(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-14
(45)【発行日】2022-03-23
(54)【発明の名称】電圧変換器を含むエアロゾル生成装置及びそれを制御する方法
(51)【国際特許分類】
A24F 40/57 20200101AFI20220315BHJP
【FI】
A24F40/57
(21)【出願番号】P 2020543993
(86)(22)【出願日】2019-11-15
(86)【国際出願番号】 KR2019015632
(87)【国際公開番号】W WO2020141718
(87)【国際公開日】2020-07-09
【審査請求日】2020-08-19
(31)【優先権主張番号】10-2019-0000863
(32)【優先日】2019-01-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】イ、スン ウォン
【審査官】石黒 雄一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0219938(US,A1)
【文献】国際公開第2018/202403(WO,A1)
【文献】特表2015-524260(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0066337(KR,A)
【文献】中国実用新案第207561379(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第106468933(CN,A)
【文献】中国実用新案第208030261(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成装置において、
バッテリと、
予熱モード及び加熱モードで動作し、エアロゾル生成物質を加熱するためのヒータと、
前記予熱モードにおける前記バッテリの電圧ドロップを防止するために、前記バッテリから印加された電圧を一定電圧に変換して既設定の固定電圧を出力する電圧変換器と、
前記電圧変換器から前記ヒータに供給される電力を制御する制御部と、を含み、
前記制御部は、
前記ヒータが予熱モードで動作するか否かを決定し、
前記制御部は、前記予熱モードにおいて、前記ヒータの温度が既設定の予熱目標温度に到逹するために要求される電力量及び前記ヒータに印加される前記既設定の固定電圧に基づいて、前記ヒータの予熱に必要な予熱時間を決定し、
前記制御部は、前記予熱モードで
前記ヒータの温度が、前記既設定の固定電圧に応じて決定された前記予熱時間内に前記既設定の予熱目標温度に到逹するように、前記既設定の固定電圧
を用いて前記ヒータに供給される電力を制御
し、
前記制御部は、前記予熱モード後の前記加熱モードで前記ヒータの温度が前記既設定の予熱目標温度よりも低い温度範囲で保持されるように前記ヒータに供給される電力を制御し、
前記既設定の固定電圧が前記ヒータに印加されることで、前記ヒータの予熱に必要な予熱時間が一定である、エアロゾル生成装置。
【請求項2】
前記電圧変換器は、
前記バッテリから印加された電圧が前記既設定の固定電圧よりも低い場合、前記印加された電圧を昇圧させ、
前記バッテリから印加された電圧が前記既設定の固定電圧よりも高い場合、前記印加された電圧を降圧させる、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項3】
前記電圧変換器は、バックブースタコンバータ(buck boost converter)、演算増幅器(Operating Amplifier、OP Amp)及びLDO(Low Dropout)電圧レギュレータ(regulator)のうち、いずれか1つである、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項4】
前記電圧変換器及び前記ヒータの間に位置し、入力される制御信号によって開閉状態が調節される第1スイッチと、
前記ヒータと接地部との間に位置し、入力される制御信号によって開閉状態が調節される第2スイッチと、をさらに含む、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記ヒータが加熱される期間の間に前記第1スイッチを閉鎖する制御信号を出力し、
前記ヒータが加熱される期間の間に前記ヒータの電力デューティーサイクルによって前記第2スイッチを繰り返して開放及び閉鎖する制御信号を出力する、請求項
4に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項6】
前記第1スイッチと前記第2スイッチは、電界効果トランジスタ(field effect transistor)である、請求項
4に記載のエアロゾル生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電圧変換器を含むエアロゾル生成装置及びそれを制御する方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
最近、一般的なシガレットの短所を克服する代替方法に関する需要が増加している。例えば、シガレットを燃焼させてエアロゾルを生成させる方法ではない、シガレット内のエアロゾル生成物質が加熱されることにより、エアロゾルが生成する方法に関する需要が増加している。これにより、加熱式シガレットまたは、加熱式エアロゾル生成装置に係わる研究が活発に進められている。
【0003】
エアロゾル生成装置のヒータは、エアロゾル生成装置に挿入されるシガレットを加熱する。エアロゾル生成装置は、予め設定された温度プロファイルに基づいてヒータに供給される電力を制御することができる。
【0004】
一方、設定された温度プロファイルに基づいたヒータは、予熱モード及び加熱モードで動作する。ヒータが予熱モードで動作する場合、エアロゾル生成装置は、短時間内にヒータの温度が予熱目標温度に到逹するために、多くの電流を消耗してしまう。これにより、バッテリの出力電圧が瞬間的に急落する恐れがある。バッテリの出力電圧が急落する場合には、ヒータの温度変化をリアルタイムでモニタリングし難いために、加熱されるシガレットごとに予熱時間を一定に調節することが困難である。これにより、加熱されるシガレットごとに味の差が発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、電圧変換器を含むエアロゾル生成装置及びそれを制御する方法を提供することである。本発明が解決しようとする技術的課題は、予熱モードでバッテリの出力電圧が急に落ちることにより、加熱されるシガレットごとに予熱時間が一定しない問題を解決することにある。
【0006】
本実施例が解決しようとする技術的課題は、前述したような技術的課題に限定されず、以下の実施例からさらに他の技術的課題が類推可能である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した技術的課題を達成するための技術的手段として、本開示の第1側面は、バッテリと、エアロゾル生成物質を加熱するためのヒータと、前記バッテリから印加された電圧を一定電圧に変換して既設定の固定電圧を出力する電圧変換器と、前記電圧変換器から前記ヒータに供給される電力を制御する制御部と、を含み、前記制御部は、前記ヒータが予熱モードで動作するか否かを決定し、前記予熱モードで前記既設定の固定電圧が前記ヒータに印加されるように、前記ヒータに供給される電力を制御する、エアロゾル生成装置を提供する。
【0008】
また、前記電圧変換器は、前記バッテリから印加された電圧が前記既設定の固定電圧よりも低い場合、前記印加された電圧を昇圧させ、前記バッテリから印加された電圧が前記既設定の固定電圧よりも高い場合、前記印加された電圧を降圧させる。
【0009】
また、前記ヒータは、予熱モード及び加熱モードで動作し、前記制御部は、前記予熱モードで前記ヒータの温度が既設定の予熱目標温度に到逹するように前記ヒータに供給される電力を制御し、前記加熱モードで前記ヒータの温度が前記既設定の予熱目標温度よりも低い温度範囲で保持されるように、前記ヒータに供給される電力を制御する。
【0010】
また、前記制御部は、前記予熱モードにおいて、前記ヒータの温度が前記既設定の予熱目標温度に到逹するために要求される電力量及び前記ヒータに印加される前記既設定の固定電圧に基づいて前記ヒータの予熱に必要な時間を決定し、前記既設定の固定電圧が前記ヒータに印加されることで、前記ヒータの予熱に必要な時間は、比較的一定している。
【0011】
また、前記電圧変換器は、バックブースタコンバータ(buck boost converter)、演算増幅器(Operating Amplifier、OP Amp)及びLDO(Low Dropout)電圧レギュレータ(regulator)のうち、いずれか1つである。
【0012】
また、前記エアロゾル生成装置は、前記電圧変換器及び前記ヒータの間に位置し、入力される制御信号によって開閉状態が調節される第1スイッチと、前記ヒータと接地部との間に位置し、入力される制御信号によって開閉状態が調節される第2スイッチをさらに含んでもよい。
【0013】
また、前記制御部は、前記ヒータが加熱される期間の間に前記第1スイッチを閉鎖する制御信号を出力し、前記ヒータが加熱される期間の間に前記ヒータの電力デューティーサイクルによって前記第2スイッチを繰り返して開放及び閉鎖する制御信号を出力する。
【0014】
また、前記第1スイッチと前記第2スイッチは、電界効果トランジスタ(field effect transistor)でもある。
【発明の効果】
【0015】
電圧変換器がバッテリから印加された電圧を一定電圧に変換して既設定の固定電圧を出力することにより、ヒータに既設定の固定電圧を印加することができる。これにより、既設定の固定電圧がヒータに一定に供給されて加熱されるシガレットごとに予熱時間を同一に保持することができる。また、予熱モードでバッテリの出力電圧が急落する程度を改善できるので、バッテリの電力効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例を示す図面である。
【
図2】エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例を示す図面である。
【
図3】エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例を示す図面である。
【
図4】一般的なエアロゾル生成装置の温度制御特性を示す概路図である。
【
図5】エアロゾル生成装置の構成の一例を示す図面である。
【
図6】電圧変換器がバッテリとヒータとの間に位置する場合の、予熱時間の一例を説明するための図面である。
【
図7】電圧変換器がバッテリとヒータとの間に位置する場合の、経時的なバッテリ出力電圧の一例を説明するための図面である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
一実施例は、バッテリと、エアロゾル生成物質を加熱するためのヒータと、前記バッテリから印加された電圧を一定電圧に変換して既設定の固定電圧を出力する電圧変換器と、前記電圧変換器から前記ヒータに供給される電力を制御する制御部と、を含み、前記制御部は、前記ヒータが予熱モードで動作するか否かを決定し、前記予熱モードで前記既設定の固定電圧が前記ヒータに印加されるように、前記ヒータに供給される電力を制御する、エアロゾル生成装置を提供する。
【0018】
実施例で使用される用語は、本発明での機能を考慮しながら、可能な限り、現在広く使用される一般的な用語を選択したが、これは、当業者の意図または判例、新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分において、詳細にその意味を記載する。従って、本発明で使用される用語は、単純な用語の名称ではない、その用語が有する意味と、本発明の全般にわたる内容とを基に定義されなければならない。
【0019】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特別に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。また、明細書に記載された「…部」、「…モジュール」というような用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、それは、ハードウェアまたはソフトウェアによって具現されるか、あるいは、ハードウェアとソフトウェアとの結合によっても具現される。
【0020】
以下、添付図面を参考にし、本発明の実施例について本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施可能なように詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な異なる形態にも具現され、ここで説明する実施例に限定されない。
【0021】
以下では、図面を参照し、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0022】
図1ないし
図3は、エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例を示す図面である。
【0023】
図1を参照すれば、エアロゾル生成装置1は、バッテリ11、制御部12及びヒータ13を含む。
図2及び
図3を参照すれば、エアロゾル生成装置1は、蒸気化器14をさらに含む。また、エアロゾル生成装置1の内部空間には、シガレット2が挿入される。
【0024】
図1ないし
図3に示されたエアロゾル生成装置1には、本実施例と係わる構成要素が示されている。したがって、
図1ないし
図3に示された構成要素以外に他の汎用的な構成要素がエアロゾル生成装置1にさらに含まれることを、本実施例と係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解することができるであろう。
【0025】
図1には、バッテリ11、制御部12及びヒータ13が一列に配置されていると示されている。また、
図2には、バッテリ11、制御部12、蒸気化器14及びヒータ13が一列に配置されていると示されている。また、
図3には、蒸気化器14及びヒータ13が並列に配置されていると示されている。しかし、エアロゾル生成装置1の内部構造は、
図1ないし
図3に示されていることに限定されない。すなわち、エアロゾル生成装置1の設計によって、バッテリ11、制御部12、ヒータ13及び蒸気化器14の配置は、変更される。
【0026】
シガレット2がエアロゾル生成装置1に挿入されれば、エアロゾル生成装置1は、ヒータ13及び/または蒸気化器14を作動させ、エアロゾルを発生させることができる。ヒータ13及び/または蒸気化器14によって発生したエアロゾルは、シガレット2を通過してユーザに伝達される。
【0027】
必要に応じて、シガレット2がエアロゾル生成装置1に挿入されない場合にも、エアロゾル生成装置1は、ヒータ13を加熱することができる。
【0028】
バッテリ11は、エアロゾル生成装置1の動作に用いられる電力を供給する。例えば、バッテリ11は、ヒータ13または、蒸気化器14が加熱されるように電力を供給し、制御部12の動作に必要な電力を供給することができる。また、バッテリ11は、エアロゾル生成装置1に設けられたディスプレイ、センサ、モータなどの動作に必要な電力を供給することができる。
【0029】
制御部12は、エアロゾル生成装置1の動作を全般的に制御する。具体的に、制御部12は、バッテリ11、ヒータ13及び蒸気化器14だけでなくエアロゾル生成装置1に含まれた他の構成の動作を制御する。また、制御部12は、エアロゾル生成装置1の構成それぞれの状態を確認し、エアロゾル生成装置1が動作可能な状態であるか否かを判断することもできる。
【0030】
制御部12は、少なくとも1つのプロセッサを含む。プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイとして具現され、汎用的なマイクロプロセッサと、該マイクロプロセッサで実行されるプログラムが保存されたメモリの組み合わせによっても具現される。また、他の形態のハードウェアとして具現されてもよいということを、本実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解することができるであろう。
【0031】
ヒータ13は、バッテリ11から供給された電力によって加熱される。例えば、シガレットがエアロゾル生成装置1に挿入されれば、ヒータ13は、シガレットの外部に位置する。したがって、加熱されたヒータ13は、シガレット内のエアロゾル生成物質の温度を上昇させることができる。
【0032】
ヒータ13は、電気抵抗性ヒータでもある。例えば、ヒータ13には、電気伝導性トラック(track)を含み、電気伝導性トラックに電流が流れることにより、ヒータ13が加熱される。しかし、ヒータ13は、前記例に限定されず、希望温度まで加熱されるものであれば、制限なしに該当する。ここで、希望温度は、エアロゾル生成装置1に既に設定されていてもよく、ユーザによって所望温度に設定されてもよい。
【0033】
一方、他の例で、ヒータ13は、誘導加熱式ヒータでもある。具体的に、ヒータ13には、シガレットを誘導加熱方式で加熱するための電気伝導性コイルを含み、シガレットは、誘導加熱式ヒータによって加熱されるサセプタを含んでもよい。
【0034】
例えば、ヒータ13は、管状加熱要素、板状加熱要素、針状加熱要素または棒状加熱要素を含み、加熱要素の形状によってシガレット2の内部または外部を加熱することができる。
【0035】
また、エアロゾル生成装置1には、ヒータ13が複数個配置されてもよい。この際、複数個のヒータ13は、シガレット2の内部に挿入されるように配置され、シガレット2の外部に配置されてもよい。また、複数個のヒータ13のうち、一部は、シガレット2の内部に挿入されるように配置され、残りは、シガレット2の外部に配置される。また、ヒータ13の形状は、
図1ないし
図3に示された形状に限定されず、多様な形状にも作製される。
【0036】
蒸気化器14は、液状組成物を加熱してエアロゾルを生成し、生成されたエアロゾルは、シガレット2を通過してユーザに伝達される。すなわち、蒸気化器14によって生成されたエアロゾルは、エアロゾル生成装置1の気流通路に沿って移動し、気流通路は、蒸気化器14によって生成されたエアロゾルがシガレットを通過してユーザに伝達されるように構成される。
【0037】
例えば、蒸気化器14は、液体保存部、液体伝達手段及び加熱要素を含んでもよいが、それらに限定されない。例えば、液体保存部、液体伝達手段及び加熱要素は、独立したモジュールとしてエアロゾル生成装置1に含まれてもよい。
【0038】
液体保存部は、液状組成物を保存することができる。例えば、液状組成物は、揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質を含む液体でもあり、非タバコ物質を含む液体でもある。液体保存部は、蒸気化器14から脱/付着されるように作製され、蒸気化器14と一体として作製されてもよい。
【0039】
例えば、液状組成物は、水、ソルベント、エタノール、植物抽出物、香料、香味剤、またはビタミン混合物を含んでもよい。香料は、メントール、ペパーミント、スペアミントオイル、各種果物の香り成分などを含むが、それらに制限されるものではない。香味剤は、ユーザに多様な香味または風味を提供する成分を含んでもよい。ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC及びビタミンEのうち、少なくとも1つが混合されたものでもあるが、それらに制限されるものではない。また、液状組成物は、グリセリン及びプロピレングリコールのようなエアロゾル形成剤を含んでもよい。
【0040】
液体伝達手段は、液体保存部の液状組成物を加熱要素に伝達することができる。例えば、液体伝達手段は、綿繊維、セラミック繊維、ガラスファイバ、多孔性セラミックのような芯(wick)にもなるが、それに限定されない。
【0041】
加熱要素は、液体伝達手段によって伝達される液状組成物を加熱するための要素である。例えば、加熱要素は、金属熱線、金属熱板、セラミックヒータなどにもなるが、それらに限定されるものではない。また、加熱要素は、ニクロム線のような伝導性フィラメントで構成され、液体伝達手段に巻かれる構造によっても配置される。加熱要素は、電流供給によって加熱され、加熱要素と接触された液体組成物に熱を伝達し、液体組成物を加熱することができる。その結果、エアロゾルが生成される。
【0042】
例えば、蒸気化器14は、カトマイザ(cartomizer)または霧化器(atomizer)とも称されるが、それらに限定されない。
【0043】
一方、エアロゾル生成装置1は、バッテリ11、制御部12、ヒータ13及び蒸気化器14外に汎用的な構成をさらに含んでもよい。例えば、エアロゾル生成装置1は、視覚情報の出力が可能なディスプレイ及び/または触覚情報の出力のためのモータを含んでもよい。また、エアロゾル生成装置1は、少なくとも1つのセンサを含んでもよい。また、エアロゾル生成装置1は、シガレット2が挿入された状態でも外部空気外部空気が流入されるか、内部気体が類推可能な構造によっても作製される。
【0044】
図1ないし
図3には、示されていないが、エアロゾル生成装置1は、別途のクレードルと共にシステムを構成してもよい。例えば、クレードルは、エアロゾル生成装置1のバッテリ11の充電に用いられる。または、クレードルとエアロゾル生成装置1が結合された状態でヒータ13が加熱されてもよい。
【0045】
シガレット2は、一般的な燃焼型シガレットと類似してもいる。例えば、シガレット2は、エアロゾル生成物質を含む第1部分とフィルタなどを含む第2部分に区分される。または、シガレット2の第2部分にも、エアロゾル生成物質が含まれてもよい。例えば、顆粒またはカプセルの形態に作られたエアロゾル生成物質が第2部分に挿入されてもよい。
【0046】
エアロゾル生成装置1の内部には、第1部分の全体が挿入され、第2部分は、外部に露出される。または、エアロゾル生成装置1の内部に第1部分の一部だけ挿入され、第1部分の全体及び第2部分の一部が挿入されてもよい。ユーザは、第2部分を口にした状態でエアロゾルを吸い込む。この際、エアロゾルは、外部空気が第1部分を通過することで生成され、生成されたエアロゾルは、第2部分を通過してユーザの口に伝達される。
【0047】
一例として、外部空気は、エアロゾル生成装置1に形成された少なくとも1つの空気通路を介して流入される。例えば、エアロゾル生成装置1に形成された空気通路の開閉及び/または空気通路の大きさは、ユーザによって調節される。これにより、霧化量、喫煙感などがユーザによって調節される。他の例として、外部空気は、シガレット2の表面に形成された少なくとも1つの孔(hole)を介してシガレット2の内部に流入されてもよい。
【0048】
図4は、一般的なエアロゾル生成装置の温度制御特性を示す概路図である。
【0049】
図4を参照すれば、エアロゾル生成装置1内のエアロゾル生成物質を加熱するヒータの温度プロファイル400が示される。ここで、ヒータの温度プロファイルとは、ヒータを加熱するために前もって設定された温度プロファイルを意味する。一実施例で温度プロファイル400は、
図1ないし
図3に示されたシガレット2を加熱するヒータ13に対する温度プロファイル400でもあるが、ヒータ13の種類及びヒータ13の加熱する対象は、それに制限されない。
【0050】
ヒータ13の温度プロファイル400は、予熱モード410及び加熱モード420で構成される。
【0051】
予熱モード410は、ヒータ13の温度が既設定の予熱目標温度に到逹するように、ヒータに電力が供給される区間に該当する。予熱目標温度は、200℃ないし350℃の温度でもある。また、予熱モード410に該当する区間の長さは、20秒ないし40秒の期間でもある。
【0052】
エアロゾル生成装置1は、ユーザから入力を受信することで、ヒータ13を予熱モード410で動作させうる。例えば、ユーザがエアロゾル生成装置1を使用するために、エアロゾル生成装置1に備えられたボタンを押せば、ヒータ13は、予熱目標温度まで急速に温度を高める予熱モード410に突入することができる。
【0053】
ヒータ13が予熱モード410に突入した場合、制御部12は、予熱モード410の温度プロファイルに基づいてヒータ13に供給される電力を制御することができる。例えば、制御部12は、予熱モード410からヒータ13の温度が既設定の予熱目標温度に到逹するように、ヒータ13に電力を供給する。制御部12は、短時間内にヒータ13の温度が既設定の予熱目標温度に到逹するように、パルス幅変調を通じてバッテリ11がヒータ13に供給する電流パルスの周波数及びデューティーサイクルをそれぞれの最大値に設定することができる。
【0054】
パルス幅変調は、プロセッサのデジタル出力によってアナログ回路を制御する変調技法である。1周期T(period)内で信号がon状態である時間を持続時間(pulse width)とし、onとoff時間の比率をデューティー(Duty)とするとき、デューティー値は、持続時間(pulse width)*100/T(period)と決定される。デューティー値が大きいほど全体周期Tにおけるon時間の比率が大きいので、負荷に伝達される平均電力が高くなる。したがって、制御部12は、パルス幅変調器のデューティー値を調節して予熱モード410でヒータ13に供給する電力を調節することができる。
【0055】
ただし、制御部12がヒータ13に供給される電力を制御する方法は、パルス幅変調方式に限定されるものではなく、ON/OFF制御、比例制御、積分制御、微分制御及びPID制御などのさまざまな方式でヒータ13の温度を制御することができる。
【0056】
ヒータ13の温度が予熱目標温度に到逹した場合、エアロゾル生成装置は、予熱モード410を終了する。しかし、予熱区間610の開始及び終了基準は、それに制限されない。予熱モード410が終了した場合、エアロゾル生成装置1は、視覚情報を出力するディスプレイまたはランプ、触覚情報を出力するモータ、音情報を出力するスピーカーなどを通じて、ユーザに予熱が終了したことを通知する。
【0057】
予熱モード410が終了すれば、エアロゾル生成装置1は、ヒータ13が加熱モード420に入る。加熱モード420では、ヒータ13の温度が予熱目標温度以上になるように加熱され、予熱モード410が終了した時点以後を意味する。
【0058】
制御部12は、加熱モード420の温度プロファイルに基づいてヒータ13に供給される電力を制御する。例えば、制御部12は、ヒータ13の温度が予熱目標温度よりも低い温度に保持されるようにヒータ13に供給される電力を制御することができる。
【0059】
加熱モード420に該当する区間の長さは、3分ないし5分の期間でもある。加熱モード420の開始後、既設定の時間が過ぎてしまえば、エアロゾル生成装置1は、ヒータ13に供給される電力を遮断することができる。一方、加熱モード420の開始後、既設定の時間が過ぎてしまう前にでも、エアロゾル生成装置1でカウントしたユーザのパフ回数が既設定の回数に到逹する場合、エアロゾル生成装置1は、ヒータ13に供給される電力を遮断することもできる。
【0060】
一方、予熱モード410に該当する区間の長さ、すなわち、予熱時間の差によって、加熱されるシガレットの温度に差が発生しうる。加熱されるシガレットの温度に差が発生する場合、喫煙時にシガレットの味が一定していないという問題点が発生してしまう。したがって、制御部12は、バッテリ11の出力電圧及びヒータ13の温度変化をモニタリングし、加熱されるシガレットごとに予熱時間が最大限一定になるように制御する。
【0061】
ただし、上述したように予熱モード410においてエアロゾル生成装置1は、短時間内にヒータ13の温度が既設定の予熱目標温度に到逹するために、多くの電流を消耗する場合がある。そのために、バッテリ11の出力電圧が瞬時に急落する恐れがある。
【0062】
バッテリ11の出力電圧が瞬時に落ちる場合には、制御部12がヒータ13の温度変化をリアルタイムでモニタリングし難いために、加熱されるシガレットごとに予熱時間を同一に調節し難い問題点が発生しうる。また、バッテリ11の出力電圧がカットオフ電圧以下に落ちる場合には、ユーザが喫煙を完了できない問題点が発生してしまう。
【0063】
以下、バッテリ11の出力電圧が瞬時に落ちるバッテリ11の電圧ドロップ(drop)現象を改善するためのエアロゾル生成装置1の構成について説明する。
【0064】
図5は、エアロゾル生成装置の構成の一例を示す図面である。
【0065】
図5を参照すれば、エアロゾル生成装置500は、バッテリ510、電圧変換器520、ヒータ530、制御部540、第1スイッチ550及び第2スイッチ560を含んでもよい。但し、
図5に示されたエアロゾル生成装置500には、本実施例と係わる構成要素だけが示されている。したがって、エアロゾル生成装置500には、
図5に示された構成要素以外に、他の汎用的な構成要素がさらに含まれるということは、当業者に自明である。
【0066】
バッテリ510は、エアロゾル生成装置500の動作に用いられる電力を供給する。すなわち、バッテリ510は、ヒータ530が加熱されるように電力を供給することができる。また、バッテリ510は、エアロゾル生成装置500内に備えられた他のハードウェア、制御部540、センサ及びインターフェースの動作に必要な電力を供給することができる。
【0067】
バッテリ510は、リチウムリン酸鉄(LiFePO4)バッテリでもあるが、これに制限されず、酸化リチウムコバルト(LiCoO2)バッテリ、リチウムチタン酸塩バッテリなどによって作製される。バッテリ510は、充電可能なバッテリであるか、使い捨てバッテリでもある。
【0068】
一方、バッテリ510がヒータ530を含むエアロゾル生成装置500の各構成要素に用いられる電力を供給することにより、バッテリ510は、放電可能である。バッテリ510が放電されることにより、バッテリ510から出力される電圧は下降する。但し、バッテリ510が過放電される場合、バッテリ510が使用不能になる恐れもあるので、エアロゾル生成装置500にカットオフ電圧(cut-off voltage)を設定することができる。カットオフ電圧は、放電が完了したと見なされる電圧値であって、過放電を遮断するためである。カットオフ電圧を高く設定する場合、バッテリ510は、初期放電が終了し、使用可能なバッテリ510の容量が減るが、カットオフ電圧を低く設定する場合には、バッテリが過放電状態になる恐れがあって、適正なカットオフ電圧を設定する必要がある。
【0069】
例えば、バッテリ510がリチウムイオンバッテリである場合、バッテリ510の電圧が、約3.3Vないし3.4Vで放電される時点から、急に放電が起きて、過放電状態になる。したがって、エアロゾル生成装置1に、約3.5Vのカットオフ電圧を設定して過放電を防止することができる。
【0070】
電圧変換器520は、バッテリ510と電気的に直列に連結される。例えば、電圧変換器520は、バッテリ510と第1スイッチ550との間に配置され、バッテリ510と電気的に直列に連結される。
【0071】
電圧変換器520は、バッテリ510から印加された電圧を一定電圧に変換して既設定の固定電圧を出力する。バッテリ510から印加された電圧は、バッテリ510の出力電圧と同一である。ヒータ530の温度上昇効率、発生する霧化量の均一性及びタバコ風味の品質などを考慮して、既設定の固定電圧が設定される。
【0072】
また、既設定の固定電圧は、ヒータ530が予熱モードで動作する場合、バッテリ510の出力電圧が瞬間的に急落する電圧ドロップ現象を改善するように設定される。例えば、バッテリ510の出力電圧が低電圧である場合には、ヒータ530の温度が既設定の予熱目標温度に到逹するために、多くの電流を消耗するので、バッテリ510の出力電圧が瞬間的に急落する恐れがある。これを改善するために、バッテリ510の出力電圧を電圧変換器520を通じて既設定の固定電圧に昇圧してヒータ530に印加する場合、バッテリ510の出力電圧がそのままヒータ530に印加される場合よりも、比較的少ない電流を消耗する。これにより、予熱モードでバッテリ510の出力電圧が急落する程度を改善することができる。
【0073】
例えば、既設定の固定電圧は、3.6Vないし4Vに該当し、望ましくは、約3.8Vに該当する。
【0074】
電圧変換器520は、バックブースタコンバータ(buck boost converter)、演算増幅器(Operating Amplifier、OP Amp)及びLDO(Low Dropout)電圧レギュレータ(regulator)のうち、いずれか1つに該当する。
【0075】
電圧変換器520は、バッテリ510から印加された電圧が既設定の固定電圧よりも低い場合、印加された電圧を昇圧させ、バッテリ510から印加された電圧が既設定の固定電圧よりも高い場合、印加された電圧を降圧させる。
【0076】
このように、電圧変換器520をバッテリ510とヒータ530との間に配置することで、バッテリ510の出力電圧がそのままヒータ530に印加されず、電圧変換器520が出力する既設定の固定電圧がヒータ530に印加される。
【0077】
したがって、既設定の固定電圧がヒータ530に一定に供給されて、加熱されるシガレットごとに予熱時間を同一に保持することができる。また、バッテリ510の出力電圧が低電圧である場合、バッテリ510の出力電圧を電圧変換器520を通じて既設定の固定電圧に昇圧してヒータ530に印加することにより、バッテリ510の出力電圧がそのままヒータ530に印加される場合よりも比較的少ない電流を消耗し、これにより、予熱モードでバッテリ510の出力電圧が急落する程度を改善可能なので、バッテリ510の電力効率を高めることができる。
【0078】
ヒータ530は、制御部540の制御によってバッテリ510から供給された電力によって電気的に加熱される。ヒータ530は、シガレットを収容するエアロゾル生成装置500の収容通路内部に位置する。シガレットが外部からエアロゾル生成装置500の挿入孔を通じて挿入された後、収容通路に沿って移動することで、シガレットの一側端部がヒータ530内部に挿入される。したがって、加熱されたヒータ530は、シガレット内のエアロゾル生成物質の温度を上昇させることができる。ヒータ530は、シガレットの内部に挿入される形態であれば、制限なしに該当する。
【0079】
ヒータ530は、熱源及び熱伝逹物体を含んでもよい。例えば、ヒータ530の熱源は、電気抵抗性パターンを備えたフィルム(film)状に作製され、フィルム形状のヒータ530は、熱伝逹物体(例えば、熱伝達管)の外側表面の少なくとも一部を覆い包むように配置される。
【0080】
熱伝達管は、アルミニウムやステンレススチール(stainless steel)のように熱を伝達する金属素材や、合金素材や、炭素や、セラミック素材などを含んでもよい。ヒータ530の電気抵抗性パターンに電力が供給されれば、熱が発生し、発生した熱は、熱伝達管を通じてエアロゾル生成物質を加熱することができる。
【0081】
エアロゾル生成装置500には、別途の温度感知センサが備えられる。または、別途の温度感知センサが備えられる代わりに、ヒータ530が温度感知センサの役割を行うこともできる。または、ヒータ530が温度感知センサの役割を行うと共に、エアロゾル生成装置500には、別途の温度感知センサがさらに備えられてもよい。温度感知センサは、伝導性トラックまたは素子形態としてヒータ530上に配置される。
【0082】
例えば、温度感知センサに加えられ電圧及び温度感知センサに流れる電流が測定されれば、抵抗Rが決定される。この際、下記数式1によって温度感知センサは、温度Tを測定することができる。
【0083】
【0084】
数式1において、Rは、温度感知センサの現在抵抗値を意味し、R0は、温度T0(例えば、0℃)での抵抗値を意味し、αは、温度感知センサの抵抗温度係数を意味する。伝導性物質(例えば、金属)は、固有の抵抗温度係数を有しているところ、温度感知センサを構成する伝導性物質によってαは、予め決定されうる。したがって、温度感知センサの抵抗Rが決定される場合、前記数式1によって温度感知センサの温度Tが演算されうる。
【0085】
制御部540は、エアロゾル生成装置500に含まれる構成要素の動作を制御する。制御部540は、マイクロプロセッサー、マイクロコントローラのようなプロセッシングユニットとして具現された集積回路である。
【0086】
制御部540は、温度感知センサによってセンシングされた結果を分析し、これにより、ヒータ530が所定の温度まで加熱されるか、適切な温度を保持するように、ヒータ530に供給される電力の量及び電力が供給される時間を制御することができる。
【0087】
制御部540は、電圧変換器520がバッテリ510とヒータ530との間に配置されることにより、電圧変換器520からヒータ530に供給される電力を制御することができる。制御部540は、ヒータ530が予熱モードで動作する場合、ヒータ530の温度が既設定の予熱目標温度に到逹するように、ヒータ530に供給される電力を制御し、ヒータ530が加熱モードで動作する場合、ヒータ530の温度が既設定の予熱目標温度よりも低い温度範囲に保持されるように、ヒータ530に供給される電力を制御する。
【0088】
例えば、制御部540は、ヒータ530が予熱モードで動作するか否かを決定し、ヒータ530が予熱モードで動作する場合、電圧変換器520から出力された既設定の固定電圧がヒータ530に印加されるように、ヒータ530に供給される電力を制御する。
【0089】
また、制御部540は、予熱モードでヒータ530の温度が既設定の予熱目標温度に到逹するために要求される電力量及び電圧変換器520から出力されてヒータ530に印加される既設定の固定電圧に基づいて、ヒータ530が予熱される時間を決定することができる。
【0090】
一方、均一なタバコ風味を保持するためには、加熱されるシガレットのエアロゾル生成物質ごとに供給されなければならない熱量は、一定している必要がある。したがって予熱モードでヒータ530に供給されなければならない電力量は、一定なものである。ヒータ530に供給される電力量は、ヒータ530に印加される電圧及び電圧が印加される時間によって決定される。この際、ヒータ530に印加される電圧は、バッテリ510の出力電圧に関係なく、既設定の固定電圧によって一定しているので、予熱モードで要求される電力量をヒータ530に供給するために、ヒータ530が予熱される時間は、比較的一定している。
【0091】
第1スイッチ550は、電圧変換器520とヒータ530との間に配置される。第1スイッチ550は、外部入力信号によって開放状態または閉鎖状態に状態が転換される。ヒータ530は、第1スイッチ550が開放状態になることにより、バッテリ510から電力需給が遮断され、閉鎖状態になることにより、バッテリ510から電力を供給される。
【0092】
例えば、制御部540は、第1スイッチ550の開閉状態を制御する制御信号を出力することができる。制御部540は、ヒータ530が加熱されねばならない期間の間に第1スイッチ550が閉鎖され、それ以外の期間の間に第1スイッチ550が開放されるように制御する制御信号を出力することができる。したがって、ヒータ530が加熱されなければならない期間の間には、第1スイッチ550が閉鎖され、電圧変換器520が出力する既設定の固定電圧がヒータ530に印加される。
【0093】
一方、第1スイッチ550は、電界効果トランジスタ(field effect transistor, FET)でもある。また、第1スイッチ550はFET以外の外部入力信号によって開放状態または閉鎖状態に状態転換が可能な他の電気素子でもある。例えば、第1スイッチ550は、接合型トレンジスタ(bipolar junction transistor, BJT)、絶縁ゲート両極性トランジスタ(insulated gate bipolar transistor, IGBT)、またはサイリスタ(thyristor)でもあるが、挙げられた種類に制限されない。
【0094】
第2スイッチ560は、ヒータ530と接地部との間に配置される。第2スイッチ560は、外部入力信号によって開放状態または閉鎖状態に状態が転換される。第2スイッチ560の状態は、短期間に開放状態と閉鎖状態とが繰り返して転換される。第2スイッチ560は、ヒータ530が要求する電力のデューティーサイクルに基づいて開放状態と閉鎖状態に状態が繰り返して転換される。
【0095】
例えば、制御部540は、第2スイッチ560の開閉状態を制御する制御信号を出力することができる。制御部540は、ヒータ530が温度プロファイルによって発熱するように、第2スイッチ560の状態を開放状態及び閉鎖状態に繰り返して転換させる制御信号を出力する。したがって、制御部540は、第2スイッチ560の開閉状態を制御する制御信号を通じて、電圧変換器520から出力される既設定の固定電圧がヒータ530に印加される時間を調節することができる。
【0096】
第2スイッチ560は、第1スイッチ550と同様に電界効果トランジスタ(field effect transistor, FET)でもある。また、第2スイッチ42は、第1スイッチ550と同様に、FET以外の外部入力信号によって開放状態または閉鎖状態に状態転換が可能な他の電気素子でもある。例えば、第2スイッチ560は、接合型トレンジスタ(bipolar junction transistor, BJT)、絶縁ゲート両極性トランジスタ(insulated gate bipolar transistor, IGBT)、またはサイリスタ(thyristor)でもあり、挙げられた種類に制限されない。
【0097】
図6は、電圧変換器がバッテリとヒータとの間に位置する場合、予熱時間の一例を説明するための図面である。
【0098】
図6は、電圧変換器520がバッテリ510とヒータ530との間に位置しない場合、及び電圧変換器520がバッテリ510とヒータ530との間に位置する場合、それぞれの予熱時間を示した表である。予熱時間は、ヒータ530が予熱モードで動作する場合、ヒータ530の温度が既設定の予熱目標温度に到逹するまでの所要時間に該当する。
【0099】
図6の表は、ユーザがエアロゾル生成装置500を使用するためにエアロゾル生成装置500に備えられたボタンを押す瞬間のバッテリ510の出力電圧による予熱時間を示した表である。表1に示された結果は、バッテリ510の出力電圧によって測定された予熱時間の結果のうち、一部である。電圧変換器520を除き、残りのエアロゾル生成装置500の構成及びエアロゾル生成装置500に挿入されるシガレットがいずれも同一であるという条件下で、電圧変換器520の有無によって予熱時間をそれぞれ測定した。
【0100】
図6の表を参照すれば、電圧変換器520がバッテリ510とヒータ530との間に位置しない場合には、バッテリ510の出力電圧が変化することにより、測定された予熱時間も変化することが分かる。例えば、バッテリ510の出力電圧が4.21Vである場合には、ヒータ530の温度が既設定の予熱目標温度に到逹するまで20.0秒が所要し、バッテリ510の出力電圧が3.61Vである場合には、24.1秒が所要する。したがって、バッテリ510の出力電圧によって、予熱時間が最大4.1秒の差がある。予熱時間が変わる場合、エアロゾル生成装置500に挿入されるシガレットが予熱される程度が変わってタバコ風味の差があり得る。
【0101】
一方、電圧変換器520がバッテリ510とヒータ530の間に位置する場合には、バッテリ510の出力電圧が3.61Vないし4.21Vに変化しても、予熱時間が約21秒ないし22秒と一定であることが分かる。これは、バッテリ510の出力電圧が変化しても、バッテリ510とヒータ530との間に位置する電圧変換器520がバッテリ510の出力電圧を既設定の固定電圧に変換するので、ヒータ530に一定電圧が供給されるからである。予熱時間が一定であって、エアロゾル生成装置500に挿入されるシガレットの予熱程度も一定になって均一なタバコ風味を保持することができる。
【0102】
図7は、電圧変換器がバッテリとヒータとの間に位置する場合、経時的なバッテリ出力電圧の一例を説明するための図面である。
【0103】
図7は、ヒータ530が予熱モードで動作する場合、ユーザがエアロゾル生成装置500を使用するために、エアロゾル生成装置500に備えられたボタンを押す瞬間から予熱モードが終了する瞬間までのバッテリ510の出力電圧を示すグラフである。電圧変換器520を除き、残りのエアロゾル生成装置500の構成、エアロゾル生成装置500に挿入されるシガレット及びユーザがエアロゾル生成装置500を使用するために、エアロゾル生成装置500に備えられたボタンを押す瞬間のバッテリ510の出力電圧がいずれも同一であるという条件下で、電圧変換器520の有無によって、時間によって変化するバッテリ510の出力電圧をそれぞれ測定した。例えば、ユーザがエアロゾル生成装置500を使用するために、エアロゾル生成装置500に備えられたボタンを押す瞬間のバッテリ510の出力電圧は、
図7に示されたように3.7Vでもあるが、これに制限されず、多様な値の電圧に該当する。
【0104】
予熱モードでエアロゾル生成装置500は、短時間内にヒータ530の温度が既設定の予熱目標温度に到逹するために、多くの電流を消耗する。これにより、バッテリ510の出力電圧が瞬間的に急落する恐れがある。
【0105】
図7のグラフを参照すれば、電圧変換器520がバッテリ510とヒータ530との間に位置しない場合には、電圧変換器520がバッテリ510とヒータ530との間に位置する場合よりも、バッテリ510の出力電圧が瞬間的にさらに急落することが分かる。これは、電圧変換器520がバッテリ510とヒータ530との間に位置する場合、バッテリ510の出力電圧を電圧変換器520を通じて既設定の固定電圧に昇圧してヒータ530に印加することで、電圧変換器520がバッテリ510とヒータ530との間に位置しない場合よりも、比較的少ない電流を消耗するからである。
【0106】
また、電圧変換器520がバッテリ510とヒータ530との間に位置しない場合には、バッテリ510の出力電圧が既設定のカットオフ電圧以下に落ちて、ユーザが喫煙を完了することができない問題点が発生する。カットオフ電圧は、
図7に示されたように3.5Vでもあるが、これに制限されず、多様な値の電圧に該当する。
【0107】
一方、電圧変換器520がバッテリ510とヒータ530との間に位置する場合には、バッテリ510の出力電圧のドロップ現象が改善され、バッテリ510の出力電圧が既設定のカットオフ電圧以下に落ちることを防止しうる。したがって、使用可能なバッテリ510の電力効率が高くなり、結果として、電圧変換器520がバッテリ510とヒータ530との間に位置しない場合に比べて、さらに多くの本数のシガレットを加熱することができる。
【0108】
本実施形態と係わる技術分野で当業者であるならば、前述の記載の本質的な特性から外れない範囲で変形された形態に具現されるということを理解することができるであろう。従って、開示された方法は、限定的な観点ではなく、説明的な観点から考慮されなければならない。本発明の範囲は、前述の説明ではなく、特許請求の範囲に示されており、それと同等な範囲内にある全ての違いは、本発明に含まれたものであると解釈されなければならないのである。