(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-14
(45)【発行日】2022-03-23
(54)【発明の名称】給湯器
(51)【国際特許分類】
F24H 15/212 20220101AFI20220315BHJP
F24H 1/54 20220101ALI20220315BHJP
F24H 15/10 20220101ALI20220315BHJP
F24H 15/196 20220101ALI20220315BHJP
【FI】
F24H1/10 302H
F24H1/00 303E
F24H1/10 303A
F24H1/00 604G
(21)【出願番号】P 2017193674
(22)【出願日】2017-10-03
【審査請求日】2020-09-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000112015
【氏名又は名称】株式会社パロマ
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【氏名又は名称】石田 喜樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121142
【氏名又は名称】上田 恭一
(72)【発明者】
【氏名】森元 慎吾
【審査官】藤原 弘
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-300195(JP,A)
【文献】特開平01-167554(JP,A)
【文献】特開2017-155956(JP,A)
【文献】特開2003-42537(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 1/00
F24H 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部にバーナが配置される燃焼室と、
前記燃焼室の上部に配置される給湯熱交換器と、前記給湯熱交換器に接続される給水管及び出湯管と、前記給水管と前記出湯管との間に接続されて前記給湯熱交換器をバイパスするバイパス管と、前記バイパス管への通水量を制御するバイパス流量制御手段と、を含んでなる給湯回路と、
前記燃焼室の上部
で前記給湯熱交換器と併設される
風呂熱交換器と、
前記風呂熱交換器に接続され、外部配管を介して外部の浴槽に接続されることで風呂回路を形成する風呂戻り管及び風呂往き管と、
前記給水管への入水温度を検出する入水温度検出手段と、
前記出湯管から出湯させる温度を設定する温度設定手段と、
前記給湯回路への通水を検出する通水検出手段と、
前記通水検出手段による通水を検出すると、前記温度設定手段によって設定される設定温度に応じて前記バーナの燃焼を制御すると共に、前記バイパス流量制御手段を制御して前記給湯回路全体の通水量に対する前記バイパス管の通水量の割合であるバイパス率を調整するコントローラと、を含んでなる給湯器であって、
前記コントローラは、前記給湯回路の使用終了後で再使用する前
に、前記風呂回路の単独使用による前記浴槽の追い焚きが終了した場合、或いは前記温度設定手段によって前記設定温度が変更された場合には、前記入水温度検出手段から得られる前記入水温度と、前記温度設定手段で設定される前記設定温度とに基づいて前記バイパス率を変更し、変更した前記バイパス率となるように前記バイパス流量制御手段を制御することを特徴とする給湯器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーナを備えた1つの燃焼室に、通水経路が異なる2つの熱交換器を併設したいわゆる一缶二水路型の給湯器に関する。
【背景技術】
【0002】
給湯器は、バーナに加熱される熱交換器に、給水管と出湯管とを接続し、出湯管が繋がる外部の給湯栓の開栓により、水道管を介して給水管から供給される水をバーナの燃焼排気で熱交換して出湯させる給湯回路を備えている。これに加えて、熱交換器と外部の浴槽や浴室暖房機等とを接続する通水経路を形成して、湯水を循環させながら熱交換器で加熱して追い焚きや暖房を行うものも知られている。
このような給湯器では、浴槽や暖房機側の熱交換器と給湯回路側の熱交換器とをそれぞれ異なる燃焼室に設置して異なるバーナで加熱する構成(二缶二水路型)の他、特許文献1に開示されるように、1つの燃焼室内に給湯回路側の給湯熱交換器と例えば浴槽側の風呂熱交換器とを併設して、2つの熱交換器を共通のバーナで加熱するようにした一缶二水路型の構成もよく用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
給湯回路では、給水管と出湯管との間に、給湯熱交換器をバイパスするバイパス管を接続すると共に、バイパス管からの流量を制御する分配弁を設けて、器具の運転を制御するコントローラが、通水中に燃焼室から出湯管への出口温度を監視して分配弁の開度を調整して、出口温度が、熱交換器でのドレンの発生や過熱を防止できる温度範囲内に維持されるようにバイパス管への流量(バイパス率)を制御するようになっている。
しかし、一缶二水路型の給湯器においては、例えば給湯回路と風呂回路とを併設している場合、給湯回路を使用せず、風呂回路のみを使用して追い焚きを行っている場合、使用されていない給湯熱交換器もバーナに加熱されるため、給湯熱交換器に滞留する水が高温となるおそれがある。
この状態で給湯栓が開栓されても、コントローラは、給水管に設けた給湯水量センサによって通水を検知したら分配弁を動作させるため、バイパス管からの水が混合されることで出湯管からの高温出湯は防止できる。ところが、給湯水量センサが故障した状態で給湯栓が開栓されると、コントローラが通水を検知しないことで分配弁を動作させないため、高温の湯が出湯されてしまうおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、一方の通水経路が給湯回路となる一缶二水路型において、給湯回路に設けた給湯水量センサが故障した場合であっても、給湯回路の使用開始時の高温出湯を防止することができる給湯器を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、下部にバーナが配置される燃焼室と、
燃焼室の上部に配置される給湯熱交換器と、給湯熱交換器に接続される給水管及び出湯管と、給水管と出湯管との間に接続されて給湯熱交換器をバイパスするバイパス管と、バイパス管への通水量を制御するバイパス流量制御手段と、を含んでなる給湯回路と、
燃焼室の上部で給湯熱交換器と併設される風呂熱交換器と、
風呂熱交換器に接続され、外部配管を介して外部の浴槽に接続されることで風呂回路を形成する風呂戻り管及び風呂往き管と、
給水管への入水温度を検出する入水温度検出手段と、出湯管から出湯させる温度を設定する温度設定手段と、給湯回路への通水を検出する通水検出手段と、
通水検出手段による通水を検出すると、温度設定手段によって設定される設定温度に応じてバーナの燃焼を制御すると共に、バイパス流量制御手段を制御して給湯回路全体の通水量に対するバイパス管の通水量の割合であるバイパス率を調整するコントローラと、を含んでなる給湯器であって、
コントローラは、給湯回路の使用終了後で再使用する前に、風呂回路の単独使用による浴槽の追い焚きが終了した場合、或いは温度設定手段によって設定温度が変更された場合には、入水温度検出手段から得られる入水温度と、温度設定手段で設定される設定温度とに基づいてバイパス率を変更し、変更したバイパス率となるようにバイパス流量制御手段を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、コントローラは、給湯回路の使用終了後で再使用する前に、風呂回路の単独使用による浴槽の追い焚きが終了した場合、或いは温度設定手段によって設定温度が変更された場合には、入水温度と設定温度とに基づいてバイパス率を変更し、変更したバイパス率となるようにバイパス流量制御手段を制御するので、給湯回路が再使用された際に通水検出手段の故障により通水が検知できなくても、変更したバイパス率によって出湯管からの湯にはバイパス管からの水が必ず混合される。よって、一方の通水経路が給湯回路となる一缶二水路型において、給湯回路に設けた通水検出手段が故障した場合であっても、給湯回路の使用開始時の高温出湯を防止することができる。
特に、バイパス率の変更のタイミングを、風呂回路の単独使用による浴槽の追い焚きが終了した場合としているので、風呂回路の単独使用の際に使用されていない給湯熱交換器が加熱されることによって滞留する水が高温となる場合でも、給湯回路の使用の際に出湯管からの高温出湯を確実に防止することができる。
また、バイパス率を変更するタイミングを、温度設定手段によって設定温度が変更された場合ともしているので、設定温度に合わせた適切なバイパス率の変更が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】バイパス率変更制御のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、給湯器の一例を示す概略回路図である。この給湯器1は、燃焼室2の下部に、互いに数が異なる複数のバーナ4,4・・を備えた3つのバーナユニット3,3・・と、各バーナユニット3に燃焼用空気を供給する燃焼ファン5とが設けられ、燃焼室2内の上部には、バーナ4,4・・の燃焼排気が通過する給湯熱交換器6と風呂熱交換器7とが併設されている。8は点火プラグ、9はフレームロッドで、燃焼室2の上部には、両熱交換器6,7を通過した燃焼排気を排出する排気フード10が設けられ、燃焼室2の外側には、燃焼室2からの燃焼排気の漏出を検出するヒューズ回路をプリントしたシート状の過熱防止装置11が巻回されている。
【0010】
燃焼室2等を収容する器具のガス入口には、外部からのガス配管が接続されるガス管12が接続されて、各バーナユニット3には、ガス管12から分岐する分岐管13,13・・がそれぞれ接続されると共に、各分岐管13には、ガス流路を開閉するガス電磁弁14がそれぞれ設けられている。また、分岐前のガス管12には、上流側から元ガス電磁弁15、ガス比例弁16がそれぞれ設けられている。
【0011】
給湯熱交換器6は、所定間隔をおいて配設された複数のフィン17,17・・を蛇行状に貫通する給湯伝熱管18を備え、給湯伝熱管18の入口には、器具の水入口に接続される給水管19が接続され、給湯伝熱管18の出口には、器具の湯出口に接続される出湯管20が接続されている。給湯熱交換器6の外側に露出する給湯伝熱管18の屈曲部には、給湯伝熱管18の温度を検出する水管サーミスタ21が設けられている。また、給水管19と出湯管20との間には、給湯熱交換器6をバイパスするバイパス管22が接続されて、給水管19とバイパス管22との接続部には、ステッピングモータにより駆動してバイパス管22の流量を可変制御する分配弁23が設けられている。
いる。
【0012】
さらに、給水管19におけるバイパス管22との接続部の上流側には、入水温度を検出する入水サーミスタ24と、給水管19を流れる水量を検出する給湯水量センサ25とが設けられている。
そして、出湯管20における給湯熱交換器6の出口際には、出口温度を検出する給湯熱交換器サーミスタ26が設けられ、バイパス管22との接続部の下流側には、出湯温度を検出する給湯出湯サーミスタ27と、ステッピングモータにより駆動して出湯管20の流量を可変制御する水量制御弁28とが設けられている。
よって、ここには、バーナユニット3に加熱される給湯熱交換器6と、給湯熱交換器6に接続される給水管19及び出湯管20、バイパス管22を含む給湯回路Aが形成される。
【0013】
一方、風呂熱交換器7は、フィン17,17・・を蛇行状に貫通する風呂伝熱管30を備え、風呂伝熱管30の入口には、外部配管を介して外部の浴槽31のバスアダプタ32と接続される風呂戻り管33が接続され、風呂伝熱管30の出口には、外部配管を介してバスアダプタ32と接続される風呂往き管34が接続されている。風呂戻り管33には、ポンプ35が設けられると共に、その上流側には、風呂戻り温度を検出する風呂戻りサーミスタ36が設けられ、ポンプ35の下流側には、風呂戻り管33内の湯水の流れによってON/OFF動作する風呂水流スイッチ37と、水圧によって浴槽31内の水位を検出する水位センサ38とが設けられている。また、風呂往き管34には、風呂往き温度を検出する風呂往きサーミスタ39が設けられている。
よって、ここには、バーナユニット3に加熱される風呂熱交換器7と、風呂熱交換器7と浴槽31との間に接続される風呂戻り管33及び風呂往き管34とを含む風呂回路Bが形成される。
このように、給湯器1は、1つの燃焼室2内に通水経路が異なる給湯熱交換器6と風呂熱交換器7とが併設されて共通のバーナユニット3,3・・によって加熱される一缶二水路型となっている。
【0014】
そして、給湯回路Aと風呂回路Bとの間には、出湯管20における水量制御弁28の下流側と、風呂戻り管33におけるポンプ35と風呂戻りサーミスタ36の間で落とし込み管41が接続されている。この落とし込み管41には、上流側に、落とし込み管41を流れる水量を検出する風呂水量センサ42が、下流側に、落とし込み管41を開閉する落とし込み水電磁弁43がそれぞれ設けられている。さらに、落とし込み水電磁弁43の下流側には、2つの逆止弁44,44がそれぞれ設けられて、逆止弁44,44の間には、風呂戻り管33から逆流した湯水をオーバーフロー口から排出する縁切弁45が接続されている。
50はコントローラで、マイコンやメモリの他、各モータの駆動回路、各サーミスタ及びセンサの検出回路等を備え、各サーミスタやセンサ等の検出信号を受けて各弁等を動作させて出湯温制御や浴槽31への湯張り制御等を行う。51は給湯リモコン、52は風呂リモコンである。
【0015】
以上の如く構成された給湯器1においては、まず通常の給湯は以下の如くなされる。
湯出口に接続された外部配管の給湯栓が開栓されて器具内に通水され、その通水を給湯水量センサ25で検知すると、コントローラ50は、燃焼ファン5を所定時間回転させて、燃焼室2内に貯留している燃焼排気を排出させる(プリパージ)。その後、ガス管12の元ガス電磁弁15、各ガス電磁弁14を開弁させ、ガス比例弁16を所定開度で開弁させて、各バーナユニット3へガスを供給すると共に、イグナイタを作動させて点火プラグ8でバーナ4,4・・に点火する。
これにより、給湯熱交換器6において、給湯伝熱管18を流れる水がバーナ4の燃焼排気と熱交換されて、加熱された湯が出湯管20及び外部配管を通って給湯栓から出湯される。
【0016】
コントローラ50は、出湯管20の給湯熱交換器サーミスタ26によって出口温度を監視し、分配弁23のステッピングモータを駆動させて、出口温度が、給湯熱交換器6でのドレンの発生や過熱を防止できる温度範囲内に維持されるようにバイパス管22への流量(バイパス率)を制御する。
また、コントローラ50は、給湯出湯サーミスタ27によって出湯温度を監視し、出湯温度が給湯リモコン51又は風呂リモコン52で設定された設定温度となるように、各ガス電磁弁14の開閉制御と、ガス比例弁16の開度調整とを行うと共に、燃焼ファン5の回転数制御によって空気量を連続的に変化させる。
給湯栓を閉じると、給湯水量センサ25からの信号停止を確認したコントローラ50は、元ガス電磁弁15及びガス電磁弁14を閉じてバーナ4を消火させ、所定時間燃焼ファン5を回転させる(ポストパージ)。
【0017】
一方、給湯リモコン51又は風呂リモコン52の自動スイッチを押すと、コントローラ50は、落とし込み管41の落とし込み水電磁弁43を開弁して給湯熱交換器6に通水させてバーナ4を燃焼させる。出湯管20からの湯は、落とし込み管41及び風呂戻り管33、風呂往き管34を通って浴槽31に供給される。落とし込み管41に設けた風呂水量センサ42で検出した水量が設定水量に達すると、落とし込み水電磁弁43を閉じて落とし込みを終了させる。
次に、ポンプ35を作動させて、風呂熱交換器7と浴槽31との間で湯を循環させる。よって、風呂熱交換器7と浴槽31との間を循環する風呂循環水は、風呂伝熱管30を流れる際にバーナ4の燃焼排気と熱交換されて設定温度まで追い焚きされる。設定温度に達すると、バーナ4の燃焼を停止させ、ポンプ35を停止させる。また、風呂リモコン52の追い焚きスイッチの操作により、任意のタイミングでも追い焚きが可能となっている。
【0018】
そして、コントローラ50は、給湯回路Aの使用終了後で再使用前に、風呂の追い焚きが終了したタイミングと、給湯リモコン51又は風呂リモコン52によって設定温度が変更されたタイミングとにおいて、給湯水量センサ25が故障した状態で給湯栓が開かれても高温出湯されないように分配弁23のステッピングモータを駆動させてバイパス率を変更するバイパス率変更制御を実行可能となっている。以下、このバイパス率変更制御を
図2のフローチャートに基づいて説明する。
まず、S1の判別で給湯中か否かが確認され、給湯中でなければ、S2の判別で風呂の追い焚き中か否かが確認される。追い焚き中であれば、S3の判別で追い焚きの終了を確認し、ここで追い焚き終了を確認すると、S4で、バイパス率を、設定温度Tsと、入水サーミスタ24から得られる入水温度Tiとを用いた以下の式(1)に基づいて再計算し、再計算したバイパス率となるように分配弁23のステッピングモータを駆動させてバイパス率を変更する。
【0019】
【0020】
この式(1)によれば、入水温度が0℃~20℃、設定温度が40℃~50℃であれば、50%から60%の値でバイパス率が決定されることになる。
次に、S5で、リモコン51,52によって設定温度が変更されたか否かを判別し、設定温度の変更がなければ本制御を終了する。ここで設定温度が変更されたことが確認されたら、S4へ戻り、変更された設定温度Tsに基づいてバイパス率を再計算する。
一方、S2の判別で追い焚き中でない場合は、S5で設定温度の変更が判別され、設定温度の変更があればS4でバイパス率が再計算されることになる。
【0021】
こうして追い焚きが終了したタイミングと設定温度が変更されたタイミングとでバイパス率を変更した後、給湯栓が開栓されて給湯回路Aに通水された際、給湯水量センサ25が故障してコントローラ50が通水を検知しなかった場合でも、変更されたバイパス率が維持されているので、出湯管20からの湯にはバイパス管22からの水が混合される。
従って、風呂回路Bの単独使用で追い焚きがされることで給湯熱交換器6内の水が高温となっていても、高温のまま出湯されることがなくなる。
【0022】
このように、上記形態の給湯器1によれば、コントローラ50は、給湯回路Aの使用終了後で再使用する前の所定のタイミングで、入水サーミスタ24から得られる入水温度と、給湯リモコン51又は風呂リモコン52で設定される設定温度とに基づいてバイパス率を変更し、変更したバイパス率となるように分配弁23を制御することで、給湯回路Aが再使用された際に給湯水量センサ25が故障して通水が検知できなくても、変更したバイパス率によって出湯管20からの湯にはバイパス管22からの水が必ず混合される。よって、一方の通水経路が給湯回路Aとなる一缶二水路型において、給湯回路Aに設けた給湯水量センサ25が故障した場合であっても、給湯回路Aの使用開始時の高温出湯を防止することができる。
【0023】
特にここでは、バイパス率を変更するタイミングを、風呂回路Bの単独使用による浴槽31の追い焚きが終了した場合としているので、風呂回路Bの単独使用の際に使用されていない給湯熱交換器6が加熱されることによって滞留する水が高温となる場合でも、給湯回路Aの使用の際に出湯管20からの高温出湯を確実に防止することができる。
また、バイパス率を変更するタイミングを、給湯リモコン51又は風呂リモコン52によって設定温度が変更された場合ともしているので、設定温度に合わせた適切なバイパス率の変更が可能となる。
【0024】
なお、バイパス率を変更する式は上記形態に限らず、例えば設定温度に加算する10℃の値を増減したり、加算自体を省略したり等、適宜変更可能である。
また、給湯器自体の構成も、一缶二水路型であれば、各熱交換器が潜熱回収用の副熱交換器を備えるものであったりしても差し支えない。また、給湯回路でない側の通水経路としては、風呂回路に限らず、外部の床暖房や浴室暖房機等に接続される暖房回路等であっても本発明は適用可能である。
【符号の説明】
【0025】
1・・給湯器、2・・燃焼室、3・・バーナユニット、4・・バーナ、5・・燃焼ファン、5・・給湯熱交換器、7・・風呂熱交換器、12・・ガス管、18・・給湯伝熱管、19・・給水管、20・・出湯管、21・・水管サーミスタ、22・・バイパス管、23・・分配弁(バイパス流量制御手段)、24・・入水サーミスタ(入水温度検出手段)、25・・給湯水量センサ(通水検出手段)、27・・給湯出湯サーミスタ、28・・水量制御弁、30・・風呂伝熱管、31・・浴槽、33・・風呂戻り管、34・・風呂往き管、37・・風呂水流スイッチ、41・・落とし込み管、50・・コントローラ、51・・給湯リモコン(温度設定手段)、52・・風呂リモコン(温度設定手段)、A・・給湯回路、B・・風呂回路(通水経路)。