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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-14
(45)【発行日】2022-03-23
(54)【発明の名称】呼吸用アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A61M 16/06 20060101AFI20220315BHJP
【FI】
A61M16/06 C
A61M16/06 A
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2018518427
(86)(22)【出願日】2016-10-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2018-10-18
(86)【国際出願番号】 US2016055834
(87)【国際公開番号】W WO2017062677
(87)【国際公開日】2017-04-13
【審査請求日】2019-07-23
(31)【優先権主張番号】29/577,513
(32)【優先日】2016-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】29/577,512
(32)【優先日】2016-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】29/577,515
(32)【優先日】2016-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/495,576
(32)【優先日】2016-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】14/876,099
(32)【優先日】2015-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】518116282
【氏名又は名称】スナップ シーパップ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ヘザリントン,ステュアート
(72)【発明者】
【氏名】ペトルシュケ,ハンス
(72)【発明者】
【氏名】スターデバント,マイケル
【審査官】今関 雅子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0131534(US,A1)
【文献】特開平03-030777(JP,A)
【文献】特開昭57-137793(JP,A)
【文献】特表2013-538632(JP,A)
【文献】特表平09-501084(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 16/06-16/08
A61M 39/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼吸用アセンブリであって、
ベースと、
前記ベースと係合したコネクタと、
一対のソケットと、
一対のポストと、を備え、
前記ベースは、流体で連通した状態でホースまたは流体源と係合していることで、前記コネクタと、前記ベースと、前記ホースまたは前記流体源との間のガスの流通を可能にし、
前記一対のソケットはそれぞれ前記コネクタと分離可能に係合し、
前記コネクタは前記ベースとソケットとの間に位置し、
前記一対のポストはそれぞれ、内部に開口部を区画し、鼻係合部と前記鼻係合部から遠位にあるポジショナまたは小突起とを有し、
前記各ソケットは、
カラーと、
前記カラーに接続した少なくとも1つのピンチ部と、
ポストを受け入れるために前記カラーを通って延在するキャビティと、を区画し、
前記カラーは、前記ポストの前記ポジショナまたは小突起が前記カラーと係合する第1動作モードと、ユーザの前記少なくとも1つのピンチ部の操作に応じて、前記ポジショナまたは小突起が解放されることにより、前記ポストが前記カラーと係合していない第2動作モードとを有し、
前記ポストそれぞれの鼻係合部は、患者の鼻に係合するように構成され、前記ポストが前記患者の鼻に係合しているときに前記患者の各鼻孔内に前記ポストが延在しない、フランジを備え、
前記呼吸用アセンブリはマスクレスおよびストラップレスであり、前記呼吸用アセンブリが前記患者に装着されているときに前記ホースまたは流体源からのガスが前記コネクタを通じて前記患者の口ではなく鼻に流通することを特徴とする呼吸用アセンブリ。
【請求項2】
前記ポストの前記フランジが接着剤の使用によって患者の鼻孔に係合することを特徴とする、請求項1に記載の呼吸用アセンブリ。
【請求項3】
前記接着剤は、フォームテープの一部を形成することを特徴とする、請求項2に記載の呼吸用アセンブリ。
【請求項4】
前記ベースは、2つのコネクタを係合するために2つの開口部を区画することを特徴とする、請求項1に記載の呼吸用アセンブリ。
【請求項5】
前記ベースは、2つのコネクタおよび2つのキャップを係合するために4つの開口部を区画することを特徴とする、請求項1に記載の呼吸用アセンブリ。
【請求項6】
前記ポストの前記フランジは、複数の前記ポストにより区画された、ポスト本体に対して傾斜した角度で配置されており、
前記ポスト本体は実質的に円筒形であり、
前記ポスト本体は各ポストの主軸に沿って延在し、
各ポスト本体は、前記一対のソケットの内の少なくとも1つと選択的に係合することを特徴とする、請求項1に記載の呼吸用アセンブリ。
【請求項7】
前記ベースは、少なくとも2つの前記開口部の間に配置された凹部を区画することを特徴とする、請求項5または6に記載の呼吸用アセンブリ。
【請求項8】
前記一対のソケットの各々は、前記ソケットと前記ポストとの間の選択的係合を可能とする、ピンチ部を含むことを特徴とする、請求項1に記載の呼吸用アセンブリ。
【請求項9】
前記選択的係合は、前記ソケットのカラービードを前記ポストのポジショナに係合することを含むことを特徴とする、請求項8に記載の呼吸用アセンブリ。
【請求項10】
呼吸用アセンブリであって、
ベースと、
前記ベースと係合したコネクタと、
対のソケットと、
一対の滑り止めアセンブリと、を備え、
前記ベースは、流体で連通した状態でホースまたは流体源と係合していることで、前記コネクタと、前記ベースと、前記ホースまたは流体源との間のガスの流通を可能にし、
前記一対のソケットはそれぞれ前記コネクタと分離可能に係合し、
前記コネクタは前記ベースとソケットとの間に位置し、
前記各ソケットは内部に開口部を区画し、さらに、前記開口部内にソケット隆起を区画し、
各滑り止めアセンブリは、前記一対のソケットの1つと分離可能に係合し、
前記各滑り止めアセンブリは、
患者の鼻孔の係合のため、接着剤を含むシートと係合し、前記シートが前記患者の鼻に係合しているときに前記患者の各鼻孔内に前記滑り止めアセンブリが延在しない、滑り止めフランジと、
前記1つのソケットの開口部に流体で連通する滑り止め開口部と、
前記1つのソケットの前記ソケット隆起と選択的係合するための少なくとも1つの滑り止め隆起と、を区画し、
前記滑り止めフランジは各滑り止めアセンブリの末端に規定され、
前記呼吸用アセンブリはマスクレスおよびストラップレスであり、前記呼吸用アセンブリが前記患者に装着されているときに前記ホースまたは流体源からのガスが前記コネクタを通じて前記患者の口ではなく鼻に流通することを特徴とする呼吸用アセンブリ。
【請求項11】
前記接着剤は、フォームテープの一部を形成することを特徴とする、請求項10に記載の呼吸用アセンブリ。
【請求項12】
前記ベースは、2つのコネクタを係合するために2つの開口部を区画することを特徴とする、請求項10に記載の呼吸用アセンブリ。
【請求項13】
前記ベースは、2つのコネクタおよび2つのキャップを係合するための4つの開口部を区画することを特徴とする、請求項10に記載の呼吸用アセンブリ。
【請求項14】
前記滑り止めフランジは、前記滑り止めアセンブリおよび前記ソケットが係合している際に、前記ソケットに対して傾斜した角度で配置されていることを特徴とする、請求項10に記載の呼吸用アセンブリ。
【請求項15】
前記ベースは、少なくとも2つの開口部の間に配置された凹部を区画することを特徴とする、請求項12または13に記載の呼吸用アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本出願は、2015年10月6日に出願された米国特許出願第14/876,099号、2016年9月13日に出願された米国特許出願第26/916,445号、2016年9月13日出願の米国特許出願第26/916,453号、2016年9月13日出願の米国特許出願第26/916,474号および2016年9月13日出願の米国仮特許出願第62/495,576号の一部継続出願であり、これらのそれぞれの内容は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、2012年11月9日に出願された米国特許出願第13/672,946号および2011年11月21日に優先権主張する(現在期限切れ)米国仮特許出願第61/562,056号に関連しており、これらのそれぞれの内容は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0003】
この開示は、呼吸用アセンブリ、より詳細には、治療流体と封止可能な係合を提供するための鼻係合部分を備えた呼吸用アセンブリに関する。
【背景技術】
【0004】
睡眠中に任意の数の睡眠または呼吸の障害を有する患者の治療に際して使用するものとして、経鼻的持続陽圧呼吸法(CPAP)マスクがある。CPAPマスクは、周囲空気または酸素富化空気のような治療流体を所定のまたは所望の圧力設定のもとで患者に送り込むことができる。
【0005】
CPAPマスクには多くの欠点がある。例えば、CPAPマスクは大きくて扱いにくく、審美的および人間工学的に魅力的ではない。CPAPマスクは、治療流体を送り込むための所望の圧力の達成に、封止された環境を維持する必要が有るため、患者の皮膚との封止可能な係合を提供しなければならない。この封止可能な係合は、患者の皮膚に擦り傷を残し、磨耗痕が消えるのに所望でない時間を要することがある。従って、摩耗痕が消えるまで、多くの患者が公然の場で不快感を覚え、男性患者は、顔を剃ることができず、女性患者は、磨耗痕が消失するまで、化粧をすることができない。これらの凹みまたは痕は、口および/または鼻孔を包むマスク、および患者の頭の周りに配置され得るストラップまたはコネクタが原因である場合がある。
【0006】
従来のCPAPマスクが大きいため、マスクが人の顔の大部分を占める。このため、睡眠中に人が頭を動かせる範囲が制限される。なぜなら、顔の側面を寝かせるとCPAPマスクと接触し、マスクと患者間との封止係合が外れるからである。従ってマスクアセンブリ内の圧力が排出されることとなる。これは、患者が理想的な圧力下で治療ガスを受け取らなくなる、もしくは患者が目を覚ますため、望ましくない。
【0007】
したがって、従来のCPAP機械およびマスクに関連する欠点を解決するための改善されたCPAP呼吸用アセンブリが必要とされている。さらに、ストラップレスおよびマスクレスであるCPAP呼吸用アセンブリの需要が有り、それらは、従来のCPAP機械およびマスクの大きくて取扱いにくくマークを形成する問題を解決する。
【発明の概要】
【0008】
本概要は、選択した概念を簡略化した形式で紹介するために提供し、以下の「詳細な説明」でさらに説明する。本概要は、特許請求された主題の重要な特徴、または本質的な特徴を特定化することを意図するものではなく、さらに請求される主題の範囲を限定するために使用されることも意図していない。
【0009】
少なくとも1つの実施形態によれば、呼吸用アセンブリが提供される。呼吸用アセンブリは、少なくとも1つのコネクタとホースまたは流体源との間のガスの流通を可能とするため、少なくとも1つのコネクタとホースまたは流体源とに係合するベースと、前記少なくとも1つのコネクタと係合する一対のソケットと、一対のポストと、を備える。各ポストは、一対のソケットの少なくとも1つと選択的係合が可能であり、上記各ポストは、内部に開口部を区画するフランジを備え、上記開口部は、一対のソケットと対応する各ソケットとガスで連通しており、さらに上記各ポストは、各フランジに滴下され、かつ患者の鼻孔に封止可能に係合するように構成された接着剤を備える。
【0010】
少なくとも1つの実施形態によれば、呼吸用アセンブリが提供される。呼吸用アセンブリは、少なくとも1つのコネクタとホースまたは流体源との間のガスの流通を可能にするため、少なくとも1つのコネクタとホースまたは流体源とに係合したベースと、前記少なくとも1つのコネクタと係合する一対のソケットと、一対の滑り止めアセンブリと、を含み、各滑り止めアセンブリは、一対のソケットの少なくとも1つと選択的に係合可能であり、上記各滑り止めアセンブリは、患者の鼻孔に係合するための接着剤を含むシートに係合した滑り止めフランジと、前記一対のソケットに対応する各ソケットとガスで連通した状態の滑り止め開口部と、前記一対のソケットのうち少なくとも1つのソケット隆起と選択的に係合させるための少なくとも1つの滑り止め隆起と、を区画する。
【0011】
この要約は、以下の「詳細な説明」でさらに説明する概念の選択を簡略化した形で紹介するために提供される。この要約は、特許請求された主題の重要な特徴または本質的な特徴を識別することを意図するものではなく、請求される主題の範囲を限定するために使用されることも意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
前述の要約および好ましい実施形態の以下の詳細な説明は、添付の図面と併せて読めばよりよく理解される。例示のために、図面には例示的な実施形態が示されている。しかし、開示された本発明は、開示された特定の方法および手段に限定されない。図面では:
図1】本明細書で開示される1つ以上の実施形態に従って治療される呼吸用マスクおよび患者の斜視図を示す。
図2】本明細書に開示される1つ以上の実施形態によるマスクの斜視図を示す。
図3】本明細書に開示される1つ以上の実施形態に従って治療される鼻アセンブリおよび患者の斜視図を示す。
図4】本明細書に開示される1つ以上の実施形態による鼻アセンブリの一部の斜視図を示す。
図5A】明細書で開示される1つ以上の実施形態による呼吸用マスクとともに使用するための鼻アセンブリの斜視図を示す。
図5B】明細書で開示される1つ以上の実施形態による呼吸用マスクとともに使用するための鼻アセンブリの側面図を示す。
図6】本明細書に開示された1つ以上の実施形態によるベースと単一コネクタとを有する呼吸用アセンブリの斜視図を示す。
図7】本明細書に開示された1つ以上の実施形態によるベースと2つのコネクタとを有する呼吸用アセンブリの背面図を示す。
図8】本明細書に開示される1つ以上の実施形態による2つのベース開口部を有する呼吸用アセンブリにおけるベースの斜視図を示す。
図9】本明細書に開示される1つ以上の実施形態による2つのベース開口部を有する呼吸用アセンブリにおけるベースの底面図を示す。
図10】本明細書に開示される1つ以上の実施形態による2つのベース開口部を有する呼吸用アセンブリにおけるベースの背面図を示す。
図11】本明細書で開示される1つ以上の実施形態による4つのベース開口部と2つのキャップとを有する呼吸用アセンブリにおけるベースの背面図を示す。
図12】本明細書で開示される1つ以上の実施形態による滑り止めアセンブリおよび回転可能なソケットアセンブリを示す。
図13A】本明細書で開示される1つ以上の実施形態によるソケットアセンブリおよびポストを示す。
図13B】本明細書で開示される1つ以上の実施形態によるソケットアセンブリおよびポストを示す。
図13C】本明細書で開示される1つ以上の実施形態によるソケットアセンブリおよびポストを示す。
図13D】本明細書で開示される1つ以上の実施形態によるソケットアセンブリおよびポストを示す。
図14A】本明細書で開示される1つ以上の実施形態によるクランプロックを有するソケットアセンブリの斜視図を示す。
図14B】本明細書で開示される1つ以上の実施形態によるクランプロックを有するソケットアセンブリの上面図を示す。
図14C】本明細書で開示される1つ以上の実施形態によるクランプロックを有するソケットアセンブリの側面図を示す。
図14D】本明細書に開示される1つ以上の実施形態によるクランプロックを有するソケットアセンブリの底面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
現在開示されている発明は、法的要件を満たすために具体的に記載されている。しかしながら、説明自体は、この特許の範囲を限定するものではない。むしろ、本発明者は、特許請求の範囲に記載された発明が、別の現在または将来の技術と共に、この文書に記載されたものに類似した異なる工程または要素を含み得る、別の方法で具体化されることも意図したものである。
【0014】
図1は、少なくとも1つの実施形態に従い、患者1に取り付けられた呼吸用アセンブリを示す。そのような実施形態は、2012年11月9日に出願され、米国特許第9,149,595号として発行された米国特許出願第13/672,946号に詳細に記載されている。呼吸用アセンブリは、図面全体にわたり総じて10として示される。アセンブリ10は、鼻アセンブリ12を含む。鼻アセンブリ12は、患者1の鼻孔に治療ガスを運ぶために、その第1の端部上またはその周りに、鼻係合部分16を有する少なくとも1つのポスト14を含むことができる。ポスト14は、患者の鼻孔と同一平面で封止可能な係合を提供するように構成することができる。
【0015】
呼吸用アセンブリ10は、流体源41からの治療ガスを受け入れるための入口22と、ポスト14に封止可能に係合するための少なくとも1つのレセプタクル24と、を有するマスクアセンブリ20を含むことができる。流体源41は、経鼻的持続陽圧呼吸法(CPAP)機械、流体タンク、加湿器、または他の何らかの流体源であってもよい。ポスト14とレセプタクル24との係合は、例えば永久係合、または患者が望む場合の時のみの係合の様に選択的に係合可能である。あるいは、ポスト14は、選択的に、ポストを通して治療ガスを運ぶチューブ28と直接的に係合可能である。
【0016】
図2に示すように、入口22は、入口22をマスクアセンブリ20の周りで旋回運動できるスイベルジョイント36を含むことができる。入口22は、治療ガスを流体源41から入口22に流通させることができるホース40であってもよい。
【0017】
マスク本体46と選択的係合が可能となることで持ち運び可能となる接着パッド42によって、レセプタクル24は、鼻アセンブリ12を各患者の様々なサイズの鼻に配置するために、フレキシブルな移動ができるチューブ28を含むことができる。マスクアセンブリ20は、患者の口と選択的係合ができる接着パッド42により患者の口と封止可能に係合するように構成されることでマスク本体46によって持ち運びが可能になる。マスク本体46の内部は、入口22から治療ガスが流通するチャンバー58を区画できる。このようにして、1つの作動状態では、鼻アセンブリ12が、患者の鼻孔または鼻領域に係合できる一方で、マスクアセンブリ20は、患者の口領域および鼻領域の両方を封止可能に係合することができる。本作動状態では、治療ガスは、患者の口および鼻領域の両方に同時に供給することができる。マスク本体46は、本明細書で以下に説明するジョイントと協働するソケットの凹部38をさらに区画することができる。
【0018】
あるいは、チャンバー58を封止するために、マスクアセンブリ20との封止可能な係合を提供できるパネル44を設けてもよい。その結果、治療ガスが患者の口の周囲の領域を通過せずに鼻アセンブリ12にのみ通過する。このようにして、本明細書に開示された1つまたは複数の装置10を、患者が口および鼻の両方に治療ガスを受けるCPAP用途と、患者が鼻だけに治療ガスを受けるCPAP用途との両方の用途のために、適切に構成することができる。さらに、患者が、本明細書で提供される鼻係合機器構成の使用を望まない場合、マスクアセンブリ20の使用に対して、レセプタクル24を封止するために1つまたは複数のプラグ48を提供できる。したがって、本明細書に記載の呼吸用アセンブリ10は、3つの異なる動作モード、すなわち、治療ガスが患者の口にのみ供給されるモードと、治療ガスが患者の鼻にのみ供給されるモードと、治療ガスが患者の鼻および口に供給されるモードと、がある。
【0019】
1つ以上の実施形態では、入口22は、図2に示すように、ボールソケットジョイント50をさらに含むことができる。ボールは50として示され、ソケットの凹部は38で示されている。ボールソケットジョイントは、入口22の回転運動を可能にする。ボール50は、治療ガスの流動を可能にする複数のベント52を区画することができる。ベント52は、患者から出る二酸化炭素のような全ての呼気流体の操作を制御するために、サイズと位置とを調節でき、かつ流体量を所望の設定に変更できるように設定可能である。図3および図4に示される別の実施形態では、一対のチューブ28の各チューブ28、一対のポスト14の各ポスト14、またはその両方は、ガスの流通を可能にするためのベントまたはベント開口52を含むことができる。さらに、ベント開口52は、そこを通るガスの滴定のために調節可能であってもよい。いくつかの実施形態では、ベント52は、ナノスケールからマイクロスケールまでの極めて薄い厚さのポリマー繊維、薄膜または膜から構成されていてもよい。ポリマー繊維は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)(登録商標)を電界紡糸することによって製造することができる。
【0020】
1つ以上の実施形態では、マスク本体46は、患者の顔面構造に適合させるため、ポスト14からのチュービングが、主に鼻と内部本体46上の口腔ハウジングポートまたは本体内部64との間の距離を変更、移動または上昇させることを可能にする調節可能な機構を含んでいてもよく、それによって患者の快適性を高めることとなる理想的な顔面角度および顔面長さを実現できる。呼吸用アセンブリ10、鼻アセンブリ12および/またはマスクアセンブリ20の快適性、有用性および有効性をさらに高めるためにソフトウェアおよび印刷機能を使用でき、それにより様々な要素の呼吸用アセンブリ10および/または鼻アセンブリ12の形状および輪郭をカスタマイズできる。例えば、これに限定するわけではないが、鼻アセンブリ12の鼻係合部分16は、患者1の各鼻孔に適合するように明確に輪郭を描くことができる。このようなカスタマイズは、CADモデルの作成、または3D印刷のために患者の顔の特徴をデジタルスキャンすることで達成できる。さらに、マスク本体46および/または接着パッド42の種々の部分または全体は、患者1の顔の輪郭に一層効果的に嵌合するようにカスタマイズされてもよい。このようなカスタマイズは、呼吸用アセンブリ10のいかなる要素にも適用でき、鼻アセンブリ12、ベース90、コネクタ91、ソケット94、滑り止めアセンブリ80、シート30、および/またはスプリッタ60を含むが、これらに限定しない。
【0021】
図3は、少なくとも1つの実施形態による患者1に取り付けられた鼻アセンブリ12を示す。鼻アセンブリ12は、一対のチューブ28を含んでもよく、各々がホース40または流体源41とガスで連通している。一対のチューブ28とホース40とは、一体的に形成されていてもよい。あるいは、スプリッタ60が、一対のチューブ28の各々と、ホース40または流体源41との間に配置されてもよい。スプリッタ60は、一対のチューブ28の各々とホース40または流体源41との間をガスが流通することを可能にするため、一対のチューブ28の各々とホース40または流体源41とに係合することができる。スプリッタ60、一対のチューブ28およびホース40は、一体的に形成されていてもよい。
【0022】
チューブ28および/またはホース40と、または流体源41とスプリッタ60との係合は、多数の種々の構造的構成を使用して達成することができる。いくつかの構造的構成は、要素28、40、60間のより大きな旋回運動を可能にする一方で、同時に封止可能な係合を維持し、それらからガスが漏れることを防止できる。スプリッタ60は、チューブ28に係合するための2つのチューブ係合端部62と、ホース40または流体源41に係合するための1つのソース係合端部64と、を備えてもよい。チューブ28は、チューブスプリッタ受け口66を含むことができる。ホース40または流体源41は、ソーススプリッタ受け口68を含むことができる。いくつかの実施形態では、受け口66、68または係合端部62、64は、対応する凹部構造と係合した、周方向に延びる構造であってもよい。あるいは、受け口66、68または係合端部62、64は、スプリッタ60の周りをチューブ28が旋回運動できるように、対応するチューブまたはスプリッタボールジョイントと係合したスプリッタ、またはチューブソケットであってもよい。
【0023】
図4に示す実施形態のような少なくとも1つの実施形態では、鼻アセンブリ12の各ポスト14は、一対のチューブ28のそれぞれの受け口部35に選択的に係合する延長部34を含むことができる。ポスト14と、レセプタクル24またはチューブ28との係合は、多数の種々の構造構成を使用して達成することができる。延長部34は、それぞれの凹部の受け口部35に選択的に係合できるように周方向に延在する部分であってもよい。あるいは、延長部34は、ポストボールジョイントであってもよく、受け口部35はチューブソケットであってもよい。ポストボールジョイント34およびチューブソケット35は、図4に示すように、一対のポスト14の各々の周りを一対のチューブ28が旋回運動できるように選択的に係合可能に構成されている。別の実施形態では、ポストソケットである延長部分34と、チューブボールジョイントである受け口部35とを含むことができ、ポストソケット34とチューブボールジョイント35とは、一対のポスト14の各々の周りに一対のチューブ28が旋回運動できるように選択的に係合可能に構成されている。
【0024】
いくつかの実施形態によれば、鼻アセンブリ12は、一対のポスト14を含む。また、図5Aおよび図5Bは、少なくとも1つの実施形態による鼻アセンブリ12を詳細に示す。ポスト14は、患者1の鼻孔と接着させ、かつ封止可能な係合を提供するために、上部に接着剤32が塗布されたシート30、または接着層32を備えるシート30、またはシート30を含む接着層と係合するように構成されたフランジ26を含むことができる。シート30は、任意の所望の形状であってもよく、ポスト14内に区画された開口部29への流通を可能にするために、好ましくは、内部に開口部を含んでいてもよい。接着剤32は、所望に応じてシート30を患者の鼻孔への接着および鼻孔からの除去ができるように、感圧性の接着剤であってもよい。ポスト16は、その第2の端部上に、少なくとも1つのレセプタクル24、または一対のチューブ28のうちの対応するチューブ28と選択的に係合するように構成された延長部34を含むことができる。
【0025】
接着剤32(および/またはシート30)は、種々の厚さ、接着強度および可撓性を有していてもよい。厚さ、接着強度および可撓性は、各接着剤32間で変動してもよく、および/または個々の接着剤32自体で変動してもよい。例えば、接着剤32の可撓性は、鼻係合部分ではより硬質となり得るが、他の部分ではよりフレキシブルであってもよい。接着剤32は、医療用フォームテープ、外科用テープおよび/または低アレルギーテープから構成されてもよい。接着剤32は、親水コロイドテープ18を含むことができ、および/または患者の体温で接着剤32が暖まることで鼻孔により確実に密着するポリウレタン反応層を含むことができる。接着剤32は、ポリ塩化ビニルまたはポリオレフィンフォームテープ、および/またはアクリレート接着剤層を含むことができる。いくつかの実施形態では、接着剤32は、接着性の物質またはテープを使用して、ポスト14への付着を可能とする布層を含むことができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、一対のポスト14の各ポスト14は、内部に開口部29を区画するフランジ26を含むことができる。開口部29は、一対のチューブ28に対応する各チューブ28とガスで連通している。さらに、接着剤32または接着剤層32を、各ポスト14に塗布することができる。各ポスト14は、患者の鼻に封止可能に係合するように構成されている。接着剤32は、鼻が面するポスト14の側面上に配置されたシート30に塗布されてもよく、もしくは接着剤がポスト14のフランジ26に直接塗布されてもよい。接着剤32は感圧性であってもよい。
【0027】
図6は、本明細書に開示される1つ以上の実施形態に従う、ベース90および単一コネクタ91を有する呼吸用アセンブリ10の斜視図を示す。特に、図6、8および図11の実施形態は、共にストラップレスおよびマスクレスである。従来技術では、ストラップおよびマスクがしばしば患者の体に痕跡を残すため、共にストラップレスおよびマスクレスであることは大きな利点である。ベース90は、任意の数のベント52を含むことができる。例えば、図9に示すように、ベント52は、ベース90の底面に配置されてもよい。ベース90は、ホース40または流体源41に選択的に係合、または結合するためのベースチューブ係合部103をさらに含む、もしくは区画することができる。ベースチューブ係合部103と、ホース40または流体供給源41との間の係合または結合は、互いに相対する2つの完全な回転を可能にできる。ベース90とベースチューブ係合部103とは、一体的に形成されていてもよく、別々に形成されていてもよい。ベースチューブ係合部103は、ボールソケットジョイント、スナップ係合、ピンチ係合、滑り止め係合または他の係合形態を含むが、これらに限定せず、本明細書に記載されたいかなる係合を含むことができる。ベースチューブ係合部103は、ベント52を含むことができ、もしくは呼吸用アセンブリ10の操縦性かつ操作性を容易にするために、テクスチャ化または輪郭付けされた表面を含むことができる。
【0028】
本発明のベント52は、流体の流れが生じるいずれかの領域に近接して配置することができる。しかしながらそこに限定せずに、ベント52は、ベース90、コネクタ91、ポスト14、ソケット94、ベースチューブ係合103などに配置されてもよい。ベント52は、3D熱可塑性印刷プロセスを使用して製造される。ベント52は、微細な孔で構成されていてもよい。微細な孔は、非常に細い微小繊維のマトリックスを使用して作製することができる。微小繊維は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)(登録商標)で構成されていてもよい。
【0029】
ベース90および単一コネクタ91は、一体的に構成されていてもよいし、別々に構成されていてもよい。例えば、ベース90は、硬質プラスチックから構成されていてもよく、コネクタ91は、シリコーンから構成されていてもよい。呼吸用アセンブリ10のベース90、ソケット94、ポスト14および/または他の構成要素は、例えば、食品または医療品位の品質となり得るポリプロピレン、またはポリエチレンなどのプラスチックで構成されてもよいが、それらに限定はしない。単一の構成か別個の構成か、及び、プラスチックおよびシリコーンを含めるかを、例えば、図8および図11に示される実施形態、および本明細書に記載の他の実施形態等にさらに適用することも可能である。図6のコネクタ91は、コネクタ本体92および2つのコネクタアーム93を区画する。コネクタアーム93のそれぞれは、ソケット94と選択的に係合、または結合が可能である。ソケット94は、コネクタアーム93(図6参照)の内部、コネクタアーム93の外部、または内部および外部の両方と係合または連結することができる。一実施形態では、ソケット94は、コネクタアーム93(および/またはソケット94)の溝付きキャビティ内で摺動することで、コネクタアーム93と係合可能になる(および/またはポスト14がソケット94と係合可能になる)。
【0030】
ベース90は、ホース40または流体源41から液体流を受けるように設けられてもよい。ベース90は、さらに少なくとも1つのベース開口部96を区画することができる。例えば、図6は、ベースが、コネクタ91と選択的に係合、または結合するための単一のベース開口部96を含む実施形態を示す。別の実施形態では、例えば、図8および図11に示すように、ベースは、2つ以上のベース開口部96を含むことができ、図8では2つであり、図11では4つある。様々な患者1の輪郭に適合した種々の構成を提供するために、任意の数のベース開口部96が含まれていてもよい。さらに、1つ以上のベース開口部96と1つ以上のコネクタ91との係合または連結は、本明細書に記載されたいかなる係合を用いても達成されうる。
【0031】
図7は、本明細書で開示される1つ以上の実施形態による、ベース90および2つのコネクタ91を有する呼吸用アセンブリ10の背面図を示す。呼吸用アセンブリ10が患者の鼻孔と係合したときに患者の顔から離れるように整形されることで、患者が唇をより自由に動かすことができ、または唇へのアクセスが可能になるようにベース90は、ベース凹部97を区画することができる。さらに、ベース90は、呼吸用アセンブリ10によって使用される容積を最小限にするために、1つまたは複数のベースバルジ98およびベース溝99を含むことができ、それにより、患者の顔へのアクセスがより容易になり、呼吸用アセンブリ10の種々の構成要素の操作がより容易になる。
【0032】
図7のベース90は、少なくとも2つのコネクタ91のそれぞれに選択的に係合、または結合するための2つのベース開口部96を区画する。2つ以上のコネクタ91は、本明細書に記載された任意の係合を含むことができ、種々の形状(つまり空気の流動)、角度(つまり位置)および/またはタイプを変化させるために、コネクタ91を所望のように交換することができる。各コネクタ91は、コネクタアーム93がコネクタ本体92に対して撓むことができるように、変形可能な材料で成形、かつ構成されていてもよい。コネクタ91に選択的に係合、または結合するためにソケット94が呼吸用アセンブリ94に含まれてもいてもよい。
【0033】
図8は、本明細書に開示された1つまたは複数の実施形態による、2つのベース開口部96およびベースチューブ係合部103を有する、呼吸用アセンブリ10のベース90についての斜視図を示す。図9は、本明細書に開示される1つ以上の実施形態による2つのベース開口部96を有する、呼吸用アセンブリ10のベース90についての底面図を示す。図10は、本明細書に開示される1つ以上の実施形態による2つのベース開口部96を有する、呼吸用アセンブリ10のベース90についての背面図を示す。
【0034】
図11は、本明細書に開示される1つ以上の実施形態による4つのベース開口部96および2つのキャップ102を有する、呼吸用アセンブリ10のベース90の背面図を示す。2つのキャップ102は、使用されていないとき、および/またはベース開口部96がコネクタ91に係合または結合していないときに、ベース開口部96を覆うことができる。ベース開口部96は、コネクタ91を各々の開口部96の間で相互に交換、かつ自由に再配置できるように、同様の大きさおよび形状にすることができる。このようなカスタマイズにより、患者は、患者の鼻孔に最も適合させるために、コネクタ91を任意の2つの開口部96に選択的に係合、または結合することができる。滑り止めの係合またはボールジョイント係合または複数の位置決めが可能な他の係合を可能にすること、および/または角度の付いたポスト14および/またはコネクタ91を設けることによって、呼吸用アセンブリ10が係合している際、患者の鼻孔に最適に嵌合するようにコネクタ91、コネクタアーム93および/またはポスト14を位置決めすることができる。
【0035】
図12は、本明細書で開示される1つ以上の実施形態による滑り止めアセンブリ80および回転可能なソケットアセンブリ94を示す。呼吸用アセンブリ10のシート30は、シート30の層間に延びる滑り止めフランジ82を区画する、滑り止めアセンブリ80を埋め込むことができる。あるいは、シート30および/または接着剤32は、本明細書に記載のポスト14の鼻係合部分16と同様に、滑り止めアセンブリ80の滑り止めフランジ82の鼻に面する側に塗布することができる。シート30、鼻係合部16および/または滑り止めフランジ82は、患者の多種類の鼻孔4および鼻孔3に適合するように種々の形状を形成するように成形可能である。例えば、図6に示すように、シート30は、鼻孔4の周りに実質的に円形であり、湾曲した頂点を有した略三角形の一側面が外側に延びている。このような実施形態は、患者1に付着させるためにより大きな表面積を提供する。図5に示すように、シート30は実質的に円形である。説明全体を通じて、滑り止めフランジ82と鼻係合部分16とは、交換可能に使用することができる。他の実施形態では、シート30、鼻係合部16および/または滑り止めフランジ82は、相似した方法で鼻孔に適合させるため、放射した波状、凹状または凸状であってもよい。患者1への適用時に、シート30および/または滑り止めフランジ82は、追加の支持および付着を提供するために鼻孔4の間で重なり合ってもよい。滑り止めフランジ82は、同様に成形および配置することができる。
【0036】
滑り止めアセンブリ80の滑り止めフランジ82は、支持を提供するために硬質であってもよく、患者の鼻孔4および鼻孔3の形状に一致させるために、またはフレキシブルであってもよい。滑り止めアセンブリ80は、滑り止めフランジ82の中央または内側部分および患者1から離れて延びる滑り止め延長部84をさらに区画することができる。滑り止め延長部84は、実質的に円筒形であってもよく、または、鼻アセンブリ12のポスト14またはソケット94と係合するために別の形状であってもよい。滑り止め延長部84は、滑り止め延長部84の内側面にある複数の滑り止め隆起86、滑り止め開口部85、および/または滑り止め延長部84の外側面を区画することができる。滑り止め隆起86のそれぞれは、滑り止め隆起86によって区画された近位端88より滑り止めフランジ82からさらに遠くに位置する遠位端87を区画することができる。遠位端87および近位端88は、滑り止めアセンブリ80に対してポスト14またはソケット94の時計回りまたは反時計回りのいずれかの回転を可能にするように配置されてもよい。さらに、滑り止め隆起86は、滑り止めアセンブリ80およびポスト14、またはソケット94の滑らかな回転の促進および固定のために、遠位端87および/または近位端88上にテーパ状端部89を区画することができる。
【0037】
別の実施形態では、滑り止め隆起86およびポスト、またはソケット隆起110はL字形であり、滑り止めアセンブリは、滑り止めフランジ82上に配置されたばねベースのリング(図示せず)をさらに備えてもよい。ポスト14またはソケット94を滑り止めアセンブリ80に係合する際に、隆起を互いに押し通すことができ、さらにポスト14またはソケット94はねじることが可能で、その後、患者が取り外す際、ばねベースのリングのより、滑り止めアセンブリ80およびポスト14、またはソケット94を所定の位置に固定されることとなる。ソケット隆起110は、滑り止め隆起86の近位端および遠位端87、88と同様に、近位ソケット端部112および遠位ソケット端部114を区画することができる。
【0038】
ソケット94が図12に示されているが、ポスト14は、同様に滑り止めアセンブリ80と選択的に係合可能である。ソケット94またはポスト14は、位置識別子(A-H)を含むことができ、患者が所望の位置識別子(A-H)を滑り止め位置識別子104と共に並べることによって、ソケット94またはポスト14を特定の所望の位置に選択的に係合することができる。ソケット94またはポスト14は、ソケットヘッド106を容易に回転させるための把持機構105をさらに区画することができる。ソケットヘッド106は、ソケットベース107の周りに自由に回転可能であってもよい。他の実施形態(図13Aから図13D)では、ソケットベース107は、コネクタ91および/またはコネクタアーム93と係合するように成形できる。さらに、ソケット94またはポスト14は、係合する際、ソケット94またはポスト14を滑り止めアセンブリ80に封止して係合でき、もしくは結合するための変形可能なOリング108を含むことができる。一実施形態において、ソケット94がコネクタアーム93の外部に係合、または結合する場合、コネクタアーム93は、ソケット94内で延在可能で、ソケット94とポスト14との係合または結合を封止するためのOリング108を区画することができる。
【0039】
また、図13Aから図13Dは、本明細書で開示される1つ以上の実施形態によるソケットアセンブリ94およびポスト14を示す。ポスト14は、鼻係合部16を含み、鼻係合部16は、鼻係合部16の鼻孔に対する位置決めを向上させるために、柱体17に対して傾斜した角度で配置されている。角度は15度でもよいし、0度から45度の任意の角度でもよい。この角度は、図13Bおよび図13Cに示すように、ポスト本体17の一部をある角度で外側に膨らませることによって形成されてもよい。バルジ17Aとポスト本体17との交差部、またはバルジ全体17A自体は、フレキシブルまたは変形可能であってもよく、さらにポスト本体17の他の部分とは異なる材料から構成されていてもよい。あるいは、ポスト本体17は、実質的に円筒状のままであってもよく、ある角度の「スライスド」上部を有していてもよい。
【0040】
ソケットアセンブリ94は、ソケット94をポスト14から係合させたり、係合を外したりするための1つ以上のピンチ部117を含むことができる。ピンチ部117は、「ピンチ」されたときにピンチ部117に作用力を提供する角度で、コネクタ91の遠位にあるソケットのカラー端部119から延びることができ、解放を容易にするためソケットのカラー119をポスト14から遠ざけて変形させることが可能になる。ソケットキャビティ118は、挟み付けられたときソケット94が変形できるようソケット94によって区画されてもよい。例えば、図13Dに示すように、ソケットキャビティ118は、ピンチ部117が挟み付けられたときにカラー部118の左半分または右半分が変形できるよう、ソケット94のカラー118を通り、カラー部118の下に水平に延びる。ピンチ部による挟み付けは、1つ以上のピンチ部を個別または同時に押圧を伴うことにより、ピンチ部117がソケット94に向かって撓むため、カラー119のカラービード130が持ち上がり、ポスト14の掛かり132が解放されることとなる。
【0041】
また、図14A図14Dは、本明細書に開示される1つ以上の実施形態によるクランプロック120を有するソケットアセンブリ94を示す。クランプロック120は、2つのクランプ延長部121を含むことができる。第1のクランプ延長部121Aは、第1のクランプマウンド122Aを区画できる。第2のクランプ延長部121Bは、第2のクランプマウンド122Bを区画できる。クランプマウンド122の一方または両方は、延長部121が一緒に挟み付けられたときに、クランプマウンド122のロック係合を可能にするクランプ突起123を含むことができる。一旦係合すると、クランプマウンド122は、次のピンチ部との係合を解除してもよい。一実施形態では、ポスト14を所定の位置に固定するために、延長部121を共に挟み付けることで、ビード130とポスト14とが係合する。ポスト14は、ポジショナ132(鼻係合部16から遠位にあるポストの下面の小突起)を区画することができ、さらにポジショナ132がソケット94によって区画された位置合わせ開口134と係合する際、ポスト14の位置をさらに固定し、ポスト14の回転に抑制することができる。
【0042】
いくつかの実施形態では、呼吸用アセンブリ10、鼻アセンブリ12、マスクアセンブリ20、および/またはその任意の構成要素は、患者の口に係合している口腔装置9と係合するための口腔装置係合部70をさらに含むことができる。例えば、患者は、呼吸用アセンブリ10、鼻アセンブリ12および/またはマスクアセンブリ20と共に使用することができるマウスガード、下顎用付勢スプリントまたは他の口腔装置9を有することができる。口腔装置係合部70は、呼吸用アセンブリ10、鼻アセンブリ12および/またはマスク10の患者1に対する位置を安定させるために、呼吸用アセンブリ10、鼻アセンブリ12および/またはマスク10を口腔装置9に選択的に係合することができる。
【0043】
1つ以上の実施形態では、呼吸用アセンブリ10またはその任意の構成要素は、システム全体が所定の使用期間の後に処分され、交換されるように、短期間の使用製品として提供される場合がある。例えば、患者が3ヶ月毎に新しい呼吸用アセンブリ10を受けるように、呼吸用アセンブリ10を3ヶ月使用製品としての使用で構成することができる。一実施形態では、ポスト14、滑り止めアセンブリ80は、使い捨て製品であってもよい。患者は、使用のたびに新しい接着パッド42およびシート30を取り付けることができる。
【0044】
実施形態を、種々の図から好ましい実施形態に関連して説明してきたが、他の同様の実施形態を使用してもよく、または変更および追加が、記載された実施形態から逸脱することなく同じ機能をさせるために記載した実施形態に適用され得ることを理解されるであろう。したがって、開示された実施形態は、いずれかの単一の実施形態に限定されるべきではなく、むしろ添付の特許請求の範囲に従って幅広い範囲で解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図13C
図13D
図14A
図14B
図14C
図14D