押圧装置39d、39eは、荷物9の高さ方向に配設されている。そして、第1~5押圧装置39a~39e同士の間には、それぞれ隙間が設けられている。このため、第1~5押圧装置39a~39e同士が保管棚21の延在方向に移動するに当たって、互いに干渉することを回避可能となっている。このため、第1~5押圧装置39a~39eは、選択荷物90が存在する位置まで好適に移動可能となっている。
【0084】
また、この倉庫システムでは、各検出センサ214が検出した位置情報に基づいて、作業用コンピュータ7がローラコンベア装置27の各搬送ローラ27aを個別に停止させる。これにより、棚本体21bにおいて、互いに左右方向に所定の間隔を設けた状態で各荷物9を好適に保管することが可能となっている。これにより、この倉庫システムでは、選択荷物90の棚本体21bから搬送棚23への移動を正確に行うことが可能となっているとともに、選択荷物90以外の荷物9が搬送棚23を経て第1~4出庫口17e~17hから出庫されることを確実性高く防止できる。
【0085】
(実施例2)
実施例2の倉庫システムでは、各押圧装置群43が
図5及び
図6に示す第1~5押圧装置45a~45eによって構成されている。第1~5押圧装置45a~45eは、それぞれ装置本体451と、第1チェーン453と、第2チェーン455と、案内ギヤ457とを有している。
【0086】
装置本体451には、挿通孔451aが形成されている。挿通孔451aは、装置本体451を左右方向に貫通しており、第1~5ガイドレール37a~37eを挿通可能となっている。また、実施例1の倉庫システムにおける装置本体391と同様、装置本体451には、ガイドローラ40aと、第1、2従動ローラ40b、40cと、第1、2作動モータ40d、40eとが設けられている。装置本体451では、第2作動モータ40eは、案内ギヤ457を作動させる。
【0087】
また、装置本体451内において、挿通孔451aよりも前方側には、第1~3収容室451b~451dが区画されている他、案内路451eと開口451fとが形成されている。第1収容室451bは、装置本体451内において、左前方に配置されている。第1収容室451b内には、渦巻き形状をなす第1案内溝451gが形成されている。第2収容室451cは、装置本体451内において、右前方に配置されている。第2収容室451c内には、渦巻き形状をなす第2案内溝451hが形成されている。第3収容室451dは、第1収容室451bの右側に隣接している。案内路451eは、第2収容室451cと第3収容室451dとの間に形成されており、前後方向に延びている。開口451fは、装置本体451の前面に開いており、案内路451eと連通している。
【0088】
第1、2チェーン453、455は金属製であり、それぞれ装置本体451内に設けられている。より具体的には、第1チェーン453は、前端の一部を開口451fから装置本体451の外部に突出させた状態で、案内路451e及び第1収容室451bに延びている。そして、第1チェーン453は、第1案内溝451gに案内されることにより、第1収容室451b内で渦巻状に収容されるようになっている。第2チェーン455は、前端の一部を開口451fから装置本体451の外部に突出させた状態で、案内路451e及び第2収容室451cに延びている。そして、第2チェーン455は、第2案内溝451hに案内されることにより、第2収容室451c内で渦巻状に収容されるようになっている。また、第1、2チェーン453、455は、案内路451eにおいて互いに噛合することにより、一体化することが可能となっている。第1、2チェーン453、455の前端には、押圧部459が設けられている。押圧部459は、選択荷物90と当接しつつ、選択荷物90を押圧可能となっている。なお、第1、2チェーン453、455の大きさや長さ等は、選択荷物90の大きさや重量等に応じて適宜設計可能である。
【0089】
案内ギヤ457は、自己の一部を案内路451eに進出させた状態で第3収容室451d内に配置されている。案内ギヤ457は、第2作動モータ40eによって作動することにより、回転軸心O2周りで
図5に示すR2方向と
図6に示すR3方向とに回転可能となっている。案内ギヤ457は、案内路451eにおいて、第1チェーン453と噛合している。
【0090】
詳細な図示を省略するものの、第1~5押圧装置45a~45eについても、実施例1の倉庫システムにおける第1~5押圧装置39a~39eと同様に、第1~5ガイドレール37a~37eにそれぞれ取り付けられている。これにより、第1~3押圧装置45a~45cは、荷物9の高さ方向に配設されている。また、第1~3押圧装置45a~45cと、第4、5押圧装置45d、45eとは、保管棚21の延在方向に並列で配置されている。さらに、第4、5押圧装置45d、45eは、荷物9の高さ方向に配設されている。この倉庫システムにおける他の構成は、実施例1の倉庫システムと同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
【0091】
この倉庫システムにおいて、選択荷物90を棚本体21bから搬送棚23に移動させるに当たっては、作業用コンピュータ7は、押圧装置群43の中から、作業を行う第1~5押圧装置45a~45eを選択する。ここで、例えば第1押圧装置45aが選択された場合には、第1押圧装置45aは、第1ガイドレール37aに案内されつつ選択荷物90の後方まで移動する。そして、第1押圧装置45aでは、第2作動モータ40eが案内ギヤ457を
図6に示すR3方向に回転させる。これにより、第1、2チェーン453、455は、案内路451eにおいて互いに噛合しつつ、開口451fから装置本体451の前方に送り出される。つまり、第1、2チェーン453、455は、
図5に示すように、大部分が互いに離間した状態から、
図6に示すように、互いに噛合して一体化する部分を増加させつつ、開口451fから装置本体451の前方に送り出される。こうして、第1、2チェーン453、455は、選択荷物90に向かって延びることにより、押圧部459が選択荷物90と当接する。これにより、第1、2チェーン453、455は、押圧部459を通じて選択荷物90を押圧する。こうして、この倉庫システムにおいても、選択荷物90を棚本体21bから搬送棚23に移動させることが可能となっている。
【0092】
一方、選択荷物90を搬送棚23に移動させた後は、第2作動モータ40eが案内ギヤ457を
図5に示すR2方向に回転させる。これにより、第1、2チェーン453、455は、装置本体451内に引き込まれる。そして、第1、2チェーン453、455は、噛合した状態を解除させつつ、それぞれ第1、2収容室451b、451cに収容される。
【0093】
このように、この倉庫システムでは、第1~5押圧装置45a~45eが選択荷物90を棚本体21bから搬送棚23に移動させていない状態では、第1、2チェーン453、455の大部分が互いに離間した状態で第1、2収容室451b、451cに収容される。このため、第1、2チェーン453、455が装置本体451の外部に突出する長さが短くなる。こうして、この倉庫システムでは、第1~5押圧装置45a~45eについて、実施例1の倉庫システムにおける第1~5押圧装置39a~39eに比べて、前後方向に小型化することが可能となっている。このため、この倉庫システムでは、実施例1の倉庫システムに比べて、プッシング機構33を前後方向に小型化することが可能となっている。この倉庫システムにおける他の作用は、実施例1の倉庫システムと同様である。
【0094】
(実施例3)
実施例3の倉庫システムでは、各押圧装置群43が
図7及び
図8に示す第1~5押圧装置47a~47eによって構成されている。第1~5押圧装置47a~47eは、それぞれ装置本体471と、押圧板473と、リンク機構475とを有している。
【0095】
装置本体471には、挿通孔471aが形成されている。挿通孔471aは、装置本体471を左右方向に貫通しており、第1~5ガイドレール37a~37eを挿通可能となっている。また、装置本体471の前面には、第1取付部471bと第2取付部471cとが設けられている。第1取付部471bと、第2取付部471cとは、それぞれ装置本体471の前面を左右方向に移動可能となっている。また、実施例1の倉庫システムにおける装置本体391と同様、装置本体471には、ガイドローラ40aと、第1、2従動ローラ40b、40cと、第1、2作動モータ40d、40eとが設けられている。装置本体471では、第2作動モータ40eは、第1、2取付部471b、471cを移動させる。
【0096】
押圧板473は、矩形の板状に形成されている。押圧板473の左右方向の長さは、装置本体471の左右方向の長さよりも長く形成されている。なお、押圧板473は、実施例1の倉庫システムにおけるロッド393の前端や、実施例2の倉庫システムにおける押圧部459よりも大きければ、その形状を適宜設計可能である。
【0097】
また、押圧板473の後面には、第3取付部473aと第4取付部473bとが設けられている。第3取付部473aと、第4取付部473bとは、それぞれ第1、2取付部471b、471cの移動に対応して、押圧板473の後面を左右方向に移動可能となっている。
【0098】
リンク機構475は、複数のリンクアーム475aと、複数の連結ピン475bとによって構成されている。各リンクアーム475aは金属製であり、各連結ピン475bによって互いに揺動可能に連結されている。また、各リンクアーム475aのうち、リンク機構475の後端に位置する各リンクアーム475aは、各連結ピン475bによって、第1取付部471bと第2取付部471cとに揺動可能に連結されている。また、各リンクアーム475aのうち、リンク機構475の前端に位置する各リンクアーム475aは、各連結ピン475bによって、第3取付部473aと第4取付部473bとに揺動可能に連結されている。こうして、リンク機構475は、装置本体471と押圧板473とを連結しつつ、押圧板473を後方から支持することが可能となっている。なお、リンクアーム475aの個数の他、リンクアーム475aの大きさや長さ等は、選択荷物90の大きさや重量等に応じて適宜設計可能である。
【0099】
リンク機構475は、第1取付部471bと第2取付部471cとが左右方向に移動することにより、
図7示す第1状態と
図8に示す第2状態との間で変形可能となっている。つまり、リンク機構475は、第1取付部471bと第2取付部471cとが左右方向で接近するにつれて、第1状態から第2状態へ変形し、反対に、第1取付部471bと第2取付部471cとが左右方向で遠ざかるにつれて、第2状態から第1状態へ変形する。リンク機構475は、
図7示す第1状態となることにより、装置本体471に対して押圧板473を最も接近させる。また、リンク機構475は、
図8示す第2状態となることにより、装置本体471に対して押圧板473を最も前方に遠ざける。
【0100】
詳細な図示を省略するものの、第1~5押圧装置47a~47eについても、実施例1における第1~5押圧装置39a~39eと同様に、第1~5ガイドレール37a~37eにそれぞれ取り付けられている。これにより、第1~3押圧装置47a~47cは、荷物9の高さ方向に配設されている。また、第1~3押圧装置47a~47cと、第4、5押圧装置47d、47eとは、保管棚21の延在方向に並列で配置されている。さらに、第4、5押圧装置47d、47eは、荷物9の高さ方向に配設されている。この倉庫システムにおける他の構成は、実施例1の倉庫システムと同様である。
【0101】
この倉庫システムにおいて、選択荷物90を棚本体21bから搬送棚23に移動させるに当たっては、作業用コンピュータ7は、押圧装置群43の中から、作業を行う第1~5押圧装置47a~47eを選択する。ここで、例えば第1押圧装置47aが選択された場合には、第1押圧装置47aは、第1ガイドレール37aに案内されつつ選択荷物90の後方まで移動する。そして、第1押圧装置47aでは、第2作動モータ40eが第1、2取付部471b、471cを移動させて、第1取付部471bと第2取付部471cとを左右方向に接近させる。これにより、リンク機構475は、第1状態から第2状態へ変形しつつ、押圧板473を前方に移動させる。これにより、押圧板473は選択荷物90に当接しつつ、選択荷物90を押圧する。この際、リンク機構475は、押圧板473を後方から支持する。こうして、この倉庫システムにおいても、選択荷物90を棚本体21bから搬送棚23に移動させることが可能となっている。
【0102】
一方、選択荷物90を搬送棚23に移動させた後は、第2作動モータ40eが第1、2取付部471b、471cを移動させて、第1取付部471bと第2取付部471cとを左右方向に遠ざける。こうして、リンク機構475は、第2状態から第1状態に変形する。
【0103】
このように、この倉庫システムでは、第1~3押圧装置47a~47cが押圧板473によって選択荷物90を押圧する。ここで、押圧板473の左右方向の長さは、装置本体471の左右方向の長さよりも長く形成されており、また、押圧板473は、リンク機構475によって支持されている。このため、第1~3押圧装置47a~47cは、選択荷物90を安定的に棚本体21bから搬送棚23に移動させることが可能となっている。この倉庫システムにおける他の構成は、実施例1の倉庫システムと同様である。
【0104】
(実施例4)
図9に示すように、実施例4の倉庫システムでは、ローラコンベア装置27に換えて、棚本体21bの第2床面212に複数の第3ベルトコンベア装置51が設けられている。第3ベルトコンベア装置51は、棚本体21bに保管可能な荷物9の個数と同数とされている。そして、この倉庫システムでは、プッシング機構33が設けられていない。また、この倉庫システムでは、第1ベルトコンベア装置25のみによって、「第1移動手段」が構成されている。
【0105】
各第3ベルトコンベア装置51は、本発明の「コンベア装置」の一例である。各第3ベルトコンベア装置51は、
図1に示す作業用コンピュータ7によって個別に制御可能となっている。つまり、この倉庫システムでは、各第3ベルトコンベア装置51と作業用コンピュータ7とによって、本発明における「第3移動手段」が構成されている。また、各第3ベルトコンベア装置51は、本発明における「静止装置」としても機能する。
【0106】
図9に示すように、各第3ベルトコンベア装置51は、第2床面212において、第1入庫口17a側から第1出庫口17eに向かって所定の間隔を設けつつ、一列で整列している。ここで、各第3ベルトコンベア装置51同士の間隔は、荷物9や選択荷物90に比べて小さくされている。このため、第3ベルトコンベア装置51同士の間に荷物9や選択荷物90が落下することはない。
【0107】
各第3ベルトコンベア装置51は、コンベア本体51aと回動機構51bとを有している。回動機構51bは、コンベア本体51aに設けられている。回動機構51bは、第2床面212に対して上下方向に垂直に延びる回転軸心O3周りで、コンベア本体51aをR4方向とR5方向とに回動させる。ここで、回動機構51bは、コンベア本体51aをR4方向とR5方向とに回動させるに当たって、第2床面212に対してコンベア本体51aを平行に回動させる。これにより、コンベア本体51aは、R4方向やR5方向に回動する際、第2床面212に接触することがない。
【0108】
各第3ベルトコンベア装置51は、コンベア本体51aがR4方向に回動することにより、第1移動状態に切り替わる。一方、各第3ベルトコンベア装置51は、コンベア本体51aがR5方向に回動することにより、第2移動状態に切り替わる。各第3ベルトコンベア装置51は、第1移動状態では、搬入路21aを搬送された各荷物9を棚本体21b上で第1出庫口17e側に向けて搬送する。また、各第3ベルトコンベア装置51は、第2移動状態では、
図10に示すように、選択荷物90を棚本体21bから搬送棚に移動させる。なお、
図9では、全ての第3ベルトコンベア装置51において、コンベア本体51aがR4方向に回動した状態、つまり、全ての第3ベルトコンベア装置51が第1移動状態に切り替わった状態を図示している。この倉庫システムにおける他の構成は、実施例1の倉庫システムと同様である。
【0109】
この倉庫システムにおいても、荷物9の保管作業を行う場合、例えば、第1入庫口17aから入庫された荷物9は、
図9に示すように、第1ベルトコンベア装置25によって、保管棚21の搬入路21a上を棚本体21b側に向かって移動する。ここで、作業用コンピュータ7は、第1棚ユニット19aに存在する第3ベルトコンベア装置51について、コンベア本体51aをR4方向に回動させた状態とする。これにより、第1ベルトコンベア装置25によって棚本体21bに至った荷物9は、各第3ベルトコンベア装置51によって、棚本体21bを第1出庫口17e側に向かって移動する。そして、作業用コンピュータ7は、検出センサ214の位置情報に基づき、第3ベルトコンベア装置51を個別に停止させる。こうして、この倉庫システムにおいても、実施例1の倉庫システムと同様、棚本体21bにおいて、複数の荷物9が互いに左右方向に所定の間隔を設けた状態で順次保管される。この際、この倉庫システムでは、各第3ベルトコンベア装置51には、それぞれ荷物9が1つずつ載置された状態となる。
【0110】
次に、選択荷物90の出庫作業を行う場合には、作業者は、作業用コンピュータ7を操作し、
図10に示すように、各第3ベルトコンベア装置51のうち、選択荷物90が載置された第3ベルトコンベア装置51のみについて、コンベア本体51aをR5方向に回動させるとともに、コンベア本体51aを作動させる。これにより、選択荷物90が載置された第3ベルトコンベア装置51は、第2移動状態に切り替わり、選択荷物90を棚本体21bから搬送棚23に移動させる。ここで、選択荷物90は、搬送棚23に移動する過程において、作動する第2ベルトコンベア装置29の他、第3立壁231に当接することによって姿勢を変更させる。こうして、選択荷物90は、実施例1の倉庫システムと同様、第1~4出庫口17e~17hから出庫されて、最終的に受取所13に至ることになる。また、選択荷物90を搬送棚23に移動させた後は、作業用コンピュータ7は、コンベア本体51aをR4方向に回動させる。
【0111】
このように、この倉庫システムでも、第1、2ベルトコンベア装置25、29及び各第3ベルトコンベア装置51が作業用コンピュータ7によって制御されつつ、互いに独立して作動する。これにより、この倉庫システムでも、第1~4入庫口17a~17dから入庫された荷物9の保管作業と、選択荷物90の出庫作業とを同時に行うことができる。
【0112】
また、この倉庫システムでは、各第3ベルトコンベア装置51によって、選択荷物90を棚本体21bから搬送棚23に移動させることができるため、プッシング機構33が不要となっている。これにより、この倉庫システムでは、より低コスト化を行うことが可能となっている。また、この倉庫システムでは、倉庫本体1において、プッシング機構33を設けるためのスペースが不要となる。さらに、各第3ベルトコンベア装置51は棚本体21bに設けられるため、各第3ベルトコンベア装置51を設けるための専用のスペースも不要となっている。このため、この倉庫システムでは、小型化も可能となっている。
【0113】
そして、この倉庫システムでは、棚本体21bに対して、第3ベルトコンベア装置51が棚本体21bに保管可能な荷物9の個数と同数設けられている。このため、この倉庫システムでも、複数の選択荷物90を同時に棚本体21bから搬送棚23に移動させることが可能となっている。また、この倉庫システムでは、棚本体21bに保管された全ての荷物9を選択荷物90として、一度に棚本体21bから搬送棚23に移動させることも可能となっている。この倉庫システムにおける他の作用は、実施例1の倉庫システムと同様である。
【0114】
(実施例5)
図11に示すように、実施例5の倉庫システムでは、実施例4の各第3ベルトコンベア装置51に換えて、棚本体21bの第2床面212に複数の第4ベルトコンベア装置53が設けられている。第4ベルトコンベア装置53は、棚本体21bに保管可能な荷物9の個数と同数とされている。そして、この倉庫システムでも、プッシング機構33が設けられていない。また、この倉庫システムでも、第1ベルトコンベア装置25のみによって、「第1移動手段」が構成されている。
【0115】
各第4ベルトコンベア装置53も、本発明の「コンベア装置」の一例である。各第4ベルトコンベア装置53は、
図1に示す作業用コンピュータ7によって個別に制御可能となっている。つまり、この倉庫システムでは、各第4ベルトコンベア装置53と作業用コンピュータ7とによって、「第3移動手段」が構成されている。また、各第4ベルトコンベア装置53は、本発明における「静止装置」としても機能する。
【0116】
図11に示すように、各第4ベルトコンベア装置53も、各第3ベルトコンベア装置51と同様に第2床面212に設けられている。各第4ベルトコンベア装置53は、コンベア本体53aと作動機構53bとを有している。コンベア本体53aは、搬入路21aを搬送された各荷物9を棚本体21b上で第1出庫口17e側に向けて搬送する。
【0117】
図12及び
図13に示すように、作動機構53bは、コンベア本体53aに設けられており、コンベア本体53aと第2床面212との間に配置されている。作動機構53bは、
図12に示すように、コンベア本体53aを第2床面212に対して平行な状態とする平坦状態と、
図13に示すように、コンベア本体53aを第2床面212に対して傾斜させる傾斜状態とに変形可能となっている。そして、作動機構53bは、傾斜状態となることにより、コンベア本体53aを保管棚21側から搬送棚23側に下り傾斜とさせる。
【0118】
各第4ベルトコンベア装置53は、作動機構53bが平坦状態となることにより、第1移動状態に切り替わる。一方、各第4ベルトコンベア装置53は、作動機構53bが傾斜状態となることにより、第2移動状態に切り替わる。この倉庫システムにおける他の構成は、実施例1の倉庫システムと同様である。
【0119】
この倉庫システムにおいても、荷物9の保管作業を行う場合、例えば、第1入庫口17aから入庫された荷物9は、
図11に示すように、第1ベルトコンベア装置25によって、保管棚21の搬入路21a上を棚本体21b側に向かって移動する。ここで、作業用コンピュータ7は、第1棚ユニット19aに存在する第4ベルトコンベア装置53について、第1移動状態に切り替えた状態とする。これにより、第1ベルトコンベア装置25によって棚本体21bに至った荷物9は、各第4ベルトコンベア装置53によって、棚本体21bを第1出庫口17e側に向かって移動する。そして、作業用コンピュータ7は、検出センサ214の位置情報に基づき、第4ベルトコンベア装置53を個別に停止させる。こうして、この倉庫システムにおいても、実施例1の倉庫システムと同様、棚本体21bにおいて、複数の荷物9が互いに左右方向に所定の間隔を設けた状態で順次保管される。この際、実施例4の倉庫システムと同様、この倉庫システムでも、各第4ベルトコンベア装置53には、それぞれ荷物9が1つずつ載置された状態となる。
【0120】
次に、選択荷物90の出庫作業を行う場合には、作業者は、作業用コンピュータ7を操作し、
図13に示すように、各第4ベルトコンベア装置53のうち、選択荷物90が載置された第4ベルトコンベア装置53のみについて、作動機構53bを傾斜状態に変形させる。これにより、選択荷物90が載置された第4ベルトコンベア装置53は、第2移動状態に切り替わる。このため、選択荷物90は、コンベア本体51aを滑り降りつつ、棚本体21bから搬送棚23に移動する。こうして、選択荷物90は、実施例1の倉庫システムと同様、第1~4出庫口17e~17hから出庫されて、最終的に受取所13に至ることになる。また、選択荷物90を搬送棚23に移動させた後は、作業用コンピュータ7は、作動機構53bを
図12に示す平坦状態に変形させて、第4ベルトコンベア装置53を第1移動状態に切り替える。
【0121】
このように、この倉庫システムでも、第1、2ベルトコンベア装置25、29及び各第4ベルトコンベア装置53が作業用コンピュータ7によって制御されつつ、互いに独立して作動する。これにより、この倉庫システムでも、第1~4入庫口17a~17dから入庫された荷物9の保管作業と、選択荷物90の出庫作業とを同時に行うことができる。また、この倉庫システムでは、選択荷物90を棚本体21bから搬送棚23に移動するに当たって、重力を利用することができる。このため、選択荷物90を棚本体21bから搬送棚23に移動させる際には、コンベア本体53aの動力が不要となっている。この倉庫システムにおける他の作用は、実施例1、4の倉庫システムと同様である。
【0122】
(実施例6)
図14に示すように、実施例6の倉庫システムでは、実施例1の倉庫システムにおけるプッシング機構33に換えて、複数のプッシング機構61が設けられている。各プッシング機構61も、本発明の「第3移動手段」の一例である。
【0123】
各プッシング機構61は、ハウジング17内に設けられており、第1~4棚ユニット19a~19dの後方に配置されている。各プッシング機構61は、第1~4棚ユニット19a~19d毎に、それぞれ複数設けられている。また、各プッシング機構61は、
図1に示す作業用コンピュータ7によって制御可能となっている。以下、第1棚ユニット19aの後方に設けられた各プッシング機構61を基に構成を説明する。
【0124】
図14に示すように、各プッシング機構61は、保管棚21の延在方向に沿って一列、つまり、左右方向に一列で整列している。各プッシング機構61は、第1、2スプロケット63a、63bと、ローラチェーン65と、第1押圧装置39aとを有している。この倉庫システムでは、第1押圧装置39aは、本発明の「押圧装置」として機能する。
【0125】
第1スプロケット63aと第2スプロケット63bとは、左右方向に所定の間隔を設けて配置されている。具体的には、第1スプロケット63aと第2スプロケット63bとは、左右方向に荷物9の約3つ分の間隔を設けて配置されている。なお、第1スプロケット63aと第2スプロケット63bとにおける左右方向の間隔は、適宜設計可能である。
【0126】
第1スプロケット63aには、第3作動モータ67が設けられている。第3作動モータ67は、作業用コンピュータ7によって制御可能となっている。第3作動モータ67は、上下方向に垂直に延びる回転軸心O4周りで第1スプロケット63aを回動させることが可能となっている。これにより、第1スプロケット63aは、回転軸心O4周りでR6方向とR7方向とに回動可能となっている。第2スプロケット63bは、回転軸心O4と平行に延びる回転軸心O5周りで回転可能となっており、第1スプロケット63aに従動して、R6方向とR7方向とに回動可能となっている。なお、第2スプロケット63bには、第3作動モータ67は設けられていない。
【0127】
ローラチェーン65は金属製である。ローラチェーン65は、第1スプロケット63aと第2スプロケット63bとに架橋されている。これにより、ローラチェーン65は、第1、2スプロケット63a、63bがR6方向に回動すれば、第1スプロケット63aと第2スプロケット63bとの間でR6方向に周回可能となっている。一方、ローラチェーン65は、第1、2スプロケット63a、63bがR7方向に回動すれば、第1スプロケット63aと第2スプロケット63bとの間でR7方向に周回可能となっている。この倉庫システムでは、第1、2スプロケット63a、63b、第3作動モータ67及びローラチェーン65によって、本発明の「案内装置」が構成されている。
【0128】
第1押圧装置39aは、ローラチェーン65に固定されている。また、この倉庫システムでは、第1押圧装置39aの装置本体391には、ガイドローラ40a、第1、2従動ローラ40b、40c及び第1作動モータ40dが設けられていない。
【0129】
そして、第1押圧装置39aは、ローラチェーン65が第1スプロケット63aと第2スプロケット63bとの間で周回することにより、第1スプロケット63aと第2スプロケット63bとの間で保管棚21に対して左右方向に水平に移動可能となっている。具体的には、ローラチェーン65がR6方向に周回すれば、第1押圧装置39aは、保管棚21に対して右方向に水平に移動する。一方、ローラチェーン65がR7方向に周回すれば、第1押圧装置39aは、保管棚21に対して左方向に水平に移動する。ここで、第1スプロケット63aと第2スプロケット63bとが左右方向に荷物9の約3つ分の間隔を設けて配置されているため、第1押圧装置39aは、第1スプロケット63aと第2スプロケット63bとの間において、荷物9の約3つ分の間隔を左右方向に移動可能となっている。この倉庫システムにおける他の構成は、実施例1の倉庫システムと同様である。
【0130】
この倉庫システムにおいても、実施例1の倉庫システムと同様に、棚本体21bにおいて、各荷物9が互いに左右方向に所定の間隔を設けた状態で順次保管される。ここで、この倉庫システムでは、各プッシング機構61において第1押圧装置39aが左右方向に移動可能となる範囲に対応させて、棚本体21bに保管される各荷物9同士の左右方向の間隔が調整されている。
【0131】
そして、選択荷物90の出庫作業を行う場合には、作業用コンピュータ7は、各プッシング機構61のうち、棚本体21bにおける選択荷物90の位置に対応するプッシング機構61を選択する。そして、作業用コンピュータ7は、選択されたプッシング機構61について、第3作動モータ67を作動させて、第1スプロケット63aをR6方向又はR7方向に回動させて、第1押圧装置39aを選択荷物90の後方まで移動させる。そして、第1押圧装置39aは、実施例1の倉庫システムと同様、ロッド393を伸張させる。これにより、ロッド393が選択荷物90を押圧して、選択荷物90を棚本体21bから搬送棚23に移動させる。こうして、この倉庫システムでも、選択荷物90は、第1~4出庫口17e~17hから出庫されて、最終的に受取所13に至ることになる。
【0132】
このように、この倉庫システムでは、第1、2ベルトコンベア装置25、29、ローラコンベア装置27及び各プッシング機構61が作業用コンピュータ7によって制御されつつ、互いに独立して作動する。これにより、この倉庫システムでも、第1~4入庫口17a~17dから入庫された荷物9の保管作業と、選択荷物90の出庫作業とを同時に行うことができる。また、この倉庫システムでは、実施例1の倉庫システムに比べて、プッシング機構61の構成を簡素化できるため、低コスト化が可能となっている。この倉庫システムにおける他の作用は、実施例1の倉庫システムと同様である。
【0133】
以上において、本発明を実施例1~6に即して説明したが、本発明は上記実施例1~6に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0134】
例えば、実施例4の倉庫システムにおいて、第2床面212に対し、各第3ベルトコンベア装置51に加えて、荷物9又は選択荷物90を棚本体21b上で左右方向にのみ搬送可能な搬送専用コンベア装置を設ける構成としても良い。この場合には、第3ベルトコンベア装置51について、棚本体21bに保管可能な荷物9の個数よりも少なくすることができる。そして、搬送専用コンベア装置に載置された荷物9が選択荷物90とされた際には、搬送専用コンベア装置は、第3ベルトコンベア装置51まで選択荷物90を搬送する。こうして、第3ベルトコンベア装置51によって、選択荷物90を棚本体21bから搬送棚23に移動させることが可能となる。実施例5の倉庫システムについても同様である。
【0135】
また、実施例5の倉庫システムにおいて、各第4ベルトコンベア装置53によって、選択荷物90が好適に棚本体21bから搬送棚23に移動可能となるように、各荷物9をキャスタ付きの台車等に載置した状態で棚本体21bに保管させる構成としても良い。
【0136】
また、実施例6の倉庫システムにおいて、第1~4棚ユニット19a~19d毎に、各プッシング機構61を高さ方向に複数配置する構成としても良い。
【0137】
さらに、実施例6の倉庫システムにおいて、第1~4棚ユニット19a~19d毎に、各プッシング機構61を保管棚21の延在方向に並列で複数配置する構成としても良い。
【0138】
また、実施例6の倉庫システムでは、複数のプッシング機構61を保管棚21の延在方向に沿って一列で整列させている。しかし、これに限らず、棚本体21bの左右方向の長さとほぼ同じ間隔となるように、第1スプロケット63aと第2スプロケット63bとを配置することにより、第1~4棚ユニット19a~19d毎にプッシング機構61が1つずつ設けられる構成としても良い。
【0139】
さらに、実施例6の倉庫システムにおいて、各プッシング機構61は、第1押圧装置39aに換えて、実施例2の倉庫システムにおける第1押圧装置45aや、実施例3の倉庫システムにおける第1押圧装置47aを有していても良い。
【0140】
また、実施例1の倉庫システムでは、ローラコンベア装置27において、全ての搬送ローラ27aがモータによって個別に回転する。しかし、これに限らず、ローラコンベア装置27は、モータによって回転する搬送ローラ27aと、搬送ローラ27aに従動して回転する従動ローラとを有していても良い。この場合、
図3に示すローラコンベア装置27の各グループは、搬送ローラ27aと従動ローラとで構成される。
【0141】
さらに、実施例4の倉庫システムにおいて、第1ベルトコンベア装置25に換えて、搬入路21aに対しても第3ベルトコンベア装置51を設ける構成としても良い。この場合、搬入路21aに設けられた第3ベルトコンベア装置51は、本発明の「第1移動手段」として機能する。
【0142】
また、実施例5の倉庫システムにおいて、第1ベルトコンベア装置25に換えて、搬入路21aに対しても第4ベルトコンベア装置53を設ける構成としても良い。この場合、搬入路21aに設けられた第4ベルトコンベア装置53は、本発明の「第1移動手段」として機能する。
【産業上の利用可能性】
【0143】
本発明は物流システムに利用可能である。
【符号の説明】
【0144】
7…作業用コンピュータ(選択手段、制御装置、規制手段)
9…荷物(物品)
17a~17d…第1~4入庫口(入庫口)
17e~17h…第1~4出庫口(出庫口)
21…保管棚
21a…搬入路
21b…棚本体
23…搬送棚
25…第1ベルトコンベア装置(第1移動手段)
27…ローラコンベア装置(第1移動手段、静止装置、規制手段)
29…第2ベルトコンベア装置(第2移動手段)
33…プッシング機構(第3移動手段)
35a、35b…第1支柱、第2支柱(案内装置)
40a…ガイドローラ(案内装置)
40b、40c…第1従動ローラ、第2従動ローラ(案内装置)
40d…第1作動モータ(案内装置)
41…ガイドレール群(案内装置)
43…押圧装置群(押圧装置)
51…第3ベルトコンベア装置(第3移動手段、コンベア装置、静止装置、規制手段)
53…第4ベルトコンベア装置(第3移動手段、コンベア装置、静止装置、規制手段)
61…プッシング機構(第3移動手段)
63a、63b…第1スプロケット、第2スプロケット(案内装置)
65…ローラチェーン(案内装置)
67…第3作動モータ(案内装置)
90…選択荷物(選択物品)
212…第2床面(床面)
214…検出センサ(検出装置、規制手段)
391…装置本体
393…ロッド
451…装置本体
453…第1チェーン
455…第2チェーン
471…装置本体
473…押圧板
475…リンク機構
L1…第1長さ
L2…第2長さ