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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-14
(45)【発行日】2022-03-23
(54)【発明の名称】超音波プローブ
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/00 20060101AFI20220315BHJP
【FI】
A61B8/00
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2017198010
(22)【出願日】2017-10-11
(65)【公開番号】P2019069109
(43)【公開日】2019-05-09
【審査請求日】2020-09-29
(73)【特許権者】
【識別番号】514118767
【氏名又は名称】織田 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【弁理士】
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】織田 聡
【審査官】永田 浩司
(56)【参考文献】
【文献】実開平4-067407(JP,U)
【文献】特表2002-534147(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0173331(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波エコー測定のために施術者によって使用される超音波プローブであって、
底面に超音波放射部及び超音波受信部を備えた基台部と、
施術者の片手の親指及び人差し指で把持されるハンドル部と、
前記ハンドル部の上方に設けられるフランジ部と、を備え、
前記ハンドル部は、
前記基台部から上方に伸びるとともに、親指及び人差し指の位置を決定するための構造を備え、その構造に従って当該ハンドル部が施術者の親指及び人差し指で把持される状況において親指側かつ指先側に傾いて形成され、
当該ハンドル部が施術者の親指及び人差し指で把持される状況において親指及び人差し指の互いの指先が接触可能な外径に形成され、
前記フランジ部は、前記ハンドル部が施術者の親指及び人差し指で把持される状況において指の付け根に当接する位置に形成される、ことを特徴とする超音波プローブ。
【請求項2】
中央に空間部を有する環状部をさらに備え、
前記環状部は、前記ハンドル部が施術者の親指及び人差し指で把持される状況において、前記空間部に施術者の指先が位置するように前記基台部の指先側に延在する、ことを特徴とする、請求項1に記載の超音波プローブ。
【請求項3】
前記フランジ部には、超音波エコー測定に関する設定を行う設定部が設けられる、ことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の超音波プローブ。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3に記載の超音波プローブとともに使用される針型施術具であって、
超音波発信素子を備える、ことを特徴とする針型施術具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波プローブに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、医師または施術者(以下、単に「施術者」という)により超音波エコー測定のために使用される超音波プローブが知られている(例えば、特許文献1参照)。このような超音波プローブの普及により、施術者は、超音波エコー測定が必要な対象者(以下、単に「対象者」という)の皮膚に超音波プローブを接触させることで超音波エコー測定を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平06-269450号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、施術者によって使用される従来の超音波プローブとしては、超音波を放射する先端面の形状が略直線状に形成されているものが多い。具体的には、図1に示すように、従来の超音波プローブ1では、超音波を放射する先端面2の形状が左右(矢印Aで示す方向)に伸びた略直線状(略矩形型)に形成されている。このような従来の超音波プローブ1を用いて超音波エコー測定を行う場合、施術者は、図1に示すように、超音波プローブ1の両側面を親指と残りの4指で挟むようにして超音波プローブ1を把持する。そして、図2に示すように、把持した超音波プローブ1の先端面2を対象者の皮膚に接触させ、測定位置に合わせて皮膚に沿って先端面2を移動させる(矢印B参照)。また同時に、施術者は、超音波エコー測定をより正確に行うために、対象者の皮膚と先端面2との角度を好適に固定する必要がある。このため、施術者は、先端面2の皮膚に対する接触角度を好適に維持すべく、図2に示すように、測定位置に合わせて先端面2を中心に超音波プローブ1を回転(すなわち、超音波プローブ1の傾きを変化)させる(矢印C参照)。
【0005】
このように、従来の超音波プローブ1では、超音波エコー測定に際して、施術者は、超音波プローブ1を図2に示す矢印Bで示す方向に移動させたり、図2に示す矢印Cで示す方向に傾けたりする必要があるため、一方の手は、超音波プローブの移動および固定に専念する必要があった。このため、超音波プローブ1を用いて超音波エコー測定を行いながら、例えば、注射する、穿刺針を挿入する、カテーテルを挿入・操作する、針灸の施術をする等の手技を行う場合には、手技を他方の手のみで行う必要があった。したがって、従来の超音波プローブ1では、超音波プローブ1を操作する方の手を有効に使えるものではなかった。
【0006】
一方、超音波プローブ1を操作する方の手を有効に使うべく、図3に示すように、従来の超音波プローブ1に注射針や穿刺針のガイド3を取り付けたものも考案されている。しかし、図3に示すようなガイド付きの超音波プローブでは、超音波プローブ1の傾きを変化させると、ガイド3の傾きも変化するため、超音波エコー測定を行いながら注射針や穿刺針の正確な位置合わせを行うことは難しかった。このように、従来の超音波プローブでは、超音波プローブを把持する一方の手の指を用いて手技を行うことは難しかった。
【0007】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、施術者が一方の手で超音波プローブを把持しながら、超音波プローブを把持した手の指を用いて手技を行うことを可能とする超音波プローブを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の超音波プローブは、
超音波エコー測定のために施術者によって使用される超音波プローブであって、
底面に超音波放射部及び超音波受信部を備えた基台部と、
施術者の片手の親指及び人差し指で把持されるハンドル部と、
前記ハンドル部の上方に設けられるフランジ部と、を備え、
前記ハンドル部は、
前記基台部から上方に伸びるとともに、親指及び人差し指の位置を決定するための構造を備え、その構造に従って当該ハンドル部が施術者の親指及び人差し指で把持される状況において親指側かつ指先側に傾いて形成され、
当該ハンドル部が施術者の親指及び人差し指で把持される状況において親指及び人差し指の互いの指先が接触可能な外径に形成され、
前記フランジ部は、前記ハンドル部が施術者の親指及び人差し指で把持される状況において指の付け根に当接する位置に形成される、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、施術者が一方の手で超音波プローブを把持しながら、超音波プローブを把持した手の指を用いて手技を行うことを可能とする超音波プローブを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】従来の超音波プローブを説明するための図。
図2】従来の超音波プローブを説明するための図。
図3】従来のガイド付き超音波プローブを説明するための図。
図4】本実施形態に係る超音波プローブの左側面図。
図5】本実施形態に係る超音波プローブの上面図。
図6】本実施形態に係る超音波プローブの正面図。
図7】本実施形態に係る超音波プローブの後面図。
図8】本実施形態に係る超音波プローブを把持したときの底面図。
図9】本実施形態に係る超音波プローブを把持したときの上面図。
図10】針型施術具に超音波発信素子を設ける一例を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図4図9を参照して説明する。
図4は、本発明の実施形態に係る超音波プローブ10の左側面図であり、図5は、超音波プローブ10の上面図であり、図6は、超音波プローブ10の正面図であり、図7は、超音波プローブ10の後面図であり、図8は、超音波プローブ10を施術者が把持したときの底面図であり、図9は、超音波プローブ10を施術者が把持したときの上面図である。
【0012】
図4図7に示すように、本実施形態に係る超音波プローブ10は、基台部11と、ハンドル部12と、フランジ部13と、環状部14とから構成される。
【0013】
基台部11は、その底面に超音波放射部及び超音波受信部を備える。これにより、基台部11の底面を対象者の皮膚に接触させることで、超音波エコー測定が可能となる。なお、この超音波放射部及び超音波受信部の基台部11の底面への形成方法はどのようなものであってもよいが、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)で形成される。
【0014】
ハンドル部12は、基台部11から上方に伸びて略円柱状に形成される。また、ハンドル部12は、図4に示すように右方向に傾斜して形成されるとともに手前側(図5に示す上面図における下側、または図6に示す正面図における左側)に傾斜して形成される。
【0015】
ところで、本実施形態に係る超音波プローブ10を把持する際には、左手の手のひらを基台部11の上面に当て、親指及び人差し指でハンドル部12を包み込むようにして把持する(後述する図9参照)。具体的には、親指及び人差し指の付け根を図4に示すハンドル部12の左側に当接させ、指先が図4に示すハンドル部12の右側に位置するように、図4に示すハンドル部12の手前側(図5に示すハンドル部12の下側)の面に沿わせて左手の親指を当接させ、図4に示すハンドル部12の奥側(図5に示すハンドル部12の上側)の面に沿わせて左手の人差し指を当接させる。
【0016】
したがって、ハンドル部12は、施術者の親指及び人差し指で把持される状況において指先側の方向(図4に示す右方向)に傾斜して形成されるとともに親指側の方向(図4に示す手前側の方向、または図5に示す下側の方向)に傾斜して形成される。これにより、施術者がハンドル部12を親指及び人差し指で把持したときに、超音波プローブ1の操作性と安定性が向上する。具体的には、ハンドル部12が親指側に傾斜していることにより、ハンドル部12のグリップ力が増し、ハンドル部12が指先側に傾斜していることにより、指先の操作性が向上する。なお、指先の操作性については後述する。
【0017】
また、略円柱状に形成されたハンドル部12の外径は、親指及び人差し指でハンドル部12を把持したときに、その指先を自由に動かすことができる程度の長さに設定されている。すなわち、ハンドル部12の外径は、親指及び人差し指でハンドル部12を包み込むように把持したときに、親指及び人差し指の互いの指先が接触可能な長さに設定されている。また、前述したように、ハンドル部12は、指先側に傾斜して形成されている。このため、ハンドル部12を把持する親指及び人差し指の指先は、対象者の皮膚側(図4の下側)に動かし易く、指先を用いて対象者に対して手技を行うことが容易となる。
【0018】
フランジ部13は、ハンドル部12の上端面において、ハンドル部12が施術者の親指及び人差し指で把持される状況において親指及び人差し指の付け根に当接する位置(図4に示すハンドル部12の上端面の左側の位置)に設けられる。これにより、施術者がハンドル部12を把持したときに、親指及び人差し指がハンドル部12から抜けることが防止される。
【0019】
なお、フランジ部13は、ハンドル部12の上端面のうち、親指及び人差し指の付け根に当接する位置だけに設けられるものではなく、親指及び人差し指全体にも当接するように、ハンドル部12の上端面の全面に形成されるものであってもよい。また、フランジ部13は、ハンドル部12を親指及び人差し指で把持したときに、これらの指がハンドル部12から抜けることが防止されるものであればよく、その形状は、どのようなものであってもよい。
【0020】
環状部14は、基台部11の底面と連続して基台部11の厚みと同程度に形成される。具体的には、図4に示すように、環状部14は、基台部11の右側に延在して形成される。これにより、超音波プローブ10を対象者の皮膚に接触させるときには、超音波を送受信する基台部11の底面だけではなく、環状部14の底面も接触するので、超音波プローブ10の安定性が向上する。なお、図4に示す基台部11の右側は、超音波プローブ1が施術者の親指及び人差し指で把持される状況において、親指及び人差し指の指先が位置する側である。このため、施術者の親指及び人差し指は環状部14に位置することになる。ここで、図5に示すように、環状部14には、空間部140が形成されている。このため、施術者の親指及び人差し指の指先は、空間部140に位置することになり、施術者は、親指及び人差し指の指先を自由に動かすことが可能となる。
【0021】
なお、上述した超音波プローブ10は、不図示の超音波エコー測定装置本体と有線又は無線で接続されている。これにより、超音波プローブ10により測定された超音波エコーのデータが超音波エコー測定装置本体に送信される。また、超音波エコー測定に関する設定(例えば、エコーの強度、波長の調整等)は、超音波エコー測定装置本体に設けられてもよいが、超音波プローブ10に設けられる方が好ましい。具体的には、超音波エコー測定に関する設定を行うスイッチやダイヤル等の設定部は、フランジ部13に設けられるものとしてもよい。このようにすることで、施術者は、超音波エコー測定に際して、手元の超音波プローブ10を操作することで各種設定を行うことができるので、利便性を向上させることができる。
【0022】
次に、図8図9を参照して、超音波プローブ10の把持方法について説明する。
図8図9に示すように、施術者は、超音波プローブ10の基台部11の上面に左手の手のひらを当て、左手の親指及び人差し指でハンドル部12を包み込むようにして、超音波プローブ10を把持する。このとき、前述したように、ハンドル部12は、左手の親指側かつ指先側に傾いて形成されている。これにより、施術者がハンドル部12を親指及び人差し指で把持したときに、超音波プローブ10の操作性と安定性が向上し、超音波プローブ10の位置合わせ及び傾き(ピッチ方向、ロール方向、ヨー方向)の微調整を行うことが容易となる。また、ハンドル部12を把持する親指及び人差し指の指先を用いて手技を行うことが容易となる。
【0023】
なお、前述したように、基台部11の底面と環状部14の底面は連続して形成されている(図8参照)。このことによっても、超音波プローブ10を操作する際において、ピッチ方向の傾きの安定性を向上させることができる。
【0024】
また、前述したように、ハンドル部12の外径は、親指及び人差し指でハンドル部12を包み込むように把持したときに、親指及び人差し指の互いの指先が接触可能な長さに設定されている。このため、図8図9に示すように、ハンドル部12を親指及び人差し指で把持したときに、親指及び人差し指の指先は環状部14の空間部140上に位置させることが可能となる。このため、施術者は、親指及び人差し指の指先を自由に動かすことができ、超音波プローブ10を把持した手の親指及び人差し指を用いて、注射針、穿刺針、カテーテル、針灸用針等の針型施術具のガイド等の手技を行うことが可能となる。また、環状部14によって、注射針、穿刺針、カテーテル、針灸用針等の他の針型施術具と干渉することがないので、超音波プローブ10を把持した手を用いた手技をより容易に行うことができる。また、ハンドル部12は、指先側に傾いて形成されているので、ハンドル部12を把持する親指及び人差し指の指先は、空間部140を介して対象者の皮膚側に動かし易く、指先を用いて対象者に対して手技を行うことが容易となる。
【0025】
上記したように、本実施形態の超音波プローブ10によれば、超音波プローブ10を操作して超音波エコー測定装置本体のモニタを観察しながら、注射針、穿刺針、カテーテル、針灸用針等の針型施術具の位置と、患者の施術部位との相対位置を把握することができ、超音波プローブ10を把持した手の親指及び人差し指を用いて、針型施術具の位置を正確にガイドし、高い精度の手技を行うことができる。したがって、例えば、静脈に針を入れることが難しい対象者の点滴や、正確かつ安全に目標部位に到達させなくてはならないカテーテル治療、鍼灸の施術など、難易度の高い様々な手技を、比較的容易に行うことが可能となる。以上のように、本実施形態の超音波プローブ10によれば、施術者が一方の手で超音波プローブ10を把持しながら、超音波プローブ10を把持した手の指を用いて手技を行うことが可能となる。
【0026】
なお、注射針、穿刺針、カテーテル、針灸用針等の針型施術具に超音波発信素子を設け、超音波発信素子からの発信データが超音波エコー測定装置本体に送信されるものとしてもよい。この場合、針型施術具は、超音波を発することで、超音波エコー測定装置本体のモニタにその存在及び位置が明確に表示されるので、難易度の高い様々な手技を、さらに容易に行うことが可能となる。
【0027】
図10は、針型施術具に超音波発信素子を設ける一例を示す図である。図10に示すように、針型施術具の一例である注射器21には超音波発信素子20が設けられる。具体的には、超音波発信素子20は、注射器21の注射針22の付け根側(注射筒側)に取り付けられることにより、注射針22の位置が明確になるとともに超音波発信素子20に妨げられることなく注射針22の先端を対象者の皮膚に挿通させることが可能となる。また、超音波発信素子20を備える注射器21を本実施形態の超音波プローブ10とともに用いることで、注射針22は、環状部14の空間部140を通して対象者の皮膚に挿通させることができる。このため、超音波プローブ10の操作とともに難易度の高い手技を行うことが可能となる。
【0028】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0029】
例えば、上記した実施形態において、超音波プローブ10は、環状部14を備えなくてもよい。このようにしても、ハンドル部12の外径は、親指及び人差し指でハンドル部12を包み込むように把持したときに、親指及び人差し指の互いの指先が接触可能な長さに設定され、ハンドル部12は指先側に傾斜しているため、親指及び人差し指の指先を自由に動かして針型施術具のガイド等の手技を行うことができる。このため、超音波プローブ10を把持した手の親指及び人差し指を用いて、針型施術具のガイド等の手技を容易に行うことが可能となる。
【0030】
また例えば、上記した実施形態において、超音波プローブ10は、左手で把持されるものとして説明したが、右手で把持されるものであってもよい。この場合には、ハンドル部12は、施術者の右手の親指及び人差し指で把持される状況において、右手の指先側の方向かつ親指側の方向に傾斜して形成されるものとすればよい。
【0031】
また例えば、上記した実施形態において、ハンドル部12の形状は略円柱状に形成されるものとしたが、これに限るものではない。具体的には、施術者がハンドル部12を親指及び人差し指で把持したときに、親指及び人差し指の互いの指先が接触可能となるようなハンドル部12の外径が設定されていればよく、ハンドル部12の形状は、例えば略六角柱状であってもよい。
【0032】
また例えば、上記した実施形態において、超音波プローブ10の各構成要素の材質等については言及しなかったが、どのようなものであってもよく、例えば滑りにくいシリコン樹脂によって形成されるものであってもよい。また、各構成要素の材質は別々であってもよいし、同じであってもよく、これらは個別に形成されてもよいし、一体形成されてもよい。
【0033】
以上を換言すると、本発明が適用される超音波プローブは、次のような構成を有する各種各様の実施形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される超音波プローブ(例えば、超音波プローブ10)は、
超音波エコー測定のために施術者によって使用される超音波プローブであって、
底面に超音波放射部及び超音波受信部を備えた基台部(例えば、基台部11)と、
施術者の片手の親指及び人差し指で把持されるハンドル部(例えば、ハンドル部12)と、
前記ハンドル部の上方に設けられるフランジ部(例えば、フランジ部13)と、を備え、
前記ハンドル部は、
前記基台部から上方に伸びるとともに、当該ハンドル部が施術者の親指及び人差し指で把持される状況において親指側かつ指先側に傾いて形成され、
当該ハンドル部が施術者の親指及び人差し指で把持される状況において親指及び人差し指の互いの指先が接触可能な外径に形成され、
前記フランジ部は、前記ハンドル部が施術者の親指及び人差し指で把持される状況において指の付け根に当接する位置に形成される、ものであれば足りる。
これによれば、超音波プローブの操作性を向上させるとともに、超音波プローブを把持した手の指先を用いて手技を行うことが可能となる。
【0034】
また、本発明が適用される超音波プローブは、以下のような構成をさらに備えるものであってもよい。
即ち、中央に空間部(例えば、空間部140)を有する環状部(例えば、環状部14)をさらに備え、
前記環状部は、前記ハンドル部が施術者の親指及び人差し指で把持される状況において、前記空間部に施術者の指先が位置するように前記基台部の指先側に延在する、ものであってもよい。
これによれば、環状部によって超音波プローブの安定性を向上させるとともに、環状部の空間部によって超音波プローブを把持した手の指先を用いて手技を行うことが可能となる。
【0035】
また、本発明が適用される超音波プローブは、以下のような構成をさらに備えるものであってもよい。
即ち、前記フランジ部には、超音波エコー測定に関する設定を行う設定部が設けられる、ものであってもよい。
これによれば、手元の超音波プローブに設定部が設けられるので、超音波エコー測定の利便性を向上させることができる。
【0036】
また、本発明が適用される超音波プローブとともに使用される針型施術具は、超音波発信素子を備えるものであってもよい。
これによれば、針型施術具の存在位置を明確に把握することができるので、超音波プローブを把持しながら、針型施術具を用いた手技として難易度の高い手技を行うことが容易となる。
なお、上記した超音波発信素子を備える針型施術具は、本発明が適用される超音波プローブに限らず、他の超音波プローブとともに使用されるものであってもよいし、単独で使用されるものであってもよい。例えば、上記した超音波発信素子を備える針型施術具を他の超音波プローブ(例えば、従来の超音波プローブ)とともに用いたとしても、針型施術具の存在位置を明確に把握できるので、従来よりも針型施術具の操作を容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0037】
1・・・従来の超音波プローブ、2・・・先端面、3・・・ガイド、10・・・超音波プローブ、11・・・基台部、12・・・ハンドル部、13・・・フランジ部、14・・・環状部、140・・・空間部、20・・・超音波発信素子、21・・・注射器、22・・・注射針
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10