(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-14
(45)【発行日】2022-03-23
(54)【発明の名称】汚れ除去アクセサリ
(51)【国際特許分類】
D06F 43/00 20060101AFI20220315BHJP
A47L 25/08 20060101ALI20220315BHJP
B08B 3/08 20060101ALI20220315BHJP
【FI】
D06F43/00 A
A47L25/08
B08B3/08 A
(21)【出願番号】P 2019522308
(86)(22)【出願日】2017-10-31
(86)【国際出願番号】 EP2017077902
(87)【国際公開番号】W WO2018083092
(87)【国際公開日】2018-05-11
【審査請求日】2020-10-28
(32)【優先日】2016-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2017-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】プラヴェーン,カナン ウダヤパン
(72)【発明者】
【氏名】リアオ,イレ
(72)【発明者】
【氏名】リン,シェンホアイ カルヴィン
(72)【発明者】
【氏名】コウ,チエン-ピン エイドリアン
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ,リーホン
(72)【発明者】
【氏名】ジアン,ヨン
【審査官】渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-071867(JP,A)
【文献】特開2016-165527(JP,A)
【文献】特開2002-263042(JP,A)
【文献】特開2001-279573(JP,A)
【文献】特開昭63-039653(JP,A)
【文献】特表2001-507271(JP,A)
【文献】特表平11-503059(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0352366(US,A1)
【文献】米国特許第05649334(US,A)
【文献】米国特許第05846011(US,A)
【文献】米国特許第06602010(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F43/00-43/08
B08B 3/00- 3/14
A47L25/08
C11D11/00
C11D17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚れた領域を処理するために汚れ除去デバイスと協働する汚れ除去アクセサリであって、
汚れ除去材料を収容する透過性の容器と、
該容器を保持するホルダとを含み、
前記汚れ除去デバイスと協働するときに、前記汚れた領域の上に前記汚れ除去材料を放出するように構成され、
当該汚れ除去アクセサリは、汚れを除去するステップの間に第1の位置を取り、前記汚れた領域を濯ぐステップの間に第2の位置を取る、ように構成される、フラップフリップデバイスを定めることを特徴とする、
汚れ除去アクセサリ。
【請求項2】
汚れた領域を処理するために汚れ除去デバイスと協働する汚れ除去アクセサリであって、
汚れ除去材料を収容する透過性の容器と、
該容器を保持するホルダとを含み、
前記汚れ除去デバイスと協働するときに、前記汚れた領域の上に前記汚れ除去材料を放出するように構成され、
当該汚れ除去アクセサリは、
前記汚れ除去材料を収容する前記容器を配置するための第1の部分と、
貫通穴を含む第2の部分とを含み、
当該汚れ除去アクセサリは、前記汚れを除去するステップの間に第1の位置を取り、前記汚れた領域を濯ぐステップの間に第2の位置を取る、ように構成されることを特徴とする、
汚れ除去アクセサリ。
【請求項3】
前記ホルダは、前記汚れ除去デバイスからの熱を前記汚れた領域に移転するように構成される、請求項2に記載の汚れ除去アクセサリ。
【請求項4】
前記汚れ除去デバイスでの熱の生成をオンにするよう前記汚れ除去デバイスによって検出することができる容量性及び/又は抵抗性要素を更に含む、請求項2に記載の汚れ除去アクセサリ。
【請求項5】
前記容器は、複数の副区画を含み、各副区画は、汚れ除去材料を含む、請求項2乃至
4のうちのいずれか1項に記載の汚れ除去アクセサリ。
【請求項6】
当該汚れ除去アクセサリは、前記第1の位置及び前記第2の位置を取るよう回転可能である、請求項2乃至
5のうちのいずれか1項に記載の汚れ除去アクセサリ。
【請求項7】
前記ホルダは、少なくとも部分的に前記容器の周りに配置されるフレーム構造を含む、請求項1乃至
6のうちのいずれか1項に記載の汚れ除去アクセサリ。
【請求項8】
前記ホルダは、ハンドグリップを含む、請求項1乃至
7のうちのいずれか1項に記載の汚れ除去アクセサリ。
【請求項9】
請求項1乃至
8のうちのいずれか1項に記載の汚れ除去アクセサリ
と協働する手段を含む、汚れ除去デバイス。
【請求項10】
前記手段は、以下の構成、即ち、
- 前記汚れ除去材料を溶解するために並びに/或いは汚れが除去された後に前記汚れた領域を濯ぐために前記汚れ除去アクセサリに水を供給するためのタンク、
- 前記容器を通じる水の流れを可能にするよう、前記汚れ除去アクセサリが前記汚れ除去デバイスに連結されていることを検出するセンサ、
- 前記汚れ除去アクセサリを加熱する伝導性/誘導性の熱生成器、並びに
- ユーザ行為なしに前記熱生成器を自動的にオンにするよう、前記汚れ除去アクセサリの前記容量性及び/又は抵抗性要素との接触を検出するセンサ
のうちのいずれか1つを含む、
請求項
9に記載の汚れ除去デバイス。
【請求項11】
化学中和剤を収容する液体タンクを更に含む、請求項
9又は10に記載の汚れ除去デバイス。
【請求項12】
請求項
1又は2に記載の汚れ除去アクセサリ及び
請求項10に記載の汚れ除去デバイスによって衣服の上の汚れを処理する方法であって、
前記汚れ除去アセンブリを前記汚れ除去デバイスに連結するステップと、
前記容器中の前記汚れ除去材料を水で溶解するステップと、
該溶解させられた汚れ除去物質を前記衣服の上の前記汚れた領域に塗布するステップと、
一定の持続時間に亘って前記汚れた領域を加熱するステップとを含む、
方法。
【請求項13】
濯ぎ位置に達するよう前記汚れ除去アクセサリを位置決めするステップと、
濯ぎのために前記汚れに亘って一定量の水を投与するステップと、
乾燥のために前記汚れを加熱するステップとを更に含む、
請求項
12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、汚れ除去(染み除去)(stain removal)の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ユーザによって衣服の上に塗布される(spread)べき化学薬品で充填されたタンクを含む携帯用スティックアクセサリ(stick accessory)を使用することのように、化学薬品を介して衣服の汚れを処理することが知られている。
【0003】
それらの既知の解決策は、ユーザにとって便利でなく、幾つかのリスクを伴う、液体漂白化学薬品で容器を充填する必要をしばしば暗示する。
特開2016-065527号公報は、表面を撃つように構成される振動ヘッドと、流体容器と、流体容器から振動ヘッドに流体を提供するための供給チャネルとを有する、汚れ除去デバイスを開示している。
米国特許第2,987,906号明細書は、消火プロセスによって織物から汚れを除去する際の使用のための汚れ除去デバイスを開示している。
米国特許出願公開第2008/0222817号明細書は、2つの主要構成部品を利用して汚れを除去し得る汚れ除去システムを開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の問題を回避し或いは軽減する汚れ除去アクセサリを提案することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は独立項によって定義される。従属項は、利な実施形態を定義する。
【0006】
この目的を達成するために、本発明に従った汚れ除去アクセサリは、
- 汚れ除去材料を収容する容器と、
- 容器を保持するホルダとを含む。
【0007】
汚れ除去アクセサリは、汚れ除去デバイスと協働するときに汚れた領域の上に汚れ除去材料を放出するように構成される。
【0008】
この解決策は、便利で効率的な汚れ除去を可能にする。何故ならば、漂白化学薬品は、汚れ除去アクセサリ内に既に含められているからである。換言すれば、ユーザは汚れ除去アクセサリを操作する必要があるだけであり、それは便利で安全である。
【0009】
本発明は、上述のような汚れ除去アクセサリと協働する手段を含む汚れ除去デバイスにも関する。
【0010】
本発明は、上述のような汚れ除去アクセサリを使用して、上述のような汚れ除去デバイスによって衣服の上にある汚れを処理する方法にも関する。
【0011】
本発明の詳細な説明及び他の態様は以下に与えられる。
【0012】
本発明のこれらの及び他の態様は、以下に記載する(複数の)実施形態から明らかであり、それ(それら)を参照して明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1A】本発明に従った汚れ除去アクセサリ171と協働する汚れ除去デバイス1の概略側面図である。
【
図1B】本発明に従った汚れ除去デバイス1及び汚れ除去アクセサリ171の内部概略図である。
【
図13】本発明のある実施形態に従った汚れ除去デバイスの様々な概略斜視図である。
【
図14】過酸化ナトリウムからのH
2O
2の化学的形成を示している。
【
図15】TEADからのペルオキシ酸の化学的形成を示している。
【
図16】DOBAからのペルオキシ酸の化学的形成を示している。
【
図18A】本発明に従った汚れ除去アクセサリを備える汚れ除去デバイスの概略的な使用の例示のセットである。
【
図18B】本発明に従った汚れ除去アクセサリを備える汚れ除去デバイスの概略的な使用の例示のセットである。
【
図18C】本発明に従った汚れ除去アクセサリを備える汚れ除去デバイスの概略的な使用の例示のセットである。
【
図18D】本発明に従った汚れ除去アクセサリを備える汚れ除去デバイスの概略的な使用の例示のセットである。
【
図18E】本発明に従った汚れ除去アクセサリを備える汚れ除去デバイスの概略的な使用の例示のセットである。
【
図18F】本発明に従った汚れ除去アクセサリを備える汚れ除去デバイスの概略的な使用の例示のセットである。
【
図19】本発明に従った汚れ除去アクセサリの他の実施形態を描写している。
【
図20】本発明に従った汚れ除去アクセサリの他の実施形態を描写している。
【
図21】2つの異なる位置における本発明のある実施形態に従った汚れ除去アクセサリを描写している。
【
図22】本発明に従った汚れ除去アクセサリの代替的な実施形態の例示を描写している。
【
図23】本発明に従った汚れ除去アクセサリの代替的な実施形態の例示を描写している。
【
図24】本発明に従った汚れ除去アクセサリの代替的な実施形態の例示を描写している。
【
図35】本発明に従った汚れ除去アクセサリの他の実施形態の異なる図を描写している。
【
図36】汚れ除去ステップの間に汚れ除去デバイスの前面ヘッドと協働するときの本発明に従った汚れ除去アクセサリを描写している。
【
図37】汚れた領域を濯ぐステップの間に汚れ除去デバイスの前面ヘッドと協働するときの、本発明に従った汚れ除去アクセサリを描写している。
【
図38】汚れ除去ステップの間に汚れ除去デバイス1と協働するときの、本発明に従った汚れ除去アクセサリを描写している。
【
図39】濯ぎ(及び乾燥)ステップの間に汚れ除去デバイスと協働するときの、本発明に従った汚れ除去アクセサリを描写している。
【
図40】各副区画が汚れ除去材料を含む複数の副区画を含む容器を実装する本発明に従った汚れ除去アクセサリを描写している。
【
図41】衣服上の汚れを処理する本発明に従った方法のフローチャートを描写している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に従った汚れ除去アクセサリ(染み除去アクセサリ)(stain removal accessory)は、汚れた領域を処理する汚れ除去デバイス(染み除去デバイス)(stain removal device)と協働することが意図されている。汚れ除去デバイスは、衣服全体を洗うことを必要とせずに、衣服上の汚れスポットを局所的に処理するように構成される。汚れ除去デバイスは、以下のステップの統合された機能の任意の組み合わせを有することがある。
1)汚れ除去アクセサリに含まれる汚れ除去材料に供給される水及び/又は蒸気を使用することによって汚れ除去するステップ。
2)汚れ残留物及び化学薬品残留物を洗い流すステップ。
3)衣服の処理領域から水を蒸発させるステップ。
【0015】
図1Aは、本発明に従った汚れ除去アクセサリ171と協働する汚れ除去デバイス1の概略側面図である。
【0016】
この脈絡において、本発明に従った汚れ除去アクセサリを「化学漂白剤アプリケータ(chemical bleach applicator)」とも呼び得ることに留意のこと。
【0017】
汚れ除去アクセサリ171は、
- 汚れ除去材料300を収容する容器400と、
- 容器400を保持するホルダ600とを含む。
【0018】
ホルダ600を「フレーム(frame)」とも呼び得ることに留意のこと。
【0019】
汚れ除去アクセサリ171は、汚れ除去デバイスと協働するときに、汚れた領域の上に汚れ除去材料300を放出するように構成される。
【0020】
好ましくは、容器400は、使い捨て可能である。
【0021】
汚れ除去材料300は、漂白化学薬品に対応する。洗濯物洗浄又は食器洗い製品に使用される汚れ除去材料300(過炭酸ナトリウム、TAED、DOBA、NOBSなど)の大部分は、固体形態(例えば、粉末、顆粒)にある。汚れ除去材料300は、H2O2又はペルオキシ酸を放出するためにデバイス1によって生成される流体200中に溶解されることを必要とする。特に、流体200は、水及び/又は蒸気に対応する。H2O2又はペルオキシ酸は、バクテリアを殺し、着色した構造から無色の構造に汚れ分子を酸化することによって、織物(fabric)、ガラス、又はプラスチックのような材料の上の汚れを除去する。
【0022】
図14は、過炭酸ナトリウムからのH
2O
2の化学的形成(chemical formation)を示している。
【0023】
図15は、TAEDからのペルオキシ酸の化学的形成を示している。
【0024】
図16は、DOBAからのペルオキシ酸の化学的形成を示している。
【0025】
汚れ除去材料300は、以下を含んでよい。
- 活性酸素源、例えば 過酸化水素(H2O2)。過炭酸ナトリウム(Na2CO3・1.5H2O2)。過ホウ酸ナトリウム(NaBO3・H2O、又はNaBO3・4H2O)など。
- 好ましくは、(単独で又は組み合わせにおいて取られる)以下の漂白活性化剤のうちのいずれか1つ:
テトラアセチルエチレンジアミン(TEAD)、
4-デカノイルオキシ安息香酸(DOBA)、
ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸のナトリウム塩(NOBS)、
3,5,5-トリメチルヘキサノイルオキシフェニルスルホン酸のナトリウム塩(イソ-NOBS)。
アセトキシフェニルスルホン酸ナトリウム
ナトリウムデカノイルオキシベンゼンスルホン酸(DOBS)、
ナトリウムオクタノイルオキシベンゼンスルホン酸(OOBS)、
GOBS、
ノナノイルオキシ安息香酸ナトリウム(NOBA)、
N,N-ジアセチルエチレンジアミン、
N-[4-(トリエチルアンモニオメチル)ベンゾイル]ブチロラクタムクロリド(TBBC)、
トリメチルヘキサノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム(STHOBS)、
4-ベンゾイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム(SBOBS)、
五酢酸グルコース(GPA)、
テトラアセチルグルコリル(TAGU)、
ニトリロ三酢酸(NTA)、
遷移金属漂白触媒など。
【0026】
汚れ除去材料300は、固体形態(粉末、顆粒)の又は液体形態(この場合、液体は湿ったティッシュ、スポンジ・・・などに保持される)の化学試薬である。
【0027】
好ましくは、容器400は、バッグ、パッド、カートリッジ、サシェ、及びカプセルによって定められる形態のうちのいずれかを取る。容器400は、例えば、密度紙、織物、不織布、多孔質プラスチックなどで作られた、流体透過性の外層を備える、「ティーバッグ」のように見えることがある。
【0028】
汚れ除去アクセサリ171は、汚れ除去デバイス1と協働するときに、汚れた領域101の上の汚れ除去材料300を放出するように構成される。
【0029】
好ましくは、例示のように、ホルダ600は、少なくとも部分的に容器400の周りに配置されたフレーム構造を含む。例えば、フレーム構造は、円形、楕円形、円弧形、三角形、長方形、正方形、半円形又は半楕円形であり得る。
【0030】
図1Aの右側の図は、デバイス1と協働するときの汚れ除去アクセサリ171の取付けの分解図を示している。
【0031】
汚れ除去アクセサリ171は、デバイス1の(加熱板と一緒に組み合わせられることがある)蒸気排出面(steam venting face)に取り付けられることができる。デバイス1は、蒸気発生デバイス、例えば、衣服スチーマに対応することがある。
【0032】
図1Bは、本発明に従った汚れ除去デバイス1及び汚れ除去アクセサリ171の内部概略図である。
【0033】
好ましくは、ガイドヘッド14が、ホルダ600に更に組み付けられる。代替的に、ガイドヘッド14は、デバイス1の前面(front side)に組み付けられ、ガイドヘッド14は、汚れ除去アクセサリ171を取り囲む。ガイドヘッド14は、後端インタフェース15と、前端インタフェース16とを含んでよい。後端インタフェース15は、デバイス1によって生成される流体200を受け取る。前端インタフェース16は、流体200を織物上の汚れた領域に面する注ぎ口17に集める。
【0034】
液体タンク2が、水を計量分配機構3、例えば、ポンプに供給する。計量分配機構3は、水200を蒸気エンジン4に供給する。押圧トリガ5が、計量分配機構3を起動(アクティブ化)させることを可能にする。蒸気エンジン4は、蒸気200をガイドヘッド14に供給する。加熱板7は、蒸気エンジン4と熱接続するので、加熱板7は、加熱されることができる。
【0035】
第1の作業機構において、デバイス1によって生成される流体200は、蒸気であり、容器400を通過する。次に、容器400内の漂白固体300は、蒸気凝縮によって溶解され、汚れた領域の上に運ばれる。
【0036】
第2の作業機構において、容器400は、汚れ除去デバイス1によって生成される水(熱湯)200と共に使用される。この目的を達成するために、水タンク2からの水は、追加的なポンプ(図示せず)によって、デバイス1の前面ヘッド(front head)に運ばれる。熱湯が生成されることが意図されるならば、加熱要素(図示せず)が実装される。水(熱湯)/蒸気200は、容器400を通過し、溶解した漂白溶液300を汚れた領域の上に運び出す。
【0037】
第3の作業機構において、汚れ除去材料300が容器400内で液体形態の下にあるならば、デバイス1が水及び/又は蒸気を供給する必要はない。汚れ除去アクセサリ171を保持するデバイス1の前面ヘッドは、汚れた領域の上に直接的に適用される。
【0038】
図13は、本発明に従った織物上の汚れを処理するためにガイドヘッド14を使用する汚れ除去デバイス1の様々な概略斜視図を示している。
【0039】
加熱板7にある開口6は、出て行く蒸気200が一定の速度を有することを可能にするような大きさとされる。この速度は、開口の大きさ及び蒸気率(steam rate)の関数である。25グラム/分の蒸気量の場合、最適な開口寸法は、直径6mmである。この組み合わせは、濯ぎを強化する良好な蒸気率及び速度をもたらす。何故ならば、速度は、織物100の下面と処理面との間で圧力差を生じさせるからである。圧力差は、織物100を通じて流体200を押す。比較的低い蒸気率は、大きな液体タンクを必要とせずに、より長い運転も可能にする。
【0040】
任意的に、蒸気率は、5グラム/分~150グラム/分の間であり得る。開口6の直径は、3mm~30mmの間であり得る。蒸気200は、(一般的には透明であり、裸眼で想定するのが難しい)純粋な乾いた蒸気200又は(一般的には白色である)湿った蒸気200であり得る。湿った蒸気200(水滴を備える蒸気)がより良好な濯ぎ結果をもたらすが、より湿った織物をもたらすことが観察された。
【0041】
好ましくは、汚れ除去容器のホルダ600は、汚れ除去アクセサリ171のホルダ600を汚れ除去デバイス1の挿入スロット18内に容易に挿入することを可能にする(保持タブとも呼ぶ)ハンドグリップ601を含む。
【0042】
更に、汚れ除去容器400のホルダ600は、ホルダ600がデバイス1に取り付けられときに加熱板7との熱接触を創り出す後部602(rear)を含んでよい。
【0043】
図18A乃至
図18Fは、本発明に従った汚れ除去アクセサリ171を備える汚れ除去デバイス1の概略使用の例示のセットである。
【0044】
デバイス1は、デバイス1の蒸気排出面に取り付けられるガイドヘッド14を含み、汚れ除去アクセサリ171は、例えば、
図18A及び
図18Bに例示するように、ガイドヘッドに配置されるスロット18内に汚れ除去アクセサリ171を挿入することによって、ガイドヘッド14と協働することが意図される。
【0045】
洗濯物洗浄又は食器洗い製品において使用される漂白剤内容物300(過炭酸ナトリウム、TAED、DOBA、NOBSなど)の大部分は、固体形態(例えば、粉末、顆粒)にあり、容器400内に収容される漂白剤固体化学薬品は、H2O2又はペルオキシ酸を放出するために、最初に水200中で溶解されることを必要とする。この目的を達成するために、汚れ除去アクセサリ171は、溶解した漂白溶液300を放出するために、デバイス1に取り付けられる。
【0046】
【0047】
汚れ除去材料300は、容器400内に予め充填される洗浄剤である。ひとたび水及び/又は蒸気によって溶解されると、汚れ除去材料300は、織物の汚れた領域101上に計量分配されて、汚れ分子と反応し、汚れ分子を溶解し或いは覆う。この目的を達成するために、
図18Cに例示するように、デバイス1の前面ヘッドを汚れた領域101に密接に接触させることができる。
【0048】
デバイス1は、化学反応、溶解又は被覆速度を加速するために、汚れた領域101に熱を供給してもよい。熱源は、蒸気、伝導、赤外線熱、及びマイクロ波を含むが、これらに限定されない。例えば、加熱板7を用いて伝導によって熱を生成することができる。
【0049】
汚れ処理プロセスを起動するために、水(及び/又は蒸気)が容器400を通過できるように、押圧トリガ5を介して濯ぎポンプを(場合によっては反復的に)起動させる。
【0050】
図18Eは、濯ぎプロセスを示している。この汚れ濯ぎプロセスの主な目的は、次のとおりである。
1)更なる化学反応を防止するために、汚れ除去のステップの後に、化学反応を停止させること。
2)ユーザが衣服を着用するときに起こり得る刺激/アレルギ反応を回避するために、衣服100から汚れ除去材料及びそれらの副産物を除去すること。
【0051】
濯ぎに使用される流体200(即ち、水、蒸気、化学中和剤、又はそれら全ての組み合わせ)が容器400内に残っている化学薬品によって汚染されないことを保証するために、汚れ除去アクセサリ171(又は少なくとも容器400)は、濯ぎステップを開始する前に、デバイス1から取り外される必要があることに留意のこと。
【0052】
図18Dは、デバイス1からの汚れ除去アクセサリ171及びガイドヘッド14の取外しを示している。例えば、回転運動を介して、汚れ除去アクセサリ171を取り付け/取り外しすることができる。
【0053】
濯ぎプロセスは、漂白化学薬品の中和又は漂白化学薬品の希釈のいずれかによって達成されることができる。最良の濯ぎ結果を得るために、これらの化学的残留物は、吸収手段(例えば、裏当てパッド、ティッシュ、タオル・・・など)によって或いは機械的な力によって、織物から抽出されるべきである。濯ぎプロセスは、押圧トリガ5によって(場合によっては反復的に)起動されるのが好ましい。
【0054】
【0055】
既に濯いだ織物100の乾燥は、織物100による水分の除去に依存する。加熱板7(~100-170℃)又は加熱空気7(~60-100℃)で直接的に加熱することを通じて水分を蒸発させることができる。
【0056】
以下では、以下の目的で本発明に従った解決策を開示する。
1.濯ぎのステップの前に、汚れ除去アクセサリ171(又は汚れ除去材料300を含む容器400)を取り外すステップを省くこと。
2.取り外した汚れ除去アクセサリ171(又は容器400)を配置する空間を節約すること。
【0057】
図19及び
図20は、本発明に従った汚れ除去アクセサリ700の他の実施形態を描写している。
【0058】
上述の汚れ除去アクセサリ171と比較して、汚れ除去アクセサリ700は、以下のような少なくとも2つの部分を含む。
- 汚れ除去材料300を含む容器400を配置する第1の部分703。
- 貫通穴705を含む第2の部分704。
【0059】
汚れ除去アクセサリは、汚れ除去ステップの間に第1の位置(P1)を取り、汚れ領域を濯ぐステップの間に第2の位置(P2)を取るように構成される。
【0060】
貫通穴705は、開放流路に対応する。
【0061】
例えば、貫通穴705は、容器の角度位置に対して異なる角度位置にある。例えば、角度位置の差は、90度又は180度である。
【0062】
汚れ除去アクセサリ700は、経路セレクタを形成する。
【0063】
汚れ除去アクセサリ700の作業面は、少なくとも2つの部分に分割され、第1の部分703は、汚れ除去材料300を含む容器400を格納するためにあり、第2の部分704は、空である。
【0064】
汚れ除去アクセサリ700はた、デバイス1と比較してホルダ600の位置を変えるための、好ましくは、ハンドグリップ601を備える、ホルダ600も含む。
【0065】
ホルダ600を汚れ除去デバイス1の(蒸気排出面を有する)前面ヘッドに取り付けることができる。
【0066】
汚れ除去材料300(即ち、洗浄試薬サシェ/カートリッジ)を含む容器400が使い捨て可能であるならば、容器400は、ホルダ600の第1の部分703に挿入される一方で、ホルダ600の第2の部分704は、空のままにされる。代替的に、第2の部分704は、汚れた領域を濯ぐステップ中に使用される化学中和剤又は芳香剤(或いはその逆もまた同様)を含んでよい。
【0067】
汚れ除去アクセサリ700は、汚れ除去デバイスと協働するときに、汚れ処理及び濯ぎのための選択可能な水経路を可能にする。
【0068】
汚れ除去アクセサリ700が汚れ除去デバイス1と協働するとき、以下のことが起こる。
- 水200のような流体は、汚れ除去材料300を溶解するための汚れ処理プロセス中に容器400を通過し、溶解した汚れ除去材料300を汚れた領域上に運ぶ。汚れ除去のこのステップにおいて、汚れ除去アクセサリ700は、汚れ除去デバイス1と協働するときに、第1の位置(P1)を取るように構成される。これは
図21の図(a)に示されている。
- 水200のような流体は、濯ぎプロセス中に貫通穴705を通過する。汚れた領域を濯ぐこのステップにおいて、汚れ除去アクセサリ700は、汚れ除去デバイス1と協働するときに、第2の位置(P2)を取るように構成される。これは
図21の図(b)によって例示されている。
【0069】
好ましくは、汚れ除去アクセサリ700は、汚れ除去デバイス1に取り付けられたときに回転可能である。例えば、汚れ除去アクセサリ700は、ガイドヘッド14に配置されるスロット18内で回転可能である。汚れ除去アクセサリ700を回転させることは、第1の部分703がデバイス1によって生成される水及び/又は蒸気200の流れに面する汚れ除去ステップの間の第1の位置と、第2の部分704がデバイス1によって生成される水及び/又は蒸気200の流れに面する汚れた領域を濯ぐステップの間の第2位置とを提供する。
【0070】
よって、デバイス1は、例えば、ハンドグリップ601を介して、ホルダ600を第1の方向に回転させること又はホルダ600を反対方向に回転させることによって、2つの異なる機能を提供することができる。
【0071】
汚れ除去アクセサリ700と汚れ除去デバイス1との間の相対的な回転運動の代わりに、以下に記載するようにホルダをひっくり返すこと及びひっくり返さないことのような、汚れ除去ステップと濯ぎステップとの間で流体経路を変更するための他の実行を考えることができる。
【0072】
図22、
図23、及び
図24は、本発明のある実施形態に従った汚れ除去アクセサリの代替的な実施形態の例示を描写している。
【0073】
図22に例示するように、汚れ除去アクセサリは、デバイス1の前面ヘッドに取り付けることができるフラップフリップピース19(flap-flip piece)を定める。
【0074】
フラップフリップピース19は、汚れ除去ステップ中に第1の位置(P1)を取り、濯ぎステップ中に第2の位置(P2)を取るように構成される。
【0075】
フラップフリップピース19は、例えば、軸A-Aの周りを回転するヒンジ21によって、汚れ除去デバイス1の蒸気排出面に取り付けられるホルダ600を含む。ホルダ600は、上述のよう汚れ除去材料300を含む容器400を受けるように構成され、汚れ除去プロセス中に汚れ除去デバイスの本体によって生成される流体(即ち、蒸気及び/又は水)200の助けを借りて、化学試薬300を生成するために適用される。
【0076】
ホルダ600は、汚れ除去アクセサリ19が汚れ除去デバイス1に取り付けられるときにホルダ600の向きを容易に変えるためのハンドグリップ222を含んでもよい。
【0077】
図23は、フラップフリップピース19が汚れ除去デバイス1の前面ヘッドに面するときの状況を描写している。この位置(P1)において、デバイス1によって発生される水及び/又は蒸気は、容器400を通過する。この位置は、汚れ除去のステップに対応する。
【0078】
図24は、フラップフリップピース19がデバイス1の前面ヘッドに面しない状況を描写している。この位置(P2)において、デバイス1によって発生される水及び/又は蒸気は、容器400を通過せず、汚れた領域に直接的に適用されることができる。この位置は、濯ぎステップに対応する。
【0079】
図35は、本発明に従った汚れ除去アクセサリ3501の他の実施形態の異なる図を描写している。
【0080】
図(a)は、汚れ除去アクセサリ3501の三次元図に対応する。
【0081】
図(b)は、汚れ除去アクセサリ3501の頂面図に対応する。
【0082】
図(c)は、汚れ除去アクセサリ3501の断面図に対応する。
【0083】
汚れ除去アクセサリ3501は、上述のような汚れ除去デバイス1のような、衣服上の汚れを処理する汚れ除去デバイスと協働することが意図されている。
【0084】
汚れ除去アクセサリは、上述のような汚れ除去材料300を含む容器400を保持するホルダ600を含む。
【0085】
容器400は、
- 化学剤を溶解するために汚れ除去デバイスから水を受け取り、
- 溶解した汚れ除去材料を衣服上の汚れた領域に亘って広げる、
ように構成される。
【0086】
汚れ除去アクセサリは、汚れの濯ぎ中に汚れ除去デバイスから水を受け取るための貫通穴705も含む。
【0087】
好ましくは、貫通穴705は、容器400の角度位置に対して異なる角度位置にある。例えば、角度位置の差は、90度又は180度である。
【0088】
好ましくは、ホルダ600は、汚れ除去デバイスから汚れた領域に熱を移転するように構成される。
【0089】
例えば、ホルダ600は、汚れ除去アクセサリが汚れ除去デバイスによって加熱されて、汚れた領域に熱を移転することを可能にするよう、熱伝導性/誘導性材料で作られる。
例えば、熱伝導性/誘導性材料は、外層3502の形態を取る。
【0090】
好ましくは、汚れ除去アクセサリは、水回路を開閉するために、汚れ除去デバイス内の水流スイッチ3601を起動させる物理的要素3503を更に含む。例えば、物理的要素3503は、突出要素に対応してよい。例えば、スイッチは、バネ荷重スイッチに対応してよい。
バネ荷重水流スイッチ3601は、
図36に例示されている。
【0091】
水流スイッチは、汚れ除去及び濯ぎのステップのいずれかにおいて起動される。何故ならば、それら2つのステップは、水の流れを必要とするからである。
【0092】
好ましくは、汚れ除去アクセサリは、汚れ除去デバイス上での熱の発生をオンにするために、汚れ除去デバイスによって検出されることができる容量性及び/又は抵抗性要素3504を更に含む。例えば、熱の生成は、汚れ除去デバイスの前面ヘッドに配置される加熱板によって遂行される。
【0093】
好ましくは、汚れ除去アクセサリは、汚れ除去デバイス内に汚れ除去アクセサリを挿入して回転させるために使用される、例えば、延長部分の形態を取る、ハンドグリップ350を更に含む。
【0094】
汚れ除去アクセサリ3501は、使い捨て可能であることができ、一回使用のために設計されることができる。その場合、容器400は、一回限りの汚れ処理を可能にする。
【0095】
代替的に、容器400のみが使い捨て可能である。これは、他の容器400をホルダ600内に配置した後に、容器400を保持するホルダ600を再使用し得ることを意味する。
【0096】
代替的に、汚れ除去アクセサリ3501は、使い捨て可能であることができ、複数の使用のために設計される。この目的を達成するために、汚れ除去アクセサリ3501は、複数の副区画(sub-compartments)を含む容器400を含む。各副区画は、汚れ除去材料を含む容器を保持する。
【0097】
図40は、各副区画が汚れ除去材料を含む、複数の副区画を含む、容器を実装する、本発明に従った汚れ除去アクセサリ3501を描写している。
【0098】
汚れ除去アクセサリは、上述のような汚れ除去デバイス(図示せず)の前面ヘッド14と協働するときに提示される。
【0099】
この例では、この解決策の記述の簡潔性のために、以下の2つの副区画のみを例示される。
- 汚れ除去材料を含む第1の容器を保持する第1の副区画SC1。
- 汚れ除去材料を含む第2の容器を保持する第2の副区画SC2。
【0100】
より多数の副区画を同様に考慮し得ることに留意のこと。
【0101】
図(a)において、汚れ除去アクセサリの角度位置は、第1の汚れ処理のために内側にある汚れ除去材料を溶解するために、第1の容器が汚れ除去デバイスから水を受け取ることができるような、角度位置である。
【0102】
図(b)において、汚れ除去アクセサリの角度位置は、第1の容器によって以前に処理された汚れた領域を濯ぐために、濯ぎのための貫通穴705が汚れ除去デバイスから水を受け取ることができるような、角度位置である。例えば、図(a)と比較して反時計回りの回転が施される(operated)。
【0103】
図(c)において、汚れ除去アクセサリの角度位置は、第2の汚れ処理のために内側にある汚れ除去材料を溶解するために、第2の容器が汚れ除去デバイスから水を受け取ることができるような、角度位置である。例えば、図(b)と比較して反時計回りの回転が施される。
【0104】
より一般的には、汚れ除去アクセサリが専ら複数の汚れを連続して処理するためのものである場合、それぞれが汚れ除去材料を含む複数の容器は、使用されない容器がデバイスの流体流出口の下に位置付けられるよう、汚れ除去アクセサリを動かす(例えば、回転させる)ことによって切り替えられる。
【0105】
各容器のためにデバイスの流体流出口との適切な整列並びに濯ぎ穴705との適切な整列を可能にするために、(「容器1」を表す「C1」、「容器2」を表す「C2」、「濯ぎ」を表す「R」のような)インジケータINDが、デバイスヘッド及び汚れ除去アクセサリの両方の上に印刷され或いは刻印されてよい。
【0106】
加えて、汚れ除去アクセサリは、汚れ除去アクセサリ及びデバイスヘッドにあるインジケータのそれぞれのペアが整列させられるときに、汚れ除去アクセサリをデバイス内の適切な位置に係止(ロック)する、係止スタッド(ロックスタッド)を含んでよい。
【0107】
所与の汚れ除去アクセサリ(1以上の容器)内の副区画の数に拘わらず、汚れ除去ステップの前に、ユーザが汚れ除去アクセサリを使用済みの容器に回転させることを防止するために、各化学副区画の底縁(bottom rim)は、水又は化学漂白剤との接触後に色が恒久的に変わる塗料で被覆されてよい。
【0108】
図36は、汚れ除去ステップ中に、汚れ除去デバイスの前面ヘッド14と協働するときの、本発明に従った汚れ除去アクセサリを描写している。
【0109】
汚れ除去ステップ中に汚れ除去アクセサリが汚れ除去デバイス内に配置されるときに、以下の3つの事象が同時に起こる。
- 容量性及び/又は抵抗性要素3504が汚れ除去デバイス内のセンサと接触し、センサはデバイス内の導電性/誘導性ヒータを起動させる。
- 汚れ除去デバイスの水流スイッチ3601は、水流スイッチ3601の穴が容器400と整列させられるように起動される。よって、デバイスからの水は、容器400を通じて流れることができ、漂白化学溶液を形成するために、汚れ除去化学薬品を溶解する。汚れ除去アクセサリが汚れ除去デバイスに取り付けられている限り、水流スイッチは起動される(例えば、ばねが圧縮され、水流スイッチ3601の穴が起動位置に移動される)。
- ホルダ600の熱伝導性/誘導性材料は、汚れ除去デバイスに含まれる熱生成器によって加熱される。例えば、熱生成器は、加熱板7に対応する。
【0110】
従って、汚れ除去ステップ中に汚れ除去アクセサリが汚れ除去デバイスと協働するときに、汚れ除去アクセサリからの化学溶液を汚れ領域に投与することができる。汚れた領域に投与された化学溶液は、加熱されたホルダ600によって加熱されるので、加熱された化学溶液は、汚れをより効率的に除去することができる。確かに、漂白化学薬品の水溶解速度は、温度が上昇する間に増加する。よって、蒸気200又は熱湯200と接触している間に、H2O2又はペルオキシ酸は非常に速く放出される。
【0111】
換言すると、熱を使用して化学溶液と汚れとの間の化学反応を促進させる(そして、汚れ処理後の乾燥を促進させる)。汚れ除去ステップが完了した後に、加熱されたホルダ600を使用して汚れた領域を乾燥させることができる。
【0112】
図37は、汚れた領域を濯ぐステップ中に汚れ除去デバイスの前面ヘッド14と協働するときの、本発明に従った汚れ除去アクセサリを描写している。
【0113】
濯ぎステップ中に汚れ除去アクセサリが汚れ除去デバイス内に配置されるときに、以下の3つの事象が同時に起こる。
- デバイス内の水流スイッチ3601は、スイッチ3601内の水流穴が汚れ除去アクセサリの貫通穴705と整列させられるように起動され続けるので、汚れ除去デバイスからの水は、汚れ除去アクセサリの穴705を通じて流れることができる。投与された水は、衣服から処理汚れ残渣を洗い流すことができる。
- 容量性及び/又は抵抗性要素3504は、汚れ除去デバイス内のセンサと接触し続け、センサは、汚れ除去デバイス内の導電性/誘導性ヒータを起動させ続け、その結果、ホルダ600を加熱される。汚れた領域に伝えられる熱は、第1に、濯ぎ効率を向上させ、第2に、濯ぎ水の流れが停止させられるときに、加熱された汚れ除去アクセサリによって湿った衣服を乾燥されることができる。濯ぎ持続時間は、所要の濯ぎの質に依存して異なる。
【0114】
図38は、汚れ除去ステップ中に汚れ除去デバイス1と協働するときの、本発明に従った汚れ除去アクセサリ3501を描写している。
【0115】
図39は、濯ぎ(及び乾燥)ステップ中に汚れ除去デバイスと協働するときの、本発明に従った汚れ除去アクセサリ3501を描写している。
【0116】
汚れ除去デバイス1は、以下を含む。
- 汚れ除去アクセサリ3501のホルダ600に熱を拡散させるように構成される加熱板7。
- 漂白化学溶解及び汚れ濯ぎの両方に使用される水を保持するための、例えば、取り外し可能な、(再充填可能な)タンク3805。
- タンク3805から水を運ぶための(ポンプのような)流体投与システム3804及び所要のチューブ。
- 流体投与システム3804を起動させる流体投与トリガ3803。
- (加熱板7を汚れ除去処理温度から乾燥温度に切り替える)温度スイッチ3806。好ましくは、乾燥ステップ中に、加熱板7は、60℃~170℃の間の温度を有するべきである。任意的に、乾燥のために60℃を超える熱風が使用されてもよい。
- 上述のような水流スイッチ3601。流体の流れは、漂白化学溶液(水及び溶解した化学薬品の溶液)又は濯ぎ水のいずれかであってよい。
- 汚れ除去アクセサリ3501を取り付ける取付け手段(例えば、係止スタッド)。
【0117】
任意的に、汚れ除去デバイスは、濯ぎステップ中に使用される化学中和剤を収容する液体タンク(図示せず)を更に含む。
【0118】
好ましくは、化学中和剤は、以下のいずれか1つの中から選択される。
- 弱酸様クエン酸及び/又はクエン酸ナトリウム。
- 弱アルカリ性炭酸ナトリウム及び/又は重炭酸ナトリウム。
- 還元剤。
【0119】
汚れ除去アクセサリの位置に依存して、流体流路F1は、水-化学薬品混成流路又は水流路のいずれかであることができる
- 汚れ除去ステップ中に汚れ除去アクセサリが位置決めされるときに、水は、汚れ除去材料を溶解して漂白化学溶液を形成するために、水タンクから汚れ除去アクセサリの容器400に流れる。この状況は
図38に例示されている。
- 汚れた領域を濯ぐステップ中に汚れ除去アクセサリが位置決めされるときに、水は、水タンクから汚れ除去アクセサリの貫通穴705に流れる。この状況は
図39に例示されている。
【0120】
汚れ除去デバイスと協働するときに一回限り使用の容器のみを有する本発明に従った汚れ除去アクセサリの使用例は、以下の通りである。
【0121】
1.(
図36に示すように)汚れ除去アクセサリの中央突起(物理的な要素)を汚れ除去デバイスの前面ヘッドに設けられた対応する中央の穴に差し込む。汚れ除去アクセサリの物理的要素は溝に滑り込み、汚れ除去デバイスの水流スイッチを押して、水回路が開放されることを可能にする。同時に、容量性及び/又は抵抗性要素3504は、汚れ除去デバイス内のセンサと接触する。次に、センサは、汚れ除去デバイス内の導電性/誘導性ヒータを起動させて、例えば、加熱板7を加熱する。
【0122】
2.汚れ除去アクセサリを(時計回りに)90度回転させて、汚れ除去モードに対応する位置に到達させる。この位置において、汚れ除去アクセサリ内の容器400は水路内にある、即ち、汚れ除去デバイス内の水出口穴と整列させられる。よって、ユーザは、水が容器400を通じて流れるよう、ポンプトリガを押すことができる。
【0123】
3.汚れ除去アクセサリのホルダ600を、汚れ除去デバイス内のヒータ、例えば、加熱板7によって加熱し、汚れた領域への熱移転を可能にする。
【0124】
4.汚れ除去デバイス内の水流及びヒータの起動、汚れ除去デバイスの水穴との容器の整列、並びに汚れ除去アクセサリによる汚れた領域への熱移転は、ユーザが汚れ除去ステップを行うことを可能にする。
【0125】
5.汚れ除去処理の後に、汚れ除去アクセサリを反時計回りに180度回転させて、濯ぎ/乾燥モードに入る。この位置において、偏心円形穴は、汚れ除去デバイスの水穴と一致することで、(化学薬品を伴わない)水が処理された汚れた領域に適用されることを可能にする。この規定された開口サイズ及び蒸気速度では濯ぎ持続時間が少なくとも10秒でなければならないことが観察された。本発明のそのようなデバイス1について、濯ぎ持続時間は、少なくとも3秒でなければならない。濯ぎ流体投与量は、5グラム/分~150グラム/分の間であることができる。
【0126】
6.乾燥モードでは、汚れ除去デバイスにあるスイッチは、より良好な乾燥効果のために汚れ除去アクセサリをより高い温度に加熱するためにヒータ電力を増加させるよう、ユーザ起動される。任意的に、デバイスは2つの温度設定を可能にし、それは異なる織物タイプを処理するのに有益である。例えば、繊細な織物は、乾燥のためにより低い温度を必要とする一方で、通常の織物は、より速い乾燥のためにより高い温度に耐えることができる。代替的に、乾燥は、熱風、放射(radiation)、動いている空気又は真空抽出のような、熱又は空気移動をもたらす他の手段によって達成されてよい。
【0127】
7.最後に、汚れ除去アクセサリを時計回りに90度回転させて中央位置まで戻して、汚れ除去デバイスから汚れ除去アクセサリを取り出す(eject)。
【0128】
織物上の汚れを除去するための本発明の汚れ除去デバイス1は携帯可能であり、電力コードを有してよく或いはコードレスでよい。
【0129】
この目的を達成するために、汚れ除去デバイスのための電源を(電力コードで)動作中の家庭用電源に接続することができ或いはエネルギアキュムレータ(コードレス)に接続することができる。
【0130】
エネルギアキュムレータは、蓄電池又はコンデンサベースの蓄電器(storage)( 図示せず)であることができる。このコードレスタイプの実施において、汚れ除去デバイス1を自宅で充電することができるが、オフィス、レストランなどのような、他の場所で使用することができ、或いは旅行のために持ち出すことができる。
【0131】
図41は、衣服上の汚れを処理する本発明に従った方法のフローチャートを描写している。
【0132】
方法は、以下のステップを含む。
- 前述のような汚れ除去アクセサリ1を前述のような汚れ除去デバイス1に連結するステップ(4101)。
- 容器内の汚れ除去材料を水で溶解するステップ(4102)。
- 衣服上の汚れた領域に亘って溶解した汚れ除去材料を塗布するステップ(4103)。
- 一定の持続時間に亘って汚れた領域を加熱するステップ(4104)。
【0133】
好ましくは、方法は、以下のステップを更に含む。
- 汚れ除去アクセサリを濯ぎ位置に到達するように位置決めするステップ(4105)。
- 濯ぎのために汚れに亘って一定量の水を投与するステップ(4106)。
- 乾燥のために汚れを加熱するステップ(4107)。
【0134】
汚れ除去アクセサリの容器が複数の副区画を含む場合、方法は、以下のステップを更に含む。
- 汚れ除去材料が汚れ処理に以前に使用されていない副区画の位置に達するよう、汚れ除去アクセサリを位置決めするステップ(4108)。然る後、方法は、溶解するステップ4102から継続する。
【0135】
記載した上記実施形態は、例示的であるに過ぎず、本発明の技術的アプローチを限定することを意図しない。を好ましい実施形態を参照して本発明を詳細に記載するが、当業者は、本発明の請求項の保護範囲を逸脱せずに本発明の技術的アプローチを修正し或いは均等に変更できることを理解するであろう。請求項において、「含む」という単語は、他の要素又はステップを排除せず、単数形の表現は、複数を排除しない。請求項中の如何なる参照符号も、それらの範囲を限定するものとして解釈されてならない。