(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-14
(45)【発行日】2022-03-23
(54)【発明の名称】成形プロセスに基づく半導体パッケージング方法および半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 23/12 20060101AFI20220315BHJP
H01L 21/56 20060101ALI20220315BHJP
H01L 23/29 20060101ALI20220315BHJP
H01L 23/31 20060101ALI20220315BHJP
H01L 27/146 20060101ALI20220315BHJP
【FI】
H01L23/12 F
H01L21/56 T
H01L23/30 F
H01L27/146 D
(21)【出願番号】P 2019554764
(86)(22)【出願日】2018-04-04
(86)【国際出願番号】 CN2018081954
(87)【国際公開番号】W WO2018184572
(87)【国際公開日】2018-10-11
【審査請求日】2019-12-03
(31)【優先権主張番号】201710224073.2
(32)【優先日】2017-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201720365419.6
(32)【優先日】2017-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201710709097.7
(32)【優先日】2017-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201721042055.4
(32)【優先日】2017-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】518168041
【氏名又は名称】▲寧▼波舜宇光▲電▼信息有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】王 明珠
(72)【発明者】
【氏名】▲趙▼ 波杰
(72)【発明者】
【氏名】田中 武彦
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 振宇
(72)【発明者】
【氏名】▲蒋▼ 恒
(72)【発明者】
【氏名】郭 楠
【審査官】庄司 一隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-100573(JP,A)
【文献】特開2014-013836(JP,A)
【文献】特開平09-321182(JP,A)
【文献】特開2009-081346(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0008775(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0071305(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第101399238(CN,A)
【文献】特開2010-050452(JP,A)
【文献】特開2006-054209(JP,A)
【文献】特開2016-025183(JP,A)
【文献】特開2006-032617(JP,A)
【文献】特開2012-216678(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/12
H01L 21/56
H01L 23/29
H01L 27/146
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理モジュールであって、
被接合部材と、
前記被接合部材の上端面の少なくとも一部に支持される感光素子と、
前記被接合部材の上端面における前記少なくとも一部を除くその他領域に設けられるとともに、前記感光素子の側部に接触する補償部と、
前記感光素子、前記被接合部材、および前記補償部のうち少なくとも2つを埋め込むように構成されたパッケージ部材とを備え、
前記補償部は、前記感光素子の周囲を囲んで配置されて枠状に形成され
、互いに重なり合う複数の補償部を含むことを特徴とする、画像処理モジュール。
【請求項2】
前記補償部は、前記被接合部材と前記パッケージ部材との間に介在され、さらに、前記感光素子と前記パッケージ部材との間に介在される、請求項1に記載の画像処理モジュール。
【請求項3】
前記パッケージ部材は、前記感光素子、前記被接合部材、および前記補償部の3つを埋め込むとともに、前記感光素子、前記被接合部材、および前記補償部の3つといずれも接触する、請求項1に記載の画像処理モジュール。
【請求項4】
前記パッケージ部材は、前記感光素子の一部領域に対応する少なくとも1つの開き窓を有する、請求項1に記載の画像処理モジュール。
【請求項5】
前記補償部は、前記被接合部材の上端面において前記少なくとも一部を除くその他領域における一部領域に位置する、請求項3に記載の画像処理モジュール。
【請求項6】
前記補償部は、前記被接合部材の上端面において前記少なくとも一部を除くその他領域の全体に位置する、請求項3に記載の画像処理モジュール。
【請求項7】
前記補償部は、前記被接合部材の上端面において前記少なくとも一部を除くその他領域、前記感光素子の側面と前記パッケージ部材がともに形成した空間に充満する、請求項1に記載の画像処理モジュール。
【請求項8】
前記補償部の高さは、前記感光素子の高さ未満である、請求項3に記載の画像処理モジュール。
【請求項9】
成形プロセスに基づく感光素子パッケージング方法であって、
感光素子を被接合部材の上端面の少なくとも一部に支持させるステップと、
補償部が前記感光素子の側部に接触するように、前記補償部を前記被接合部材の上端面における前記少なくとも一部に近接するその他領域に設置するステップであって、前記補償部は、前記感光素子の周囲を囲んで配置されて枠状に形成され
、互いに重なり合う複数の補償部を含む、ステップと、
パッケージ部材によって前記感光素子、前記被接合部材、および前記補償部のうち少なくとも2つを埋め込むステップとを含む
ことを特徴とする、感光素子パッケージング方法。
【請求項10】
前記補償部は、前記被接合部材と前記パッケージ部材との間に介在されるように形成され、さらに、前記感光素子と前記パッケージ部材との間に介在される、
請求項9に記載の感光素子パッケージング方法。
【請求項11】
パッケージ部材によって前記感光素子、前記被接合部材、および前記補償部のうち少なくとも2つを埋め込むステップは、
パッケージ部材が前記感光素子、前記被接合部材、および前記補償部の3つを埋め込むことによって、前記パッケージ部材が前記感光素子、前記被接合部材、および前記補償部の3つといずれも接触するステップを含む、
請求項10に記載の感光素子パッケージング方法。
【請求項12】
パッケージ部材に埋め込まれた感光素子は面付けの形態であり、
前記方法は、パッケージ部材に埋め込まれた感光素子の間を切断するステップをさらに含む、
請求項11に記載の感光素子パッケージング方法。
【請求項13】
パッケージ部材によって前記感光素子、前記被接合部材、および前記補償部のうち少なくとも2つを埋め込むステップは、
流体状の媒体で前記感光素子、前記被接合部材、および前記補償部のうちの少なくとも2つを埋め込んだ後に、前記流体状の媒体を固化させるステップを含む、
請求項9に記載の感光素子パッケージング方法。
【請求項14】
前記補償部は、前記感光素子の側部に塗布された流体状の媒体を硬化させることにより形成される、
請求項9に記載の感光素子パッケージング方法。
【請求項15】
前記補償部を前記被接合部材の上端面における前記少なくとも一部に近接するその他領域に設置するステップは、
前記補償部を前記被接合部材の上端面の前記その他領域の一部に設置するステップを含む、
請求項9~14のいずれか1項に記載の感光素子パッケージング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2017年4月7日に中国国家知識産権局(SIPO)に提出した中国特許出願第201710224073.2号、2017年4月7日に中国国家知識産権局(SIPO)に提出した中国特許出願第201720365419.6号、2017年8月17日に中国国家知識産権局(SIPO)に提出した中国特許出願第201710709097.7号、及び2017年8月17日に中国国家知識産権局(SIPO)に提出した中国特許出願第201721042055.4号の優先権及び権利を主張し、上記中国特許出願はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、半導体パッケージング分野に関し、特に、成形プロセスに基づく半導体パッケージング方法及び半導体装置、並びに撮像装置及びその画像処理モジュール、並びに撮像装置付き電子機器に関する。
【背景技術】
【0003】
モールドパッケージング技術は、半導体分野においてよく知られている技術であり、
図1に示すように、モールドパッケージング技術は、半導体素子10Pの少なくとも一部の表面と被接合部材20Pの少なくとも一部の表面にパッケージ部材30Pを同時に形成する方法で、パッケージ部材30Pにより半導体素子10Pを被結合部材20Pに一体的に接合することができる。また、
図2に示すように、モールドパッケージング技術はさらに、半導体素子10Pの少なくとも一部表面にパッケージ部材30Pを形成する方法で、パッケージ部材30Pで半導体素子10Pの少なくとも一部の表面を埋め込むことにより、パッケージ部材30Pにより半導体素子10Pを保護することができる。
【0004】
図2に示す例を例にとると、モールドパッケージング技術により半導体素子10Pをパッケージングする具体的なプロセスは、まず、半導体素子10Pを成形金型40Pに入れ、半導体素子10Pのパッケージされる表面を成形金型40Pの成形空間41P内に露出させる。次に、流体状の成形材料50Pを成形金型40Pの成形空間41P内に添加し、成形材料50Pで成形金型40Pの成形空間41Pを充填することにより、成形材料50Pが成形金型40Pの成形空間41P内に露出している半導体素子10Pの表面を埋め込むことができる。
図5に示すように、成形金型40Pの成形空間41P内での成形材料50Pの硬化、成形金型40Pの離型ステップを施した後、成形材料50Pは、半導体素子10Pの少なくとも一部表面に接合するパッケージ部材30Pを形成することができ、ここで、パッケージ部材30Pの第1接合面31Pと半導体素子10Pの第2接合面11Pは互いに対応している。
【0005】
半導体素子10Pとパッケージ部材30Pとをより強固に接合して、パッケージ部材30Pが半導体素子10Pから脱落しないようにするために、離型後、パッケージ部材30Pが接合された半導体素子10Pに、パッケージ部材30Pと半導体素子10Pとの接合をより確実にするように焼成プロセスが施される。しかしながら、半導体素子10Pとパッケージ部材30Pとは異なる材料で形成されているため、半導体素子10Pとパッケージ部材30Pとの熱膨張係数は異なり、また、パッケージ部材30Pの材料が焼成プロセスにおいて重合収縮し続けるため、焼成プロセスにおいて、半導体素子10Pとパッケージ部材30Pとは、焼成プロセスが施される際に熱により異なる程度の変形が生じる。具体的に
図5を参照すると、パッケージ部材30Pは、成形金型40Pの成形空間41P内に添加された成形材料50Pが硬化するように形成されており、焼成プロセスにおいて、パッケージ部材30Pが加熱されると、その周囲に大きな内側収縮変形現象が発生し、焼成後の冷却時にさらに収縮され、パッケージ部材30Pの第1接合面31Pが大きな変形を引き起こし、一方、半導体素子10Pが加熱された後に冷却されるとき、半導体素子10Pの熱膨張係数が小さいため、半導体素子10Pの第2接合面11Pの変形の大きさが理論的に小さくなる。
【0006】
パッケージ部材30Pの第1接合面31Pが半導体素子10Pの第2接合面11Pに一体的に接合されるため、パッケージ部材30Pの第2接合面31が大きく変形するときに引っ張り力が発生するとともに半導体素子10Pの第2接合面11Pに作用し、該引っ張り力により、半導体素子10Pの第2接合面11Pの変形の大きさは半導体素子10Pの第2接合面11Pの理論変形の大きさよりもさらに大きくなる。
図5において、実線100は、収縮変形により半導体素子10Pを引っ張って発生するパッケージ部材30Pの実際の変形の大きさを示し、破線200は、半導体素子10Pの理論的に発生する変形の大きさを示し、このような現象の結果は、半導体素子10Pの少なくとも一部表面に亀裂、変形、疲労などの不良現象を引き起こす。半導体素子10Pの表面に亀裂、変形、疲労などの不良現象が発生すると、半導体素子10Pの電気的特性および他の機能に深刻な影響を与える。パッケージ部材30Pと被パッケージ部材20Pの接合面も互いに一体に接合されており、これにより、パッケージ部材30Pの接合面は大きな変形が発生したときに引っ張り力を発生させるとともに被パッケージ部材20Pの接合面に作用する。これにより、被パッケージ部材20Pの接合面の変形の大きさは被パッケージ部材20Pの理論上の変形の大きさよりも大きくなってしまう。
【0007】
焼成プロセスが施される際、パッケージ部材30Pに発生した大きな収縮変形により半導体素子10Pの表面に亀裂、変形など不良現象が発生することにより、半導体素子10Pの製品歩留まりに深刻な影響を与える可能性がある。特に、光センシングに使用される半導体素子10Pの場合、半導体素子10Pの表面は無傷で可能な限り水平を保つことが求められるが、焼成プロセスが施される際、パッケージ部材30Pが収縮変形することで半導体素子10Pの表面に亀裂、変形などが生じて、半導体素子10Pの製品歩留まりが深刻な影響を受けるとともに、半導体素子10Pが直接廃棄される恐れがあり、これでは、モールドパッケージングプロセスが光センシングに使用される半導体素子10Pのパッケージング分野に適用されなくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明による半導体パッケージング方法および半導体装置は従来技術における少なくともいくつかの問題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的は、成形プロセスに基づく半導体パッケージング方法および半導体装置を提供することであり、パッケージング方法は、パッケージ部材を半導体素子の少なくとも一部に確実かつ一体的に接合することができ、半導体素子の変形を低減し、半導体素子の良好な導電性を確保することができる。
【0010】
本発明の目的は、成形プロセスに基づく半導体パッケージング方法および半導体装置を提供することであり、パッケージング方法は、パッケージ部材を光センシングのための半導体素子(または感光素子と呼ばれる)の一部に確実かつ一体的に接合することに特に適する。本発明のパッケージング方法は、半導体素子の変形発生を低減し、半導体素子の表面に亀裂が発生することを回避することにより、半導体素子の光学性能を確保することができる。
【0011】
本発明の目的は、成形プロセスに基づく半導体パッケージング方法および半導体装置を提供することであり、パッケージング方法は、パッケージ部材と半導体素子との間に補償部を提供し、焼成プロセスの際、補償部によりパッケージ部材の変形の大きさと半導体素子の変形の大きさとの差を補償することにより、収縮変形によるパッケージ部材の引っ張り力が半導体素子に作用することを防ぎ、これにより、半導体素子の表面に亀裂が生じることを回避して半導体素子の表面の完全性が確保される。
【0012】
本発明の目的は、成形プロセスに基づく半導体パッケージング方法および半導体装置を提供することであり、補償部は弾力性があり、半導体素子が使用される際、補償部は、半導体装置が振動されることによりパッケージ部材の上面が半導体素子の非接合面と平行ではないという欠陥を補償することができる。
【0013】
本発明の目的は、成形プロセスに基づく半導体パッケージング方法および半導体装置を提供することであり、補償部が半導体素子の非接合面の少なくとも一部に位置することにより、成形プロセスの際、補償部が成形金型の加圧面と半導体素子との間に位置することができ、補償部が成形金型の上型と下型とを型締めする際に生じる衝撃力を吸収して、該衝撃力が半導体素子に作用することを防止する。
【0014】
本発明の目的は、成形プロセスに基づく半導体パッケージング方法および半導体装置を提供することであり、補償部は、成形金型の加圧面と半導体素子の非接合面との接触を防止することができ、成形金型の加圧面が半導体素子の非接合面を傷付けないようにし、これにより、半導体素子の非接合面の完全性が保証される。
【0015】
本発明の目的は、成形プロセスに基づく半導体パッケージング方法および半導体装置を提供することであり、補償部を変形可能にされることにより、成形金型の加圧面と半導体素子の非接合面との間に隙間が形成されることを防止することができ、パッケージ部材を形成するための成形材料が半導体素子の接合面から非接合面に流れることを回避して、バリ取りが生じる不良現象を回避する。
【0016】
本発明の目的は、成形プロセスに基づく半導体パッケージング方法および半導体装置を提供することであり、補償部は枠状であり、少なくとも1つの貫通孔を有し、補償部が半導体素子の接合面に配置される際、補償部の貫通孔は半導体素子の非接合面の少なくとも一部に対応する。
【0017】
本発明の目的は、成形プロセスに基づく半導体パッケージング方法および半導体装置を提供することであり、パッケージング方法は、パッケージ部材と被接合部在との間に補償部を提供し、焼成プロセスの際、補償部がパッケージ部材の変形の大きさと被接合部材の変形の大きさとの差を補償することにより、パッケージ部材の収縮変形により発生した引っ張り力が被接合部材に作用することを防止する。
【0018】
本発明の目的は、成形プロセスに基づく半導体パッケージング方法および半導体装置を提供することであり、パッケージ部材と被接合部材との間に保持される補償部と、パッケージ部材と半導体素子との間に保持される補償部とは別体構造であり、すなわち、パッケージ部材と被接合部材との間に保持される補償部と、パッケージ部材と半導体素子との間に保持される補償部とは互いに独立しているので、各補償部によってパッケージ部材の変形の大きさと被接合部材の変形の大きさとの差が補償され、パッケージ部材の変形の大きさおよび半導体素子の変形の大きさが補償される。
【0019】
本発明の目的は、成形プロセスに基づく半導体パッケージング方法および半導体装置を提供することであり、補償部は多層構造である。
【0020】
本発明の目的は、成形プロセスに基づく半導体パッケージング方法および半導体装置を提供することであり、パッケージング方法は、パッケージ部材を形成する少なくとも1つの開口窓に形成することにより、補償部の貫通孔に対応し、半導体素子の非接合面の少なくとも一部に対応することができる。
【0021】
本発明の目的は、成形プロセスに基づく半導体パッケージング方法および半導体装置を提供することであり、パッケージング方法は、パッケージ部材を形成することにより、半導体素子を被接合部材に一体的かつ確実に接合する。
【0022】
本発明の目的は、成形プロセスに基づく半導体パッケージング方法および半導体装置を提供することであり、パッケージング方法は、半導体素子の接合面の少なくとも一部にプラスチック材料を塗布することにより補償部を形成する。
【0023】
本発明の一態様によれば、本発明は、成形プロセスに基づく半導体パッケージング方法を提供し、パッケージング方法は、半導体素子の第1接合面とパッケージ部材の第2接合面との間に形成された接合領域の少なくとも一部に補償部の少なくとも一部を保持させて半導体装置の半製品を形成するステップ(a)と、パッケージ部材を硬化させる際、補償部の各位置に異なる程度の変形を生じさせて、パッケージ部材の変形の大きさと半導体素子の変形の大きさとの差を補償して、半導体素子をパッケージングして半導体装置を形成するステップ(b)とを含む。
【0024】
本発明の一実施例によれば、ステップ(a)において、パッケージ部材は複数の半導体装置の半製品を互いに接続させ、ステップ(b)の後に、さらに、互いに接続された複数の半導体装置の半製品を分割するステップ(c)を含む。
【0025】
本発明の一実施例によれば、ステップ(a)において、パッケージ部材は複数の半導体装置の半製品を互いに接続させ、ステップ(b)の前に、さらに、互いに接続された複数の半導体装置の半製品を分割するステップ(c)を含む。
【0026】
本発明の一実施例によれば、ステップ(a)の前に、半導体素子を被結合部材に重ねて設置するステップ(d)をさらに含み、ステップ(a)において、パッケージ部材は、半導体素子の少なくとも一部及び被接合部材の少なくとも一部とを埋め込むことにより、パッケージ部材、半導体素子及び被接合部材を一体に接合する。
【0027】
本発明の一実施例によれば、ステップ(a)は、さらに、半導体素子の少なくとも1つを有する面付けユニットを提供するステップと、半導体素子に補償部を設けるとともに、半導体素子の第1接合面の少なくとも一部に補償部の少なくとも一部を位置させるステップと、パッケージ部材を成形金型によって半導体素子の第1接合面に対応する位置で半導体素子に一体的に接合することにより、補償部の少なくとも一部が半導体素子の第1接合面とパッケージ部材の第2接合面との間の接合領域の少なくとも一部に保持されるステップとを含む。
【0028】
本発明の一実施例によれば、ステップ(a)は、さらに、半導体素子の少なくとも1つを有する面付けユニットを提供するステップと、半導体素子の第1接合面の少なくとも一部に補償部の少なくとも一部を形成するステップと、パッケージ部材を成形金型によって半導体素子の第1接合面に対応する位置で半導体素子に一体的に接合することにより、補償部の少なくとも一部が半導体素子の第1接合面とパッケージ部材の第2接合面との間の接合領域の少なくとも一部に保持されるステップとを含む。
【0029】
本発明の一実施例によれば、方法において、補償部が半導体素子の上端面に設けられた後、補償部の外側埋め込み部は半導体素子の側面の少なくとも一部を自動的に埋め込む。
【0030】
本発明の一実施例によれば、方法において、補償部が半導体素子の上端面に設けられた後、成形金型によって成形プロセスを行うとき、補償部の外側埋め込み部が押し付けられて半導体素子の側面の少なくとも一部に密接する。
【0031】
本発明の一実施例によれば、方法において、補償部が半導体素子の上端面に設けられた後、補償部の外側埋め込み部が被接合部材の露出領域の少なくとも一部を自動的に埋め込む。
【0032】
本発明の一実施例によれば、方法において、補償部が半導体素子の上端面に設けられた後、成形金型によって成形プロセスを行うとき、補償部の外側埋め込み部が押し付けられて被接合部材の露出領域の少なくとも一部を埋め込む。
【0033】
本発明の一実施例によれば、方法において、被接合部材の露出領域に補償部の一部が形成される。
【0034】
本発明の一実施例によれば、方法において、被接合部材の露出領域の全域が補償部の外側埋め込み部に埋め込まれる。
【0035】
本発明の一実施例によれば、方法において、成形金型の押圧面と半導体素子の非接合面との間にフィルム層が設けられ、フィルム層により成形金型の押圧面と半導体素子の非接合面とが分離される。
【0036】
本発明の一実施例によれば、方法において、補償部の一部は、半導体素子の第1接合面から半導体素子の非接合面の少なくとも一部領域まで延長されて、成形プロセスの際、補償部の一部により成形金型の押圧面と半導体素子の非接合面が分離される。
【0037】
本発明の一実施例によれば、方法において、半導体素子の第1接合面の少なくとも一部領域にプラスチック材料が塗布されて、プラスチック材料が硬化した後に補償部が形成される。
【0038】
本発明の一実施例によれば、方法において、半導体素子の第1接合面の少なくとも一部領域及び非接合面の少なくとも一部領域にプラスチック材料が塗布されて、プラスチック材料が硬化した後に補償部が形成される。
【0039】
本発明の一実施例によれば、方法において、半導体素子の第1接合面の少なくとも一部領域及び被接合部材の露出領域の少なくとも一部にプラスチック材料が塗布されて、プラスチック材料が硬化した後に補償部が形成される。
【0040】
本発明の一実施例によれば、方法において、半導体素子の非接合面の少なくとも一部領域にプラスチック材料を塗布する。
【0041】
本発明の一実施例によれば、プラスチック材料は、インク、接着剤、または溶剤を含む溶液である。
【0042】
本発明の一実施例によれば、方法において、複数の半導体素子を基板上に所定の方法で配列して面付けユニットを形成する。
【0043】
本発明の一実施例によれば、方法において、半導体装置の半製品を上から下に分割することで、半導体装置を形成する。
【0044】
本発明の一実施例によれば、方法において、半導体装置の半製品を下から上に分割することで、半導体装置を形成する。
【0045】
本発明の一実施例によれば、パッケージ部材と被接合部材との間に補償部を配置又は形成する。
【0046】
本発明の一実施例によれば、パッケージ部材と被接合部材との間に保持される補償部、及びパッケージ部材と半導体素子との間に保持される補償部は一体化構造である。
【0047】
本発明の一実施例によれば、パッケージ部材と被接合部材との間に保持される補償部、及びパッケージ部材と半導体素子との間に保持される補償部は互いに独立である。
【0048】
本発明の一実施例によれば、補償部は多層構造である。
【0049】
本発明の別の態様によれば、本発明はさらに、成形プロセスに基づく半導体装置を提供し、装置は、少なくとも一つの補償部と、第1接合面を少なくとも一つ有する少なくとも一つの半導体素子と、少なくとも1つの第2接合面を有するパッケージ部材とを備え、パッケージ部材は、成形プロセスによって半導体素子の第1接合面に対応する位置で半導体素子に一体的に接合され、補償部の少なくとも一部は、半導体素子の第1接合面とパッケージ部材の第2接合面との間に形成された接合領域の少なくとも一部領域に保持される。
【0050】
本発明の一実施例によれば、半導体装置は非接合面をさらに有し、補償部は半導体素子の第1接合面から非接合面の少なくとも一部領域まで延長されている。
【0051】
本発明の一実施例によれば、補償部は少なくとも1つの貫通孔を有し、パッケージ部材は少なくとも1つの開き窓を有し、補償部の貫通孔は半導体素子の非接合領域の一部領域に対応し、パッケージ部材の開き窓は半導体素子の非接合領域の一部領域に対応する。
【0052】
本発明の一実施例によれば、パッケージ部材は、半導体素子の非接合領域の少なくとも一部領域に対応する少なくとも1つの開き窓を有する。
【0053】
本発明の一実施例によれば、補償部は弾性を有する。
【0054】
本発明の一実施例によれば、補償部は樹脂硬化により形成され、又はインクを塗布した後に形成され、又は溶剤含有溶液を塗布した後に溶剤を析出して固化した後に形成され、又は金属メッキまたは無電解メッキして形成される。
【0055】
本発明の一実施例によれば、半導体装置は被接合部材をさらに備え、
【0056】
被接合部材の露出領域はパッケージ部材に埋め込まれる。
【0057】
本発明の一実施例によれば、補償部は、半導体素子の第1接合面から被接合部材の露出領域の少なくとも一部領域に延長されている。
【0058】
本発明の一実施例によれば、被接合部材の露出領域の全域が補償部の外側埋め込み部に埋め込まれる。
【0059】
本発明の一実施例によれば、被接合部材とパッケージ部材との間に補償部が配置又は形成される。
【0060】
本発明の一実施例によれば、パッケージ部材と被接合部材との間に保持される補償部、及びパッケージ部材と半導体素子との間に保持される補償部は、一体化構造である。
【0061】
本発明の一実施例によれば、パッケージ部材と被接合部材との間に保持される補償部、及びパッケージ部材と半導体素子との間に保持される補償部は、互いに独立である。
【0062】
本発明の一実施例によれば、補償部は多層構造である。
【0063】
本発明の目的は画像処理モジュールを提供することであり、被接合部材と、被接合部材の上端面の少なくとも一部に支持される感光素子と、被接合部材の上端面における少なくとも一部を除くその他領域に設けられるとともに、感光素子の側部に接触する補償部と、感光素子、被接合部材、および補償部のうち少なくとも2つを埋め込むように構成されたパッケージ部材とを備える。
【0064】
本発明の一実施例によれば、補償部は、感光素子の周囲を囲んでに配置されて枠状に形成される。
【0065】
本発明の一実施例によれば、パッケージ部材は、感光素子、被接合部材、および補償部の3つを埋め込むとともに、感光素子、被接合部材、および補償部の3つといずれも接触する。
【0066】
本発明の一実施例によれば、パッケージ部材は、感光素子の一部領域に対応する少なくとも1つの開き窓を有する。
【0067】
本発明の一実施例によれば、パッケージ部材は、流体状媒体が感光素子、被接合部材、および補償部のうち少なくとも2つで硬化した後に形成されたものである。
【0068】
本発明の一実施例によれば、補償部は、被接合部材の上端面において少なくとも一部を除くその他領域における一部領域に位置する。
【0069】
本発明の一実施例によれば、補償部は、被接合部材の上端面において少なくとも一部を除くその他領域の全体に位置する。
【0070】
本発明の一実施例によれば、補償部は、被接合部材の上端面において少なくとも一部を除くその他領域、感光素子の側面とパッケージ部材がともに形成した空間に充満する。
【0071】
本発明の一実施例によれば、補償部の高さは感光素子の高さ未満である。
【0072】
本発明の一実施例によれば、補償部は、樹脂固化により形成される。
【0073】
本発明の一実施例によれば、補償部は、インクを塗布した後に形成される。
【0074】
本発明の一実施例によれば、補償部は、溶剤含有溶液を塗布した後に溶剤を析出して固化した後に形成される。
【0075】
本発明の一実施例によれば、補償部は、金属メッキまたは無電解メッキにより形成される。
【0076】
本発明の一実施例によれば、補償部は多層構造である。
【0077】
本発明の1つの目的は撮像装置を提供することであり、少なくとも1つの光学レンズと、光学レンズが駆動可能に設けられ、光学レンズが感光素子の感光経路に保持されるように、パッケージ部材の上端面に取り付けられる少なくとも1つのドライバと、光学レンズと感光素子との間に保持されるように、パッケージ部材の上端面に取り付けられる少なくとも1つのフィルタ素子と、感光素子のチップコネクタが回路基板コネクタに電気的に接続される回路基板と、被接合部材と、被接合部材の上端面の少なくとも一部に支持される感光素子と、被接合部材の上端面における少なくとも一部を除くその他領域に設けられるとともに、感光素子の側部に接触する補償部と、感光素子、被接合部材、および補償部のうち少なくとも2つを埋め込むように構成されたパッケージ部材とを備える。
【0078】
本発明の目的は電子機器を提供することであり、機器本体と、機器本体に設けられる撮像装置とを備え、撮像装置はさらに、少なくとも1つの光学レンズと、被接合部材と、被接合部材の上端面の少なくとも一部に支持される感光素子と、被接合部材の上端面において少なくとも一部を除くその他領域に設けられるとともに、感光素子の側部に接触する補償部と、感光素子、被接合部材、および補償部のうち少なくとも2つを埋め込むように構成されたパッケージ部材とを備える。
【0079】
本発明の1つの目的は、成形プロセスに基づく感光素子パッケージング方法を提供することであり、感光素子を被接合部材の上端面の少なくとも一部に支持させるステップと、補償部が感光素子の側部に接触するように、補償部を被接合部材の上端面における少なくとも一部に近接するその他領域に設置するステップと、パッケージ部材によって感光素子、被接合部材、および補償部のうち少なくとも2つを埋め込むステップとを含む。
【0080】
本発明の一実施例によれば、補償部が感光素子の側部に接触するように、補償部を被接合部材の上端面における少なくとも一部に近接するその他領域に設置するステップは、補償部を感光素子の周囲を囲んで設けて枠状の補償部を形成するステップを含む。
【0081】
本発明の一実施例によれば、パッケージ部材によって感光素子、被接合部材、および補償部のうち少なくとも2つを埋め込むステップは、パッケージ部材が感光素子、被接合部材、および補償部の3つを埋め込むことによって、パッケージ部材が感光素子、被接合部材、および補償部の3つといずれも接触するステップを含む。
【0082】
本発明の一実施例によれば、パッケージ部材は、感光素子の一部領域に対応する少なくとも1つの開き窓を有する。
【0083】
本発明の一実施例によれば、パッケージ部材に埋め込まれた感光素子は面付けの形態であり、方法は、パッケージ部材に埋め込まれた感光素子の間を切断するステップをさらに含む。
【0084】
本発明の一実施例によれば、パッケージ部材によって感光素子、被接合部材、および補償部のうち少なくとも2つを埋め込むステップは、流体状の媒体で感光素子、被接合部材、および補償部のうちの少なくとも2つを埋め込んだ後に、流体状の媒体を固化させるステップを含む。
【0085】
本発明の一実施例によれば、補償部は、感光素子の側部に塗布された流体状の媒体を硬化させることにより形成される。
【0086】
本発明の一実施例によれば、補償部を被接合部材の上端面における少なくとも一部に近接するその他領域に設置するステップは、補償部を被接合部材の上端面のその他領域の一部に設置するステップを含む。
【0087】
本発明の一実施例によれば、補償部の高さは感光素子の高さ未満である。
【0088】
本発明の一実施例によれば、補償部は多層構造である。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【
図1】従来のモールドパッケージング技術がパッケージ部材を形成することによって半導体素子を被接合部材に接合して形成したモールド半導体モジュールの断面概略図である。
【
図2】従来のモールドパッケージング技術がパッケージ部材を形成することによって半導体素子の表面を埋め込んで形成したモールド半導体モジュールの断面概略図である。
【
図3】従来のモールドパッケージング技術によりモールド半導体モジュールの半製品を形成するためのプロセスの断面概略図である。
【
図4】従来のモールドパッケージング技術によりモールド半導体モジュールの半製品を形成するためのプロセスの断面概略図である。
【
図5】モールド半導体モジュールの半製品を焼成する際、モールド半導体モジュールを形成するパッケージ部材および半導体モジュールの熱膨張係数の違いにより生じる変形の断面概略図である。
【
図6A】本発明の一つの好ましい実施形態による面付けユニットの第1の実施形態の斜視図である。
【
図6B】本発明の上記好ましい実施形態による面付けユニットの第2の実施形態の斜視図である。
【
図7A】本発明の一つの好ましい実施形態によるパッケージング方法のステップ1を示す断面図であり、補償部が面付けユニットを形成するための半導体素子の表面の少なくとも一部に重なって設けられるように、補償部を面付けユニットに設けることを示す。
【
図7B】本発明の一つの好ましい実施形態によるパッケージング方法のステップ1を示す断面図であり、補償部が面付けユニットを形成するための半導体素子の表面の少なくとも一部に重なって設けられるように、補償部を面付けユニットに設けることを示す。
【
図8】本発明の一つの好ましい実施形態によるパッケージング方法のステップの1つの変形実施形態を示す断面図であり、プラスチック材料が面付けユニットを形成するための半導体素子の表面の少なくとも一部を埋め込むように、面付けユニットにプラスチック材料を塗布することを示す。
【
図9A】本発明の上記好ましい実施形態によるパッケージング方法のステップ2を示す断面図であり、各半導体素子の第1接合面が成形金型の各成形空間にそれぞれ対応するように、面付けユニットを成形金型に配置することを示す。
【
図9B】本発明の上記好ましい実施形態によるパッケージング方法のステップ2を示す断面図であり、各半導体素子の第1接合面が成形金型の各成形空間にそれぞれ対応するように、面付けユニットを成形金型に配置することを示す。
【
図10】本発明の上記好ましい実施形態によるパッケージング方法のステップ3を示す断面図であり、成形金型の各成形空間に流体状の成形材料が添加されている状態を示す。
【
図11】本発明の上記好ましい実施形態によるパッケージング方法のステップ4を示す断面図であり、成形材料が成形金型の各成形空間を満たす状態を示す。
【
図12】本発明の上記好ましい実施形態によるパッケージング方法のステップ5を示す断面図であり、成形金型が離型された状態を示す。
【
図13】本発明の上記好ましい実施形態によるパッケージング方法のステップ5を示す断面図であり、焼成プロセスにおいて半導体装置を形成するパッケージ部材、補償部及び半導体素子の変形の大きさの状態を示す。
【
図14】本発明の上記好ましい実施形態によるパッケージング方法のステップ6を示す断面図であり、分割プロセスによって形成された半導体装置の断面概略図を示す。
【
図15】本発明の別の好ましい実施形態による半導体装置の断面概略図である。
【
図16】本発明の別の好ましい実施形態による半導体装置の断面概略図である。
【
図17】本発明の別の好ましい実施形態による半導体装置の断面概略図である。
【
図18】本発明の別の好ましい実施形態による半導体装置の断面概略図である。
【
図19】本発明の別の好ましい実施形態による半導体装置の断面概略図である。
【
図20】本発明の好ましい実施形態による半導体装置を含む撮像装置の断面概略図である。
【
図21】本発明の好ましい実施形態による撮像装置を含む電子機器の断面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0090】
以下の説明は、当業者が本発明を実施できるように本発明を開示するために提示される。以下の説明における好ましい実施形態は例示のためのものであり、当業者は他の明らかな変形を想到することができる。以下の説明で定義される本発明の基本原理は、他の実施形態、修正、改良、均等物、および本発明の精神や範囲から逸脱しないその他実施形態に適用され得る。
【0091】
なお、本発明の開示において、用語である「縦方向」、「横方向」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」等が示す方位又は位置関係は、図面に基づく方位又は位置関係であり、説明の便宜のために採用されたものであり、装置又は部材が特定の方位又は構造を有するとの指示・示唆ではない。そのため、それらの用語が本発明に対して制限を与えると理解してはいけない。
【0092】
理解できるように、用語「一」は「少なくとも一つ」又は「一つ又は複数」と理解すべきであり、つまり、一つの実施例において、ある素子の数は一つであってもよいが、別の実施例において、該素子の数は複数であってもよく、用語「一」は数に対する制限として理解してはいけない。
【0093】
近年、スマートフォン、タブレット、ノートブックコンピューター、パーソナルコンピューター、携帯情報端末、電子ペーパーブックなどの電子デバイスおよび関連技術の急速な発展により、半導体コンポーネントのサイズを縮小し続けることを求めるとともに、半導体コンポーネントの性能にはより厳しい要件が課されている。本発明の背景技術における説明および
図1から
図5に示すように、現在の成形プロセスでは、半導体コンポーネントが成形およびパッケージングされた後、より良い性能を達成することができない。特に、特別な機能を提供できる一部の半導体コンポーネントでは、たとえば、光センシング用の半導体素子の場合、現在の成形プロセスでは、半導体素子の表面に重大な変形、亀裂などの不良現象が発生して、成形およびパッケージングされた後の半導体部品が電子デバイスの高性能半導体素子に対する需要を満たすことができない。
【0094】
本発明は以下の説明において、成形プロセスに基づく半導体パッケージング方法を説明し、パッケージング方法は、既存のモールディングプロセスに存在する問題を効果的に解決し、ますます集積化、知能化、小型化及び薄型化される電子機器に対応するより高性能の半導体装置を提供する。
【0095】
図6Aは、面付けユニット100の一実施形態を示し、隣接する半導体素子10が一緒に並列されて面付けユニット100を形成するように、各半導体素子10は同時に形成された後分割されない。そのため、後続の成形プロセスにおいて、面付けユニット100を形成するための半導体素子10のすべてを同時に成形することができる。なお、
図6Aの破線は、隣接する半導体素子10の接続位置を示す。すなわち、後続のモールディングステップが完了した後、隣接する半導体素子10は破線で示す位置から分割される。
【0096】
図6Bは、面付けユニット100の別の実施形態を示し、個々の単独の半導体素子10が形成されるように、各半導体素子10は同時に製作された後分割され、そして、各半導体素子10はベース200の表面に所定の態様で配置されて面付けユニット100を形成する。例えば、各々の半導体素子10はベース200上に行をなしてまたは列をなして配置されてもよい。
【0097】
通常、ベース200の材料は、ベース200上に配列された半導体素子10の平坦性を確保するための良好な平坦性を提供できる限り限定されない。
【0098】
当業者は理解することができるだろうが、同時に形成された複数の半導体素子10を分割した後にそれらをベース200の表面に配列して面付けユニット100を形成する方法は、隣接する半導体素子10間の距離を必要に応じて調整することができる。例えば、通常の場合(すべての場合ではない)、
図6Bに示す面付けユニット100の隣接する半導体素子10間の距離は、
図6Aに示す面付けユニット100の隣接する半導体素子10よりも大きくしてもよく、このようにして、後続の成形プロセスが容易になる。
【0099】
ベース200上に配列された隣接する半導体素子10のピッチは均一であることが好ましい。あるいは、各列の半導体素子10における隣接する半導体素子10のピッチのみを均一にしてもよく、または、各行の半導体素子10における隣接する半導体素子10のピッチのみを均一にしてもよい。
【0100】
パッケージング方法の他の例では、ベース200上に1つの半導体素子10のみを設けて、面付けユニット100を形成してもよい。これにより、後続の成形プロセスでは、毎回に1つの半導体素子10に対して成形を行い、本発明のパッケージング方法はこの点に関しては限定されない。
【0101】
図7Aおよび7Bを参照すると、パッケージング方法の一実施形態では、弾性の有する補償部20を面付けユニット100に配置することができ、補償部20の少なくとも一部が各々の半導体素子10の第1接合面11の少なくとも一部に重なるように配置する。好ましくは、補償部20は、それぞれの半導体素子10の非接合面12の少なくとも一部領域と重なってもよく、すなわち、補償部20は半導体素子10の第1接合面11から非接合面12の少なくとも一部領域まで延びることができる。
【0102】
すなわち、本発明の半導体装置の一例では、半導体素子10の表面は第1接合面11のみを有し、補償部20は、半導体素子10の第1接合面11の少なくとも一部領域と重なって配置される。本発明の半導体装置の別の例では、半導体素子10の表面は、第1接合面11と非接合面12とを有し、補償部20は、半導体素子10の第1接合面11の少なくとも一部領域と重なって設けられてもよく、第1接合面11の少なくとも一部領域と非接合面12の少なくとも一部領域に同時に重なって設けられてもよい。
【0103】
補償部20は、半導体素子10の第1接合面11の全域を埋め込むことが好ましい。
【0104】
半導体素子10の第1接合面11は半導体素子10のエッジ領域の少なくとも一部領域に位置し、半導体素子10の非接合面12は半導体素子10の中央領域に位置する。半導体素子10の第1接合面11は、非接合面12の外部を囲む枠状を有することが好ましい。他の例では、半導体素子10の第1接合面11は、「C」字状、「L」字状、「I」字状などを有してもよい。
【0105】
また、補償部20は少なくとも1つの貫通孔21を有してもよく、補償部20の貫通孔21は半導体素子10の非接合面12の少なくとも一部領域に対応する。例えば、補償部20が半導体素子10の第1接合面11の少なくとも一部領域のみに重なって配置されている場合、半導体素子10の非接合面12の全域が補償部20の貫通孔21に対応し、応じて、補償部20が半導体素子10の第1接合面11の少なくとも一部領域と非接合面12の一部領域とに同時に重なって配置される場合、半導体素子10の非接合面12の別の一部領域が補償部20の貫通孔21に対応する。
【0106】
また、一例では、補償部20が重力のみを受ける場合、補償部20は、半導体素子10の第1接合面11の上端面の少なくとも一部のみを埋め込むように、元の形状を維持することができ、すなわち、補償部20は、半導体素子10の第1接合面11の少なくとも一部領域のみと重なるように設けられている。例えば、補償部20の硬度が高い場合、補償部20は重力のみを受けて変形しない。さらに、補償部20の外側部は半導体素子10の外部まで延びて、外側埋め込み部22を形成してもよく、ここで、後続の成形プロセスで、補償部20が押し付けられると、補償部20の外側埋め込み部22が半導体素子10に支持されていないため、外側埋め込み部22が圧力を受けて変形し、これにより、補償部20の外側埋め込み部22が半導体素子10の側面を埋め込むかまたは半導体素子10の側面に密接するようになる。
【0107】
別の例では、補償部20が重力のみを受ける場合、補償部20の外側埋め込み部22が半導体素子10に支持されていないため、外側埋め込み部22が自動的に変形されて半導体素子10の側面を埋め込むようになる。例えば、補償部20の硬度が低い場合、補償部20が重力のみを受ける場合、半導体素子10に支持されていない外側埋め込み部22は自動的に変形されて半導体素子10の側面を埋め込むようになる。
【0108】
補償部20は提供されるか、又は事前に製造されてもよく、例えば、補償部20は接着剤、樹脂などの材料を固化して形成してもよい。いくつかの例では、補償部20の貫通孔21は、補償部20の形成に同期して形成されてもよく、すなわち、補償部20は、半導体素子10の上端面の一部領域に重なる補償部20の貫通孔21が、半導体素子10のに非結合面12の少なくとも一部領域に対応するように、枠状を有することができる。それでも、補償部20は製作後、さらにスタンピングプロセスなどにより貫通孔21を形成することができることを当業者は理解することができ、本発明のパッケージング方法はこの面では限定されない。
【0109】
図8を参照すると、パッケージ方法の他の例では、後でプラスチック材料300が補償部20を形成できるように、面付けユニット100にプラスチック材料300を塗布することもできる。
【0110】
一例では、プラスチック材料300のみが半導体素子10の第1接合面11の少なくとも一部領域に塗布されている。好ましくは、プラスチック材料300は、半導体素子10の第1接合面11の全域に塗布され、半導体素子10の上端面の第1接合面11を形成するための部分、及び半導体素子10の側面を含む。
【0111】
別の一例では、プラスチック材料300は半導体素子10の全域に塗布される。
【0112】
別の一例では、プラスチック材料300は、半導体素子10の第1接合面11の少なくとも一部領域及び被接合面の一部領域に塗布されてもよい。つまり、半導体素子10の非接合面12の一部領域にはプラスチック材料300を塗布する必要がない。後でプラスチック材料300が補償部20を形成すると同時に、半導体素子10の非接合面12のプラスチック材料300が塗布されていない部分に補償部20の貫通孔21を形成することができる。半導体素子10の非接合面12の中部領域がプラスチック材料300で塗布されていないことが好ましい。
【0113】
半導体素子10に塗布されるプラスチック材料300の種類は、本発明のパッケージング方法には限定されず、例えば、プラスチック材料300は、インク、接着剤、溶剤を含む溶液などで実施されてもよく、これには限定されない。したがって、プラスチック材料300が補償部20を形成する方法は、インクの固化、接着剤の固化、溶剤含有溶液を塗布した後に溶剤を析出する固化であってもよい。また、補償部20は、金属メッキまたは無電解メッキにより形成されてもよい。
【0114】
図9Aおよび9Bを参照すると、補償部20を備えた面付けユニット100は成形金型400内に配置され、成形金型400により成形プロセスが実行される。
【0115】
具体的に、成形金型400は上型401と下型402とを含み、成形金型400が型締めおよび型抜き動作されるように、上型401と下型402のいずれかが動作可能になっている。成形金型400が型締めされると、成形金型400の上型401と下型402との間に少なくとも1つの成形空間403を形成され、面付けユニット100が成形金型400の上型401と下型402との間に配置されたとき、各半導体素子10の第1接合面11が各成形空間403内にそれぞれ位置する。
【0116】
上型401と下型402との間に2つ以上の成形空間403が形成されている場合、隣接する成形空間403が連通するように、上型401と下型402との間に少なくとも1つの連通通路404がさらに形成されてもよい。
【0117】
さらに、上型401は、成形ガイド部4011と、少なくとも1つの開窓成形部4012とを含み、各開窓成形部4012と成形ガイド部4011との間に成形ガイド溝4013が形成されるように、又は隣接する開窓成形部4012の間に成形ガイド溝4013が形成されるように、各開窓成形部4012は成形ガイド部4011に一体に延びている。上型401と下型402が型締めされると、隣接する成形空間403が連通するように、各成形空間403は、各成形ガイド溝4013に対応する位置に成形空間403がそれぞれ形成され、上型401と下型402との間に各連通通路404が形成される。
【0118】
成形金型400の上型401と下型402を型締めし、且つ上型401と下型402との間に面付けユニット300を保持するとき、補償部20の一部は上型401の押圧面40121と半導体素子10の非接合面12との間に位置する。このようにすると、一方では、補償部20は変形を起こすことにより、型締時に発生する成形金型400の衝撃力を吸収することができ、これにより、該衝撃力が半導体素子10に直接作用することが防止される。他方では、補償部20は変形を起こすことにより、上型401の押圧面40121と半導体素子10の非接合面12との間に隙間が形成されることを防止して、成形プロセスの完了後に「バリ」が発生する不良現象を防止することができる。もう一方では、補償部20が半導体素子10の非接合面12から突出しているため、上型401の押圧面4012が半導体素子10の方向に向かって押圧するとき、補償部20は上型401の押圧面40121とプラスチック材料300が塗布された半導体素子10の非接合面12の部分とを分離するだけでなく、上型401の押圧面40121と、プラスチック材料300が塗布されていない半導体素子10の非接合面12の部分との間に隙間を作ることができて、上型401の押圧面40121が半導体素子10の非接合面12を傷付けるという不良現象52が防止される。
【0119】
具体的には、半導体素子10の非接合面12のプラスチック材料300が塗布されている部分を受圧部121とし、半導体素子10の非接合面12の材料300の塗布されていない部分は露出部122として定義し、または、半導体素子10の非接合面12の補償部20で覆われている部分を受圧部121とし、半導体素子10の非接合面12の補償部20で覆われていない部分は露出部122として定義する。型締めが行われた後の上型401と下型402との間に面付けユニット100が配置されるとき、補償部20は半導体素子10の被押圧部121と上型401の押圧面40121とを分離するとともに、半導体素子10の露出部122と上型401の押圧面40121との間に隙間を形成することができて、上型401の押圧面40121が半導体素子10の非接合面12を傷付けるという不良現象が防止される。
【0120】
通常の場合、上型401の窓成形部4012の圧着面が押圧面40121を形成している。
【0121】
また、成形金型400はフィルム層405をさらに含んでもよく、フィルム層405は上型401の押圧面40121に重なって設けられており、例えば、フィルム層405は上型401の押圧面40121に貼り付けられるように、上型401の押圧面40121に重なって設けられてもよく、こうして、成形プロセスにおいて、フィルム層405は上型401の押圧面40121と半導体素子10の非接合面12との間に位置することができて、フィルム層405により上型401の押圧面40121と半導体素子10の非接合面12とが分離されて、上上型401の押圧面40121によって半導体素子10の非接合面12が傷付けられることが防止される。また、フィルム層405は弾性を有してもい。これにより、成形金型400の上型401と下型402が型締めされるとき、フィルム層405は上型401および下型402の型締めにより生じる衝撃力を吸収することができ、該衝撃力が半導体素子12に直接作用することが防止される。
【0122】
図10および
図11を参照し、流体状の成形材料500が成形金型400の少なくとも1つの成形空間403内に添加され、成形材料500は、連通通路404を介して成形空間403全体に充填され、このとき、成形材料500が半導体素子10の第1接合面11を埋め込み、補償部20が、半導体素子10の第1接合面11と成形材料500の接合領域の少なくとも一部を分離することができる。
【0123】
成形材料500が成形金型400の成形空間403に充填された後、成形材料500を成形金型400の成形空間403内で固化成形させて、半導体素子10に一体的に接合されたパッケージ部材30を形成することができ、そして、上型401の窓成形部4012に対応する位置にパッケージ部材30の窓31を形成し、パッケージ部材30の窓31は、半導体素子10の非接合面12の少なくとも一部領域に対応する。例えば、本発明のパッケージング方法の一例では、成形金型400の成形空間403に充填された成形材料500を加熱により硬化成形させて、半導体素子10に一体的に接合されたパッケージ部材30を形成してもよい。
【0124】
半導体素子10の第1接合面11に対応するパッケージ部材30の表面は第2接合面32として定義され、すなわち、半導体素子10の第1接合面11とパッケージ部材30の第2接合面32とが位置する領域は、半導体素子10とパッケージ部材30との接合領域であり、補償部20は、半導体素子10とパッケージ部材30との接合領域の少なくとも一部に位置する。
【0125】
成形材料500の種類は本発明のパッケージング方法では限定されない。例えば、成形材料500は液体、固体粒子、または液体と固体粒子の混合物など、流動可能な任意の材料であってもよく、また、成形材料500は、成形金型500の成形空間403に添加された後、加熱、加圧、降温、放射線照射などにより硬化させることができる。好ましくは、成形材料500は熱硬化性材料として実施されるが、これに限定されない。
【0126】
成形材料500が成形金型400の成形空間403内で硬化し成形されて、半導体素子10に一体的に接合されたパッケージ部材30が形成された後、成形金型400に対して型抜き作業を実行して、
図12に示す互いに接続された複数の半導体装置の半製品を形成する。
【0127】
次に、半導体装置の半製品に対して焼成プロセスが行われ、パッケージ部材30をさらに硬化させることにより、パッケージ部材30が半導体素子10から脱落されるという不良現象の発生を回避する。具体的には、
図13を参照し、半導体素子10とパッケージ部材30とは異なる材料からなるため、半導体素子10とパッケージ部材30は異なる熱膨張係数を有し、そして、パッケージ部材30は成形金型400によりモールド成形されるため、半導体装置の半製品を焼成してパッケージ部材30を硬化させるとき、半導体素子10およびパッケージ部材30は異なる程度に変形され、パッケージ部材30の変形の程度は半導体素子10の変形程度よりもはるかに大きい。
【0128】
通常の場合、半導体素子10は加熱されると熱膨張および冷却収縮の物理現象によりわずかな膨張変形が発生する場合があり、具体的には、半導体素子10の第1接合面11がパッケージ部材30の第2接合面12に向かう方向に凸状に変形する。パッケージ部材30は、加熱されると周囲が内方に収縮する変形が発生し、具体的には、パッケージ部材30の第2接合面12は半導体素子10の第1接合面11から離れる凹状変形が発生する。パッケージ部材30は、第2接合面12の位置で凹状変形が発生するとき、引っ張り力が生じて補償部20を引っ張る。半導体素子10は、第1接合面11の位置で凸状変形が発生するとき、押圧力が生じて補償部20を押圧する。補償部20は変形可能な弾性部材であり、異なる位置で異なる大きさの変形を発生することができる。したがって、パッケージ部材30が補償部20を引っ張り、半導体素子10が補償部20を押圧するとき、補償部20の異なる位置は、異なる大きさの変形を発生させることにより、パッケージ部材30の変形の大きさと半導体素子10の変形の大きさとの差を補償し、したがって、パッケージ部材30の収縮変形による引っ張り力が半導体素子10に作用することが防止され、このようにして、半導体素子10の大きな変形を回避することができて、半導体素子10の変形、亀裂などを防止し、半導体素子10の良好な電気特性が確保される。特に、光センシング用の半導体素子10については、半導体素子10の非接合面12の平坦性および完全性はよりよく確保することができて、半導体素子10の光学性能が向上される。
【0129】
次に、
図14に示すように、焼成後の複数の互いに接続された半導体装置の半製品を分割することで、半導体装置を形成することができる。
【0130】
複数の互いに接続された半導体装置の半製品を分割する方法は、本発明のパッケージング方法では限定されない。例えば、一例では、複数の互いに接続された半導体装置を切断ブレードで切断することにより分割することができ、別の例では、複数の互いに接続された半導体装置をエッチングにより分割することもできる。
【0131】
また、半導体装置の半製品の分割方向も制限されない。例えば、半導体装置の半製品を上から下に分割してもよく、半導体装置の半製品を下から上に分割してもよく、それによって半導体装置を形成する。
【0132】
当業者は理解できるであろうが、本発明のパッケージング方法の他の例では、まず、複数の互いに接続された半導体装置の半製品を分割し、次に、単一の半導体装置の半製品を焼成して、半導体装置を得ることもできる。
【0133】
当業者はまた理解できるであろうが、本発明の半導体装置のいくつかの例では、半導体装置は少なくとも1つの離型側101を有し、焼成プロセスの後、パッケージ部材30は、半導体装置の離型側101に凹状変形を生成して、パッケージ部材30が半導体装置の離型側101で弧状をするようになる。本発明の半導体装置の別のいくつかの例では、半導体装置は少なくとも1つの分割面102を有し、焼成プロセスの後、半導体装置の半製品を分割し、分割位置に半導体装置の分割側102を形成し、パッケージ部材30は、半導体装置の分割側102で、例えば完全な斜面など、完全な平面になっている。
【0134】
つまり、本発明の別の態様によれば、
図14を参照し、本発明はさらに半導体装置を提供する。半導体装置は、少なくともに1つの半導体素子10、少なくとも1つの補償部20、および少なくとも1つのパッケージ部材30を備え、半導体素子10は1つの第1接合面11を有し、補償部20は、半導体素子10の第1接合面11の少なくとも一部領域に重ねて設けられるか、または、補償部20は、半導体素子10の第1接合面11の少なくとも一部領域に形成され、パッケージ部材30は、成形プロセスによって半導体素子10に一体的に接合されるとともに、半導体素子10の第1接合面11に対応する位置に第2接合面32を形成する。パッケージ部材30が成形プロセスにより半導体素子10に一体的に接合されるとき、半導体装置の半製品が形成される。半導体装置の半製品に対して焼成を行うとき、補償部20は、異なる位置で異なる大きさの変形を発生させることにより、パッケージ部材30の変形の大きさと半導体素子10の変形の大きさとの差を補償し、それにより、収縮変形によるパッケージ部材30の引っ張り力が半導体素子10に作用することが防止され、半導体素子10の信頼性が確保される。
【0135】
好ましくは、補償部20は少なくとも1つの貫通孔21を有し、貫通孔21は半導体素子10の非接合面12の少なくとも一部領域に対応し、パッケージ部材30は少なくとも1つの窓31を有し、パッケージ部材30の窓31は、補償部20の貫通孔21を介して半導体素子10の非接合面12の少なくとも一部領域に対応する。
【0136】
補償部20の貫通孔21の形状、大きさ、並びにパッケージ部材30の窓31の形状、大きさは本発明の半導体装置では限定されない。補償部20の貫通孔21の形状、およびパッケージ部材30の窓31の形状は、例えば、正方形または長方形などの方形で実現されることが好ましい。
【0137】
図15は、半導体装置の変形実施形態を示し、半導体装置は被接合部材40をさらに含み、成形プロセスによって形成されたパッケージ部材30は、半導体素子10を被接合部材40にパッケージングすることができ、これにより、半導体素子10、被接合部材40、およびパッケージ部材30が一体的に接合される。
【0138】
具体的には、成形プロセスの前に、半導体素子10を被接合部材40に配置した後、補償部20を半導体素子10の第1接合面11の少なくとも一部領域に重ねて配置するか、あるいは、補償部20を半導体素子10の第1接合面11の少なくとも一部領域に形成する。
【0139】
成形プロセスで形成されたパッケージ部材30は、半導体素子10および被接合部材40に一体的に接合することができ、半導体素子10の第1接合面11に位置する補償部20は、パッケージ部材30の第2接合面32と半導体素子10の第1接合面11とを分離することができる。後続の補償部20は、異なる位置で異なる大きさの変形を生成させることにより、パッケージ部材30の変形の大きさと半導体素子10の変形の大きさとの差を補償し、それにより、収縮変形によるパッケージ部材30の引っ張り力が半導体素子10に作用することが防止され、半導体素子10の信頼性が確保される。
【0140】
好ましくは、補償部20は被接合部材40の上端面の露出領域41の少なくとも一部領域に設けられてもよく、あるいは、補償部20は、被接合部材40の上端面の露出領域41の少なくとも一部領域に形成されてもよく、それにより、補償部20は、パッケージ部材30の第2接合面32と被接合部材40の露出領域41とを分離することができ、それにより、後続の焼成プロセスにおいて、補償部20は、異なる位置で異なる大きさの変形を生成することにより、パッケージ部材30の変形の大きさと被接合部材40の変形の大きさとの差を補償することができ、それにより、パッケージ部品30の収縮変形により生じる引っ張り力が被接合部材40に作用することが防止され、被接合部材40の平坦性を確保することにより、半導体素子10の平坦性が確保される。例えば、本発明の1つの好ましい実施例では、被接合部材40の露出領域41の全域に補償部20が設けられるか、又は補償部20が形成される。
【0141】
本発明に係る被接合部材40の露出領域41とは、半導体素子10が被接合部材40の上端面に設けられた後、半導体素子10に覆われない領域を指す。
【0142】
図16は半導体装置の別の変形実施形態を示し、パッケージ部材30と被接合部材40との間に補償部20が配置または形成されてもよく、それにより、その後の焼成プロセスにおいて、補償部20が変形を生成することにより、パッケージ部材30の変形の大きさと被接合部材40の変形の大きさとの差を補償し、したがって、パッケージ部品30の収縮変形により生じる引っ張り力が被接合部材40に作用することが防止されて、半導体装置の信頼性および歩留まりが確保される。
【0143】
図16に示された半導体装置のこの例では、パッケージ部材30と被接合部材40との間に保持される補償部20、およびパッケージ部材30と半導体素子10との間に保持される補償部20は一体化構造であってもよく、すなわち、パッケージ部材30と被接合部材40との間に保持される補償部20、およびパッケージ部材30と半導体素子10との間に保持される補償部20は一体的に形成することができる。
図17に示される半導体装置の別の変形実施形態では、パッケージ部材30と被接合部材40との間に保持される補償部20、およびパッケージ部材30と半導体素子10との間に保持される補償部20は別体構造であってもよく、すなわち、パッケージ部材30と被接合部材40との間に保持される補償部20、およびパッケージ部材30と半導体素子10との間に保持される補償部20は互いに独立することができ、このような方法により、それぞれの補償部20によりパッケージ部材30の変形の大きさと被接合部材40の変形の大きさとの差を保障し、パッケージ部材30の変形の大きさおよび半導体素子10の変形の大きさをそれぞれ補償することができる。必要に応じて、パッケージ部材30と被接合部材40との間のみに補償部20を設けてもよく、それにより、パッケージ部材の加工中に発生する半導体素子の側面押圧によって生じる変形が補償され、像面湾曲が低減し、結像品質が改善される。パッケージ部材30と被接合部材40との間のみに補償部20を設けることにより、製品材料を節約し、コストを削減し、生産効率および歩留まりを改善することもできる。本特許文献は、各デバイスの材料の収縮率の違いによる変形を減らすことができる。本特許文献のパッケージング方法は、イメージングのためにパッケージ部材に光窓を設けており、パッケージ部材の加工プロセスにおいて各々のデバイスの材料の収縮率が異なるため、光窓が設けられていないパッケージ部材と比較して、光窓を設けているパッケージ部材のほうが半導体素子を変形しやすくする。本特許に係るパッケージ部材30と被接合部材40との間のみに補償部20を設けることにより、このような変形を効果的に緩和することができる。
図18は、半導体装置の別の変形実施形態を示す。
図18に示すように、パッケージ部材30、被接合部材40および半導体素子10の間に補償部20を設けることができ、このような方法により、補償部20によってパッケージ部材30の変形幅と被接合部材40の変形幅との差を補償し、パッケージ部材30の変形の大きさおよび半導体素子10の変形幅をそれぞれ補償することができる。
図18に示す実施例では、補償部20の高さは半導体素子10の高さよりも小さく、補償部20は、被接合部材40の半導体素子10を除く領域の一部領域のみに設けられている。上述した補償部20の設置方法に従って、パッケージ部材30は被接合部材40、半導体素子10、および補償部20の三者を埋め込むとともに、被接合部材40、半導体素子10、および補償部20の三者に直接接触することができる。
図18に示す実施例による補償部の設置方法は、製品の材料を節約し、コストを削減し、生産効率を改善するとともに、半導体素子10の変形幅を効果的に補償することができて、半導体素子10の信頼性が保証されて、製品の歩留まりを改善することができる。
【0144】
図19は、半導体装置の別の変形実施形態を示し、補償部20は多層にすることもでき、例えば、一実施例では、2つの接着剤層が互いに重なり合って多層の補償部20を形成してもよく、または、2つのインク層が互いに重なり合って多層の補償部20を形成してもよく、すなわち、同じ材料で多層の補償部20を形成することができる。別の例として、接着剤層とインク層が互いに重なり合って多層の補償部20を形成してもよく、すなわち、異なる材料が多層の補償部20を形成してもよい。もちろん、補償部20の異なる層は異なる厚さを有することができる。当業者は理解できるであろうが、本発明は、接着剤層およびインク層によって多層の補償部20を形成することを説明しているが、他の例では、多層の補償部20を他の材料で形成したり、補償部20の層数を2層以上にしたりすることはいずれも可能である。
【0145】
図20は、本発明の好ましい実施形態による半導体装置を含む撮像装置1100の断面概略図である。
図20に示すように、撮像装置1100は光学レンズ60と、明細書の説明による半導体装置とを備えている。撮像装置1100は、ドライバ70をさらに備え、光学レンズ60がドライバ70に駆動可能に設けられ、ドライバ70がパッケージ部材30の上端面に取り付けられることにより、光学レンズ60が半導体素子10の感光経路に保持されるようになる。本発明の別の実施形態では、撮像装置1100はドライバ70を含まなくてもよい。図示された撮像装置1100はフィルタ素子80を含み、フィルタ素子80がパッケージ部材30の上端面に取り付けられることにより、フィルタ素子80が光学レンズ60と半導体素子10との間に保持されるようになる。別の実施形態では、図示される撮像装置1100はフレーム状のホルダを含み、フィルタ素子80がホルダに取り付けられ、ホルダがパッケージ部材30の上端面に取り付けられることにより、フィルタ素子80が光学レンズ60と半導体素子10との間に保持されるようになる。パッケージ部材30の上端面に第1実装領域301および第2実装領域302を有し、ドライバ70はパッケージ部材30の第1実装領域301に実装され、フィルタ素子80またはホルダはパッケージ部材30の第2実装領域302に実装される。パッケージ部材30の第1実装領域301と第2実装領域302が高低差を有することにより、窓に連通される実装溝303が形成され、フィルタ素子80またはホルダが実装溝303に収容される。パッケージ部材30の上端面に第1実装領域301および第2実装領域302を有し、ドライバ70はパッケージ部材30の第1実装領域301に実装され、ホルダはパッケージ部材30の第2実装領域302に実装される。図示された撮像装置1100は回路基板を備え、半導体素子10のチップコネクタが回路基板の回路基板コネクタに電気的に接続されている。
【0146】
図21は、本発明の好ましい実施例による撮像装置を含む電子機器である。本発明はさらに、電子機器を提供し、
図21を参照し、電子機器は機器本体1200と少なくとも1つの撮像装置1100を含み、撮像装置1100は機器本体1200に設けられて、機器本体1200が画像(例えば、ビデオや画像など)を取得するのを支援する。
【0147】
本発明は、従来のモールディングおよびパッケージング技術とは異なる、成形プロセスに基づく半導体パッケージング方法を提供し、パッケージング方法は、
【0148】
半導体素子10の第1接合面11とパッケージ部材30の第2接合面32との間に形成された接合領域の少なくとも一部に補償部20の少なくとも一部を保持させて、半導体装置の半製品を形成するステップ(a)と、
【0149】
パッケージ部材30を硬化させる際、補償部20のそれぞれの位置が異なる程度の変形を発生するように、パッケージ部材30の変形の大きさと半導体素子10の変形の大きさとの差を補償して、半導体素子10をパッケージングし半導体装置を形成するステップと(b)を含む。
【0150】
ステップ(b)において、焼成プロセスによってパッケージ部材30を硬化させることができ、これにより、パッケージ部材30が半導体素子10から脱落するという不良現象が防止される。
【0151】
当業者であれば、記述及び図面に示した本発明の実施例は例として本発明を限定するものではないと理解すべきである。
【0152】
本発明の目的は完全かつ効果的に実現されている。本発明の機能及び構造原理は実施例に示されかつ説明され、原理から逸脱することなく、本発明の実施形態は任意の変形又は修正を有することができる。
【符号の説明】
【0153】
10 半導体素子
11 第1接合面
12 非接合面
20 補償部
21 貫通孔
30 パッケージ部材
301 第1実装領域
302 第2実装領域
303 実装溝
31 窓
32 第2接合面
40 被接合部材
41 露出領域
60 光学レンズ
70 ドライバ
80 フィルタ素子
100 面付けユニット
121 受圧部
122 露出部
200 ベース
300 プラスチック材料
400 成形金型
401 上型
4011 成形ガイド部
4012 開窓成形部
40121 押圧面
4013 成形ガイド溝
402 下型
403 成形空間
404 連通通路
405 フィルム層
500 成形材料
1100 撮像装置
1200 機器本体
10P 半導体素子
11P 第2接合面
20P 被接合部材
30P パッケージ部材
31P 第1接合面
40P 成形金型
41P 成形空間
50P 成形材料