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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-15
(45)【発行日】2022-03-24
(54)【発明の名称】容器処理装置
(51)【国際特許分類】
   B65C 3/14 20060101AFI20220316BHJP
【FI】
B65C3/14
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2017127424
(22)【出願日】2017-06-29
(65)【公開番号】P2019011074
(43)【公開日】2019-01-24
【審査請求日】2020-05-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000253019
【氏名又は名称】澁谷工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100156199
【弁理士】
【氏名又は名称】神崎 真
(72)【発明者】
【氏名】寺岡 達利
(72)【発明者】
【氏名】谷 智英
【審査官】加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-367432(JP,A)
【文献】特開2007-230591(JP,A)
【文献】特開2014-205515(JP,A)
【文献】特開2006-199318(JP,A)
【文献】特開2006-143262(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0033668(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65C 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転自在に設けられた回転体と、該回転体の円周方向等間隔位置に回転自在に設けられて、容器を支持して搬送する複数の載置台と、各載置台の上方に設けられ、容器に上方から当接して押圧するトップロケータと、各載置台に設けられて、容器の底部と係合することで載置台と容器とを所定の位置関係に位置決めする係合部と、各載置台毎に設けられて、各載置台を独立して回転させる回転駆動機構と、載置台上の容器を撮影するカメラと、上記回転駆動機構の作動を制御する制御装置とを備え、
回転体の回転中に供給位置で各載置台上に容器を供給し、回転体の回転に伴って載置台に支持した容器を上記供給位置から下流側へ搬送するようにした容器処理装置であって、
上記容器の上端にはキャップが螺着されており、該キャップには、ヒンジによって開閉可能な蓋部が設けられるとともに、該蓋部におけるヒンジから円周方向に180°ずれた位置にツバ部が形成され、また、容器の底部には直径方向の直線状のリブが形成されており、
上記載置台は、容器の底部を支持する載置部と、該載置部を上方へ付勢する付勢部材と、上記載置部の内周側に設けられ、上記リブに係合する上記係合部が設けられた板状部材とを備え、
上記供給位置の搬送方向の下流側に順次、第1位置決めゾーン、検出ゾーン及び第2位置決めゾーンを設けて、
上記供給位置において、上記載置部の上面を、上記係合部の上端よりも上方の高さに位置させた状態で載置部により容器の底部を支持させ、
第1位置決めゾーンにおいて、上記トップロケータにより上記容器および上記載置部を下方へ押圧して、該載置部に対して係合部を相対的に上昇させるとともに、上記制御装置は上記回転駆動機構を介して載置台を所要角度回転させて、上記係合部を上記リブと係合させて、該載置台とそれに支持した容器を所定の位置関係となるように位置決めし、
上記検出ゾーンにおいて、上記カメラは、上記第1位置決めゾーンで位置決め済みの載置台上の容器を撮影し、
第2位置決めゾーンにおいて、上記制御装置は、上記カメラが撮影した容器の画像に基づいて回転駆動機構を介して載置台を所要量回転させて、上記容器に螺着されたキャップのツバ部が所定方向に向くように載置台上の容器を位置決めすることを特徴とする容器処理装置。
【請求項2】
第2位置決めゾーンよりも搬送方向の下流側となる嵌装ゾーンにおいて、上記ツバ部と円筒状のフィルムラベルの正面が特定の位置関係となるように、上記載置台上の容器に円筒状のフィルムラベルを嵌装することを特徴とする請求項1に記載の容器処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は容器処理装置に関し、より詳しくは、例えば容器を搬送しながら該容器に円筒状のフィルムラベルを嵌装する場合に好適な容器処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、容器を搬送しながら該容器にフィルムラベルを装着するようにしたラベル嵌装装置は知られている(例えば特許文献1、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第4802865号公報
【文献】特許第5434750号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のラベル嵌装装置においては、処理対象となる容器がペットボトルであるため、容器の上端に螺着されたキャップの向きと、容器に装着された際のフィルムラベルの文字等との位置関係について特に配慮する必要はなかった。
ところで、近年、容器の上端に螺着されたキャップのツバ部と、容器に装着された際のフィルムラベルの文字(例えば商品名)とを所定の位置関係となるように揃えることが要求されている。例えば、図6に示すように、キャップ5のツバ部5Dが左方に位置し、フィルムラベルLに印刷された商品名Laが正面を向くように、容器2にフィルムラベルLを装着することが要求される場合がある。
しかしながら、上記従来のラベル嵌装装置では、このような要求に対応することは想定されておらず、そのような要求に対応できないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した事情に鑑み、本発明は、回転自在に設けられた回転体と、該回転体の円周方向等間隔位置に回転自在に設けられて、容器を支持して搬送する複数の載置台と、各載置台の上方に設けられ、容器に上方から当接して押圧するトップロケータと、各載置台に設けられて、容器の底部と係合することで載置台と容器とを所定の位置関係に位置決めする係合部と、各載置台毎に設けられて、各載置台を独立して回転させる回転駆動機構と、載置台上の容器を撮影するカメラと、上記回転駆動機構の作動を制御する制御装置とを備え、
回転体の回転中に供給位置で各載置台上に容器を供給し、回転体の回転に伴って載置台に支持した容器を上記供給位置から下流側へ搬送するようにした容器処理装置であって、
上記容器の上端にはキャップが螺着されており、該キャップには、ヒンジによって開閉可能な蓋部が設けられるとともに、該蓋部におけるヒンジから円周方向に180°ずれた位置にツバ部が形成され、また、容器の底部には直径方向の直線状のリブが形成されており、
上記載置台は、容器の底部を支持する載置部と、該載置部を上方へ付勢する付勢部材と、上記載置部の内周側に設けられ、上記リブに係合する上記係合部が設けられた板状部材とを備え、
上記供給位置の搬送方向の下流側に順次、第1位置決めゾーン、検出ゾーン及び第2位置決めゾーンを設けて、
上記供給位置において、上記載置部の上面を、上記係合部の上端よりも上方の高さに位置させた状態で載置部により容器の底部を支持させ、
第1位置決めゾーンにおいて、上記トップロケータにより上記容器および上記載置部を下方へ押圧して、該載置部に対して係合部を相対的に上昇させるとともに、上記制御装置は上記回転駆動機構を介して載置台を所要角度回転させて、上記係合部を上記リブと係合させて、該載置台とそれに支持した容器を所定の位置関係となるように位置決めし、
上記検出ゾーンにおいて、上記カメラは、上記第1位置決めゾーンで位置決め済みの載置台上の容器を撮影し、
第2位置決めゾーンにおいて、上記制御装置は、上記カメラが撮影した容器の画像に基づいて回転駆動機構を介して載置台を所要量回転させて、上記容器に螺着されたキャップのツバ部が所定方向に向くように載置台上の容器を位置決めすることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
このような構成によれば、載置台で容器を搬送しながら、該容器に螺着されたキャップのツバ部が所定位置に位置するように容器を位置決めすることができる。そのため、例えばラベル嵌装装置に本発明を適用した場合には、容器に螺着されたキャップのツバ部の向きを所定方向に向けた状態で、該容器にフィルムラベルを嵌装することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一実施例を示す平面図。
図2図1の要部の拡大図。
図3図1の実施例による容器の位置決めとフィルムラベルの嵌装までの処理工程を示す図。
図4図2のIV―IV線に沿う要部の断面図。
図5図4の要部の平面図。
図6図2に示す容器の側面図。
図7図6の容器の平面図。
図8図6の容器の底面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図示実施例について本発明を説明すると、図1ないし図3において、1は容器処理装置としての回転式のラベル嵌装装置である。このラベル嵌装装置1は、正立状態の容器2を回転体3の各載置台4に支持して搬送するとともに、搬送中に載置台4を所要角度自転させることで容器2の向きを所定方向に位置決めできるようになっており、そのように位置決めされた容器2に円筒状のフィルムラベルLを被せて装着するようになっている。
ラベル嵌装装置1は、図示しない駆動源によって反時計方向に回転される回転体3と、回転体3の外周部における円周方向等間隔位置に設けられて容器2が載置される複数の載置台4と、各載置台4の上方側に開閉可能に設けられて円筒状のフィルムラベルLを保持する保持手段6と、各載置台4の上方側に昇降可能、かつ回転可能に設けられて容器2を上方から抑えるトップロケータ7と、載置台4上の容器2を側方から撮影するカメラ8と、上記駆動源及びその他の駆動機構等の作動を制御する制御装置9とを備えている。
【0009】
回転体3が反時計方向(矢印方向)に連続的に回転される際の載置台4の移動過程には、上流側から順にラベル供給位置A、容器供給位置Bおよび排出位置Cが形成されている。また、図2に示すように、容器供給位置Bから排出位置Cへの移動領域には、第1位置決めゾーンZ1、検出ゾーンZ2、第2位置決めゾーンZ3及び嵌装ゾーンZ4が順次設けられている。
ラベル供給位置Aには、ラベル供給手段11が配置されており、その隣接位置には帯状のフィルムラベルLを巻回したラベルロール12が配置されている。回転体3が反時計方向に回転される際に、ラベル供給手段11はラベルロール12からフィルムラベルLを取り出して所定長さに切断するとともに円筒状に成形し、該円筒状のフィルムラベルLをラベル供給位置Aの保持手段6に順次供給するようになっている。
一対の円弧状部材からなる保持手段6は、載置台4の上方となる所定高さで回転体3に支持されるとともに、内面に負圧が作用されている際に円筒状のフィルムラベルLを吸着・保持することができ、内面への負圧の供給が停止されるとフィルムラベルLの保持状態を解放するようになっている。具体的には、ラベル供給位置Aから排出位置Cの少し手前までの載置台4の移動領域では、保持手段6の内面に負圧が作用してフィルムラベルLが保持手段6により吸着・保持されるようになっており、排出位置Cの少し手前の嵌装ゾーンZ4と排出位置Cでは保持手段6の内面への負圧の供給が停止されるようになっている。
ラベル供給位置Aにおいて、ラベル供給手段11から各保持手段6に円筒状のラベルLが供給されると、円筒状のフィルムLはその長手方向が鉛直方向となるように保持手段6に保持されるようになっている。なお、保持手段6の構成は、上記特許文献1、2等で公知であり詳細な説明は省略する。
【0010】
容器供給位置Bには、供給スターホイール13が配置されており、その隣接位置に供給コンベヤ14及びタイミングスクリュー15が配置されている。
キャップ5が螺着された正立状態の容器2が供給コンベヤ14に供給されると、各容器2は供給コンベヤ14によって供給スターホイール13に向けて搬送されつつタイミングスクリュー15に係合する。回転体3の回転に伴って各載置台4が容器供給位置Bに位置すると、供給スターホイール13によって容器2が正立状態で載置台4上に供給されるようになっている。この時には載置台4上の容器2の上方側の保持手段6によって既にフィルムラベルLが保持されている(図3(a)参照)。
【0011】
図3に示すように、載置台4の上方位置には、回転可能かつ昇降可能に丸棒状のトップロケータ7が設けられており、このトップロケータ7は、カムとカムフォロワからなる図示しない昇降機構によって、回転体3が回転する際の載置台4の移動領域に応じて所定量、昇降されるようになっている。
具体的には、排出位置Cから容器供給位置Bまでの載置台4の移動領域では、トップロケータ7は保持手段6よりも上方となる上昇端に位置している(図3(g)参照)。そのため、上記ラベル供給位置Aにおいてはトップロケータ7に干渉することなく、上記ラベル供給手段11によって保持手段6にフィルムラベルLを供給できるようになっている。
他方、容器供給位置Bとそこから第2位置決めゾーンZ3までの移動領域においては、トップロケータ7が、保持手段6とそれに保持された円筒状のフィルムラベルL内を貫通し、載置台4上の容器2の上端(キャップ5)に当接してそれを押し下げる下降端まで下降されるようになっている(図3(a)~図3(d)参照)。その後、嵌装ゾーンZ4においては、載置台4とトップロケータ7とで容器2を上下から挟持した状態において、トップロケータ7、載置台4及び容器2が一体となって所定量、上昇されてから再度下降端まで下降される。その際に保持手段6への負圧の供給が停止される。それにより、容器2に円筒状のフィルムラベルLが嵌装されるようになっている(図3(e)、図3(f))。
その後、排出位置Cにおいてはトップロケータ7が保持手段6よりも上方となる上昇端まで上昇されて容器2上端のキャップ5から離隔するようになっている(図3(g))。なお、トップロケータ7及び載置台4を所要位置で昇降させる昇降機構の構成は上記特許文献1、2等で公知であり、詳細な説明は省略する。
排出位置Cには排出スターホイール16が配置されており、円筒状のフィルムラベルLが嵌装された容器2は、排出スターホイール16により載置台4上から排出されて排出コンベヤ17上に移送されるようになっている。その後、排出コンベヤ17によって搬送された容器2は図示しない下流側の加熱ゾーンに導入されるようになっており、そこで、円筒状のフィルムラベルLが熱により収縮して容器2の外面に密着するようになっている。
【0012】
ここで、ラベル嵌装装置1の処理対象となる容器2とそれに嵌装されるフィルムラベルLについて説明する。
図6ないし図8に示すように、容器2は、その下方側となる胴部2Aよりも上方側の部分が縮径された略円錐状に形成されている。容器2の上端外周部にねじ部2Bが形成されており、そこにキャップ5が螺着されている。容器2の底部2Cの内方部は球面状凹部となっており、そこに直径方向の直線状のリブ2Dが形成されている。
この容器2は、内部に液体が充填されてからねじ部2Bにキャップ5が螺着されるようになっており、その後に正立状態において上記供給コンベヤ14に供給されるようになっている。
キャップ5は、内周面にめねじ部が形成されて上記容器2のねじ部2Bに螺着される円筒状の本体部5Aと、この本体部5Aの上端にヒンジ5Bを介して開閉可能に設けられた円形の蓋部5Cを備えている。蓋部5Cにおけるヒンジ5Bから円周方向に180°ずれた位置にツバ部5Dが突設されている。つまり、ヒンジ5Bとツバ部5Dは、蓋部5Cの直径方向の同一直線上に形成されている。蓋部5Cの開放状態で容器2が傾けられると、本体部5Aの上面の注ぎ口から液体を注ぐことができるようになっている。
キャップ5の本体部5Aが容器2のねじ部2Bに完全に螺着された状態では、容器2の底部2Cの直線状のリブ2Dと、キャップ5におけるヒンジ5Bとツバ部5Dを結ぶ直径方向の仮想の直線LXが、平面で見た際に一致する(重合する)ようになっている。このように、ラベル嵌装装置1の処理対象となる容器2は上端にキャップ5が螺着されており、容器2に螺着されたキャップ5の向き(ツバ部5D、ヒンジ5Bの位置)と底部2Cのリブ2Dとが上述した位置関係となっている。本実施例では、そのキャップ5が螺着された容器2に上方側から円筒状のフィルムラベルLを装着するようになっている(図6参照)。
【0013】
次に、円筒状のフィルムラベルLはシュリンクラベルとも称されており、帯状のフィルムラベルLがラベルロール12に巻回されている(図1参照)。前述したように、ラベル供給手段11によりラベルロール12からフィルムラベルLが取り出されて所定長さに切断された後に円筒状に成形されるようになっており、円筒状のフィルムラベルLはラベル供給位置Aで各保持手段6に供給されるようになっている(図3(a)参照)。
図6に示すように、円筒状をしたフィルムラベルLの上下方向寸法(全長)は、実質的にキャップ5が螺着された容器2全体の上下方向寸法及び保持手段6の上下方向寸法と同一であり、円筒状となったフィルムラベルLの内径は、容器2の下方側となる胴部2Aの最大径よりも僅かに大きな寸法となっている。
このフィルムラベルLの外面の円周方向の所定位置には、例えば商品名Laが大きな文字で印刷されており、その部分がフィルムラベルLの正面となっている。
本実施例においては、ラベル供給位置Aでラベル供給手段11が保持手段6にフィルムラベルLを供給する際には、その正面となる商品名Laが回転体3の放射方向外方側を向くようになっている。そのため、保持手段6に保持されたフィルムラベルLは、その商品名Laが回転体3の放射方向外方を向けた状態となっており、その状態で容器2に被せられるようになっている。
本実施例においては、この図6に示すように、フィルムラベルLの正面となる商品名Laが正面を向き、かつ、容器2側のキャップ5のツバ部5Dが左方側に位置するように、フィルムラベルLを容器2に嵌装するようにしている。
そのために、後に詳述するように、容器供給位置Bの下流側となる載置台4の移動領域に第1位置決めゾーンZ1、検出ゾーンZ2、第2位置決めゾーンZ3を設けてあり、載置台4に容器2が供給された後に両位置決めゾーンZ1、Z2で載置台4を2度にわたって回転させて(自転させて)、容器2のツバ部5Dの向きが搬送方向(移動方向)の下流側へ向くように位置決めするようにしている。
【0014】
次に、容器2を支持して回転可能な載置台4とそれを回転させる回転機構及び昇降機構について説明する。
図4ないし図5に示すように、回転体3の外周部の円周方向等間隔位置に鉛直方向の昇降軸22が昇降自在に設けられており、この昇降軸22に支持板23の基部が水平に固定されている。そして、この支持板23の先端部に載置台4が回転自在に設けられている。
昇降軸22は、カム溝とカムフォロワとからなる図示しない昇降機構によって昇降されるようになっており、回転体3の回転に伴って各載置台4が移動される際に、上記昇降軸22と昇降機構を介して各載置台4が昇降されるようになっている。具体的には、各載置台4は、嵌装ゾーンZ4において下降端の位置から上昇端まで上昇された後に再度下降端に位置に復帰するようになっている(図3(d)~図3(f)参照)。他方、排出位置Cを含めたその他の載置台4の移動領域においては、各載置台4は下降端に位置するようになっている(図1図3(a)~図3(d))。
そして、容器供給位置Bにおいて、下降端に位置している載置台4上に容器2が正立状態で、かつツバ部5Dの向きが特定されない状態で供給されるようになっている。なお、載置台4を昇降させる昇降機構の構成は、上記特許文献1、特許文献2等により公知であり、詳細な説明は省略する。
【0015】
載置台4は、外周部の一部を支持板23に固定された環状支持部4Aと、この環状支持部4Aの内周部に回転自在に嵌合されたカップ状の回転部4Bと、上端が容器2を支持するツバ状の載置面として形成されるとともに、下方の円筒部が環状支持部4Aと回転部4Bとの間の環状溝4Cに摺動自在に嵌合された載置部4Dと、載置部4Dの下端と環状支持部材4Aとの間に配置された圧縮ばね24と、載置部4Dの内周側に、圧縮ばね25を介して回転部4Bの上端部に被せるように設けられた円板4Eと、この円板4Eの上面に突設された一対の係合部4F、4Fを備えている。
回転部4Bの底部中央に回転軸27の上端が固定されており、この回転軸27及び回転部4Bは、支持板23の鉛直方向の軸受孔23Aによって回転自在に軸支されている。回転軸27の下端の外周部にギヤ28が嵌着されており、このギヤ28はサーボモータ29側のギヤ30に噛み合っている。サーボモータ29の作動は制御装置9によって制御されるようになっており、所要時に制御装置9がサーボモータ29を回転駆動させると、ギヤ30、28と回転軸27を介して回転部4B、円板4E及び係合部4F、4Fを回転させる(自転させる)ことができるようになっている。
【0016】
図5に示すように、係合部4F、4Fは同一寸法の板状に形成されており、それらは円板4Eの上面の直径方向に沿って平行に配置されている。両係合部4F、4Fの内壁面は平坦面となっており、それらは円板4Eの中央側において相互に対向している。両係合部4Fの内壁面の間に直径方向の係合溝4Faが形成されており、この係合溝4Faを容器2のリブ2Dに係合させることができるようになっている。
載置部4Dに容器2が載置されていないか、又は容器2が載置されただけで上方側からトップロケータ7によって押し下げられていない非押圧状態では、圧縮ばね24によって載置部4Bは環状支持部4Aに対して上昇端に位置している。この時、円板4E及びそれに設けた係合部4F、4Fは、環状支持部4Aに対して上昇端に位置している。この非押圧状態では、各載置台4の円板4Eは上記係合部4F、4F(係合溝4Fa)が回転体3の放射方向と同一方向に位置するようになっている。つまり、排出位置Cから供給位置Aまでの載置台4の移動領域においては、載置台4は非押圧状態となっている。
この非押圧状態では、載置部4Bの上面(容器2を載置する載置面)は、係合部4F、4Fの上端よりも少し上方の高さに位置している。つまり、係合部4F、4Fの上端は、載置部4Bの上面よりも少し下方に退没しており、係合部4F、4F(係合溝4Fa)は回転体3の放射方向に維持されるようになっている。そのため、容器供給位置Bにおいては、予め係合部4F、4F(係合溝4Fa)が回転体3の放射方向となった状態の載置台4に容器2が供給されるようになっている(図4図5図3(a)参照)。
【0017】
以上の構成において、容器2は以下のようにして容器供給位置Bの載置台4に供給された後、その後の搬送中において以下のようにして位置決めされるようになっている。
先ず、回転体3の矢印方向の回転に伴って容器供給位置Bにおいて各載置台4に供給スターホイール13から容器2が供給される(図1図2)。その際には、前述したように、載置台4における係合部4F、4F(係合溝4Fa)は回転体3の放射方向となっており、係合部4F、4Fよりも載置部4Dが上方に位置している。その非押圧状態の載置台4に正立状態の容器2が支持される(図2図3(a)、図4参照)。この時点では、載置台4上の容器2の上方側となる保持手段6は既に円筒状のフィルムラベルLを保持している。なお、前述したように、ラベル供給位置Aでラベル供給手段11が保持手段6にラベルLを供給する際には、円筒状のフィルムラベルLの商品名La(正面)が回転体3の放射方向の外方側を向けるようになっており、そのように保持位置を位置決めされたフィルムラベルLが保持手段6に保持されている。
容器2を支持した載置台4が第1位置決めゾーンZ1に移動すると、トップロケータ7が下降端まで下降されるので、トップロケータ7の下端部が容器2(キャップ5)に当接して、容器2及び載置台4を下方に向けて押圧する。それと同時に制御装置9によってサーボモータ29が回転駆動されて、載置台4の円板4C及び係合部4F、4Fが反時計方向に210°回転される(図2図3(a)、図3(b))。
これにより、載置台4の圧縮ばね24が圧縮されるとともに、相対的に係合部4F、4Fが載置部4Dに対して上昇されることで、容器2の底部2Cのリブ2Dに載置台4側の係合部4F,4F(係合溝4Fa)が係合する(図2図3(a)、図3(b)参照)。つまり、載置部4Dに容器2の底部4Cの外周部が支持された状態において、底部2Cの凹部内に係合部4F、4Fが突出し、係合溝4Faにリブ2Dが係合する。この状態は、平面で見たときに、キャップ5のツバ5D部とヒンジ5Bとを結ぶ直径方向の仮想の直線LXと、容器2のリブ2D及び両係合部4F、4F間の係合溝4Faが、回転体3の放射方向の一直線上で重合した状態となる。
これにより、第1位置決めゾーンZ1において、載置台4の移動方向(搬送方向)に対して直交する方向に、ヒンジ部5Bまたはツバ部5Dが位置決めされる(図2図3(c))。そして、このように位置決めされた状態では、容器2のリブ2Dは係合部4F、4Fと係合しており、この状態となれば、サーボモータ29により回転部4Bを回転させることで係合部4F、4Fとリブ2Dを介して載置部4D上に支持された容器2を回転させることができる。
【0018】
次に、第1位置決めゾーンZ1で上述したように位置決めされた容器2を支持した載置台4が、検出ゾーンZ2、第2位置決めゾーンZ3に順次移動すると、載置台4上の容器2がカメラ8によって撮影され、その容器2の画像は制御装置9へ送信される(図3(C))。検出ゾーンZ2の容器2は、カメラ8の正面となる位置にツバ部5D又はヒンジ5Bが位置決めされているので、カメラ8で撮影された容器2の画像にはツバ部5D又はヒンジ5Bが撮影されている。
すると、制御装置9は、カメラ8から送信された容器2の画像を確認して、容器2の画像にツバ部5Dが撮影されていた時には、第2位置決めゾーンZ2内で、サーボモータ29を介して載置台4の回転部4B、円板4Bを反時計方向に270°回転させて、載置台4上の容器2を270°回転させる(図2図3(d))。他方、制御装置9は、カメラ8から送信された容器2の画像を確認して、容器2の画像にヒンジ5Bが撮影されていた時には、サーボモータ29を介して回転部4B、円板4Bを反時計方向に90°回転させて、載置台4上の容器2を反時計方向に90°回転させる。これにより、図2に示すように、ツバ部5Dが搬送方向の下流側に向くように載置台4上の容器2が位置決めされる。
このように、本実施例では、先ず、第1位置決めゾーンZにおいて、容器2のツバ部5Dとヒンジ5Bが回転体3の放射方向の一直線上となるように位置決めし、カメラ8で容器2を撮影した際にツバ部5D又はヒンジ5Bが正面から撮影されるように位置決めする。そして、カメラ8で撮影した画像において、ツバ部5D又はヒンジ5Bのいずれが撮影されているかによって、90°又は270°載置台4上の容器2を回転させるようになっている。それにより、ツバ部5Dが搬送方向の下流側に向くように載置台4上の容器2が位置決めされるようになっている。
この後、位置決め済みの容器2を載置した載置台4が嵌装ゾーンZ4に移動すると、容器2を支持した載置台4及び容器2を抑えたトップロケータ7が一体となって所定量、上昇されることで、容器2が保持手段6側のフィルムラベルL内に下方側から挿入される(図3(e))。この時、ラベルLは、その商品名La(正面)が回転体3の放射方向外方を向けた状態で保持手段6に保持されており、その状態のフィルムラベルLが容器2に嵌装される。つまり、図6に示すように、ツバ部5Dが左方に向けて、かつ、フィルムラベルLの商品名Laが正面を向いた状態で、容器2にフィルムラベルLが嵌装される。この時点で、保持手段6への負圧の供給が停止されて、保持手段6によるフィルムラベルLの保持状態は解除される。
この後、嵌装ゾーンZ4の終わりの領域において、フィルムラベルLが嵌装された容器2、載置台4及びトップロケータ7が元の下降端まで下降され、その後、排出位置Cではトップロケータ7が上昇端まで上昇されて容器2(キャップ5)から離隔する(図3(f)、図3(g))。
この直後、フィルムラベルLが嵌装された容器2は、排出位置Cにおいて排出ホイール16により載置台4から排出されるようになっている。この後、排出コンベヤ21によって容器2が図示しない加熱装置に搬入されると、円筒状のフィルムラベルLが熱で収縮して容器2の外周面に密着するようになっている。
【0019】
以上のように、本実施例においては、各載置台4毎にサーボモータ29を配置してあり、制御装置9は各載置台4用のサーボモータ29の作動を個別に制御するようになっている。そして、第1位置決めゾーンZ1から第2位置決めゾーンZ3において、サーボモータ29を介して載置台4を所要角度、2度にわたって回転させることで載置台4上の容器2を上述したように位置決めすることができる。そして、そのように位置決めされた容器2に円筒状のフィルムラベルLを上述した位置関係となるように嵌装することができる。
したがって、回転体3に設けた載置台4上に容器2を支持して搬送しながら、高速で容器2の位置決め及び該容器2へのフィルムラベルLの嵌装を行うことができる。
【0020】
なお、上記実施例においては、検出ゾーンZ2内の容器2をカメラ8で撮影して、撮影画像においてツバ部5D又はヒンジ5Bを確認するようにしている。しかしながら、上述したようにカメラ8に対してツバ部5D又はヒンジ部5Bが正対する場合だけでなく、その他の方向を容器2が向けた場合であっても、カメラ8で撮影した画像を基にして所要の画像処理を行うことにより、撮影対象となった容器2のツバ部5D、又はヒンジ5Bの円周方向での位置ずれ角度を検出し、それを基にして載置台4を所要量回転させて位置決めするようにしても良い。
また、上記実施例は、本発明を容器処理装置としての回転式のラベル嵌装装置1に適用した場合について説明しているが、容器2の向きを特定方向に向けて容器2に何らかの処理を施すようにしたその他の回転式の容器処理装置にも本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0021】
1‥ラベル嵌装装置(容器処理装置) 2‥容器
3‥回転体 4‥載置台
5‥キャップ 5B‥ヒンジ
5D‥ツバ部 8‥カメラ
9‥制御装置 B‥容器供給位置
L‥フィルムラベル La‥商品名
Z1‥第1位置決めゾーン Z2‥検出ゾーン
Z3‥第2位置決めゾーン Z4‥嵌装ゾーン
図1
図2
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図5
図6
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図8