IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エヌイーシー ショット コンポーネンツ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-保護素子 図1
  • 特許-保護素子 図2
  • 特許-保護素子 図3
  • 特許-保護素子 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-14
(45)【発行日】2022-03-23
(54)【発明の名称】保護素子
(51)【国際特許分類】
   H01H 85/046 20060101AFI20220315BHJP
【FI】
H01H85/046
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2016146283
(22)【出願日】2016-07-26
(65)【公開番号】P2018018623
(43)【公開日】2018-02-01
【審査請求日】2019-07-03
(73)【特許権者】
【識別番号】300078431
【氏名又は名称】ショット日本株式会社
(72)【発明者】
【氏名】中島 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】武富 正弘
【審査官】関 信之
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-170801(JP,A)
【文献】特開2015-138767(JP,A)
【文献】特開2015-079608(JP,A)
【文献】特開2004-134091(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 85/046
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁基板と、この絶縁基板に設けた複数の主電極と、この主電極同士の間隔部で前記絶縁基板に設けた絶縁被覆層と、前記主電極および前記絶縁被覆層の所定部分を膜状に覆った低抵抗材からなる複数の補助電極と、この補助電極の間を橋設しかつ所定の前記主電極の間を導通するヒューズエレメントと、前記絶縁基板の上面または下面の何れか片面にさらに抵抗発熱素子とを備え、前記補助電極は、前記ヒューズエレメントよりも溶融温度が高く、溶融した前記ヒューズエレメントに溶解性の金属材から構成され、かつ前記主電極および前記絶縁被覆層の所定表面に複数設けられており、なおかつ、それぞれの補助電極が前記絶縁被覆層上の空溝を挟んで設けられたことを特徴とする補助電極付き保護素子。
【請求項2】
前記主電極および前記補助電極は、パワーラインにおける主電極の間隔をL1、パワーラインにおける補助電極の分画間隙(空溝)幅をL2としたとき、両者の関係がL1>L2となるように設けたことを特徴とする請求項に記載の補助電極付き保護素子。
【請求項3】
前記補助電極は、金属ペーストを焼結して形成された焼結電極からなり、前記金属ペーストは、ガラスフリット含有量を未添加ないし2質量%未満のものを用いたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の補助電極付き保護素子。
【請求項4】
前記補助電極は、銅、銀、銅合金、銀合金の群から選択された少なくとも1つの溶解性の金属材を用いたことを特徴とする請求項に記載の補助電極付き保護素子。
【請求項5】
前記補助電極は、その膜厚を前記主電極より薄く設けられており前記絶縁被覆層で嵩上げされていることを特徴とする請求項または請求項に記載の補助電極付き保護素子。
【請求項6】
前記絶縁被覆層は、ガラス、ガラスセラミックの少なくとも1つから構成されたことを特徴とする請求項1ないし請求項の何れか一つに記載の補助電極付き保護素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気・電子機器の保護素子に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、モバイル機器など小型電子機器の急速な普及に伴い、搭載する電源の保護回路に実装される保護素子も小型薄型のものが使用されている。二次電池パックの保護回路には、例えば特許文献1に記載されるような表面実装部品(SMD)の保護素子が好適に利用される。これらの保護素子には、被保護機器の過電流により生ずる過大発熱や過電圧などの異常状態を検知し、または周囲温度の異常過熱に感応して、所定条件でヒューズを作動させ電気回路を遮断する非復帰型保護素子がある。該保護素子は、機器の安全を図るために、保護回路が機器に生ずる異常を検知すると信号電流により抵抗素子を発熱させ、その発熱で可融性の合金材からなるヒューズエレメントを溶断させて回路を遮断するか、あるいは過電流によってヒューズエレメントを溶断させて回路を遮断する。
【0003】
例えば、特許文献1などに記載されるように、はんだ付け温度で溶融する低融点金属材と、低融点金属材に溶解性の金属構造材を積層して成るヒューズエレメント材を用いた保護素子がある。この保護素子のヒューズエレメント材は、はんだ付け作業で液相化した低融点金属材を、その温度で固相の金属構造材に界面張力で付着させて一定時間溶断しないように支えて保持することで、少なくともはんだ付け作業の間、ヒューズエレメントの形状を維持してヒューズエレメント材がリフローはんだ付けで誤動作するのを防止する。はんだ付けが完了し回路保護素子が被保護回路に実装されると、ヒューズエレメント材の金属構造材は、はんだ付けの熱で媒質である低融点金属材中に拡散または溶解されて薄層化しているので、設置環境の異常過熱や内蔵する抵抗発熱素子のヒータ加熱により容易に消失し、以後溶断を妨げることなく動作するようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-079608号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の保護素子は、金属構造材が溶融したヒューズエレメント材に完全に溶解しないで融け残ってしまった場合には、溶断不良となるおそれがあった。
【0006】
本発明は、上述の問題点を解消するために提案されたものであり、表面実装型の回路保護素子において、耐リフロー性を具備しながら溶質金属が融け残った場合にも溶断不良のおそれのない保護素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によると、絶縁基板と、この絶縁基板に設けた複数の主電極と、主電極の間隔部で絶縁基板に設けた絶縁被覆層と、主電極および絶縁被覆層の所定部分を覆った低抵抗材からなる複数の補助電極と、補助電極の間を橋設しかつ所定の主電極の間を導通するヒューズエレメントとを備え、補助電極は、該ヒューズエレメントよりも溶融温度が高く、かつ溶融したヒューズエレメントに溶解性の金属材から構成されたことを特徴とする補助電極付き保護素子が提供される。本発明の保護素子は必要に応じて絶縁基板に発熱素子を設けてもよい。上記保護素子は、パワーラインにおける主電極の間隔をL1、パワーラインにおける補助電極の分画間隙(空溝)幅をL2とし、両者の関係がL1>L2となるように設ける。補助電極は膜厚を主電極より薄く設けられ、膜厚が溶解可能な適切な厚さとなるように絶縁被覆層で嵩上げされている。この補助電極は、好ましくは積層セラミック基板の内部電極用に用いられる金属ペーストを焼結して形成された焼結電極からなり、この補助電極用の金属ペーストは、ガラスフリット含有量を未添加ないし2質量%未満とするのがよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明の補助電極は、ヒューズエレメントより溶融温度が高い金属からなり、溶融したヒューズエレメントが補助電極を濡らすと同時に補助電極を溶解して行くが、液相化したヒューズエレメントを固相の補助電極ではんだ付け作業が終わるまで一定時間溶断しないように固-液界面の濡れを利用して付着させて保持でき、少なくともはんだ付け作業の間、ヒューズエレメントの形状を維持してヒューズエレメントがはんだ付け作業温度で誤動作するのを防止する。
【0009】
本発明の保護素子は、主電極の間隔部に延伸させた補助電極によって、ヒューズの通電距離をL2に短縮し、パワーラインの抵抗値を低減させる。動作時には、融けたヒューズエレメント材に補助電極が溶解されて消失するので絶縁距離はL1に拡張される。これにより、本発明の保護素子は、平常時にはパワーラインの抵抗値を低減状態で待機でき、異常を検知してヒューズエレメントが溶断した後は電極間の絶縁抵抗値を増大させて回路を遮断する。
【0010】
本発明の補助電極は、主電極および絶縁被覆層の所定表面に複数設けられ、なおかつ、それぞれの補助電極が絶縁被覆層の上に配置された空溝を挟んで設けられており、ヒューズ溶断時に補助電極の融け残りが生じても、上記空溝によって補助電極が分画されるので、主電極間に融け残った補助電極が存在しても短絡しない構成になっている。そして、ヒューズエレメントが溶融すると、その接触界面のみならず、融液が即座に補助電極の分画間隙(空溝)にも浸潤して、空溝に分け入った融液が基板面に沿って補助電極材を横方向へ浸食するので、補助電極のヒューズエレメント材への溶解を促進する。しかも、補助電極は、その電極間に設けた空溝の間隙を広く設けたり、狭隘に設けたり、さらには絶縁被覆層の膜厚を変えることで補助電極の幅や厚みを変更でき、これにより保護素子の電気抵抗値、耐リフロー性も調整できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る補助電極付き保護素子10の部品部材を分解した斜視図を示す。
図2】本発明に係る補助電極付き保護素子20であり、(a)は(b)のd-d線に沿って蓋体を切断した平面図を示し、(b)は(a)のD-D線に沿った断面図を示し、(c)はその下面図を示す。
図3】本発明に係る補助電極付き保護素子30であり、(a)は(b)のd-d線に沿って蓋体を切断した平面図を示し、(b)は(a)のD-D線に沿った断面図を示し、(c)はその下面図を示す。
図4】本発明に係る補助電極付き保護素子を示し、保護素子のパワーラインにおける主電極の間隔L1、パワーラインにおける補助電極の空溝幅L2の関係を示した断面図であり、45-1はヒューズエレメント接合部を示す。図4において蓋体と発熱素子は図示しない。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る補助電極付き保護素子10は、図1に示すように、絶縁基板11と、この絶縁基板11に設けた銅、銀、銅合金、銀合金から選択された複数の主電極12と、主電極12同士の間隔部で絶縁基板11に設けた絶縁被覆層13と、主電極12および絶縁被覆層13の所定部分を覆った銅、銀、銅合金、銀合金などの低抵抗材からなる複数の補助電極14と、補助電極14の間を橋設しかつ所定の主電極12との間の導通路を成すヒューズエレメント15と、ヒューズエレメント15の表面に塗布した動作フラックス(図示せず)と、この動作フラックスごとヒューズエレメント15の上部を覆った蓋体16とを備え、補助電極14は、該ヒューズエレメント15よりも溶融温度が高く、溶融したヒューズエレメント15に溶解性の金属材から構成されたことを特徴とする。上記保護素子は、図4に示すように、パワーラインにおける主電極の間隔をL1、パワーラインにおける補助電極の分画間隙(空溝)幅をL2とし、両者の関係がL1>L2となるように設ける。この補助電極付き保護素子10のヒューズエレメント15は、易融性の金属材であれば何れの材料・組成のものでもよく、特に限定されないが、例えば、錫基合金、錫-銅合金、錫-銀合金、錫-銀-銅合金などが好適に利用できる。本発明の補助電極14の膜厚は、主電極12の膜厚より薄く設けられて絶縁被覆層13で嵩上げされる。絶縁被覆層13は絶縁材であれば何れの材料・組成のものでもよく、例えば、ガラス、ガラスセラミック、セラミックなどが好適である。補助電極14は、主電極12および絶縁被覆層13の所定部分に成膜形成でき、かつヒューズエレメント15よりも溶融温度が高く、溶融したヒューズエレメント15に溶解性の金属材であれば何れの材料・組成のものでもよく、例えば、積層セラミック基板の内部電極に用いられる金属ペーストを焼結して形成された焼結電極などが使用できる。該補助電極用金属ペーストは、ガラスフリット含有量を未添加ないし2質量%未満のものが好適である。ガラスフリット含有量が2質量%を上回るとガラス材が補助電極14の溶解や溶融ヒューズエレメント15の浸透を阻害するようになり、補助電極14の融け残りが生じ易くなる。しかし、万一、融け残りが生じても補助電極14は、予めヒューズエレメント15の溶断を妨害しないように複数に分画されて設けられているため、フェイルセーフが可能な構成となっている。しかも複数に分画された補助電極14は、補助電極14の電極間の間隙(空溝)17を広く設けたり、狭隘に設けたり、または絶縁被覆層13の厚さを変えることによって補助電極の幅や厚みを変更でき、保護素子のヒューズ抵抗値、耐リフロー性を調整できる。一方、本発明の主電極12は、電極機能を具備するものであれば材料等を特に限定されない。例えば、本発明の主電極12は、上述の補助電極用金属ペーストを用いて焼結形成して補助電極14と同じ構成とすることもできるし、あるいは、溶融ヒューズエレメントに溶解しない別の導電材料を選定することもできる。一例として、補助電極用の金属ペーストより多くのガラスフリットを含有(すなわち、ガラスフリットを2質量%以上、好ましくは2~5質量%含有するなど)した別の金属ペーストを用いて焼結形成するか、または同じ補助電極用の金属ペーストを用いて主電極12も焼結形成し、この主電極12のみを溶融ヒューズエレメントに溶解しないニッケルなどバリア性の被覆材でさらに覆ってもよい。または、主電極12に導電性接着剤を用いてもよい。この補助電極付き保護素子10の絶縁基板11は、耐熱性の絶縁材、例えば、ガラスエポキシ基板、セラミック基板、ガラス基板などからなり、絶縁基板11の片面に必要に応じて抵抗発熱素子を設けてもよい。抵抗発熱素子は必要に応じて絶縁コーティングを施す。抵抗発熱素子を設けない場合は、ヒューズエレメント14に接続される主電極12のうち中央の電極を省略してもよい。蓋体16は、絶縁基板11およびヒューズエレメント15の上部を覆って所望のキャビティ空間を確保できればよく、形状、材質を制限するものではない。例えば、蓋体16には、ドーム状樹脂フイルムカバー、プラスチック蓋、セラミック蓋などが好適に利用できる。
【0013】
本発明に係る補助電極付き保護素子20は、上記保護素子10に発熱素子を設けた一例であって、図2に示すように、絶縁基板21と、この絶縁基板21に設けた銅、銀、銅合金、銀合金からなる複数の主電極22と、主電極22同士の間隔部で絶縁基板21に設けた絶縁被覆層23と、主電極22および絶縁被覆層23の所定部分を覆った銅、銀、銅合金、銀合金などの低抵抗材からなる複数の補助電極24と、補助電極24の間に橋設されており所定の主電極22との間の導通路を成すヒューズエレメント25と、ヒューズエレメント25の表面に塗布した動作フラックス(図示せず)と、この動作フラックスごとヒューズエレメント25の上部を覆った蓋体26とを備え、補助電極24は、該ヒューズエレメント25よりも溶融温度が高く、溶融したヒューズエレメント25に溶解性の金属材から構成されたことを特徴とする。上記保護素子は、図4に示すように、パワーラインにおける主電極の間隔をL1、パワーラインにおける補助電極の分画間隙(空溝)幅をL2とし、両者の関係がL1>L2となるように設ける。この補助電極付き保護素子20のヒューズエレメント25、絶縁被覆層23、補助電極24、主電極22および絶縁基板21の構成は、前述した補助電極付き保護素子10と共通する。絶縁基板21は片面に抵抗発熱素子28を設け、抵抗発熱素子28は絶縁コーティングを施す。なお、抵抗発熱素子28は、図2のようにヒューズエレメント25の搭載面と異なるもう一方の板面に設けてもよいし、図3のようにヒューズエレメント35と同じ板面に積層して設けてもよい。蓋体26は、絶縁基板21およびヒューズエレメント25の上部を覆って所望のキャビティ空間を確保できればよく、形状、材質を制限するものではない。例えば、蓋体26には、ドーム状樹脂フイルムカバー、プラスチック蓋、セラミック蓋などが好適に利用できる。
【実施例
【0014】
本発明に係る実施例1の補助電極付き保護素子20は、図2に示すように、アルミナ・セラミックの絶縁基板21と、この絶縁基板21の上下面に設けた複数の銀合金製主電極22と、所定の主電極22と電気接続され絶縁基板21の下面に設けた抵抗発熱素子28と、所定の主電極22同士の間隔部で絶縁基板21に設けたセラミック絶縁被覆層23と、主電極22および絶縁被覆層23の所定部分を覆った銀材からなる複数の補助電極24と、補助電極24の間に橋設されており所定の主電極22との間の導通路を成すSn-3Ag-0.5Cu合金のヒューズエレメント25と、このヒューズエレメント25の表面に塗布した動作フラックス(図示せず)と、この動作フラックスごとヒューズエレメント25の上部を覆って絶縁基板21に固着した液晶ポリマー製の蓋体26とを備え、補助電極24は、ヒューズエレメント25よりも溶融温度が高く、溶融したヒューズエレメント25に溶解性の銀材から構成されたガラスフリットが未添加の銀ペーストを焼結して成る。主電極22は、基板上下面の主電極22を電気接続する銀合金のハーフ・スルーホール29を有する。実施例1の抵抗発熱素子28の表面は絶縁ガラスのオーバーグレーズを施している。
【0015】
本発明に係る実施例2の補助電極付き保護素子30は、実施例1の保護素子20を変形したもので、図3に示すように、アルミナ・セラミックの絶縁基板31と、この絶縁基板31の上下面に設けた複数の銀合金製主電極32と、所定の主電極32と電気接続されて絶縁基板31の上面に設けた抵抗発熱素子37と、主電極22同士の間隔部で絶縁基板31に設けたガラス絶縁被覆層33と、主電極32および絶縁被覆層33の所定部分を覆った銀材からなる複数の補助電極34と、補助電極34の間に橋設されており所定の主電極32との間の導通路を成すSn-0.75Cu合金のヒューズエレメント35と、ヒューズエレメント35の表面に塗布した動作フラックス(図示せず)と、この動作フラックスごとヒューズエレメント35の上部を覆って絶縁基板31に固着した液晶ポリマー製の蓋体36とを備え、補助電極34は、絶縁基板31の上側に設けられ、ヒューズエレメント35よりも溶融温度が高く、溶融したヒューズエレメント35に溶解性の銀合金から構成され、ガラスフリットが未添加の銀合金ペーストを焼結して成り、主電極32は、基板上下面の主電極32を電気接続する銀合金のハーフ・スルーホール39を有する。実施例2の抵抗発熱素子38の所定表面は絶縁被覆層33のオーバーグレーズを施している。さらに絶縁被覆層33は、抵抗発熱素子38の上面のみならず主電極32同士の間隔部にも拡張して設ける。
【0016】
実施例2の補助電極付き保護素子30は、絶縁被覆層33の嵩上げ機能によって補助電極34の厚みを調整できる。また、複数に分画された補助電極34は、補助電極34の電極間の間隙(空溝)を広く設けたり、狭隘に設けたり、または絶縁被覆層33の厚さを変えることによって補助電極の幅や厚みの変更ができ、ヒューズエレメント35の電気抵抗値や耐リフロー性を調整できる。
【0017】
実施例1および実施例2の補助電極付き保護素子は、絶縁基板上下面の主電極を電気接続する配線手段は、ハーフ・スルーホールに替えて該基板を貫通したスルーホールや、平面電極による表面配線に変更してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明の補助電極付き保護素子は、他の表面実装部品と共に被保護回路板にマウントでき、リフロー工法などで一括はんだ付け実装されて、電池パックなど2次電池の保護装置に利用できる。
【符号の説明】
【0019】
10、20、30・・・補助電極付き保護素子、
11、21、31、41・・・絶縁基板、
12、22、32、42・・・主電極、
13、23、33、43・・・絶縁被覆層、
14、24、34、44・・・補助電極、
15、25、35、45・・・ヒューズエレメント、
45-1・・・ヒューズエレメント(接合部)、
16、26、36・・・蓋体、
17・・・電極間の間隙(空溝)、
28、38・・・発熱素子、
29、39・・・ハーフ・スルーホール、
L1・・・パワーラインにおける主電極の間隔、
L2・・・パワーラインにおける補助電極の分画間隙(空溝)幅。
図1
図2
図3
図4