(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-14
(45)【発行日】2022-03-23
(54)【発明の名称】光学素子
(51)【国際特許分類】
G02B 5/20 20060101AFI20220315BHJP
G02B 3/00 20060101ALI20220315BHJP
G02B 3/08 20060101ALI20220315BHJP
G02F 1/1335 20060101ALI20220315BHJP
【FI】
G02B5/20 101
G02B3/00 A
G02B3/00 B
G02B3/08
G02F1/1335 505
(21)【出願番号】P 2018239857
(22)【出願日】2018-12-21
【審査請求日】2018-12-21
【審判番号】
【審判請求日】2020-12-11
(32)【優先日】2018-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507296388
【氏名又は名称】采▲ぎょく▼科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】VisEra Technologies Company Limited
【住所又は居所原語表記】No.12,Dusing Rd.1, Hsinchu Science Park,Hsin-Chu City,Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100116872
【氏名又は名称】藤田 和子
(72)【発明者】
【氏名】塗 宗儒
【合議体】
【審判長】榎本 吉孝
【審判官】井口 猶二
【審判官】関根 洋之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/046531(WO,A1)
【文献】特開2010-93081(JP,A)
【文献】特開2006-140413(JP,A)
【文献】特開2012-186396(JP,A)
【文献】特開2010-141280(JP,A)
【文献】特開2010-226090(JP,A)
【文献】特開2005-203526(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/20
H01L27/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導波路カラーフィルタ(WGCF)型構造を有する光学素子であって、
基板と、
前記基板の上に形成された複数の金属グリッドと、
前記複数の金属グリッドの上に形成されたパターン化された有機層と、
前記パターン化された有機層によって囲まれたカラーフィルタと、
前記カラーフィルタと前記基板の間に形成され
た集光層であって、
前記集光層の全側面は、前記パターン化された有機層によって囲まれ
、前記集光層の屈折率は、前記パターン化された有機層の屈折率より大きい、集光層と、を含み、
前記集光層は、集光プロファイルを有し、且つ曲線、テーパ、または多角形の形状を有する、光学素子。
【請求項2】
前記パターン化された有機層の前記屈折率は、1.2~1.5の範囲にあり、前記集光層の前記屈折率は、1.6~1.9の範囲にあり、前記カラーフィルタの屈折率より大きく、前記集光層の高さは、前記カラーフィルタの半分以下であり、且つ前記集光層の前記カラーフィルタと接する面の幅は最大幅として定義される請求項1に記載の光学素子。
【請求項3】
前記集光層の最大幅は、前記カラーフィルタの幅の4分の1より大きく、且つ前記カラーフィルタの幅以下である請求項2に記載の光学素子。
【請求項4】
前記集光層は、湾曲しており、前記集光層の幅は前記カラーフィルタから離れる方向に徐々に減少する請求項3に記載の光学素子。
【請求項5】
前記集光層はテーパ状をなしており、前記集光層の幅は前記カラーフィルタから離れる方向に徐々に減少する請求項3に記載の光学素子。
【請求項6】
前記集光層は多角形であり、前記集光層の幅はカラーフィルタから離れる方向に段階的に減少する請求項3に記載の光学素子。
【請求項7】
前記集光層は、前記カラーフィルタの上に形成された複数の分離部を含み、前記集光層の2つの分離部の間の距離は、前記カラーフィルタの両側から中心に水平方向に徐々に減少する請求項3に記載の光学素子。
【請求項8】
前記集光層の前記屈折率は、前記集光層の両側から中心に水平方向に徐々に増加する請求項3に記載の光学素子。
【請求項9】
前記金属グリッドを覆う酸化物層、前記パターン化された有機層と前記カラーフィルタの上に形成された平坦化層、および前記平坦化層の上に形成された反射防止層を更に含む請求項1に記載の光学素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学素子に関するものであり、特に、カラーフィルタと基板の間に形成される特定の集光層を有する光学素子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複合金属グリッド(composite metal grid; CMG)型構造を有する光学素子では、カラーフィルタの上に配置されるマイクロレンズが必要である。導波路カラーフィルタ(wave guide color filter; WGCF)型構造を有する光学素子では、マイクロレンズの代わりにカラーフィルタを囲む低屈折率材料を用いて導波路構造を形成する。
【0003】
しかしながら、導波路カラーフィルタ(WGCF)型構造を有する光学素子では、金属グリッドによる斜め光の吸収のために、特に青色(B)カラーフィルタでは、現在の画素の量子効率(QE)が低下する。
【0004】
従って、QEを向上させ、カラーフィルタ間のクロストークを低く抑えることができる導波路カラーフィルタ(WGCF)型構造の光学素子の開発が望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
カラーフィルタと基板の間に形成される特定の集光層を有する光学素子を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態による、光学素子が提供される。光学素子は、基板、複数の金属グリッド、パターン化された有機層、カラーフィルタ、および集光層を含む。金属グリッドは基板の上に形成される。パターン化された有機層は、金属グリッドの上に形成される。カラーフィルタは、パターン化された有機層によって囲まれる。集光層は、カラーフィルタと基板の間に形成され、パターン化された有機層によって囲まれる。具体的には、集光層の屈折率は、パターン化された有機層の屈折率より大きい。
【0007】
いくつかの実施形態では、パターン化された有機層の屈折率は、約1.2~約1.5の範囲にある。
【0008】
いくつかの実施形態では、カラーフィルタは青色(B)カラーフィルタまたは緑色(G)カラーフィルタである。
【0009】
いくつかの実施形態では、カラーフィルタは、赤色(R)カラーフィルタ、緑色(G)カラーフィルタ、または青色(B)カラーフィルタを含む。
【0010】
集光層の屈折率は、カラーフィルタの屈折率より大きい。
【0011】
いくつかの実施形態では、集光層の屈折率は、約1.6~約1.9の範囲にある。
【0012】
いくつかの実施形態では、集光層は、集光プロファイル(light-focusing profile)を有する。
【0013】
いくつかの実施形態では、集光層は、曲線、テーパ、または多角形の形状を有する。
【0014】
いくつかの実施形態では、集光層が曲線、テーパ、または多角形の形状を有するとき、集光層の高さは、カラーフィルタの半分以下である。
【0015】
いくつかの実施形態では、集光層が曲線、テーパ、または多角形の形状を有するとき、集光層のカラーフィルタと接する面の幅は最大幅として定義される。
【0016】
いくつかの実施形態では、集光層の最大幅は、カラーフィルタの幅の4分の1より大きいか、またはカラーフィルタの幅と等しい。
【0017】
いくつかの実施形態では、集光層が湾曲しているとき、集光層の幅はカラーフィルタから離れる方向に徐々に減少する。
【0018】
いくつかの実施形態では、集光層はテーパ状をなしており、集光層の幅はカラーフィルタから離れる方向に徐々に減少する。
【0019】
いくつかの実施形態では、集光層は多角形であり、集光層の幅はカラーフィルタから離れる方向に段階的に減少する。
【0020】
いくつかの実施形態では、集光層は、カラーフィルタの上に形成された複数の分離部を含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、集光層の2つの分離部の間の距離は、カラーフィルタの両側から中心に水平方向に徐々に減少する。
【0022】
いくつかの実施形態では、集光層の屈折率は、集光層の両側から中心に水平方向に徐々に増加する。
【0023】
いくつかの実施形態では、光学素子は、金属グリッドを覆う酸化物層を更に含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、本光学素子は、パターン化された有機層とカラーフィルタの上に形成された平坦化層を更に含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、本光学素子は、平坦化層の上に形成された反射防止層を更に含む。
【0026】
本発明では、特定の高屈折率(高n(high-n))集光層(例えば、n=1.6~1.9)がカラーフィルタと基板の間に配置される。集光層の屈折率は、隣接する材料の屈折率より高い。従って、特定の集光層を配置することにより、基板の周辺領域に配置された青色(B)カラーフィルタのQEピークと緑色(G)カラーフィルタは、例えば約3%と1%にそれぞれ向上される。この集光層を有する本光学素子は、カラーフィルタ間のクロストークも低く抑える。また、集光層は、製品の要求に応じて単一または複数の画素に配置されることができる。集光層は、様々な適切な形状、例えば曲線、テーパ、多角形、および同じ集光プロファイルを有する他の形状を含む。集光層の特定の寸法が必要である。例えば、集光層の高さは、カラーフィルタの高さの半分以下である。集光層のカラーフィルタと接する表面の幅は最大幅と定義され、集光層の最大幅は、例えばカラーフィルタの幅のカラーフィルタの幅の4分の1より大きく、且つカラーフィルタの幅より小さいか、等しく制限されて、本来近傍画素に向かう光が現在の画素の集光層によって吸収されるのを防止する。
【0027】
詳細な説明は、添付の図面と併せて以下の実施形態で説明する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
添付の図面とともに以下の本発明の様々な実施形態の詳細な説明を検討することで、本発明はより完全に理解できる。
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態による光学素子の断面図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態による光学素子の断面図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態による光学素子の断面図である。
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態による光学素子の断面図である。
【
図5】
図5は、本発明の一実施形態による光学素子の断面図である。
【
図6】
図6は、従来の光学素子のQEスペクトルを示している。
【
図7】
図7は、本発明の一実施形態による光学素子のQEスペクトルを示している。
【発明を実施するための形態】
【0029】
上述の説明では、本発明を実施するベストモードを開示している。この説明は、本発明の一般原理を例示する目的のものであり、本発明を限定するものではない(本発明の範囲は、添付の請求の範囲を参考にして決定される)。
【0030】
図1に示すように、本発明の一実施形態による光学素子10が提供される。
図1は、光学素子10の断面図を示している。
【0031】
光学素子10は、基板12、複数の金属グリッド14、パターン化された有機層16、カラーフィルタ18、集光層20を含む。金属グリッド14は、基板12の上に形成される。パターン化された有機層16は、金属グリッド14の上に形成される。カラーフィルタ18は、パターン化された有機層16によって囲まれている。集光層20は、カラーフィルタ18と基板12の間に形成され、パターン化された有機層16に囲まれる。具体的には、集光層20の屈折率は、パターン化された有機層16の屈折率より大きい。また、集光層20は、
図1に示されるように、集光プロファイルを有する特定の形状を有する。
【0032】
いくつかの実施形態では、パターン化された有機層16の屈折率は、約1.2~約1.5の範囲である。
【0033】
いくつかの実施形態では、カラーフィルタ18は青色(B)カラーフィルタまたは緑色(G)カラーフィルタである。
【0034】
いくつかの実施形態では、カラーフィルタ18は、赤色(R)カラーフィルタ、緑色(G)カラーフィルタ、または青色(B)カラーフィルタを含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、集光層20は、1種類のカラーフィルタ、例えば青色(B)カラーフィルタまたは緑色(G)カラーフィルタの下に配置される。
【0036】
いくつかの実施形態では、集光層20は、2種類のカラーフィルタ、例えば青色(B)カラーフィルタおよび緑色(G)カラーフィルタの下に配置される。
【0037】
いくつかの実施形態では、集光層20は、全ての種類のカラーフィルタ、例えば赤色(R)カラーフィルタ、緑色(G)カラーフィルタ、および青色(B)カラーフィルタの下に配置される。
【0038】
いくつかの実施形態では、集光層20の屈折率は、カラーフィルタ18の屈折率より大きい。
【0039】
いくつかの実施形態では、集光層20の屈折率は、約1.6~約1.9の範囲にある。
【0040】
集光層20のプロファイルおよび特定の寸法は、以下で詳細に説明する。
【0041】
【0042】
図1では、集光層20の高さ「H
LC」は、カラーフィルタ18の高さ「H
CF」の半分以下である。
【0043】
図1では、集光層22のカラーフィルタ18と接する面20’の幅「W
LCS」が最大幅「W
EST」として定義されている。
【0044】
いくつかの実施形態では、集光層20の最大幅「WEST」は、カラーフィルタ18の幅「WCF」の4分の1より大きく、且つカラーフィルタ18の幅「WCF」より小さいか、等しい。
【0045】
図1では、集光層20の最大幅「W
EST」は、カラーフィルタ18の幅「W
CF」の4分の1 より大きく、且つカラーフィルタ18の幅「W
CF」と等しい。
【0046】
図1では、集光層20の幅「W
LC」はカラーフィルタ18から離れる方向28に徐々に減少する。
【0047】
いくつかの実施形態では、集光層20は、集光プロファイルを有する別の適切な形状を含む。
【0048】
図1では、光学素子10は、金属グリッド14を覆う酸化物層22を更に含む。酸化物層22は、金属グリッド14の保護層として用いられることができる。
【0049】
図1では、光学素子10は、パターン化された有機層16の上に形成された透明平坦化層24およびカラーフィルタ18を更に含む。
【0050】
図1では、光学素子10は、透明平坦化層24の上に形成された反射防止層26を更に含む。
【0051】
図2に示すように、本発明の一実施形態による光学素子10が提供される。
図2は、光学素子10の断面図を示している。
【0052】
光学素子10は、基板12、複数の金属グリッド14、パターン化された有機層16、カラーフィルタ18、集光層20を含む。金属グリッド14は、基板12の上に形成される。パターン化された有機層16は、金属グリッド14の上に形成される。カラーフィルタ18は、パターン化された有機層16によって囲まれている。集光層20は、カラーフィルタ18と基板12の間に形成され、パターン化された有機層16に囲まれる。具体的には、集光層20の屈折率は、パターン化された有機層16の屈折率より大きい。また、集光層20は、
図2に示されるように、集光プロファイルを有する特定の形状を有する。
【0053】
いくつかの実施形態では、パターン化された有機層16の屈折率は、約1.2~約1.5の範囲である。
【0054】
いくつかの実施形態では、カラーフィルタ18は青色(B)カラーフィルタまたは緑色(G)カラーフィルタである。
【0055】
いくつかの実施形態では、カラーフィルタ18は、赤色(R)カラーフィルタ、緑色(G)カラーフィルタ、または青色(B)カラーフィルタを含む。
【0056】
いくつかの実施形態では、集光層20は、1種類のカラーフィルタ、例えば青色(B)カラーフィルタまたは緑色(G)カラーフィルタの下に配置される。
【0057】
いくつかの実施形態では、集光層20は、2種類のカラーフィルタ、例えば青色(B)カラーフィルタおよび緑色(G)カラーフィルタの下に配置される。
【0058】
いくつかの実施形態では、集光層20は、全ての種類のカラーフィルタ、例えば赤色(R)カラーフィルタ、緑色(G)カラーフィルタ、および青色(B)カラーフィルタの下に配置される。
【0059】
いくつかの実施形態では、集光層20の屈折率は、カラーフィルタ18の屈折率より大きい。
【0060】
いくつかの実施形態では、集光層20の屈折率は、約1.6~約1.9の範囲にある。
【0061】
集光層20のプロファイルおよび特定の寸法は、以下で詳細に説明する。
【0062】
【0063】
図2では、集光層20の高さ「H
LC」は、カラーフィルタ18の高さ「H
CF」の半分以下である。
【0064】
図2では、集光層22のカラーフィルタ18と接する面20’の幅「W
LCS」が最大幅「W
EST」として定義されている。
【0065】
いくつかの実施形態では、集光層20の最大幅「WEST」は、カラーフィルタ18の幅「WCF」の4分の1より大きく、且つカラーフィルタ18の幅「WCF」より小さいか、等しい。
【0066】
図2では、集光層20の最大幅「W
EST」は、カラーフィルタ18の幅「W
CF」の4分の1 より大きく、且つカラーフィルタ18の幅「W
CF」と等しい。
【0067】
図2では、集光層20の幅「W
LC」はカラーフィルタ18から離れる方向28に徐々に減少する。
【0068】
いくつかの実施形態では、集光層20は、集光プロファイルを有する別の適切な形状を含む。
【0069】
図2では、光学素子10は、金属グリッド14を覆う酸化物層22を更に含む。酸化物層22は、金属グリッド14の保護層として用いられることができる。
【0070】
図2では、光学素子10は、パターン化された有機層16の上に形成された透明平坦化層24およびカラーフィルタ18を更に含む。
【0071】
図2では、光学素子10は、透明平坦化層24の上に形成された反射防止層26を更に含む。
【0072】
図3に示すように、本発明の一実施形態による光学素子10が提供される。
図2は、光学素子10の断面図を示している。
【0073】
光学素子10は、基板12、複数の金属グリッド14、パターン化された有機層16、カラーフィルタ18、集光層20を含む。金属グリッド14は、基板12の上に形成される。パターン化された有機層16は、金属グリッド14の上に形成される。カラーフィルタ18は、パターン化された有機層16によって囲まれている。集光層20は、カラーフィルタ18と基板12の間に形成され、パターン化された有機層16に囲まれる。具体的には、集光層20の屈折率は、パターン化された有機層16の屈折率より大きい。また、集光層20は、
図3に示されるように、集光プロファイルを有する特定の形状を有する。
【0074】
いくつかの実施形態では、パターン化された有機層16の屈折率は、約1.2~約1.5の範囲である。
【0075】
いくつかの実施形態では、カラーフィルタ18は青色(B)カラーフィルタまたは緑色(G)カラーフィルタである。
【0076】
いくつかの実施形態では、カラーフィルタ18は、赤色(R)カラーフィルタ、緑色(G)カラーフィルタ、または青色(B)カラーフィルタを含む。
【0077】
いくつかの実施形態では、集光層20は、1種類のカラーフィルタ、例えば青色(B)カラーフィルタまたは緑色(G)カラーフィルタの下に配置される。
【0078】
いくつかの実施形態では、集光層20は、2種類のカラーフィルタ、例えば青色(B)カラーフィルタおよび緑色(G)カラーフィルタの下に配置される。
【0079】
いくつかの実施形態では、集光層20は、全ての種類のカラーフィルタ、例えば赤色(R)カラーフィルタ、緑色(G)カラーフィルタ、および青色(B)カラーフィルタの下に配置される。
【0080】
いくつかの実施形態では、集光層20の屈折率は、カラーフィルタ18の屈折率より大きい。
【0081】
いくつかの実施形態では、集光層20の屈折率は、約1.6~約1.9の範囲にある。
【0082】
集光層20のプロファイルおよび特定の寸法は、以下で詳細に説明する。
【0083】
【0084】
図3では、集光層20の高さ「H
LC」は、カラーフィルタ18の高さ「H
CF」の半分以下である。
【0085】
図2では、集光層22のカラーフィルタ18と接する面20’の幅「W
LCS」が最大幅「W
EST」として定義されている。
【0086】
いくつかの実施形態では、集光層20の最大幅「WEST」は、カラーフィルタ18の幅「WCF」の4分の1より大きく、且つカラーフィルタ18の幅「WCF」より小さいか、等しい。
【0087】
図3では、集光層20の最大幅「W
EST」は、カラーフィルタ18の幅「W
CF」の4分の1 より大きく、且つカラーフィルタ18の幅「W
CF」より小さい。
【0088】
図3では、集光層20の幅「W
LC」はカラーフィルタ18から離れる方向28に段階的に減少する。
【0089】
いくつかの実施形態では、集光層20は、集光プロファイルを有する別の適切な形状を含む。
【0090】
図3では、光学素子10は、金属グリッド14を覆う酸化物層22を更に含む。酸化物層22は、金属グリッド14の保護層として用いられることができる。
【0091】
図3では、光学素子10は、パターン化された有機層16の上に形成された透明平坦化層24およびカラーフィルタ18を更に含む。
【0092】
図3では、光学素子10は、透明平坦化層24の上に形成された反射防止層26を更に含む。
【0093】
図4に示すように、本発明の一実施形態による光学素子10が提供される。
図4は、光学素子10の断面図を示している。
【0094】
光学素子10は、基板12、複数の金属グリッド14、パターン化された有機層16、カラーフィルタ18、集光層20を含む。金属グリッド14は、基板12の上に形成される。パターン化された有機層16は、金属グリッド14の上に形成される。カラーフィルタ18は、パターン化された有機層16によって囲まれている。集光層20は、カラーフィルタ18と基板12の間に形成され、パターン化された有機層16に囲まれる。具体的には、集光層20の屈折率は、パターン化された有機層16の屈折率より大きい。また、集光層20は、
図4に示されるように、集光プロファイルを有する特定の形状を有する。
【0095】
いくつかの実施形態では、パターン化された有機層16の屈折率は、約1.2~約1.5の範囲である。
【0096】
いくつかの実施形態では、カラーフィルタ18は青色(B)カラーフィルタまたは緑色(G)カラーフィルタである。
【0097】
いくつかの実施形態では、カラーフィルタ18は、赤色(R)カラーフィルタ、緑色(G)カラーフィルタ、または青色(B)カラーフィルタを含む。
【0098】
いくつかの実施形態では、集光層20は、1種類のカラーフィルタ、例えば青色(B)カラーフィルタまたは緑色(G)カラーフィルタの下に配置される。
【0099】
いくつかの実施形態では、集光層20は、2種類のカラーフィルタ、例えば青色(B)カラーフィルタおよび緑色(G)カラーフィルタの下に配置される。
【0100】
いくつかの実施形態では、集光層20は、全ての種類のカラーフィルタ、例えば赤色(R)カラーフィルタ、緑色(G)カラーフィルタ、および青色(B)カラーフィルタの下に配置される。
【0101】
いくつかの実施形態では、集光層20の屈折率は、カラーフィルタ18の屈折率より大きい。
【0102】
いくつかの実施形態では、集光層20の屈折率は、約1.6~約1.9の範囲にある。
【0103】
集光層20のプロファイルおよび特定の寸法は、以下で詳細に説明する。
【0104】
図4では、集光層20はカラーフィルタ18の上に形成された複数の分離部21を含む。
【0105】
図4では、集光層20の2つの隣接した分離部21の間に形成された距離(例えば、Ds1、Ds2、およびDs3)は、対応するカラーフィルタ18の両側18’から中心18”に水平方向30に沿って徐々に減少する。例えば、距離Ds3は距離Ds2より大きく、距離Ds2は距離Ds1より大きい。
【0106】
いくつかの実施形態では、集光層20は、集光プロファイルを有する別の適切な形状を含む。
【0107】
図4では、光学素子10は、金属グリッド14を覆う酸化物層22を更に含む。酸化物層22は、金属グリッド14の保護層として用いられることができる。
【0108】
図4では、光学素子10は、パターン化された有機層16の上に形成された透明平坦化層24およびカラーフィルタ18を更に含む。
【0109】
図4では、光学素子10は、透明平坦化層24の上に形成された反射防止層26を更に含む。
【0110】
図5に示すように、本発明の一実施形態による光学素子10が提供される。
図5は、光学素子10の断面図を示している。
【0111】
光学素子10は、基板12、複数の金属グリッド14、パターン化された有機層16、カラーフィルタ18、集光層20を含む。金属グリッド14は、基板12の上に形成される。パターン化された有機層16は、金属グリッド14の上に形成される。カラーフィルタ18は、パターン化された有機層16によって囲まれている。集光層20は、カラーフィルタ18と基板12の間に形成され、パターン化された有機層16に囲まれる。具体的には、集光層20の屈折率は、パターン化された有機層16の屈折率より大きい。また、集光層20は、
図5に示されるように、集光プロファイルを有する。
【0112】
いくつかの実施形態では、パターン化された有機層16の屈折率は、約1.2~約1.5の範囲である。
【0113】
いくつかの実施形態では、カラーフィルタ18は青色(B)カラーフィルタまたは緑色(G)カラーフィルタである。
【0114】
いくつかの実施形態では、カラーフィルタ18は、赤色(R)カラーフィルタ、緑色(G)カラーフィルタ、または青色(B)カラーフィルタを含む。
【0115】
いくつかの実施形態では、集光層20は、1種類のカラーフィルタ、例えば青色(B)カラーフィルタまたは緑色(G)カラーフィルタの下に配置される。
【0116】
いくつかの実施形態では、集光層20は、2種類のカラーフィルタ、例えば青色(B)カラーフィルタおよび緑色(G)カラーフィルタの下に配置される。
【0117】
いくつかの実施形態では、集光層20は、全ての種類のカラーフィルタ、例えば赤色(R)カラーフィルタ、緑色(G)カラーフィルタ、および青色(B)カラーフィルタの下に配置される。
【0118】
いくつかの実施形態では、集光層20の屈折率は、カラーフィルタ18の屈折率より大きい。
【0119】
いくつかの実施形態では、集光層20の屈折率は、約1.6~約1.9の範囲にある。
【0120】
集光層20のプロファイルは、以下で詳細に説明する。
【0121】
図5では、集光層20は、様々な屈折率を有する複数の領域(20a、20b、20c)を含む。領域20a、領域20b、および領域20cは、
図5に示されるように、集光層20の中心20”から両側20’に対称的に分布している。
【0122】
図5では、集光層20の屈折率は、集光層20の両側20’から中心20”に水平方向30に沿って徐々に増加する。即ち、集光層20では、領域20aの屈折率は領域20bの屈折率よりも大きく、領域20bの屈折率は領域20cの屈折率よりも大きい。
【0123】
いくつかの実施形態では、集光層20は、集光プロファイルを有する別の適切な形状を含む。
【0124】
図5では、光学素子10は、金属グリッド14を覆う酸化物層22を更に含む。酸化物層22は、金属グリッド14の保護層として用いられることができる。
【0125】
図5では、光学素子10は、パターン化された有機層16の上に形成された透明平坦化層24およびカラーフィルタ18を更に含む。
【0126】
図5では、光学素子10は、透明平坦化層24の上に形成された反射防止層26を更に含む。
【0127】
実施例1
【0128】
光学素子のQEスペクトルの向上
【0129】
この実施例では、QEスペクトル、特に基板の周辺領域に配置された青色(B)カラーフィルタおよび緑色(G)カラーフィルタの向上は、特定の集光層を光学素子に配置することによって認められる。まず、
図6に示すように、曲線「A」は、基板の中心領域に配置されたカラーフィルタ(R/G/B)のQEスペクトルを示しており、基板の周辺領域に配置されたカラーフィルタ(R/G/B)のQEスペクトルを示している。明らかに、基板の周辺領域に配置された青色(B)カラーフィルタおよび緑色(G)カラーフィルタのQEピークは降下している。
【0130】
次いで、
図7に示すように、曲線「C」は、
図1に示された特定の集光層を含む現在の光学素子の基板の周辺領域に配置されたカラーフィルタ(R/G/B)のQEスペクトルを示している。曲線「D」は、集光層の配置のない光学素子の基板の周辺領域に配置されたカラーフィルタ(R/G/B)のQEスペクトルを示している。
図1に示された特定の集光層を含む現在の光学素子によって構築されたQEスペクトル(曲線「C」)は、青色(B)カラーフィルタのQEピークが曲線「D」に対して約3%の大幅な向上が図られることを示している。また、緑色(G)カラーフィルタのQEピークが曲線「D」に対して約1%の穏やかな向上が図られることを示している。また、QEスペクトル(曲線「C」)は、カラーフィルタ間の低クロストークが維持されることも示している。
【0131】
本発明では、特定の高屈折率(高n(high-n))集光層(例えば、n=1.6~1.9)がカラーフィルタと基板の間に配置される。集光層の屈折率は、隣接する材料の屈折率より高い。従って、特定の集光層を配置することにより、基板の周辺領域に配置された青色(B)カラーフィルタおよび緑色(G)カラーフィルタのQEピークは、例えば約3%および1%にそれぞれ向上される。この集光層を有する本光学素子は、カラーフィルタ間のクロストークを低く抑える。また、集光層は、製品の要求に応じて単一または複数の画素に配置されることができる。集光層は、様々な適切な形状、例えば曲線、テーパ、多角形、および同じ集光プロファイルを有する別の適切な形状を含む。集光層の特定の寸法が必要である。例えば、集光層の高さは、カラーフィルタの高さの半分以下である。集光層のカラーフィルタと接する表面の幅は最大幅と定義され、集光層の最大幅は、例えばカラーフィルタの幅のカラーフィルタの幅の4分の1より大きく、且つカラーフィルタの幅より小さいか、等しく制限されて、本来近傍画素に向かう光が現在の画素の集光層によって吸収されるのを防止する。
【0132】
本発明は、例として及び望ましい実施の形態によって記述されているが、本発明は開示された実施形態に限定されるものではない。逆に、当業者には自明の種々の変更及び同様の配置をカバーするものである。よって、添付の特許請求の範囲は、最も広義な解釈が与えられ、全てのこのような変更及び同様の配置を含むべきである。
【符号の説明】
【0133】
10 光学素子
12 基板
14 複数の金属グリッド
16 パターン化された有機層
18 カラーフィルタ
18’ カラーフィルタの両側
18” カラーフィルタの中心
20 集光層
20’カラーフィルタと接する面
21 分離部
22 集光層
24 透明平坦化層
26 反射防止層
28 カラーフィルタから離れる方向
WLC 集光層のカラーフィルタと接する面の幅
WLCS 集光層のカラーフィルタと接する面の幅
WEST 集光層の最大幅
WCF カラーフィルタの幅
HLC 集光層の高さ
HCF カラーフィルタの高さ
Ds1、Ds2、Ds3 集光層の2つの隣接した分離部の間に形成された距離
30 両側から中心の水平方向
20a、20b、20c 屈折率を有する領域