(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-14
(45)【発行日】2022-03-23
(54)【発明の名称】パネル及び暖房システム
(51)【国際特許分類】
F24D 13/02 20060101AFI20220315BHJP
E04F 15/18 20060101ALI20220315BHJP
H01R 12/52 20110101ALI20220315BHJP
【FI】
F24D13/02 A
F24D13/02 B
E04F15/18 X
H01R12/52
(21)【出願番号】P 2020516369
(86)(22)【出願日】2018-05-18
(86)【国際出願番号】 SE2018050513
(87)【国際公開番号】W WO2018217152
(87)【国際公開日】2018-11-29
【審査請求日】2021-02-22
(32)【優先日】2017-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】519418547
【氏名又は名称】ヒート クリック カンパニー アクティエボラーグ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【氏名又は名称】河野 努
(72)【発明者】
【氏名】タイスト カレビ ニーストレーム
(72)【発明者】
【氏名】ホーカン ヨーアン レーフォルム
【審査官】礒部 賢
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第01884716(EP,A2)
【文献】米国特許第05004895(US,A)
【文献】特開2002-106868(JP,A)
【文献】実開平02-103607(JP,U)
【文献】実開昭51-115744(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24D 13/00 - 13/04
E04F 15/18
H01R 12/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネル(100)であって、
-ベース層(101)と、
-前記ベース層(101)に装着された熱提供層(102)であって、熱が電気エネルギーによって生成される、熱提供層と、
-前記熱提供層(102)に装着されたカバリング層(103)と、
-前記パネル(100)を、隣接するパネル(201、202、...、206)に結合するべく構成された、それぞれ反対側の、第1長手方向パネル結合手段(115)及び第2長手方向パネル結合手段(116)を含む、第1長手方向辺(105)及び第2長手方向辺(106)と、
-前記パネル(100)を、隣接するパネル(201、202、...、206)に結合するべく構成された、それぞれ反対側の、第1端部パネル結合手段(117)及び第2端部パネル結合手段(118)を含む、第1端部辺(107)及び第2端部辺(108)と
、
-前記ベース層(101)内において、前記第1端部辺(107)から前記第2端部辺(108)まで配置された、且つ、前記熱提供層(102)と対向している、少なくとも第1長手方向溝(121)及び第2長手方向溝(122)であって、それぞれ、前記第1長手方向辺(105)及び第2長手方向辺(106)と平行に配置された、且つ、これらに対する少なくとも第1距離(131)及び第2距離(132)を有する少なくとも第1長手方向溝(121)及び第2長手方向溝(122)と、
-前記第1端部パネル結合手段(117)及び第2端部パネル結合手段(118)の1つ又は複数において配置された少なくとも1つの電気端子コネクタ(150)であって、前記少なくとも1つの電気端子コネクタ(150)は、第1端部部分(151)及び第2端部部分(152)を含み、前記第1端部部分(151)及び第2端部部分(152)は、少なくとも部分的な導電性を有し、且つ、前記第1端部パネル結合手段(117)及び第2端部パネル結合手段(118)の前記1つ又は複数から少なくとも部分的に突出しており、これにより、前記パネル(100)の前記熱提供層(102)と前記パネル(100)に結合された少なくとも1つの隣接するパネル(201、202)の対応する熱提供層の間の電気接続を提供している、少なくとも1つの電気端子コネクタと、
を
有し、
前記少なくとも1つの電気端子コネクタ(150)の前記第1端部部分(151)及び第2端部部分(152)は、それぞれ、前記少なくとも第1長手方向溝(121)及び第2長手方向溝(122)内において配置されていることを特徴とするパネル。
【請求項2】
前記少なくとも1つの電気端子コネクタ(150)は、少なくとも部分的な弾性を有し、且つ、前記少なくとも部分的に突出する部分(153)が、その緩和された状態において、前記第1端部パネル結合手段(117)及び第2端部パネル結合手段(118)の前記1つ又は複数から少なくとも部分的に突出するように、前記第1端部部分(151)及び第2端部部分(152)の間において少なくとも部分的に突出する部分(153)を含む請求項
1に記載のパネル(100)。
【請求項3】
前記少なくとも第1長手方向溝(121)及び第2長手方向溝(122)は、それぞれ、前記第1端部辺(107)及び前記第2端部辺(108)の少なくとも1つに隣接する第1溝端部セクション(126)及び第2溝端部セクション(127)を含み、前記第1溝端部セクション(126)及び第2溝端部セクション(127)は、それぞれ、前記少なくとも1つの電気端子コネクタ(150)の前記第1端部部分(151)及び第2端部部分(152)を少なくとも部分的に受け入れるべく構成されている請求項
1又は2に記載のパネル(100)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの電気端子コネクタ(150)の前記第1端部部分(151)及び第2端部部分(152)は、前記パネル(100)に結合される隣接するパネル(201、202)の対応する第1溝端部セクション(128)及び第2溝端部セクション(129)内において受け入れられる請求項
3に記載のパネル(100)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの電気端子コネクタ(150)の前記少なくとも部分的に突出する部分(153)は、少なくとも1つの隣接するパネル(201、202)の第1端部パネル結合手段(117)及び第2端部パネル結合手段(118)の少なくとも1つ内にスナップ動作し、これにより、前記パネル(100)を少なくとも1つの隣接するパネル(201、202)に機械的にロックするべく構成されている請求項
2乃至
4のいずれか1項に記載のパネル(100)。
【請求項6】
前記パネルは、それぞれ、前記第1端部辺(107)及び前記第2端部辺(108)の少なくとも1つに隣接する第1パネル端部凹部(136)及び第2パネル端部凹部(137)を更に含み、前記第1パネル端部凹部(136)及び第2パネル端部凹部(137)は、それぞれ、前記第1長手方向辺(105)及び第2長手方向辺(106)に対する少なくとも第1距離(133)及び第2距離(134)を有し、且つ、前記少なくとも1つの電気端子コネクタ(150)の前記第1端部部分(151)及び第2端部部分(152)を少なくとも部分的に受け入れるべく構成されている請求項1に記載のパネル(100)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの電気端子コネクタ(150)は、前記第1端部部分(151)及び第2端部部分(152)に装着された支持部材(156)を含み、前記支持部材(156)は、前記第1端部パネル結合手段(117)及び第2端部パネル結合手段(118)の前記1つ又は複数から突出し、且つ、前記パネル(100)に結合される隣接するパネル(201、202)の支持ノッチ(155)内に挿入され、これにより、前記パネル(100)と前記隣接するパネル(201、202)の間において機械的結合を実現するために、前記パネル(100)に提供されるトルクTqに抗して作用する力Fを生成するべく、構成されている請求項
6に記載のパネル(100)。
【請求項8】
-それぞれ、前記第1端部辺(107)から前記第2端部辺(108)まで前記少なくとも第1長手方向溝(121)及び第2長手方向溝(122)内において配置された少なくとも第1長手方向結合要素(141)及び第2長手方向結合要素(142)を更に有し、これにより、
-前記少なくとも1つの電気端子コネクタ(150)の前記第1端部部分(151)及び第2端部部分(152)は、前記少なくとも第1長手方向結合要素(141)及び第2長手方向結合要素(142)を利用して前記熱提供層(102)に電気的に接続されるべく構成されている請求項1乃至
7のいずれか1項に記載のパネル(100)。
【請求項9】
前記少なくとも第1長手方向結合要素(141)及び第2長手方向結合要素(142)は、
-少なくとも部分的に弾性を有する且つ導電性を有する材料と、
-固体の、且つ、導電性を有する材料と、
の群のうちの少なくとも一つを含む請求項
8に記載のパネル(100)。
【請求項10】
前記少なくとも1つの電気端子コネクタ(150)の前記第1端部部分(151)及び第2端部部分(152)は、前記導電性の少なくとも第1長手方向結合要素(141)及び第2長手方向結合要素(142)を介して前記熱提供層(102)に電気的に接続されている請求項
9に記載のパネル(100)。
【請求項11】
前記少なくとも1つの電気端子コネクタ(150)の前記第1端部部分(151)及び第2端部部分(152)は、前記パネル(100)の前記熱提供層(102)との間における、且つ、前記パネル(100)に結合される隣接するパネル(201、202、...206)の対応する熱提供層(102)との間における、電気的接触状態となるべく構成された、それぞれ、第1導電性舌(171)及び第2導電性舌(172)を含む請求項1乃至
10のいずれか1項に記載のパネル(100)。
【請求項12】
パネル(100)の第1端部パネル結合手段(117)及び第2端部パネル結合手段(118)の1つ又は複数内に挿入可能である電気端子コネクタ(150)であって、
前記パネル(100)は、
-ベース層(101)と、
-前記ベース層(101)に装着された熱提供層(102)であって、熱が電気エネルギーによって生成される、熱提供層と、
-前記熱提供層(102)に装着されたカバリング層(103)と、
-前記パネル(100)を、隣接するパネル(201、202、...、206)に結合するべく構成された、それぞれ反対側の、第1長手方向パネル結合手段(115)及び第2長手方向パネル結合手段(116)を含む、第1長手方向辺(105)及び第2長手方向辺(106)と、
-前記パネル(100)を、隣接するパネル(201、202、...、206)に結合するべく構成された、それぞれ反対側の、第1端部パネル結合手段(117)及び第2端部パネル結合手段(118)を含む、第1端部辺(107)及び第2端部辺(108)と、
を含み、
前記電気端子コネクタ(150)は、
-第1端部部分(151)及び第2端部部分(152)であって、前記第1端部部分(151)及び第2端部部分(152)は、少なくとも部分的な導電性を有し、且つ、挿入された際に、前記第1端部パネル結合手段(117)及び第2端部パネル結合手段(118)の前記1つ又は複数から少なくとも部分的に突出し、これにより、前記パネル(100)の前記熱提供層(102)と前記パネル(100)に結合された少なくとも1つの隣接するパネル(201、202)の対応する熱提供層の間の電気接続を提供する、第1及び第2端部部分、
を含む、電気端子コネクタ。
【請求項13】
暖房システム(800)であって、
-請求項1乃至
11のいずれか1項に記載の少なくとも1つのパネル(100、201、206)と、
-前記電気エネルギーを前記少なくとも1つのパネル(100)の少なくとも1つの第1電力供給端子コネクタ(161)及び少なくとも1つの第2電力供給端子コネクタ(162)に提供するべく、前記少なくとも1つのパネル(100)の前記第1端部辺(107、107’)及び前記第2端部辺(108、108’)の少なくとも1つのものに隣接した状態において配置された電気エネルギー提供構成(810)と、
を特徴する暖房システム。
【請求項14】
請求項
13に記載の前記暖房システム(800)を設置する方法であって、
-前記電気エネルギー提供構成(810)を取り付けるステップと、
-前記第1端部辺(107)及び第2端部辺(108)上の前記結合手段(117、118)の使用により、第1パネル(100)を少なくとも1つの第2パネル(201、202)と機械的に結合し、これにより、前記第1パネル(100)及び前記少なくとも1つの第2パネル(201、202)の列を生成するステップと、
-前記第1パネル(100)の前記少なくとも1つの端子コネクタ(150)の使用により、前記第1パネル(100)及び前記少なくとも1つの第2パネル(201、202)を電気的に接続するステップと、
-前記第1パネル(100)及び前記少なくとも1つの第2パネル(201、202)の1つ又は複数のものの第1電力供給端子コネクタ(161)及び第2電力供給端子コネクタ(162)を前記電気エネルギー提供構成(810)に接続するステップと、
を特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文において定義されているパネルに関する。又、本発明は、請求項13の前文において定義されている電気端子コネクタにも関する。又、本発明は、請求項14の前文において定義されている暖房システムにも関する。又、本発明は、請求項15において定義されている暖房システムを設置する方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
以下の背景情報は、本発明の背景の説明であり、従って、これは、必ずしも、従来技術の説明であるというわけではない。
【0003】
我々の時代の大きな課題の1つが、世界における全体的なエネルギー消費量を低減する、というものである。世界の多くの地域において、住宅、アパート、事務所、店舗、工場、及び/又はその他の公的又は非公的な空間は、これらの空間において時間を過ごす人々のために、受け入れ可能な環境を提供するべく、暖房する必要がある。従って、このような暖房は、エネルギー消費を最小限に維持する必要があると同時に、快適な温度を提供する必要がある。
【0004】
受け入れ可能な温度/環境が提供されると同時に、エネルギー消費を低減するべく、床下暖房を使用することができる。現在、床をカバーするべく石及び/又はセラミックタイルが使用される際には、熱源として温水又は電気を使用する床下暖房を設置するのが一般的である。又、床をカバーするべく、パーケットフローリングなどの木製の床が使用される際にも、床下暖房を使用することができる。
【0005】
これまでのところ、床下暖房を提供するべく使用されている熱は、床板の下方のパイプ/チューブ内を流れる温水により、且つ/又は、床板の下方において配置されたシート材料内の抵抗値を通じて流れる電気により、生成されている。このような既知の解決策については、(特許文献1)において記述されており、この場合には、この特許文献において「暖房装置1と表記されている」マット/シートは、「床カバリング12」の下方において、即ち、実際の床板の下方において配置されている。従って、これらのパイプ/チューブ及び/又はシート材料は、木製の床の下方において、或いは、石及び/又はセラミックタイルの下方において、配置されている。これらの従来の解決策は、熱が実際に必要とされている空間内に、即ち、木製の床の上方の、且つ/又は、石及び/又はセラミックタイルの上方の、空間内に、熱を提供することにおいて、あまり効率的ではない、という欠点を有する。これは、熱が木製の床の下方において、或いは、石及び/又はセラミックタイルの下方において、生成され、且つ、従って、例えば、人々が存在している空間に到達するには、即ち、暖房を要する空間に到達するには、木製の床の全体を通じて、且つ/又は、石及び/又はセラミックタイルの全体を通じて、熱を搬送する必要がある、という事実に起因している。又、生成された熱の大きな部分が、反対方向において、即ち、木製の床又は石及び/又はセラミックタイルから離れるように、搬送されており、これは、暖房を要する空間から離れることをも意味している。従って、このような従来の暖房システムにおいては、生成された熱の多くが失われており、従って、暖房システムは、非効率的であり、且つ、エネルギーを浪費している。
【0006】
(特許文献2)において示されている従来技術の解決策においては、その代わりに、フローリングボードに、板の内部における埋め込み型の暖房フォイルが提供されており、これは、電気エネルギーが供給された際に熱を生成するべく、構成されている。これにより、生成された熱は、熱が必要とされている空間に対して格段に効率的に提供されており、その理由は、熱が、その下方の代わりに、実際の床板内において生成されているからである。
【0007】
但し、(特許文献2)において示されているフローリングボードは、フローリングボードに対する電力供給に関係するいくつかの問題点を有している。フローリングボードは、フローリングボードをその他のフローリングボードと機械的に1つに結合するべく使用される、クイック結合ジョイントの溝及び舌の上部に配置された電気接続手段を有する。電気接続手段が、ジョイントの溝及び舌の上部に配置されていることから、圧力がフローリングボード上において印加された際に、電気接続手段も、小さな運動を経験することになる。ジョイントの一部分、即ち、ジョイントの溝及び舌、は、例えば、人間がフローリングボード上を歩行するたびに、毎回、わずかに運動する。これにより、(特許文献2)における電気接続手段は、ある程度の使用の後に、損耗した状態となる。又、電気接続手段の損耗の結果として、接触の喪失がもたらされる場合もあり、これにより、暖房機能が失われる。又、電気接続手段の損耗により、短絡が発生する場合もあり、これは、例えば、火災のリスクに起因し、危険なものとなりうる。当然のことながら、これらの発生可能な問題点は、特に長い予想寿命を有する床の場合には、非常に不適切なものである。このような床は、誤動作する床の暖房機能に起因し、予想よりもかなり短い時間の後に、交換を要する場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】米国特許出願公開第2008/0210679号明細書
【文献】米国特許出願公開第2006/0289144号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、上述の問題点及び/又は欠点のうちの少なくともいくつかを解決するパネル、暖房システム、及び方法を提供することが、本発明の目的である。この目的は、請求項1の特徴付け部分による上述の言及されたパネルにより、実現される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
パネルは、
-ベース層と、
-ベース層に装着された熱提供層であって、熱が電気エネルギーによって生成される、熱提供層と、
-熱提供層に装着されたカバリング層と、
-パネルを、隣接するパネルに結合するべく構成された、それぞれ反対側の、第1及び第2長手方向パネル結合手段を含む、第1及び第2長手方向辺と、
-パネルを、隣接するパネルに結合するべく構成された、それぞれ反対側の、第1及び第2端部パネル結合手段を含む、第1及び第2端部辺と、
を含む。
【0011】
パネルは、
-ベース層内において第1端部辺から第2端部辺まで配置された、且つ、熱提供層に対向する、少なくとも第1及び第2長手方向溝であって、それぞれ、第1及び第2長手方向辺と平行に構成された、且つ、これらに対する少なくとも第1及び第2距離を有する、少なくとも第1及び第2長手方向溝と、
-第1及び第2端部パネル結合手段の1つ又は複数において配置された少なくとも1つの電気端子コネクタであって、少なくとも1つの電気端子コネクタは、第1及び第2端部部分を含み、第1及び第2端部部分は、少なくとも部分的な導電性を有し、且つ、第1及び第2端部パネル結合手段の1つ又は複数から少なくとも部分的に突出しており、これにより、パネルの熱提供層とパネルに結合された少なくとも1つの隣接するパネルの対応する熱提供層の間の電気接続を提供している、少なくとも1つの電気端子コネクタと、
を更に含む。
【0012】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つの電気端子コネクタの第1及び第2端部部分は、それぞれ、少なくとも第1及び第2長手方向溝内において配置されている。
【0013】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つの電気端子コネクタは、少なくとも部分的な弾性を有しており、且つ、少なくとも1つの電気端子コネクタの第1及び第2端部部分が、それぞれ、少なくとも第1及び第2長手方向溝内において配置された際に、少なくとも部分的に突出する部分が、その緩和した状態において、第1及び第2端部パネル結合手段の1つ又は複数から、少なくとも部分的に突出するように、第1及び第2端部部分の間において少なくとも部分的に突出する部分を含む。
【0014】
本発明の一実施形態によれば、パネルは、それぞれ、第1及び第2端部辺の少なくとも1つに隣接する第1及び第2パネル端部凹部を更に含み、第1及び第2パネル端部凹部は、それぞれ、第1及び第2長手方向辺に対する少なくとも第1及び第2距離を有しており、且つ、少なくとも1つの電気端子コネクタの第1及び第2端部部分を少なくとも部分的に受け入れるべく構成されている。
【0015】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つの電気端子コネクタは、第1及び第2端部部分に装着された支持部材を含み、支持部材は、第1及び第2端部パネル結合手段の1つ又は複数から突出し、且つ、パネルに結合された隣接するパネルの支持ノッチ内に挿入され、これにより、パネルと隣接するパネルの間の機械的結合を実現するべくパネルに提供されるトルクTqに抗して作用する力Fを生成するべく、構成されている。
【0016】
本発明の一実施形態によれば、パネルは、それぞれ、少なくとも第1及び第2長手方向溝内において第1端部辺から第2端部辺まで配置された少なくとも第1及び第2長手方向結合要素を含む。この結果、電気端子コネクタの第1及び第2端部部分は、少なくとも第1及び第2長手方向結合要素の利用/使用により、熱提供層に電気的に接続されるべく、構成されている。
【0017】
本発明の一実施形態によれば、熱提供層に対向する少なくとも第1長手方向結合要素及び第2長手方向結合要素の少なくとも第1表面及び第2表面は、少なくとも第1長手方向溝及び第2長手方向溝の外側においてベース層の表面とアライメントされており、且つ、熱提供層と対向している。
【0018】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つの電気端子コネクタの第1端部部分及び第2端部部分は、熱提供層がカバリング層と少なくとも第1長手方向結合要素及び第2長手方向結合要素の間において配置されることにより、熱提供層に電気的に接続され、且つ、少なくとも第1長手方向結合要素及び第2長手方向結合要素に装着されている。
【0019】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも第1長手方向結合要素及び第2長手方向結合要素は、熱提供層と少なくとも1つの電気端子コネクタの少なくとも1つの第1端部部分及び少なくとも1つの第2端部部分の間において電気接続を提供するべく、熱提供層及び少なくとも1つの電気端子コネクタの第1端部部分及び第2端部部分を互いに圧接状態において押圧するべく、構成されている。
【0020】
本発明の一実施形態によれば、電気接続は、熱提供層がベース層と少なくとも第2長手方向結合要素及び第2長手方向結合要素の間において少なくとも第1長手方向溝及び第2長手方向溝内において配置されることにより、提供され、これにより、少なくとも第1及び第2長手方向結合要素は、それぞれ、熱提供層及び少なくとも1つの電気端子コネクタの第1端部部分及び第2端部部分を互いに圧接状態において押圧するべく、構成されている。
【0021】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つの電気端子コネクタの第1端部部分及び第2端部部分は、パネルの、それぞれ、第1端部辺から第2端部辺まで、少なくとも第1長手方向溝及び第2長手方向溝内において配置された少なくとも第1長手方向結合要素及び第2長手方向結合要素との間における、且つ、パネルに結合される隣接するパネルの対応する少なくとも第1長手方向結合要素及び第2長手方向結合要素との間における、電気的接触状態となるべく構成された、それぞれ、第1導電性舌及び第2導電性舌を含む。
【0022】
本発明の一実施形態によれば、第1導電性舌及び第2導電性舌は、少なくとも部分的に波の形態である。
【0023】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つの電気端子コネクタの第1端部部分及び第2端部部分の1つ又は複数は、少なくとも部分的な弾性を有し、これにより、少なくとも1つの隣接するパネルの少なくとも1つの対応する第1端部パネル結合手段及び第2端部パネル結合手段の少なくとも1つのもののスナップロックのために構成されている。
【0024】
又、上述の目的は、請求項13の特徴付け部分による上述の電気端子コネクタによっても実現され、電気端子コネクタは、パネルの第1及び第2端部パネル結合手段の1つ又は複数内に挿入可能であり、パネルは、
-ベース層と、
-ベース層に装着された熱提供層であって、熱が電気エネルギーによって生成される、熱提供層と、
-熱提供層に装着されたカバリング層と、
-パネルを、隣接するパネルに結合するべく構成された、それぞれ反対側の、第1及び第2長手方向パネル結合手段を含む、第1及び第2長手方向辺と、
-パネルを、隣接するパネルに結合するべく構成された、それぞれ反対側の、第1及び第2端部パネル結合手段を含む、第1及び第2端部辺と、
を含み、
電気端子コネクタは、
-第1及び第2端部部分であって、第1及び第2端部部分は、少なくとも部分的な導電性を有し、且つ、その内部に挿入された際に第1及び第2端部パネル結合手段の1つ又は複数から少なくとも部分的に突出し、これにより、パネルの熱提供層とパネルに結合された少なくとも1つの隣接するパネルの対応する熱提供層の間の電気接続を提供している、第1及び第2部分と、
を含む。又、一実施形態によれば、電気端子コネクタは、少なくとも1つの隣接するパネルに対する機械的結合をも提供している。
【0025】
パネル及び隣接するパネルが1つに機械的に結合された際に、電気端子コネクタの第1及び第2端部部分は、様々な実施形態によれば、パネル及び隣接するパネルの両方のものの第1及び第2溝端部セクション及び/又はパネル端部凹部内に挿入され/受け入れられ、これにより、少なくとも部分的な導電性を有する第1及び第2端部部分は、パネル及び隣接するパネルの熱提供層の間の電気接続を提供している。
【0026】
又、上述の目的は、請求項14の特徴付け部分による上述の暖房システムによっても実現される。
【0027】
暖房システムは、
-本明細書において記述されている少なくとも1つのパネルと、
-電気エネルギーを少なくとも1つの第1及び少なくとも1つの第2電気端子コネクタに提供するべく、少なくとも1つのパネルの第1及び第2端部辺の少なくとも1つに隣接する状態において配置された電気エネルギー提供構成と、
を含む。
【0028】
本発明の一実施形態によれば、電気エネルギー提供構成は、
-少なくとも1つの第1電力供給端子コネクタ及び少なくとも1つの第2電力供給端子コネクタが、それにより、第1端部辺及び第2端部辺の少なくとも1つから突出する、取付ベースにおいて、且つ、
-少なくとも1つの第1電力供給端子コネクタ及び少なくとも1つの第2電力供給端子コネクタが、それにより、第1端部辺及び第2端部辺の少なくとも1つの周りにおいて折り曲げられ、且つ、ベース層と電気エネルギー提供構成の間において、且つ、電気エネルギー提供構成の少なくとも1つの部分との電気的接触状態において、配置される、ベース層に対向するように、
という群のうちの1つに従って配置されている。
【0029】
本発明の一実施形態によれば、電気エネルギーは、パネルの第1端部辺の第1電力供給端子コネクタ及び第2電力供給端子コネクタに、或いは、パネルの第1端部辺に直接又は間接的に結合された隣接パネルの対応する第1端部辺に、供給される第1及び第2極性によって提供されている。
【0030】
本発明の一実施形態によれば、電気エネルギーは、
-パネルの第1端部辺の第1電力供給端子コネクタ又は第2電力供給端子コネクタに、或いは、パネルの第1端部辺に直接又は間接的に結合された隣接するパネルの対応する第1端部辺に、供給される第1極性と、
-パネルの第2端部辺の第1電力供給端子コネクタ又は第2電力供給端子コネクタに、或いは、パネルの第2端部辺に直接又は間接的に結合された隣接するパネルの対応する第2端部辺に、供給される第2極性と、
によって供給されている。
【0031】
又、上述の目的は、請求項15の特徴付け部分による、本発明による暖房システムを設置する上述の方法によっても実現される。
【0032】
方法は、
-電気エネルギー提供構成を取り付けるステップと、
-第1及び第2端部辺上における結合手段の使用により、第1パネルを少なくとも1つの第2パネルと機械的に結合し、これにより、第1パネル及び少なくとも1つの第2パネルの列を生成するステップと、
-例えば、第1パネルの少なくとも1つの端子コネクタの使用により、第1パネル及び少なくとも1つの第2パネルの熱提供層を電気的に接続することにより、第1パネル及び少なくとも1つの第2パネルを電気的に接続するステップと、
-第1パネル及び少なくとも1つの第2パネルの1つ又は複数のものの第1及び第2電力供給端子コネクタを電気エネルギー提供構成に接続するステップと、
を含む。
【0033】
本発明の一実施形態によれば、方法は、
-電気エネルギー提供構成を取り付けるステップと、
-第1端部辺及び第2端部辺上の結合手段の使用により、第1パネルを少なくとも1つの第2パネルと機械的に結合し、これにより、第1パネル及び少なくとも1つの第2パネルの列を生成するステップと、
-第1パネルの少なくとも1つの端子コネクタの使用により、第1パネルと少なくとも1つの第2パネルを電気的に接続するステップと、
-第1パネルの第1端部辺上の第1電力供給端子コネクタ及び第2電力供給端子コネクタの1つを電気エネルギー提供構成に接続し、これにより、電気エネルギーの第1極性が提供される、ステップと、
-第1パネルの第2端部辺上の第1電力供給端子コネクタ及び第2電力供給端子コネクタの別のものを電気エネルギー提供構成に接続し、これにより、電気エネルギーの第2極性が提供される、ステップと、
を含む。
【0034】
本発明によるパネル及び暖房システムは、基本的に、すべての種類の空間の、エネルギー効率に優れた、且つ、耐久性のある、暖房を提供する。
【0035】
例えば、フローリングパネル、壁パネル、及び/又は天井パネルなどの、構造パネル内に熱提供層を統合することにより、少なくとも部分的にこのようなパネルを含む床、壁、及び天井によって境界が定められた空間内の屋内気候/温度を効率的に、正確に、且つ、確実に、調節することができる。
【0036】
熱提供層は、暖房対象の空間の非常に近傍に配置されており、その理由は、これが、カバリング/装飾層の直接下方において配置されているからである。これにより、本発明によるパネルが使用される際には、生成された熱を暖房対象の空間に非常に効率的に搬送することができる。この暖房対象の空間への効率的な熱の搬送により、熱を生成するべく使用される電気エネルギーの消費が極小化される。
【0037】
本発明によるパネルは、切断することが可能であり、且つ、依然として、床の敷き込みに使用されうる、という意味において、切断可能である。これは、第1及び第2長手方向溝の場所が正確に定義されており、その結果、第1及び第2溝内において配置される第1及び第2電気端子コネクタ及び/又は第1及び第2電力供給端子コネクタの配置も、正確に定義される、という事実に起因している。これにより、切断されたパネルは、別の切断されたパネルに圧接した状態において敷き込まれてもよく、或いは、パネル全体に圧接した状態において敷き込まれてもよく、且つ、依然として、パネル内において熱を生成するための電気エネルギーの確実な供給が提供されることになり、その理由は、パネルの第1及び第2電気端子コネクタ及び/又は第1及び第2電力供給端子コネクタが、接続が実施されるように、フィット/マッチング/遭遇することになるからである。
【0038】
本発明によるパネルの電気端子コネクタ及び/又は電力供給端子コネクタは、機械的なパネルジョイント結合から、即ち、パネルを1つに機械的に保持するジョイント結合から、少なくとも部分的に分離されている。これにより、電気端子コネクタ及び/又は電力供給端子コネクタは、機械的パネルジョイントの一部分の多くの運動からも、且つ、これらの運動が結果的にもたらしうるコンポーネントの損耗からも、保護されている。
【0039】
本発明の使用により、パネルに対する安全且つ確実な電力供給が保証される。又、本発明による電気端子コネクタの設計は、安定した電気的結合が提供されると同時に、パネルの一体としての機械的結合を単純化している。
【0040】
又、本発明によるパネルの端子コネクタは、隣接するパネルの対応する端子コネクタに対する確実且つ安全な電気的接触を提供している。これにより、熱提供層内において熱を生成するべく使用される電気エネルギーは、結合されたパネルのそれぞれのものまで確実に到達しており、且つ、従って、パネルのそれぞれのものの熱提供層にも到達している。
【0041】
本発明によるパネルは、費用効率に優れた方式で製造することができると共に、設置することができる。熱は、例えば、約25ボルト又は約50ボルトなどのように、4~60ボルトなどの低電圧の使用によって生成することができることから、パネルは、場合によっては、素人により、即ち、専門家ではない人により、設置することができる。従って、本発明によるパネルの設置によれば、パネルが設置/使用される場所の法律及び規則によっては、電気技術者が存在するニーズがなくなる場合があり、この結果、例えば、住宅の所有者などの、エンドユーザーにとっての合計費用が劇的に低減される。従来技術の電気床下暖房システムは、しばしば、例えば、230ボルトなどの、格段に大きな電圧によって駆動されており、このようなシステムは、資格を有する電気技術者によって設置しなければならない。
【0042】
いくつかの既知の床下暖房システムは、熱を生成する、相対的に小さな電圧のマット/シートを含んでおり、これらは、木製の床の下方において、或いは、石及び/又はセラミックタイルの下方において、配置されている。このような1つの例が、米国特許出願公開第2008/0210679号明細書における上述の暖房装置1であり、これは、床カバリング12の下方において配置されている。この構成は、上述のように、相当のエネルギー損失を結果的にもたらす。又、この従来技術の相対的に小さな電圧のマット/シートは、しばしば、適切に設置するのが困難であり、従って、多くの場合に、技術を有する人物が、例えば、床によってカバーされる対象のエリアにフィットするように、マット/シートのサイズを適合させなければならない。この結果、床の設置の費用が増大する。
【0043】
但し、本発明によるパネルは、それ自体が既に熱提供層を含んでおり、且つ、従って、なんらかの熱生成マットがその下方において設置されることを必要としてはいない。
【0044】
非限定的な例として、約10~40W/m
2
又は20~30W/m2の範囲の電力/床面積を熱の生成のために使用することができる。使用される電力/床面積は、床及び/又は暖房の異なる特性の間のバランスとして見なすことができる。相対的に大きな電力は、一般に、相対的に短い熱提供回路を結果的にもたらし、これは、パネルを切断する際には、利点であり、その理由は、切断に起因した加熱を伴わないパネルの部分が小さくなるからである。但し、相対的に小さな電力/床面積の場合には、相対的に大きな電力及び相対的に小さな抵抗値の場合よりも、熱提供回路の抵抗値の重要性は乏しい。
【0045】
以下、いくつかの好適な実施形態を示す添付図面を参照し、本発明によるパネル、暖房システム、及び方法の詳細な例示用の実施形態及び利点について説明する。
【0046】
本発明の実施形態について、本発明の実施形態の例を示す以下の添付図面を参照し、更に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1】本発明のいくつかの実施形態によるパネルの概略端面図を示す。
【
図2a-d】本発明のいくつかの実施形態によるパネルのセクションの概略端面図を示す。
【
図3a-d】本発明のいくつかの実施形態によるパネルのセクションの概略端面図を示す。
【
図4a-b】本発明のいくつかの実施形態によるパネルの概略図を示す。
【
図4c-e】本発明のいくつかの実施形態によるパネルの概略図を示す。
【
図5a-b】本発明のいくつかの実施形態によるパネル及び/又は電気端子コネクタの概略図を示す。
【
図5c-e】本発明のいくつかの実施形態によるパネル及び/又は電気端子コネクタの概略図を示す。
【
図5f-h】本発明のいくつかの実施形態によるパネル及び/又は電気端子コネクタの概略図を示す。
【
図5i-k】本発明のいくつかの実施形態によるパネル及び/又は電気端子コネクタの概略図を示す。
【
図6】本発明のいくつかの実施形態による複数の結合されたパネルを含む床を示す。
【
図7】本発明のいくつかの実施形態による暖房システムを概略的に示す。
【
図8】本発明のいくつかの実施形態による暖房システムを概略的に示す。
【
図9】本発明のいくつかの実施形態による完全な暖房システムを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図1、
図2a-d、
図3a-d、
図4a-d、及び
図5a-kは、本発明の様々な実施形態によるパネル100及び/又は電気端子コネクタ150の図を概略的に示している。
【0049】
例えば、
図1に示されているように、パネル100は、第1長手方向辺105により、且つ、第1長手方向辺105とは反対側である第2長手方向辺106により、境界が定められている。又、パネル100は、第1端部辺107により、且つ、第1端部辺107の反対側である第2端部辺108により、境界が定められている。
【0050】
第1長手方向辺105、第2長手方向辺106、第1端部辺107、及び第2端部辺108には、それぞれ、例えば、「クリップジョイント」115、116、117、118を形成する溝/メス及び舌/ラベット(rabbet)などの、パネル結合手段を提供することができる。パネル結合手段115、116、117、118は、一実施形態によれば、パネル100を少なくとも1つの隣接するパネル201、202、...、206に、即ち、少なくとも1つのその他の対応するパネル201、202、...、206に、(
図6に示されているように)機械的に結合するべく、ベース層101内において、パネルの第1長手方向辺105及び第2長手方向辺106において、且つ、パネルの第1端部辺107及び第2端部辺108において、配置されており、この場合に、少なくとも1つのその他の対応するパネルには、既知の方式により、対応するパネル結合手段が提供されている。
【0051】
パネル100は、ベース/コア層101と、カバリング/視覚層103と、を更に含む。カバリング/視覚層103は、恐らくは、暖房対象の空間から、即ち、パネルが床、壁、及び/又は天井をカバーしている部屋から可視状態にある表面104を有する。カバリング/視覚層は、色及び/又はパターンを含む適切な外観/見た目を有することができる。
【0052】
パネル100は、ベース層101に装着された、即ち、ベース層101とカバリング/視覚層103の間において配置された、熱提供層102を更に含む。又、これは、熱提供層が、暖房対象の空間に非常に近接した状態において、即ち、薄いカバリング/視覚層103の直接下方において、配置されていることをも意味している。熱提供層102は、導電性を有し、且つ、電流が材料を通じて流れた際に熱を生成するのに、即ち、増大した温度に適した電気抵抗値を有する基本的に任意の材料を含むことができる。材料は、熱生成要素として形成されてもよく、これは、多数の形状を有することができる。例えば、熱提供層は、印刷された電子回路、薄膜、1つ又は複数の抵抗器、シート、テープ、ペンキを有していてもよく、或いは、その電気抵抗値を通じて熱を生成するべく、且つ、本発明によるパネル内において含まれるべく、適した基本的に任意のその他の形状又は形態を有していてもよい。従って、例えば、熱提供層102は、電気抵抗値を有する印刷された電子回路、電気抵抗値を有する少なくとも1つの薄膜、及び/又は電気抵抗値を有する1つ又は複数の抵抗器を含む少なくとも1つの熱生成要素を有することができる。
【0053】
非限定的な例として、電気エネルギーが25Vの電圧を有する際には、即ち、電気エネルギー提供構成が、電源として使用される25Vの電圧を供給している際には、一実施形態によれば、23W/m
2
を熱提供層によって生成することができることに言及しうる。カバリング層における温度増大の時定数は、数分間の範囲における短いものであってもよく、且つ、例えば、3℃の温度増大を迅速に実現することができる。
【0054】
電圧降下は、床の長さの二乗に伴って増大する。例えば、10m未満の長さを有する床などの、相対的に短い床の場合には、電圧降下は、生成される熱に対してほとんど影響を有してはいない。但し、例えば、15mよりも長い床などの、相対的に長い床の場合には、電圧降下は、生成される熱に対して顕著な影響を及ぼしうる。
【0055】
本発明の一実施形態によれば、熱提供層102は、0.1mm~3mm、0.4mm~1mm、又は0.5mm~0.8mmの範囲における、可視表面104からの熱深さDheatにおいて、且つ/又は、0.6mmの深さにおいて、配置されている。この結果、これは、カバリング層が、熱深さDheatに等しい厚さTcovを有していることをも意味しており、これは、暖房対象の空間内への熱エネルギーの効率的な伝達を結果的にもたらし、その理由は、熱提供層102が、暖房対象の空間に非常に近接しているからである。
【0056】
本発明の一実施形態によれば、パネル100の層、即ち、ベース層101、熱提供層102、及びカバリング層103、は、例えば、糊などの接着剤の使用により、互いに装着/固定されている。
【0057】
本発明によるパネルは、第1長手方向辺105と平行に構成された、且つ、これに対して少なくとも第1距離131を有する、第1長手方向溝121と、第2長手方向辺106と平行に構成された、且つ、これに対して少なくとも第2距離132を有する、第2長手方向溝122と、を含む。第1長手方向溝121及び第2長手方向溝122は、パネルのベース層101内において配置されており、且つ、第1端部辺107から第2端部辺108まで延在している。第1長手方向溝121及び第2長手方向溝122は、熱提供層102と対向しており、即ち、溝の開口部/アパーチャは、熱提供層102に向かって方向付けされている。
【0058】
本発明によるパネル100は、例えば、
図1に示されているように、第1端部辺107における第1結合手段117及び第2端部辺108における第2端部パネル結合手段118のうちの1つ又は複数において配置された少なくとも1つの電気端子コネクタ150を更に含む。
【0059】
少なくとも1つの電気端子コネクタ150は、少なくとも部分的な導電性を有する、即ち、例えば、適切な材料などの、導電性材料を少なくとも部分的に含む、第1端部部分151及び第2端部部分152を含む。又、第1端部部分151及び第2端部部分152は、第1端部パネル結合手段117及び第2端部パネル結合手段118の1つ又は複数において配置された際に、パネルの第1端部パネル結合手段117及び第2端部パネル結合手段118の1つ又は複数から少なくとも部分的に突出している。この結果、第1端部部分151及び第2端部部分152は、パネル100の熱提供層102とパネル100に結合された少なくとも1つの隣接するパネル201、202の対応する熱提供層の間の電気接続を提供することができる。従って、第1端部部分151及び第2端部部分152は、パネル100、201、202が互いに機械的に結合された際に、(例えば、
図6に示されている)少なくとも2つの隣接するパネル201、202の熱提供層が互いに電気的に接続可能となるようにするべく、構成されている。
【0060】
図1及び
図5a-hにおいて概略的に示されている、本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つの電気端子コネクタ150の第1端部部分151及び第2端部部分152は、それぞれ、少なくとも第1長手方向溝121及び第2長手方向溝122内において配置されている。
【0061】
少なくとも1つの電気端子コネクタ150は、ここでは、少なくとも部分的な弾性を有することができると共に、
図1、
図5b、及び
図5hにおいて示されているように、第1端部部分151と第2端部部分152の間において少なくとも1つの突出する部分152を含むこともできる。これにより、少なくとも部分的に突出する部分153は、少なくとも1つの電気端子コネクタ150が少なくとも第1長手方向溝121及び第2長手方向溝122内において配置された際に、その緩和された状態において、第1端部パネル結合手段117及び第2端部パネル結合手段118の1つ又は複数から少なくとも部分的に突出している。
【0062】
例えば、(2つのパネル100、202の平面図である)
図5b及び(2つのパネル100、201の第2長手方向辺107の図である)
図5f-gに示されているように、少なくとも第1長手方向溝121及び第2長手方向溝122は、一実施形態によれば、それぞれ、第1端部辺107及び第2端部辺108の少なくとも1つに隣接した第1溝端部セクション126及び第2溝端部セクション127を含む。この結果、第1溝端部セクション126及び第2溝端部セクション127は、それぞれ、少なくとも1つの電気端子コネクタ150の第1端部部分151及び第2端部部分152を少なくとも部分的に受け入れるべく、構成されている。
【0063】
第1溝端部セクション126及び第2溝端部セクション127は、
図5fにおいて示されているように、少なくとも第1長手方向溝121及び第2長手方向溝122の残りの部分に沿って、深さD
midよりも大きな深さD
endを有している、即ち、D
end>D
minである。端部深さD
endは、ここでは、好ましくは、
図5d-eにおいて概略的に示されている、少なくとも1つの電気端子コネクタ150の第1端部部分151及び第2端部部分152の厚さT
end_conに基本的に対応したものであってよい。従って、D
end=T
end_conである。第1長手方向溝121及び第2長手方向溝122は、例えば、第1長手方向溝121及び第2長手方向溝122の長さの中間において、端部辺107、108に隣接した状態で、端部123における第1溝端部セクション126及び第2溝端部セクション127内からを除いて、中間深さD
midを有することができる。端部深さD
endが、第1端部部分151及び第2端部部分152の厚さT
conに対応している際には、パネルの第1端部辺107及び第2端部辺108には、空隙が存在してはいない。これにより、非常の安定したパネルが提供される。しばしば、例えば、フローリングパネルの損耗は、第1端部辺107及び第2端部辺108における、且つ/又は、第1長手方向辺105及び第2長手方向辺106における、ジョイントの近傍において最悪であり、安定したパネル端部を提供する本実施形態によれば、これが、軽減されている。
【0064】
又、第1溝端部セクション126及び第2溝端部セクション127は、一実施形態によれば、少なくとも1つの電気端子コネクタ150の第1端部部分151及び第2端部部分152が、それぞれ、第1溝端部セクション126及び第2溝端部セクション127内において受け入れられた際に、第1端部パネル結合手段117及び第2端部パネル結合手段118の1つ又は複数から突出するように、長さL
end_grooveを有する。これは、例えば、
図5f-gにおいて、概略的に示されている。
【0065】
又、少なくとも1つの電気端子コネクタ150の第1端部部分151及び第2端部部分152は、それぞれ、第1端部パネル結合手段117及び第2端部パネル結合手段118の1つによってパネル100に機械的に結合される、隣接するパネル201、202、...、206の対応する第1溝端部セクション128及び第2溝端部セクション129内において受け入れられている。これは、例えば、
図5f-gにおいて、概略的に示されている。
【0066】
パネル100及び隣接するパネル202の第1溝端部セクション126及び128の組み合わせられた長さLend_goove_combは、一実施形態によれば、少なくとも1つの電気端子コネクタ150の第1端部部分151の長さLend_conに基本的に対応している。対応する方式において、パネル100及び隣接するパネル202の第2溝端部セクション127及び129の組み合わせられた長さLend_groove_combも、一実施形態によれば、少なくとも1つの電気端子コネクタ150の第2端部部分152の長さLend_conに基本的に対応することができる。これにより、第1端部部分151及び第2端部部分152は、基本的に、溝端部セクションの組み合わせられた長さLend_groove_comb内に正確にフィットし、これにより、更に詳しく後述するように、安定した、且つ、丈夫な、電気接続が提供される。
【0067】
本発明の一実施形態によれば、パネル100及び隣接するパネル202の第1溝端部セクション126及び128の長さL
end_grooveは、異なっている/等しくはない。対応する方式において、パネル100及び隣接するパネル202の第2溝端部セクション127及び129の長さL
end_grooveも、異なっていてもよく/等しくなくてもよく、これにより、第1端部部分151及び第2端部部分152は、例えば、
図5f-gにおいて概略的に示されているように、パネル100と隣接するパネル202の間のジョイント内において、非対称に構成されている。ジョイント内における第1及び第2端部部分の非対称な位置は、パネルを1つに結合する際に安定性を増大させるべく、使用することができる。
【0068】
本発明の一実施形態によれば、パネル100及び隣接するパネル202の第1溝端部セクション126及び128のみならず、パネル100及び隣接するパネル202の第2溝端部セクション127及び129、の長さLend_grooveは、基本的に等しい長さであってもよく、これにより、第1部分151及び第2部分152は、パネル100と隣接するパネル202の間のジョイント内において対称的に構成されている。
【0069】
それぞれ、少なくとも第1長手方向溝121及び第2長手方向溝122内に挿入されるべく構成された第1端部部分151及び第2端部部分152を有する少なくとも1つの端子コネクタ150は、例えば、
図1及び
図5a-hにおいて示されている。
【0070】
少なくとも1つの端子コネクタ150は、例えば、スプリング部材などの、少なくとも部分的に弾性を有する部材154により、互いに接続/装着された第1端部部分151及び第2端部部分152を有する。少なくとも1つの端子コネクタ150は、少なくとも部分的に突出する突出部153を有していてもよく、これは、例えば、その緩和された状態において、湾曲形状、アーチ形状、V字形状、及び/又は波形状であることによるなどのように、わずかに折り曲げられた弾性部材154により、形成することができる。実際には、少なくとも部分的に突出する部分153は、基本的に、端子コネクタ150が、自身が配置されている1つ又は複数の第1端部パネル結合手段117及び第2端部パネル結合手段118から(且つ/又は、その個々の端部辺107、108から)、その緩和された状態において、少なくとも部分的に突出するようにさせる任意の形状を有することができる。これにより、少なくとも1つの電気端子コネクタ150の少なくとも部分的に突出する部分153は、その形状及び/又はその弾性により、少なくとも1つの隣接するパネル201、202の第1の対応する端部パネル結合手段117及び第2の対応する端部パネル結合手段118の少なくとも1つ内にスナップ結合するべく、構成されている。これにより、パネル100は、対応する端部パネル結合117、118の1つ又は複数のリム、アパーチャ、及び/又はノッチ内に少なくとも部分的に突出する部分153をロックするスナップフィットにより、少なくとも1つの隣接するパネル201、202に対して機械的にロックされる。
【0071】
パネルが設置される際に、端子コネクタ150は、例えば、それぞれ、少なくとも第1長手方向溝121及び第2長手方向溝122内への第1端部部分151及び第2端部部分152の挿入によって1つのパネル100に事前固定されることにより、固定される。この結果、少なくとも部分的に突出する部分153は、その緩和された状態において、自身が固定されている端部パネル結合手段から突出している。次いで、パネル100が、まずは、傾斜させられ、且つ、次いで、隣接するパネル202に向かって下方に押圧されることにより、隣接するパネル202に機械的に結合された際に、少なくとも部分的に突出する部分153は、パネル100が隣接するパネル202の対応する端部パネル結合部117、118内にフィットするべく押し下げられた際に、まずは、その独自の端部パネル結合部117、118内に押し戻されることになる。但し、パネル100の端部パネル結合部117、118及び隣接するパネル202の対応する端部パネル結合部117、118が1つにフィットされた際に、端子コネクタ150は、隣接するパネル202の対応する端部パネル結合部117、118の1つ又は複数のリム、アパーチャ、及び/又はノッチ内にスナップアウトすることにより、再度、その緩和された状態の形状に戻り、その結果、パネル100及び隣接するパネル202の相互の機械的な固定が支援されている。
【0072】
又、パネル100及び隣接するパネル202が、このようにして、互いに装着された際に、少なくとも1つの電気端子コネクタ150の第1端部部分151及び第2端部部分152は、当初、パネル100の第1溝端部セクション126及び第2溝端部セクション127内に挿入される/受け入れられる。次いで、パネル100が、隣接するパネル202の対応する端部パネル結合部117、118内にフィットするべく、押し下げられた際に、少なくとも1つの電気端子コネクタ150の第1端部部分151及び第2端部部分152も、パネル100に結合された隣接するパネル202の対応する第1溝端部セクション128及び第2溝端部セクション129内に挿入される/受け入れられる。
【0073】
更に詳細に後述するように、少なくとも1つの電気端子コネクタ150の第1端部部分151及び第2端部部分152は、少なくとも部分的な導電性を有しており、これは、パネル100と隣接するパネル202の間の、即ち、パネル100及び隣接するパネル202の熱提供層の間の、電気接続を促進している。この理由から、少なくとも1つの電気端子コネクタ150の第1端部部分151及び第2端部部分152は、例えば、
図1及び
図5c-fにおいて示されているように、それぞれ、第1導電性舌171及び第2導電性舌172を含むことができる。舌171、172は、パネル100及び1つに結合される隣接するパネル202の熱提供層102との電気的な接触状態となるべく、構成されている。
【0074】
図5cは、パネル100の一部分の端部側面図を示している。端部パネル結合手段117が、端部辺107において配置されている。又、ここには、電気端子コネクタ150の第2端部部分152が、第2長手方向辺106に近接した第2長手方向溝122の第2溝端部セクション127内において配置/受け入れ/挿入される方式も示されている。(図示されてはいないが)対応する方式において、電気端子コネクタの第1端部部分151も、第1長手方向辺105に近接した第1長手方向溝121の第1溝端部セクション126内において配置されている/受け入れられている/挿入されている。
【0075】
図5d-eは、第2端部部分152と、例えば、爪(図示されてはいない)により、はんだ付け(図示されてはいない)により、且つ/又は、接着剤(図示されてはいない)により、端部部分152に装着された導電性の舌172と、を含む、電気端子コネクタ150の一部分の2つの図を示している。又、電気端子コネクタ150は、弾性部材154をも含む。本明細書において記述されているように、電気端子コネクタ150は、突出する部分154のもう1つの端部上において第1端部部分151を更に含んでいる(図示されてはいない)。
【0076】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つの電気端子コネクタ150の第1端部部分151及び第2端部部分152の両方が、パネルの第1長手方向溝121及び第2長手方向溝122内において配置されているわけではなく、即ち、第1端部部分151及び第2端部部分152の1つ又は複数は、第1長手方向溝121及び第2長手方向溝122とは別個の凹部内において配置されている。
【0077】
この結果、端部側面図である
図5i-jにおいて示されているように、パネル100は、それぞれ、第1端部辺107及び第2端部辺108の少なくとも1つに隣接する/これに対向する、即ち、第1端部パネル結合手段117及び第2端部パネル結合手段118の少なくとも1つに隣接する/これに対向する、第1パネル端部凹部136及び第2パネル端部凹部137を含む。第1パネル端部凹部136及び第2パネル端部凹部137は、それぞれ、第1長手方向辺105及び第2長手方向辺106に対して少なくとも第1距離133及び第2距離134を有しており、且つ、少なくとも1つの電気端子コネクタ150の第1端部部分151及び第2端部部分152を少なくとも部分的に受け入れるべく、構成されている。第1端部凹部136及び第2端部凹部137の少なくとも1つは、対応する本明細書において記述されている第1長手方向溝121及び第2長手方向溝122よりも、その個々の第1長手方向辺105及び第2長手方向辺106から、遠く離れて配置されている。従って、第1パネル端部凹部136及び第2パネル端部凹部137の第1長手方向辺の距離133及び第2長手方向辺の距離134の少なくとも1つは、それぞれ、第1溝121及び第2溝122の対応する第1長手方向辺の距離131及び第2長手方向辺の距離132よりも長くなっており、即ち、133>131であり、且つ/又は、134>132である。
【0078】
第1パネル端部凹部136及び第2パネル端部凹部137は、上述の第1溝端部セクション126及び第2溝端部セクションに類似しているが、それぞれ、第1溝端部セクション126及び第2溝端部セクション127の上述の第1長手方向辺の距離131及び第2長手方向辺の距離132とは別の、もう1つの第1長手方向辺の距離133及び第2長手方向辺の距離134において配置されている。
【0079】
従って、一実施形態によれば、第1パネル端部凹部136及び第2パネル端部凹部137は、少なくとも1つの電気端子コネクタ150の第1端部部分151及び第2端部部分152の厚さTend_conに基本的に対応した深さDendを有しており、即ち、Dend=Tend_conである。第1パネル端部凹部136及び第2パネル端部凹部137は、少なくとも第1長手方向溝121及び第2長手方向溝122の残りの部分に沿って深さDmidよりも大きな深さDendを有していてもよく、即ち、Dend>Dmidである。端部深さDendが、少なくとも1つの電気端子コネクタの第1端部部分151及び第2端部部分152の厚さTend_conに対応している際には、パネルの第1端部辺107及び第2端部辺108には、空隙が存在してはいない。これにより、そのジョイントの損耗が軽減された、非常に安定したパネルが提供される。
【0080】
第1パネル端部凹部136及び第2パネル端部凹部137は、一実施形態によれば、少なくとも1つの電気端子コネクタ150の第1端部部分151及び第2端部部分152が、それぞれ、第1パネル端部凹部136及び第2パネル端部凹部137内において受け入れられた際に、第1端部パネル結合手段117及び第2端部パネル結合手段118の1つ又は複数から突出するように、長さLend_recessを更に有することができる。
【0081】
第1パネル端部凹部136及び第2パネル端部凹部137は、一実施形態によれば、更に詳しく後述するように、電気端子コネクタ150の支持部材156を受け入れるべく構成された支持ノッチ/リム/アパーチャ155を更に含む。
【0082】
この結果、少なくとも1つの電気端子コネクタ150の第1端部部分151及び第2端部部分152は、それぞれ、パネル100に機械的に結合される隣接するパネル201、202の対応する第1及び第2パネル端部凹部内において、受け入れられ、これにより、上述のように、第1端部部分151及び第2端部部分152を2つの隣接するパネル100、202の間のジョイント内において対称的に又は非対称的に構成することができる。
【0083】
図5kにおいて示されているように、パネル100が第1パネル端部凹部136及び第2パネル端部凹部137を含んでいる実施形態の場合には、少なくとも1つの電気端子コネクタ150は、第1端部部分151及び第2端部部分152に装着された、即ち、第1端部部分151及び第2端部部分152の間に配置/装着された橋絡部材159上において構成された、支持部材156を含むことができる。
図5kにおいて、異なる図において示されている支持部材156は、自身が第1パネル端部凹部136及び第2パネル端部凹部137内において受け入れられた/配置された際に、第1端部パネル結合手段117及び第2端部パネル結合手段118の1つ又は複数から突出している。支持部材156は、パネル100に結合される隣接するパネル202の支持ノッチ/リム/アパーチャ155内に挿入され、これにより、パネル100が、端部パネル結合手段により、隣接するパネル202に機械的に結合されるべく下方に押圧された際に、パネル100に対して提供されるトルクTqに抗して作用する力Fを生成するべく、構成されている。従って、パネル100の支持部材156は、隣接するパネル202の支持ノッチ/リム/アパーチャ155との協働状態において、押圧トルクTqに応答して安定化力Fを生成するべく、構成されており、その結果、パネル100及び隣接するパネル202の安全な機械的結合が促進されている。
【0084】
支持部材156は、一実施形態によれば、少なくとも部分的にテーパー化されており、即ち、少なくとも部分的にテーパー化された部分/セクション157を有しており、この結果、支持ノッチ/リム/アパーチャ155内への支持部材156の相対的に容易な挿入が促進されている。支持部材156は、基本的に、安定化させる反トルク力Fを生成するのに適した任意の形態を有していてもよく、且つ、例えば、
図5kにおいて示されているように、少なくとも1つのプラグ及び/又はピンの形態を有していてもよく、これにより、支持ノッチ/リム/アパーチャ155は、
図5jにおいて示されているように、力Fがそれに圧接状態において作用しうる、少なくとも1つの対応する孔を含んでいる。又、支持部材156は、それなりにパネル100の端部辺に沿って延在しうる唇の形態を有していてもよく、これにより、支持ノッチ/リム/アパーチャ155は、安定化力Fがそれに圧接状態において作用しうる、対応するエッジを含んでいる。
【0085】
上述及び後述のように、少なくとも1つの電気端子コネクタ150の第1端部部分151及び第2端部部分152は、少なくとも部分的な導電性を有しており、この結果、パネル100と隣接パネル202の間の、即ち、パネル100及び隣接パネル202の熱提供層の間の、電気接続が促進されている。この理由から、少なくとも1つの電気端子コネクタ150の第1端部部分151及び第2端部部分152は、
図5kに示されているように、それぞれ、第1導電性舌171及び第2導電性舌172を含むことができる。舌171、172は、パネル100及び1つに結合される隣接するパネル202の熱提供層102との電気接触状態となるべく、構成されている。
【0086】
又、少なくとも1つの電気端子コネクタ150の第1端部部分151及び第2端部部分152は、電気接続を提供するべく、それ自体を導電性材料から製造することもできる。
【0087】
電気端子コネクタ150の第1端部部分151及び第2端部部分152は、パネル100内の第1端部凹部136及び第2端部凹部137内において、且つ、パネル100に機械的に結合される隣接するパネル200の対応する第1及び第2端部凹部内において、配置されている/受け入れられている/挿入されている。これにより、パネル100と隣接パネル200の間の、即ち、パネル100及び隣接パネル202の熱提供層の間の、電気接続が、本明細書において記述されているように、実現/提供されている。
【0088】
一実施形態によれば、電気結合部は、第1長手方向結合要素141及び第2長手方向結合要素142について詳細に記述されているように、第1端部凹部136及び第2端部凹部137内において受け入れられた第1端部部分151及び第2端部部分152から、パネル100内の第1長手方向結合要素141及び第2長手方向結合要素142まで、構成されている。
【0089】
図5kにおいて示されているように、少なくとも1つの電気端子コネクタ150の第1端部部分151及び第2端部部分152の1つ又は複数は、一実施形態によれば、少なくとも部分的に弾性を有していてもよく、例えば、少なくとも1つの隣接するパネル201、202の少なくとも1つの対応する第1端部パネル結合手段117及び第2端部パネル結合手段118の少なくとも1つとのスナップロックのために構成された弾性を有する/曲がりやすい部材158を有することができる。この結果、弾性部材158は、(
図5kに示されている例においては)第1端部凹部136及び第2端部凹部137の1つ又は複数内に挿入された際に、1つ又は複数の端部部分152に圧接状態において押圧され、且つ、次いで、1つ又は複数の端部部分152から外に/離れるように曲がり、且つ、パネル100及び隣接するパネル201、202が1つに機械的に結合された際に、隣接するパネル201、202のアパーチャ/ノッチ/リム内に延在し/スナップ動作し、これにより、スナップロック機能を提供している。パネル100には、ここでは、ねじ回し又はこれに類似したものなどの器具が、スルーホールを通じて挿入されうると共に、スナップロックをアンロック/解放するべく弾性部材158に圧接状態において押圧されうるように、第1長手方向辺105及び第2長手方向辺106の1つ又は複数から、第1端部凹部136及び第2端部凹部137の1つ又は複数まで、スルーホールを提供することができる。
【0090】
一実施形態によれば、第1長手方向結合要素141は、第1長手方向溝121内において配置されており、且つ、第2長手方向結合要素142は、第2長手方向溝122内において配置されている。この結果、第1長手方向結合要素141及び第2長手方向結合要素142は、それぞれ、第1端部辺107から第2端部辺108まで、即ち、基本的にパネルの長さ全体に沿って、第1長手方向溝121及び第2長手方向溝122内において延在している。
【0091】
図2a-d及び
図3a-dは、第1長手方向辺105に対する第1距離131においてパネルのベース層101内において形成された第1長手方向溝121を含むパネル100の一部分の断面図を概略的に示している。熱提供層102がベース層101に装着されており、且つ、カバリング層103が熱提供層102に装着されている。
【0092】
本発明の一実施形態によれば、熱提供層102に対向する第1長手方向結合要素141及び第2長手方向結合要素142の第1表面143及び第2表面144は、パネル100が組み立てられた際に、ベース層101の表面145の残りの部分とアライメントされている。従って、第1長手方向溝121及び第2長手方向溝122の外側のベース層101の表面145及び第1長手方向結合要素141及び第2長手方向結合要素142の第1表面143及び第2表面144は、熱提供層102に対向する基本的にフラットな共通表面143、144、145がベース層101及び第1長手方向結合要素141及び第2長手方向結合要素142によって生成されるように、それぞれ、同一のレベルにおいて位置している。これにより、非常に安定したパネルが実現され、これは、カバリング層103上の基本的にすべての種類の圧力に対処している。
【0093】
図2c-dにおいて概略的に示されている、一実施形態によれば、第1長手方向結合要素141及び第2長手方向結合要素142は、例えば、導電性金属などの、少なくとも部分的な弾性を有する且つ導電性を有する材料を有する。この結果、これらの第1長手方向結合要素141及び第2長手方向結合要素142は、この弾性により、第1長手方向溝121及び第2長手方向溝122の側部及び/又は底部壁に圧接状態において押圧力を生成し、これにより、第1長手方向溝121及び第2長手方向溝122内において第1長手方向結合要素141及び第2長手方向結合要素142が堅固に固定される。第1長手方向結合要素141及び第2長手方向結合要素142は、例えば、基本的にU字の形状であってもよく、且つ、U字形状の要素の脚部が1つに押圧されている最中に、第1長手方向溝121及び第2長手方向溝122内において上下逆に挿入されてもよく、これにより、第1長手方向溝121及び第2長手方向溝122の内側壁に向かうスプリング力が生成される。
【0094】
図3a-bにおいて概略的に示されている、本発明の別の実施形態によれば、第1長手方向結合要素141及び第2長手方向結合要素142は、例えば、導電性金属などの、固体の、且つ、導電性を有する、材料を有する。
【0095】
例えば、第1電気端子コネクタ151及び第2電気端子コネクタ152の第1導電性舌171及び第2導電性舌172などの、第1電気端子コネクタ151及び第2電気端子コネクタ152は、この結果、
図2c-d及び
図3a-bに示されている実施形態の場合に、例えば、第1溝端部セクション126及び第2溝端部セクション127内などのように、第1長手方向溝121及び第2長手方向溝122内において配置されることにより、熱提供層102に電気的に接続することができる。電気接続は、導電性の少なくとも第1長手方向結合要素141及び第2長手方向結合要素142を介して提供することができる。熱提供層102は、ここでは、
図2c-d及び
図3a-bにおいて示されているように、カバリング層103と第1長手方向結合要素141及び第2長手方向結合要素142の間において配置することができる。熱提供層102は、例えば、導電性接着剤及び/又は導電性はんだ付けにより、第1長手方向結合要素141及び第2長手方向結合要素142に装着することができる。第1電気端子コネクタ151及び第2電気端子コネクタ152及び/又は第1電力供給端子コネクタ161及び第2電力供給端子コネクタ162は、ここでは、第1長手方向溝121及び第2長手方向溝122の底部と第1長手方向結合要素141及び第2長手方向結合要素142の間において配置することができる。従って、例えば、第1電気端子コネクタ151及び第2電気端子コネクタ152の第1導電性舌171及び第2導電性舌172などの、第1電気端子コネクタ151及び第2電気端子コネクタ152は、第1長手方向結合要素141及び第2長手方向結合要素142により、第1長手方向溝121及び第2長手方向溝122の底部に圧接状態において押圧されることにより、パネル100内において固定することができる。
【0096】
図3c-dに概略的に示されている、一実施形態によれば、熱提供層102は、第1長手方向溝121及び第2長手方向溝122の外側において、且つ、ベース層と、それぞれ、第1長手方向結合要素141及び第2長手方向結合要素142の間の第1長手方向溝121及び第2長手方向溝122内において、ベース層101の表面145上に配置することができる。第1長手方向結合要素141及び第2長手方向結合要素142は、ここでは、例えば、木材又はプラスチック材料のような電気絶縁材料などのように、非導電性であってもよく、或いは、例えば、金属などのように、導電性であってもよい。第1長手方向結合要素141及び第2長手方向結合要素142の主な機能は、ここでは、熱提供層102と、例えば、第1電気端子コネクタ151及び第2電気端子コネクタ152の第1導電性舌171及び第2導電性舌172などの、第1電気端子コネクタ151及び第2電気端子コネクタ152の間の電気接触/接続が確保されるように、例えば、第1電気端子コネクタ151及び第2電気端子コネクタ152の第1導電性舌171及び第2導電性舌172に圧接状態において、且つ/又は、第1長手方向溝121及び第2長手方向溝122内に挿入/配置される後述する第1電力供給端子コネクタ161及び第2電力供給端子コネクタ162に圧接状態において、などのように、第1電気端子コネクタ151及び第2電気端子コネクタ152に圧接状態において熱提供層102を押圧することにある。
【0097】
又、
図2c-dにおいて示されている、U字形状の、且つ、少なくとも部分的な弾性を有する、第1長手方向結合要素141及び第2長手方向結合要素142は、熱提供層102が、ベース層101と、それぞれ、第1長手方向結合要素141及び第2長手方向結合要素142の間において、第1長手方向溝121及び第2長手方向溝122内に配置されるように、構成することができる。従って、熱提供層102は、この結果、第1長手方向結合要素141及び第2長手方向結合要素142が、熱提供層102の上部上の溝内において、且つ、第1長手方向溝121及び第2長手方向溝122の外側のベース層101の表面145上において、挿入された状態において、第1長手方向溝121及び第2長手方向溝122内において配置されることになろう。この結果、U字形状の要素の脚部が、溝内への挿入の際に1つに、押圧され、これにより、挿入の後に、少なくとも第1長手方向溝121及び第2長手方向溝122の内側壁に向かうスプリング力を生成することができる。又、これは、第1長手方向結合要素141及び第2長手方向結合要素142及び熱提供層102が、互いに圧接状態において堅固に押圧されることを結果的にもたらし、この結果、熱提供層102上の損耗が極小化されると同時に、2つの間の確実な電気接触が結果的に得られる。
【0098】
パネル100は、本発明のいくつかの実施形態によれば、更なる長手方向溝を含んでいてもよく、即ち、合計で、2つ超の長手方向溝を含むことができる。又、この結果、パネルは、更なる対応する長手方向結合要素と、更なる対応する電気端子コネクタと、をも含む。
【0099】
図4a-bは、本発明の一実施形態を示しており、この場合に、パネル100は、ベース層101内において含まれた少なくとも1つの挟持/隔離コア160を含む。少なくとも1つの挟持/隔離コア160は、その生成された熱が、誤った方向において、即ち、暖房対象の空間から離れるように、搬送されることを防止する断熱特性を有することができる。例えば、断熱を伴わないパネルの場合の、例えば、3℃の温度増大は、ベース層101に追加された少なくとも1つの挟持/隔離コア160を有する同一のパネルの場合には、例えば、5~6℃の温度増大を結果的にもたらしうるであろう。又、少なくとも1つの挟持/隔離コア160は、音響/雑音吸収特性を有していてもよく、これは、その結果、例えば、ハイヒールが床を横断して歩行するなどの雑音を効率的に低減する。
【0100】
挟持/隔離コア160は、例えば、パネル100の層の組立の際に、且つ/又は、その後に、注入されるポリウレタン発泡体の形態において、例えば、ポリウレタンを含むことができる。
【0101】
図4c-eは、本発明のいくつかの実施形態を示しており、この場合に、パネル100は、ベース層101内において含まれた少なくとも1つの挟持/隔離コア160を含む。少なくとも1つの挟持/隔離コア160は、ここでは、例えば、それらが相対的に重い負荷を担持しうるように、ピラミッド形態の側部表面A、Bにより、パネル100のベース層101の対応するピラミッド形態の部分D上のピラミッド形態の支持要素Eから支持力/圧力を提供しうる、ピラミッド形状の支持要素Eを含むことができる。ピラミッド形態の支持要素Eは、カバリング層104とは別の方向において対向するそのベース面と、カバリング層103に向かう尖った面と、を有することができる。上述のように、少なくとも1つの挟持/隔離コア160は、熱及び/又は音響/雑音絶縁特性を有することができる。従って、ピラミッド形状の支持要素は、パネルの最適な担持容量との組み合わせにおいて、最適な絶縁を提供している。
【0102】
図4eは、負荷/重量担持要素170が、ベース層101材料内の挟持/隔離コアのピラミッド形態160の間に配置されている、一実施形態を示しており、これは、例えば、木材であるか又は重量を担持するのに適したなんらかのその他の材料であってよい。負荷担持要素170は、例えば、円形形態を有していてもよく、例えば、相対的に幅広の部分がカバリング層103に向かって方向付けされた状態において、相対的に幅広の円形ヘッド部分及び相対的に細い円形の尖った部分を有するように、基本的にねじ/ボルトの形態であってよい。負荷担持要素170は、例えば、金属又はプラスチックなどの、基本的に任意の負荷担持材料から形成することができる。負荷担持要素170の円形ヘッド部分は、ベース層101のピラミッド形態の部分Dの底部領域の強度が、相対的に乏しくなりうるように、即ち、それ自体が担持重量/負荷の全体を引き受けるべく十分強力になる必要がないように、カバリング層103に由来する重量/負荷を担持するべく構成されている。従って、カバリング層に由来する重量/負荷は、ここでは、負荷担持要素170により、少なくとも部分的に担持されている。
【0103】
負荷担持要素170は、パネルの負荷担持能力を改善するべく、即ち、ベース層101材料の負荷/重量担持能力を改善するべく、ベース層101材料と共に鋳造/形成することができる。これにより、相対的に安定性の乏しい、且つ、相対的に多孔性の、材料が、ベース層101材料の残りの部分に使用されてもよく、これにより、製造費用が低減される。
【0104】
本発明の一態様によれば、電気端子コネクタ150が提示されている。電気端子コネクタ150及びその他の実施形態が、本明細書において記述されており、且つ、例えば、
図1及び
図5a-kにおいて示されている。電気端子コネクタ150は、本明細書において記述されている実施形態によれば、本明細書において記述されているパネル100の第1端部パネル結合手段117及び第2端部パネル結合手段118の1つ又は複数内に挿入可能である。
【0105】
電気端子コネクタ150は、少なくとも部分的な導電性を有しており、且つ、第1端部パネル結合手段117及び第2端部パネル結合手段118の1つ又は複数内に挿入された際に、第1端部パネル結合手段117及び第2端部パネル結合手段118の1つ又は複数から少なくとも部分的に突出する第1端部部分151及び第2端部部分152を含む。電気端子コネクタ150は、これにより、パネル100の熱提供層102とパネルに結合された少なくとも1つの隣接するパネル201、202の対応する熱提供層の間の電気接続を提供している。
【0106】
更に詳しくは、パネル及び隣接するパネルが機械的に1つに結合された際に、電気端子コネクタの第1及び第2端部部分は、様々な実施形態によれば、パネル及び隣接するパネルの両方のものの第1及び第2溝端部セクション及び/又はパネル端部凹部内において挿入され/受け入れられ、これにより、少なくとも部分的な導電性を有する第1及び第2端部部分は、パネルの且つ隣接するパネルの熱提供層の間の電気接続を提供している。
【0107】
又、一実施形態によれば、電気端子コネクタは、例えば、スナップロックにより、少なくとも1つの隣接するパネルに対する機械的結合をも提供している。
【0108】
上述のように、且つ、例えば、
図1及び
図5a-kにも示されているように、少なくとも1つの電気端子コネクタ150の第1端部部分151及び第2端部部分152は、一実施形態によれば、それぞれ、第1導電性舌171及び第2導電性舌172を含むことができる。第1導電性舌171及び第2導電性舌172は、パネル100が隣接パネル201、202に結合された際に、パネル100の熱提供層102との間の、且つ、隣接するパネル201、202の対応する熱提供層102との間の、電気接触状態となるべく構成されている。
【0109】
少なくとも第1長手方向結合要素141及び第2長手方向結合要素142が使用されている実施形態の場合には、上述のように、第1端部部分151及び第2端部部分152の第1導電性舌171及び第2導電性舌172などの、第1端部部分151及び第2端部部分152は、パネル100の、それぞれ、少なくとも第1長手方向溝121及び第2長手方向溝122内において配置された少なくとも第1長手方向結合要素141及び第2長手方向結合要素142との間における電気接触状態のために、構成することができる。この結果、第1導電性舌171及び第2導電性舌172は、パネル100に機械的に結合される隣接するパネル201、202の対応する少なくとも第1長手方向結合要素141及び第2長手方向結合要素142との電気接触状態にもなる。
【0110】
一実施形態によれば、第1導電性舌171及び第2導電性舌172は、熱提供層102との間の、且つ/又は、少なくとも第1長手方向結合要素141及び第2長手方向結合要素142との間の、緊密な接触を生成するのに適した形態を有する。第1導電性舌171及び第2導電性舌172は、例えば、少なくとも部分的に波の形態であってもよく、波形態のピークは、熱提供層及び/又は少なくとも第1長手方向結合要素141及び第2長手方向結合要素142に向かうように向いている。
【0111】
第1電気端子コネクタ151及び第2電気端子コネクタ152と、恐らくは、第1長手方向電気結合要素141及び第2長手方向電気結合要素142と、によって熱提供層に搬送される電気エネルギーは、5ボルト~60ボルトの範囲における、或いは、10ボルト~55ボルトの範囲における、或いは、15ボルト~50ボルトの範囲における、或いは、25ボルト~50ボルトの範囲における、電圧を有することができる。本発明によるパネルには、このような低電圧が供給されてもよく、その理由は、隣接するパネルの間の電気接触と、恐らくは、更には、第1及び第2長手方向電気結合要素の、且つ、従って、パネル自体の、電流/電圧伝導特性と、が、非常に良好である、即ち、低損失を有する、からである。
【0112】
本発明の例示用の一実施形態によれば、熱を生成するべく熱提供層102に供給される電気エネルギーは、25ボルトの電圧Vを有し、即ち、V=25ボルトであり、これは、多くの領域及び/又は国においては、素人により、即ち、非電気技術者により、取り扱うことができる。
【0113】
本発明の別の例示用の実施形態によれば、電気エネルギーは、50ボルトの電圧Vを有し、即ち、V=50ボルトであり、これは、いくつかの領域及び/又は国においては、素人によって取り扱うことができる。
【0114】
本発明の一態様によれば、暖房システム800が提示されている。暖房システム800は、
図7において概略的に示されており、且つ、上述のように、少なくとも1つのパネル100、203を含む。暖房システムは、例えば、取付ベース820において配置された、且つ/又は、少なくとも1つのパネル100、203の第1端部辺107及び第2端部辺108の少なくとも1つに隣接したベース層101に対向する、電気エネルギー提供構成810を更に含む。電気エネルギー提供構成810は、電気エネルギーをパネル100の第1電力供給端子コネクタ161及び第2電力供給端子コネクタ162に供給している。
図7においては、簡潔性を目的として、2つのパネル100、203のみが示されている。当業者には明らかなように、多くの更なるパネルが暖房システム800内において含まれうる。又、
図7のパネル100、203のそれぞれのものは、パネルの列を表していてもよい。本明細書において記述されている電気エネルギー提供構成810は、本明細書において記述されたパネル100に、のみではなく、基本的に任意の電気によって加熱されるパネルに、電気エネルギーを供給するべく、使用されうることに留意されたい。
【0115】
図7に示されている実施形態によれば、電気エネルギーは、パネル100の第1端部辺107の第1電力供給端子コネクタ161及び第2電力供給端子コネクタ162に、或いは、パネル100の第1端部辺107に直接又は間接的に結合される隣接するパネル202の対応する第1端部辺107’に、供給される第1及び第2極性P1、P2により、提供されている。従って、第1及び第2極性P1、P2の両方は、その端部辺107、108において1つに結合されたパネルのそれぞれの列内の第1パネル100、203の第1端部辺107に接続されている。その結果、第1及び第2極性P1、P2は、床/壁/天井全体のすべてのパネルに電気供給されるように、
図6に示されているように敷き詰められたパネルのそれぞれの列内の更なるパネルに電気的に接続されている。これにより、パネルによってカバーされたエリア全体が暖房される。
図7において使用されている電圧は、例えば、25ボルトなどのように、かなり小さいことから、第1及び第2極性P1、P2の両方は、パネルの同一の端部辺107に供給することができる。これが可能である理由は、基本的に、これらの小さな電圧においては、人物がパネルを設置する際の危険な電気ショックのリスクが存在していないからである。
【0116】
本発明の別の実施形態によれば、電気エネルギーは、50ボルトの電圧を有し、即ち、V=50ボルトであり、これは、いくつかの領域及び/又は国においては、素人により、即ち、非電気技術者により、取り扱うことができる。暖房システム800は、
図8には、概略的に示されており、これは、上述のように、少なくとも1つのパネル100、203、207を含む。暖房システムは、例えば、取付ベース820において配置された、且つ/又は、床、壁、又は天井の2つの反対側部において、且つ、少なくとも1つのパネル100、203、207の第1端部辺107及び第2端部辺108の両方に隣接した状態で、ベース層101に対向する、電気エネルギー提供構成810を更に含む。本明細書において記述されている電気エネルギー提供構成810は、本明細書において記述されているパネル100に、のみではなく、基本的に任意の電気によって加熱されるパネルに、電気エネルギーを供給するべく、使用されうることに留意されたい。
【0117】
電気エネルギー構成810は、接触手段811、812、813、814、815、816を含んでいてもよく、このそれぞれは、接触突出部817及び/又は第1電力供給端子コネクタ161及び第2電力供給端子コネクタ162の使用により、1つの極性P1、P2をパネル100、203、207に提供するべく、構成されている。又、接触手段811、812、813、814、815、816及び/又はパネル100、203、207は、安定性突出部818を含むこともできる。
【0118】
接触手段811、812、813、814、815、816が、パネル100、203、207と組み立てられた、即ち、この内部に挿入された、際に、電気エネルギーは、接触突出部818により、パネル100、203、207に提供され、且つ、パネル100、203、207は、安定性突出部817により、定位置において保持される。又、電気エネルギー、即ち、パネル100、203、207において熱を生成する電圧、は、接触手段811、812、813、814、815、816により、パネル100、203、207内においてカプセル化されている。従って、電気ショックをうけるリスクは、
図8に示されている暖房システム800の場合には、カプセル化された電気エネルギーに部分的に起因して、且つ、部分的には、2つの極性P1、P2が、パネルによってカバーされた床、壁、又は天井の反対側に提供されており、且つ、従って、人物が同時にP1及びP2の両方との物理的接触状態になることが、困難であり、多くの場合には不可能である、ことから、極小化されている。
【0119】
又、熱提供層上における電圧降下も、2つの極性P1、P2が床の反対側に提供されている際には、約50%だけ、低減される。
【0120】
従って、
図8に概略的に示されている、本発明の一実施形態によれば、電気エネルギーは、パネル100の第1端部辺107の第1電力供給端子コネクタ161又は第2電力供給端子コネクタ162に供給される第1極性P1により、パネル100に提供されている。次いで、第2極性P2は、パネルの第2端部辺108の第1電気端子コネクタ151又は第2電気端子コネクタ152に供給されている。従って、第1極性P1は、パネル100の1つの端部辺107に供給されており、且つ、第2極性P2は、パネル100の反対側の端部辺108に供給されている。
【0121】
又、第2極性P2は、
図6に示されているように、パネル100の第1端部辺107に直接又は間接的に結合された隣接するパネル202の対応する第1端部辺107’の第1電力供給端子コネクタ161又は第2電力供給端子コネクタ162に供給することができる。又、第2極性P2は、パネル100の第2端部辺108に直接又は間接的に結合された隣接するパネル201の対応する第2端部辺108’の第1電力供給端子コネクタ161又は第2電力供給端子コネクタ162に供給することができる。従って、電気エネルギー提供構成810は、少なくとも1つのパネル100、203、207の2つの反対側端部辺上の第1電力供給端子コネクタ161及び第2電力供給端子コネクタ162に電気エネルギーを供給している。
図8においては、わかりやすさを目的として、3つのパネル100、203、207のみが示されている。但し、当業者には明らかなように、多くの更なるパネルが暖房システム800内に含まれうる。又、
図8のパネル100、203、207のそれぞれのものは、パネルの列を表すこともできる。
【0122】
図9は、完成した暖房システムを概略的に示している。
【0123】
図9において示されているように、且つ、上述のように、第1電力供給端子コネクタ161及び第2電力供給端子コネクタ162は、その端部辺が、パネルの列を開始する端部辺である、即ち、電力がパネルの列に提供される壁、ソケット、又はこれらに類似したものに対向する端部である、場合には、パネルの1つの端部辺108上において使用することができる。これらの第1電力供給端子コネクタ161及び第2電力供給端子コネクタ162は、例えば、第1電力供給端子コネクタ161及び第2電力供給端子コネクタ162と、例えば、床、壁、又は天井の少なくとも1つの側部上の少なくとも1つの壁に沿って、且つ、少なくとも1つのパネル100の端部辺に隣接して、配置された、例えば、取付ベース920を含む、電気エネルギー提供構成910の接触手段911の間において接続力を提供する、少なくとも部分的な弾性を有する、且つ、例えば、
図9において示されているように、上向きに方向において、わずかに垂直方向において傾斜した、コネクタなどの、緊密な電気接続を生成する基本的に任意の種類のコネクタ/端子であってよい。
【0124】
少なくとも1つの第1接触手段911は、ここでは、わずかに上向きに傾斜した第1電力供給端子コネクタ161及び第2電力供給端子コネクタ162用の接触表面を提供するように、例えば、電気エネルギー提供構成910内において水平方向において構成された、恐らくは、金属の、導電性接触ストリップとして構成することができる。従って、少なくとも1つのパネル100と、例えば、取付ベースの形態における電気エネルギー提供構成910と、が1つに取り付けられた際に、垂直方向の接触力Fconが生成される。
【0125】
又、例えば、本明細書において記述されている取付ベース920内において含まれている、電気エネルギー提供構成910は、上述のように、本明細書において記述されているパネル100に、のみではなく、基本的に任意の電気によって加熱されるパネルに、且つ/又は、例えば、壁又は天井暖房パネル、ランプ、又はこれらに類似したものなどの、任意のその他の電気エネルギー消費装置930に、電気エネルギーを提供するべく、使用することができる。これを理由として、電気エネルギー提供構成910は、少なくとも1つの第2接触手段912を含むことができる。
【0126】
一実施形態によれば、少なくとも1つの第1接触手段911には、第1極性P1を提供することができると共に、少なくとも1つの第2接触手段912には、別の第2極性P2を提供することができる。
【0127】
これにより、電気エネルギーは、電気エネルギー提供構成910により、電気エネルギー提供構成910によって提供される電圧によって駆動される基本的に任意の電気装置930に電気エネルギーを供給することができる。例えば、多くの種類のランプは、例えば、25ボルト又は50ボルトなどの、相対的に小さな電圧によって駆動されており、且つ、従って、電気エネルギー提供構成910から、この電圧を直接的に供給することができる。
【0128】
又、例えば、1つに取り付けられた隣接する取付ベース部分の形態における、エネルギー提供構成910の隣接する部分の少なくとも1つの第1接触手段911及び少なくとも1つの第2接触手段912は、本明細書において記述されている第1電気端子コネクタ151及び第2電気端子コネクタ152に形態及び/又は機能において恐らくは対応しうる、例えば、シート金属の形態における、結合手段951、952を利用して電気的に結合することができる。
【0129】
図10には、一実施形態による暖房システムが示されている。電気エネルギー提供構成810は、ここでは、パネル100の下方において、即ち、パネルのベース層101に対向するように、配置されている。この結果、少なくとも1つの第1電力供給端子コネクタ161及び少なくとも1つの第2電力供給端子コネクタ162は、パネルの第1端部辺107、107’及び第2端部辺108、108’の少なくとも1つのものの周りにおいて折り曲げられ、且つ、パネル100のベース層101と電気エネルギー提供構成810の間において配置されている。これにより、少なくとも1つの第1電力供給端子コネクタ161及び少なくとも1つの第2電力供給端子コネクタ162は、電気エネルギー提供構成810の少なくとも一部分に圧接状態において押圧され、且つ、従って、これとの電気接触状態にある。電気エネルギー提供構成810は、一実施形態によれば、パネル100のベース層101に対向する導電性要素961を有する、少なくとも1つの接触テープを含むことができる。接着テープは、少なくとも1つの第1電力供給端子コネクタ161及び少なくとも1つの第2電力供給端子コネクタ162との接触を生成するべく、例えば、壁に隣接する床の上部において、且つ、従って、更には、パネル端部辺107に隣接した状態において、貼り付けることができる/配置することができる。床の残りの部分上においては、即ち、パネルの残りの部分の下方においては、例えば、薄い発泡体及び/又は紙の層である、ステッピング層962により、床をカバーすることができる。
【0130】
本発明の一実施形態によれば、暖房システム800を設置する方法が提示されている。
【0131】
例えば、床になるように、本発明によるパネルを組み立てる/敷き詰める必要がある際には、まず、取付ベース820、920において、且つ/又は、床板を敷く対象の部屋の1つ又は2つの側部においてベース層101に対向する状態において、上述の電気エネルギー提供構成810、910を配置することができる/取り付けることができる。例えば、25ボルトを提供する、例えば、相対的に低い電圧のエネルギー提供構成が、部屋の1つの壁に沿って配置されてもよく/取り付けられてもよく、且つ、次いで、これにより、電圧の両方の極性P1、P2が提供される。この代わりに、例えば、50ボルトを提供する、相対的に高い電圧のエネルギー提供構成が、部屋の2つの反対側の側部に沿って配置されてもよく、且つ、これにより、部屋のそれぞれの反対側の側部から電圧の1つの極性が提供される。従って、この結果、電気エネルギーは、部屋の1つ又は2つの側部において利用可能である。
【0132】
次いで、第1パネル100が、第1端部辺107及び第2端部辺108上の機械的結合手段117、118の使用により、少なくとも1つの第2パネル201、202に機械的に結合される。これにより、2つ以上のパネル100、201、202の列が生成される。このようなパネルの列内の最後の第2パネル202は、列の長さが部屋の長さに対応するように、切断する必要がある場合がある。
【0133】
列のパネルが機械的に結合されるのと同時に、第1パネル100及び少なくとも1つの第2パネル201、202の電気接続が第1パネル100の少なくとも1つの端子コネクタ150によって実現される。従って、パネル100、201、202が機械的結合手段117、118によって1つに押圧されるのに伴って、少なくとも1つの端子コネクタ150、即ち、列のパネル100、201、202の、少なくとも1つの端子コネクタ150の第1端部部分151及び第2端部部分152、も、第1溝端部セクション126、128及び第2溝端部セクション127、129内に、且つ/又は、パネル100、201、202の第1パネル端部凹部136及び第2パネル端部凹部137内に、押圧され、これにより、例えば、列内のパネル100、201、203の第1長手方向電気結合要素141及び第2長手方向電気結合要素142の使用により、パネル100、201、202の熱提供層102の電気接続が生成される。
【0134】
次いで、電気エネルギー提供構成810、910から、電気エネルギーが、第1パネル100及び少なくとも1つの第2パネル201、202の列に供給される。例えば、低電圧の場合に有用である、上述の一実施形態によれば、これは、第1パネル100の第1電力供給端子コネクタ161及び第2電力供給端子コネクタ162の両方を電気エネルギー提供構成810、910に接続することにより、実行されており、この結果、これにより、電圧極性P1、P2の両方が第1パネル100の第1端部辺107に供給される。
【0135】
例えば、相対的に大きな電圧の場合に有用である、上述の別の実施形態によれば、第1パネル100の第1端部辺107上の第1電力供給端子コネクタ161及び第2電力供給端子コネクタ162の1つを電気エネルギー提供構成810、910に接続することにより、電気エネルギー提供構成810、910から、電気エネルギーが第1パネル100及び少なくとも1つの第2パネル201、202の列に供給されている。この結果、電気エネルギー提供構成810、910は、パネルの列の第1パネル100の第1端部辺107に電気エネルギーの1つの極性P1を提供する。次いで、列の第2端部辺108’上の、即ち、少なくとも1つの第2パネル201、202の第2端部辺108’上の、第1電力供給端子コネクタ161及び第2電力供給端子コネクタ162の別のものが、電気エネルギー提供構成810、910に接続される。その結果、電気エネルギー提供構成810、910は、列の第2端部辺108’に電気エネルギーの別の極性P2を提供する。
【0136】
上述のように、列のそれぞれの端部においてパネル100、201、202の列に1つの電圧極性を供給することは、床を敷き詰めている人物が、パネルに提供されている電気エネルギーによる電気ショックをうけるリスクが、相当に低減される、という利点を有する。電気ショックをうけるには、即ち、電圧の両方の極性との接触状態となるには、人物は、パネルの列の長さ全体に沿って、部屋全体に跨って延在しなければならなくなり、これは、非常に可能性が小さい。従って、本発明のこの実施形態と共に、相対的に大きな電圧の供給を使用することができる。
【0137】
以下には、本明細書において記述されている実施形態のいくつかによる、床の電気特性及び加熱特性のいくつかの非限定的な例の説明が提示されている。
【0138】
床の電力消費Pは、次式によって与えられ、
P=U*I (式1)
ここで、Uは、熱提供層に印加される電圧であり、且つ、Iは、対応する印加電流である。印加電圧Uは、電源によって提供される電圧Usupplyから電源と熱提供層の間の電圧降下ΔUを減算することにより、与えられ、即ち、次式のとおりである。
U=Usuppiy-ΔU (式2)
【0139】
熱提供層を通じて流れる電流Iは、オームの法則により、以下のように与えられ、
U=R*I (式3)、
即ち、次式のとおりであり、
I=U/R (式4)
ここで、Rは、熱提供層の抵抗値である。熱提供層は、加熱モジュール/セクション内において分割される場合があり、この場合に、複数のモジュール/セクションは、並列に結合することができる。1つの熱モジュール/セクションの場合には、抵抗値は、次式によって与えられ、
R=resistivity*Lc_heat/Ac_heat (式5)
ここで、resistivityは、材料パラメータであり、例えば、純粋なアルミニウムの場合には、約2.82×10-8Ωmであり、Lc_heatは、加熱導体(抵抗器)の長さであり、且つ、Ac_heatは、加熱導体の断面積である。導体の断面積Ac_heatは、例えば、薄膜の場合には、次式として、与えられ、
Ac_heat=hc_heat*wc_heat (式6)
ここで、hc_heatは、導体(抵抗器)の高さ/厚さであり、且つ、wは、導体(抵抗器)の幅である。
【0140】
例えば、62.5mという加熱導体の長さLc_heat、0.642mmという加熱導体の幅wc_heat、及び9マイクロメートルという加熱導体薄膜の厚さを有する加熱モジュールの場合には、抵抗値Rは、アルミニウムの場合には、約305Ωである。
【0141】
上述の式1及び式4を組み合わせることにより、電力は、次式によって与えられ、
P=U2/R (式7)
即ち、電力は、電圧Uの二乗に伴って増大し、且つ、抵抗値Rの逆数に伴って減少している。
【0142】
電力Pは、次式として記述することができる。
P=(U2*wc_heat*hc_heat)/(Lc_heat×resistivity) (式8)
【0143】
resistivityは、材料パラメータであり、且つ、導電熱薄膜の厚さは、選択を要する物理パラメータであることから、電力は、次式として記述することができる。
P=U2*(wc_heat/Lc_heat)*constant (式9)
【0144】
これは、選択された熱薄膜のタイプにおける、望ましい電力Pは、電圧により、且つ、次いで、加熱導体(抵抗器)の長さLc_heat及び幅wc_heatにより、最も容易に制御されることを意味している。
【0145】
すべての電力Pがジュール熱Qに変換される、即ち、Pheat=dQ/dtである、ことから、Pheatは、Pに等しい。ジュール熱Qの時間微分dQ/dtは、熱エネルギーの流れに対応している。熱流dQ/dtは、温度勾配の負の方向において流れることになる。
【0146】
供給電力Pは、伝導dQ/dtcondにより、下向きに下敷き構造に流れるdq/dtdownことになる、且つ、対流dQ/dtconv及び放射dQ/dtradにより、上向きに流れるdQ/dtupことになる、熱流dQ/dtと、非平衡状態においては、ボード/パネルの温度の上昇dQ/dtboardと、に変換されることになる。
dQ/dt=dQ/dtcond+dQ/dtconv+dQ/dtrad+dQ/dtboard (式10)
【0147】
平衡状態の場合には、次式のとおりである。
dQ/dt=dQ/dtcond+dQ/dtconv+dQ/dtrad (式11)
dQ/dtdown=dQ/dtcond (式12)
dQ/dtup=dQ/dtconv+dQ/dtrad (式13)
【0148】
非平衡状態の場合には、ボードの温度は、dQ/dtboardにより、上昇することになる。
【0149】
時間的な振る舞いに関しては、ボード/パネルの時間に関する温度微分は、次式のとおりであり、
dT/dt=dQ/dtboard/(d*density*cp) (式14)
ここで、dT/dtは、従って、dQ/dtboardに比例しており、且つ、明らかに、温度は、dq/dtboradがゼロでない場合に、上昇することになる。
【0150】
ボードが下敷き構造から十分に絶縁されている場合には、dQ/dtcondは、小さく、且つ、従って、ボード/パネル内の温度勾配も、小さくなり、従って、温度は、一階微分方程式にほぼ準拠することになる。次いで、ボード/パネルの温度依存性は、次式のようになり、
Tboard=Tinital+(Tend-Tinital)*(1-e-t/tau) (式15)
ここで、tinitalは、電圧Vが印加される前のボード/パネルの温度であり、Tendは、最後の温度であり、且つ、tauは、特性時定数である。
【0151】
Tend=P*Rth_tot (式16)
であり、且つ、tau/面積単位については、次式のとおりであり、
tau=cp*density*d (17)
ここで、cpは、比熱容量であり、Rth_totは、総熱抵抗値であり、densityは、ボード/パネルの密度であり、且つ、dは、ボードの厚さである。
【0152】
ボード/パネルの熱流dQ/dt及び温度上昇に関しては、ボード/パネルの表面上の温度上昇は、電力P、周辺温度Tamb、(熱薄膜と周辺床の間の)下向きの熱抵抗値Rth_down、薄膜と周辺空気の間の熱抵抗値Rth_upに依存することになる。ボード/パネルのそれぞれの層は、その独自の熱抵抗値、即ち、ボード/パネルサブ構造Rth_subの場合には、ボードの下方の任意の減衰層Rth_damp、加熱薄膜基材Rth_substrate、カバリング層Rth_top、並びに、カバリング層と周辺空気の間のインターフェイスRth_conv、を有する。下向きの熱抵抗値は、直列において加算され、且つ、上向きの熱抵抗値も、直列において加算される。但し、下向きの総熱抵抗値及び上向きの総熱抵抗値は、総熱抵抗値Rth_totに対して並列の方式により、組み合わせられ、
Rth_down=Rth_sub+Rth_damp (式18)
Rth_up=Rth_substrate+Rth_top+Rth_conv+Rrad (式19)、並びに、
1/Rth_tot=1/Rth_down+l/Rth_up (式20)
であり、これは、以下のように記述することができる。
Rth_tot=(Rth_down*Rth_up)/(Rth_down+Rth_up) (式21)
【0153】
加熱薄膜導体(抵抗値)内の温度増大ΔTfilmは、次式によって与えられる。
ΔTfilm=P*Tth_tot (式22)
【0154】
熱伝導に起因した固体材料の熱抵抗値Rth_condは、次式によって与えられる。
Rth_cond=Lmaterial/(Lambda*A) (式23)
【0155】
熱抵抗値対流は、次式によって与えられる。
Rth_conv=A/Uth_conv (式24)
【0156】
材料のいくつかの非限定的な例及び熱抵抗値が、以下の表1によって与えられている。
【0157】
【0158】
上述の非限定的な例においては、下敷き構造が周辺床と同一の温度を有すると仮定することにより、上向き及び下向きの両方の方向における等しい熱流dQ/dtが提供されている。
【0159】
放射に起因した熱流dQ/dtheatは、次式によって与えられ、
dQ/dtheat=epsilon*SB*(Tsurface
4-Tambient4) (式25)
ここで、イプシロンは、放射率係数であり、SBは、ステファン-ボルツマン定数である。
【0160】
空洞内の表面の場合に、放射は、形態係数Fを考慮しなければならず、従って、放射に起因した熱流は、次式のとおりとなり、
dQ/dtheat=epsilon*SB*(Tsurface
4-Tambient4)*F(physical dimensions) (式26)
ここで、Fは、0~1の範囲をとり、即ち、0~1の範囲である。
【0161】
従って、パネルの表面温度は、下敷き構造への熱漏洩に依存している。例えば、18mmの発泡ポリスチレン(PS)などの、十分に絶縁された床パネルの場合には、50W/m2の場合に、温度上昇は、約6度となり、且つ、25W/m2の場合には、3度となる。但し、例えば、1mmのPSなどのように、絶縁が乏しい場合には、温度増大は、より乏しくなり、実験によれば、例えば、50W/m2に場合に、3度である。
【0162】
電力Pは、加熱エリア、即ち、熱提供層、に供給しなければならない。2つの平行なパワーレール、即ち、第1及び第2平行長手方向結合要素、を仮定することにより、加熱エリアへの電流は、異なる場所において取り出すことができる。
【0163】
長手方向結合要素(電力供給レール)は、次式による抵抗値を有し、
Rrail=resistivityrail*Lrail*wrail*hrail (式27)
これは、例えば、1cmの幅wrailと、9マイクロメートルの高さと、45cmの長さと、を有するアルミニウムレールの場合には、0.14Ωの抵抗値を有することになる。
【0164】
一端において電源に接続された、即ち、両方の極性P1及びP2がパネルの1つの端部辺に接続された、パネルの場合には、有効抵抗値は、遠い端部におけるモジュール/セクションを除いて、2*Rrailとなる。但し、電源接続がパネルの反対側の両側部において配置されている場合には、有効抵抗値は、Rrailとなる。
【0165】
1つに結合された隣接するパネルの間には、一定の抵抗値Rcontactを有する電気接続が存在している。非限定的な例として、通常の接触抵抗値は、0.005Ωであってよい。
【0166】
レール抵抗値及び接触抵抗値は、直列において加算されることになり、これにより、電力抵抗値が与えられる。
Rpower=Rrail+Rcontact (式28)
【0167】
これは、レール抵抗値Rrailに起因する、ボードに沿って電圧降下となり、且つ、これは、接触抵抗値Rcontactに起因する、床に沿ったボード/パネルの間の電圧降下となる。電圧降下は、電流Iに比例している。列内の複数のボード/パネルを使用することは、電圧降下が、列の長さの二乗として増大することを意味しており、その理由は、電流は、長さに比例して増大することになり、且つ、電力抵抗値Rpowerは、床/列の長さにも比例して増大することになるからである。従って、熱流dQ/dtheatは、4の累乗により、減少することになる。従って、電力抵抗値は、大きな床の場合に、重要性を有する。
【0168】
電力抵抗値Rpowerは、電源が床/パネル/列の1つの側部において接続されている場合には、電源が床/パネル/列の両側部において接続されている場合との比較において、サイズが2倍である。従って、これは、第1極性P1及び第2極性P2がパネルの両端部に供給されている上述の実施形態の場合には、利点である。
【0169】
非限定的なパネル/ボードの一例として、熱導体(抵抗値)として機能する、長さが62.5mであり、幅が0.64mm幅である、9マイクロメートルのアルミニウム加熱薄膜の場合には、抵抗値は、約305Ωである。電力供給が、同一の薄膜により、但し、幅が10mmのパワーレール/結合要素により、実行された場合には、パワーレール/結合要素は、約0.14Ωの抵抗値を有することになる。0.005Ωの接触抵抗値に伴い、パワーレール/結合要素抵抗値は、支配的である。3つの加熱モジュール/セクションを有するボード/パネルの場合に、加熱抵抗値は、並列であり、且つ、電力抵抗値は、直列である。その結果、ボード/パネルは、同一の端部辺電源接続の場合に、102Ωの加熱抵抗値と、0.8Ωの合計電力抵抗値と、を有することになる。対応する方式で、パネル/ボードは、反対側端部辺接続の場合に、0.4Ωの合計電力抵抗値を有することになり、これは、両方のケースにおいて、約1%の電力降下に結び付く。これは、電源が、薄膜のみにより、ボード/パネル内において十分であることを通知している。
【0170】
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。その代わりに、本発明は、独立請求項の範囲に含まれるすべての異なる実施形態に関し、且つ、これらを包含している。