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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-15
(45)【発行日】2022-03-24
(54)【発明の名称】グミキャンディセット
(51)【国際特許分類】
   A23G 3/34 20060101AFI20220316BHJP
【FI】
A23G3/34 101
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2017223510
(22)【出願日】2017-11-21
(65)【公開番号】P2019092414
(43)【公開日】2019-06-20
【審査請求日】2020-11-05
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成29年5月29日、カンロ株式会社が、株式会社セブン・イレブン・ジャパンを通して、自社商品「クンデミーナ」を発売。
(73)【特許権者】
【識別番号】391004218
【氏名又は名称】カンロ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(74)【代理人】
【識別番号】100196313
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 大輔
(72)【発明者】
【氏名】岩堀 翔大
(72)【発明者】
【氏名】塩松 洋造
(72)【発明者】
【氏名】菊田 智之
(72)【発明者】
【氏名】加来 俊治
【審査官】飯室 里美
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/151407(WO,A1)
【文献】国際公開第2006/082831(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/132586(WO,A1)
【文献】日本グミ協会 - 投稿 |Facebook [online],2017.6.7, [Retrieved on 2021.9.2],https://www.facebook.com/JapanGummysAssociation/posts/1894961124117150/
【文献】日本のグミの世界へようこそ!食べたらやみつきになる人気のグミまとめ| MATCHA - 訪日外国人観光客向けWebマガジン [online],2017.7.9, [Retrieved on 2021.9.2],https://matcha-jp.com/jp/4620?page=2
【文献】クンデミーナ カンロ -食感命 ほぼグミブログ [online],2017.6.3, [Retrieved on 2021.9.2],https://www.foodtexture-life.com/entry/2017/06/03/140000
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23G 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに組付可能な複数のグミキャンディからなるグミキャンディセットにおいて、
各グミキャンディは、nを任意の自然数として、
(2n+2)角柱の形状に形成された基部と、
上記基部のほぼ2倍の高さを有する四角柱の形状に形成された(n+1)個の柱状部であって、各柱状部の1つの側面が、上記基部の1つおきの(n+1)個の側面のうちの1つと整合するように配置された、(n+1)個の柱状部と、
が面一の底面を有するように一体化された形状を有し、
上記柱状部が配置されている上記基部の側面においては上記柱状部からなる凸状の係合手段を有し、
上記柱状部が配置されていない上記基部の側面においては上記柱状部間の隙間からなる凹状の係合手段を有し、
2つのグミキャンディの上記底面の反対側が互いに近づけられるときに上記凸状の係合手段と上記凹状の係合手段との各々が相補的な係合手段として互いに係合し得る寸法に形成されていることを特徴とする、グミキャンディセット。
【請求項2】
上記(2n+2)角柱が、正(2n+2)角柱であることを特徴とする、請求項1に記載のグミキャンディセット。
【請求項3】
上記柱状部が台形柱の形状に形成されており、該台形柱における平行な2つの側面のうち面積の小さい方の側面が上記基部の1つの側面と整合するように配置されていることを特徴とする、請求項2に記載のグミキャンディセット。
【請求項4】
互いに組付可能な複数のグミキャンディからなるグミキャンディセットにおいて、
各グミキャンディは、
請求項3に記載の台形柱の形状に形成された柱状部を有する1つのグミキャンディを1つのユニットとした場合において、各ユニットに含まれる1つの台形柱における平行な2つの側面のうち面積の大きい方の側面どうしが接面するように、2つのユニットが一体化された形状を有することを特徴とする、グミキャンディセット。
【請求項5】
互いに組付可能な複数のグミキャンディからなるグミキャンディセットにおいて、
各グミキャンディは、nを任意の自然数として、
(2n+2)角柱の形状に形成された基部と、
上記基部のほぼ2倍の高さを有する(n+1)個の柱状部であって、各柱状部の1つの側面が、上記基部の1つおきの(n+1)個の側面のうちの1つと整合するように配置された、(n+1)個の柱状部と、
が面一の底面を有するように一体化された形状を有し、
平面視で上記各柱状部の外周側の側面が円弧を描くように湾曲しており、
上記柱状部が配置されている上記基部の側面においては上記柱状部からなる凸状の係合手段を有し、
上記柱状部が配置されていない上記基部の側面においては上記柱状部間の隙間からなる凹状の係合手段を有し、
2つのグミキャンディの上記底面の反対側が互いに近づけられるときに上記凸状の係合手段と上記凹状の係合手段との各々が相補的な係合手段として互いに係合し得る寸法に形成されていることを特徴とする、グミキャンディセット。
【請求項6】
上記(2n+2)角柱が、正(2n+2)角柱であることを特徴とする、請求項5に記載のグミキャンディセット。
【請求項7】
互いに組付可能な複数のグミキャンディからなるグミキャンディセットにおいて、
各グミキャンディは、nを任意の自然数として、
円柱形の形状に形成された基部と、
上記基部のほぼ2倍の高さを有する(n+1)個の柱状部であって、各柱状部の1つの側面が、上記基部の円周を(2n+2)等分に分断したとした場合における上記基部の1つおきの(n+1)個の分断された外周面のうちの1つと整合するように配置された、(n+1)個の柱状部と、
が面一の底面を有するように一体化された形状を有し、
平面視で上記各柱状部の外周側の側面が円弧を描くように湾曲しており、
上記柱状部が配置されている上記基部の側面においては上記柱状部からなる凸状の係合手段を有し、
上記柱状部が配置されていない上記基部の側面においては上記柱状部間の隙間からなる凹状の係合手段を有し、
2つのグミキャンディの上記底面の反対側が互いに近づけられるときに上記凸状の係合手段と上記凹状の係合手段との各々が相補的な係合手段として互いに係合し得る寸法に形成されていることを特徴とする、グミキャンディセット。
【請求項8】
互いに組付可能な複数のグミキャンディからなるグミキャンディセットにおいて、
各グミキャンディは、nを任意の自然数として、
正(2n+2)角柱の形状に形成された基部と、
の大きさの2つの内角を有する五角形の底面を有しかつ上記基部のほぼ2倍の高さを有する五角柱の形状に形成された(n+1)個の柱状部であって、各柱状部の上記2つの内角を両端の角とする1つの側面が、上記基部の1つおきの(n+1)個の側面のうちの1つと整合するように配置された、(n+1)個の柱状部と、
が面一の底面を有するように一体化された形状を有し、
上記柱状部が配置されている上記基部の側面においては上記柱状部からなる凸状の係合手段を有し、
上記柱状部が配置されていない上記基部の側面においては上記柱状部間の隙間からなる凹状の係合手段を有し、
2つのグミキャンディの上記底面の反対側が互いに近づけられるときに上記凸状の係合手段と上記凹状の係合手段との各々が相補的な係合手段として互いに係合し得る寸法に形成されていることを特徴とする、グミキャンディセット。
【請求項9】
互いに組付可能な複数のグミキャンディからなるグミキャンディセットにおいて、
各グミキャンディは、
請求項8に記載の五角柱の形状の柱状部を有するグミキャンディから1つの柱状部が除去された形状を有する1つのグミキャンディを1つのユニットとした場合において、該除去された柱状部の位置に代わりに配置された1つの六角柱の形状の柱状部によって架橋されるように、2つのユニットが一体化された形状を有し、
上記六角柱の形状の柱状部は、
の大きさの4つの内角を有する六角形の底面を有しかつ上記基部のほぼ2倍の高さを有する柱状部であって、該六角柱の形状の柱状部の上記4つの内角のうちの2つの内角を両端の角とする側面がそれぞれ、別々の上記ユニットの基部の1つの側面と整合していることを特徴とする、グミキャンディセット。
【請求項10】
上記グミキャンディセットを構成する複数のグミキャンディの、それぞれの色、食感、味、又はこれらの組合せが互いに異なることを特徴とする、請求項1~9のいずれかに記載のグミキャンディセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに組付可能な複数のグミキャンディからなるグミキャンディセットに関し、詳しくは、喫食者自身が複数のグミキャンディを互いに組み付けて楽しみながら食べることができるという遊戯性があるだけではなく、自身の好みに合わせて味、色合い、食感(テクスチャ)等を組み合わせることができ、組み付けられた形状についても多様に独自にデザインできるグミキャンディからなるグミキャンディセットに関する。
【背景技術】
【0002】
お菓子のニーズの多様化に伴い、風味や食感だけでなく、外観の色合いの美しさ、形のおもしろさなども楽しまれるようなお菓子が望まれている。お菓子の中でも、グミキャンディにおいては、様々な味、色合い、食感、形状を作ることができ、お菓子の様々なニーズに応えることができる代表的なお菓子の一つである。
【0003】
グミキャンディでは、互いに色の異なるグミを層状に2層又は3層に重ねたように色付けられた製品や、フルーツや動物等の立体形状に形成された製品が市販されている。また、垂直方向に長い形状であって漏斗構造付きの鋳型を利用した成形方法により、立体的な波形、リング形、或いは、その鋳型の形状を応用して「力」という文字の形状に形成されたグミキャンディが市販されている(特許文献1を参照)。
【0004】
また、子供をターゲットとし、娯楽性の高い食品でもあるお菓子を媒体として、ミニカー、ロボット、動物フィギュア、シール、カード、文房具等の多種多様の「おまけ」を付けて、遊戯性のある食品玩具が市販されている。これは、お菓子を楽しむというよりは、おまけの食品玩具を楽しむというものである。
【0005】
食品玩具を楽しむ以外にも、喫食者自身が楽しみながら食べることのできる遊戯性のあるお菓子がある。例えば、お菓子を収容する容器、アルギン酸やカルシウム塩からなるゼリーパウダー及び当該お菓子をすくい取るものからなるお菓子作りキット(特許文献2を参照)、成形用治具を使って粉粒状組成物と液状組成物を成形用治具で交互に接触させることで塊状菓子を作ることのできる組み合わせお菓子作りキット(特許文献3を参照)、或いは喫食者がガムベースと粉末組成物に水を加えてシリンダーで押圧成型することで任意形状の成型チューイングガムを作ることのできるお菓子作りキット(特許文献4を参照)等が挙げられる。グミキャンディにおいても、喫食者が自分で粉原料を溶かし、海洋生物の形状に形成されたプラスチック製の鋳型に流し込んで固めて食べるようなグミキャンディ作りキットが市販されている。これらは、喫食者自身が作る過程を楽しみながら食べるというお菓子の提案である。
【0006】
グミキャンディの製法としては、砂糖、水飴、ゲル化剤(ゼラチン、ペクチン、スターチ、デンプン、カラギーナン、寒天など)を加熱溶解させた液状グミキャンディベースに、果汁、香料、酸味料、着色料などを混合して色と風味を付け、鋳型に流し込み、冷却固化させ、鋳型から外すという製法で生産される。鋳型から外された後に、付着防止のためオイルでコーティングをしたり、或いは、味付けのためにグミキャンディの表面に砂糖や酸味料でコーティングを施したりする製法がある。
【0007】
グミキャンディを成形する際の鋳型は、スターチ押し型である場合が多い。このスターチ押し型を用いた成形法は、トレーにスターチを入れてスターチ表面を平坦にし、次いで、スターチ表面にスターチ押し型を押し当ててスターチ面にスターチ押し型の形状の凹みを形成し、次いで、形成された凹みにグミキャンディシラップ(液状のグミキャンディベース)を流し込み冷却固化させ、その後スターチをふるい落とすとスターチ押し型と同形のグミキャンディが得られるという方法である。
【0008】
スターチ押し型による充填成形法では、グミキャンディを動物型、花形などの立体形状にする場合は、スターチに形成した充填型(凹み)の開口面がグミキャンディシラップの気液界面になるので、立体デザインを形成するための型は充填型(凹み)の下面部分にしか設けることができない。その一方で、下面側とは反対側の上面側(気液界面側)は必ず平面になってしまうという短所がある。
【0009】
グミキャンディの他の充填成形法として、割り型成形法がある。これは、2枚の鋳型を貼り合わせた鋳型に溶融させたグミキャンディを注入し、グミキャンディが固化したのちに貼り合わされた2枚の鋳型を開いて剥がすことで立体的な形状に成形するという方法である。割り型成形法においては、スターチ充填成形法におけるスターチ上面側が広く平らになるということがなく、組立て玩具のブロックの形状(特許文献5を参照)のグミキャンディであっても生産することができよう。
【0010】
ただし、この割り型成形法においては、スターチ充填成形法のように押し型の形状さえ変えれば色々な形状のグミが容易に生産できるものとは異なり、1つの形状のグミを作るのに2つで1セットの鋳型を金属やプラスチックやシリコンなどで作成する必要があり、鋳型作成に膨大な設備投資が必要であり、色々な形状を有するグミキャンディを大量生産することが困難であるという欠点がある。
【0011】
グミキャンディのもう1つの充填成形方法として、プラスチックのトレーにグミキャンディシラップを充填し、そのまま冷却固化させ、トレーごと市販されているトレーグミの例もある。喫食者は自分でプラスチックトレーからグミキャンディを剥ぎ取ってから食す。これもスターチ押し型の成形法と同様であり、プラスチックトレーと触れる面にはグミの形状をデザインできるが、プラスチックトレーに触れないグミキャンディの上面側は必ず平面となるという特徴がある。
【0012】
スターチ充填成形法においては、トレーにスターチを敷き詰めて、スターチが平面になるように表面を摺り切り、そこに押し型で鋳型をプリントし、溶融したグミキャンディシラップを流し込み、そのトレーを数十枚重ねて乾燥固化させることができ、比較的狭いスペースで大量生産できるというメリットがある。様々なグミキャンディの形状を、スターチ押し型を取り替えるだけで切り替えられることと、大量生産に向いていることから、現在のグミキャンディの成形方法としては最も主流になっている。
【0013】
割り型成形法においては、スターチ充填成形法やトレーグミ製法とは異なり、広い上面側が平面になることがないので、より立体的な形状のユニークなグミキャンディを生産することができるというメリットがある。割り型成形法においては、組立て玩具のブロックのような形状のグミを生産することもできようが、スターチ充填成形法やトレーグミ製法のような充填製法で生産されるグミには面一の底面ができるので、互いに組付可能なグミを生産するには至っていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【文献】特許第6137530号公報
【文献】登録実用新案第3129068号公報
【文献】特許第3277165号公報
【文献】特許第3156899号公報
【文献】特許第6025807号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
お菓子のニーズの多様化に伴い、グミキャンディにおいては、互いに色の異なるグミを層状に2層又は3層に重ねたような色付け製品や、フルーツや動物の形等の立体形状の製品、また、成形方法の工夫から、立体的な波形、リング形、文字の形状などの構造をしたグミキャンディが市販されている(特許文献1を参照)。しかし、このような菓子の外観的工夫だけでは、消費者の興味を充分に惹くには至っていない。
【0016】
また、子供をターゲットとし、娯楽性の高い食品であるお菓子を媒体として、ミニカー、鉄道模型、動物フィギュア、シール、カード、文房具等の多種多様の「おまけ」を付けて、遊戯性のある食品玩具が市販されているが、玩具に遊戯性があるもので、お菓子自体に遊びの効果を付したものではない。
【0017】
喫食者自身が楽しみながら食べることのできる遊戯性のある菓子としては、喫食者自身が作る過程を楽しみながら食べるという菓子が市販されているが、これらは、互いに組み付けて遊ぶような要素のあるものではなく、また、色合い、食感、味のバリエーションなどをお好みで自由に作るというものでもなく、消費者を充分に満足させるには至っていない。
【0018】
例えば、プラスチックトレーを用いたトレーグミでは、白いシャリ型のグミと赤いネタ型のグミとに分かれているグミを、喫食者が自分でプラスチックトレーから剥ぎ取り、下に白いグミ、上に赤いグミとなるように重ねて食べるようなグミも市販されている。しかし、このようなグミは、複数のグミを互いに組み付けて食べる本発明のグミとは構造的に異なるものである。
【0019】
割り型成形法においては、スターチ充填製法やトレーグミ製法とは異なり、広い上面側が平面になることがないので、より立体的な形状のユニークなグミキャンディを生産することができるというメリットがある。割り型成形法においては、組立て玩具のブロック(特許文献5を参照)のような、互いに組付可能な形状のグミも生産することができようが、スターチ充填製法やトレーグミ製法のような充填製法においては、組立て玩具のブロックのように互いに組付けることが可能なグミを生産するに至っていない。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は、消費者の多様なニーズに応えるために、グミキャンディの構造を工夫し、複数のグミキャンディが互いに組み付く形状を有するグミキャンディであって、なおかつ、複数の味、色、食感又はこれらの組合せが互いに異なる複数のグミキャンディを、自分の好みに合わせて組み合わせてカスタマイズし、喫食者自身が自分の好みに合わせて「組み合わせる楽しさ」を味わうことのできる、極めて嗜好性、遊戯性の高い、互いに組付可能なグミキャンディを提供することを目的とする。
【0021】
本発明の一実施例においては、互いに組付可能な複数のグミキャンディからなるグミキャンディセットにおいて、各グミキャンディは、nを任意の自然数として、(2n+2)角柱の形状に形成された基部と、基部のほぼ2倍の高さを有する四角柱の形状に形成された(n+1)個の柱状部であって、各柱状部の1つの側面が、基部の1つおきの(n+1)個の側面のうちの1つと整合するように配置された、(n+1)個の柱状部と、が面一の底面を有するように一体化された形状を有し、柱状部が配置されている基部の側面においては柱状部からなる凸状の係合手段を有し、柱状部が配置されていない基部の側面においては柱状部間の隙間からなる凹状の係合手段を有し、2つのグミキャンディの上記底面の反対側が互いに近づけられるときに凸状の係合手段と凹状の係合手段との各々が相補的な係合手段として互いに係合し得る寸法に形成されていることを特徴とする、グミキャンディセットを提示する。また、(2n+2)角柱が、正(2n+2)角柱であることを特徴とする。
【0022】
また、柱状部が台形柱の形状に形成されており、該台形柱における平行な2つの側面のうち面積の小さい方の側面が基部の1つの側面と整合するように配置されていることを特徴とする
【0023】
また、互いに組付可能な複数のグミキャンディからなるグミキャンディセットにおいて、各グミキャンディは、前段落に記載の台形柱の形状に形成された柱状部を有する1つのグミキャンディを1つのユニットとした場合において、各ユニットに含まれる1つの台形柱における平行な2つの側面のうち面積の大きい方の側面どうしが接面するように、2つのユニットが一体化された形状を有することを特徴とする、グミキャンディセットを提示する。
【0024】
本発明の他の実施例においては、互いに組付可能な複数のグミキャンディからなるグミキャンディセットにおいて、各グミキャンディは、nを任意の自然数として、(2n+2)角柱の形状に形成された基部と、基部のほぼ2倍の高さを有する(n+1)個の柱状部であって、各柱状部の1つの側面が、基部の1つおきの(n+1)個の側面のうちの1つと整合するように配置された、(n+1)個の柱状部と、が面一の底面を有するように一体化された形状を有し、平面視で各柱状部の外周側の側面が円弧を描くように湾曲しており、柱状部が配置されている基部の側面においては柱状部からなる凸状の係合手段を有し、柱状部が配置されていない基部の側面においては柱状部間の隙間からなる凹状の係合手段を有し、2つのグミキャンディの上記底面の反対側が互いに近づけられるときに凸状の係合手段と凹状の係合手段との各々が相補的な係合手段として互いに係合し得る寸法に形成されていることを特徴とする、グミキャンディセットを提示する。また、(2n+2)角柱が、正(2n+2)角柱であることを特徴とする。
【0025】
本発明の他の実施例においては、互いに組付可能な複数のグミキャンディからなるグミキャンディセットにおいて、各グミキャンディは、nを任意の自然数として、円柱形の形状に形成された基部と、基部のほぼ2倍の高さを有する(n+1)個の柱状部であって、各柱状部の1つの側面が、基部の円周を(2n+2)等分に分断したとした場合における基部の1つおきの(n+1)個の分断された外周面のうちの1つと整合するように配置された、(n+1)個の柱状部と、が面一の底面を有するように一体化された形状を有し、平面視で各柱状部の外周側の側面が円弧を描くように湾曲しており、柱状部が配置されている基部の側面においては柱状部からなる凸状の係合手段を有し、柱状部が配置されていない基部の側面においては柱状部間の隙間からなる凹状の係合手段を有し、2つのグミキャンディの上記底面の反対側が互いに近づけられるときに凸状の係合手段と凹状の係合手段との各々が相補的な係合手段として互いに係合し得る寸法に形成されていることを特徴とする、グミキャンディセットを提示する。
【0026】
本発明のさらに他の実施例においては、互いに組付可能な複数のグミキャンディからなるグミキャンディセットにおいて、各グミキャンディは、nを任意の自然数として、正(2n+2)角柱の形状に形成された基部と、
の大きさの2つの内角を有する五角形の底面を有しかつ基部のほぼ2倍の高さを有する五角柱の形状に形成された(n+1)個の柱状部であって、各柱状部の上記2つの内角を両端の角とする1つの側面が、基部の1つおきの(n+1)個の側面のうちの1つと整合するように配置された、(n+1)個の柱状部と、が面一の底面を有するように一体化された形状を有し、柱状部が配置されている基部の側面においては柱状部からなる凸状の係合手段を有し、柱状部が配置されていない基部の側面においては柱状部間の隙間からなる凹状の係合手段を有し、2つのグミキャンディの上記底面の反対側が互いに近づけられるとしたときに凸状の係合手段と凹状の係合手段との各々が相補的な係合手段として互いに係合し得る寸法に形成されていることを特徴とする、グミキャンディセットを提示する。
【0027】
また、互いに組付可能な複数のグミキャンディからなるグミキャンディセットにおいて、各グミキャンディは、前段落に記載の五角柱の形状の柱状部を有するグミキャンディから1つの柱状部が除去された形状を有する1つのグミキャンディを1つのユニットとした場合において、該除去された柱状部の位置に代わりに配置された1つの六角柱の形状の柱状部によって架橋されるように、2つのユニットが一体化された形状を有し、六角柱の形状の柱状部は、
の大きさの4つの内角を有する六角形の底面を有しかつ基部のほぼ2倍の高さを有する柱状部であって、該六角柱の形状の柱状部の上記4つの内角のうちの2つの内角を両端の角とする側面がそれぞれ、別々のユニットの基部の1つの側面と整合していることを特徴とする、グミキャンディセットを提示する。
【0028】
さらには、上記の種々のグミキャンディセットを構成する複数のグミキャンディの、それぞれの色、食感、味、又はこれらの組合せが互いに異なることを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
本発明により、従来法のスターチ充填製法によるグミキャンディの外観的な色付けによる工夫に拠ることなく、消費者の好みで味や色や食感の異なるグミキャンディを消費者自らが組み合わせることで、見た目にも美しく、2つの味、色、食感、又はこれらの組合せをカスタマイズするように組み合わせることを楽しめるグミキャンディを提供することができる。また、互いに組付可能なグミキャンディの構造によっては、直線状に長くつなげたり、平面状に広くつなげたりすることもでき、グミキャンディ自体で玩具のブロックのような遊び方もできるもので、楽しみながら食べることができる。
【0030】
喫食者自身が楽しみながら食べるという遊戯性があるだけでなく、色の組み合わせや、食感や味や食感のバリエーションをも兼ね備えたグミキャンディであり、喫食者自身が複数の色や味の異なるグミキャンディを組み立てることにより、「組み合わせる楽しさ」を味わうことのできる、極めて遊戯性の高い組付可能なグミを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】従来の玩具の組立構造体の一例を示す図。
図2】四角柱の形状の基部と台形柱の形状の柱状部からなるスターチ押し型を示す図。
図3】六角柱の形状の基部と台形柱の形状の柱状部からなるスターチ押し型を示す図。
図4】八角柱の形状の基部と台形柱の形状の柱状部からなるスターチ押し型を示す図。
図5図2のスターチ押し型で作成したグミキャンディの一例を示す図。
図6図3のスターチ押し型で作成したグミキャンディの一例を示す図。
図7図4のスターチ押し型で作成したグミキャンディの一例を示す図。
図8】柱状部と基部が歪んだ多角柱である場合を示す図。
図9図3に示される六角柱の形状の基部と台形柱の形状の柱状部からなるスターチ押し型を1つのユニットとした場合に、2つのユニットが連結している状態を示す図。
図10図9のスターチ押し型で作成したグミキャンディの一例を示す図。
図11】基部の一側面と同じ横幅で整合している各柱状部の外周側の側面が同心の円弧を描くように湾曲している例を示す図。
図12】円柱状の基部に整合している各柱状部の外周側の側面が同心の円弧を描くように湾曲している例を示す図。
図13】他の実施例におけるグミキャンディの形状を示す図。
図14図3に示したスターチ押し型の柱状部の長さを変えた場合にできる様々なグミキャンディの形状を示す図。
図15】五角柱の形状の柱状部を有するグミキャンディの一例を示す図。
図16】直線的に連結されたグミキャンディを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0032】
グミキャンディの最も一般的な成形方法は、スターチ充填製法である。スターチ型による成型では、グミキャンディを動物形や花形などの立体形状のデザインにする場合、スターチに形成した充填型(凹み)の開口面がグミキャンディシラップの気液界面になるので、立体デザインを形成するための型は充填型(凹み)の下面部分にしか設けることができない。
【0033】
本発明の一実施例においては、図2図3及び図4に示されるように、グミキャンディのスターチ押し型1は、単数の基部2と、複数の柱状部3とからなる。基部2の基本構造は、四角形、六角形又は八角形等の偶数角形を底面とした四角柱、六角柱又は八角柱等の偶数多角柱からなり、柱状部3の基本構造は台形を底面とした台形柱であって、基部2の1つおきの側面のうちの1つと、各柱状部3の台形柱における平行な2つの側面のうち面積の小さい方の側面とが整合するように配置され、これらの基部2と柱状部3とが面一の底面4を有するように一体化された形状のスターチ押し型1を使って生産されたグミキャンディ10において、2粒のグミキャンディ10の柱状部30側(つまり底面40とは反対側)を向かい合わせて押し当てることにより、柱状部30どうしが噛み合って、強固に組み付くグミキャンディを作ることができた。互いに組み付いた状態を図5図6及び図7等に示す。
【0034】
グミキャンディ10の基部20は、四角柱、六角柱又は八角柱等の偶数多角柱の形状に形成されている一方で、柱状部30は、台形柱、三角柱、四角柱、五角柱、六角柱、七角柱又は八角柱の形状に形成されているとよい。柱状部30の形状に関しては、互いに組み付いたときのグミキャンディ10どうしが密接し、隙間をできるだけ少なくするためには台形柱であることが望ましいが、製品コンセプトに合わせた他の形状を選択することができる。つまり、nを任意の自然数として、正(2n+2)角柱の形状に形成された基部と、
の大きさの2つの内角を有する多角形の底面を有しかつ基部20のほぼ2倍の高さを有する多角柱の形状に形成された(n+1)個の柱状部30であって、各柱状部30の上記2つの内角を両端の角とする1つの側面が、基部20の1つおきの側面のうちの1つと整合するように配置された、(n+1)個の柱状部30と、が面一の底面40を有するように一体化された形状を有するグミキャンディ10どうしは、柱状部間の隙間を埋めるように互いに組み付くことができる。しかし、弾性のあるグミキャンディ10は、その形状が多少歪められても弾性で元の形状へ戻ろうとするので、柱状部30からなる凸状の係合手段と、柱状部30間の隙間からなる凹状の係合手段との間に多少の寸法の違いがある場合においても、柱状部30が柱状部30間の隙間にフィットして、凸状部と凹状部が相補的に係合し得ることに留意されたい。
【0035】
図8に示されるように、柱状部30の形状が台形柱ではなくても、また、基部20が正六角形ではなくても、グミキャンディ10どうしがしっかりと組み付く形状であれば良い。
【0036】
図9に示されるように、図3に示したスターチ押し型1を1つのユニットとした場合に、2つのユニットが横方向に連結した形状の押し型を使ってグミキャンディを作ると、図10に示されるように、2粒だけではなく3粒以上のグミキャンディを連結させることにより放射状に広がる組み方、斜め方向に連結する組み方、直線的に長く連結する組み方などの色々な組み方が可能なグミキャンディを作ることができる。
【0037】
図11に示されるように、柱状部30の形状が台形柱ではなく、平面視で柱状部30の外周側の側面が円弧を描くように湾曲している複数のグミキャンディ10が互いに組み付いたときに、互いに組み付いたときの形状が円柱状となり、美的な外観を呈する。
【0038】
図12に示されるグミキャンディ10の一実施例においては、円柱形の形状に形成された基部20と、基部20のほぼ2倍の高さを有する複数の柱状部30であって、各柱状部30の1つの側面が、nを任意の自然数として基部20の円周を(2n+2)等分に分断したとした場合における基部20の1つおきの(n+1)個の分断された外周面のうちの1つと整合するように配置された、(n+1)個の柱状部30と、が面一の底面40を有するように一体化された形状を有するグミキャンディ10において、平面視で柱状部20の外周側の側面が円弧を描くように湾曲しており、柱状部30が配置されている基部20の側面においては柱状部30からなる凸状の係合手段を有し、柱状部30が配置されていない基部20の側面においては柱状部30間の隙間からなる凹状の係合手段を有し、凸状の係合手段と凹状の係手段との各々が相補的な係合手段として互いに係合し得る寸法に形成されている(図12は、n=2のときの具体例を示す)。つまり、図12に示される実施例においては、柱状部30の底面は、比較的面積の大きな扇形からこれと共通の中心角を有する面積の小さな扇形を除いた形状に形成されている。
【0039】
柱状部30が図13に示されるような凹状の六角形であっても、グミキャンディ10の柱状部30からなる凸状の係合手段と、柱状部30間の隙間からなる凹状の係合手段とを向い合せに組み付ける際に、その凸状部と凹状部とが相補的に係合する場合もある。
【0040】
グミキャンディの食感については、配合組成、水分(濃縮度・乾燥日数)などを変えることによって様々な調整が可能である。グミキャンディの硬さに関しては任意であるが、本発明の互いに組付き可能なグミキャンディにおいては、硬めの物性にしたほうが強固に組み合わさるので、ゲル化剤は一般的なグミキャンディよりも多めに配合し、グミキャンディの硬さに影響する水分は低めとするほうが好ましい。具体的には、ゼラチンは5%以上配合し、水分は20%以下まで乾燥させることが望ましい。
【0041】
また、硬めのグミキャンディを作りたい場合には、ブルームが大きな値のゼラチンを配合する場合が多く、一般的には200~250ブルームのゼラチンが市場で最も流通されているものであるが、グミを硬くしたい場合は330ブルームのゼラチンを使用しても構わない。
【0042】
グミキャンディの形状をしっかりと保たせたい場合は、ゼラチンとペクチンを併用する場合もある。或いは、ゲル化剤としてペクチンのみを使用することもできる。本発明ではゲル化剤の種類や配合率については任意である。
【0043】
グミキャンディの食感を粒によってあえて異なる食感にしたい場合は、ゲル化剤の量を調整したり、ゲル化剤のゲル化力の異なるものを配合したり、ゼラチン、ペクチン、スターチ、カラギーナン、アラビアガムなどのゲル化剤自体の種類を異なるものを使用するなど、様々な方法がある。製品のコンセプトに合わせてグミキャンディの食感を変化させることで、食感の異なるグミキャンディを互いに組み付けて楽しむことができる。
【0044】
風味に関しては、もちろん香料を変えることで粒ごとに様々な風味に変えることができ、例えば、りんご、オレンジ、いちごなどの果実風味、コーラ、サイダー、メロンソーダなどの飲料風味、メントールなどの清涼感を付けることもできる。酸味料や甘味料を増減すれば酸味や甘さの調整も可能である。粒ごとに酸味の全く異なる粒を組み合わせたりすることができる。また、コーヒー風味とミルク風味を組み合わせて食すこともできる。
【0045】
互いに組付可能なグミキャンディが、粒によって風味の違い、色の違い、硬さの違いがある場合、その組合せ方によって、自分の好みにカスタマイズすることができる。例えば、緑色の柔らかいメロン味グミと白色の硬いソーダ味グミを互いに組み付けると、2色が交互に組み合わさった色合いとなり、外観的に美しく、また、風味はメロンソーダ味になり、食感も二系統の食感が重なり、口中での楽しさもあり、外観でも口中でも楽しむことができる。
【0046】
スターチ充填製法によるグミキャンディの作り方を以下に説明する。
【0047】
実施例1
水飴89.0g、砂糖46.0gを溶解し、108℃の温度にまで煮詰める。その一方で、250ブルームのゼラチン9.2gを18.4gの冷水で10分間膨潤させ、湯煎しゼラチン溶解液を作成する。水飴と砂糖の溶解液にゼラチン溶解液を混合し、続いて、メロン香料0.5g、酸味料1.5g、緑色着色料0.2gを混ぜ込んだものをグミシラップAとする。
【0048】
水飴89.0g、砂糖46.0gを溶解し、108℃の温度にまで煮詰める。その一方で、250ブルームのゼラチン14.5gを29.0gの冷水で10分間膨潤させ、湯煎しゼラチン溶解液を作成する。水飴と砂糖の溶解液にゼラチン溶解液を混合し、続いて、ソーダ香料0.5g、酸味料1.5g、グミキャンディを白色にするための乳化剤0.2gを混ぜ込んだものをグミシラップBとする。
【0049】
実施例1においては、図2図3図4及び図9に示される形状のスターチ押し型1を使用した。
【0050】
トレーに敷き詰めたスターチ表面を平面状にすり切り、このスターチ平面上に図2図3図4及び図9に示されるスターチ押し型1の面一の底面4を上にして、その全体がスターチに沈み込むまで押し付けて凹ませ、スターチ型を作成する。このスターチ型にグミシラップAを充填し、2日間冷却乾燥させ、スターチ型から取り出すとスターチ押し型と同じ形状の固まったグミキャンディ10が得られた。この固まったグミキャンディ10を更に2日間乾燥させることで、水分20%のグミaが完成した。
【0051】
その一方で、グミシラップBについても、グミシラップAと同じスターチ押し型を押し当てたスターチ型に充填し、同様に固めてグミbを得た。
【0052】
グミaはゼラチン含有量約5%であり、グミbはゼラチン含有量約7.5%であり、グミaよりグミbのほうがゲル化剤(ゼラチン)が多いため、グミbの方を硬めに作成した。
【0053】
図2図3図4及び図9に示されるスターチ押し型1においては、柱状部の形状は四角柱や五角柱を基本とした形状である。図11及び図12に示される実施例においては、平面視で柱状部の外周面が円弧を描くように湾曲している。他の実施例においては、柱状部の形状は、三角柱、六角柱を基本とした形状とされ得る。しかし、主に、図2図3図4及び図9に示される柱状部3の形状とすると、作成されたグミキャンディどうしの接合面が密にフィットし強固に組み合わさり、美的な外観を呈する。
【0054】
また、基部も多角形を基本としているが、図12のように柱状部と接していない側面が湾曲面であってもよい。
【0055】
また、図14(b)に示されるように、柱状部30の高さは基部の高さの2.0倍となるようにした。これは、2粒のグミキャンディを柱状部30側(つまり底面40とは反対側)から押し当てて互いに組み付けたときに、グミキャンディの両面が平面状になり、柱状部30が突出していないほうが美的であるためである。他の実施例においては、図14(a)~(c)に示されるように、柱状部30の高さが基部の1.5倍~2.5倍の高さを有する場合もある。
【0056】
また、得られたグミaがメロン味で緑色のグミである一方で、グミbはソーダ味で白色である。よって、これらのグミキャンディを図6に示されるように互いに組み付けると、従来のグミキャンディには見られなかった色合いのグミキャンディであって、2種類の味、2種類の食感、2種類の色が組み合わされたグミキャンディを生産することができた。
【0057】
グミaやグミbに対して更に、蒸気を使って表面を一度べたつかせ、砂糖を表面にコーティングすることもできるが、これに関しても任意である。
【0058】
実施例2
水飴89.0g、砂糖46.0g、ペクチン製剤4.0gを溶解し、112℃の温度にまで煮詰める。続いて、オレンジ果汁、オレンジ香料0.5g、酸味料1.5g、橙色着色料0.2gを混ぜ込んだものをグミシラップCとする。
【0059】
水飴89.0g、砂糖46.0g、ペクチン製剤4.0gを溶解し、112℃の温度にまで煮詰める。続いて、カシス果汁、カシス香料0.5g、酸味料1.5g、赤色着色料0.2gを混ぜ込んだものをグミシラップDとする。
【0060】
水飴89.0g、砂糖46.0gを溶解し、108℃の温度にまで煮詰める。その一方で、250ブルームのゼラチン14.5gを29.0gの冷水で10分間膨潤させ、湯煎しゼラチン溶解液を作成する。水飴と砂糖の溶解液にゼラチン溶解液を混合し、続いて、ソーダ香料0.5g、酸味料1.5g、グミキャンディを白色にするための乳化剤0.2gを混ぜ込んだものをグミシラップEとする。
【0061】
図9は、図3に示したスターチ押し型を1つのユニットとした場合において、各ユニットに含まれる1つの柱状部の台形柱における平行な2つの側面のうち面積の大きい方の側面どうしが接面するように、2つのユニットが一体化された形状を有するスターチ押し型1を示す。このスターチ押し型1を使ってスターチ型を作成する方法を以下に説明する。
【0062】
トレーに敷き詰めたスターチ表面を平面状にすり切り、このスターチ平面上にスターチ押し型1の面一の底面4を上にして(図9を参照)、全体がスターチに沈み込むまで押し付けて凹ませ、スターチ型を作成する。このスターチ型にグミシラップC、グミシラップD、及びグミシラップEを充填し、2日間冷却乾燥させ、スターチ型から取り出すとスターチ押し型と同じ形状の固まったグミc、グミd、及びグミeが得られた。この固まったグミキャンディを更に2日間乾燥させることで、水分20%のグミc、グミd、及びグミeが完成した。
【0063】
グミcとグミdはゲル化剤としてペクチンを使用しており、グミeはゲル化剤としてゼラチンを使用しており、グミcとグミdは歯切れの良い食感であり、グミeでは弾力性のある食感である。あえて異なるゲル化剤を使用することで、食感の異なる3つのグミキャンディを作成した。
【0064】
また、得られたグミcはオレンジ味で橙色のグミキャンディであり、グミdはカシス味で赤色のグミキャンディであり、その一方で、グミeはソーダ味で白色である。よって、これらのグミキャンディを図10に示されるように互いに組み付けると、従来のグミキャンディには見られなかった色合いのグミキャンディであって、3種類の味、2種類の食感、3種類の色が複雑に組み合わさったグミキャンディを生産することができた。
【0065】
グミc、グミd、及びグミeに対して更に、蒸気を使って表面を一度べたつかせ、砂糖を表面にコーティングすることもできる。
【0066】
図15(a)~(d)に示されるグミキャンディ10は、nを任意の自然数として、正(2n+2)角柱の形状に形成された基部20と(図15は、n=2のときの具体例を示す)、
の大きさの2つの内角を有する五角形の底面を有しかつ基部20のほぼ2倍の高さを有する五角柱の形状に形成された(n+1)個の柱状部30であって、各柱状部30の上記2つの内角を両端の角とする1つの側面が基部20の1つおきの側面のうちの1つと整合するように配置された、(n+1)個の柱状部30と、が面一の底面40を有するように一体化された形状に形成されている。なお、正(2n+2)角形の1つの内角の大きさは
であるから、2πラジアンから
を減算して残る角の大きさ
を半分にすると、上記の
が導かれる。よって、正(2n+2)角柱の形状の基部20と、
の大きさの2つの内角を両端の角とする(柱状部30の)側面の下半分が基部20の側面の1つと合致するように配置された各柱状部30と、を備えるグミキャンディ10においては、複数のグミキャンディ10が組み付くときに、互いのグミキャンディ10の柱状部30が密接する。
【0067】
図16(a)~(d)に示されるグミキャンディ100は、図15に示した(n+1)個の五角柱の形状の柱状部のうちの1つの柱状部が除去された形状を有するグミキャンディを1つのユニットとした場合において、該除去された柱状部の位置に代わりに配置された1つの六角柱の形状の柱状部600によって架橋されるように2つのユニットが一体化された形状を有する。六角柱の形状の柱状部600は、
の大きさの4つの内角を有する六角形の底面を有しかつ基部200のほぼ2倍の高さを有する柱状部であって、該六角柱の形状の柱状部600の上記4つの内角のうちの2つの内角を両端の角とする側面がそれぞれ、別々の上記ユニットの基部200の1つの側面と整合している。
【0068】
上述した構造的特徴を有するグミキャンディ10,100は、グミキャンディどうしを玩具のブロックのように組み合わせることができる楽しさがあり、なおかつ、自分の好みに合わせて、色、食感、味又はこれらの組合せをカスタマイズするように複数のグミキャンディを互いに組み付けることで、これまでに無いグミキャンディを味わうことができる。
【0069】
他の実施例においては、グミキャンディ10における各柱状部30が円柱形の形状に形成される。さらに他の実施例においては、グミキャンディ10の各柱状部30が球形に近い形状に形成される。そのような形状に柱状部30が形成されている場合に、互いに組み付けられたグミキャンディ10を平面視で観察すると、言わば「はなまる」の形状に見える。弾性を有するグミキャンディ10であればこそ、柱状部30が円柱形や球形に近い形状に形成されていても、複数のグミキャンディ10が互いに組み付き得る。
【0070】
本明細書においては、スターチ充填製法によるグミキャンディの作り方を説明したが、当業者であれば、割り型成形法やトレーグミ製法によっても本発明のグミキャンディが作成され得ることを理解されよう。すなわち、様々な製法によって作られた種々のグミキャンディが本願の特許請求の範囲内に含まれ得る。
【符号の説明】
【0071】
1…スターチ押し型
2…(スターチ押し型の)基部
3…(スターチ押し型の)柱状部
4…(スターチ押し型の)底面
10…グミキャンディ
20…(グミキャンディの)基部
30…(グミキャンディの)柱状部
40…(グミキャンディの)底面
100…グミキャンディ
200…(グミキャンディの)基部
300…(グミキャンディの)柱状部
400…(グミキャンディの)底面
600…(六角柱の形状の)柱状部
図1
図2
図3
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図10
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