(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-14
(45)【発行日】2022-03-23
(54)【発明の名称】画像表示装置、画像表示方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 5/93 20060101AFI20220315BHJP
H04N 5/765 20060101ALI20220315BHJP
H04N 21/431 20110101ALI20220315BHJP
H04N 21/472 20110101ALI20220315BHJP
【FI】
H04N5/93
H04N5/765
H04N21/431
H04N21/472
(21)【出願番号】P 2021128251
(22)【出願日】2021-08-04
(62)【分割の表示】P 2020145373の分割
【原出願日】2020-08-31
【審査請求日】2021-08-05
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】林 隆一郎
(72)【発明者】
【氏名】鶴見 純一
(72)【発明者】
【氏名】厚地 政明
【審査官】鈴木 順三
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-046983(JP,A)
【文献】特開2015-092750(JP,A)
【文献】特開2017-118347(JP,A)
【文献】特開2009-201033(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/76 - 5/956
H04N 21/00 - 21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1動画像データと、前記第1動画像データと関連付けられた第2動画像データと、を取得するデータ取得部と、
前記第1動画像データ又は前記第2動画像データの少なくともいずれかを表示部に表示させる表示制御部と、
前記表示部に表示させる動画像データを切り替えるための切替操作を受け付ける操作受付部と、
を有し、
前記表示制御部は、前記第1動画像データを前記表示部に表示している間に、前記表示部に表示させる動画像データを前記第1動画像データから前記第2動画像データに切り替えることができる時間帯である切替可能時間帯であることを示す情報又は前記切替可能時間帯において前記第1動画像データから前記第2動画像データへの切替操作を受け付けるための画像である操作画像を前記表示部に表示させる、
画像表示装置。
【請求項2】
前記第1動画像データは第1被写体を含み、前記第2動画像データは第2被写体を含み、
前記表示制御部は、前記切替可能時間帯において切替操作を受け付けるための画像であって、表示させる動画像データに含まれる被写体を選択するための操作画像を前記表示部に表示させる、
請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、表示させる動画像データに含まれる前記被写体の名称を含む、前記被写体を選択するための操作画像を前記表示部に表示させる、
請求項2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記第1動画像データは前記第1被写体を含み、前記第2動画像データは、前記第1被写体と被写体の種類が共通する前記第2被写体を含む、
請求項
2又は3に記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記第1動画像データと前記第2動画像データとは共通の時刻情報で関連付けられている、
請求項1から
4のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記データ取得部は、前記操作受付部が前記第1動画像データから前記第2動画像データに切り替えるための前記切替操作を受け付けると、前記第2動画像データを取得する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の画像表示装置。
【請求項7】
コンピュータが実行する、
第1動画像データと、前記第1動画像データと関連付けられた第2動画像データと、を取得するステップと、
前記第1動画像データ又は前記第2動画像データの少なくともいずれかを表示部に表示させるステップと、
前記表示部に表示させる動画像データを切り替えるための切替操作を受け付けるステップと、
を有し、
前記表示させるステップにおいては、前記第1動画像データを前記表示部に表示している間に、前記表示部に表示させる動画像データを前記第1動画像データから前記第2動画像データに切り替えることができる時間帯である切替可能時間帯であることを示す情報又は前記切替可能時間帯において切替操作を受け付けるための画像である操作画像を前記表示部に表示させる、
画像表示方法。
【請求項8】
コンピュータに実行させる、
第1動画像データと、前記第1動画像データと関連付けられた第2動画像データと、を取得するステップと、
前記第1動画像データ又は前記第2動画像データの少なくともいずれかを表示部に表示させるステップと、
前記表示部に表示させる動画像データを切り替えるための切替操作を受け付けるステップと、
を有し、
前記表示させるステップにおいては、前記第1動画像データを前記表示部に表示している間に、前記表示部に表示させる動画像データを前記第1動画像データから前記第2動画像データに切り替えることができる時間帯である切替可能時間帯であることを示す情報又は前記切替可能時間帯において切替操作を受け付けるための画像である操作画像を前記表示部に表示させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置、画像表示方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、同一の被写体を複数のアングルから同時に撮像した複数の動画像を切り替えて表示する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、動画像データに複数の被写体が含まれる場合、ユーザは、あまり映っていない一方の被写体を中心に見たいという場合がある。しかしながら、従来の技術においては、動画像に含まれる複数の被写体があった場合に、表示する動画像を切り替えることができないという問題が生じていた。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、ユーザが見ることを所望する被写体が含まれている動画像を視聴できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の画像表示装置は、第1動画像データと、前記第1動画像データと関連付けられた第2動画像データと、を取得するデータ取得部と、前記第1動画像データ又は前記第2動画像データの少なくともいずれかを表示部に表示させる表示制御部と、前記表示部に表示させる動画像データを切り替えるための切替操作を受け付ける操作受付部と、を有し、前記表示制御部は、前記第1動画像データを前記表示部に表示している間に、前記表示部に表示させる動画像データを前記第1動画像データから前記第2動画像データに切り替えることができる時間帯である切替可能時間帯であることを示す情報又は前記切替可能時間帯において前記第1動画像データから前記第2動画像データへの切替操作を受け付けるための画像である操作画像を前記表示部に表示させる。
【0007】
前記第1動画像データは第1被写体を含み、前記第2動画像データは第2被写体を含み、前記表示制御部は、前記切替可能時間帯において切替操作を受け付けるための画像であって、表示させる動画像データに含まれる被写体を選択するための操作画像を前記表示部に表示させてもよい。
【0008】
前記表示制御部は、表示させる動画像データに含まれる前記被写体の名称を含む、前記被写体を選択するための操作画像を前記表示部に表示させてもよい。
【0009】
前記第1動画像データと前記第2動画像データとは共通の時刻情報で関連付けられていてもよい。
【0010】
前記第1動画像データは前記第1被写体を含み、前記第2動画像データは、前記第1被写体と被写体の種類が共通する前記第2被写体を含んでもよい。
【0011】
前記データ取得部は、前記操作受付部が前記第1動画像データから前記第2動画像データに切り替えるための前記切替操作を受け付けると、前記第2動画像データを取得してもよい。
【0012】
本発明の第2の態様の画像表示方法は、コンピュータが実行する、第1動画像データと、前記第1動画像データと関連付けられた第2動画像データと、を取得するステップと、前記第1動画像データ又は前記第2動画像データの少なくともいずれかを表示部に表示させるステップと、前記表示部に表示させる動画像データを切り替えるための切替操作を受け付けるステップと、を有し、前記表示させるステップにおいては、前記第1動画像データを前記表示部に表示している間に、前記表示部に表示させる動画像データを前記第1動画像データから前記第2動画像データに切り替えることができる時間帯である切替可能時間帯であることを示す情報又は前記切替可能時間帯において切替操作を受け付けるための画像である操作画像を前記表示部に表示させる。
【0013】
本発明の第3の態様のプログラムは、コンピュータに実行させる、第1動画像データと、前記第1動画像データと関連付けられた第2動画像データと、を取得するステップと、前記第1動画像データ又は前記第2動画像データの少なくともいずれかを表示部に表示させるステップと、前記表示部に表示させる動画像データを切り替えるための切替操作を受け付けるステップと、を有し、前記表示させるステップにおいては、前記第1動画像データを前記表示部に表示している間に、前記表示部に表示させる動画像データを前記第1動画像データから前記第2動画像データに切り替えることができる時間帯である切替可能時間帯であることを示す情報又は前記切替可能時間帯において切替操作を受け付けるための画像である操作画像を前記表示部に表示させる。
【0014】
【0015】
【0016】
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ユーザが見ることを所望する被写体が含まれている動画像を視聴できるようになるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本実施形態に係る画像表示装置の概要を説明するための図である。
【
図2】本実施形態に係る画像配信システムSの構成を示す図である。
【
図4】スクロールバーが表示された画面の一例を示す図である。
【
図5】ユーザが第2操作画像G2をタッチした状態を示す図である。
【
図6】画像表示装置1の動作の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[画像表示装置1の概要]
図1は、本実施形態に係る画像表示装置1の概要を説明するための図である。画像表示装置1は、動画像データを見るユーザが使用する装置であり、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン又はタブレットである。画像表示装置1は、動画像データを表示するためのディスプレイを有していれば、任意の装置であってよい。
【0020】
画像表示装置1は、動画像データに複数の被写体が含まれる場合に、表示する対象となる被写体をユーザが選択できることを特徴としている。被写体は、カメラで撮影された人又は物体であってもよく、作成されたアニメーションのキャラクターであってもよい。
【0021】
図1(a)は、第1被写体C1及び第2被写体C2が含まれている全体動画像データZを示している。全体動画像データZは、第1被写体C1及び第2被写体C2以外の被写体を含んでいてもよい。
図1(b)は、第1被写体C1を含む第1動画像データが画像表示装置1に表示されている状態を示している。
図1(c)は、第2被写体C2を含む第2動画像データが画像表示装置1に表示されている状態を示している。
図1(b)及び
図1(c)においては、ユーザの手Hも模式的に示されている。
【0022】
図1(b)に示す第1動画像データが画像表示装置1に表示されている状態で、画像表示装置のユーザが右向きにスワイプ操作をすると、
図1(c)に示す第2動画像データが画像表示装置1に表示されている状態に切り替わる。
図1(c)に示す第2動画像データが画像表示装置1に表示されている状態で、画像表示装置のユーザが左向きにスワイプ操作をすると、
図1(b)に示す第1動画像データが画像表示装置1に表示されている状態に切り替わる。
【0023】
このように、画像表示装置においては、一つの動画像データに含まれている複数の動画像データ又はそれぞれ別々の複数の動画像データをユーザが切り替えて表示することができるので、ユーザが見ることを所望する被写体が含まれている動画像を容易に視聴することが可能になる。このような画像表示装置は、ユーザが好きな俳優が出演しているドラマや映画をユーザが見る場合、又はユーザが好きな選手が出場しているサッカーや野球等の試合の動画をユーザが見る場合等に好適である。
【0024】
[画像配信システムSの構成]
図2は、本実施形態に係る画像配信システムSの構成を示す図である。画像配信システムSは、複数の画像表示装置1と画像配信装置2とを有する。画像表示装置1及び画像配信装置2は、ネットワークNを介して各種のデータを送受信する。ネットワークNは、例えばインターネット又は携帯電話網を含む。
【0025】
画像配信装置2は、動画像データを複数の画像表示装置1に配信するサーバである。画像配信装置2は、複数の動画像データを記憶する記憶媒体を有しており、画像表示装置1から指定された動画像データを画像表示装置1に配信する。画像配信装置2は、同一の動画像データを複数の画像表示装置1に配信してもよく、異なる動画像データを複数の画像表示装置1に配信してもよい。
【0026】
[画像表示装置1の構成]
図3は、画像表示装置1の構成を示す図である。画像表示装置1は、通信部11と、表示部12と、操作部13と、記憶部14と、制御部15と、を有する。制御部15は、データ取得部151と、操作受付部152と、表示制御部153と、を有する。
【0027】
通信部11は、通信部11は、ネットワークNを介して画像配信装置2から動画像データを受信するための通信インターフェースである。通信部11は、受信した動画像データをデータ取得部151に入力する。
【0028】
表示部12は、表示制御部153から入力された動画像データを表示する。表示部12は、例えばディスプレイである。
【0029】
操作部13は、ユーザの操作を受けるためのデバイスであり、例えば表示部12に重ねて設けられたタッチパネルである。操作部13は、ユーザが操作した位置を示す座標情報を操作受付部152に通知する。
【0030】
記憶部14は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を含む記憶媒体である。記憶部14は、制御部15が実行するプログラムを記憶している。記憶部14は、通信部11が受信した動画像データを一時的に記憶してもよい。
【0031】
制御部15は、例えばCPU(Central Processing Unit)を有しており、記憶部14に記憶されたプログラムを実行することにより、データ取得部151、操作受付部152及び表示制御部153として機能する。
【0032】
データ取得部151は、通信部11を介して、第1被写体C1を含む第1動画像データと、第1動画像データと共通の時刻情報に関連付けられており第2被写体C2を含む第2動画像データと、を画像配信装置2から取得する。共通の時刻情報は、被写体C1及び被写体C2を含む全体動画像データZの開始時点からの経過時間に対応する時刻を示す情報である。データ取得部151は、第1動画像データ及び第2動画像データを含む全体動画像データZをさらに取得してもよい。データ取得部151は、取得した第1動画像データ及び第2動画像データを表示制御部153に入力する。データ取得部151は、取得した第1動画像データ及び第2動画像データを記憶部14に保存してもよい。
【0033】
本実施形態において、第1動画像データは、主として表示されることが想定されているメイン動画像データであり、第2動画像データは、一部の時間帯において表示することが可能なサブ動画像データである。ユーザは、例えば、第1動画像データを常に見ることができ、一部の時間帯においてのみ第1動画像データを第2動画像データに切り替えることができる。
【0034】
操作受付部152は、操作部13を介して、表示部12に表示させる動画像データを切り替えるための切替操作を受け付ける。操作受付部152は、例えば、表示部12に表示された動画像データ上でスワイプする切替操作を受け付ける。このように、切替操作は、例えば
図1を参照しながら説明したスワイプ操作であるが、切替操作の方法は任意であり、表示部12に表示された操作用の画像にタッチする操作のような他の方法であってもよい。
【0035】
例えば、操作受付部152は、スワイプ操作をする向きを示す左向きの矢印の画像又は右向きの矢印の画像を表示部12の画面上に表示させてもよい。操作受付部152は、このような矢印の画像を表示させた状態で、タッチされた矢印の向きに応じて切替操作の内容を特定してもよい。後述するように、第2動画像データに切り替えることができる時間帯が限られている場合、操作受付部152は、第2動画像データに切り替えることができる時間帯においてのみ、スカイプ操作やタッチ操作を促すための情報を表示したり、当該時間帯に切り替えができる向きの矢印の画像のみを表示したりしてもよい。
【0036】
また、操作受付部152は、動画像データのうち表示するチャプター(例えばシーン)を切り替えるための操作を受け付けてもよい。この切替操作の方向は、動画像データを切り替えるための操作と異なる方向であり、例えば上下方向である。操作受付部152は、下向きのスワイプ操作が行われたり、下向きの矢印の画像がタッチされたりした場合に、前のチャプターに切り替え、上向きのスワイプ操作が行われたり、上向きの矢印の画像がタッチされたりした場合に、後のチャプターに切り替える。操作受付部152は、切替操作の内容を表示制御部153に通知する。
【0037】
表示制御部153は、表示部12に表示させる画面データを作成し、画面データを表示部12に入力することにより、表示部12に各種の動画像データを表示させる。表示制御部153は、
図1(b)及び
図1(c)に示したように、第1動画像データ又は第2動画像データの少なくともいずれかを表示部12に表示させる。表示制御部153は、第1被写体C1及び第2被写体C2を含む全体動画像データZを表示部12に表示させてもよい。
【0038】
表示制御部153は、第1動画像データを表示部12に表示している間に操作受付部152が切替操作を受け付けた場合に、表示部12に表示させる動画像データを、第1動画像データから第1動画像データの時刻と同一の時刻に対応する第2動画像データに切り替える。第1動画像データの時刻と同一の時刻に対応する第2動画像データは、当該第1動画像データと同じ全体動画像データZに含まれている第2動画像データであってもよい。
【0039】
ここで、一例として、第1動画像データ及び第2動画像データは、第1被写体C1と第2被写体C2とが所定の位置関係で配置された状態で撮影されることにより生成されている。
図1に示した例の場合、全体動画像データZにおいて、被写体C1が右側、被写体C2が左側に配置されている。この場合、表示制御部153は、上記の所定の位置関係に対応する所定の向きにスワイプされたことを条件として、表示部12に表示させる動画像データを切り替えてもよい。
【0040】
表示制御部153は、例えば、スワイプ操作の向きに配置されている被写体が含まれる動画像データに切り替える。具体的には、
図1に示した例の場合、表示制御部153は、第1動画像データを表示部12に表示している間に第1被写体C1から第2被写体C2の側と反対の向きにスワイプされたことを条件として、表示部12に表示させる動画像データを第1動画像データから第2動画像データに切り替える。表示制御部153は、スワイプ操作の向きの側に配置されている被写体が含まれる動画像データに切り替えてもよい。
【0041】
図1に示した例の場合、表示制御部153は、
図1(b)に示すように第1動画像データが表示部12に表示されている状態で、被写体C2が配置されている側である右側に向けたスワイプ操作が行われた場合に第2動画像データに切り替えて、左側に向けたスワイプ操作が行われた場合には第2動画像データに切り替えない。同様に、表示制御部153は、
図1(c)に示すように第2動画像データが表示部12に表示されている状態で、被写体C1が配置されている側である左側に向けたスワイプ操作が行われた場合に第1動画像データに切り替えて、右側に向けたスワイプ操作が行われた場合には第1動画像データに切り替えない。表示制御部153がこのように動作することで、ユーザが誤操作することにより動画像データが切り替わってしまうことを抑制することができる。
【0042】
このように、スワイプ操作の向きによって切り替え先の動画像データを選べるようにすることは、全体動画像画像データに3つ以上の被写体が含まれている場合に特に好適である。例えば
図1(a)に示した被写体C1の右側に第3被写体が含まれている場合、表示制御部153は、
図1(b)の状態で左向きのスワイプ操作が行われたことに応じて、第3被写体が含まれる第3動画像データを表示部12に表示させる。表示制御部153は、第3動画像データが表示された状態で、右向きのスワイプ操作が2回行われたことに応じて、第2被写体C2が含まれる第2動画像データを表示部12に表示させる。このように表示制御部153が動作することで、3以上の被写体が全体動画像データZに含まれている場合に、ユーザが、見たい被写体が含まれている動画像データに容易に切り替えることができる。
【0043】
表示制御部153は、ユーザが適切な向きのスワイプ操作をすることができるように、全体動画像データZにおける複数の被写体の位置関係を示す情報を表示部12に表示させてもよい。一例として、表示制御部153は、複数の被写体それぞれに対応するアイコン画像を、複数の被写体それぞれの位置関係に対応する配置で表示する。表示制御部153がこのようなアイコン画像を表示することで、ユーザが所望の被写体を見えるようにするためのスワイプ操作を間違えなく行うことができる。なお、表示制御部153は、スワイプ操作により動画像データを切り替える代わりに、所定のアイコン画像が選択されたことにより、選択されたアイコン画像に対応する被写体が含まれる動画像データに切り替えてもよい。
【0044】
表示制御部153は、第1動画像データを表示部12に表示している間に、表示部12に表示させる動画像データを第1動画像データから第2動画像データに切り替えることができる時間帯であることを示す情報を表示部12に表示させてもよい。表示制御部153は、例えば、第2動画像データを表示可能な時間帯において、第2動画像データに切り替えることができることを示すアイコン画像を表示部12に表示させる。表示制御部153がこのように動作することで、第2動画像データを表示できない時間帯であるにもかかわらずユーザがスワイプ操作をしてしまうことを抑制できる。
【0045】
表示制御部153は、第1動画像データ又は第2動画像データを表示部12に表示している間に、第1動画像データの再生対象時刻を設定するための第1操作画像と、第2動画像データの表示可能時間帯を示す第2操作画像とを含むスクロールバーを表示部12に表示させてもよい。
図4は、スクロールバーが表示された画面の一例を示す図である。
【0046】
図4に示す画面には、第1動画像データが表示されている。また、
図4に示す画面には、第1動画像データの表示可能時間帯が0から30分00秒までであることを示す操作画像G0と、第1動画像データの再生対象時刻を設定するための第1操作画像G1と、第2動画像データの表示可能時間帯を示す第2操作画像G2とが含まれている。ユーザは、第1操作画像G1の位置を動かすことで、第1動画像データが表示される時刻を変更することができる。
【0047】
表示制御部153は、第2操作画像G2が示されている時刻において、第1動画像データが表示されている状態で操作受付部152が右向きのスワイプ操作を受け付けた場合、第2動画像データに切り替える。表示制御部153は、第2操作画像G2が示されていない時刻において、第1動画像データが表示されている状態で操作受付部152が右向きのスワイプ操作を受け付けた場合、動画像データを切り替えない。この場合、表示制御部153は、例えば「切り替えられる画像がありません」といった警告を表示してもよい。
【0048】
表示制御部153は、スワイプ操作を支援するための情報をさらに表示してもよい。表示制御部153は、例えば、スワイプ操作をするべき向きを示す矢印の画像を表示させてもよい。また、表示制御部153は、矢印の画像とともに、矢印の向きにスワイプ操作をすることにより表示される被写体の名称を表示してもよい。表示制御部153が矢印の画像と被写体の名称を表示することで、ユーザは、動画像データを切り替える方がよいかどうかを判断しやすくなるとともに、正しい向きに操作をしやすくなる。
【0049】
表示制御部153は、
図4に示す状態で所定の操作を操作受付部152が受け付けた場合に、第1動画像データ又は第2動画像データのうち、どちらの動画像データを表示部12に表示させるかを選択するための第3操作画像G3を表示部12に表示させてもよい。所定の操作は、第1動画像データ又は第2動画像データを表示可能な時刻の動画像データを表示させるための操作であり、例えば第2操作画像G2にタッチする操作である。
【0050】
図5は、ユーザが第2操作画像G2をタッチした状態を示す図である。第2操作画像G2に示されている時間帯においては、表示制御部153が、第1動画像データ又は第2動画像データのいずれかを表示することができる。この場合、表示制御部153は、ユーザが指定した時刻の第1動画像データを見たいのか、当該時刻の第2動画像データを見たいのかを判別することができない。そこで、表示制御部153は、メイン動画像データである第1動画像データを選ぶための画像と、サブ動画像データである第2動画像データのどちらか一方を選ぶための画像とを含む第2操作画像G3を表示する。
【0051】
図5(a)においては、「メイン」が実線で示されており、「サブ」が破線で示されており、第1動画像データが表示されていることをユーザが認識できるようになっている。この状態で、ユーザが「サブ」を選択すると、表示制御部153は、
図5(b)のように被写体C2を含む第2動画像データに切り替える。表示制御部153がこのように動作することで、複数の動画像データを表示可能な時刻においても、ユーザが、見たい動画像データを容易に指定することができる。なお、表示制御部153は、
図5における「メイン」及び「サブ」の代わりに、それぞれ第1被写体C1の名称と第2被写体C2の名称を表示してもよい。
【0052】
[表示時刻の記録]
表示制御部153は、第1動画像データを表示部12に表示させた時刻と第2動画像データを表示部12に表示させた時刻とを記憶部14に記憶させてもよい。この場合、表示制御部153は、次回以降に第1動画像データ又は第2動画像データを表示部12に表示させる際に、記憶部14に記憶された時刻を参照した結果に基づいて選択した時刻の動画像データを表示部12に表示させてもよい。
【0053】
表示制御部153は、例えば、0分から5分まで第1動画像データを表示させ、5分から10分まで第2動画像データを表示させたことを記憶部14に記憶させた後に、操作受付部152が、動画像データを再生する操作を開始した場合に、記憶させた最後の時刻(10分)の時点から、最後の時刻に表示していた動画像データ(上記の場合は第2動画像データ)の表示を開始する。表示制御部153がこのように動作することで、ユーザが動画像データの視聴を中断してから再開した場合に、中断前と同じ状態で視聴を再開することができる。
【0054】
表示制御部153は、ユーザが動画像データの視聴を再開するための操作をした場合に、表示部12に記憶された時刻に基づいて、第1動画像データ及び第2動画像データのうち、動画像データの視聴を中断する前の所定の期間内に、より長く視聴されていた動画像データから表示部12に表示させてもよい。所定の期間は、例えば、視聴されていた第1動画像データ及び第2動画像データを含む全体動画像データZの視聴が開始されてから終了するまでの期間である。表示制御部153がこのように動作することで、例えば、中断する直前に視聴していた動画像データが、ユーザが見たい被写体が含まれる動画像データでない場合であっても、ユーザが、見たい被写体が含まれる動画像データから視聴を再開することが可能になる。
【0055】
表示制御部153は、表示部12に表示させる動画像データを第1動画像データから第2動画像データに切り替えた後に操作受付部152が切替操作を受け付けた場合、第1動画像データの表示をどの時点から再開するかをユーザが指定するための操作画面を表示部12に表示させてもよい。第1動画像データの表示を再開する時点としては、以下の2つの時点が想定される。
(1) 直前に第1動画像データから第2動画像データに切り替わった時点
(2) 第2動画像データから第1動画像データに切り替える時点
【0056】
そこで、表示制御部153は、第1動画像データから第2動画像データに切り替わった時点の第1時刻に対応する第1動画像データから表示を開始するか、第2動画像データから第1動画像データに切り替える時点の第2時刻に対応する第1動画像データから表示を開始するかを選択するための操作画面を表示部12に表示させてもよい。表示制御部153は、ユーザが前者を選択した場合、第1時刻に対応する第1動画像データから表示を開始し、ユーザが後者を選択した場合、第2時刻に対応する第1動画像データから表示を開始する。表示制御部153がこのように動作することで、ユーザが、第2動画像データを見ていた間の第1動画像データを見たいという場合に、ユーザが容易に当該第1動画像データを見ることが可能になる。
【0057】
なお、表示制御部153は、例えば、切替操作が行われた時点での第1動画像データの再生位置を記憶しておき、ユーザが後者を選択した場合に、記憶した位置から第1動画像データの再生を開始する。表示制御部153は、第1動画像データを常時再生しており、切替操作を受け付けると、再生している第1動画像データを表示するように切り替えてもよい。
【0058】
[画像表示装置1の動作の流れ]
図6は、画像表示装置1の動作の流れを示すフローチャートである。
図6に示すフローチャートは、ユーザが動画像データの視聴を開始するための操作を行った時点から開始している。
【0059】
視聴を開始するための操作を操作受付部152が受け付けた場合、データ取得部151は、画像配信装置2から動画像データの取得を開始する(S11)。そして、表示制御部153は、デフォルトで表示するメイン動画像データに設定されている第1動画像データの表示を開始する(S12)。
【0060】
この状態で、表示制御部153は、操作受付部152と連携して、スワイプ操作が行われたかどうかを監視する(S13)。表示制御部153は、スワイプ操作が行われた場合に(S13においてYES)、スワイプ操作の向きが第2被写体C2に対応する向きかどうかを判定する(S14)。さらに、表示制御部153は、スワイプ操作の向きが被写体C2に対応する向きである場合に(S14においてYES)、第2動画像データを表示可能な時間帯であるか否かを判定する(S15)。
【0061】
表示制御部153は、第2動画像データを表示可能な時間帯であると判定した場合に(S15においてYES)、第2動画像データに切り替える(S16)。表示制御部153は、S13、S14、S15のいずれかにおいてNOと判定した場合には、第2動画像データに切り替えることなく第1動画像データを継続して表示部12に表示させる。
【0062】
第2動画像データを表示部12に表示させている状態で、表示制御部153は、スワイプ操作が行われたかどうかを監視し(S17)、スワイプ操作が行われた場合に(S17においてYES)、スワイプ操作の向きが第1被写体C1に対応する向きかどうかを判定する(S18)。表示制御部153は、スワイプ操作の向きが被写体C1に対応する向きである場合に(S18においてYES)、第2動画像データを表示可能な時間帯が終了しているか否かを判定する(S19)。
【0063】
表示制御部153は、当該時間帯が終了していないと判定した場合(S19においてNO)、第2動画像データを継続して表示部12に表示させる。一方、表示制御部153は、当該時間帯が終了していると判定した場合(S19においてYES)、動画像データの表示処理を終了するための操作をユーザが行ったか否かを確認する(S20)。表示制御部153は、動画像データの表示処理を終了するための操作が行われていないと判定した場合(S20においてNO)、S12に処理を戻して第1動画像データに切り替える。
【0064】
[変形例]
以上の説明においては、表示制御部153が第1動画像データを表示部12に表示させている時点で、データ取得部151が予め第2動画像データを取得しておくという動作を例示したが、データ取得部151が第2動画像データを取得するタイミングはこれに限らない。表示制御部153は、操作受付部152が第1動画像データを視聴する操作を受け付けた場合に、第1動画像データに関連付けられた第2動画像データを視聴するか否かの操作を受け付けるための画面を表示部12に表示させてもよい。そして、データ取得部151は、第2動画像データを視聴するための操作を操作受付部152が受け付けた場合に、画像配信装置2から第2動画像データを取得してもよい。
制御部15がこのように動作することで、記憶部14が第2動画像データを大量に記憶する必要がないので、記憶部14の容量を削減することができる。
【0065】
データ取得部151は、第1動画像データが再生されている間に表示制御部153がスワイプ操作を受け付けることができることを示す情報(例えば、スライドバーや矢印の画像)を表示した場合に、切り替え後に表示すべき第2動画像データを取得済であるか否かを判定してもよい。そして、データ取得部151は、第2動画像データを取得済でないと判定した場合に、画像配信装置2から第2動画像データを取得する。なお、表示制御部153は、データ取得部151が第2動画像データの取得が完了するまでの間、第1動画像データの再生を停止して、停止した時刻を記憶し、データ取得部151が第2動画像データを取得すると、記憶した時刻に対応する位置から第2動画像データの再生を開始してもよい。
【0066】
[画像表示装置1による効果]
以上説明したように、データ取得部151は、共通の時刻情報に関連付けられた第1動画像データ及び第2動画像データを取得し、表示制御部153は、第1動画像データを表示部12に表示している間に操作受付部152が切替操作を受け付けた場合に、表示部12に表示させる動画像データを、第1動画像データから第1動画像データの時刻と同一の時刻に対応する第2動画像データに切り替える。画像表示装置1がこのように構成されていることで、ユーザが見ることを所望する被写体が含まれていない第1動画像データを視聴している間に、当該被写体が含まれている第2動画像データを容易に視聴できるようになる。
【0067】
本発明は、複数の競技者が登場するスポーツの動画像データにも好適である。画像表示装置1が、例えばサッカーの試合の動画像データを表示する場合、ユーザは、スワイプ操作や矢印の画像へのタッチ操作により、どちらのチームを中心に視聴するかを切り替えることができる。
【0068】
画像表示装置1は、複数のカメラで撮影された複数の選手に対応する複数の動画像データを切り替えて表示してもよい。表示制御部153は、例えば
図5に示した第2操作画像G2においてスワイプ操作又は矢印の画像へのタッチ操作が行われると、操作内容に対応するプレーヤーを中心に撮影した動画像データに切り替える。この場合、表示制御部153は、その後、複数のプレーヤーに対応する複数の動画像データがある時間帯において、先の操作によって選択されたプレーヤーに対応する動画像データを自動的に表示してもよい。表示制御部153は、このようにユーザが選択したプレーヤーが登場する場面の動画像データを繋げた状態で再生してもよい。表示制御部153がこのように動作することで、ユーザは、好きなプレーヤーを中心とする動画像データを視聴しやすくなる。
【0069】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0070】
1 画像表示装置
2 画像配信装置
11 通信部
12 表示部
13 操作部
14 記憶部
15 制御部
151 データ取得部
152 操作受付部
153 表示制御部