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特許7040854裏面反射板付き両面受光型太陽電池モジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-14
(45)【発行日】2022-03-23
(54)【発明の名称】裏面反射板付き両面受光型太陽電池モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/049 20140101AFI20220315BHJP
   H01L 31/054 20140101ALI20220315BHJP
   H01L 31/05 20140101ALI20220315BHJP
【FI】
H01L31/04 562
H01L31/04 620
H01L31/04 570
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020159043
(22)【出願日】2020-09-23
(62)【分割の表示】P 2018073482の分割
【原出願日】2013-10-21
(65)【公開番号】P2021002675
(43)【公開日】2021-01-07
【審査請求日】2020-09-25
(31)【優先権主張番号】13/660,292
(32)【優先日】2012-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505379467
【氏名又は名称】サンパワー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】キム、サン ダグ
(72)【発明者】
【氏名】ブネア、ガブリエラ
【審査官】佐竹 政彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-286789(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0200046(US,A1)
【文献】米国特許第04313023(US,A)
【文献】特開2000-150942(JP,A)
【文献】特開2006-310373(JP,A)
【文献】特表2010-517315(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/04-31/078
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
両面受光型太陽電池モジュールであって、
複数の太陽電池と、
前記複数の太陽電池を電気接続する複数の相互接続と、
前記複数の太陽電池を封入する封入材と、
前記両面受光型太陽電池モジュールの後部上のバックシートと、を備え、
前記バックシートは、透明なシートと、前記透明なシートと前記複数の太陽電池との間であって前記透明なシート上に配置される反射部分とを有し、
前記配置された反射部分がない前記透明なシートの部分は、前記バックシートの透明部分を形成し、
前記複数の太陽電池はアレイ状に配置され、連続的な前記反射部分は、前記複数の太陽電池間の相互接続がない前記アレイの1つの次元の間の空間のみをカバーし、
前記相互接続の太陽側に向かって配置される反射性相互接続シールドを有する、両面受光型太陽電池モジュール。
【請求項2】
前記反射部分は前記バックシート上に印刷される、請求項に記載の両面受光型太陽電池モジュール。
【請求項3】
さらに前記両面受光型太陽電池モジュールの前部上に設けられる透明なトップカバーを有する、請求項1または2に記載の両面受光型太陽電池モジュール。
【請求項4】
前記透明なトップカバー、前記封入材、及び前記バックシートに機械的な支持を提供するフレームを更に備える、請求項に記載の両面受光型太陽電池モジュール。
【請求項5】
前記複数の太陽電池が、複数の裏面コンタクト型太陽電池を含む、請求項1からのいずれか1項に記載の両面受光型太陽電池モジュール。
【請求項6】
前記反射部分は顔料を含む、請求項1からのいずれか1項に記載の両面受光型太陽電池モジュール。
【請求項7】
前記顔料は白色顔料を含む、請求項に記載の両面受光型太陽電池モジュール。
【請求項8】
前記顔料は酸化チタン、硫酸バリウムまたはそれらの混合物を含む、請求項6または7に記載の両面受光型太陽電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載する対象の実施形態は、概して太陽電池に関する。より具体的には、対象の実施形態は、太陽電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池は、太陽放射光を電気エネルギーに変換するための周知の装置である。太陽電池は、太陽放射光を集光するために通常の動作中に太陽に面する前面と、前面の反対側の裏面とを有する。太陽電池に太陽放射光が当たると電子及び正孔が生成され、これらの電子及び正孔が拡散領域に移動することにより、拡散領域間に電位差が生じる。例えば負荷などの外部電気回路が太陽電池に接続され、それにより給電され得るように、対応する拡散領域に金属コンタクトが形成される。
【0003】
太陽電池を直列接続し、一緒にパッケージ化して、太陽電池モジュールを形成することができる。パッケージ化は、太陽電池を環境から保護するものであり、前面上のトップカバーと、太陽電池を封入する封入材と、裏面上に絶縁材を提供するバックシートとを備え得る。本発明の実施形態は、太陽放射光の収集を増加させることを可能にするバックシート及び他の裏面パッケージ化構成要素に関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態では、両面受光型太陽電池モジュールは、前面パッケージ化構成要素と裏面パッケージ化構成要素とによって保護された太陽電池を含む。前面パッケージ化構成要素は、太陽電池モジュールの前部上の透明トップカバーを含む。裏面パッケージ化構成要素は、太陽電池モジュールの後部から光が入射して太陽電池に到達するのを可能にする透明部分と、太陽電池モジュールの前部から入射する光を反射する反射部分とを有する。例えばバックシート上に着色顔料を印刷することによって、透明部分及び反射部分をバックシートと一体化してもよい。反射部分はまた、バックシートから分離している反射板構成要素上に存在してもよい。その場合は、反射板構成要素はパッケージ化の前又は後に、クリアなバックシートの上方に配置されてもよい。
【0005】
本発明のこれら及びその他の特徴は、添付の図面及び特許請求の範囲を含む本開示の全体を読むことにより、当業者には容易に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
より完全な本主題の理解は、明細書及び特許請求の範囲を、以下の図面と併せて考察し、参照することによって導き出すことができ、同様の参照番号は、図面全体を通して同様の要素を指す。図の縮尺通りではない。
図1】本発明の一実施形態による両面受光型太陽電池モジュールを示す。
図2】本発明の一実施形態による両面受光型太陽電池モジュールの作製方法を概略的に図示する断面図である。
図3】本発明の一実施形態による両面受光型太陽電池モジュールの作製方法を概略的に図示する断面図である。
図4】本発明の一実施形態による両面受光型太陽電池モジュールの作製方法を概略的に図示する断面図である。
図5】本発明の一実施形態による両面受光型太陽電池モジュールにおける太陽電池の配列を概略的に示す。
図6】本発明の一実施形態による両面受光型太陽電池モジュールの断面を概略的に示す。
図7】本発明の一実施形態による両面受光型太陽電池モジュールの別の断面を概略的に示す。
図8】本発明の一実施形態によるバックシートを示す。
図9】本発明の一実施形態による両面受光型太陽電池モジュールの後部の太陽電池に重ねて載置されたバックシートを概略的に示す。
図10】本発明の別の実施形態によるバックシートを概略的に示す。
図11】本発明の一実施形態による両面受光型太陽電池モジュールの後部の太陽電池に重ねて載置されたバックシートを概略的に示す。
図12】本発明の一実施形態による両面受光型太陽電池モジュールの後部のバックシートから分離している反射板構成要素を概略的に示す。
図13】本発明の別の実施形態による両面受光型太陽電池モジュールの後部のバックシートから分離している反射板構成要素を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本開示において、本発明の実施形態の全体の理解を提供するために、構成要素、材料及び方法の例のような、多数の具体的な詳細が提供される。しかしながら、当業者であれば、本発明はこれらの具体的な詳細のうちの1又は複数を欠いても実施できることは理解されよう。他の例では、本発明の態様を不明瞭にすることを避けるため、周知の詳細については図示又は説明をしていない。
【0008】
図1は、本発明の一実施形態による両面受光型太陽電池モジュール100を示す。両面受光型太陽電池モジュール100は、屋根上などの静止用途に使用され、又は太陽光発電所によって使用されるように設計されている点で、所謂「地表太陽電池モジュール」である。図1の例では、両面受光型太陽電池モジュール100は、相互に接続された太陽電池101のアレイを含む。図を分かりやすくするために、図1においては一部の太陽電池101のみに記号を付している。図1の例では、太陽電池101は複数の裏面コンタクト型太陽電池を備えている。裏面コンタクト型太陽電池においては、全ての拡散領域及びこれらの拡散領域に結合した金属コンタクトが太陽電池の裏面に形成される。すなわち、P型及びN型の拡散領域と、それらに結合された金属コンタクトとの両方が、太陽電池の裏面に存在する。本発明の実施形態は、さもなければ無駄になるであろう裏面からの太陽放射光の収集を可能にするので、複数の裏面コンタクト型太陽電池とともに使用されたときに特に有利である。他の実施形態では、太陽電池101が前面コンタクト型太陽電池又は他のタイプの太陽電池であってもよい。
【0009】
図1に、太陽電池101の前面を見ることができる。太陽電池101の前面は通常の動作中に太陽に面するので、「太陽側」とも呼ばれる。太陽電池101の裏面は、前面の反対側である。フレーム102は、太陽電池101の機械的支持を提供する。両面受光型太陽電池モジュール100の前部103は、太陽電池101の前面と同一の面上にあり、図1に見ることができる。両面受光型太陽電池モジュール100の後部104は、前部103の下方に存在する。両面受光型太陽電池モジュール100の後部104は、太陽電池101の裏面と同一の面上にある。両面受光型太陽電池モジュール100は、前部103及び後部104から入射する太陽放射光の収集が可能である点において、「両面受光型」である。
【0010】
図2~4は、本発明の一実施形態による両面受光型太陽電池モジュール100の作製方法を概略的に図示する断面図である。
【0011】
図2は、本発明の一実施形態による両面受光型太陽電池モジュール100の構成要素を示す分解図である。両面受光型太陽電池モジュール100は、透明トップカバー251と、封入材シート252と、太陽電池101と、相互接続254と、バックシート253とを備え得る。バックシート253は、太陽電池モジュール100の他の構成要素に環境からの保護を提供する任意の単層又は多層の材料であり得る。例えば、フルオロポリマー、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイドが、単層として又はバックシートの多層の一部として使用され得る。前部103の封入材252は「252-1」として標記されており、後部104の封入材252は「252-2」と標記されている。透明トップカバー251及び前面の封入材252-1は前面パッケージ化構成要素としての役割を果たし、封入材252-2及びバックシート253は裏面パッケージ化構成要素としての役割を果たす。図2の例では、透明トップカバー251は最も外側の前面パッケージ化構成要素であり、バックシート253は最も外側の裏面パッケージ化構成要素である。
【0012】
透明トップカバー251及び封入材252は、光学的に透明な材料を含む。前部103上の最頂部層である透明トップカバー251は、太陽電池101を環境から保護する。両面受光型太陽電池モジュール100は、通常の動作中、透明トップカバー251が太陽に面するように野外に設置される。太陽電池101の前面は、透明トップカバー101を経由して太陽の方に向いている。図2の例では、透明トップカバー201は、ガラス(例えば、厚さ3.2mmのソーダライムガラス)を備える。
【0013】
封入材252は、太陽電池101を封入して保護するように構成される。一実施形態では、封入材252は、太陽電池101の前面から両面受光型太陽電池モジュール100の他の部分への電荷の漏洩を防止することにより太陽電池の分極を防止するように構成されている高抵抗率材料を備える。一実施形態において、封入材252は電荷に対する高抵抗率経路となり、透明トップカバー251を経由した、太陽電池101の前面からフレーム102又は両面受光型太陽電池モジュール100の他の部分への電荷漏洩を防止する。図2の例では、高抵抗率封入材252のシートが太陽電池101の前面及び裏面上に配置されている。いくつかの実施形態では、高抵抗率封入材252のシートは、太陽電池101の前面上のみに存在する。それらの実施形態では、太陽電池101の裏面上の封入材のシートは、例えば、ポリ-エチル-酢酸ビニル(「EVA」)など、高抵抗率封入材ではない。
【0014】
相互接続254は、太陽電池101を電気的に相互接続するように金属を含んでもよい。図2の例では、太陽電池101は直列に接続された裏面接触型太陽電池を備えており、相互接続254は、太陽電池101の裏面の対応するP型及びN型の拡散領域に電気的に接続される。一実施形態では、相互接続シールド(例えば、図7のシールド256を参照)が太陽側の相互接続254に配置されて、前部103から見たときに相互接続254を視覚的にブロックし、かつ/又は、散乱するように反射面を提供する(すなわち、前部103から入射する光を複数の角度で反射する)。太陽電池用の相互接続シールドは、参照により本明細書にその全容が組み込まれる同一出願人による米国特許第7,390,961号にもまた開示されている。
【0015】
太陽電池101の裏面は、バックシート253に面している。一実施形態において、バックシート253は、Tedlar/ポリエステル/EVA(「TPE」)を含む。バックシート253は、いくつか例を挙げれば、Tedlar/ポリエステル/Tedlar(「TPT」)、又は、フルオロポリマーを含む多層バックシートも含み得る。バックシート253は、後部104上に存在する。以下で更に明白になるように、バックシート253は、さもなければ後部104の方に逃すことになるであろう光を反射するために反射面が印刷されたバックシートを備え得る。
【0016】
一実施形態において、透明トップカバー251、前面上の封入材252-1、相互接続254により電気的に接続されている太陽電池101、裏面上の封入材252-2、及びバックシート253は、一体に形成されて保護パッケージを作製する。このことは図3に示され、前述の構成要素が図2に示した積み重ね順で一体に形成されている。より具体的には、太陽電池101は封入材252-1と252-2との間に挟まれており、バックシート253は封入材252-2の下に置かれており、透明トップカバー251は封入材252-1の上方に置かれている。直前に述べた構成要素は、次いで例えば真空積層によって押圧及び加熱される。積層プロセスは、封入材252-1のシートと封入材252-2のシートとを一緒に溶融して太陽電池101を封入する。図3では、封入材252-1及び封入材252-2は、単に「252」と付されており、それらが共に溶融されたことを示している。
【0017】
図4は、フレーム102に取り付けられた図3の保護パッケージを示す。太陽電池101は封入材252中に封入されているため、フレーム102から電気的に絶縁されている。
【0018】
図5は、本発明の一実施形態による両面受光型太陽電池モジュール100における太陽電池101の配列を概略的に示す。図を分かりやすくするために、一部の太陽電池101のみが示されている。図5の例では、太陽電池101は段と列が作る矩形に配列されている。太陽電池101は、列に沿って相互接続254により直列に電気的に接続され得る。太陽電池101の列は、太陽電池101の隣接した列に、列の端部で直列接続することができる(図示せず)。勿論、太陽電池101の段を相互接続してもよい。
【0019】
各太陽電池101は、隣接した太陽電池101から両側約2mmの間隔で配置されてよい。以下で更に明白になるように、バックシート253(又は他の裏面パッケージ化構成要素)上の反射面によって、太陽電池101の間に相互接続254の存在しない空間をカバーすることができる。例えば、点線258によって概ね囲まれている空間は、バックシート253の対応する反射部分を有し得る。反射部分は、隣接した太陽電池101の側面(例えば、側面259を参照)の間の区域、及び隣接した4つの太陽電池101により形成される「菱形」区域(例えば、菱形区域260を参照)をカバーし得る。
【0020】
図6は、本発明の一実施形態による両面受光型太陽電池モジュール100の断面を概略的に示す。図6は、太陽電池101の段に沿った断面であり、側面は相互接続254によって接続されていない(例えば、図5のA-A区間を参照)。図6の例では、太陽電池101は列に沿って(図のページに入っていく方向において)相互接続254により接続されている。
【0021】
一実施形態では、バックシート253は反射部分253-1及び複数の透明部分253-2を有する。反射部分253-1は光を散乱するための反射面を提供し、複数の透明部分253-2は光が容易に透過できるようにクリアである。動作中、前部103から入射する光は透明トップカバー251及び封入材252を通過し、太陽電池101の前面に到達することができる(矢印301を参照)。前面部分103から入射して太陽電池101の間を通過した光は反射部分253-1により反射されて(矢印302を参照)前部103に向かう。さもなければ無駄になるであろう反射光の一部は、その後に太陽電池101の前面に入る(矢印302を参照)。後部104から入射する光は複数の透明部分253-2を通じて入り(矢印303を参照)、その後に太陽電池101の裏面又は前面に入ることができる。バックシート253の反射性の/透明な設計、又はこの反射性の/透明な設計を採用した他の裏面パッケージ化構成要素は、このようにして、太陽放射光の収集を増加することを可能にする。
【0022】
一実施形態では、反射部分253-1は、400ナノメートル~1200ナノメートルまでの全波長において少なくとも30%、好ましくは50%、より好ましくは70%の平均反射率を有する。例えば、反射部分253-1は白色顔料(例えば、二酸化チタン、硫酸バリウム、及びそれらの混合物)を含み得る。反射部分253-1は、例えば紫外線(UV)安定剤及び/又は熱安定剤など他の材料もまた含み得る。反射部分253-1に適した他の色としては、黒色、赤色、緑色、又は化粧目的の他の色が挙げられる。一般的には、反射部分253-1の材料及び色は、特定の太陽電池モジュールのための最適な光の散乱のために選択することができる。例えば、銀は優れた反射板であり得るが、銀で作られた反射部分253-1は、反射した光のほとんどが太陽電池モジュールから単に直線に反射することができるだけなので、効率的に十分な光を散乱することができない場合がある。その場合、銀又は他の高反射性の材料を用いるときは、反射部分253-1にテクスチャを与えて光散乱を最適化することができる。
【0023】
反射材は、クリアすなわち完全に透明なバックシート253上に直接に印刷することができる。印刷された部分は反射部分253-1を形成し、反射材が印刷されていない部分は複数の透明部分253-2を形成する。
【0024】
図7は、本発明の実施形態による両面受光型太陽電池モジュール100の別の断面を概略的に示す。図7は、相互接続254が存在する太陽電池101の列に沿った断面である(例えば、図5の断面B-Bを参照)。図7の例では、反射性相互接続シールド256は、さもなければ対応する相互接続254の前面に当たるであろう光を反射するように太陽側に向かって配置される。反射性相互接続シールド256はバックシート253の反射部分253-1と同じ特性及び特徴を有し得る。動作中、前部103から入射する光は透明トップカバー251及び封入材252を通過し、太陽電池101の前面に到達する(矢印311を参照)。前面103から入射したものの太陽電池101の間を通過した光は相互接続シールド304により反射されて(矢印312を参照)前部103に向かう。さもなければ無駄になっていたであろう反射光の一部はその後に太陽電池101の前面に入る(矢印312を参照)。後部104から入射する光は複数の透明部分253-2を通じて入り(矢印313を参照)、その後、太陽電池101の裏面又は前面に入ることができる。
【0025】
図8は、本発明の一実施形態によるバックシート253を示す。図8の例では、反射部分253-1は太陽電池101の間の相互接続254が存在しない(例えば太陽電池101の列の間など)一次元のみに沿って太陽電池101の間の空間をカバーするように構成される。例えば、反射部分253-1は、(例えば製造中の位置合わせ許容誤差のために)太陽電池101の両面の間の空間の80%~300%及び4つの隣接した太陽電池101により形成される菱形の区域をカバーするように構成され得る。複数の透明部分253-2は、バックシート253を光が自由に通過して太陽電池101に達するのを可能にする。複数の透明部分253-2は、400ナノメートル~1200ナノメートルまでの全波長において少なくとも50%、好ましくは70%、より好ましくは90%の平均光透過率を有し得る。
【0026】
図9は、本発明の一実施形態による両面受光型太陽電池モジュール100の後部104上の太陽電池101の上に重ね合わされたバックシート253を概略的に示す。図9の例は、後部104から見たときの両面受光型太陽電池モジュール100を示す。バックシート253は、太陽電池101の上方に配設され(図9ではごく一部のみ画標記されている)、例えば真空積層によって一緒に形成される。太陽電池101を接続する相互接続254のいくつかは、参照目的のために図9に標記されている。太陽電池101の裏面は複数の透明部分253-2を通じて示されており、太陽電池101の隣接した列の間の空間は反射部分253-1によってカバーされている。
【0027】
他の実施形態では、反射部分253-1は、例えば太陽電池101の列と段の間など、2つの次元間の空間もまたカバーし得る。この実施形態の一例が図10のバックシート253Aに示されており、ここで、反射部分253-1は太陽電池101の間の縦次元及び横次元の空間をカバーしている。反射部分253-1は、この実施形態では各太陽電池101の周囲を囲んでいる。前例と同じく、複数の透明部分253-2は太陽電池101の裏面を露出して、後部104からの光を通過させる。反射部分253-1はまた、2つの次元に沿って、フレームと、隣接した太陽電池101との間の空間もカバーしている。
【0028】
図11は、本発明の一実施形態による両面受光型太陽電池モジュール100の後部104上の太陽電池101の上に重ね合わされた図10のバックシート253Aを概略的に示す。図11の例は、後部104から見たときの両面受光型太陽電池モジュール100を示す。バックシート253Aは、太陽電池101の上方に配設され(図11ではごく一部のみが標記されている)、例えば真空積層によって一緒に形成される。太陽電池101の裏面は複数の透明部分253-2を通じて示されており、一方、隣接した太陽電池101と、隣接した太陽電池101の間の空間、及び隣接した太陽電池101とフレームの間の空間は反射部分253-1によってカバーされている。
【0029】
反射部分253-1をバックシート253と一体化することは、(反射部分と複数の透明部分が既に存在するバックシート253を提供するため)両面受光型太陽電池モジュール100の製造を簡易にする。しかしながら、反射部分253-1をバックシート253と一体化しなくてもよい。例えば、反射部分のないクリアなバックシートを使用してもよい。その場合、保護パッケージを作った後に、別個に白色(又は他の色の)テープ又は他の反射板構成要素をクリアなバックシート上に取り付けてよい。この実施形態の一例が図12に概略的に示されており、透明カバー251と、封入材252により封入されている太陽電池101と、バックシート371とが、例えば真空積層によって、一緒にパッケージ化されている。バックシート371は、両面受光型太陽電池モジュール100の後部から来る光を受け入れるように太陽電池101の裏面を露出する完全にクリアなバックシートを備える。反射部分253-1に類似した特徴及びパターンを有する反射板構成要素372を、積層後にバックシート371に取り付けてもよい。例えば、反射板構成要素372は、バックシート371に取り付けられた白色テープを備え得る。
【0030】
反射板構成要素372は、図13に示すようにパッケージ化される前にクリアなバックシート372と封入材252-2との間に配置されてもよい。その後に透明カバー251、封入材252-1、252-2、太陽電池101、反射材372、及びバックシート371を一緒に形成して、例えば真空積層によって、保護パッケージが作られる。
【0031】
両面受光型太陽電池モジュール及びその製造方法について説明した。本発明の具体的な実施形態を提供したが、これらの実施形態は説明を目的としたものであり、限定ではないことは理解されよう。多くの追加的実施形態が、本開示を読む当業者にとっては明らかとなろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13