(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-14
(45)【発行日】2022-03-23
(54)【発明の名称】可変ノズルユニット
(51)【国際特許分類】
F02B 37/24 20060101AFI20220315BHJP
【FI】
F02B37/24
(21)【出願番号】P 2019015120
(22)【出願日】2019-01-31
【審査請求日】2021-04-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】樹杉 剛
【審査官】家喜 健太
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-537958(JP,A)
【文献】特表2015-518543(JP,A)
【文献】国際公開第2010/103867(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0114658(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02B 37/24
F01D 17/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターボチャージャの排気流路の流路面積の大きさを調整する可変ノズルユニットであって、
円環状に形成された第1プレートと、
前記第1プレートと対向する位置に配置されており、円環状に形成された第2プレートであって、前記第1プレートと前記第2プレートとの間に前記排気流路を形成する前記第2プレートと、
それぞれが回転軸部およびベーンを有する複数のノズルベーンであって、前記回転軸部は、前記第1プレートおよび前記第2プレートに対して相対回転可能となるように前記第1プレートおよび前記第2プレートに保持されており、前記第1プレートから前記第2プレートに向かう向きに沿って前記第2プレートから突出する突部を有し、前記ベーンは、前記第1プレートおよび前記第2プレート間に配置されており、前記回転軸部の中心軸周りに前記回転軸部とともに回転するように前記回転軸部に接続されており、前記排気流路の流路面積の大きさを変更可能である前記複数のノズルベーンと、
各前記回転軸部の前記突部に接続されており、各前記回転軸部をその中心軸周りに回転させる複数のベーンアームと、
前記第2プレートに対して前記第2プレートの中心軸周りに相対回転可能となるように前記第2プレートに支持されており、前記第2プレートに対する相対回転に合わせて前記複数のベーンアームの各ベーンアームを各前記回転軸部周りに回転させるユニゾンリングと、を備え、
前記ユニゾンリングは、前記ユニゾンリングの周方向に沿って並ぶとともに各前記ベーンアームを保持する複数のアーム保持部を有し、
各前記ベーンアームは、前記アーム保持部に係合する係合部を有し、
前記複数のベーンアームは、少なくとも一つの延長アームを含み、
前記延長アームは、前記係合部から前記第2プレートに向かって延びる形状を有する延長部を有し、
前記第2プレートは、前記延長部を受け入れる受け入れ部を有し、
前記受け入れ部は、前記複数のノズルベーンの各ノズルベーンが前記排気流路の流路面積を最大とする位置および最小とする位置において前記延長部と当接する当接壁を有する、可変ノズルユニット。
【請求項2】
前記複数のアーム保持部の各アーム保持部は、前記ユニゾンリングの外縁部から前記ユニゾンリングの径方向の内側に向かうように窪む形状を有し、
各前記ベーンアームは、
前記突部に接続される接続部と、
前記第2プレートと前記ユニゾンリングとが互いに重なる方向における前記ユニゾンリングの外側に配置されており、前記接続部と前記係合部とを連結する連結部と、をさらに有し、
前記連結部と前記ユニゾンリングとの間には、隙間が形成されている、請求項1に記載の可変ノズルユニット。
【請求項3】
前記係合部は、前記第2プレートから離間している、請求項1または2に記載の可変ノズルユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、可変ノズルユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ターボチャージャのタービンホイールに向かう排ガスの流路面積の大きさを変化させる可変ノズルユニットが知られている。たとえば、特開2010-180864号公報(以下、「特許文献1」という。)には、サイドプレートと、メインプレートと、複数のノズルピンと、複数のノズルベーンと、複数のアームと、ユニゾンリングと、ストッパと、を備える可変ノズルユニットが開示されている。サイドプレートおよびメインプレートは、それぞれ円環状に形成されている。サイドプレートおよびメインプレート間には、排ガスの排気流路が形成されている。各ノズルピンは、サイドプレートおよびメインプレートに対して相対回転可能となるように各プレートに保持されている。各ノズルベーンは、排気流路の流路面積の大きさを変更する部材であり、各ノズルピンの中心軸周りに当該ノズルピンとともに回転するようにノズルピンに固定されている。各アームは、排気流路の外側においてノズルピンに接続されており、各ノズルピンをその中心軸周りに回転させる。ユニゾンリングの内周面には、各アームの端部に係合する凹部が形成されている。このため、ユニゾンリングが回転することにより、全てのアームが同時にノズルピン周りに回転する。これにより、各ノズルベーンの姿勢が変更されるため、排気流路の流路面積の大きさが変更される。また、ユニゾンリングの内周面には、切欠部が形成されており、この切欠部内にストッパが設けられている。ストッパは、メインプレートに固定されており、ユニゾンリングの回転角度を規制する部材である。具体的に、ストッパは、各ノズルベーンが排気流路の流路面積を最大とする位置および最小とする位置において、切欠部の内面に当接する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されるような可変ノズルユニットでは、ユニゾンリングの回転角度を規制するための専用の部品(ストッパ)が必要となり、また、その専用の部品を組み付ける工程も発生する。
【0005】
本発明の目的は、ユニゾンリングの回転角度範囲を規制するための専用部品を省略することが可能な可変ノズルユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に従った可変ノズルユニットは、ターボチャージャの排気流路の流路面積の大きさを調整する可変ノズルユニットである。この可変ノズルユニットは、円環状に形成された第1プレートと、前記第1プレートと対向する位置に配置されており、円環状に形成された第2プレートであって、前記第1プレートと前記第2プレートとの間に前記排気流路を形成する前記第2プレートと、それぞれが回転軸部およびベーンを有する複数のノズルベーンであって、前記回転軸部は、前記第1プレートおよび前記第2プレートに対して相対回転可能となるように前記第1プレートおよび前記第2プレートに保持されており、前記第1プレートから前記第2プレートに向かう向きに沿って前記第2プレートから突出する突部を有し、前記ベーンは、前記第1プレートおよび前記第2プレート間に配置されており、前記回転軸部の中心軸周りに前記回転軸部とともに回転するように前記回転軸部に接続されており、前記排気流路の流路面積の大きさを変更可能である前記複数のノズルベーンと、各前記回転軸部の前記突部に接続されており、各前記回転軸部をその中心軸周りに回転させる複数のベーンアームと、前記第2プレートに対して前記第2プレートの中心軸周りに相対回転可能となるように前記第2プレートに支持されており、前記第2プレートに対する相対回転に合わせて前記複数のベーンアームの各ベーンアームを各前記回転軸部周りに回転させるユニゾンリングと、を備える。前記ユニゾンリングは、前記ユニゾンリングの周方向に沿って並ぶとともに各前記ベーンアームを保持する複数のアーム保持部を有する。各前記ベーンアームは、前記アーム保持部に係合する係合部を有する。前記複数のベーンアームは、少なくとも一つの延長アームを含む。前記延長アームは、前記係合部から前記第2プレートに向かって延びる形状を有する延長部を有する。前記第2プレートは、前記延長部を受け入れる受け入れ部を有する。前記受け入れ部は、前記複数のノズルベーンの各ノズルベーンが前記排気流路の流路面積を最大とする位置および最小とする位置において前記延長部と当接する当接壁を有する。
【0007】
本可変ノズルユニットでは、複数のベーンアームが延長部を有する延長アームを含み、第2プレートが受け入れ部を有しており、延長部が受け入れ部の当接壁と当接することにより、各ノズルベーンが排気流路の流路面積を最大とする位置と最小とする位置との間で回転するようにユニゾンリングの回転角度範囲が規制される。よって、従来のようにユニゾンリングの回転角度範囲を規制するための専用の部品を用いることなく、ベーンアームと第2プレートとによってユニゾンリングの回転角度範囲を規制することが可能となる。
【0008】
前記可変ノズルユニットにおいて、前記複数のアーム保持部の各アーム保持部は、前記ユニゾンリングの外縁部から前記ユニゾンリングの径方向の内側に向かうように窪む形状を有し、各前記ベーンアームは、前記突部に接続される接続部と、前記第2プレートと前記ユニゾンリングとが互いに重なる方向における前記ユニゾンリングの外側に配置されており、前記接続部と前記係合部とを連結する連結部と、をさらに有してもよい。この場合において、前記連結部と前記ユニゾンリングとの間には、隙間が形成されていることが好ましい。
【0009】
このようにすれば、ユニゾンリングの径を小さくすることが可能となり、かつ、連結部およびユニゾンリング間での摩擦の発生が回避されるため、ノズルベーンが各プレートに対して傾斜することが抑制される。
【0010】
また、前記係合部は、前記第2プレートから離間していることが好ましい。
【0011】
このようにすれば、係合部および第2プレート間での摩擦の発生が回避されるため、ノズルベーンが各プレートに対して傾斜することがより確実に抑制される。
【発明の効果】
【0012】
以上に説明したように、この発明によれば、ユニゾンリングの回転角度範囲を規制するための専用部品を省略することが可能な可変ノズルユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態の可変ノズルユニットを含むターボチャージャの構成を概略的に示す断面図である。
【
図2】
図1に示される可変ノズルユニットの斜視図である。
【
図3】
図1に示される可変ノズルユニットの斜視図である。
【
図4】
図1に示される可変ノズルユニットの平面図である。
【
図6】
図4におけるVI-VI線での断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態の可変ノズルユニットを含むターボチャージャの構成を概略的に示す断面図である。
図1に示されるように、ターボチャージャ1は、コンプレッサホイール10と、コンプレッサハウジング12と、タービンホイール20と、タービンハウジング22と、シャフト30と、ベアリング31と、ベアリングハウジング32と、可変ノズルユニット100と、付勢部材200と、を有している。このターボチャージャ1は、自動車等の車両に搭載される。
【0016】
コンプレッサホイール10は、大気等のガスを圧縮する。コンプレッサハウジング12は、コンプレッサホイール10を収容している。
【0017】
タービンホイール20は、エンジン(図示略)から排出された排ガスによって回転駆動される。タービンハウジング22は、タービンホイール20を収容している。
【0018】
シャフト30は、コンプレッサホイール10とタービンホイール20とを接続している。このため、タービンホイール20の回転駆動力がコンプレッサホイール10に伝達される。ベアリング31は、シャフト30を受ける。ベアリングハウジング32は、シャフト30およびベアリング31を収容している。ベアリングハウジング32は、コンプレッサハウジング12とタービンハウジング22との間に配置されている。
【0019】
可変ノズルユニット100は、タービンハウジング22内に配置されている。可変ノズルユニット100は、排ガスの排気流路の流路面積の大きさを調整可能である。
図2および
図3は、
図1に示される可変ノズルユニットの斜視図である。
図4は、
図1に示される可変ノズルユニットの平面図である。
図5は、
図4におけるV-V線での断面図である。
図6は、
図4におけるVI-VI線での断面図である。
図1~
図6に示されるように、可変ノズルユニット100は、第1プレート110と、第2プレート120と、複数のスペーサ130と、複数のノズルベーン140と、複数のベーンアーム160と、ユニゾンリング170と、複数の(本実施形態では5つの)スライダー180と、を有している。
【0020】
第1プレート110は、円環状に形成されている。第1プレート110は、その中心がシャフト30の中心軸と一致する姿勢でタービンハウジング22内に配置されている。本実施形態では、
図1に示されるように、第1プレート110にシュラウド112が一体的に設けられている。ただし、シュラウド112は、第1プレート110とは別の部材で構成されてもよい。
【0021】
第2プレート120は、円環状に形成されている。第2プレート120は、第1プレート110よりもベアリングハウジング32に近い位置で、かつ、第1プレート110と対向する位置に配置されている。第2プレート120は、その中心がシャフト30の中心軸と一致する姿勢でタービンハウジング22内に配置されている。第2プレート120は、第1プレート110と当該第2プレート120との間に排気流路を形成している。
【0022】
各スペーサ130は、第1プレート110と第2プレート120との間隔を規定する部材である。各スペーサ130は、第1プレート110と第2プレート120との間に配置されている。
図1に示されるように、第1プレート110および第2プレート120が互いに対向する方向における各スペーサ130の一端部は、第1プレート110に接続されており、同方向における各スペーサ130の他端部は、第2プレート120に接続されている。
【0023】
各ノズルベーン140は、回転軸部142と、ベーン144と、を有している。
【0024】
各回転軸部142は、第1プレート110および第2プレート120に対して相対回転可能となるように第1プレート110および第2プレート120に保持されている。複数の回転軸部142は、第1プレート110の周方向に沿って互いに間隔を置いて配置されている。
図5および
図6に示されるように、各回転軸部142は、第1プレート110から第2プレート120に向かう向き(
図5および
図6の上向き)に沿って第2プレート120から突出する突部143を有している。
【0025】
各ベーン144は、第1プレート110および第2プレート120間に配置されている。各ベーン144は、排気流路の流路面積の大きさを変更するように姿勢を変更することが可能である。具体的に、各ベーン144は、各回転軸部142の中心軸周りに当該回転軸部142とともに回転するように回転軸部142に接続されている。
【0026】
各ベーンアーム160は、各突部143に接続(たとえば溶接)されている。各ベーンアーム160は、各回転軸部142をその中心軸周りに回転させる。
図2~
図5に示されるように、各ベーンアーム160は、接続部163と、係合部164と、連結部165と、を有している。
【0027】
接続部163は、突部143に接続される部位である。接続部163は、突部143を取り囲む円環状に形成されている。接続部163と突部143との境界部は、たとえば溶接される。
【0028】
係合部164は、ユニゾンリング170に係合する部位である。
【0029】
連結部165は、接続部163と係合部164とを連結する部位である。連結部165は、接続部163から回転軸部142の径方向の外向きに延びる形状を有している。係合部164は、連結部165の外端部から第2プレート120に向かって延びるように連結部165に接続されている。
図5に示されるように、係合部164と第2プレート120との間には、隙間G1が形成されている。
【0030】
ユニゾンリング170は、全てのベーンアーム160を同時に各回転軸部142周りに回転させる部材である。ユニゾンリング170は、第2プレート120に対して第2プレート120の中心軸周りに相対回転可能となるように第2プレート120に支持されている。ユニゾンリング170は、第1プレート110と第2プレート120とが並ぶ方向において第2プレート120と連結部165との間に配置されている。換言すれば、連結部165は、第2プレート120とユニゾンリング170とが互いに重なる方向におけるユニゾンリング170の外側(
図5および
図6の上側)に配置されている。
図5に示されるように、連結部165とユニゾンリング170との間には、隙間G2が形成されている。
図2~
図4に示されるように、ユニゾンリング170には、各ベーンアーム160が係合している。このため、第2プレート120に対してユニゾンリング170が相対回転することにより、各回転軸部142の回転中心軸周りに各ベーンアーム160と回転軸部142とが一体的に回転する。これにより、各ベーン144の姿勢が変更されるため、排気流路の流路面積の大きさが変更される。具体的に、ユニゾンリング170は、複数のアーム保持部172と、クランクレバー保持部174と、を有している。
【0031】
各アーム保持部172は、各ベーンアーム160の係合部164を保持する。各アーム保持部172は、ユニゾンリング170の周方向に沿って並ぶように設けられている。各アーム保持部172は、ユニゾンリング170の外縁部からユニゾンリング170の径方向の内側に向かうように窪む形状を有している。ただし、各アーム保持部172は、ユニゾンリング170の内周部からユニゾンリング170の径方向の外側に向かうように窪む形状に形成されてもよい。
【0032】
クランクレバー保持部174は、ユニゾンリング170をその中心軸周りに回転させるクランクレバー(図示略)を保持する。クランクレバー保持部174は、ユニゾンリング170の外縁部のうち互いに隣り合うアーム保持部172間に設けられている。クランクレバー保持部174は、ユニゾンリング170の外縁部からユニゾンリング170の径方向の内側に向かうように窪む形状を有している。
【0033】
各スライダー180は、第2プレート120のうち当該第2プレート120の周方向に沿って互いに間隔を置いた部位に接続されており、第2プレート120からベアリングハウジング32に向かって突出する形状を有している。各スライダー180は、ユニゾンリング170の内周部に接触する位置において、第2プレート120に対して相対回転可能となるように第2プレート120に接続されている。各スライダー180は、ユニゾンリング170の回転時に、第2プレート120に対して相対回転しながらユニゾンリング170の回転を案内する。
【0034】
付勢部材200は、可変ノズルユニット100を付勢する部材である。付勢部材200は、第1付勢部210と、第2付勢部220と、を有している。
【0035】
第1付勢部210は、可変ノズルユニット100とタービンハウジング22との間に配置されている。第1付勢部210は、各スライダー180がベアリングハウジング32に押し付けられるように可変ノズルユニット100をベアリングハウジング32に向けて付勢している。第1付勢部210は、皿バネで構成されている。
【0036】
第2付勢部220は、ベアリングハウジング32と各スライダー180との間に配置されている。第2付勢部220は、板バネで構成されている。第2付勢部220は、第1付勢部210の付勢方向と反対方向にスライダー180を付勢している。第2付勢部220の付勢力は、第1付勢部210の付勢力よりも小さい。
【0037】
本実施形態では、複数のベーンアーム160は、少なくとも一つの延長アーム161を含んでいる。延長アーム161は、接続部163、係合部164および連結部165に加え、延長部166を有している。
図2、
図3および
図6に示されるように、延長部166は、係合部164から第2プレート120に向かって延びる形状を有している。
【0038】
第2プレート120は、延長部166を受け入れる受け入れ部122を有している。受け入れ部122は、第2プレート120のうちユニゾンリング170と対向する側の表面から第1プレート110に向かって窪む形状を有している。本実施形態では、受け入れ部122は、第2プレート120の径方向の外側に向かって開口する形状を有している。受け入れ部122は、底壁123と、一対の当接壁124と、を有している。
【0039】
底壁123は、回転軸部142の軸方向と平行な方向に延長部166と対向している。
図6に示されるように、底壁123と延長部166との間には、隙間G3が形成されている。
【0040】
一対の当接壁124は、各ベーン144が排気流路の流路面積を最大とする位置および最小とする位置において、第2プレート120の周方向に延長部166と当接する。各当接壁124は、第2プレート120の周方向における底壁123の端部から起立する形状を有している。各当接壁124は、第2プレート120の周方向に当該当接壁124と対向する当接壁124と反対向きに凸となるように湾曲する形状に形成されてもよい。
【0041】
本実施形態では、第2プレート120は、クランクレバーの先端部を受け入れるクランクレバー受け入れ部126をも有している。クランクレバー受け入れ部126は、受け入れ部122と同様の形状を有している。
【0042】
以上に説明したように、本実施形態の可変ノズルユニット100では、複数のベーンアーム160が延長部166を有する延長アーム161を含み、第2プレート120が受け入れ部122を有しており、延長部166が受け入れ部122の当接壁124と当接することにより、各ノズルベーン140が排気流路の流路面積を最大とする位置と最小とする位置との間で回転するようにユニゾンリング170の回転角度範囲が規制される。よって、従来のようにユニゾンリング170の回転角度範囲を規制するための専用の部品を用いることなく、ベーンアーム160と第2プレート120とによってユニゾンリング170の回転角度範囲を規制することが可能となる。
【0043】
また、連結部165とユニゾンリング170との間に隙間G2が形成されているため、連結部165およびユニゾンリング170間での摩擦の発生が回避される。このため、ノズルベーン140が各プレート110,120に対して傾斜することが抑制される。
【0044】
さらに、係合部164と第2プレート120との間に隙間G1が形成されているため、係合部164および第2プレート120間での摩擦の発生が回避される。このため、ノズルベーン140が各プレート110,120に対して傾斜することがより確実に抑制される。
【0045】
加えて、延長部166と受け入れ部122の底壁123との間に隙間G3が形成されているため、延長部166および第2プレート120間での摩擦の発生が回避される。このため、ノズルベーン140が各プレート110,120に対して傾斜することが一層確実に抑制される。
【0046】
また、上記実施形態では、受け入れ部122と同様の形状を有するクランクレバー受け入れ部126を有しているため、延長アーム161および受け入れ部122と同様に、クランクレバーとクランクレバー受け入れ部126とによって、ユニゾンリング170の回転角度範囲を規制することも可能である。
【0047】
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0048】
1 ターボチャージャ、10 コンプレッサホイール、12 コンプレッサハウジング、20 タービンホイール、22 タービンハウジング、30 シャフト、31 ベアリング、32 ベアリングハウジング、100 可変ノズルユニット、110 第1プレート、120 第2プレート、122 受け入れ部、123 底壁、124 当接壁、130 スペーサ、140 ノズルベーン、142 回転軸部、143 突部、144 ベーン、160 ベーンアーム、161 延長アーム、163 接続部、164 係合部、165 連結部、166 延長部、170 ユニゾンリング、172 アーム保持部、174 クランクレバー保持部、180 スライダー、200 付勢部材。