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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-14
(45)【発行日】2022-03-23
(54)【発明の名称】異常検出装置および異常検出方法
(51)【国際特許分類】
   G01M 13/02 20190101AFI20220315BHJP
【FI】
G01M13/02
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018058113
(22)【出願日】2018-03-26
(65)【公開番号】P2019168412
(43)【公開日】2019-10-03
【審査請求日】2021-02-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000102692
【氏名又は名称】NTN株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山口 宗
【審査官】岡村 典子
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-161476(JP,A)
【文献】特開2007-101244(JP,A)
【文献】特開昭56-012533(JP,A)
【文献】国際公開第2016/013201(WO,A1)
【文献】特開2017-096836(JP,A)
【文献】特開2010-019830(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 13/00-13/045、99/00
G01H 1/00-17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボールねじを含む対象装置に設置された振動センサを用いて、前記対象装置の異常の有無を判定する異常検出装置であって、
前記ボールねじを連続して動作させる期間に前記振動センサによって計測された振動データに対してエンベロープ処理ならびに時間領域および振幅領域の正規化処理を行なうことにより、振動の時間変化を示す波形データを生成する生成部と、
前記対象装置が正常であるときに前記生成部によって生成された基準波形データで示される波形に対する、前記対象装置の異常の有無を判定するときに前記生成部によって生成された判定対象波形データで示される波形の乖離度を算出し、前記乖離度に基づいて前記対象装置に異常が生じているか否かを判定する判定部を備え
前記判定部は、前記乖離度が第1しきい値を超え、かつ、前記正規化処理を行なう前の前記振動データの実効値が第2しきい値を超える場合に前記対象装置に異常が生じていると判定する、異常検出装置。
【請求項2】
前記対象装置は、ボールねじ軸と、前記ボールねじ軸に螺合されたナットと、前記ボールねじ軸の一方端を回転可能に支持する固定側サポートユニットと、前記ボールねじ軸の他方端を回転可能に支持する支持側サポートユニットとを備え、
前記振動センサは、前記ナット、前記固定側サポートユニットおよび前記支持側サポートユニットの少なくとも1つに設置される、請求項1に記載の異常検出装置。
【請求項3】
ボールねじを含む対象装置に設置された振動センサを用いて、前記対象装置の異常の有無を判定する異常検出装置であって、
前記ボールねじを連続して動作させる期間に前記振動センサによって計測された振動データに対してエンベロープ処理ならびに時間領域および振幅領域の正規化処理を行なうことにより、振動の時間変化を示す波形データを生成する生成部と、
前記対象装置が正常であるときに前記生成部によって生成された基準波形データで示される波形に対する、前記対象装置の異常の有無を判定するときに前記生成部によって生成された判定対象波形データで示される波形の乖離度を算出し、前記乖離度に基づいて前記対象装置に異常が生じているか否かを判定する判定部を備え、
前記ボールねじは、ボールねじ軸と、前記ボールねじ軸に螺合されたナットとを有し、
前記判定部は、前記判定対象波形データで示される波形の中から前記基準波形データで示される波形と異なる部分を特定し、特定した部分に対応する振動を前記振動センサが計測したときの前記ナットの位置に基づいて、前記ボールねじにおける異常が生じている位置を推定する、異常検出装置。
【請求項4】
前記生成部は、前記エンベロープ処理が行なわれた前記振動データに対して、前記正規化処理を行なう前にローパスフィルタ処理を行なう、請求項1または3に記載の異常検出装置。
【請求項5】
前記生成部は、前記対象装置が正常であるときに複数の基準候補波形データを生成し、
前記複数の基準候補波形データは、前記対象装置の運転条件が互いに異なる状態において生成され、
前記判定部は、異常の有無を判定するときの前記対象装置の運転条件に応じて、前記複数の基準候補波形データの中の1つを前記基準波形データとして選択する、請求項1または3に記載の異常検出装置。
【請求項6】
前記判定部は、前記基準波形データで示される波形と前記判定対象波形データで示される波形との差分の積分値を前記乖離度として算出する、請求項1または3に記載の異常検出装置。
【請求項7】
ボールねじを含む対象装置に設置された振動センサを用いて、前記対象装置の異常の有無を判定する異常検出方法であって、
前記ボールねじを連続して動作させる期間に前記振動センサによって計測された振動データに対してエンベロープ処理ならびに時間領域および振幅領域の正規化処理を行なうことにより、振動の時間変化を示す波形データを生成するステップと、
前記対象装置が正常であるときに生成された基準波形データで示される波形に対する、前記対象装置の異常の有無を判定するときに生成された判定対象波形データで示される波形の乖離度を算出し、前記乖離度に基づいて前記対象装置に異常が生じているか否かを判定するステップとを備え、
前記判定するステップは、前記乖離度が第1しきい値を超え、かつ、前記正規化処理を行なう前の前記振動データの実効値が第2しきい値を超える場合に前記対象装置に異常が生じていると判定するステップを含む、異常検出方法。
【請求項8】
ボールねじを含む対象装置に設置された振動センサを用いて、前記対象装置の異常の有無を判定する異常検出方法であって、
前記ボールねじを連続して動作させる期間に前記振動センサによって計測された振動データに対してエンベロープ処理ならびに時間領域および振幅領域の正規化処理を行なうことにより、振動の時間変化を示す波形データを生成するステップと、
前記対象装置が正常であるときに生成された基準波形データで示される波形に対する、前記対象装置の異常の有無を判定するときに生成された判定対象波形データで示される波形の乖離度を算出し、前記乖離度に基づいて前記対象装置に異常が生じているか否かを判定するステップとを備え
前記ボールねじは、ボールねじ軸と、前記ボールねじ軸に螺合されたナットとを有し、
前記判定するステップは、前記判定対象波形データで示される波形の中から前記基準波形データで示される波形と異なる部分を特定し、特定した部分に対応する振動を前記振動センサが計測したときの前記ナットの位置に基づいて、前記ボールねじにおける異常が生じている位置を推定するステップを含む、異常検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボールねじを含む対象装置の異常検出装置および異常検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、回転機械に取り付けた振動センサから得られた振動データを解析することにより、回転機械の異常を検出する方法が知られている。たとえば、特開2006-133162号公報(特許文献1)には、転がり軸受に生じた異常(たとえば損傷)が進展するにつれて振動の大きさ(振動レベル)が増大する傾向を利用して、転がり軸受の異常を検出する方法が開示されている。特開2013-257253号公報(特許文献2)には、ボールねじを含む対象装置に取り付けた振動センサによって計測された振動データからボールねじの異常検出周波数の振動データを濾波することにより、ボールねじの異常を検出する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-133162号公報
【文献】特開2013-257253号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ボールねじを含む対象装置に取り付けた振動センサによって計測された振動データには、ボールねじが備えるナットの固有振動のデータが含まれる。ナットの固有振動の影響により、ある周波数以上の振動データは、異常の有無によって変化がほとんど見られない。そのため、ボールねじの異常に起因する周波数帯とナットの固有振動による周波数帯とが重なる場合、特開2013-257253号公報に記載の周波数解析による異常検出方法では、ボールねじの異常を精度良く検出することができない。
【0005】
さらに、ボールねじに生じる振動は、ボールねじにかかる負荷、温度などの環境条件に依存する。すなわち、振動レベルは、環境条件に応じて変化する。そのため、特開2006-133162号公報に記載の技術をボールねじの異常の検出方法に適用しただけでは、ボールねじの異常を精度良く検出することができない。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、ボールねじの異常を精度良く検出することが可能な異常検出装置および異常検出方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の異常検出装置は、ボールねじを含む対象装置に設置された振動センサを用いて、対象装置の異常の有無を判定する。異常検出装置は、生成部と判定部とを備える。生成部は、ボールねじを連続して動作させる期間に振動センサによって計測された振動データに対してエンベロープ処理ならびに時間領域および振幅領域の正規化処理を行なうことにより、振動の時間変化を示す波形データを生成する。判定部は、対象装置が正常であるときに生成部によって生成された基準波形データで示される波形に対する、対象装置の異常の有無を判定するときに生成部によって生成された判定対象波形データで示される波形の乖離度を算出する。判定部は、乖離度に基づいて対象装置に異常が生じているか否かを判定する。
【0008】
好ましくは、対象装置は、ボールねじ軸と、ボールねじ軸に螺合されたナットと、ボールねじ軸の一方端を回転可能に支持する固定側サポートユニットと、ボールねじ軸の他方端を回転可能に支持する支持側サポートユニットとを備える。振動センサは、ナット、固定側サポートユニットおよび支持側サポートユニットの少なくとも1つに設置される。
【0009】
好ましくは、生成部は、エンベロープ処理が行なわれた振動データに対して、正規化処理を行なう前にローパスフィルタ処理を行なう。
【0010】
好ましくは、判定部は、乖離度が第1しきい値を超え、かつ、正規化処理を行なう前の振動データの実効値が第2しきい値を超える場合に対象装置に異常が生じていると判定する。
【0011】
好ましくは、生成部は、対象装置が正常であるときに複数の基準候補波形データを生成する。複数の基準候補波形データは、対象装置の運転条件が互いに異なる状態において生成される。判定部は、異常の有無を判定するときの対象装置の運転条件に応じて、複数の基準候補波形データの中の1つを基準波形データとして選択する。
【0012】
好ましくは、判定部は、基準波形データで示される波形と判定対象波形データで示される波形との差分の積分値を乖離度として算出する。
【0013】
好ましくは、ボールねじは、ボールねじ軸と、ボールねじ軸に螺合されたナットとを有する。判定部は、判定対象波形データで示される波形の中から基準波形データで示される波形と異なる部分を特定し、特定した部分に対応する振動を振動センサが計測したときのナットの位置に基づいて、ボールねじにおける異常が生じている位置を推定する。
【0014】
本開示の別の局面に係る異常検出方法は、ボールねじを含む対象装置に設置された振動センサを用いて、対象装置の異常の有無を判定する。異常検出方法は、以下の2つのステップを備える。1つ目のステップは、ボールねじを連続して動作させる期間に振動センサによって計測された振動データに対してエンベロープ処理ならびに時間領域および振幅領域の正規化処理を行なうことにより、振動の時間変化を示す波形データを生成するステップである。2つ目のステップは、対象装置が正常であるときに生成された基準波形データで示される波形に対する、対象装置の異常の有無を判定するときに生成された判定対象波形データで示される波形の乖離度を算出し、乖離度に基づいて対象装置に異常が生じているか否かを判定するステップである。
【発明の効果】
【0015】
本開示の異常検出装置および異常検出方法によれば、ボールねじの異常を精度良く検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施の形態1に係る異常検出システムを示す図である。
図2】基準波形データの生成処理の流れを示すフローチャートである。
図3】対象装置の異常の検出処理の流れを示すフローチャートである。
図4】基準波形データおよび判定対象波形データの一例を示す図である。
図5】基準波形データおよび判定対象波形データの別の例を示す図である。
図6】実施の形態2に係る異常検出装置における、加速度の実効値および乖離度と判定結果との対応関係を示す図である。
図7】変形例2の生成部が生成した正常波形データで示される画像の一例を示す図である。
図8】変形例2の生成部が生成した判定対象波形データで示される画像の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。また、以下で説明する実施の形態および変形例は、適宜選択的に組み合わされてもよい。
【0018】
[実施の形態1]
(ボールねじの異常検出システム)
図1は、本発明の実施の形態1に係る異常検出システムを示す図である。実施の形態1に係る異常検出システムは、異常検出装置1と、対象装置2と、コントローラ3と、振動センサ4とを備える。
【0019】
対象装置2は、異常検出装置1による異常検出の対象となる装置である。対象装置2は、ボールねじ20と、固定側サポートユニット23と、支持側サポートユニット24と、ボールねじ軸21を回転させるモータ25とを備える。
【0020】
ボールねじ20は、ボールねじ軸21と、複数の図示しないボールを介してボールねじ軸21に螺合されたナット22とを有する。
【0021】
固定側サポートユニット23は、ボールねじ軸21の一方端を回転可能に支持するとともに、ボールねじ軸21の軸方向の位置を固定する固定側軸受である。固定側サポートユニット23は、たとえばスラストアンギュラ玉軸受である。支持側サポートユニット24は、ボールねじ軸21の他方端を回転可能かつ軸方向に移動可能に支持する支持側軸受である。支持側サポートユニット24は、たとえば深溝玉軸受である。
【0022】
コントローラ3は、上位の制御ユニットからの指令に基づいて、ナット22を現在位置から指定位置まで移動させるためにモータ25に電流を印加するタイミング信号を生成し、生成したタイミング信号に従ってモータ25に電流を印加する。具体的には、コントローラ3は、タイミング信号がアクティブであるときにモータ25に電流を印加する。コントローラ3は、ナット22の現在位置から指定位置までの距離とナット22の移動速度とに応じた時間だけアクティブとなるタイミング信号を生成する。コントローラ3は、タイミング信号を生成するたびに、生成したタイミング信号を異常検出装置1に出力する。
【0023】
コントローラ3は、上位の制御ユニットからの指令に基づいて、モータ25に流す電流値を変化させてもよい。モータ25に流れる電流が変化することにより、ナット22の移動速度が変化する。
【0024】
振動センサ4は、固定側サポートユニット23のハウジングに設置され、振動を計測する。振動センサ4は、振動の大きさを示す加速度を振動データとして計測し、計測した振動データを異常検出装置1に出力する。
【0025】
異常検出装置1は、振動センサ4によって計測された振動データに基づいて、対象装置2の異常を検出する。異常検出装置1は、たとえばCPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)とによって構成される。なお、これらの部位は、内部バスを介して互いに接続される。CPUは、ROMに格納されているプログラムをRAMなどに展開して実行する。ROMに格納されるプログラムは、異常検出装置1の処理方法が記されたプログラムである。異常検出装置1は、生成部10と、記憶部13と、判定部14とを備える。生成部10および判定部14は、CPUによって構成される。記憶部13は、ROMまたはRAMによって構成される。
【0026】
生成部10は、ボールねじ20を連続して動作させる期間の開始時から終了時まで振動センサ4によって計測された振動(加速度)の時間変化を示す波形データを生成する。生成部10は、データ取得部11とデータ処理部12とを含む。波形データは、ボールねじ20を連続して動作させる期間の開始時からの経過時間と加速度とが対応付けられたCSV(Comma Separated Values)形式のデータである。
【0027】
データ取得部11は、コントローラ3から受けたタイミング信号が連続してアクティブである期間ごとに、当該期間の開始時から終了時までに振動センサ4によって計測された振動データを取得する。
【0028】
データ処理部12は、データ取得部11によって取得された振動データに対して、エンベロープ処理(包絡線処理)、ローパスフィルタ処理、ならびに、時間領域および振幅領域の正規化処理を行なうことにより、上記の波形データを生成する。
【0029】
記憶部13は、対象装置2が正常であるときに生成部10によって生成された基準波形データを記憶する。
【0030】
判定部14は、基準波形データで示される基準波形に対する、対象装置2の異常の有無を判定するときに生成部10によって生成された判定対象波形データで示される判定対象波形の乖離度を算出する。判定部14は、算出した乖離度が予め定められた第1しきい値Th1を超える場合に対象装置2に異常が生じていると判定する。判定部14は、判定結果を出力する。たとえば、判定部14は、図示しない表示装置に判定結果を表示する。
【0031】
(基波波形データの生成処理)
図2を参照して基準波形データの生成処理の流れについて説明する。図2は、基準波形データの生成処理の流れを示すフローチャートである。
【0032】
まずステップS1において、データ取得部11は、対象装置2が正常であるときにタイミング信号が連続してアクティブである期間の振動データを振動センサ4から取得する。振動データは、タイミング信号が連続してアクティブである期間の開始時からの経過時間と、振動センサ4によって計測された加速度とを対応付けたCSV形式のデータである。
【0033】
次にステップS2において、データ処理部12は、振動データに対してエンベロープ処理を実行することにより、エンベロープ波形データを生成する。エンベロープ処理とは、振動データで示される波形の負の部分を正に反転させ、包絡線を形成する処理であり、振動データで示される波形の振幅の外形を抽出する処理である。
【0034】
次にステップS3において、データ処理部12は、エンベロープ波形データから高周波成分をローパスフィルタを用いて取り除くローパスフィルタ処理を実行する。これにより、エンベロープ波形データに含まれるノイズ成分と微小区間における振動の変化とが除去される。その結果、エンベロープ波形データで示されるエンベロープ波形がスムージングされる。
【0035】
次にステップS4において、データ処理部12は、フィルタ処理が施されたエンベロープ波形データを時間領域で正規化する。具体的には、データ処理部12は、タイミング信号が連続してアクティブである期間の開始時からの経過時間を当該期間の時間長さで割る。
【0036】
次にステップS5において、データ処理部12は、時間領域で正規化されたエンベロープ波形データに対して、振幅領域で正規化する。具体的には、データ処理部12は、時間領域で正規化されたエンベロープ波形データで示される加速度を、当該エンベロープ波形データで示される加速度の最大値で割る。
【0037】
ステップS6において、データ処理部12は、ステップS5で得られたデータを基準波形データとして記憶部13に格納する。
【0038】
基準波形データの生成処理(ステップS1~S6)は、対象装置2の異常の有無を判定する処理を行なう前に予め実行される。たとえば、対象装置2を新規に設置したタイミング、または、対象装置2のメンテナンスを行なったタイミングで実行される。
【0039】
なお、生成部10は、対象装置2が正常であるときにステップS1~S6を複数回実行することによって複数の正規化された波形データを生成し、これらの平均データを基準波形データとしてもよい。
【0040】
(対象装置の異常の検出処理)
図3を参照して、対象装置2の異常の検出処理の流れについて説明する。図3は、対象装置2の異常の検出処理の流れを示すフローチャートである。
【0041】
まずステップS11において、データ取得部11は、対象装置2の異常の有無の判定するときにタイミング信号が連続してアクティブである期間の振動データを振動センサ4から取得する。データ処理部12は、振動データに対して、エンベロープ処理(ステップS12)、ローパスフィルタ処理(ステップS13)、時間領域の正規化処理(ステップS14)および振幅領域の正規化処理(ステップS15)を順に実行して、判定対象波形データを生成する。ステップS12~S15の処理は、上記のステップS2~S5とそれぞれ同一である。そのため、ステップS12~S15の処理の詳細な説明を省略する。
【0042】
次にステップS16において、判定部14は、記憶部13に格納された基準波形データで示される基準波形に対する、ステップS15によって得られた判定対象波形データで示される判定対象波形の乖離度を算出する。判定部14は、基準波形データと判定対象波形データとの差分の積分値を乖離度として算出する。
【0043】
次にステップS17において、判定部14は、算出した乖離度と第1しきい値Th1とを比較することにより、対象装置2に異常が生じているか否かを判定する。具体的には、判定部14は、乖離度が第1しきい値Th1を超える場合に対象装置2に異常が生じていると判定し、乖離度が第1しきい値Th1以下である場合に対象装置2が正常である判定する。
【0044】
(検出処理の例)
図4は、基準波形データおよび判定対象波形データの一例を示す図である。図4の左側には、対象装置2に損傷がなく正常であるときに生成部10によって生成された基準波形データWc1が示される。図4の右側には、対象装置2に損傷があるときに生成部10によって生成された判定対象波形データWc2が示される。
【0045】
データ処理部12は、対象装置2が正常であるときにデータ取得部11が取得した振動データWa1に対してエンベロープ処理およびローパスフィルタ処理を行なうことにより、スムージングされたエンベロープ波形データWb1を生成する。データ処理部12は、エンベロープ波形データWb1に時間領域および振幅領域の正規化処理を行なうことにより、基準波形データWc1を生成する。
【0046】
同様に、データ処理部12は、対象装置2を診断するときにデータ取得部11が取得した振動データWa2に対してエンベロープ処理およびローパスフィルタ処理を行なうことにより、スムージングされたエンベロープ波形データWb2を生成する。データ処理部12は、エンベロープ波形データWb2に時間領域および振幅領域の正規化処理を行なうことにより、判定対象波形データWc2を生成する。
【0047】
振動センサ4から出力される振動データは、ボールねじの環境条件(負荷、温度、潤滑状態など)に応じてわずかに変化する。しかしながら、ローパスフィルタ処理および正規化処理を行なうことにより、基準波形データWc1および判定対象波形データWc2は、このような動作環境に応じたわずかな変化の成分をほとんど含まない。ただし、対象装置2に損傷が生じているときのデータで示される各波形は、対象装置2が正常であるときのデータで示される波形と異なる部分Pを有する。部分Pの大きさは、対象装置2の損傷の大きさに比例する。そのため、判定部14は、基準波形データWc1と判定対象波形データWc2との差分領域D1の面積(差分の積分値)を乖離度として算出し、乖離度と第1しきい値Th1とを比較することにより、対象装置2の異常の有無を判定することができる。
【0048】
図5は、基準波形データおよび判定対象波形データの別の例を示す図である。図5には、図4で示されるデータを生成したときよりもボールねじ軸21の回転速度が遅く、タイミング信号のアクティブの期間が長いときのデータが示される。図5の左側には、対象装置2に損傷がなく正常であるときの振動データWa3、スムージングされたエンベロープ波形データWb3および基準波形データWc3が示される。図5の右側には、対象装置2に損傷があるときの振動データWa4、スムージングされたエンベロープ波形データWb4および判定対象波形データWc4が示される。
【0049】
図5においても、対象装置2に損傷が生じているときのデータで示される各波形は、対象装置2が正常であるときのデータで示される波形と異なる部分Pを有する。そのため、判定部14は、基準波形データWc3と判定対象波形データWc4との差分領域D2の面積(差分の積分値)を乖離度として算出し、乖離度と第1しきい値Th1とを比較することにより、対象装置2の異常の有無を判定することができる。
【0050】
図4および図5に示されるように、タイミング信号のアクティブの期間の長さが異なっていたとしても、エンベロープ波形データを時間領域および振幅領域で正規化することにより、基準波形データWc1,Wc3で示される波形は、類似した形状となる。そのため、基準波形データWc1,Wc3を平均化したデータを共通の基準波形データとして用いてもよい。これにより、判定部14は、ボールねじ20を動作させる期間(タイミング信号のアクティブの期間)の長さが異なる場合でも、当該共通の基準波形データに対する判定対象波形データの乖離度を算出し、算出した乖離度に基づいて異常の有無を判定することができる。
【0051】
(利点)
以上のように、異常検出装置1は、生成部10と判定部14とを備える。生成部10は、ボールねじ20を連続して動作させる期間に振動センサ4によって計測された振動データに対してエンベロープ処理ならびに時間領域および振幅領域の正規化処理を行なうことにより、振動の時間変化を示す波形データを生成する。判定部14は、対象装置2が正常であるときに生成された基準波形データで示される基準波形に対する、対象装置2の異常の有無を判定するときに生成された判定対象波形データで示される判定対象波形の乖離度を算出する。判定部14、乖離度に基づいて対象装置2に異常が生じているか否かを判定する。
【0052】
上記の構成によれば、振動データに対してエンベロープ処理が実行されることにより、波形データが生成される。当該波形データで示される波形は、振動データの振幅の時間変化を示す。対象装置2に何等かの異常が生じると、当該異常に起因して振動データの振幅に変化が見られる。特に、ボールねじは移動するナットを有しているため、ナットの位置に応じて振幅に変化が見られる。つまり、異常が生じている箇所にナットが位置しているときには振幅の変化が大きくなる。そのため、対象装置2に異常が生じているときの波形データで示される波形は、対象装置2が正常であるときの波形データで示される波形から部分的に変化する。したがって、基準波形に対する判定対象波形の乖離度に基づいて、対象装置2の異常を精度良く検出することができる。また、ボールねじ20の部分的な異常も安定して検出することができる。
【0053】
特開2006-133162号公報に記載の技術では、振動データを周波数解析しているため、ナットの固有振動の周波数帯域の影響を考慮する必要がある。しかしながら、上記の構成によれば、振幅の時間変化を示す波形データに基づいて異常の有無が判定されるため、ナットの固有振動による制限を受けない。そのため、対象装置2の異常を精度良く検出することができる。
【0054】
さらに、振動データに対して時間領域および振幅領域の正規化処理を行なうことにより、波形データが生成される。これにより、対象装置2の環境条件(負荷、温度、潤滑状態など)の変動による振動への影響を抑制することができる。その結果、対象装置2の異常を精度良く検出することができる。
【0055】
生成部10は、エンベロープ処理が行なわれた振動データに対して、正規化処理を行なう前にローパスフィルタ処理を行なう。これにより、エンベロープ処理が行なわれた振動データに含まれるノイズ成分と微小区間における振動の変化とを除去することができる。
【0056】
判定部14は、基準波形データで示される基準波形と判定対象波形データで示される判定対象波形との差分の積分値を乖離度として算出する。これにより、容易に乖離度を算出することができる。
【0057】
[実施の形態2]
上記の実施の形態1では、判定部14は、乖離度のみに基づいて対象装置2の異常の有無を判定した。これに対し、実施の形態2に係る異常検出装置1の判定部14は、ローパスフィルタ処理されたエンベロープ波形データで示される振動(加速度)の実効値と、上記の乖離度とに基づいて、対象装置2の異常の有無を判定する。
【0058】
図6は、実施の形態2に係る異常検出装置における、加速度の実効値および乖離度と判定結果との対応関係を示す図である。
【0059】
ローパスフィルタ処理されたエンベロープ波形データで示される加速度の実効値は、振動の大きさ(振動レベル)を表している。加速度の実効値が十分に小さいときには、対象装置2に異常が生じている可能性は低い。そこで、図6に示されるように、判定部14は、乖離度が第1しきい値Th1を超え、かつ、正規化処理を行なう前のエンベロープ波形データにおける加速度の実効値が第2しきい値Th2を超える場合に、対象装置2に異常が生じていると判定する。
【0060】
逆に、ローパスフィルタ処理されたエンベロープ波形データにおける加速度の実効値が十分に大きい場合には、対象装置2に何等かの異常が生じている可能性が高い。そこで、図6に示されるように、判定部14は、乖離度の値にかかわらず、ローパスフィルタ処理されたエンベロープ波形データにおける加速度の実効値が第3しきい値Th3を超える場合に、対象装置2に異常が生じていると判定する。第3しきい値Th3は、第2しきい値Th2よりも大きい。
【0061】
このように、実施の形態2に係る異常検出装置1によれば、判定部14は、乖離度が第1しきい値Th1を超え、かつ、エンベロープ波形データの実効値が第2しきい値Th2を超える場合に対象装置2に異常が生じていると判定する。これにより、対象装置2の異常の有無をより精度良く判定することができる。
【0062】
[実施の形態3]
実施の形態3に係る異常検出装置1は、複数の基準候補波形データを予め記憶しておき、異常の有無を判定するときの対象装置2の運転条件に応じて複数の基準候補波形データの中の1つを基準波形データとして選択する。
【0063】
図4および図5に示されるように、ボールねじ20を動作させる期間の違いが小さい場合には、それぞれの期間で生成された基準波形データは類似する。しかしながら、対象装置2の運転条件(ナット22の移動距離、移動速度など)が大きく異なる場合には波形データも変化する。たとえば、対象装置2が製造ラインの一部として適用される場合、製造する製品の型式に応じて、対象装置2の運転条件が大きく異なることがある。以下、対象装置2が製造ラインに適用された場合を例にとり説明する。
【0064】
実施の形態3に係る異常判定システムにおいて、コントローラ3は、上位の制御ユニットから指示された製品の型式に従って、対象装置2の運転条件を決定し、決定した運転条件に応じてモータ25を駆動する。コントローラ3は、制御ユニットから指示された製品の型式を示す型式情報を異常検出装置1に出力する。
【0065】
生成部10は、対象装置2が正常であるときに複数の基準候補波形データを生成し、生成した複数の基準候補波形データを記憶部13に格納する。複数の基準候補波形データは、ボールねじ20の運転条件が互いに異なる状態において生成される。生成部10は、コントローラ3から受けた型式情報と対応付けて各基準候補波形データを記憶部13に格納する。なお、型式情報は、対象装置2の運転条件を間接的に示す情報である。
【0066】
判定部14は、記憶部13に記憶された複数の基準候補波形データの中から、コントローラ3から受けた型式情報に対応する1つの基準候補波形データを選択する。判定部14は、選択した基準候補波形データを基準波形データとして、当該基準波形データに対する判定対象波形データの乖離度を算出し、乖離度と第1しきい値Th1との比較結果に従って対象装置2の異常の有無を判定する。
【0067】
上記の構成によれば、運転条件に適した基準波形データを用いることができ、対象装置2の異常をより精度良く検出することができる。
【0068】
[実施の形態4]
実施の形態4に係る異常検出装置1の判定部14は、上記の処理に加えて、基準波形と判定対象波形との差に基づいて、ボールねじ20における異常が生じている位置を推定する。
【0069】
図4および図5に示されるように、判定対象波形データWc2,Wc4は、基準波形データWc1,Wc3とそれぞれ異なる部分Pを有することがある。この場合、部分Pに対応する振動が計測されたときにナット22と螺合しているボールねじ軸21の部位に損傷が生じている可能性が高い。そこで、実施の形態4の異常検出装置1は、以下のような処理を実行する。
【0070】
異常検出装置1は、コントローラ3から、タイミング信号とともに、ナット22の現在位置を示す位置信号を取得する。たとえば、対象装置2は、ナット22が基準位置に位置しているか否かを検出する図示しない位置センサを備えている。コントローラ3は、位置センサによってナット22が基準位置に位置していると検出されてからのボールねじ軸21の回転数に基づいて、位置信号を生成すればよい。
【0071】
判定部14は、判定対象波形データで示される判定対象波形の中から基準波形データで示される基準波形と異なる部分の振動を計測した時刻を特定する。たとえば、判定部14は、基準波形データと判定対象波形データとの差分が最大となる部分を計測した時刻を特定する。判定部14は、特定した時刻に受けた位置信号で示されるナット22の位置を、ボールねじ20における異常が生じている位置として推定する。判定部14は、推定結果を出力する。たとえば、判定部14は、図示しない表示装置に推定結果を表示する。
【0072】
実施の形態4によれば、ユーザは、ボールねじ20の異常の生じている箇所を容易に把握することができる。
【0073】
(変形例1)
上記の実施の形態1~4では、判定部14は、基準波形データと判定対象波形データとの差分の積分値を乖離度として算出した。しかしながら、判定部14は、別の方法により乖離度を算出してもよい。たとえば、判定部14は、基準波形データと判定対象波形データとの相関係数σを算出し、1-σを乖離度としてもよい。
【0074】
(変形例2)
上記の実施の形態1~4では、判定部14は、CSV形式の基準波形データとCSV形式の判定対象波形データとの差分の積分値を乖離度として算出した。しかしながら、生成部10は、基準波形データおよび判定対象波形データをN×M画素の画像データとして生成してもよい。
【0075】
データ処理部12は、図2に示すステップS4および図3に示すステップS14において、ローパスフィルタ処理がされたエンベロープ波形データをある時間単位で所定数N(たとえば256個)の区間に区分する。ある時間単位とは、タイミング信号が連続してアクティブである期間を所定数Nで分割した時間である。データ処理部12は、区間ごとに、エンベロープ波形データで示される加速度の平均値を算出する。
【0076】
さらに、図2に示すステップS5および図3に示すステップS15において、データ処理部12は、時間領域で正規化されたエンベロープ波形データで示される加速度を、当該エンベロープ波形データで示される加速度の最大値で割る。その後、データ処理部12は、全ての加速度をM倍(Mはたとえば256)するとともに、整数の値に丸める。これにより、データ処理部12は、N個の区間の各々と、正規化された加速度とを対応付けたデータを生成する。
【0077】
次に、データ処理部12は、以下のようにしてN×M画素の画像データを波形データとして生成する。すなわち、データ処理部12は、n番目の区間に対応する加速度がmである場合、座標(n,1)~座標(n,m)の画素値を1とし、座標(n,m+1)~座標(n,M)の画素値を0とする。なお、n番目の区間とは、タイミング信号が連続してアクティブである期間の開始時にn番目に近い区間である。
【0078】
図7は、変形例2の生成部10が生成した正常波形データで示される画像の一例を示す図である。図8は、変形例2の生成部10が生成した判定対象波形データで示される画像の一例を示す図である。図7および図8において、斜線部は、画素値が1である領域を示す。図7および図8に示されるように、波形データを画像データとすることにより、正常波形データで示される正常波形と判定対象波形データで示される判定対象波形との違いを視覚的に容易に確認することができる。
【0079】
判定部14は、判定対象波形データで示される第1画像のうち、正常波形データで示される第2画像と重ならない部分の面積を乖離度として算出する。もしくは、判定部14は、第1画像のうち第2画像と重ならない部分の第1面積と、第2画像のうち第1画像と重ならない部分の第2面積との合計値を乖離度として算出してもよい。
【0080】
(変形例3)
上記の実施の形態1~4では、振動センサ4は、固定側サポートユニット23に設置されるものとした。しかしながら、振動センサ4は、支持側サポートユニット24またはナット22に設置されてもよい。ただし、ナット22に振動センサ4を設置した場合、ナット22の移動によって、振動センサ4がナット22から外れる可能性がある。そのため、振動センサ4は、静止している固定側サポートユニット23または支持側サポートユニット24に設置することが好ましい。
【0081】
あるいは、固定側サポートユニット23、支持側サポートユニット24およびナット22の各々に振動センサ4を設置し、各振動センサ4からの振動データに基づいて対象装置2の異常を検出してもよい。これにより、固定側サポートユニット23、支持側サポートユニット24およびナット22のいずれの部位に異常が生じているかを特定しやすくなる。たとえば、固定側サポートユニット23に軸受損傷が生じている場合には、固定側サポートユニット23に設置された振動センサ4の振動レベルが他の振動センサ4の振動レベルよりも大きくなるため、固定側サポートユニット23に異常が生じていることを特定できる。
【0082】
(変形例4)
上記の実施の形態1~4では、コントローラ3は、対象装置2を動作させるためのタイミング信号を生成するたびに、生成したタイミング信号を異常検出装置1に出力するものとした。しかしながら、コントローラ3は、対象装置2を特定の動作パターンで動作させるためのタイミング信号のみを異常検出装置1に出力してもよい。特定の動作パターンは、ナット22を固定側サポートユニット23側の端部から支持側サポートユニット24側の端部まで一定速度で移動させるパターンであることが好ましい。これにより、ボールねじ軸21の部分的な異常を精度良く検出することができる。
【0083】
たとえば、コントローラ3は、対象装置2の起動時に、特定の動作パターンで動作させるためのタイミング信号に従って対象装置2を動作させるとともに、当該タイミング信号を異常検出装置1に出力すればよい。
【0084】
(変形例5)
異常検出装置1に上述した動作を実行させるためのプログラムが提供されてもよい。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM、RAMおよびメモリカードなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0085】
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
【0086】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明でなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0087】
1 異常検出装置、2 対象装置、3 コントローラ、4 振動センサ、10 生成部
11 データ取得部、12 データ処理部、13 記憶部、14 判定部、20 ボールねじ、21 ボールねじ軸、22 ナット、23 固定側サポートユニット、24 支持側サポートユニット、25 モータ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8