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特許7041202医療デバイス送達システム用結合ユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-14
(45)【発行日】2022-03-23
(54)【発明の名称】医療デバイス送達システム用結合ユニット
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/95 20130101AFI20220315BHJP
   A61F 2/90 20130101ALI20220315BHJP
【FI】
A61F2/95
A61F2/90
【請求項の数】 22
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020116881
(22)【出願日】2020-07-07
(62)【分割の表示】P 2019531760の分割
【原出願日】2018-01-19
(65)【公開番号】P2020168454
(43)【公開日】2020-10-15
【審査請求日】2021-01-15
(31)【優先権主張番号】15/410,444
(32)【優先日】2017-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】アショク ナゲスワラン
(72)【発明者】
【氏名】コン ダン
(72)【発明者】
【氏名】アーロン バレット
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ ファン
【審査官】中村 一雄
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2007/0100421(US,A1)
【文献】特表2009-532115(JP,A)
【文献】特表2013-500777(JP,A)
【文献】特表平11-512318(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/95
A61F 2/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステント送達システムであって、
遠位セグメントを有するコア部材と、
前記コア部材の遠位セグメントの周りに配置されている結合ユニットであって、前記結合ユニットは、
前記コア部材の遠位セグメントに結合されている近位拘束部と、
前記近位拘束部に対して遠位の位置で前記コア部材の遠位セグメントに結合されている遠位拘束部と、
前記近位拘束部と前記遠位拘束部との間で前記コア部材の遠位セグメントに摺動可能に結合されている2つ以上のプレートと、
前記近位拘束部と前記遠位拘束部との間で前記コア部材の遠位セグメントに結合されている1つ以上のスペーサと
を含み、
前記近位拘束部および前記遠位拘束部は、前記近位拘束部と前記遠位拘束部との間で前記コア部材の遠位セグメントに結合されている前記2つ以上のプレートと前記1つ以上のスペーサとの組み合わせられた長さより長い長手方向距離だけ前記コア部材に沿って離間されている、結合ユニットと、
前記コア部材の遠位セグメントに沿って延びるステントであって、これにより、前記ステントの表面は、前記2つ以上のプレートのうちの少なくとも1つによって係合されている、ステントと
を含む、ステント送達システム。
【請求項2】
前記長手方向距離は、前記2つ以上のプレートが、前記近位拘束部および前記遠位拘束部に対して前記コア部材の遠位セグメントに沿って長手方向に摺動可能な距離である、請求項1に記載のステント送達システム。
【請求項3】
前記1つ以上のスペーサは、2つのプレートの間に配置されているスペーサを含む、請求項1に記載のステント送達システム。
【請求項4】
前記2つ以上のプレートは、第1のプレートと第2のプレートと第3のプレートとを含み、
前記1つ以上のスペーサは、第1のスペーサと第2のスペーサとを含み、
前記第1のスペーサは、前記第1のプレートと前記第2のプレートとの間に配置されており、
前記第2のスペーサは、前記第2のプレートと前記第3のプレートとの間に配置されている、請求項1に記載のステント送達システム。
【請求項5】
前記近位拘束部および前記遠位拘束部は、前記第1のプレートと前記第2のプレートと前記第3のプレートと前記第1のスペーサと前記第2のスペーサとの組み合わせられた長さよりも長い長手方向距離だけ前記コア部材に沿って離間されている、請求項4に記載のステント送達システム。
【請求項6】
前記2つ以上のプレートの少なくとも1つの突起は、前記突起が前記ステントの孔の中に少なくとも部分的に収容されるように、前記ステントと結合されている、請求項1に記載のステント送達システム。
【請求項7】
前記2つ以上のプレートは、前記ステントの長手方向に隣接する孔の中心の間の距離に対応する距離だけ互いに離間されている、請求項1に記載のステント送達システム。
【請求項8】
ステント送達システムであって、
カテーテルルーメンと、前記カテーテルルーメンに沿って延びるカテーテル内面とを有するカテーテルと、
前記カテーテルーメン内に延びるコア部材と、
前記コア部材に摺動可能に取り付けられている第1のカプラおよび第2のカプラであって、前記第1のカプラおよび前記第2のカプラのそれぞれは、
第1の端面と、第2の端面と、前記第1の端面と前記第2の端面との間に延びる側面と、
前記第1の端面と前記第2の端面とを通って延びる開口部であって、前記コア部材は、前記開口部を通って延び、前記開口部は、前記コア部材の外面と前記第1のカプラの内面と前記第2のカプラの内面との間に半径方向の間隙を画定する、開口部と
を含む、第1のカプラおよび第2のカプラと、
前記コア部材上に取り付けられている1つ以上のスペーサと、
前記第1のカプラおよび前記第2のカプラおよび前記1つ以上のスペーサに対して近位の位置で前記コア部材上に取り付けられている近位拘束部と、
前記第1のカプラおよび前記第2のカプラおよび前記1つ以上のスペーサに対して遠位の位置で前記コア部材に取り付けられている遠位拘束部であって、前記遠位拘束部は、前記第1のカプラと前記第2のカプラと前記1つ以上のスペーサとの組み合わせられた長さよりも長い長手方向距離だけ前記近位拘束部から離間されている、遠位拘束部と、
前記コア部材に沿って延びるステントであって、前記ステントは、前記カテーテ内面と前記第1のカプラと前記第2のカプラとの間に半径方向に配置されている、ステントと
を含み、
前記ステント送達システムは、前記ステントの内壁を前記第1のカプラおよび前記第2のカプラのうちの少なくとも一方と機械的に係合するように構成されている、ステント送達システム。
【請求項9】
前記ステントは、複数の孔を形成するメッシュを含み、前記第1のカプラおよび前記第2のカプラは、前記ステントの長手方向に隣接する孔の中心の間の距離に対応する距離だけ互いに離間されている、請求項8に記載のステント送達システム。
【請求項10】
前記1つ以上のスペーサの半径方向の最外寸法は、前記第1のカプラおよび前記第2のカプラの半径方向の最外寸法よりも小さい、請求項8に記載のステント送達システム。
【請求項11】
前記1つ以上のスペーサは、前記コア部材に対して固定されている、請求項8に記載のステント送達システム。
【請求項12】
前記1つ以上のスペーサは、前記第1のカプラと前記第2のカプラとの間に配置されているスペーサを含む、請求項8に記載のステント送達システム。
【請求項13】
前記ステント送達システムは、前記コア部材に摺動可能に取り付けられている第3のカプラをさらに含み、
前記1つ以上のスペーサは、第1のスペーサと第2のスペーサとを含み、
前記第1のスペーサは、前記第1のカプラと前記第2のカプラとの間に配置されており、前記第2のスペーサは、前記第2のカプラと前記第3のカプラとの間に配置されている、請求項8に記載のステント送達システム。
【請求項14】
前記第1のカプラの側面および前記第2のカプラの側面のそれぞれは、凹部によって分離されている1つ以上の突起を含む、請求項8に記載のステント送達システム。
【請求項15】
ステントを係合するように構成されているアセンブリであって、
コア部材と、
前記コア部材上に取り付けられている近位拘束部と、
前記近位拘束部の遠位の位置で前記コア部材上に取り付けられている遠位拘束部と、
前記近位拘束部と前記遠位拘束部との間で前記コア部材に摺動可能に結合されている第1のカプラと、
前記近位拘束部と前記遠位拘束部との間の位置で前記コア部材に摺動可能に結合されている第2のカプラと、
前記近位拘束部と前記遠位拘束部との間の位置で前記コア部材に結合されている1つ以上のスペーサと
を含み、
前記近位拘束部および前記遠位拘束部は、前記第1のカプラと前記第2のカプラと前記1つ以上のスペーサとの組み合わせられた長さよりも長い長手方向距離だけ前記コア部材に沿って離間されており、
前記アセンブリは、前記ステントの内壁を前記第1のカプラおよび前記第2のカプラのうちの少なくとも一方と機械的に係合するように構成されている、アセンブリ。
【請求項16】
前記1つ以上のスペーサの半径方向の最外寸法は、前記第1のカプラおよび前記第2のカプラの半径方向の最外寸法よりも小さい、請求項15に記載のアセンブリ。
【請求項17】
前記1つ以上のスペーサは、前記第1のカプラと前記第2のカプラとの間に配置されているスペーサを含む、請求項15に記載のアセンブリ。
【請求項18】
前記第1のカプラおよび前記第2のカプラのそれぞれは、
第1の端面と、第2の端面と、前記第1の端面と前記第2の端面との間に延びる1つ以上の突起とを含む側面と、
前記第1の端面と前記第2の端面とを通って延びる開口部であって、前記コア部材は、前記開口部を通って延び、前記開口部は、前記コア部材の外面と前記第1のカプラの内面と前記第2のカプラの内面との間の半径方向の間隙を画定する、開口部と
を含む、請求項15に記載のアセンブリ。
【請求項19】
前記1つ以上の突起は、丸みを帯びた縁部を含む、請求項18に記載のアセンブリ。
【請求項20】
前記1つ以上のスペーサは、前記第1のカプラと前記第2のカプラとの間に配置されているスペーサを含む、請求項15に記載のアセンブリ。
【請求項21】
前記アセンブリは、前記コア部材に摺動可能に取り付けられている第3のカプラをさらに含み、
前記1つ以上のスペーサは、第1のスペーサと第2のスペーサとを含み、
前記第1のスペーサは、前記第1のカプラと前記第2のカプラとの間に配置されており、前記第2のスペーサは、前記第2のカプラと前記第3のカプラとの間に配置されている、請求項15に記載のアセンブリ。
【請求項22】
前記近位拘束部および前記遠位拘束部は、前記第1のカプラと前記第2のカプラと前記第3のカプラと前記第1のスペーサと前記第2のスペーサとの組み合わせられた長さよりも長い長手方向距離だけ前記コア部材に沿って離間されている、請求項21に記載のアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願(複数可)の相互参照
本出願は、2017年1月19日に出願された米国特許出願第15/410,444号の優先権を主張するものであり、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
脈管構造の壁、特に動脈壁は、破裂しやすい薄くて脆い壁をしばしば有する動脈瘤と呼ばれる病的拡張の領域を発症させ得る。動脈瘤は一般に、疾病、怪我、または先天性異常による血管壁の弱体化によって引き起こされる。動脈瘤は身体の様々な部分に発症し、最も一般的なものは、腹部大動脈瘤及び神経血管系の大脳(例えば、脳)動脈瘤である。動脈瘤の弱体化した壁が破裂すると、特に破裂したのが脳動脈瘤である場合は、死に至る可能性がある。
【0003】
動脈瘤は、一般に、血管の弱体化した部分を動脈循環から取り除くか、または少なくとも部分的に分離することによって治療される。例えば、従来の動脈瘤治療には、(i)金属製クリップで動脈瘤の底部周辺を締め付ける、外科的クリッピング。(ii)小さく柔軟なワイヤコイル(マイクロコイル)を動脈瘤に詰める。(iii)動脈瘤を「充填する」ために塞栓材料を使用する。(iv)動脈瘤を供給する親血管を閉塞するために取り外し可能なバルーンまたはコイルを使用する。(v)血管内ステント術などがある。
【0004】
血管内ステントは、血管狭窄症または動脈瘤の治療のための医療分野ではよく知られている。ステントは、虚脱から血管を支持するために血管またはルーメン内で半径方向にまたは他の方法で拡張するプロテーゼである。これらの血管内ステントを送達するための方法もまたよく知られている。
【0005】
圧縮ステントを血管内に導入し、狭窄部または動脈瘤の領域内に配置する従来の方法は、遠位部が狭窄部または動脈瘤に近接するまで患者の血管系を通して誘導カテーテルの遠位部を経皮的に前進させることを含む。第2の内側カテーテル及び内側カテーテル内のガイドワイヤは、誘導カテーテルの遠位領域を通って前進させられる。次いで、ガイドワイヤは、圧縮ステントを送達するガイドワイヤの遠位部分が血管内の病変の位置に位置決めされるまで、誘導カテーテルの遠位領域から血管内に前進させられる。次いで、圧縮ステントが、病変の位置で血管を支持するように解放及び拡張される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術は、例えば、以下に説明される様々な態様に従って説明される。本技術の態様の様々な例は、便宜上、番号付けされた条項(1、2、3など)として記載されている。これらは例として提供されており、本技術を限定するものではない。従属条項のいずれも任意の組み合わせで組み合わせ得て、それぞれ独立条項、例えば、条項1または条項23に入れられ得ることに留意されたい。他の条項も同様に提示することができる。
【0007】
1.遠位セグメントを有するコア部材と、
前記コア部材の遠位セグメントの周りに配置され、前記コア部材に回転可能に結合されるカプラであって、前記カプラが、第1の端面と、第2の端面と、前記第1の端面と第2の端面との間に延びる側面とを有する剛性プレートを含み、前記側面が、凹部によって分離された1つまたは複数の突起を含む、前記カプラと、
ステントであって、前記ステントの内面が、前記カプラの前記1つまたは複数の突起によって係合されるように、前記コア部材の遠位セグメントに沿って延びる、前記ステントとを含む、ステント送達システム。
【0008】
2.前記突起が丸みを帯びた縁部を含む、条項1に記載のステント送達システム。
【0009】
3.前記1つまたは複数の突起が3つ以上の突起を含む、条項1に記載のステント送達システム。
【0010】
4.前記第1及び第2の端面の最長寸法が、内径0.017インチ、0.021インチまたは0.027インチのカテーテル内に嵌合するように構成される、条項1に記載のステント送達システム。
【0011】
5.前記第1及び第2の端面の最大長が、前記側面の長さの少なくとも5倍であり、前記第1及び第2の端面の前記最大長が、前記側面の前記長さに概して直交する、条項1に記載のステント送達システム。
【0012】
6.前記剛性プレートが、金属または剛性ポリマーの少なくとも1つを含む、条項1に記載のステント送達システム。
【0013】
7.前記剛性プレート側面が、約25~100ミクロンの間の長さを有する、条項1に記載のステント送達システム。
【0014】
8.前記剛性プレートが、第1の剛性プレートであり、前記ステント送達システムがさらに、
前記コア部材の遠位セグメントの周りに配置され、前記第1の剛性プレートから離間している第2の剛性プレートと、
前記コア部材の遠位セグメントの周りに配置されるスペーサであって、前記スペーサが、前記第1の剛性プレートと前記第2の剛性プレートとの間に配置される、前記スペーサとを含む、条項1に記載のステント送達システム。
【0015】
9.前記スペーサが、前記コア部材の長軸と直交する端壁を有する円筒体を含む、条項8に記載のステント送達システム。
【0016】
10.前記第1及び第2の剛性プレートが、前記ステントの孔ピッチに対応する距離だけ互いに離間している、条項8に記載のステント送達システム。
【0017】
11.前記第1及び第2の端面が、前記コア部材の長軸に対して実質的に直交する、条項1に記載のステント送達システム。
【0018】
12.各突起が前記ステントの孔内に少なくとも部分的に収容されるように、前記突起が前記ステントと結合する、条項1に記載のステント送達システム。
【0019】
13.ルーメン及び前記ルーメンに沿って延びる内面を有するカテーテルと、
前記カテーテルルーメン内に延びるコア部材と、
プレートであって、
第1の端面と、第2の端面と、前記第1の端面と前記第2の端面との間に延びる側面と、
前記第1及び第2の端面を通って延びる開口部であって、前記コア部材が、前記プレートが前記コア部材の周りを回転できるように前記開口部を通って延びる、前記開口部と、を含む、前記プレートと、
前記コア部材に沿って前記プレート上を延びるステントであって、前記ステントの少なくとも一部が、前記プレート側面と前記カテーテル内面との間に半径方向に配置されている、前記ステントとを含む、ステント送達システム。
【0020】
14.前記プレート側面が、凹部によって分離された複数の突起を含む、条項13に記載のステント送達システム。
【0021】
15.各突起が前記ステントの孔内に少なくとも部分的に収容されるように、前記突起が前記ステントと結合する、条項14に記載のステント送達システム。
【0022】
16.前記1つまたは複数の突起が3つ以上の突起を含む、条項14に記載のステント送達システム。
【0023】
17.前記第1及び第2の端面の最大長が、前記側面の長さの少なくとも5倍であり、前記第1及び第2の端面の前記最大長が、前記側面の前記長さに概して直交する、条項13に記載のステント送達システム。
【0024】
18.前記プレートが、金属または剛性ポリマーの少なくとも1つを含む、条項13に記載のステント送達システム。
【0025】
19.前記プレートが、第1のプレートであり、前記ステント送達システムがさらに、
前記コア部材の周りに配置され、前記第1のプレートから離間している第2のプレートと、
前記コア部材の周りに配置され、前記第1のプレートと前記第2のプレートとの間に配置されるスペーサとを含む、条項13に記載のステント送達システム。
【0026】
20.前記スペーサが、前記コア部材の長軸と直交する端壁を有する円筒体を含む、条項19に記載のステント送達システム。
【0027】
21.前記第1及び第2のプレートが、前記ステントの孔ピッチに対応する距離だけ互いに離間している、条項19に記載のステント送達システム。
【0028】
22.コアアセンブリであって、
コア部材と、
前記コア部材の周りの第1の剛性プレートと、
前記コア部材の周りにあり、前記第1の剛性プレートから離間している第2の剛性プレートと、
前記コア部材の周りのスペーサであって、前記スペーサが、前記第1の剛性プレートと前記第2の剛性プレートとの間に配置される、前記スペーサとを含む、前記コアアセンブリ。
【0029】
23.前記第1及び第2の剛性プレートがそれぞれ、
第1の端面と、
前記第1の端面の反対側の第2の端面と、
前記第1及び第2の端面との間に延びる側面であって、前記側面が、凹部によって分離された複数の突起を含む、前記側面と、
前記第1及び第2の端面を通って延びる開口部であって、前記開口部がそれを通してコア部材を収容する、前記開口部とを含む、条項22に記載のコア部材。
【0030】
24.前記1つまたは複数の突起が3つ以上の突起を含む、条項23に記載のコア部材。
【0031】
25.前記第1及び第2の端面の最大長が、前記側面の長さの少なくとも5倍であり、前記第1及び第2の端面の前記最大長が、前記側面の前記長さに概して直交する、条項23に記載のコア部材。
【0032】
26.前記第1及び第2の端面が、前記コア部材の長軸に対して実質的に直交する、条項23に記載のコア部材。
【0033】
27.前記第1及び第2の剛性プレートが、金属または剛性ポリマーの少なくとも1つを含む、条項22に記載のコア部材。
【0034】
28.前記第1及び第2の剛性プレートがそれぞれ、約25~100ミクロンの間の厚さを有する、条項22に記載のコア部材。
【0035】
29.前記スペーサが、前記コア部材の長軸と直交する端壁を有する円筒体を含む、条項22に記載のコア部材。
【0036】
30.ステントと係合するための剛性プレートであって、前記プレートが、
第1及び第2の端面と、
前記第1及び第2の端面との間に延びる側面であって、前記側面が、凹部によって分離された複数の突起を含む、前記側面と、
前記第1及び第2の端面との間で前記剛性プレートを通して延びる中央開口部とを含む、前記剛性プレート。
【0037】
31.前記突起部が丸みを帯びた縁部を含む、条項30に記載の剛性プレート。
【0038】
32.前記1つまたは複数の突起が3つ以上の突起を含む、条項30に記載の剛性プレート。
【0039】
33.前記第1及び第2の端面の最長寸法が、内径0.017インチ、0.021インチまたは0.027インチのカテーテル内に嵌合するように構成される、条項30に記載の剛性プレート。
【0040】
34.前記第1及び第2の端面の最大長が、前記側面の長さの少なくとも5倍であり、前記第1及び第2の端面の前記最大長が、前記側面の前記長さに概して直交する、条項30に記載の剛性プレート。
【0041】
35.前記剛性プレートが、金属または剛性ポリマーの少なくとも1つを含む、条項30に記載の剛性プレート。
【0042】
36.前記側面が、約25~100ミクロンの間の長さを有する、条項30に記載の剛性プレート。
【0043】
37.前記第1及び第2の端面が、前記中央開口部の長軸に対して実質的に直交する、条項30に記載の剛性プレート。
【0044】
本技術のさらなる特徴及び利点は、以下の説明に記載され、一部は説明から明らかになり、または主題技術の実施によって習得され得る。本技術の利点は、記載された説明及びその特許請求の範囲、ならびに添付の図面において、特に指摘される構造によって実現及び達成されるであろう。
【0045】
前述の一般的な説明と以下に述べる詳細な説明とは、共に例示的なものであり、特許請求の範囲で請求された本技術にさらなる説明を加えることを意図していると理解すべきである。
例えば、本願は以下の項目を提供する。
(項目1)
遠位セグメントを有するコア部材と、
前記コア部材の遠位セグメントの周りに配置され、前記コア部材に回転可能に結合されるカプラであって、前記カプラが、第1の端面と、第2の端面と、前記第1の端面と第2の端面との間に延びる側面とを有する剛性プレートを含み、前記側面が、凹部によって分離された1つまたは複数の突起を含む、前記カプラと、
ステントであって、前記ステントの内面が、前記カプラの前記1つまたは複数の突起によって係合されるように、前記コア部材の遠位セグメントに沿って延びる、前記ステントと
を含む、ステント送達システム。
(項目2)
前記突起が丸みを帯びた縁部を含む、項目1に記載のステント送達システム。
(項目3)
前記1つまたは複数の突起が3つ以上の突起を含む、項目1に記載のステント送達システム。
(項目4)
前記第1及び前記第2の端面の最長寸法が、内径0.017インチ、0.021インチまたは0.027インチのカテーテル内に嵌合するように構成される、項目1に記載のステント送達システム。
(項目5)
前記第1及び前記第2の端面の最大長が、前記側面の長さの少なくとも5倍であり、前記第1及び前記第2の端面の前記最大長が、前記側面の前記長さに概して直交する、項目1に記載のステント送達システム。
(項目6)
前記剛性プレートが、金属または剛性ポリマーの少なくとも1つを含む、項目1に記載のステント送達システム。
(項目7)
前記剛性プレート側面が、約25~100ミクロンの間の長さを有する、項目1に記載のステント送達システム。
(項目8)
前記剛性プレートが、第1の剛性プレートであり、前記ステント送達システムがさらに、
前記コア部材の遠位セグメントの周りに配置され、前記第1の剛性プレートから離間している第2の剛性プレートと、
前記コア部材の遠位セグメントの周りに配置されるスペーサであって、前記スペーサが、前記第1の剛性プレートと前記第2の剛性プレートとの間に配置される、前記スペーサと
を含む、項目1に記載のステント送達システム。
(項目9)
前記スペーサが、前記コア部材の長軸と直交する端壁を有する円筒体を含む、項目8に記載のステント送達システム。
(項目10)
前記第1及び前記第2の剛性プレートが、前記ステントの孔ピッチに対応する距離だけ互いに離間している、項目8に記載のステント送達システム。
(項目11)
前記第1及び前記第2の端面が、前記コア部材の長軸に対して実質的に直交する、項目1に記載のステント送達システム。
(項目12)
各突起が前記ステントの孔内に少なくとも部分的に収容されるように、前記突起が前記ステントと結合する、項目1に記載のステント送達システム。
(項目13)
ルーメン及び前記ルーメンに沿って延びる内面を有するカテーテルと、
前記カテーテルルーメン内に延びるコア部材と、
プレートであって、
第1の端面と、第2の端面と、前記第1の端面と前記第2の端面との間に延びる側面と、
前記第1及び前記第2の端面を通って延びる開口部であって、前記コア部材が、前記プレートが前記コア部材の周りを回転できるように前記開口部を通って延びる、前記開口部と、
を含む、前記プレートと、
前記コア部材に沿って前記プレート上を延びるステントであって、前記ステントの少なくとも一部が、前記プレート側面と前記カテーテル内面との間に半径方向に配置されている、前記ステントと
を含む、ステント送達システム。
(項目14)
前記プレート側面が、凹部によって分離された複数の突起を含む、項目13に記載のステント送達システム。
(項目15)
各突起が前記ステントの孔内に少なくとも部分的に収容されるように、前記突起が前記ステントと結合する、項目14に記載のステント送達システム。
(項目16)
前記1つまたは複数の突起が3つ以上の突起を含む、項目14に記載のステント送達システム。
(項目17)
前記第1及び前記第2の端面の最大長が、前記側面の長さの少なくとも5倍であり、前記第1及び前記第2の端面の前記最大長が、前記側面の前記長さに概して直交する、項目13に記載のステント送達システム。
(項目18)
前記プレートが、金属または剛性ポリマーの少なくとも1つを含む、項目13に記載のステント送達システム。
(項目19)
前記プレートが、第1のプレートであり、前記ステント送達システムがさらに、
前記コア部材の周りに配置され、前記第1のプレートから離間している第2のプレートと、
前記コア部材の周りに配置され、前記第1のプレートと前記第2のプレートとの間に配置されるスペーサと
を含む、項目13に記載のステント送達システム。
(項目20)
前記スペーサが、前記コア部材の長軸と直交する端壁を有する円筒体を含む、項目19に記載のステント送達システム。
(項目21)
前記第1及び前記第2のプレートが、前記ステントの孔ピッチに対応する距離だけ互いに離間している、項目19に記載のステント送達システム。
【0046】
本開示の多くの態様は、以下の図面を参照して、より良好に理解することができる。図面中の構成要素は、必ずしも原寸に比例しているわけではない。その代わりに、本技術の原理を明確に例示することに重点が置かれている。参照を容易にするために、本開示全体を通して、同一の、または少なくとも概して類似の、または類似の構成要素または特徴を識別するために同一の参照番号が使用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】いくつかの実施形態に従って構成された医療デバイス送達システムの概略図である。
図2】いくつかの実施形態による、体腔内に配置された医療デバイス送達システムの側面断面図である。
図3】いくつかの実施形態による、図2に示される医療デバイス送達システムのコアアセンブリの側面断面図である。
図4図2に示される送達システムの拡大側面断面図である。
図5A】いくつかの実施形態による、カプラを有する結合ユニットの拡大斜視図である。
図5B】上を覆うステントを有する図5Aの結合ユニットの拡大斜視図である。
図6図6A図6Cは、図5A及び図5Bの結合ユニットの個々のカプラの側面図、端面図、及び斜視図である。
図7図5Bのカプラ及びステントの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
従来のステントカプラは、カテーテルの内壁に対してステント(編組ステント、編みステントまたは織りステントなど)を固定するために摩擦嵌合に依存する柔らかい「パッド」を含む。そのような摩擦嵌合パッドは、異なるステントワイヤサイズの混合物を収容するためにいくつかの異なるパッド直径を必要とし得る。すなわち、所与のカテーテルサイズ内で、カテーテルに含まれる圧縮(編組、編みまたは織り)ステントの内径は、ワイヤのサイズ(直径)、及び場合によっては、異なる展開サイズまたは対象血管サイズに対応するステントの他のパラメータに基づいて変わる。これは、所望の範囲内で異なるステントサイズ(例えば、直径約3.5から5ミリメートル)を収容するために異なるパッド直径を使用することを必要とする可能性があり、それは、様々な直径のパッドを非常に小さいサイズ公差まで製造することを必要とする。本技術の実施形態は、所与のカテーテルサイズ(例えば、0.027インチ、0.021インチ、または0.017インチの内径のカテーテル)内の比較的広い範囲のステント内径で、単一サイズのカプラを使用することができる。例えば、凹部によって分離された複数の突起を有する剛性プレートを含むカプラは、所与のカテーテル内の様々なステントサイズを固定するために使用することができる。
【0049】
本技術のいくつかの実施形態の具体的な詳細は、図1図7を参照して本明細書に記載される。実施形態の多くは、ステント及び他の医療デバイスを送達するためのデバイス、システム、及び方法に関して記載されているが、本明細書に記載されたものに加えて他の用途及び他の実施形態は本技術の範囲内である。本明細書に開示されたものに加えて他の実施形態も、本技術の範囲内にあることに留意されたい。さらに、本技術の実施形態は、本明細書に示した、または記載したものとは異なる構成、構成要素、及び/または手順を有することができる。さらに、本技術の実施形態は、本明細書に示した、または記載したものに加えて構成、構成要素、及び/または手順を有することができ、これら及び他の実施形態は、本技術から逸脱することなく、本明細書に示した、または記載した構成、構成要素、及び/または手順のいくつかを有しないかもしれない。
【0050】
本明細書で使用される場合、「遠位(distal)」及び「近位(proximal)」という用語は、臨床医または臨床医の制御デバイス(例えば、送達カテーテルのハンドル)に対する位置または方向を定義する。例えば、「遠位(distal)」及び「遠位に(distally)」という用語は、デバイスの長さに沿って臨床医または臨床医の制御デバイスから、離れた位置または離れる方向の位置を指す。関連する例では、「近位(proximal)」及び「近位に(proximally)」という用語は、デバイスの長さに沿って臨床医または臨床医の制御デバイスに、近接した位置または向かう方向の位置を指す。本明細書で提供される表題は、便宜上のものにすぎず、開示された主題を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0051】
医療デバイス送達システム用カプラの選定例
図1図7は、限定されないが、ステントなどの医療デバイスを、血管などの中空の解剖学的構造内に送達及び/または展開するために使用され得る、医療デバイス送達システムの実施形態を示す。ステントは、編組ステント、または編みステント、織りステント、レーザーカットステント、巻きステントなどの他の形態のステントを含むことができる。ステントは、任意選択で、脳内または頭蓋内の動脈を含む血管内、あるいは末梢動脈などの身体内の他の場所で発見されるような、動脈瘤の治療のための「フローダイバータ」デバイスとして作用するように構成することができる。ステントは、任意選択で、Irvine,California USAのMedtronic Neurovascularによって市販されているPIPELINE(商標)Embolization Deviceの任意のバージョンまたはサイズと同様とすることができる。あるいは、ステントは、本明細書に記載されているように、任意の適切な管状医療デバイス及び/または他の特徴を含むことができる。
【0052】
図1は、本技術の一実施形態に従って構成された医療デバイス送達システム100の概略図である。システム100は、カテーテル101を通してステント105を送達するように構成されたコア部材103を摺動可能に収容する細長いチューブまたはカテーテル101を含むことができる。図示のカテーテル101は、近位領域107と、患者内の治療部位に配置することができる対向する遠位領域109と、近位領域107から遠位領域109まで延びる内部ルーメン111と、ルーメン111を画定する内面113とを有する。遠位領域109で、カテーテル101は、遠位開口部115を有し、それを通して、コア部材103は、遠位領域109を越えて前進し、ステント105は血管116内で拡張または展開し得る。近位領域107はカテーテルハブ(図示せず)を含み得る。カテーテル101は、近位領域107と遠位領域109との間に延びる概して長手方向の寸法を画定することができる。送達システム100が使用されているとき、長手方向の寸法は、その長さの一部またはいずれかに沿って一直線である必要はない。
【0053】
コア部材103は、カテーテル101のルーメン111を通って概して長手方向に延びるように構成される。コア部材103は概して、ステント105または他の医療デバイスをカテーテル101を通して動かすのに十分な可撓性及びカラム強度を有する任意の部材(複数可)を含むことができる。したがって、コア部材103は、ワイヤ、チューブ(例えば、ハイポチューブ)、ブレード、コイル、または他の適切な部材(複数可)、あるいはワイヤ(複数可)、チューブ(複数可)、ブレード(複数可)、コイル(複数可)などの組み合わせを含むことができる。
【0054】
システム100はまた、コア部材103に対して医療デバイスまたはステント105を解放可能に保持するように構成された結合ユニット117(例えば、デバイスインターフェース)を含むことができる。結合ユニット117は、ステント105の内壁の下にあり、係合するように構成されている。このようにして、結合ユニット117は、結合ユニット117が、ステント105をカテーテル101に沿ってその内部で移動させることができるように、例えば、カテーテル101に対するコア部材103の遠位及び/または近位の移動が、カテーテルルーメン111内でのステント105の対応する遠位及び/または近位の移動をもたらすように、カテーテル101の上を覆う内面113と協働してステント105を把持する。
【0055】
結合ユニット117は、いくつかの実施形態では、コア部材103の周りを回転するように構成することができる。いくつかのそのような実施形態では、結合ユニット117は、近位拘束部119及び遠位拘束部121を含むことができる。近位及び遠位拘束部119、121をコア部材103に固定して、コア部材103の長手方向寸法に沿った結合ユニット117の近位または遠位の移動を防止または制限することができる。近位及び遠位拘束部119、121の一方または両方は、拘束部119、121の一方または両方が、ステント105の内面に接触しないように、結合ユニット117の外径または他の半径方向最外寸法よりも小さい外径または他の半径方向最外寸法を有することができる。
【0056】
結合ユニット117はまた、コア部材103の周りならびに近位及び遠位拘束部119、121とスペーサ(複数可)125a~dとの間に配置された1つまたは複数のカプラ123a~c(例えば、ステント係合部材)を含むことができる。図示の実施形態では、カプラ123a~cは、スペーサ125b~cによって互いに離間しており、カプラ123aは、スペーサ125aによって近位拘束部119から離間しており、カプラ123cは、スペーサ125d(結合ユニット117のいくつかの実施形態では省略することができる)によって遠位拘束部から離間している。カプラ123a~cの1つ、いくつか、またはすべては、それを通ってコア部材103を収容するように構成された中央開口部を有する剛性プレートとすることができる。カプラ123a~cが、コア部材103に対して長手方向にステント105が移動するのを抑えるように、カプラ123a~cは、ステント105と機械的に係合するように構成される。スペーサ125a~dはそれぞれ、それを通ってコア部材103を収容するように構成された開口部を有する実質的に円筒体とすることができる。スペーサ125a~dの1つまたはすべては、スペーサ125a~dが、ステント105の内面に接触しないように、カプラ123a~cの外径または他の半径方向最外寸法よりも小さい外径または他の半径方向最外寸法を有することができる。
【0057】
図1に示す実施形態は、3つのカプラ123a~c及び4つのスペーサ125a~dを含むが、カプラ及びスペーサの数は変えることができる。少なくとも1つの実施形態では、結合ユニット117は、スペーサなしで単一のカプラのみを含む。他の実施形態では、カプラの数は変えることができる。例えば、スペーサによって、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、またはそれ以上のカプラに分離される。
【0058】
動作中、ステント105は、コア部材103及び結合ユニット117を介してカテーテル101内で遠位または近位に移動することができる。ステント105をカテーテル101の外へ移動させるためには、カテーテル101を静止状態に保持している間、コア部材103を遠位に移動させるか、またはカテーテル101が近位に引き出されている間、コア部材103を静止状態に保持する。コア部材103を遠位に移動し、カテーテル101を静止状態に保持すると、近位拘束部119は、最も近位のスペーサ125aに当接し、スペーサ125a~d及びカプラ123a~cを遠位に前進させる。カプラ123a~cとステント105との間の機械的係合は、ステント105をカプラ123a~cと共に遠位に移動させて、ステント105をカテーテル101の遠位領域109の外に展開させる。逆に、ステント105を、再捕捉するか、そうでない場合は、カテーテル101内に移動させるためには、コア部材103とカテーテル101との間の相対的な移動は、遠位拘束部121の近位領域が、最も遠位のスペーサ125dの遠位領域に当接し、それによって、スペーサ125a~d及びカプラ123a~cをカテーテル101に対して後退させるように、ステント105をカテーテルの外に移動させるのと比べて反対になる。したがって、カプラ123a~cとステント105との間の機械的係合は、カテーテル101に対するステント105の近位方向への移動により、ステント105をカテーテル101の遠位領域109内に再シースすることが可能になるように、ステント105をコア部材103に対して保持する。これは、コア部材103をカテーテル101に対して近位に移動させる(及び/またはカテーテル101をコア部材103に対して遠位に移動させる)ことによって、ステント105をカテーテル101の遠位開口部115内に引き戻すことができるため、ステント105が、部分的に展開され、ステントの一部が、カプラ123a~cの少なくとも1つ(例えば、最も近位のカプラ123a)とカテーテル101の内面113との間に配置されたままであるときに有用である。このようにして再シースすることは、最も近位のカプラ123aが、カテーテル101の遠位開口部115を越え、ステント105が、部材123aとカテーテル101との間から解放される位置に、カプラ123a~c及び/またはカテーテル101が動かされるまで引き続き可能である。
【0059】
カプラ123a~c及びスペーサ125a~dは、長手方向/摺動式または半径方向/回転式のいずれかで、コア部材103に対して動かないようにコア部材103に固定することができる。あるいは、スペーサ125a~d及び/またはカプラ123a~cが、コア部材103の長手方向軸を中心に回転することができ、及び/またはコア部材103に沿って長手方向に移動または摺動することができるように、スペーサ125a~d及び/またはカプラ123a~cは、コア部材103に結合する(例えば、取り付ける)ことができる。そのような実施形態では、スペーサ125a~d及び/またはカプラ123a~cが、コア部材103に対して摺動及び/または回転することができるように、スペーサ125a~d及び/またはカプラ123a~cはそれぞれ、その中にコア部材103を収容する内部ルーメンまたは開口部を有することができる。さらにそのような実施形態では、最も近位及び最も遠位のスペーサ125a、125dと、近位及び遠位の拘束部119、121との間にそれぞれ1つまたは複数の長手方向の間隙を残すように、近位及び遠位拘束部119、121は、スペーサ125a~dとカプラ123a~cとを合わせた長さよりわずかに長い長手方向距離だけコア部材103に沿って離間させることができる。長手方向の間隙(複数可)が存在すると、スペーサ125a~d及びカプラ123a~cが、拘束部119、121の間でコア部材103に沿って長手方向に摺動することが可能になる。拘束部119、121の間のスペーサ125a~d及びカプラ123a~cの長手方向の移動範囲は、長手方向の間隙(複数可)の総全長にほぼ等しい。
【0060】
長手方向の間隙(複数可)の代わりにまたはそれに加えて、結合ユニット117は、コア部材103の外面とスペーサ125a~d及びカプラ123a~cの内面との間に半径方向の間隙を含むことができる。そのような半径方向の隙間は、スペーサ125a~d及び/またはカプラ123a~cが、コア部材103の対応する部分の外径よりも幾分大きい穴で構成されている場合に形成することができる。半径方向の隙間が存在すると、スペーサ125a~d及び/またはカプラ123a~cが、拘束部119、121の間でコア部材103の長手方向軸の周りを回転することが可能になる。スペーサ125a~d及びカプラ123a~cの両側の少なくとも最小サイズの長手方向の間隙の存在もまた、スペーサ125a~d及びカプラ123a~cの回転可能性を促進することができる。
【0061】
図2図4は、本技術の一実施形態に従って構成された医療デバイス送達システムの別の実施形態を示す。図2に示すように、図示された医療デバイス送達システム200は、カテーテル210を通してステント201を送達するように構成されたコアアセンブリ240を摺動可能に収容する細長いチューブまたはカテーテル210を含むことができる。図3は、見やすいようにカテーテル210及び血管202を描写せずにコアアセンブリ240を示す。図示のカテーテル210(図2及び図4を参照)は、患者内の治療部位に配置することができる近位領域212及び対向する遠位領域214と、近位領域212から遠位領域214まで延びる内部ルーメン216と、ルーメン216に面する内面218とを有する。遠位領域214で、カテーテル210は、遠位開口部(図示せず)を有し、それを通して、コアアセンブリ240は、遠位領域214を越えて前進し、ステント201は血管202内で拡張または展開し得る。近位領域212はカテーテルハブ222を含み得る。カテーテル210は、近位領域212と遠位領域214との間に延びる概して長手方向の寸法A-Aを画定することができる。送達システム200が使用されているとき、長手方向の寸法は、その長さの一部またはいずれかに沿って一直線である必要はない。
【0062】
カテーテル101/210は、任意選択で、マイクロカテーテルを含むことができる。例えば、任意選択で、カテーテル101/210は、Irvine,California USAのMedtronic Neurovascularから入手可能なMARKSMAN(商標)カテーテルの様々な長さのいずれかを含み得る。カテーテル101/210は、任意選択で、遠位領域109/214付近で、約0.030インチ以下の内径、及び/または3フレンチ以下の外径を有するマイクロカテーテルを含むことができる。これらの仕様の代わりに、またはこれらの仕様に加えて、カテーテル101/210は、その遠位開口部113を有する内頸動脈、または内頸動脈の遠位の神経血管内の別の場所に、経皮的にアクセスするように構成されるマイクロカテーテルを含むことができる。
【0063】
コアアセンブリ240は、カテーテル210のルーメン216を通って概して長手方向に延びるように構成されたコア部材260を含むことができる。コア部材260は、近位領域または区域262、及び末端または遠位領域264を有することができ、これらは任意選択で、先端コイル265を含むことができる。コア部材260はまた、図2図4に示すように、コアアセンブリ240が展開前の構成にあるとき、近位領域262と遠位領域264との間に位置する中間部分266を含むことができる。この中間部分はコア部材260の一部であり、ステント201が、その上に、またはその上を覆って、配置または嵌合または延在する。
【0064】
コア部材260は概して、ステント201または他の医療デバイスをカテーテル210を通して動かすのに十分な可撓性及びカラム強度を有する任意の部材(複数可)を含むことができる。したがって、コア部材260は、ワイヤ、チューブ(例えば、ハイポチューブ)、ブレード、コイル、または他の適切な部材(複数可)、あるいはワイヤ(複数可)、チューブ(複数可)、ブレード(複数可)、コイル(複数可)などの組み合わせを含むことができる。図2図4に示すコア部材260の実施形態は、マルチ部材構造であり、近位ワイヤ268、その近位領域で近位ワイヤ268の遠位領域に接続されたチューブ270(例えば、ハイポチューブ)、及びその近位領域でチューブ270の遠位領域に接続された遠位ワイヤ272を含む。PTFE(ポリテトラフルオロエチレンまたはTEFLON(登録商標))または他の潤滑性ポリマーなどの潤滑性材料の層を含むことができる外層274は、チューブ270及び/または近位ワイヤ268の一部または全部を覆うことができる。近位及び/または遠位ワイヤ268、272は、それらの長さのうちの一部または全部に沿って、直径が先細になるかまたは変化し得る。近位ワイヤ268は、1つまたは複数のフルオロセーフマーカー276を含み得て、そのようなマーカー(複数可)は、外層274によって覆われていないワイヤ268の部分(例えば、外層274の近位)に配置することができる。マーカー(複数可)276によってマークされた、及び/または任意の外層274の近位にあるワイヤ268のこの部分は、地金外面を含むことができる。
【0065】
コアアセンブリ240はさらに、医療デバイスまたはステント201をコア部材260と相互接続することができる近位結合ユニット282及び/または遠位結合ユニット290を含むことができる。近位結合ユニット282は、ステント201の下にあり、ステントの内壁と係合するように構成されている1つまたは複数のカプラ123a~cを含むことができる。このようにして、近位結合ユニット282は、近位結合ユニット282が、ステント201をカテーテル210に沿ってその内部で移動させることができるように、例えば、ユーザがコア部材260をカテーテル210に対して遠位に押す及び/またはコア部材を近位に引くと、カテーテルルーメン216内でのステント201の対応する遠位及び/または近位の移動をもたらすように、カテーテル210の上を覆う内面218と協働してステント201を把持する。
【0066】
近位結合ユニット282は、いくつかの実施形態では、図1に関して上述された結合ユニット117の任意のバージョンまたは実施形態と同様とすることができる。例えば、近位結合ユニット282は、長手方向/摺動式または半径方向/回転式のいずれかで、コア部材260に対して動かないようにコア部材260に(例えば、図示の実施形態ではその遠位ワイヤ272に)固定されている近位及び遠位拘束部119、121を含むことができる。近位結合ユニット282はまた、スペーサ125a~dによって分離された複数のカプラ123a~cを含むことができる。近位結合ユニット282が、コア部材260の(例えば、遠位ワイヤ272の)長手方向軸A-Aを中心に回転し、及び/またはコア部材に沿って長手方向に移動または摺動することができるように、カプラ123a~c及びスペーサ125a~dは、コア部材260に結合する(例えば、取り付ける)ことができる。近位及び遠位拘束部119、121の一方または両方は、拘束部119、121の一方または両方が、コアアセンブリ240の動作中にステント201の内面に接触しにくくなるように、近位結合ユニット282の外径または他の半径方向最外寸法よりも小さい外径または他の半径方向最外寸法を有することができる。
【0067】
図2図4に示す近位結合ユニット282では、ステント201は、近位結合ユニット282を介してカテーテル210内で遠位または近位に移動することができ、いくつかの実施形態では、ステント201は、図1の結合ユニット117に関して上述したのと同様の方法で、カテーテル210の遠位開口部から部分的に展開した後に、近位結合ユニット282を介して再シースすることができる。
【0068】
任意選択で、近位結合ユニット282の近位縁部は、図2図4に示される送達構成にあるときに、ステント201の近位縁部のすぐ遠位に配置され得る。いくつかのそのような実施形態では、これにより、わずか数ミリメートルのステントがカテーテル210内に残っていれば、ステント201を再シールすることが可能になる。したがって、典型的な長さのステント201を使用して、75%以上の再シール可能性を提供することができる(すなわち、ステント201は、75%以上が展開されたときに再シールすることができる)。
【0069】
遠位結合ユニット290は、例えば、遠位デバイスカバーまたは遠位ステントカバー(総称して、「遠位カバー」)の形を取ることができる遠位係合部材292を含むことができる。遠位カバー292は、医療デバイスまたはステント201(例えば、その遠位部分またはその遠位領域)とカテーテル210の内面218との間の摩擦を減らすように構成することができる。例えば、遠位カバー292は、ステント201の少なくとも一部及び/またはコア部材260の中間部分266にわたって延ばすことができる、自由な第1の端部または区域292aと、コア部材260に(直接的または間接的に)結合することができる固定された第2の端部または区域292bとを有する滑らかで、柔軟な構造として構成することができる。
【0070】
遠位カバー292は、第1のまたは送達の位置、構成、または方向を有することができる。遠位カバーは、遠位先端部264に対して近位に、または第2の区域292bもしくはコア部材260へのその(直接的または間接的な)取り付け部から近位に延び、ステント201の遠位部分を少なくとも部分的に囲むかまたは覆うことができる。遠位カバー292は、第1のまたは送達方向から第2のまたは再シース位置、構成、または方向(図示せず)に移動可能とすることができる。遠位カバーは、遠位カバーの第1の端部292aが、遠位カバー292の第2の端部292bに対して遠位に配置されるように反転させることができ、それによって、送達されたステント201を使用して、またはステントを使用せずに、コアアセンブリ240の再シールを可能にする。
【0071】
遠位カバー292、特に第1の端部292aは、第2の端部292bに結合されるかまたは一体的に形成された1つまたは複数の柔軟な、概して長手方向に延びるストリップ、ウィング、または細長い部分を含むことができる。遠位カバー292は、遠位カバー用に選択された材料のチューブから、またはそのようなチューブの複数の半径方向部分から製造することができる、または、そうでない場合は、切断することができる。そのような実施形態では、第1の区域292aは、チューブから切断された複数の長手方向のストリップとして形成され得て、第2の区域292bはチューブの切断されていない(または、同様に切断された)長さであり得る。したがって、第2の区域292b及び第1の区域292aの近位に延びるストリップは、単一の一体型のデバイスまたは構造を形成し得る。いくつかの実施形態では、遠位カバー292は、1つのみ、または2つ以下のストリップ、ウィング、または細長い部分を含む。
【0072】
いくつかの実施形態では、遠位カバー292は、チューブまたは長手方向のスリットチューブを含み得て、第1の区域292aは、対応する数の、概して平行で長手方向に配向され、チューブの側壁に形成されているか、そうでない場合は、配置されている切り込み部または分離部で分離された2つ以上の半円筒形または部分円筒形のストリップまたはチューブ区域を含むことができる。したがって、図2図4に示すように、拡張前状態にあるとき、第1の区域292aは、一般に、ステントまたはデバイス200の外面とカテーテル210の内面218との間に、半径方向に延びるまたは間に配置される、長手方向に分割されたチューブ、または長手方向にスロットがあるチューブの形状を有する。
【0073】
様々な実施形態では、第1の区域292aのストリップ、ウィング、または細長い部分は、集合的に、ステント201の外面の実質的に全周にわたり得るか(例えば、ストリップ間の切れ目が実質的にゼロ幅の分割である場合)、または全周よりも幾分小さいサイズであり得る(例えば、ストリップ間の切れ目がゼロでない幅を有するスロットである場合)。いくつかの実施形態によれば、第1の区域292aのストリップ、ウィング、または細長い部分の幅は、約0.5mm~約4mmの間とすることができる。幅は、約0.5mm~約1.5mmとすることができる。いくつかの実施形態によれば、幅は約1mmとすることができる。
【0074】
第1の区域292aのストリップ、ウィング、または細長い部分はまた、ステント201の遠位部分の少なくとも一部分にわたって長手方向に延ばすことができる。様々な実施形態では、第1の区域292aは、ステントの遠位部分にわたって、約1mm~約3mmの間、または約1.5mm~約2.5mmの間、または約2mm延ばすことができる。
【0075】
第1の区域292a及び第2の区域292bは、遠位カバー292の全長を画定することができる。いくつかの実施形態では、全長は約4mm~約10mmの間とすることができる。全長はまた、約5.5mm~約8.5mmの間とすることができる。いくつかの実施形態では、全長は約7mmとすることができる。
【0076】
第1の区域292aのストリップは、実質的に均一な大きさであり得る。例えば、第1の区域292aは、それぞれ約180度に広がる2つのストリップ、それぞれ約120度に広がる3つのストリップ、それぞれ約90度に広がる4つのストリップを含むか、そうでない場合は、ステントの周囲の全部または一部などを集合的に覆うために分割することができる。あるいは、ストリップは、本開示の範囲から逸脱することなく、角度サイズ及び被覆領域が異なり得る。一実施形態では、第1の区域292aには2つのストリップまたはチューブ部分のみが使用される。本明細書で述べるように、2つのストリップのみの使用により、血管内腔内の自由なまたは非収容のストリップの数、及びストリップと血管壁との間の接触によって血管を損傷する可能性を最小限に抑えながら、第1の区域192aの半径方向の拡張、遠位への移動及び/または折り重ねもしくは反転を容易にすることができる。
【0077】
遠位カバー292は、PTFEまたはTeflon(登録商標)などの潤滑性及び/または親水性材料を使用して製造することができるが、他の適切な潤滑性材料または潤滑性ポリマーからも作製し得る。遠位カバーはまた、放射線不透過性を付与するために主材料(例えば、PTFE)に配合することができる放射線不透過性材料を含むことができる。遠位カバー292は、約0.0005インチ~約0.003インチの間の厚さを有することができる。いくつかの実施形態では、遠位カバーは、約0.001インチの厚さを有するPTFEの1つまたは複数のストリップとすることができる。
【0078】
遠位カバー292(例えば、その第2の端部292b)は、長手方向/摺動式または半径方向/回転式のいずれかで、コア部材260に対して動かないようにコア部材260(例えば、遠位ワイヤ272またはその遠位先端264に)に固定することができる。あるいは、図2図4に示すように、遠位カバー292が、(例えば、遠位ワイヤ272の)コア部材260の長手方向軸A-Aを中心に回転し、及び/またはコア部材に沿って長手方向に移動または摺動することができるように、遠位カバー292(例えば、その第2の端部292b)は、コア部材260に結合する(例えば、取り付ける)ことができる。そのような実施形態では、第2の端部292bは、遠位カバー292がコア部材260に対して摺動及び/または回転することができるように、その中にコア部材260を収容する内部ルーメンを有することができる。さらに、そのような実施形態では、遠位結合ユニット290は、コア部材260に固定され、遠位カバー292(の第2の端部292b)の近位に位置する近位拘束部294、及び/またはコア部材260に固定され、遠位カバー292(の第2の端部292b)の遠位に位置する遠位拘束部296をさらに含み得る。近位及び遠位拘束部294、296は、拘束部間の第2の端部292bの位置に応じて、第2の端部292bと近位及び遠位拘束部194、196の一方または両方との間に1つまたは複数の長手方向の間隙297を残すように、第2の端部292bの長さよりわずかに長い長手方向の距離だけコア部材260に沿って離間させることができる。長手方向の間隙(複数可)197が存在すると、第2の端部292b及び/または遠位カバー292が、拘束部294、296の間でコア部材260に沿って長手方向に摺動することが可能になる。拘束部294、296の間の第2の端部292b及び/または遠位カバー292の長手方向の移動範囲は、長手方向の間隙(複数可)297の全長にほぼ等しい。
【0079】
長手方向の間隙(複数可)297の代わりにまたはそれに加えて、遠位結合ユニット290は、(例えば、遠位ワイヤ272の)コア部材260の外面と第2の端部292bの内面との間に半径方向の間隙298を含むことができる。そのような半径方向の間隙298は、第2の端部292bが、コア部材260の対応する部分の外径よりも幾分大きい内径を有するように構成されているときに形成することができる。半径方向の間隙298が存在すると、遠位カバー292及び/または第2の端部292bが、拘束部294、296の間でコア部材260の長手方向軸A-Aの周りを回転することが可能になる。第2の端部292bの両側に少なくとも最小サイズの長手方向の間隙297が存在することもまた、遠位カバーの回転可能性を促進することができる。
【0080】
近位及び遠位拘束294、296の一方または両方は、拘束部294、296の一方または両方が、コアアセンブリ240の動作中にカテーテル210の内面218を圧迫及び接触しにくくなるように、遠位カバー292の(例えば、展開前の)外径または他の半径方向最外寸法よりも小さい外径または他の半径方向最外寸法を有することができる。
【0081】
図2図4に示す実施形態では、遠位カバー292の第2の端部292bは、図示のような(金属製またはポリマー製)コイル、または比較的硬いポリマー製または金属製のチューブの短いセグメントなどの他の一般的に剛性のチューブ状または円筒形の内部部材を含むことができる内部フープ292cを含む。内部フープ292cは、第2の端部292bの遠位カバー292の内径を、コア部材160の隣接部分(または、そのワイヤ172)の外径よりも大きいように維持しやすい方法で、第2の端部292bによって形成された、または別の方法で、第2の端部292bに取り付けられるか、または一体化された環状エンクロージャまたはループ(複数可)に収容することができる。言い換えれば、フープ292cは、第2の端部292bの内径とコア部材260または遠位ワイヤ272の外径との間の半径方向の間隙298の存在を維持するのに役立つことができる。
【0082】
第2の端部292bの環状エンクロージャまたはループ(複数可)は、側壁の周りでフープ292cのルーメンを通して遠位カバー材料(例えば、PTFE)のシートまたはチューブの一部を包み、シートまたはチューブの巻き付けられた部分の端部を、シートまたはチューブの隣接する近位に延びる部分に粘着、接着または熱接着することによって形成することができる。したがって、フープ292cの近位側に互いに粘着されている2つの層が形成されている。遠位カバー材料がPTFEを含む場合、非焼結PTFEを使用して材料の2つの部分を熱及び圧力で結合することが可能になり、これは「通常の」PTFEまたは焼結PTFEでは通常不可能である。
【0083】
動作中、遠位カバー292、具体的には第1の区域192aは、ステント201がカテーテル110内で遠位に移動するときに、概してステント201の遠位領域304を覆い保護することができる。遠位カバー192は、例えば、ステント201(ステント201は編組ステントを含む)の遠位領域304のフィラメント端部が、ステント201及び/またはカテーテル110を損傷する可能性があるか、またはステント201の構造的完全性を損なう可能性がある、カテーテル110の内面118との接触を防止するベアリング層または緩衝層として機能することができる。遠位カバー192は、潤滑性材料で作製し得るので、遠位カバー192は、ステント201の遠位領域304が、比較的容易にカテーテル110内で軸方向に摺動することを可能にする低摩擦係数を示し得る。遠位カバーとカテーテルの内面との間の摩擦係数は、約0.02~約0.4の間とすることができる。例えば、遠位カバー及びカテーテルが、PTFEから形成される実施形態では、摩擦係数は、約0.04とすることができる。そのような実施形態は、特に蛇行性血管系で、コアアセンブリがカテーテルを通過する能力を有利に改善することができる。
【0084】
さらに、図2図4に示すように、遠位カバー292の少なくとも一部分は、第1の位置、構成、または方向で、ステント201の遠位部分とカテーテル210の内面218との間に半径方向に少なくとも部分的に延ばす、またはそれらの間に挿入することができる。第1の方向では、遠位カバー292の第1の区域292aは、第2の区域292bから近位方向に、第1の区域がステント201の遠位部分とカテーテル210の内面218との間に挿入されている位置まで延ばすことができる。この方向では、遠位カバーの第1の区域は、「近位に向けられた」位置または構成を取ることができる。
【0085】
遠位カバー292の本明細書に記載された実施形態以外の構造は、ステント201の遠位領域304を覆うか、そうでない場合は、結合するために、コアアセンブリ240及び/または遠位結合ユニット290で使用され得る。例えば、長手方向に配向された、近位に開口ルーメンを有する保護コイルまたは他のスリーブを使用し得る。他の実施形態では、遠位結合ユニット290は、遠位カバー292を省略することができるか、または、遠位カバーを近位結合ユニット282と同様の構成要素と交換することができる。遠位カバー292が使用される場合、(例えば、コイル265のウィングの一部または全部を巻き付けて囲むことによって)遠位先端コイル265に接続されるか、または接着剤もしくは周囲の収縮チューブによってコイルの外面に接着または結合することができる。遠位カバー292は、遠位ワイヤ272などのコアアセンブリ240の他の部分に(直接的または間接的に)結合することができる。
【0086】
回転可能な近位結合ユニット282及び回転可能な遠位カバー292の両方を使用するコアアセンブリ240の実施形態では、ステント201は、回転可能な近位結合ユニット282(の接続部)及び遠位カバー292によって、コア部材260に対して長手方向軸A-Aの周りに回転可能とすることができる。そのような実施形態では、ステント201、近位結合ユニット282、及び遠位カバー292は、このようにして、コア部材の周りで共に回転することができる。ステント201が、コア部材260の周りを回転することができる場合、ステント、及び/またはコアアセンブリを撚るための血管の傾向は、コア部材の周りのステント、近位係合部材、及び遠位カバーの回転によって打ち消されるので、コアアセンブリ240は蛇行性血管を通ってより容易に前進させることができる。さらに、ユーザの入力押圧力がステント及び/またはコア部材のねじれに転用されないので、必要な押圧力または送達力が減少する。撚られたステント及び/またはコア部材が、ステントの蛇行または展開の際に突然解撚される、または「ホイップ」する傾向、及び展開時に撚られたステントが拡張に抵抗する傾向もまた、低減または排除される。さらに、コアアセンブリ240のいくつかのそのような実施形態では、特にコイル265がその応力を受けていない構成である角度で曲げられている場合、ユーザは、先端コイル265を介してコアアセンブリ240を「前進させる」ことができる。そのようなコイル先端は、コア部材260の遠位領域264を回転させることによって、ステント201、結合ユニット282及び/または遠位カバー292に対して軸A-Aの周りに回転させることができる。したがって、ユーザは、コイルアセンブリの所望の進行方向にコイル先端を向けることができ、コアアセンブリを前進させると、先端は選択された方向にコアアセンブリを案内する。
【0087】
図5Aは、医療デバイス送達システム500の結合ユニット517の拡大斜視図である。図5Bは、上を覆うステント505を有する結合ユニット517を示す。結合ユニット517は、複数のスペーサ525a~dによって分離された複数のカプラ523a~cを含む。近位拘束部519は、最も近位のスペーサ525aの近位に配置されている。近位拘束部519及び結合部517は、コア部材503の周りに配置されている。図6A図6Cは、それぞれ、図5A及び図5Bに示す結合ユニット517のカプラ523の側面図、端面図及び斜視図である。図7は、ステント505と係合するカプラ523の概略断面図である。図示のステント505は編組され(しかし、本明細書の他の箇所に開示されているような他の種類のステントを使用してもよい)、編組のワイヤが横断または交差する位置によって分離される複数の孔565を形成するメッシュ563を含む。
【0088】
図5A図7を併せて参照すると、カプラ523のそれぞれは、第1及び第2の端面551、553及び、第1及び第2の端面551、553の間に延びる側面555を有する板状構成を有することができる。組み立てられた送達システム500では、第1及び第2の端面551、553は、コア部材503の長軸に対して実質的に直交するように配向及び維持され得る。これは、各スペーサ525の長手方向軸に(及び/またはコア部材503に)直交する遠位端面及び近位端面を有するスペーサ525a~dを構成すること、及び/または結合ユニット517のカプラとスペーサの間の長手方向移動空間(または「遊び」)の量を最小限に抑えることによって達成できる。各カプラは、凹部559によって分離された複数の半径方向に延びる突起557を形成する。図示の実施形態では、4つの凹部559によって分離された4つの突起557がある。しかし、他の実施形態では、突起の数は変えることができる。例えば、対応する数の凹部によって、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、またはそれ以上の突起に分離される。
【0089】
突起557は丸みを帯びた縁部を含むことができ、凹部559は丸みを帯びたくぼみを含むことができる。送達システム500の使用中、丸みを帯びた縁部は、上を覆うカテーテル567の内壁に対する突起557の削り取りを減少させることができ、それによって粒子の生成及びカテーテル567への損傷が減少する。送達システム500が図示のステント505のような編組ステントと共に使用されるとき、各突起が、隣接するワイヤ交差部と孔565を囲むワイヤ交差部との間のステント505の孔565内に少なくとも部分的に延びることができ、カプラの凹部559内に少なくとも部分的に収容することができるように、凹部559は、編組ワイヤ交差の厚さに適応するようにサイズ変更することができる。他の実施形態では、突起部及び/または凹部は、例えば、突起部によって形成された、より鋭いまたはより平らな先端を有する他の形を取ることができる。カプラ523は、光化学エッチング、レーザー切断、成形、機械加工、または他の適切なプロセスによって製造することができる。
【0090】
各カプラ523は、それを通ってコア部材503を収容するように構成された開口部または中央開口部561を含む。前述のように、開口部561の開口部は、カプラ523がコア部材503の長軸を中心に回転することができるように、コア部材503の直径よりも大きくすることができる。
【0091】
カプラ523は、比較的薄い及び/または板状の構成を有するように作製することができる。そのような構成は、ステント505の孔565の内側に嵌合するのに十分に小さい突起557の形成を容易にすることができる。したがって、カプラ523は、第1及び第2の端面551、553に沿った最大直径D、及び側面555に沿って測定された厚さTによって特徴付けられ得る。いくつかの実施形態では、直径Dは厚さTよりも少なくとも5倍大きい。少なくとも一実施形態では、厚さTは、約25~100ミクロン、または25~75ミクロンの間であり、例えば、約50ミクロン(約0.002インチ)である。
【0092】
ステント505を、カテーテル567に沿って効果的に押すまたは引くために、カプラ523を剛性にすることができる(例えば、送達システムの典型的な使用で遭遇する力によって非圧縮性になる)。カプラ523の剛性は、それらの材料組成、それらの形状/構成、またはその両方に起因することがある。いくつかの実施形態では、カプラ523は、金属(例えば、ステンレス鋼、ニチノールなど)もしくは硬質ポリマー(例えば、ポリイミド)、またはその両方で作製される。いくつかの実施形態では、カプラが剛性材料で作製されていても、構造的特性に基づいて、カプラ自体は非剛性で少なくとも部分的に圧縮性であり得る。
【0093】
スペーサ525は、カプラ523の最大外径よりも小さい外径を有する実質的に円筒形の本体とすることができる。いくつかの実施形態では、スペーサ525は、スペーサ525をコア部材503上に回転可能に取り付けることができるようにサイズ変更及び構成された中央開口部(図示せず)を含む。前述のように、スペーサ525は、コア部材503の長軸と直交する端壁を有することができる。これらの直交する端壁は、ステント505との係合の損失を防ぐために、コア部材503に対するカプラ523の直交配向を維持するのに役立つことができる。
【0094】
いくつかの実施形態では、結合ユニット517は、ステント505の近位部分のみ(例えば、近位の半分のみ、最も近位の3分の1のみなど)と係合するように構成することができる。他の実施形態では、結合ユニット517は、実質的にその全長に沿ってステント505と係合することができる。
【0095】
カプラ523は、各突起557が少なくとも部分的に孔565のうちの1つの中に収容されるように、ステント505と機械的に結合または係合することができる。スペーサは、ステントがカテーテル567の内径にあるとき、隣接するカプラ523(例えば、カプラ523aと隣接するカプラ523b)の突起557が、ステント505の「孔ピッチ」(長手方向に隣接する孔565の中心間の距離)または、より典型的には、ステント505の孔ピッチの整数倍に等しい距離だけ長手方向に離間するように、長さを設定することができる。したがって、各突起はステント505の孔565の1つの中に延びて係合することができる。いくつかの実施形態では、隣接するカプラ523は、ステント505の長手方向に隣接する孔565と係合することができ、他の実施形態では、隣接するカプラ523は、長手方向に隣接していないが、1つまたは複数の介在する孔によって長手方向に離間している孔565と係合する。したがって、第1及び第2のカプラ523a及び523bは、ステント505の孔ピッチに対応する長手方向距離、または孔ピッチの整数倍に対応する長手方向距離だけ互いに離間させることができる。
【0096】
突起557と孔565との間の相互作用は、ステントカプラ523と孔565との間に機械的結合を生じさせることができる。これは、ワイヤ交差部を含むステント全体を弾力的に押す従来の圧縮性パッドとは対照的である。少なくともいくつかの実施形態では、カプラ523によって提供される機械的結合は、ステント505のワイヤ交差部を押圧することなくステント505を固定する。いくつかの実施形態では、カプラ523は、所与のカテーテルサイズ内(例えば、0.017インチ、0.021インチ、または0.027インチのカテーテル(内径)内)の様々なステントサイズを固定するように構成される。
【0097】
図5A図7の送達システム500の様々な構成要素は、図1の送達システム100、または図2図4の送達システム200に組み込むことができることに留意されたい。例えば、結合ユニット517の開示された実施形態のいずれも、送達システム100または送達システム200の結合ユニットとして使用することができる。同様に、カプラ523の実施形態のいずれも、送達システム100または送達システム200のカプラ(複数可)として使用することができ、及び/またはスペーサ525の実施形態のいずれも、送達システム100または送達システム200のスペーサ(複数可)として使用することができる。
【0098】
結論
本開示は、網羅的であること、または本技術を本明細書に開示されている正確な形態に限定することを意図するものではない。本明細書では例示の目的で特定の実施形態を開示しているが、当業者には理解されるように、本技術から逸脱することなく様々な同等の修正が可能である。場合によっては、本技術の実施形態の説明を不必要に曖昧にすることを避けるために、周知の構造及び機能は、詳細に図示及び/または説明されていない。本明細書では、方法のステップが特定の順序で提示され得るが、代替の実施形態では、ステップは別の適切な順序であり得る。同様に、特定の実施形態の文脈において開示された本技術の特定の態様は、他の実施形態において組み合わせることができるか、または排除することができる。さらに、特定の実施形態に関連する利点が、それらの実施形態の文脈において開示され得るが、他の実施形態もそのような利点を呈することができ、すべての実施形態が必ずしも本技術の範囲内に入るように、そのような利点または本明細書に開示される他の利点を呈する必要はない。したがって、本開示及び関連する技術は、本明細書に明示的に図示及び/または記載されていない他の実施形態を包含することができる。
【0099】
本開示を通して、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈が明確に別途指示しない限り、複数形の言及を含む。同様に、「または」という単語が、2つ以上の項目のリストを参照して、他の項目から排他的な単一の項目のみを意味するように明示的に限定されていない限り、そのようなリストでの「または」の使用は、(a)リスト内の任意の単一の項目、(b)リスト内のすべての項目、または(c)リスト内の項目の任意の組み合わせを含むものとして解釈されるべきである。さらに、「含む」などの用語は、任意のより多数の同じ特徴(複数可)及び/または1つまたは複数の追加の種類の特徴が排除されないように、少なくとも列挙された特徴(複数可)を含むことを意味するために、本開示を通して使用される。「上方(upper)」、「下方(lower)」、「前方(front)」、「後方(back)」、「垂直方向(vertical)」、及び「水平方向(horizontal)」などの方向の用語は、本明細書では、様々な要素間の関係を表現及び明確化するために使用され得る。そのような用語は、絶対的な配向を意味しないことを理解されたい。「一実施形態(one embodiment)」、「一実施形態(an embodiment)」、または類似の定式化に対する本明細書の言及は、実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造、動作、または特質が本技術の少なくとも1つの実施形態に含まれ得ることを意味する。したがって、本明細書におけるこのような語句または定式化の出現は、同じ実施形態をすべて指すことでは必ずしもない。さらに、様々な特定の特徴、構造、動作、または特質が、1つまたは複数の実施形態において任意の好適な様式で組み合わせられ得る。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7