(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-15
(45)【発行日】2022-03-24
(54)【発明の名称】フライヤー、加熱調理方法
(51)【国際特許分類】
A47J 37/12 20060101AFI20220316BHJP
A23L 5/10 20160101ALI20220316BHJP
A23D 9/00 20060101ALI20220316BHJP
【FI】
A47J37/12 321
A47J37/12 331
A23L5/10 C
A23L5/10 D
A23D9/00 506
(21)【出願番号】P 2016004028
(22)【出願日】2016-01-13
【審査請求日】2019-01-12
(31)【優先権主張番号】P 2015004510
(32)【優先日】2015-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】514139511
【氏名又は名称】エバートロン ホールディングス ピーティーイー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100207066
【氏名又は名称】米山 毅
(74)【代理人】
【識別番号】110002402
【氏名又は名称】特許業務法人テクノテラス
(72)【発明者】
【氏名】田中 久雄
【審査官】沼田 規好
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/208658(WO,A1)
【文献】特開2007-082678(JP,A)
【文献】特開2002-320556(JP,A)
【文献】特開平08-215069(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 37/12
A23D 9/00
A23L 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食用油をためて食物を加熱調理するための貯油槽と、
前記貯油槽に対向して立設される対向平板アンテナと、
前記対向平板アンテナ間に所定の周波数の電磁波を発生させるために対向平板アンテナを駆動する駆動部と、
前記貯油槽にためられた食用油を所定温度に加熱して食物を調理するための加熱部と、
前記駆動部の出力の大小を制御する出力制御部と、
前記貯油槽の食用油の酸化度を測定する酸化度センサーと、
を有し、
前記出力制御部は、前記酸化度センサーにより測定される食用油の酸化度に応じて前記駆動部の出力の大小を制御するための酸化度依存出力制御手段を有するフライヤー。
【請求項2】
食用油をためて食物を加熱調理するための貯油槽と、
前記貯油槽に対向して立設される対向平板アンテナと、
前記対向平板アンテナ間に10キロヘルツから150キロヘルツの周波数の電磁波を発生させるために対向平板アンテナを駆動する駆動部と、
前記貯油槽にためられた食用油を摂氏120度から摂氏200度に加熱して食物を調理するための加熱部と、
前記駆動部の出力の大小を制御する出力制御部と、
前記貯油槽の食用油の酸化度を測定する酸化度センサーと、
を有し、
前記出力制御部は、前記酸化度センサーにより測定される食用油の酸化度に応じて前記駆動部の出力の大小を制御するための酸化度依存出力制御手段を有するフライヤー。
【請求項3】
前記貯油槽の食用油の温度を計測する温度計測部と、
前記温度計測部によって計測される温度が投入される食物の種類、量の変化に対しても所定の温度となるように前記加熱部を制御する加熱制御部をさらに有する請求項
1又は2に記載のフライヤー。
【請求項4】
前記出力制御部は、前記温度計測部で計測される温度に応じて駆動部の出力の大小を制御するための温度依存出力制御手段を有する請求項
3に記載のフライヤー。
【請求項5】
食用油をためて食物を加熱調理するための貯油槽と、
前記貯油槽に対向して立設される対向平板アンテナと、
前記対向平板アンテナ間に所定の周波数の電磁波を発生させるために対向平板アンテナを駆動する駆動部と、
前記貯油槽にためられた食用油を所定温度に加熱して食物を調理するための加熱部と、
前記駆動部によって形成される電磁波の周波数を制御するための周波数制御部と、
前記貯油槽の食用油の酸化度を測定する酸化度センサーと、
を有し、
前記周波数制御部は、酸化度センサーにより測定される食用油の酸化度に応じて電磁波の周波数を制御するための酸化度依存周波数制御手段を有するフライヤー。
【請求項6】
食用油をためて食物を加熱調理するための貯油槽と、
前記貯油槽に対向して立設される対向平板アンテナと、
前記対向平板アンテナ間に10キロヘルツから150キロヘルツの周波数の電磁波を発生させるために対向平板アンテナを駆動する駆動部と、
前記貯油槽にためられた食用油を摂氏120度から摂氏200度に加熱して食物を調理するための加熱部と、
前記駆動部によって形成される電磁波の周波数を制御するための周波数制御部と、
前記貯油槽の食用油の酸化度を測定する酸化度センサーと、
を有し、
前記周波数制御部は、酸化度センサーにより測定される食用油の酸化度に応じて電磁波の周波数を制御するための酸化度依存周波数制御手段を有するフライヤー。
【請求項7】
前記貯油槽の食用油の温度を計測する温度計測部と、
前記温度計測部によって計測される温度が投入される食物の種類、量の変化に対しても所定の温度となるように前記加熱部を制御する加熱制御部をさらに有する請求項
5又は6に記載のフライヤー。
【請求項8】
前記周波数制御部は、前記温度計測部で計測される温度に応じて電磁波の周波数を制御するための温度依存周波数制御手段を有する請求項
7に記載のフライヤー。
【請求項9】
電磁波の出力を投入される食物の種類、量の変化に対しても所定の出力に安定させるために前記駆動部を制御する出力安定部を
さらに有する請求項1~8のいずれか1項に記載のフライヤー。
【請求項10】
前記対向平板アンテナは横断面が略L字状であり、前記貯油槽の底面に略平行な底面部と前記貯油槽の底面に略垂直な垂立部とからなり、前記底面部が互いに突き合わされるように立設されている
請求項1~9のいずれか1項に記載のフライヤー。
【請求項11】
前記対向平板アンテナの前記底面部又は/及び前記垂立部には複数の穴が形成されている請求項10に記載のフライヤー。
【請求項12】
食用油を所定温度の範囲に加熱する食用油加熱ステップと、
加熱されている食用油中に所定の周波数の電磁波を発生させる電磁波発生ステップと、
食用油中に加熱調理の対象となる食物を投入する食物投入ステップと、
食用油の酸化度を測定する酸化度測定ステップと、
測定された酸化度に応じて電磁波の周波数又は/及び出力を制御する第一制御ステップと、
を有する加熱調理方法。
【請求項13】
食用油を120度から200度の範囲に加熱する食用油加熱ステップと、
加熱されている食用油中に10キロヘルツから150キロヘルツの周波数の電磁波を発生させる電磁波発生ステップと、
食用油中に加熱調理の対象となる食物を投入する食物投入ステップと、
食用油の酸化度を測定する酸化度測定ステップと、
測定された酸化度に応じて電磁波の周波数又は/及び出力を制御する第一制御ステップと、
を有する加熱調理方法。
【請求項14】
食用油の温度を測定する温度測定ステップと、
測定された温度に応じて電磁波の周波数又は/及び出力を制御す
る第二制御ステップと、 をさらに有する請求項
12又は13に記載の加熱調理方法。
【請求項15】
食用油を所定の範囲に加熱する食用油加熱ステップと、
加熱されている食用油中に第一周波数の電磁波を発生させる電磁波発生ステップと、
食用油中に加熱調理の対象となる食物を投入する食物投入ステップと、
食物投入と同時に食用油中の電磁波の周波数を第一周波数より高い周波数とする第一周波数変化ステップと、
食用油の酸化度を測定する酸化度測定ステップと、
測定された酸化度に応じて電磁波の周波数又は/及び出力を制御する第一制御ステップと、
からなる加熱調理方法。
【請求項16】
食用油を所定の範囲に加熱する食用油加熱ステップと、
加熱されている食用油中に第一周波数の電磁波を発生させる電磁波発生ステップと、
食用油中に加熱調理の対象となる食物を投入する食物投入ステップと、
食物投入と同時に食用油中の電磁波の周波数を第一周波数より低い周波数とする第二周波数変化ステップと、
食用油の酸化度を測定する酸化度測定ステップと、
測定された酸化度に応じて電磁波の周波数又は/及び出力を制御する第一制御ステップと、
からなる加熱調理方法。
【請求項17】
食用油を所定温度の範囲に加熱する食用油加熱ステップと、
加熱されている食用油中に所定周波数の第一出力の電磁波を発生させる電磁波発生ステップと、
食用油中に加熱調理の対象となる食物を投入する食物投入ステップと、
食物投入と同時に食用油中の電磁波の出力を第一出力より高い出力とする第一出力変化ステップと、
食用油の酸化度を測定する酸化度測定ステップと、
測定された酸化度に応じて電磁波の周波数又は/及び出力を制御する第一制御ステップと、
からなる加熱調理方法。
【請求項18】
食用油を所定の範囲に加熱する食用油加熱ステップと、
加熱されている食用油中に所定周波数の第二出力の電磁波を発生させる電磁波発生ステップと、
食用油中に加熱調理の対象となる食物を投入する食物投入ステップと、
食物投入と同時に食用油中の電磁波の出力を第二出力より低い出力とする第二出力変化ステップと、
食用油の酸化度を測定する酸化度測定ステップと、
測定された酸化度に応じて電磁波の周波数又は/及び出力を制御する第一制御ステップと、
からなる加熱調理方法。
【請求項19】
前記食用油には長鎖脂肪酸塩が含まれている請求項
12~18のいずれか1項に記載の加熱調理方法。
【請求項20】
前記食用油には中鎖脂肪酸塩が含まれている請求項
12~19のいずれか1項に記載の加熱調理方法。
【請求項21】
前記食用油には、長鎖脂肪酸として、不飽和脂肪酸であるオレイン酸、αリノレン酸、DHA、EPA、リノール酸、γリノレン酸、アラキドン酸、のいずれか一以上が含まれる請求項
12~20のいずれか1項に記載の加熱調理方法。
【請求項22】
前記脂肪酸塩を構成する原子は、カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、亜鉛、鉄である
請求項19、請求項20、請求項19又は請求項20に従属する請求項21のいずれか1項に記載の加熱調理方法。
【請求項23】
加熱調理の対象となる食物は、前記脂肪酸塩を構成する原子である、カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、亜鉛、鉄のいずれか一以上を含有する食物である請求項
12~22のいずれか1項に記載の加熱調理方法。
【請求項24】
前記食用油は、加熱調理の対象となる食物として、前記脂肪酸塩を構成する原子である、カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、亜鉛、鉄のいずれか一以上を含有する食物の調理を少なくとも過去に一度以上行ったことがある再利用の食用油である請求項
12~23のいずれか1項に記載の加熱調理方法。
【請求項25】
前記食用油には、中鎖脂肪酸としてカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸のいずれか一以上が含まれている請求項
12~24のいずれか1項に記載の加熱調理方法。
【請求項26】
前記食用油は、長鎖脂肪酸塩である、ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、ペンタデシル酸塩、パルチミン酸塩、パルミトレイン酸塩、マルガリン酸塩、ステアリン酸塩、オレイン酸塩、バクセン酸塩、リノール酸塩、αリノレン酸塩、γリノレン酸塩、アラキジン酸塩、アラキドン酸塩、エイコサペンタエン酸塩(EPA塩)、ドコサヘキサエン酸塩(DHA塩)のいずれか一以上を含むことを特徴とする請求項
12~25のいずれか1項に記載の加熱調理方法。
【請求項27】
前記食用油は、長鎖脂肪酸塩である、ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、ペンタデシル酸塩、パルチミン酸塩、パルミトレイン酸塩、マルガリン酸塩、ステアリン酸塩、オレイン酸塩、バクセン酸塩、リノール酸塩、αリノレン酸塩、γリノレン酸塩、アラキジン酸塩、アラキドン酸塩、エイコサペンタエン酸塩(EPA塩)、ドコサヘキサエン酸塩(DHA塩)のいずれか一以上を含む食用油用添加剤を含有すること特徴とする請求項
12~26のいずれか1項に記載の加熱調理方法。
【請求項28】
前記食用油は、中鎖脂肪酸塩である、カプリル酸塩、カプリン酸塩、ラウリン酸塩のいずれか一以上を含むことを特徴とする請求項
12~27のいずれか1項に記載の加熱調理方法。
【請求項29】
前記食用油は、中鎖脂肪酸塩である、カプリル酸塩、カプリン酸塩、ラウリン酸塩のいずれか一以上を含む食用油用添加剤を含有すること特徴とする請求項
12~28のいずれか1項に記載の加熱調理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件発明は、アンテナ間に所定の範囲の周波数の電磁波を発生させ、電磁波の発生している空間内で食物の加熱調理を行うフライヤー、加熱調理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
食用油を加熱して食物を調理するためのフライヤーにおいて、フライヤーの油槽内に高圧電場を発生させた状態で食物を調理する技術が知られている(特許文献1、2参照)。食用油に高圧電場をかけて調理を行うことにより、調理時間の短縮、調理時に用いる油温度の低温化、食用油の酸化・劣化防止、調理された食物の食味向上等の優れた効果を得られるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平11‐113761号公報
【文献】特開2002‐136430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記先行文献に記載のフライヤーを用いて食物を調理しても、食味の違いはさほど明確ではなかった。
【0005】
本件発明者は、所定の範囲の周波数の電磁波が発生している空間内で食物の調理を行うと、調理された食物の食味が非常に優れていることを発見した。
【0006】
すなわち、本件発明は、所定の範囲の周波数の電磁波が発生している空間内で食物の調理を行うことにより、調理された食物の食味が非常に優れるフライヤーを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上のような課題を解決するために、本件発明者は以下に記載するフライヤーを発明した。すなわち、第一の発明として、食用油をためて食物を加熱調理するための貯油槽と、
前記貯油槽に対向して立設される対向平板アンテナと、
前記対向平板アンテナ間に所定の周波数の電磁波を発生させるために対向平板アンテナを駆動する駆動部と、
前記貯油槽にためられた食用油を所定温度に加熱して食物を調理するための加熱部と、
前記駆動部の出力の大小を制御する出力制御部と、
前記貯油槽の食用油の酸化度を測定する酸化度センサーと、
を有し、
前記出力制御部は、前記酸化度センサーにより測定される食用油の酸化度に応じて前記駆動部の出力の大小を制御するための酸化度依存出力制御手段を有するフライヤーを提案する。
【0008】
また、第二の発明として、食用油をためて食物を加熱調理するための貯油槽と、
前記貯油槽に対向して立設される対向平板アンテナと、
前記対向平板アンテナ間に10キロヘルツから150キロヘルツの周波数の電磁波を発生させるために対向平板アンテナを駆動する駆動部と、
前記貯油槽にためられた食用油を摂氏120度から摂氏200度に加熱して食物を調理するための加熱部と、
前記駆動部の出力の大小を制御する出力制御部と、
前記貯油槽の食用油の酸化度を測定する酸化度センサーと、
を有し、
前記出力制御部は、前記酸化度センサーにより測定される食用油の酸化度に応じて前記駆動部の出力の大小を制御するための酸化度依存出力制御手段を有するフライヤーを提案する。
【0009】
また、第三の発明として、前記貯油槽の食用油の温度を計測する温度計測部と、
前記温度計測部によって計測される温度が投入される食物の種類、量の変化に対しても所定の温度となるように前記加熱部を制御する加熱制御部をさらに有する第一又は第二の発明に記載のフライヤーを提案する。
【0010】
また、第四の発明として、前記出力制御部は、前記温度計測部で計測される温度に応じて駆動部の出力の大小を制御するための温度依存出力制御手段を有する第三の発明に記載のフライヤーを提案する。
【0011】
また、第五の発明として、食用油をためて食物を加熱調理するための貯油槽と、
前記貯油槽に対向して立設される対向平板アンテナと、
前記対向平板アンテナ間に所定の周波数の電磁波を発生させるために対向平板アンテナを駆動する駆動部と、
前記貯油槽にためられた食用油を所定温度に加熱して食物を調理するための加熱部と、
前記駆動部によって形成される電磁波の周波数を制御するための周波数制御部と、
前記貯油槽の食用油の酸化度を測定する酸化度センサーと、
を有し、
前記周波数制御部は、酸化度センサーにより測定される食用油の酸化度に応じて電磁波の周波数を制御するための酸化度依存周波数制御手段を有するフライヤーを提案する。
【0012】
また、第六の発明として、食用油をためて食物を加熱調理するための貯油槽と、
前記貯油槽に対向して立設される対向平板アンテナと、
前記対向平板アンテナ間に10キロヘルツから150キロヘルツの周波数の電磁波を発生させるために対向平板アンテナを駆動する駆動部と、
前記貯油槽にためられた食用油を摂氏120度から摂氏200度に加熱して食物を調理するための加熱部と、
前記駆動部によって形成される電磁波の周波数を制御するための周波数制御部と、
前記貯油槽の食用油の酸化度を測定する酸化度センサーと、
を有し、
前記周波数制御部は、酸化度センサーにより測定される食用油の酸化度に応じて電磁波の周波数を制御するための酸化度依存周波数制御手段を有するフライヤーを提案する。
【0013】
また、第七の発明として、前記貯油槽の食用油の温度を計測する温度計測部と、
前記温度計測部によって計測される温度が投入される食物の種類、量の変化に対しても所定の温度となるように前記加熱部を制御する加熱制御部をさらに有する第五又は第六の発明に記載のフライヤーを提案する。
【0014】
また、第八の発明として、前記周波数制御部は、前記温度計測部で計測される温度に応じて電磁波の周波数を制御するための温度依存周波数制御手段を有する第七の発明に記載のフライヤーを提案する。
【0015】
また、第九の発明として、電磁波の出力を投入される食物の種類、量の変化に対しても所定の出力に安定させるために前記駆動部を制御する出力安定部をさらに有する第一~第八の発明のいずれかに記載のフライヤーを提案する。
【0016】
また、第十の発明として、前記対向平板アンテナは横断面が略L字状であり、前記貯油槽の底面に略平行な底面部と前記貯油槽の底面に略垂直な垂立部とからなり、前記底面部が互いに突き合わされるように立設されている第一~第九の発明のいずれかに記載のフライヤーを提案する。
【0017】
また、第十一の発明として、前記対向平板アンテナの前記底面部又は/及び前記垂立部には複数の穴が形成されている第十の発明に記載のフライヤーを提案する。
【0018】
また、第十二の発明として、食用油を所定温度の範囲に加熱する食用油加熱ステップと、
加熱されている食用油中に所定の周波数の電磁波を発生させる電磁波発生ステップと、
食用油中に加熱調理の対象となる食物を投入する食物投入ステップと、
食用油の酸化度を測定する酸化度測定ステップと、
測定された酸化度に応じて電磁波の周波数又は/及び出力を制御する第一制御ステップと、
を有する加熱調理方法を提案する。
【0019】
また、第十三の発明として、食用油を120度から200度の範囲に加熱する食用油加熱ステップと、
加熱されている食用油中に10キロヘルツから150キロヘルツの周波数の電磁波を発生させる電磁波発生ステップと、
食用油中に加熱調理の対象となる食物を投入する食物投入ステップと、
食用油の酸化度を測定する酸化度測定ステップと、
測定された酸化度に応じて電磁波の周波数又は/及び出力を制御する第一制御ステップと、
を有する加熱調理方法を提案する。
【0020】
また、第十四の発明として、食用油の温度を測定する温度測定ステップと、
測定された温度に応じて電磁波の周波数又は/及び出力を制御する第二制御ステップと、 をさらに有する第十二または第十三の発明に記載の加熱調理方法を提案する。
【0021】
また、第十五の発明として、食用油を所定の範囲に加熱する食用油加熱ステップと、
加熱されている食用油中に第一周波数の電磁波を発生させる電磁波発生ステップと、
食用油中に加熱調理の対象となる食物を投入する食物投入ステップと、
食物投入と同時に食用油中の電磁波の周波数を第一周波数より高い周波数とする第一周波数変化ステップと、
食用油の酸化度を測定する酸化度測定ステップと、
測定された酸化度に応じて電磁波の周波数又は/及び出力を制御する第一制御ステップと、
からなる加熱調理方法を提案する。
【0022】
また、第十六の発明として、食用油を所定の範囲に加熱する食用油加熱ステップと、
加熱されている食用油中に第一周波数の電磁波を発生させる電磁波発生ステップと、
食用油中に加熱調理の対象となる食物を投入する食物投入ステップと、
食物投入と同時に食用油中の電磁波の周波数を第一周波数より低い周波数とする第二周波数変化ステップと、
食用油の酸化度を測定する酸化度測定ステップと、
測定された酸化度に応じて電磁波の周波数又は/及び出力を制御する第一制御ステップと、
からなる加熱調理方法を提案する。
【0023】
また、第十七の発明として、食用油を所定温度の範囲に加熱する食用油加熱ステップと、
加熱されている食用油中に所定周波数の第一出力の電磁波を発生させる電磁波発生ステップと、
食用油中に加熱調理の対象となる食物を投入する食物投入ステップと、
食物投入と同時に食用油中の電磁波の出力を第一出力より高い出力とする第一出力変化ステップと、
食用油の酸化度を測定する酸化度測定ステップと、
測定された酸化度に応じて電磁波の周波数又は/及び出力を制御する第一制御ステップと、
からなる加熱調理方法を提案する。
【0024】
また、第十八の発明として、食用油を所定の範囲に加熱する食用油加熱ステップと、
加熱されている食用油中に所定周波数の第二出力の電磁波を発生させる電磁波発生ステップと、
食用油中に加熱調理の対象となる食物を投入する食物投入ステップと、
食物投入と同時に食用油中の電磁波の出力を第二出力より低い出力とする第二出力変化ステップと、
食用油の酸化度を測定する酸化度測定ステップと、
測定された酸化度に応じて電磁波の周波数又は/及び出力を制御する第一制御ステップと、
からなる加熱調理方法を提案する。
【0025】
また、第十九の発明として、前記食用油には長鎖脂肪酸塩が含まれている第十二から第十八発明いずれかに記載の加熱調理方法を提案する。
【0026】
また、第二十の発明として、前記食用油には中鎖脂肪酸塩が含まれている第十二から第十九の発明のいずれかに記載の加熱調理方法を提案する。
【0027】
また、第二十一の発明として、前記食用油には、長鎖脂肪酸として、不飽和脂肪酸であるオレイン酸、αリノレン酸、DHA、EPA、リノール酸、γリノレン酸、アラキドン酸、のいずれか一以上が含まれる第十二~第二十の発明のいずれかに記載の加熱調理方法を提案する。
【0028】
第二十二の発明として、前記脂肪酸塩を構成する原子は、カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、亜鉛、鉄である第十九、第二十、第十九又は第二十に従属する第二十一の発明のいずれかに記載の加熱調理方法を提案する。
【0029】
第二十三の発明として、加熱調理の対象となる食物は、前記脂肪酸塩を構成する原子である、カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、亜鉛、鉄のいずれか一以上を含有する食物である第十二~第二十二の発明のいずれかに記載の加熱調理方法を提案する。
【0030】
第二十四の発明として、前記食用油は、加熱調理の対象となる食物として、前記脂肪酸塩を構成する原子である、カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、亜鉛、鉄のいずれか一以上を含有する食物の調理を少なくとも過去に一度以上行ったことがある再利用の食用油である第十二~第二十三の発明のいずれかに記載の加熱調理方法を提案する。
【0031】
第二十五の発明として、前記食用油には、中鎖脂肪酸としてカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸のいずれか一以上が含まれている第十二~第二十四の発明のいずれかに記載の加熱調理方法を提案する。
【0032】
第二十六の発明として、前記食用油は、長鎖脂肪酸塩である、ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、ペンタデシル酸塩、パルチミン酸塩、パルミトレイン酸塩、マルガリン酸塩、ステアリン酸塩、オレイン酸塩、バクセン酸塩、リノール酸塩、αリノレン酸塩、γリノレン酸塩、アラキジン酸塩、アラキドン酸塩、エイコサペンタエン酸塩(EPA塩)、ドコサヘキサエン酸塩(DHA塩)のいずれか一以上を含むことを特徴とする第十二~第二十五の発明いずれかに記載の加熱調理方法を提案する。
【0033】
第二十七の発明として、前記食用油は、長鎖脂肪酸塩である、ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、ペンタデシル酸塩、パルチミン酸塩、パルミトレイン酸塩、マルガリン酸塩、ステアリン酸塩、オレイン酸塩、バクセン酸塩、リノール酸塩、αリノレン酸塩、γリノレン酸塩、アラキジン酸塩、アラキドン酸塩、エイコサペンタエン酸塩(EPA塩)、ドコサヘキサエン酸塩(DHA塩)のいずれか一以上を含む食用油用添加剤を含有すること特徴とする第十二~第二十六の発明のいずれかに記載の加熱調理方法を提案する。
【0034】
第二十八の発明として、前記食用油は、中鎖脂肪酸塩である、カプリル酸塩、カプリン酸塩、ラウリン酸塩のいずれか一以上を含むことを特徴とする第十二~第二十七の発明のいずれかに記載の加熱調理方法を提案する。
【0035】
第二十九の発明として、前記食用油は、中鎖脂肪酸塩である、カプリル酸塩、カプリン酸塩、ラウリン酸塩のいずれか一以上を含む食用油用添加剤を含有すること特徴とする第十二~第二十八の発明のいずれかに記載の加熱調理方法を提案する。
【発明の効果】
【0036】
主に以上のような構成を採用することにより、調理された食物の食味が非常に優れるフライヤー、調理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図2】本件発明のフライヤーを用いた食物の調理の概要を示す図
【
図3】実施例1での調理方法1及び調理方法2におけるTPM値の経時変化を示す図
【
図4】実施例1での調理方法1及び調理方法2におけるTPM値の経時変化を示す図
【
図5】実施例1での調理方法1及び調理方法2における酸価値(AV)を示す図
【
図6】実施例1での調理方法1及び調理方法2における過酸化物価を示す図
【
図7】実施例1での調理方法1及び調理方法2における試験5日目の油のトランス脂肪酸量を示す図
【
図8】実施例1での調理方法1及び調理方法2におけるうま味(グルタミン酸の含有量)を示す図
【
図9】実施例2において加熱調理を行った食物の一覧を示す図
【
図10】実施例2での調理方法3及び調理方法4における調理条件と食用油のTPM値の経時変化を示す図
【
図11】実施例2での調理方法3及び調理方法4における食用油のTPM値の経時変化を示す図
【
図12】本件発明の加熱調理方法の処理の流れの一例を示す図
【
図13】本件発明の加熱調理方法の処理の流れの別の一例を示す図
【
図14】本件発明の加熱調理方法の処理の流れの別の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本件発明について図面と共に説明する。なお、本件発明は明細書や図面の記載に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、様々な態様で実施し得る。
≪実施形態1≫
<機能的構成>
【0039】
図1は、本件発明のフライヤーの概要を示す側面図である。例えば本件発明のフライヤーは、主に貯油槽(0101)と、対向平板アンテナ(0102)と、駆動部(0103)と、加熱部(0104)と、から構成される。
【0040】
貯油槽(0101)は、食用油(0105)をためて食物を加熱調理するために設けられる。すなわち、貯油槽内の加熱された食用油中に食物を投入することにより、食物がフライ調理(揚げ調理)される。貯油槽には食物が投入され、さらに貯油槽の内面は高温の油と接触するため、貯油槽は人体に害がなく、高温・長期の使用でも劣化の少ない材質(例えばステンレス等)を用いて構成されることが好ましい。なお、貯油槽の容積や形状については、フライヤーの設置場所やフライヤーで一度に加熱調理を行う食物の分量等に応じて任意に設定される。
【0041】
対向平板アンテナ(0102)は、貯油槽に対向して立設される。対向平板アンテナ間に所定の範囲の周波数の電磁波を発生させ、電磁波が発生している空間内で食物が調理される。対向平板アンテナはその表面が絶縁性の物質により被覆されていることが好ましい。本構成とすると、例えば対向平板アンテナに供給された交流電圧が貯油槽へと伝わり、フライヤーの使用者の感電やフライヤー付近の装置の故障等の恐れを防止することができる。
【0042】
対向平板アンテナは横断面が略L字状であり、貯油槽の底面に略平行な底面部(0111)と貯油槽の底面に略垂直な垂立部(0112)とからなり、底面部が互いに突き合わされるように立設されていても良い。なお、「略L字状」としているように、垂立部と底面部を垂直に接続してL字状に対向平板アンテナを構成する他に、例えば垂立部と底面部の接続部の横断面を丸みを帯びたR形状となるように構成しても良い。
【0043】
また、対向平板アンテナの底面部又は/及び垂立部には複数の穴が形成されていても良い。穴の形状は円形、三角形、四角形、五角形、六角形等自由に設定することができる。また、穴の大きさや配置についても同様である。
【0044】
駆動部(0103)は、対向平板アンテナ間に10キロヘルツから150キロヘルツの周波数の電磁波を発生させるために対向平板アンテナを駆動するために設けられる。なお、電磁波の周波数としては50キロヘルツから100キロヘルツとするとより好ましい。対向平板アンテナ間に所定の範囲の周波数の電磁波を形成するには、例えば対向平板アンテナに所定の周波数の電磁波を発生させるための発振器を接続することが考えられる。その際に駆動部と対向平板アンテナは端子(0113)を通して電気的に接続されても良い。
【0045】
図2に本件発明のフライヤーを用いた食物(0201)の加熱調理の概要を示す。例えば対向平板アンテナに所定の範囲の周波数の交流電圧が供給されると、対向平板アンテナ間に所定の範囲の周波数の電磁波(0202)が形成される。所定の範囲の周波数の電磁波が発生している空間内で食物の加熱調理を行うと、食物内への油分の浸透の抑制、食物内の水分による油はねの抑制、調理時の油温度の減少、食物の調理時間の減少とそれに伴う食用油の酸化の抑制等、優れた効果を得ることができる。また、調理された食物は、食味が非常に優れたものとなる。
【0046】
なお、本件発明のフライヤーは、電磁波の出力を投入される食物の種類、量の変化に対しても所定の出力に安定させるために駆動部を制御する出力安定部をさらに有していても良い。例えば貯油槽内に食物を投入すると、食物の水分含有量や食物の投入量によって電磁波の吸収量が異なるため、電磁波の出力が変化してしまう場合がある。電磁波の出力が変化してしまうと、調理された食物の食味を損ねてしまう場合があるため、電磁波の出力が当初設定されていたものに対して変化した場合に、出力安定部がその変化を察知して、出力を安定させる構成とすると、どのような食物であっても、またどのような分量の食物を調理する際にも安定して食物を調理し、調理された食物の優れた食味を得ることができる。
【0047】
また、本件発明のフライヤーは、駆動部の出力の大小を制御する出力制御部をさらに有していても良い。例えば調理する食物によって、調理に適切な電磁波の強度が異なる場合がある。そこで、フライヤーに出力制御部を設けることにより、どのような食物であってもその食物に適した電磁波の強度で調理を行うことができる。なお、駆動部の出力として、例えば対向平板アンテナの底面部の長さと対向平板アンテナ間の距離をそれぞれ5cmから20cmとした時に、両電極の電位差を1ボルトから50ボルト程度とすることができる。
【0048】
また、本件発明のフライヤーは、駆動部によって形成される電磁波の周波数を制御するための周波数制御部をさらに有していても良い。例えば調理する食物によって、調理に適切な電磁波の周波数が異なる場合がある。そこで、フライヤーに周波数制御部を設けることにより、どのような食物であってもその食物に適した電磁波の周波数で調理を行うことができる。
【0049】
加熱部(0104)は、貯油槽にためられた食用油を摂氏120度から摂氏200度に加熱して食物を調理するために設けられる。加熱の方法としては種々の方法を用いることが可能であるが、例えば金属パイプ内に発熱コイルを収容し、発熱コイルに電流を流すことにより熱を発生させて加熱する方法や、ガスを燃焼させて加熱する方法を用いることができる。なお、
図1に示す加熱部は貯油槽の外に設けられているが、貯油槽の中に設けられても、また貯油槽と一体として構成されても良い。
【0050】
本件発明のフライヤーは、貯油槽の食用油の温度を計測する温度計測部と、温度計測部によって計測される温度が投入される食物の種類、量の変化に対しても所定の温度となるように加熱部を制御する加熱制御部をさらに有していても良い。一例として、油に食物を投入すると、通常油温度は低下してしまう。油温度が低下してしまうと、食物の調理に時間がかかることとなり、調理された食物の食味を損ねてしまう場合がある。そこで、温度計測部により貯油槽の食用油の温度を計測しておき、食物を投入して油温度が低下した場合にも、加熱制御部により油温度を設定温度に調整するような構成とすると、油温度の低下を最小限に抑えることができ、好適である。なお、温度を計測する方法は種々の方法を用いることができる。
【0051】
また、本件発明のフライヤーに温度計測部が設けられる場合に、周波数制御部は、温度計測部で計測される温度に応じて電磁波の周波数を制御するための温度依存周波数制御手段を有していても良い。例えば油の温度に応じて食物の調理に最適な電磁波の周波数が異なる場合も考えられ、本構成を取ることによって調理された食物の食味をより優れたものとすることができる。
【0052】
また、本件発明のフライヤーに温度計測部が設けられる場合に、出力制御部は、温度計測部で計測される温度に応じて駆動部の出力の大小を制御するための温度依存出力制御手段を有していても良い。例えば油の温度に応じて食物の調理に最適な電磁波の強度は異なる場合が考えられ、本構成をとることによって調理された食物の食味をより優れたものとすることができる。
【0053】
本件発明のフライヤーは、貯油槽の食用油の酸化度(例えばTPM)を測定する酸化度センサーを有し、その際に周波数制御部は、酸化度センサーにより測定される食用油の酸化度に応じて電磁波の周波数を制御するための酸化度依存周波数制御手段を有していても良い。例えば食用油の酸化度に応じて食物の調理に最適な電磁波の周波数は異なる場合が考えられ、本構成をとることによって調理された食物の食味をより優れたものとすることができる。
【0054】
本件発明のフライヤーは、貯油槽の食用油の酸化度(例えばTPM)を測定する酸化度センサーを有し、その際に出力制御部は、酸化度センサーにより測定される食用油の酸化度に応じて駆動部の出力の大小を制御するための酸化度依存出力制御手段を有していても良い。例えば食用油の酸化度に応じて食物の調理に最適な電磁波の強度は異なる場合が考えられ、本構成をとることによって調理された食物の食味をより優れたものとすることができる。
<加熱調理方法>
【0055】
図12に本件発明の加熱調理方法の処理の流れの一例を示す。例えば本件発明の加熱調理方法として、まずステップS1201において、食用油を120度から200度の範囲に加熱する(食用油加熱ステップ)。次にステップS1202において、加熱されている食用油中に10キロヘルツから150キロヘルツの周波数の電磁波を発生させる(電磁波発生ステップ)。そして、ステップS1203において、食用油中に加熱調理の対象となる食物を投入する(食物投入ステップ)。加熱調理が終わると、食用油中から食物は取り出される。なお、本加熱調理方法は上述したフライヤーを用いて行われることが好ましいが、特に限定するものではない。所定の範囲の周波数の電磁波が発生している空間内で食物の加熱調理を行うことにより、調理された食物の食味をより優れたものとすることができる。
【0056】
図13に本件発明の加熱調理方法の処理の流れの別の一例を示す。例えば本件発明の加熱調理方法の別の一例として、まずステップS1301において、食用油を120度から200度の範囲に加熱する(食用油加熱ステップ)。次にステップS1302において、加熱されている食用油中に10キロヘルツから150キロヘルツの周波数の電磁波を発生させる(電磁波発生ステップ)。そして、ステップS1303において、食用油中に加熱調理の対象となる食物を投入する(食物投入ステップ)。そして、ステップS1304において、食用油の温度を測定する(温度測定ステップ)。そして、ステップS1305において、測定された温度に応じて電磁波の周波数又は/及び出力を制御する(第一制御ステップ)。加熱調理が終わると、食用油中から食物は取り出される。例えば食用油の温度に応じて食物の調理に最適な電磁波の周波数又は/及び温度が異なる場合も考えられ、本構成の加熱調理方法を用いて食物を調理することにより、調理された食物の食味をより優れたものとすることができる。
【0057】
図14に本件発明の加熱調理方法の処理の流れの別の一例を示す。例えば本件発明の加熱調理方法の別の一例として、まずステップS1401において、食用油を120度から200度の範囲に加熱する(食用油加熱ステップ)。次にステップS1402において、加熱されている食用油中に10キロヘルツから150キロヘルツの周波数の電磁波を発生させる(電磁波発生ステップ)。そして、ステップS1403において、食用油中に加熱調理の対象となる食物を投入する(食物投入ステップ)。そして、ステップS1404において、食用油の酸化度を測定する(酸化度測定ステップ)。そして、ステップS1405において、測定された酸化度に応じて電磁波の周波数又は/及び出力を制御する(第二制御ステップ)。加熱調理が終わると、食用油中から食物は取り出される。例えば食用油の酸化度に応じて食物の調理に最適な電磁波の周波数又は/及び温度が異なる場合も考えられ、本構成の加熱調理方法を用いて食物を調理することにより、調理された食物の食味をより優れたものとすることができる。なお、本図に示すステップの他に上述した第一制御ステップを有していてもよい。その際に、第一制御ステップと第二制御ステップの順序はどちらが先でもよく、また同時に行われていても良い。
【0058】
なお、図示しないが、本件発明の加熱調理方法の別の一例として、まず食用油を120度から200度の範囲に加熱する(食用油加熱ステップ)。次に、加熱されている食用油中に10キロヘルツから150キロヘルツの第一周波数の電磁波を発生させる(電磁波発生ステップ)。そして、食用油中に加熱調理の対象となる食物を投入する(食物投入ステップ)。そして、食物投入と同時に食用油中の電磁波の周波数を第一周波数より高い周波数とする(第一周波数変化ステップ)。もしくは第一周波数変化ステップに変えて、食物投入と同時に食用油中の電磁波の周波数を第一周波数より低い周波数とする(第二周波数変化ステップ)。本構成の加熱調理方法を用いることにより、食物投入後の食用油中の電磁波の周波数を調整することで、調理された食物の食味にバリエーションを与えることができる。
【0059】
また、図示しないが、本件発明の加熱調理方法の別の一例として、まず食用油を120度から200度の範囲に加熱する(食用油加熱ステップ)。次に、加熱されている食用油中に10キロヘルツから150キロヘルツの第一周波数の電磁波を発生させる(電磁波発生ステップ)。そして、食用油中に加熱調理の対象となる食物を投入する(食物投入ステップ)。そして、食物投入と同時に食用油中の電磁波の周波数を第一周波数より低い周波数とする(第二周波数変化ステップ)。もしくは第一周波数変化ステップに変えて、食物投入と同時に食用油中の電磁波の出力を第二出力より低い出力とする(第二出力変化ステップ)。本構成の加熱調理方法を用いることにより、食物投入後の食用油中の電磁波の出力を調整することで、調理された食物の食味にバリエーションを与えることができる。
【実施例1】
【0060】
以下の実施例1では、本件発明のフライヤーを用いて食物を調理した場合の効果を検証した。この検証では、幾つかの食材の中から、調理前後における極性化合物量の大きいイカ軟骨の唐揚げを対象として、極性化合物量(TPM)、酸価値(AV)、過酸化物価(PV)、トランス脂肪酸含有量、うま味(グルタミン酸の含有量)を評価した。
【0061】
なお、酸価値については、以下のとおりに計算している。
酸価値=A×F×5.611/B
A:0.1mol/lエタノール性水酸化カリウム溶液の滴定量(ml)
F:0.1mol/lエタノール性水酸化カリウム溶液の力値
B:試料の採取量(g)
【0062】
また、過酸化物価については、以下のとおりに計算している。
過酸化物価(meq/kg)=A×F×10/B
A:0.01mol/lチオ硫酸ナトリウム標準液の滴定量(ml)
F:0.01mol/lチオ硫酸ナトリウム標準液の力値
B:試料の採取量(g)
<調理方法>
【0063】
本件発明のフライヤーを用いて、イカ軟骨唐揚げ(冷凍、未加熱)を1日当たり6kg、5日間調理し、計30kg揚げた(調理方法2)。また、比較例として、駆動部を稼働させず対向平板アンテナ間に所定の周波数の電磁波が発生していない状態で、イカ軟骨唐揚げ(冷凍、未加熱)を同様に、1日当たり6kg、5日間調理し、計30kg揚げた(調理方法1)。そして、一日ごとに揚げた後の油をサンプルとして耐熱ビンに採取、冷凍保存し、分析サンプルとした。なお、食用油は、23リットル用い、調理過程で減少した分は随時、補充した。
<極性化合物量(TPM)>
【0064】
図3は、調理方法1及び調理方法2におけるTPM値の経時変化を示しており、
A:調理方法1
B1:調理方法2において、対向平板アンテナの内側から採取
B2:調理方法2において、対向平板アンテナの外側から採取
である。
【0065】
また、
図4も同様に、調理方法1及び調理方法2におけるTPM値の経時変化を示しており、
A:調理方法1
B':調理方法2において、対向平板アンテナの内側と外側(貯油槽内)における平均値
である。
【0066】
この結果によれば、調理方法1に比べ、調理方法2によれば、調理時間を6分から4.5分に短縮することができ、TPM値の上昇を抑えることができることが分かった。また、対向平板アンテナの内外においても、TPM値に差が生じており、対向平板アンテナの内側に食材を配置して調理することにより、高い効果を得られることが分かった。さらに、調理された食材を食した被験者の多くがおいしいと感じるTPM値17.5%に達するまでの日数を求めると、調理方法1では3日間であるが、調理方法2では、対向平板アンテナの内側の場合で6.6日間、対向平板アンテナの内外の平均値では5.3日間と推算された。したがって、駆動部を用いて所定の範囲の周波数の電磁波が発生している空間内で食物を調理することで、所定の範囲の周波数の電磁波を発生させないで調理を行う場合に比べ、2.2倍長く、おいしく食べられるTPM値17.5%以下で揚げ調理をできることが検証された。
<酸価値(AV)>
【0067】
図5は、調理方法1及び調理方法2における酸価値(AV)を示しており、
A:調理方法1
B:調理方法2
である。
【0068】
試験0日目の油のAV値は0.17であったが、5日目の油の酸価値は、調理方法1で0.28、調理方法2で0.26であった。この結果、所定の範囲の周波数の電磁波が発生している空間内で食物を調理することで、調理済みの油の酸価を0.02(AV)、調理方法1に比して7.1%抑制できることが把握された。
<過酸化物価(PV)>
【0069】
図6に示されるように、過酸化物価は、調理方法2では1.08、調理方法1では1.21であった。したがって、所定の範囲の周波数の電磁波が発生している空間内で食物を調理することで、調理済みの油の過酸化物価を0.13(PV)、調理方法1に比して10.7%抑制できることが把握された。
<トランス脂肪酸含有量>
【0070】
図7に示されるように、試験5日目の油のトランス脂肪酸量は、調理方法1で0.17g/100g、調理方法2で0.10g/100g上昇した。よって、所定の範囲の周波数の電磁波が発生している空間内で食物を調理することで、調理済みの油中のトランス脂肪酸を0.07g/100g、調理方法1の9.9%抑制できることが把握された。
<うま味(グルタミン酸の含有量)>
【0071】
うま味はグルタミン酸の含有量として検証した。HPLC分析の結果、
図8に示されるように、6分付近に見られるグルタミン酸のピークの面積値を比較したところ、調理方法2では159022、調理方法1では137741であった。よって、所定の範囲の周波数の電磁波が発生している空間内で食物を調理することで、調理方法1に比して1.2倍グルタミン酸が多く含まれていることが分かった。
【0072】
以上のとおり、所定の範囲の周波数の電磁波が発生している空間内で食物を調理することで、食材の揚げ調理において、調理時間を短縮して、長く、よりおいしく食べられるようにすることができることが明らかとなった。
【実施例2】
【0073】
以下の実施例2では、所定の周波数の電磁波を発生させることなく加熱調理を行う従来のフライヤーと、本件発明のフライヤーを用いて食物を加熱調理した場合の効果を検証した。
図9は実施例2において加熱調理を行った食物の一覧を示しており、標準的な店舗における平均的な商品構成及び量の食物を用いて6日間加熱調理を行い、油の極性化合物量(TPM)について測定を行った。
<調理方法>
【0074】
図10に実施例2での調理方法3及び調理方法4における調理条件と食用油のTPM値の経時変化を示す。従来のフライヤーを用いた調理(調理方法3)と本件発明のフライヤーを用いた調理(調理方法4)それぞれについて、毎日油の温度を8時間180℃に維持した状態で加熱調理を行った。なお、油の減少により実験3日目と5日目の実験開始前に足し油を実施した。また、TPM値は市販のテスターを用いて測定した。
<極性化合物量(TPM)>
【0075】
図11は実施例2での調理方法3及び調理方法4における食用油のTPM値の経時変化の様子をグラフにまとめたものである。この結果によれば、調理方法3に比べ、調理方法4によれば、調理された食材を食した被験者の多くが美味しいと感じるTPM値17.5%に達するまでの日数を求めると、調理方法3では約2日間であるが、調理方法4では約4~6日間と推定された。従って、本件発明のフライヤーを用いて食物の加熱調理を行うことで、従来のフライヤーを用いて食物を加熱調理する場合と比べて約2~3倍長く、おいしく食べられるTPM値17.5%以下で揚げ調理をできることが検証された。
≪実施形態2≫
【0076】
以上の実施形態1を基礎として食用油、加熱調理の対象となる食物に以下に述べる特徴を持たせることで加熱調理した食物の食感を表面はカリッと仕上げ、内部はジューシーに仕上げることができ、また油はねや、油のミストの発生を少なくできクリーンな調理環境を確保できる。
<実施例1>
【0077】
本実施例は、実施形態1の発明を基礎とし、特に実施形態1に記載の加熱調理方法を実施する場合に、さらに前記食用油には長鎖脂肪酸塩が含まれている加熱調理方法である。長鎖脂肪酸塩としては、炭素数12以上のものがあげられ、特にラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、ペンタデシル酸塩、パルチミン酸塩、パルミトレイン酸塩、マルガリン酸塩、ステアリン酸塩、オレイン酸塩、バクセン酸塩、リノール酸塩、αリノレン酸塩、γリノレン酸塩、アラキジン酸塩、アラキドン酸塩、エイコサペンタエン酸塩(EPA塩)、ドコサヘキサエン酸塩(DHA塩)などが含まれる。長鎖脂肪酸塩はカルボキシル鎖が親水基、炭化水素鎖の部分が親油基として機能する。つまり食用油中の油成分と、食用油に投入される食物の表面に存在する水成分とをなじませる働きがある。特に食物の表面に粒状に水が存在する場合にはこれらの長鎖脂肪酸塩が水の表面に整列し、さらに電磁波発生ステップにて与えられる電磁波によって長鎖脂肪酸塩が水の表面近傍で振動する。
【0078】
例えば
図15に示すラウリン酸ナトリウムの場合には親水基の部分に電磁波が働き食用油中にて振動する。
【0079】
そうすると粒状の水に接した親水基が振動するために徐々に水粒が細粒化されてゆく。この現象のためにたとえ食物を高温の食用油に投入した直後にその食物表面に粒状の水が存在したとしても瞬間的に細粒化されてゆくのでいわゆる油はね現象が生じない。さらに長鎖脂肪酸塩が食物の表面にも食物側を親水基、食用油側を親油基として配列し、食用油が食物の内部に浸透することをある程度妨げるものと考えられる。したがって、油の侵入によって食物が脂濃くなったり、食物の内部から水分が排出されることもある程度防止できていると考えられる。これらの複合作用によって、加熱調理は、食物の表面をパリッと仕上げ、食物内部の水分も保ったジューシーな仕上がりになるものと考えられる。
<実施例2>
【0080】
本実施例は、実施形態1の発明や実施形態2の実施例1の発明を基礎とし、加熱調理方法を実施する場合に、前記食用油には中鎖脂肪酸塩が含まれている加熱調理方法である。中鎖脂肪酸塩を含ませることによる作用効果は本実施形態の実施例1とほぼ同様である。中鎖脂肪酸塩の場合には長鎖脂肪酸塩と比較して炭化水素鎖が短く、したがって親油性が相対的に低くなる。したがって、食物の加熱調理が完了して食用油から引き上げる際に比較的食物表面に残留しやすくなる。ところで中鎖脂肪酸塩の代表例としては炭素数が8~10のものが該当するが、その中でも、カプリル酸塩、カプリン酸塩、ラウリン酸塩をあげることができる。
<実施例3>
【0081】
本実施例は、実施形態1の発明や実施形態2の実施例1、2の発明を基礎とし、加熱調理方法を実施する場合に、前記食用油には、長鎖脂肪酸として、不飽和脂肪酸であるオレイン酸、αリノレン酸、DHA、EPA、リノール酸、γリノレン酸、アラキドン酸、のいずれか一以上が含まれる加熱調理方法である。これらの脂肪酸があらかじめ食用油に含まれることで食用油の加水分解によってこららの長鎖脂肪酸塩を自然発生ないしは意図的にさせることができる。
<実施例4>
【0082】
本実施例は、実施形態1の発明や実施形態2の実施例1から3の発明を基礎とし、加熱調理方法を実施する場合に、前記食用油の前記脂肪酸塩を構成する原子は、カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、亜鉛、鉄である加熱調理方法を提供する。細胞の機能を維持する効果がナトリウム、カリウムに認められ、丈夫な骨や歯をつくる効果がカルシウム、マグネシウム、リンに認められ、貧血を予防する効果が鉄に認められ、成長を促進する効果が亜鉛に認められており、いずれも人体に有用な要素だからである。
<実施例5>
【0083】
本実施例は、実施形態1の発明や実施形態2の実施例1から4の発明を基礎として、加熱調理の対象となる食物は、前記脂肪酸塩を構成する原子である、カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、亜鉛、鉄のいずれか一以上を含有する食物である加熱調理方法を提供する。
【0084】
さらに、前記食用油は、加熱調理の対象となる食物として、前記脂肪酸塩を構成する原子である、カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、亜鉛、鉄のいずれか一以上を含有する食物の調理を少なくとも過去に一度以上行ったことがある再利用の食用油加熱調理方法である。
【0085】
食物中のこららの原子が加熱された食用油中の脂肪酸の加水分解とともに塩を生成するように仕向けるためである。例えばカリウムを多く含む食物としてはイモ類、でんぷん類をあげることができる。
【0086】
カルシウムを多く含む食物としては、砂糖や野菜類をあげることができる。野菜としては、キュウリ、ナス、ピーマン、サヤエンドウ、サヤインゲン、ササゲ、オクラ、スイカ、メロン、シロウリ、カボチャ、トマト、トウガラシ、完熟ピーマン、イチゴ、実エンドウ、ソラマメ、エダマメ、スイートコーン、インゲンマメ、ソラマメ、タイサイ、コマツナ、タカナ、ホウレンソウ、キクナ、ネギ、ワケギ、セロリ、ハクサイ、キャベツ、メキャベツ、レタス、タマネギ、ニンニク、ラッキョウ、アスパラガス、ウド、コールラビ、タケノコ、ブロッコリー、マツタケ、シイタケ、ヒラタケ、エノキタケ、マッシュルーム、ダイコン、カブ、ニンジン、ゴボウ、サツマイモ、ヤマイモ、ジネンジョ、ジャガイモ、サトイモ、レンコン、クワイ、チョロギ、オニユリ、ヤマユリなどをあげることができる。
【0087】
鉄を多く含む食物としては、貝類をあげることができる。赤貝、あさり、アワビ、かき、シジミ、タニシ、はまぐり、ほたて、などである。
【0088】
リンは魚介類、きのこ類に多く含まれている。
【0089】
亜鉛も貝類に多く含まれている。特にかきには多く含まれている。
<実施例6>
【0090】
本実施例は、実施形態1の発明や実施形態2の実施例1から5の発明を基礎として、前記食用油には、中鎖脂肪酸としてカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸のいずれか一以上が含まれている加熱調理方法である。
【0091】
中鎖脂肪酸塩の代表例としては炭素数が8~10のものが該当するが、その中でも、カプリル酸塩、カプリン酸塩、ラウリン酸塩をあげることができる。これらは人体の腸での消化、吸収に消化酵素の助けを必要としないので長鎖脂肪酸よりも吸収が数倍早く、またエネルギー代謝の速度も数倍以上速い。これらは体内でケトン体という人体のエネルギー源となり、体に蓄積されにくいという性質を持っている。さらにケトン体はアルツハイマー病をはじめとした変性した神経細胞のエネルギー源となるためにこれらの病状の改善効果があるといわれている。つまり、中鎖脂肪酸塩の出発原料となるものを食用油に含むように構成すると健康にも好ましい加熱調理が可能となる。
<実施例7>
【0092】
本実施例は、実施形態1の発明や実施形態2の実施例1から5の発明の実施に適した食用油、食用油添加剤を提案する。第一に長鎖脂肪酸塩である、ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、ペンタデシル酸塩、パルチミン酸塩、パルミトレイン酸塩、マルガリン酸塩、ステアリン酸塩、オレイン酸塩、バクセン酸塩、リノール酸塩、αリノレン酸塩、γリノレン酸塩、アラキジン酸塩、アラキドン酸塩、エイコサペンタエン酸塩(EPA塩)、ドコサヘキサエン酸塩(DHA塩)のいずれか一以上を含む食用油を提案する。
【0093】
さらに、長鎖脂肪酸塩である、ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、ペンタデシル酸塩、パルチミン酸塩、パルミトレイン酸塩、マルガリン酸塩、ステアリン酸塩、オレイン酸塩、バクセン酸塩、リノール酸塩、αリノレン酸塩、γリノレン酸塩、アラキジン酸塩、アラキドン酸塩、エイコサペンタエン酸塩(EPA塩)、ドコサヘキサエン酸塩(DHA塩)のいずれか一以上を含む食用油用添加剤を提案する。
【0094】
さらに、中鎖脂肪酸塩である、カプリル酸塩、カプリン酸塩、ラウリン酸塩のいずれか一以上を含む食用油を提案する。
【0095】
さらに、中鎖脂肪酸塩である、カプリル酸塩、カプリン酸塩、ラウリン酸塩のいずれか一以上を含む食用油用添加剤を提案する。
【0096】
またこれらの食用油や食用油添加剤に含有される塩を構成する元素は、カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、亜鉛、鉄のいずれか一以上を選択することが好ましい。人体に有益だからである。
【符号の説明】
【0097】
0101:貯油槽
0102:対向平板アンテナ
0103:駆動部
0104:加熱部
0111:底面部
0112:垂立部
0113:端子