(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-15
(45)【発行日】2022-03-24
(54)【発明の名称】接続保持具セット
(51)【国際特許分類】
A61M 39/10 20060101AFI20220316BHJP
【FI】
A61M39/10 100
(21)【出願番号】P 2018062986
(22)【出願日】2018-03-28
【審査請求日】2020-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000109543
【氏名又は名称】テルモ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100186015
【氏名又は名称】小松 靖之
(72)【発明者】
【氏名】柿木 俊彦
【審査官】川島 徹
(56)【参考文献】
【文献】特表2002-500935(JP,A)
【文献】特開2005-160631(JP,A)
【文献】特表2012-512722(JP,A)
【文献】米国特許第04631056(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 39/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相対的に回動することにより接続状態を解除可能な
第1医療器具
及び第2医療器具に対して装着される接続保持具
と、
前記第2医療器具に対して接続される第3医療器具の周囲を覆う状態で、前記接続保持具に装着されるカバー部材と、を備え、
前記接続保持具は、
前記
第1医療器具と係合し、前記
第1医療器具の、
前記第2医療器具に対する解除方向側への相対的な回動を規制する第1係合部と、
前記
第2医療器具と係合し、前記
第2医療器具の、前記
第1医療器具に対する前記解除方向側とは逆側への相対的な回動を規制する第2係合部と、を備える接続保持具
セット。
【請求項2】
前記第1係合部は、前記
第1医療器具の一部に対して、回動周方向の前記解除方向側に隣接して配置され、前記
第1医療器具の前記一部に当接することにより前記
第1医療器具の前記回動周方向の前記解除方向側への回動を規制する当接壁部を備える、請求項1に記載の接続保持具
セット。
【請求項3】
前記当接壁部を第1当接壁部とした場合に、
前記第2係合部は、前記
第2医療器具の一部に対して、前記回動周方向の前記解除方向側とは逆側に隣接して配置され、前記
第2医療器具の前記一部に当接することにより前記
第2医療器具の前記回動周方向の前記解除方向側とは逆側への回動を規制する第2当接壁部を備える、請求項2に記載の接続保持具
セット。
【請求項4】
前記接続保持具は、前記
第1医療器具及び前記第2医療器具の少なくともいずれかの医療器具と係合し、前記
第1医療器具及び前記第2医療器具の回動中心軸線に平行な中心軸線方向への移動を規制する第3係合部を備える、請求項1乃至3のいずれか1つに記載の接続保持具
セット。
【請求項5】
前記接続保持具は、前記
第1医療器具及び前記第2医療器具に跨って延在し、前記
第1医療器具及び前記第2医療器具の周囲を覆う周囲カバー部を備え、
前記周囲カバー部は、内部の中空部に向かって突出する複数の突出部を備え、
前記第1係合部及び前記第2係合部は、前記突出部により構成されている、請求項1乃至4のいずれか1つに記載の接続保持具
セット。
【請求項6】
前記カバー部材は、前記接続保持具に対して回動可能な状態で装着される、請求項
1乃至5のいずれか1つに記載の接続保持具セット。
【請求項7】
前記カバー部材には、周方向の一部に軸方向全域に沿って延在する隙間が形成されている、請求項
1乃至6のいずれか1つに記載の接続保持具セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は接続保持具及び接続保持具セットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、医療用チューブやその他の医療器具など、を接続して輸液ラインを形成し、この輸液ラインを通じて薬剤等の液体を生体内に投与する方法が知られている。輸液ラインにおける医療器具同士の接続は、各医療器具に設けられているコネクタ部同士を接続することにより行われる。このようなコネクタ部同士の接続は、通常、一方の医療器具に設けられているコネクタ部としてのオスコネクタ部を、他方の医療器具に設けられているコネクタ部としてのメスコネクタ部に挿入することにより行われる。また、医療器具の意図しない離脱の発生を抑制するために、例えば、ルアーロック方式のコネクタ部の雄ねじ部及び雌ねじ部のように、係止機構を備えるコネクタ部がある。
【0003】
また、特許文献1には、2つの医療器具としての患者端部コネクタ及び血液ラインコネクタのねじ接合による接続を固定するための接続保証デバイスが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の接続保証デバイスによれば、嵌合した患者端部コネクタと血液ラインコネクタとの軸方向における移動、又は、接続保証デバイスと患者端部コネクタとの軸回りでの相対的な回動、を抑制できる。そのため、両コネクタのねじ接合が解除され難くなる。しかしながら、特許文献1に記載の接続保証デバイスでは、患者端部コネクタと血液ラインコネクタとの相対的な回動の抑制について、依然として改善の余地がある。
【0006】
本開示は、相対的に回動することにより接続を解除可能な2つの医療器具の接続状態を保持することができる接続保持具及び接続保持具セットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様としての接続保持具は、相対的に回動することにより接続状態を解除可能な2つの医療器具に対して装着される接続保持具であって、前記2つの医療器具の一方の医療器具と係合し、前記一方の医療器具の、他方の医療器具に対する解除方向側への相対的な回動を規制する第1係合部と、前記他方の医療器具と係合し、前記他方の医療器具の、前記一方の医療器具に対する前記解除方向側とは逆側への相対的な回動を規制する第2係合部と、を備える。
【0008】
本発明の1つの実施形態として、前記第1係合部は、前記一方の医療器具の一部に対して、回動周方向の前記解除方向側に隣接して配置され、前記一方の医療器具の前記一部に当接することにより前記一方の医療器具の前記回動周方向の前記解除方向側への回動を規制する当接壁部を備える。
【0009】
本発明の1つの実施形態として、前記当接壁部を第1当接壁部とした場合に、前記第2係合部は、前記他方の医療器具の一部に対して、前記回動周方向の前記解除方向側とは逆側に隣接して配置され、前記他方の医療器具の前記一部に当接することにより前記他方の医療器具の前記回動周方向の前記解除方向側とは逆側への回動を規制する第2当接壁部を備える。
【0010】
本発明の1つの実施形態として、前記2つの医療器具の少なくともいずれかの医療器具と係合し、前記2つの医療器具の回動中心軸線に平行な中心軸線方向への移動を規制する第3係合部を備える。
【0011】
本発明の1つの実施形態としての接続保持具は、前記2つの医療器具に跨って延在し、前記2つの医療器具の周囲を覆う周囲カバー部を備え、前記周囲カバー部は、内部の中空部に向かって突出する複数の突出部を備え、前記第1係合部及び前記第2係合部は、前記突出部により構成されている。
【0012】
本発明の第2の態様としての接続保持具セットは、上記接続保持具と、前記接続保持具に対して装着可能であり、前記接続保持具に対して装着されている状態で、前記2つの医療器具のいずれかの医療器具に対して接続される別の医療器具の周囲を覆うカバー部材と、を備える。
【0013】
本発明の1つの実施形態として、前記カバー部材は、前記接続保持具に対して回動可能な状態で装着される。
【0014】
本発明の1つの実施形態として、前記カバー部材には、周方向の一部に軸方向全域に沿って延在する隙間が形成されている。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、相対的に回動することにより接続を解除可能な2つの医療器具の接続状態を保持することができる接続保持具及び接続保持具セットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】一実施形態としての接続保持具セットと、この接続保持具セットが装着される3つ医療器具を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示す接続保持具セット及び3つの医療器具を、
図1とは異なる視点から見た斜視図である。
【
図3】
図1に示す3つの医療器具が直列に接続されることにより構成される接続体の外観を示す図である。
【
図5】
図1に示す接続保持具セットの、一実施形態としての接続保持具についての非装着形態を示す図である。
【
図6】
図5に示す接続保持具についての装着形態を示す図である。
【
図7】
図1に示す接続保持具セットのカバー部材を示す斜視図である。
【
図8】
図7に示すカバー部材が
図6に示す接続保持具に装着された状態の接続保持具セットを示す斜視図である。
【
図9】
図7に示すカバー部材の変形例としてのカバー部材を示す斜視図である。
【
図10】
図1に示す接続保持具が、
図3に示す接続体に対して装着される前の状態で、かつ、
図1に示すカバー部材が接続保持具に装着される前の状態、の外観を示す図である。
【
図12】
図1に示す接続保持具が
図3に示す接続体に装着されている状態、かつ、
図1に示すカバー部材が接続保持具に装着される前の状態、の外観を示す図である。
【
図14】
図1に示す接続保持具が
図3に示す接続体に装着されている状態、かつ、
図1に示すカバー部材が接続保持具に装着されている状態、の外観を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本開示に係る接続保持具及び接続保持具セットの実施形態について、
図1~
図15を参照して説明する。各図において共通する部材・部位には同一の符号を付している。
【0018】
図1、
図2は、本実施形態としての接続保持具セット10と、この接続保持具セット10が装着される3つ医療器具100、200及び300を示す斜視図である。接続保持具セット10は、接続保持具1と、この接続保持具1に対して装着可能なカバー部材2と、を備える。以下、説明の便宜上、医療器具100を「第1医療器具100」、医療器具200を「第2医療器具200」、医療器具300を「第3医療器具300」と記載する。
【0019】
図3は、本実施形態の第1医療器具100、第2医療器具200及び第3医療器具300が直列に接続されることにより構成される接続体500の外観を示す図である。
図4は、接続体500の断面図である。
図4に示すように、接続体500の内部には、第1医療器具100が内部に区画する中空部100aと、第2医療器具200が内部に区画する中空部200aと、第3医療器具300が内部に区画する中空部300aと、が連通して構成される流路500aが形成されている。詳細は後述するが、本実施形態の流路500aは、第1医療器具100の中空部100aの中心軸線、第2医療器具200の中空部200aの中心軸線、及び、第3医療器具300の中空部300aの中心軸線、一直線状に並ぶように、直線状に延在している。換言すれば、本実施形態の流路500aの中心軸線Oは、中空部100a、中空部200a及び中空部300aの中心軸線と略一致している。
【0020】
また、本実施形態の接続体500の流路500aは、輸液ラインの少なくとも一部を構成している。そのため、接続体500の流路500aを通じて薬液等の液体が生体内に投与される。以下、説明の便宜上、薬液等の液体が流路500aを通じて生体内に供給される際の流路上流側を、単に「流路上流側」と記載し、薬液等の液体が流路500aを通じて生体内に供給される際の流路上流側を、単に「流路下流側」と記載する。
【0021】
図5、
図6は、本実施形態の接続保持具1を示す図である。接続保持具1は、接続されている2つの医療器具に対して装着可能である。具体的に、本実施形態の接続保持具1は、第1医療器具100(
図1等参照)及び第2医療器具200(
図1等参照)に対して装着可能である。
図5は、接続保持具1が第1医療器具100及び第2医療器具200に装着されていない際の形態である非装着形態を示す図である。また、
図6は、接続保持具1が第1医療器具100及び第2医療器具200に装着されている際の形態である装着形態を示す図である。
図5(a)、
図6(a)は、第1医療器具100及び第2医療器具200に装着されている状態で流路上流側となる端面を示す図である。
図5(b)は非装着形態とすることで露出される、接続保持具1の内面を示す図である。
図6(b)は接続保持具1の装着形態での側面図である。
【0022】
接続保持具1は、2つの医療器具に対して装着されることで、2つの医療器具の接続状態を保持することができる。本実施形態の接続保持具1は、第1医療器具100(
図1等参照)及び第2医療器具200(
図1等参照)に対して装着されることで、第1医療器具100及び第2医療器具200の接続状態を保持することができる。この保持する機構の詳細は後述する。
【0023】
図7は、本実施形態のカバー部材2を示す図である。
図8は、カバー部材2が接続保持具1に対して装着されている状態の接続保持具セット10を示す図である。
図7、
図8に示すように、カバー部材2は筒状に構成されており、装着形態にある接続保持具1の流路上流側の一端部と嵌合することで、接続保持具1に対して装着可能である。
【0024】
以下、
図1~
図8を参照して、第1医療器具100、第2医療器具200、第3医療器具300、接続保持具1、及び、カバー部材2、の更なる詳細について説明する。
【0025】
[第1医療器具100]
本実施形態の第1医療器具100は管状部材である。
図1、
図2に示すように、本実施形態の第1医療器具100としての管状部材の流路上流側の一端部には、第2医療器具200の後述するコネクタ部202に対して接続される、コネクタ部101としてのメスコネクタ部が設けられている。より具体的に、本実施形態では、第1医療器具100としての管状部材は、生体の脈管内に挿入される中心静脈カテーテルなどのカテーテルであり、コネクタ部101としてのメスコネクタ部はカテーテルハブ111である。
【0026】
より具体的に、
図1、
図2に示すように、本実施形態の第1医療器具100としての管状部材は、可撓性を有するカテーテル本体110(
図1~
図3では二点鎖線により表示。
図4では不図示。)と、このカテーテル本体110の流路上流側の一端部に装着されているカテーテルハブ111と、を備えている。
【0027】
図1、
図2に示すように、本実施形態のカテーテルハブ111は、円筒状のハブ本体部111aと、このハブ本体部111aの外周面から径方向の外側に向かって突出する第1突出部111bと、この第1突出部111bと径方向において対向する位置で、ハブ本体部111aの外周面から径方向の外側に向かって突出する第2突出部111cと、を備えている。
【0028】
図1、
図2に示すように、ハブ本体部111aの外面には、雄ねじ部112が形成されている。より具体的に、本実施形態の雄ねじ部112は、ハブ本体部111aの外面のうち、流路上流側の一端部に形成されている。第2医療器具200の後述するコネクタ部202としてのオスコネクタ部は、ハブ本体部111aの内部に挿入されると共に、雄ねじ部112と螺合することで接続される(
図4参照)。より具体的に、本実施形態のコネクタ部101はカテーテルハブ111により構成される。このコネクタ部101としてのカテーテルハブ111が、ISO80369-7に準拠するルアーロック方式のメスコネクタ部を構成する。つまり、第1医療器具100のコネクタ部101と第2医療器具200のコネクタ部202とは、相対的に回動することによりねじ接合し、接続される。
【0029】
また、
図4に示すように、本実施形態のコネクタ部101としてのカテーテルハブ111は、第1医療器具100の中空部100aの流路上流側の一端部を区画している。中空部100aの流路上流側の一端は閉塞されておらず、第2医療器具200が接続されていない状態では、外部に開放された開放状態となる。その一方で、中空部100aの流路上流側の一端は、第2医療器具200が接続されることで、第2医療器具200の中空部200aと液密に連通する。
【0030】
図1~
図4に示すように、第1突出部111b及び第2突出部111cは、ハブ本体部111aの外周面から径方向の外側に突出しているため、医師や看護師等の医療従事者は、第1突出部111b及び第2突出部111cを把持することで、カテーテルハブ111を操作することができる。このように、第1突出部111b及び第2突出部111cを設けることで、カテーテルハブ111の操作性を向上させることができる。
【0031】
より具体的に、本実施形態の第1突出部111b及び第2突出部111cは、ハブ本体部111aの周方向を厚み方向とする板状部により構成されている。また、本実施形態の第1突出部111b及び第2突出部111cは、ハブ本体部111aの中心軸線方向における長さが異なるが、等しい長さとしてもよい。
【0032】
ハブ本体部111aの外面から径方向の外側に突出する突出部の数量、形状、位置、大きさは、特に限定されない。したがって、本実施形態の板状の第1突出部111b及び第2突出部111cに限らず、例えば、ハブ本体部111aよりも外径が大きい環状のフランジ部により構成される突出部としてもよい。
【0033】
カテーテル本体110の材料は特に限定されないが、樹脂材料、特に軟質樹脂材料が好適であり、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレン・テトラフルオロエテレン共重合体(ETFE)、ベルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)等のフッ素系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂又はこれらの混合物、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテルナイロン樹脂、前記オレフィン系樹脂とエチレン-酢酸ビニル共重合体との混合物等が挙げられる。
【0034】
カテーテルハブ111の材料は特に限定されない。本実施形態のカテーテルハブ111は、ポリプロピレンにより形成されている。但し、カテーテルハブ111の材料は、カテーテル本体110よりも硬い材料によって構成されることが好ましい。カテーテルハブ111の材料としては、ポリプロピレンの他に、例えば、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリスルホン、ポリアリレート、メタクリレート-ブチレン-スチレン共重合体等の熱可塑性樹脂を好適に用いることができる。
【0035】
<第1医療器具100のコネクタ部101>
上述したように、本実施形態の第1医療器具100としての管状部材は、流路上流側にオスコネクタ部を挿入可能な中空部を区画するメスコネクタ部を備える。つまり、本実施形態の第1医療器具100のコネクタ部101は、中空部を区画するカテーテルハブ111により構成されているメスコネクタ部である。上述したように、カテーテルハブ111のハブ本体部111aの外面には雄ねじ部112が形成されている。この雄ねじ部112は、第2医療器具200のコネクタ部202としてのオスコネクタ部と接続する際に、コネクタ部202としてのオスコネクタ部に設けられている後述の雌ねじ部221(
図2等参照)と螺合する。より具体的に、本実施形態の第1医療器具100のコネクタ部101は、ISO80369-7に準拠するルアーロック方式のメスコネクタ部である。
【0036】
[第2医療器具200]
本実施形態の第2医療器具200は医療用コネクタである。
図1、
図2に示すように、本実施形態の第2医療器具200としての医療用コネクタの流路上流側の一端部には、第3医療器具300の後述するコネクタ部301に対して接続される、コネクタ部201としてのメスコネクタ部が設けられている。また、
図1、
図2に示すように、本実施形態の第2医療器具200としての医療用コネクタの他端部である流路下流側の一端部には、第1医療器具100の上述のコネクタ部101に対して接続される、コネクタ部202としてのオスコネクタ部が設けられている。より具体的に、本実施形態の第2医療器具200としての医療用コネクタは、混注ポートが設けられておらず直線状に延在するストレートタイプのI字型コネクタである。
【0037】
また、第2医療器具200のコネクタ部201としてのメスコネクタ部は、ISO80369-7に準拠するルアーロック方式のメスコネクタ部である。更に、第2医療器具200のコネクタ部202としてのオスコネクタ部は、ISO80369-7に準拠するルアーロック方式のオスコネクタ部である。この詳細は後述する。
【0038】
更に、
図4に示すように、本実施形態において、第2医療器具200のコネクタ部201としてのメスコネクタ部は、第2医療器具200の中空部200aの流路上流側の一端部を区画している。
図1に示すように、中空部200a(
図4参照)の流路上流側の一端部は、弾性弁体211が配置されることにより、閉塞されている。つまり、中空部200aの流路上流側の一端は、第3医療器具300が接続されていない状態では、外部に開放されていない閉鎖状態となる。その一方で、
図4に示すように、中空部200aの流路上流側の一端は、第3医療器具300が接続されることで弾性弁体211が中空部200aを開放し、第3医療器具300の中空部300aと液密に連通する。
【0039】
また、
図4に示すように、本実施形態において、第2医療器具200のコネクタ部202としてのオスコネクタ部は、第2医療器具200の中空部200aの流路下流側の一端部を区画している。
図2に示すように、中空部200aの流路下流側の一端は閉塞されておらず、第1医療器具100が接続されていない状態では、外部に開放された開放状態となる。その一方で、
図4に示すように、中空部200aの流路下流側の一端は、第1医療器具100が接続されることで、第1医療器具100の中空部100aと液密に連通する。
【0040】
以下、本実施形態の第2医療器具200の更なる詳細について、
図1~
図4を参照して説明する。
【0041】
上述したように、本実施形態の第2医療器具200は医療用コネクタであり、コネクタ部201としての、ISO80369-7に準拠するルアーロック方式のメスコネクタ部と、コネクタ部202としての、ISO80369-7に準拠するルアーロック方式のオスコネクタ部と、を備えている。
【0042】
より具体的には、
図4に示すように、本実施形態の第2医療器具200としての医療用コネクタは、中空部200aを区画するハウジング210と、スリット212を有し、中空部200aを閉塞する弾性弁体211と、を備えている。中空部200aは、第3医療器具300のコネクタ部301としてのオスコネクタ部が外方から挿入される挿入部213、及び、この挿入部213と連通する流路214、を有し、弾性弁体211は、挿入部213を閉塞する。
図4に示すように、第3医療器具300のコネクタ部301としてのオスコネクタ部が挿入部213に挿入されることで、弾性弁体211のスリット212が開放される。「挿入部と連通する流路」とは、挿入部と直接繋がる流路のみならず、挿入部と別の空間を介して繋がる流路をも含む意味である。本実施形態の流路214は、挿入部213と直接繋がる流路である。
【0043】
ハウジング210は、第3医療器具300のコネクタ部301としてのオスコネクタ部が外方から挿入される挿入部213を区画するキャップ215と、流路214を区画すると共に、キャップ215を支持するホルダ216と、を備える。
【0044】
キャップ215は天面キャップ217と底面キャップ218とを有しており、弾性弁体211は、天面キャップ217及び底面キャップ218により圧縮、挟持されて中空部200a内、具体的には挿入部213内での位置が固定されている。
【0045】
ホルダ216は、流路214を区画すると共に、天面キャップ217及び底面キャップ218を支持する部材である。なお、本実施形態では天面キャップ217及び底面キャップ218の両方がホルダ216に接触して支持される構成であるが、底面キャップ218を天面キャップ217に保持させて、天面キャップ217のみをホルダ216に接触させてホルダ216に支持させる構成としてもよい。また逆に天面キャップ217を底面キャップ218に保持させて、底面キャップ218のみをホルダ216に接触させてホルダ216に支持させる構成としてもよい。
【0046】
本実施形態では、天面キャップ217及び底面キャップ218は、挿入部213を区画している。また、ホルダ216は、挿入部213の一部と、流路214と、を区画している。
【0047】
ハウジング210を構成するホルダ216、並びに、キャップ215としての天面キャップ217及び底面キャップ218の材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体等のポリオレフィン;エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA);ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリスチレン;ポリアミド;ポリイミド;ポリアミドイミド;ポリカーボネート;ポリ-(4-メチルペンテン-1);アイオノマー;アクリル樹脂;ポリメチルメタクリレート;アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂);アクリロニトリル-スチレン共重合体(AS樹脂);ブタジエン-スチレン共重合体;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル;ポリエーテル;ポリエーテルケトン(PEK);ポリエーテルエーテルケトン(PEEK);ポリエーテルイミド;ポリアセタール(POM);ポリフェニレンオキシド;変性ポリフェニレンオキシド;ポリサルフォン;ポリエーテルサルフォン;ポリフェニレンサルファイド;ポリアリレート;芳香族ポリエステル(液晶ポリマー);ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂;などの各種樹脂材料が挙げられる。また、これらのうちの1種以上を含むブレンド体やポリマーアロイなどでもよい。その他に、各種ガラス材、セラミックス材料、金属材料であってもよい。
【0048】
図4に示すように、天面キャップ217は、略円筒状の中空筒部と、中空筒部の一端側に設けられたフランジ部と、を備える。
図4に示すように、天面キャップ217の中空筒部の他端側に位置する上面(
図4では左側の面)には、挿入部213の一端である略円形の挿入開口を区画する縁部219があり、天面キャップ217の中空筒部の外面には、ISO80369-7に準拠するルアーロック方式のオスコネクタ部と螺合してねじ接合することができるように、雄ねじ部220が形成されている。天面キャップ217のフランジ部は、天面キャップ217の中空筒部と一体で型成形された部位であり、天面キャップ217のフランジ部がホルダ216と係合することにより天面キャップ217がホルダ216に保持される。
【0049】
図4に示すように、底面キャップ218は、天面キャップ217と同様、略円筒状の中空筒部と、この中空筒部の一端側に設けられたフランジ部と、を備える。底面キャップ218は、天面キャップ217の中空筒部の内面及び/又は天面キャップ217のフランジ部の下面(
図4では右側の面)に超音波融着等によって接合されている。更に、底面キャップ218は、ホルダ216によって支持されている。
【0050】
本実施形態では、天面キャップ217及び底面キャップ218が弾性弁体211を挟持して、弾性弁体211を挿入部213内に保持する構成であるが、例えば、本実施形態におけるホルダ216と底面キャップ218とを一体の構成としたホルダと、本実施形態の天面キャップ217とで弾性弁体211を圧縮、挟持する構成としてもよい。すなわち、医療用コネクタのハウジングは、ホルダ、天面キャップ及び底面キャップの3つの部材で構成されるものに限らず、2つ以下の部材により構成されてもよく、4つ以上の部材で構成されてもよい。
【0051】
次に、本実施形態のホルダ216の詳細な構成について説明する。
図2、
図4に示すように、本実施形態のホルダ216は、内面に雌ねじ部221が形成されている略円筒状の外筒部222と、この外筒部222の内面が区画する中空部内に設けられた筒状のオスルアー部223と、外筒部222及びオスルアー部223の流路上流側の端部で外筒部222とオスルアー部223とを連結する連結部224と、を備える。本実施形態のホルダ216では、オスルアー部223の内面及び連結部224の内面が流路214を区画している。
【0052】
筒状のオスルアー部223は、ISO80369-7に準拠する6%のテーパ外面を有している。また、外筒部222の内面に形成されている雌ねじ部221は、ISO80369-7に準拠するルアーロック方式のメスコネクタ部の雄ねじ部と螺合可能である。つまり、
図4に示すように、外筒部222の内面に形成されている雌ねじ部221は、オスルアー部223を第1医療器具100のコネクタ部101としてのメスコネクタ部のハブ本体部111a内に挿入して接続する際に、ハブ本体部111aの外面に形成されている雄ねじ部112と、螺合可能である。
【0053】
図1~
図3に示すように、ホルダ216の連結部224の外面には、径方向の外側に突出する凸部224aが形成されている。凸部224aは、周方向に間隔を空けて複数形成されている。換言すれば、周方向に隣接する凸部224aの間に、凹部224bが区画されている。すなわち、本実施形態の連結部224の外面には、周方向に沿って凹凸を繰り返す凹凸部が形成されている。
【0054】
弾性弁体211は、第3医療器具300のコネクタ部301としてのオスコネクタ部が挿入部213に挿入されていない状態で、挿入部213を閉塞している。具体的に、本実施形態の弾性弁体211は、ハウジング210の天面キャップ217及び底面キャップ218に圧縮・挟持されることにより、挿入部213の位置に保持されている。
【0055】
図1、
図4に示すように、弾性弁体211は、第3医療器具300のコネクタ部301としてのオスコネクタ部が挿入部213に挿入又は抜去される際に弾性変形する。その際に、弾性弁体211のスリット212が開閉する。具体的には、
図4に示すように、第3医療器具300のコネクタ部301としてのオスコネクタ部が挿入部213に挿入されると、スリット212が開放される。その結果、第2医療器具200の中空部200aと、第3医療器具300の中空部300aと、が連通する。逆に、第3医療器具300のコネクタ部301としてのオスコネクタ部が挿入部213から抜去されると、
図1に示すように、スリット212が閉鎖される。その結果、挿入部213(
図4参照)が閉塞され、第2医療器具200の中空部200aに薬液等の液体が残存していても、挿入部213から漏出することを抑制することができる。
【0056】
弾性弁体211は、金型成形され、弾性変形可能に形成される。この弾性弁体211の材料としては、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン-ブタジエンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、エチレン-プロピレンゴム、ヒドリンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムのような各種ゴム材料や、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合したものであってもよい。
【0057】
また、弾性弁体211の硬度は、20~60°(A硬度)であることが好ましい。これにより、弾性弁体211に適度な弾性力を確保することができるため、弾性弁体211に後述する弾性変形を生じさせることができる。
【0058】
<第2医療器具200のコネクタ部201>
上述したように、本実施形態の第2医療器具200としての医療用コネクタは、流路上流側にオスコネクタ部を挿入可能な挿入部213を区画するメスコネクタ部を備える。つまり、本実施形態の第2医療器具200のコネクタ部201は、挿入部213を区画する天面キャップ217及び底面キャップ218により構成されているメスコネクタ部である。上述したように、天面キャップ217の外面には雄ねじ部220が形成されている。この雄ねじ部220は、第3医療器具300のコネクタ部301としてのオスコネクタ部と接続する際に、コネクタ部301としてのオスコネクタ部に設けられている後述の雌ねじ部312と螺合する。より具体的に、本実施形態の第2医療器具200のコネクタ部201は、ISO80369-7に準拠するルアーロック方式のメスコネクタ部である。
【0059】
<第2医療器具200のコネクタ部202>
上述したように、本実施形態の第2医療器具200としての医療用コネクタは、流路下流側にメスコネクタ部に挿入可能な筒状のオスルアー部223を備えるオスコネクタ部を備える。つまり、本実施形態の第2医療器具200のコネクタ部202は、オスルアー部223を含むホルダ216により構成されているオスコネクタ部である。上述したように、ホルダ216は、雌ねじ部221が内面に形成されている外筒部222を備えている。この外筒部222の雌ねじ部221は、第1医療器具100のコネクタ部101としてのメスコネクタ部と接続する際に、コネクタ部101としてのメスコネクタ部に設けられている雄ねじ部112と螺合する。より具体的に、本実施形態の第2医療器具200のコネクタ部202は、外筒部222及びオスルアー部223を含むホルダ216により構成される、ISO80369-7に準拠するルアーロック方式のオスコネクタ部である。
【0060】
[第3医療器具300]
本実施形態の第3医療器具300は管状部材である。
図1、
図2に示すように、本実施形態の第3医療器具300としての管状部材の流路下流側の一端部には、第2医療器具200の上述のコネクタ部201に対して接続される、コネクタ部301としてのオスコネクタ部が設けられている。より具体的に、本実施形態では、第3医療器具300としての管状部材は、流路上流側から薬液等の液体が供給される医療用チューブある。また、本実施形態の第3医療器具300のコネクタ部301は、医療用チューブの流路下流側の一端部に設けられている、ISO80369-7に準拠するルアーロック方式のオスコネクタ部である。
【0061】
図4に示すように、本実施形態において、第3医療器具300のコネクタ部301としてのオスコネクタ部は、第3医療器具300の中空部300aの流路下流側の一端部を区画している。
図2に示すように、中空部300aの流路下流側の一端は閉塞されておらず、第2医療器具200が接続されていない状態では、外部に開放された開放状態となる。その一方で、
図4に示すように、中空部300aの流路下流側の一端は、第2医療器具200が接続されることで、第2医療器具200の中空部200aと液密に連通する。
【0062】
以下、本実施形態の第3医療器具300の更なる詳細について、
図1~
図4を参照して説明する。
【0063】
図1、
図2に示すように、本実施形態の第3医療器具300としての医療用チューブは、可撓性を有するチューブ本体310(
図1~
図3では二点鎖線により表示。
図4では不図示。)と、このチューブ本体310の流路下流側の一端部に装着されている医療用コネクタ311と、を備えている。第3医療器具300の中空部300aは、チューブ本体310の中空部及び医療用コネクタ311の中空部により構成されている。
【0064】
図1~
図4に示すように、医療用コネクタ311は、流路上流側の一端部に位置するチューブ接続部311aと、流路下流側の一端部に位置する筒状のオスルアー部311bと、このオスルアー部311bの径方向の外側に位置し、内面に雌ねじ部312が形成されている略円筒状の外筒部311cと、を備える。本実施形態では、第3医療器具300のコネクタ部301としてのオスコネクタ部は、医療用コネクタ311のオスルアー部311b及び外筒部311cにより構成されている。この詳細は後述する。
【0065】
チューブ接続部311aは、チューブ本体310の流路下流側の開口からチューブ本体310内に挿入された状態で、チューブ本体310に固定されている。チューブ接続部311aとチューブ本体310との固定は、例えば、超音波融着等による溶着や、圧入することによる密着など、各種方法により実現可能である。
【0066】
オスルアー部311bは、ISO80369-7に準拠する6%のテーパ外面を有している。また、
図4に示すように、外筒部311cの内面に形成されている雌ねじ部312は、ISO80369-7に準拠するルアーロック方式のメスコネクタ部の雄ねじ部と螺合可能である。つまり、外筒部311cの内面に形成されている雌ねじ部312は、
図4に示すように、オスルアー部311bを第2医療器具200のコネクタ部201としてのメスコネクタ部内に挿入して接続する際に、天面キャップ217の外面に形成されている雄ねじ部220と、螺合可能である。
【0067】
図1、
図2に示すように、外筒部311cの外面には、径方向の外側に突出し、中心軸線方向に延在する凸状リブ313が形成されている。凸状リブ313は、周方向に間隔を空けて複数形成されている。周方向で隣接する凸状リブ313の間には、凹部314が区画されている。すなわち、本実施形態の外筒部311cの外面には、周方向に沿って凹凸を繰り返す凹凸部が形成されている。
【0068】
オスルアー部311b及び外筒部311cは、それぞれの流路上流側の端部で連結されている。
【0069】
チューブ本体310の材料は特に限定されないが、例えば、軟質ポリ塩化ビニル、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン等、あるいはこれらを主とする材料が挙げられる。
【0070】
医療用コネクタ311の材料は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体等のポリオレフィン;エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA);ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリスチレン;ポリアミド;ポリイミド;ポリアミドイミド;ポリカーボネート;ポリ-(4-メチルペンテン-1);アイオノマー;アクリル樹脂;ポリメチルメタクリレート;アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂);アクリロニトリル-スチレン共重合体(AS樹脂);ブタジエン-スチレン共重合体;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル;ポリエーテル;ポリエーテルケトン(PEK);ポリエーテルエーテルケトン(PEEK);ポリエーテルイミド;ポリアセタール(POM);ポリフェニレンオキシド;変性ポリフェニレンオキシド;ポリサルフォン;ポリエーテルサルフォン;ポリフェニレンサルファイド;ポリアリレート;芳香族ポリエステル(液晶ポリマー);ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂;などの各種樹脂材料が挙げられる。また、これらのうちの1種以上を含むブレンド体やポリマーアロイなどでもよい。その他に、各種ガラス材、セラミックス材料、金属材料であってもよい。
【0071】
<第3医療器具300のコネクタ部301>
上述したように、本実施形態の第3医療器具300としての管状部材は、流路下流側にメスコネクタ部に挿入可能な筒状のオスルアー部311bを備えるオスコネクタ部を備える。つまり、本実施形態の第3医療器具300のコネクタ部301は、オスルアー部311bを含む医療用コネクタ311により構成されているオスコネクタ部である。上述したように、医療用コネクタ311は、雌ねじ部312が内面に形成されている外筒部311cを備えている。この外筒部311cの雌ねじ部312は、第2医療器具200のコネクタ部201としてのメスコネクタ部と接続する際に、コネクタ部201としてのメスコネクタ部に設けられている雄ねじ部220と螺合する。より具体的に、本実施形態の第3医療器具300のコネクタ部301は、外筒部311c及びオスルアー部311bを含む医療用コネクタ311により構成される、ISO80369-7に準拠するルアーロック方式のオスコネクタ部である。
【0072】
[接続保持具1]
図1、
図2、
図5、
図6に示すように、本実施形態の接続保持具1は、
図3、
図4に示す接続されている状態の第1医療器具100及び第2医療器具200の周囲を覆う周囲カバー部11を備える。本実施形態の周囲カバー部11は、接続されている状態の第1医療器具100及び第2医療器具200に跨って延在し、接続されている状態の第1医療器具100及び第2医療器具200の周囲を覆うことができる(
図10~
図15参照)。
図5等に示すように、本実施形態の周囲カバー部11は、半円筒状の第1カバー部11aと、半円筒状の第2カバー部11bと、第1カバー部11a及び第2カバー部11bを連結するヒンジ部11cと、を備える周囲カバー部材により構成されている。より具体的に、本実施形態では、接続保持具1の全体が、周囲カバー部11を備え、一体で成形されている周囲カバー部材、により構成によりされている。
【0073】
図5、
図6に示すように、本実施形態の接続保持具1としての周囲カバー部材では、ヒンジ部11cにより、第1カバー部11a及び第2カバー部11bが、非装着形態(
図5参照)と装着形態(
図6参照)との間で形態変化することができる。具体的に、
図5に示す非装着形態から、第1カバー部11aの凹状の内面と、第2カバー部11bの凹状の内面と、を対向させるように、ヒンジ部11cを変形させる。半円筒状の第1カバー部11a及び半円筒状の第2カバー部11bの内面同士が対向することで、
図6に示す略円筒状の装着形態に形態が変化する。
【0074】
図1等に示すように、第1カバー部11aの凸状の外面には、ヒンジ部11cが接続されている位置と径方向において対向する位置に、係止受け孔12を区画する第1係止部13が設けられている。より具体的に、半円筒状の第1カバー部11aの外面のうち周方向の一方側の端部には、ヒンジ部11cが設けられている。半円筒状の第1カバー部11aの外面のうち周方向の他方側の端部には、周方向の他方側に向かって突出する第1係止部13が設けられている。
【0075】
図5に示すように、第2カバー部11bの凸状の外面には、ヒンジ部11cが接続されている位置と径方向において対向する位置に、突起部により構成されている第2係止部14が設けられている。より具体的に、半円筒状の第2カバー部11bの外面のうち周方向の一方側の端部には、ヒンジ部11cが設けられている。半円筒状の第2カバー部11bの外面のうち周方向の他方側の端部には、突起部により構成されている第2係止部14が設けられている。
【0076】
本実施形態の接続保持具1としての周囲カバー部材では、非装着形態(
図5参照)から装着形態(
図6参照)に形態変化する際に、第1係止部13が、突起部により構成されている第2係止部14を乗り換えるように変形する。第1係止部13が区画する係止受け孔12に、突起部により構成されている第2係止部14が嵌合することで、装着形態(
図6参照)への形態変化が完了すると共に、第1係止部13及び第2係止部14により、装着形態が保持される。
【0077】
図5に示すように、半円筒状の第1カバー部11aは、周方向に延在するカバー本体部19aと、このカバー本体部19aの凹状の内面から径方向の内側に向かって突出する4つのフランジ部と、を備える。具体的には、
図5(b)に示すように、本実施形態の第1カバー部11aでは、接続保持具1が接続状態の第1医療器具100(
図1等参照)及び第2医療器具200(
図1等参照)に対して装着されている場合に流路上流側となる一方側(
図5(b)では左側)から順に、第1フランジ部15a、第2フランジ部16a、第3フランジ部17a及び第4フランジ部18aが形成されている。
【0078】
また、
図5に示すように、半円筒状の第2カバー部11bは、周方向に延在するカバー本体部19bと、このカバー本体部19bの凹状の内面から径方向の内側に向かって突出する4つのフランジ部と、を備える。具体的には、
図5(b)に示すように、本実施形態の第2カバー部11bでは、接続保持具1が接続状態の第1医療器具100(
図1等参照)及び第2医療器具200(
図1等参照)に対して装着されている場合に中心軸線方向Bの流路上流側となる一方側(
図5(b)では左側)から順に、第1フランジ部15b、第2フランジ部16b、第3フランジ部17b及び第4フランジ部18bが形成されている。
【0079】
図5(b)に示すように、第1カバー部11aの第1フランジ部15aと、第2カバー部11bの第1フランジ部15bと、は中心軸線方向Bにおいて略等しい位置にある。また、接続保持具1の装着形態(
図6参照)において、第1カバー部11aの第1フランジ部15aの径方向内側の端面と、第2カバー部11bの第1フランジ部15bの径方向内側の端面と、は径方向において対向して配置される。
【0080】
図5(b)に示すように、本実施形態の第1カバー部11aの第1フランジ部15aは、周方向の半円分の全域に亘って周方向に延在している。また、本実施形態の第2カバー部11bの第1フランジ部15bについても、周方向の半円分の全域に亘って周方向に延在している。したがって、接続保持具1の装着形態(
図6参照)では、第1カバー部11aの第1フランジ部15a及び第2カバー部11bの第1フランジ部15bにより、周方向の全域に亘って延在する環状フランジが形成される。
【0081】
図5(b)に示すように、第1カバー部11aの第2フランジ部16aと、第2カバー部11bの第2フランジ部16bと、は中心軸線方向Bにおいて略等しい位置にある。また、接続保持具1の装着形態(
図6参照)において、第1カバー部11aの第2フランジ部16aの径方向内側の端面と、第2カバー部11bの第2フランジ部16bの径方向内側の端面と、は径方向において対向して配置される。
【0082】
本実施形態の第1カバー部11aの第2フランジ部16aは、周方向の半円分の全域に亘って周方向に延在している。また、本実施形態の第2カバー部11bの第2フランジ部16bについても、周方向の半円分の全域に亘って周方向に延在している。したがって、接続保持具1の装着形態(
図6参照)では、第1カバー部11aの第2フランジ部16a及び第2カバー部11bの第2フランジ部16bにより、周方向の全域に亘って延在する環状フランジが形成される。
【0083】
図5(b)に示すように、第1カバー部11aの第3フランジ部17aと、第2カバー部11bの第3フランジ部17bと、は中心軸線方向Bにおいて略等しい位置にある。また、接続保持具1の装着形態(
図6参照)において、第1カバー部11aの第3フランジ部17aの径方向内側の端面と、第2カバー部11bの第3フランジ部17bの径方向内側の端面と、は径方向において対向して配置される。
【0084】
本実施形態の第1カバー部11aの第3フランジ部17aは、周方向の半円分の全域に亘って周方向に延在している。また、本実施形態の第2カバー部11bの第3フランジ部17bについても、周方向の半円分の全域に亘って周方向に延在している。したがって、接続保持具1の装着形態(
図6参照)では、第1カバー部11aの第3フランジ部17a及び第2カバー部11bの第3フランジ部17bにより、周方向の全域に亘って延在する環状フランジが形成される。
【0085】
より具体的には、
図5に示すように、第1カバー部11aの第3フランジ部17aの内縁部には、周方向の両端において切欠部21aが形成されている。換言すれば、第1カバー部11aの第3フランジ部17aの内端面は、周方向の中央部に位置する周面部20aと、この周面部20aの周方向の両側それぞれに位置し、周面部20aよりもカバー本体部19aの内面側に近い切欠部21aと、を備える。換言すれば、第1カバー部11aの第3フランジ部17aは、周方向の中央部よりも、周方向の両端部の位置において、カバー本体部19aの内面からの突出量が小さい。
【0086】
また、第2カバー部11bの第3フランジ部17bの内縁部には、周方向の両端において切欠部21bが形成されている。換言すれば、第2カバー部11bの第3フランジ部17bの内端面は、周方向の中央部に位置する周面部20bと、この周面部20bの周方向の両側それぞれに位置し、周面部20bよりもカバー本体部19bの内面側に近い切欠部21bと、を備える。換言すれば、第2カバー部11bの第3フランジ部17bは、周方向の中央部よりも、周方向の両端部の位置において、カバー本体部19bの内面からの突出量が小さい。
【0087】
上述したように、接続保持具1の装着形態(
図6参照)では、第1カバー部11aの第3フランジ部17a及び第2カバー部11bの第3フランジ部17bにより、周方向の全域に亘って延在する環状フランジが形成される。但し、上述の切欠部21a及び切欠部21bを設けることにより、接続保持具1の装着形態(
図6参照)での環状のフランジの周方向の一部に、切欠部21a及び切欠部21bにより区画される内縁凹部22を形成することができる(
図6(a)参照)。内縁凹部22には、上述の第1医療器具100における第1突出部111b(
図1等参照)及び第2突出部111c(
図1等参照)が入り込むことができる。このようにすることで、接続保持具1に対して第1医療器具100(
図1等参照)が相対的に回動することを規制することができる。この詳細は後述する。
【0088】
図5(b)に示すように、第1カバー部11aの第4フランジ部18aと、第2カバー部11bの第4フランジ部18bと、は中心軸線方向Bにおいて略等しい位置にある。また、接続保持具1の装着形態(
図6参照)において、第1カバー部11aの第4フランジ部18aの径方向内側の端面と、第2カバー部11bの第4フランジ部18bの径方向内側の端面と、は径方向において対向して配置される。
【0089】
本実施形態の第1カバー部11aの第4フランジ部18aは、周方向の半円分の全域に亘って周方向に延在している。また、本実施形態の第2カバー部11bの第4フランジ部18bについても、周方向の半円分の全域に亘って周方向に延在している。したがって、接続保持具1の装着形態(
図6参照)では、第1カバー部11aの第4フランジ部18a及び第2カバー部11bの第4フランジ部18bにより、周方向の全域に亘って延在する環状フランジが形成される。
【0090】
より具体的には、
図5(b)に示すように、第1カバー部11aの第4フランジ部18aの内縁部には、周方向の両端において切欠部24aが形成されている。換言すれば、第1カバー部11aの第4フランジ部18aの内端面は、周方向の中央部に位置する周面部23aと、この周面部23aの周方向の両側それぞれに位置し、周面部23aよりもカバー本体部19aの内面側に近い切欠部24aと、を備える。換言すれば、第1カバー部11aの第4フランジ部18aは、周方向の中央部よりも、周方向の両端部の位置において、カバー本体部19aの内面からの突出量が小さい。つまり、第1カバー部11aの第3フランジ部17aと同様の構成を有している。
【0091】
また、第2カバー部11bの第4フランジ部18bの内縁部には、周方向の両端において切欠部24bが形成されている。換言すれば、第2カバー部11bの第4フランジ部18bの内端面は、周方向の中央部に位置する周面部23bと、この周面部23bの周方向の両側それぞれに位置し、周面部23bよりもカバー本体部19bの内面側に近い切欠部24bと、を備える。換言すれば、第2カバー部11bの第4フランジ部18bは、周方向の中央部よりも、周方向の両端部の位置において、カバー本体部19bの内面からの突出量が小さい。つまり、第2カバー部11bの第3フランジ部17bと同様の構成を有している。
【0092】
上述したように、接続保持具1の装着形態(
図6参照)では、第1カバー部11aの第4フランジ部18a及び第2カバー部11bの第4フランジ部18bにより、周方向の全域に亘って延在する環状フランジが形成される。但し、上述の切欠部24a及び切欠部24bを設けることにより、接続保持具1の装着形態(
図6参照)での環状のフランジの周方向の一部に、切欠部24a及び切欠部24bにより区画される内縁凹部25を形成することができる(
図6(a)参照)。内縁凹部25には、上述の第1医療器具100における第1突出部111b(
図1等参照)及び第2突出部111c(
図1等参照)が入り込むことができる。このようにすることで、接続保持具1に対して第1医療器具100(
図1等参照)が相対的に回動することを規制することができる。
【0093】
更に、
図5(b)等に示すように、第1カバー部11aのカバー本体部19aの凹状の内面には、接続保持具1が装着形態(
図6参照)において、第2医療器具200(
図1等参照)の凹部224b(
図1等参照)に入り込む凸部26aが形成されている。凸部26aは、周方向に間隔を空けて複数形成されている。周方向に隣接する凸部26aの間に、凹部27aが区画されている。この凹部27aには、接続保持具1が装着形態(
図6参照)において、第2医療器具200(
図1等参照)の凸部224a(
図1等参照)が入り込む。
【0094】
換言すれば、第1カバー部11aのカバー本体部19aの凹状の内面には、第2医療器具200(
図1等参照)の凸部224a及び凹部224bにより構成される凹凸部に対応する対応凹凸部が形成されている。そのため、接続保持具1が装着形態(
図6参照)において、第2医療器具200(
図1等参照)の凹凸部と、第1カバー部11aのカバー本体部19aの対応凹凸部と、が係合する。このようにすることで、第1カバー部11aに対して第2医療器具200(
図1等参照)が相対的に回動することを規制することができる。
【0095】
また、第2カバー部11bのカバー本体部19bの凹状の内面には、接続保持具1が装着形態(
図6参照)において、第2医療器具200(
図1等参照)の凹部224b(
図1等参照)に入り込む凸部26bが形成されている。凸部26bは、周方向に間隔を空けて複数形成されている。周方向に隣接する凸部26bの間に、凹部27bが区画されている。この凹部27bには、接続保持具1が装着形態(
図6参照)において、第2医療器具200(
図1等参照)の凸部224a(
図1等参照)が入り込む。
【0096】
換言すれば、第2カバー部11bのカバー本体部19bの凹状の内面には、第2医療器具200(
図1等参照)の凸部224a及び凹部224bにより構成される凹凸部に対応する対応凹凸部が形成されている。そのため、接続保持具1が装着形態(
図6参照)において、第2医療器具200(
図1等参照)の凹凸部と、第2カバー部11bのカバー本体部19bの対応凹凸部と、が係合する。このようにすることで、第2カバー部11bに対して第2医療器具200(
図1等参照)が相対的に回動することを規制することができる。
【0097】
すなわち、本実施形態の接続保持具1は、第1カバー部11aのカバー本体部19aの凹状の内面に形成されている、凸部26a及び凹部27aにより構成される対応凹凸部と、第2カバー部11bのカバー本体部19bの凹状の内面に形成されている、凸部26b及び凹部27bにより構成される対応凹凸部と、を備える。これにより、接続保持具1に対して第2医療器具200(
図1等参照)が相対的に回動することを規制することができる。
【0098】
本実施形態では、第1カバー部11aのカバー本体部19aの凹状の内面と、第2カバー部11bのカバー本体部19bの凹状の内面と、の両面に対応凹凸部を設けているが、この構成に限らず、いずれか一方の内面に対応凹凸部を設ける構成としてもよい。但し、接続保持具1に対して第2医療器具200(
図1等参照)が相対的に回動することをより確実に規制するため、本実施形態のように、第1カバー部11aのカバー本体部19aの凹状の内面と、第2カバー部11bのカバー本体部19bの凹状の内面と、の両面に対応凹凸部を設ける構成とすることが好ましい。
【0099】
<第1係合部61及び第2係合部62>
接続保持具1は、相対的に回動することにより接続状態を解除可能な2つの医療器具に対して装着され、2つの医療器具の接続状態を保持することができる。具体的に、本実施形態の接続保持具1は、2つの医療器具としての、第1医療器具100(
図1等参照)及び第2医療器具200(
図1等参照)に対して装着され、第1医療器具100及び第2医療器具200の接続状態を保持することができる。上述したように、第1医療器具100及び第2医療器具200は、相対的に回動させることでねじ接合し、これにより接続される。逆に言えば、第1医療器具100及び第2医療器具200は、相対的に回動させることでねじ接合を解除することができる。つまり、相対的に回動することにより接続状態を解除可能である。
【0100】
具体的に、本実施形態の接続保持具1では、上述した第1カバー部11aの第3フランジ部17a及び第4フランジ部18a、並びに、第2カバー部11bの第3フランジ部17b及び第4フランジ部18b、により、第1医療器具100の相対的な回動を規制する。
【0101】
本実施形態の接続保持具1を非装着形態(
図5参照)から装着形態(
図6参照)に形態変化させる際に、第1医療器具100の第1突出部111b及び第2突出部111cを、周方向において、第1カバー部11aの第3フランジ部17a及び第2カバー部11bの第3フランジ部17bに挟ませる。換言すれば、接続保持具1の装着形態(
図6参照)における内縁凹部22の位置に、第1医療器具100の第1突出部111b及び第2突出部111cが配置されるようにする。このようにすれば、第1医療器具100が、ハブ本体部111aの中心軸線周りに回動しようとしても、第1突出部111b及び第2突出部111cの少なくとも一方が、第1カバー部11aの第3フランジ部17a及び第2カバー部11bの第3フランジ部17bの少なくとも一方に当接するため、ハブ本体部111aの中心軸線周りに回動しない。つまり、接続保持具1に対する第1医療器具100の相対的な回動を規制することができる。
【0102】
また、本実施形態の接続保持具1を非装着形態(
図5参照)から装着形態(
図6参照)に形態変化させる際に、第1医療器具100の第1突出部111b及び第2突出部111cを、周方向において、第1カバー部11aの第4フランジ部18a及び第2カバー部11bの第4フランジ部18bに挟ませる。換言すれば、接続保持具1の装着形態(
図6参照)における内縁凹部25の位置に、第1医療器具100の第1突出部111b及び第2突出部111cが配置されるようにする。このようにすれば、第1医療器具100が、ハブ本体部111aの中心軸線周りに回動しようとしても、第1突出部111b及び第2突出部111cの少なくとも一方が、第1カバー部11aの第4フランジ部18a及び第2カバー部11bの第4フランジ部18bの少なくとも一方に当接するため、ハブ本体部111aの中心軸線周りに回動しない、又は、回動量が制限される。つまり、接続保持具1に対する第1医療器具100の中心軸線O周りの相対的な回動を規制することができる。
【0103】
このように、本実施形態の接続保持具1は、第1医療器具100の相対的な回動を規制する。
【0104】
また、本実施形態の接続保持具1では、上述した第1カバー部11aのカバー本体部19aの凸部26a及び凹部27aにより構成されている対応凹凸部、並びに、上述した第2カバー部11bのカバー本体部19bの凸部26b及び凹部27bにより構成されている対応凹凸部、により、第2医療器具200の相対的な回動を規制する。
【0105】
具体的に、接続保持具1の装着形態(
図6参照)において、第2医療器具200の凸部224a及び凹部224bにより構成される凹凸部は、接続保持具1の上述の対応凹凸部に嵌合する。つまり、接続保持具1の装着形態(
図6参照)において、第2医療器具200の凸部224aは、接続保持具1の上述の凹部27a及び凹部27bに嵌合する。また、接続保持具1の装着形態(
図6参照)において、第2医療器具200の凹部224bには、接続保持具1の上述の凸部26a及び凸部26bが嵌合する。これにより、接続保持具1に対して第2医療器具200が、オスルアー部223(
図2等参照)の中心軸線周りに回動しようとしても、接続保持具1の凸部26a及び凸部26bと、第2医療器具200の凸部224aと、が周方向で当接するため、オスルアー部223(
図2等参照)の中心軸線周りに回動しない、又は、回動量が制限される。つまり、接続保持具1に対する第2医療器具200の中心軸線O周りの相対的な回動を規制することができる。
【0106】
以上のように、本実施形態の接続保持具1では、一方の医療器具としての第1医療器具100と係合する、第1係合部61としての第3フランジ部17a、第3フランジ部17b、第4フランジ部18a及び第4フランジ部18bを備える。また、本実施形態の接続保持具1では、他方の医療器具としての第2医療器具200と係合する、第2係合部62としての凸部26a及び凸部26bを備える。
【0107】
第1係合部61としての第3フランジ部17a、第3フランジ部17b、第4フランジ部18a及び第4フランジ部18bは、第1医療器具100と当接することで係合し、第1医療器具100の、第2医療器具200に対する解除方向側への相対的な回動を規制する。
【0108】
以下、説明の便宜上、接続状態の第1医療器具100及びを第2医療器具200の接続を解除する際に、第2医療器具200に対して第1医療器具100が相対的に回動する方向を、第1回動方向A1と記載する。つまり、上述の「解除方向側への相対的な回動」とは、第1医療器具100の第2医療器具200に対する第1回動方向A1への相対的な回動を意味する。また、説明の便宜上、上述の「解除方向側」と逆側を、第2回動方向A2と記載する。第2回動方向A2とは、接続状態の第1医療器具100及びを第2医療器具200の接続を解除する際に、第1医療器具100に対して第2医療器具200が相対的に回動する方向を意味する。
【0109】
第2係合部62としての凸部26a及び凸部26bは、第2医療器具200と当接することで係合し、第2医療器具200の、第1医療器具100に対する第2回動方向A2への相対的な回動を規制する。
【0110】
具体的に、本実施形態では、ねじ接合されて接続状態にある第1医療器具100及び第2医療器具200のうち第1医療器具100に対して、ねじ接合を緩める方向である第1回動方向A1に向かって回動力が作用したとしても、第1係合部61としての第3フランジ部17a等により、第1医療器具100が接続保持具1に対して相対的に第1回動方向A1に回動することが規制される。
【0111】
更に、本実施形態では、ねじ接合されて接続状態にある第1医療器具100及び第2医療器具200のうち第2医療器具200に対して、ねじ接合を緩める方向である第2回動方向A2に向かって回動力が作用したとしても、第2係合部62としての凸部26a等により、第2医療器具200が接続保持具1に対して相対的に第2回動方向A2に回動することが規制される。
【0112】
すなわち、接続保持具1が上述の第1係合部61及び第2係合部62を備えることで、第1医療器具100及び第2医療器具200それぞれが、接続保持具1に対してねじ接合が緩まる方向に相対的に回動することを、規制することができる。そのため、接続状態にある第1医療器具100及び第2医療器具200が、ねじ接合が緩まる方向に相対的に回動することを規制することができる。
【0113】
一般的に、ポリカーボネートに比べてポリプロピレンは軟らかく変形し易い。そのため、一例として、カテーテルハブ111(
図1等参照)がポリプロピレンで形成され、第2医療器具200(
図1等参照)のホルダ216(
図1等参照)がポリカーボネートで形成されている場合、カテーテルハブ111の雄ねじ部112(
図1等参照)と、医療器具200(
図1等参照)のホルダ216(
図1等参照)の雌ねじ部221(
図2等参照)と、のねじ接合は、カテーテルハブ111の雄ねじ部112が経時的に変形することで緩むことがある。接続保持具1を用いれば、このような硬度の異なる部材同士のねじ接合であっても、ねじ接合が緩まる方向に相対的に回動することを、より確実に規制することができる。
【0114】
更に、本実施形態の第1係合部61としての第3フランジ部17a、17b及び第4フランジ部18a、18bは、第1医療器具100の一部としての第1突出部111b及び第2突出部111cに対して、第1医療器具100の回動周方向Aの第1回動方向A1に隣接して配置され、第1医療器具100の第1突出部111b及び第2突出部111cに当接することにより、第1医療器具100の第1回動方向A1への回動を規制する第1当接壁部28を備える。より具体的には、
図5(b)に示すように、本実施形態の第1当接壁部28は、内縁凹部22(
図6(a)参照)を区画する端面のうち第1回動方向A1側に位置する部分、及び、内縁凹部25を区画する端面のうち第1回動方向A1側に位置する部分、により構成されている。
【0115】
また、本実施形態の第2係合部62としての凸部26a、26bは、第2医療器具200の一部としての凸部224aに対して、回動周方向Aの第2回動方向A2に隣接して配置され、第2医療器具200の凸部224aに当接することにより第2医療器具200の第2回動方向A2への回動を規制する第2当接壁部29を備える。より具体的に、本実施形態の第2当接壁部29は、凸部26a、26bの回動周方向Aの第2回動方向A2側の側面により構成されている。
【0116】
本実施形態の第1係合部61は、上述したように、第3フランジ部17a、17b及び第4フランジ部18a、18bにより構成されているが、接続保持具1に対する第1医療器具100の相対的な回動を規制できる構成であればよく、本実施形態で示す構成に限られない。例えば、本実施形態の第3フランジ部17a、17bは、接続保持具1の装着形態(
図6参照)において、周方向の全域に亘って延在する環状フランジを形成するが、周方向の一部のみに延在するリブ等を形成する構成であってもよい。すなわち、周囲カバー部11が、接続保持具1の装着形態(
図6参照)において、内部の中空部に向かって突出する複数の突出部(一例として本実施形態では第3フランジ部17a、17b、第4フランジ部18a、18b、及び、凸部26a、26b)を備え、第1係合部61を、この突出部(一例として本実施形態では第3フランジ部17a、17b及び第4フランジ部18a、18b)により構成することができる。
【0117】
また、本実施形態の第2係合部62は、上述したように、凸部26a、26bにより構成されているが、接続保持具1に対する第2医療器具200の相対的な回動を規制できる構成であればよく、本実施形態で示す構成に限られない。例えば、本実施形態の凸部26a、26bは、接続保持具1の装着形態(
図6参照)において、周方向に合計複数配置されているが、1つのみの構成であってもよい。すなわち、周囲カバー部11が、接続保持具1の装着形態(
図6参照)において、内部の中空部に向かって突出する複数の突出部(一例として本実施形態では第3フランジ部17a、17b、第4フランジ部18a、18b、及び、凸部26a、26b)を備え、第2係合部62を、この突出部(一例としての本実施形態では凸部26a、26b)により構成することができる。
【0118】
このように、第1係合部61及び第2係合部62を、周囲カバー部11に設けられる突出部で構成することにより、第1医療器具100及び第2医療器具200の中心軸線O周りの相対的な回動を規制できると共に、周囲カバー部11全体によって、2つの医療器具としての第1医療器具100及び第2医療器具200の周囲を覆い隠すことができる。そのため、患者等が第1医療器具100及び第2医療器具200に触れることを抑制でき、第1医療器具100及び第2医療器具200の接続が誤操作によって解除されるような危険性を、より低減することができる。
【0119】
更に、第1係合部61及び第2係合部62を、接続保持具1に設けられる凹部により構成してもよい。この場合は、第1医療器具100及び第2医療器具200に、第1係合部61及び第2係合部62としての凹部に嵌合する凸部を設ければよい。このように、第1係合部61は、中心軸線Oの周りの周方向において、第1医療器具100の一部と干渉する構成であれば特に限定されない。また、第2係合部62は、中心軸線Oの周りの周方向において、第2医療器具200の一部と干渉する構成であれば特に限定されない。
【0120】
<第3係合部63>
本実施形態の第1フランジ部15a、15bは、第2医療器具200と係合することにより、接続保持具1に対して第2医療器具200が流路上流側へ相対的に移動することを規制する。つまり、接続状態の第1医療器具100及び第2医療器具200に対して接続保持具1を装着する際に、第1フランジ部15a、15bは、第2医療器具200の一部と中心軸線Oに沿う中心軸線方向Bにおいて干渉する位置に配置される。本実施形態の第1フランジ部15a、15bは、第2医療器具200の一部としてのホルダ216の一部(本実施形態では連結部224の流路上流側に面する壁面)に対して、中心軸線方向Bにおける流路上流側に配置される。したがって、ホルダ216の一部が第1フランジ部15a、15bの流路下流側から当接することにより、第2医療器具200の流路上流側への相対的な移動を規制する。
【0121】
また、本実施形態の第2フランジ部16a、16bは、第2医療器具200と係合することにより、接続保持具1に対して第2医療器具200が流路下流側へ相対的に移動することを規制する。つまり、接続状態の第1医療器具100及び第2医療器具200に対して接続保持具1を装着する際に、第2フランジ部16a、16bは、第2医療器具200の一部と中心軸線方向Bにおいて干渉する位置に配置される。本実施形態の第2フランジ部16a、16bは、第2医療器具200の一部としてのホルダ216の一部(本実施形態では連結部224の外壁と外筒部222の外壁とを繋ぐ段差面)に対して、中心軸線方向Bにおける流路下流側に配置される。したがって、ホルダ216の一部が第2フランジ部16a、16bの流路上流側から当接することにより、第2医療器具200の流路下流側への相対的な移動を規制する。
【0122】
すなわち、本実施形態の接続保持具1は、第2医療器具200と係合し、第1医療器具100及び第2医療器具200の、回動中心軸線としての中心軸線Oに平行な中心軸線方向Bへの相対的な移動を規制する、第3係合部63を備える。本実施形態の第3係合部63は、上述したように、第1フランジ部15a、15b及び第2フランジ部16a、16bにより構成されている。
【0123】
本実施形態の第3係合部63は、第1フランジ部15a、15b及び第2フランジ部16a、16bにより構成されているが、接続保持具1に対する第1医療器具100及び第2医療器具200の中心軸線方向Bへの相対的な移動を規制する構成であればよく、本実施形態の構成に限られない。したがって、第3係合部63は、周方向に延在するフランジ部に限らず、例えば、カバー本体部19a、19bの内面から突出する各種の突出部とすることができる。この他に、第3係合部63を、第2医療器具200に設けられた凸部が嵌合する凹部により構成してもよい。
【0124】
接続保持具1は、例えば、上述のホルダ216(
図1等参照)と同様の材料から形成することができる。
【0125】
[カバー部材2]
図8に示すように、カバー部材2は、接続保持具1に対して装着可能であり、接続保持具1に対して装着されている状態で、接続保持具1が接続を保持する2つの医療器具のいずれかの医療器具に対して接続される別の医療器具の周囲を覆うことができる。つまり、カバー部材2によれば、接続保持具1により接続が保持される2つの医療器具のいずれかに更に接続される別の医療器具の周囲を覆うことができる。このようにすることで、直列に接続される3つの医療器具における2つの接続箇所の両方について、外部から操作され難い状態にすることができる。そのため、2つの接続箇所の両方について、意図せずに接続解除の操作が行われることを抑制することができる。
【0126】
図7に示すように、カバー部材2は、中空部32を区画する円筒状の筒状部材により構成されている。
図8に示すように、カバー部材2は、接続保持具1が、接続状態にある第1医療器具100及び第2医療器具200の周囲に装着されている状態で、接続保持具1の流路上流側の端部に取り付けられる。具体的に、本実施形態のカバー部材2の内面には、
図7に示すように、周方向全域に亘って延在する環状凸部30が形成されている。また、
図6に示すように、本実施形態の接続保持具1における、第1カバー部11aのカバー本体部19aの外面、及び、第2カバー部11bのカバー本体部19bの外面、には突起部31が形成されている。そのため、本実施形態では、カバー部材2の上述の環状凸部30が接続保持具1の上述の突起部31を乗り越えるまで、カバー部材2を接続保持具1に外嵌めする。これにより、カバー部材2を接続保持具1に対して装着することができる。
【0127】
本実施形態のカバー部材2は、接続保持具1に装着することにより、第2医療器具200に対して接続される第3医療器具300の周囲を覆うことができる。但し、カバー部材2は、第3医療器具300の中心軸線Oの周りの相対的な回動を規制しない。つまり、カバー部材2は、第3医療器具300の周囲を覆うことで、第3医療器具300に触れ難くすることができ、第3医療器具300を第2医療器具200から取り外すような誤操作の発生を抑制することができる。
【0128】
また、本実施形態のカバー部材2は、接続保持具1に対して回動可能な状態で装着されている。このような構成とすることにより、外部からカバー部材2を周方向に回動させる外力が作用したとしても、カバー部材2が接続保持具1に対して相対的に回動できるため、接続保持具1が回動することによって第1医療器具100及び第2医療器具200に捩れが発生することを抑制することができる。また、上述したように、カバー部材2及び第3医療器具300は周方向に干渉しておらず、周方向に互いに相対的に回動できるため、カバー部材2が接続保持具1に対して相対的に回動しても、第3医療器具300の捩れの発生を抑制することができる。
【0129】
更に、カバー部材2が接続保持具1に対して相対的に回動できる構成を、上述の環状凸部30及び突起部31で構成することにより、カバー部材2を接続保持具1に対して装着する際の周方向の位置決めを不要にできる。そのため、カバー部材2を接続保持具1に対して装着する際の操作性を向上させることができる。
【0130】
図9は、
図7に示すカバー部材2の変形例としてのカバー部材52を示す図である。
図9に示すカバー部材52は、
図7に示すカバー部材2と比較して、周方向の一部に軸方向全域に沿って延在する隙間53が形成されている点で相違しており、その他の構成は同様である。隙間53を設けることにより、第3医療器具300の一部を、隙間53を通じて、カバー部材52の中空部54内に移動させることができる。そのため、例えば第3医療器具300が管状部材により構成されている場合など、第3医療器具300としての管状部材の第2医療器具200との接続箇所の近傍で、第3医療器具300としての管状部材を、隙間53を通じて中空部54に移動させることができる。つまり、第3医療器具300としての管状部材を、その端部からカバー部材52の中空部54に挿通していく必要がない。そのため、第3医療器具300のその他の医療器具との接続状態を考慮せずに、カバー部材52を第3医療器具300の周囲に配置することができるため、操作性が向上する。
【0131】
カバー部材2の材料は、例えば、上述の接続保持具1と同様の材料から形成することができる。
【0132】
次に、
図3、
図4に示すように、第1医療器具100、第2医療器具200及び第3医療器具300が直線状に直列状態で接続されている接続体500に対して、本実施形態の接続保持具1及びカバー部材2を装着する操作の概要について説明する。
図10、
図11は、接続保持具1が、接続体500に対して装着される前の状態、かつ、カバー部材2が接続保持具1に装着される前の状態、を示す図である。また、
図12、
図13は、接続保持具1が接続体500に装着されている状態、かつ、カバー部材2が接続体500に装着される前の状態、を示す図である。
図14、
図15は、接続保持具1が、接続体500に対して装着されている状態、かつ、カバー部材2が接続保持具1に装着されている状態、を示す図である。
【0133】
図10、
図11に示すように、接続保持具1は、第1医療器具100のコネクタ部101(本実施形態ではISO80369-7に準拠するルアーロック方式のメスコネクタ部)と、第2医療器具200のコネクタ部202(本実施形態ではISO80369-7に準拠するルアーロック方式のオスコネクタ部)と、の接続箇所に配置される。
【0134】
具体的に、
図10、
図11に示す例では、ねじ接合されている第1医療器具100及び第2医療器具200において、第1医療器具100のコネクタ部101としてのカテーテルハブ111と、第2医療器具200のホルダ216と、を第2カバー部11bの内面で受けるように、接続保持具1を配置する。
【0135】
図10、
図11に示す状態で、第1医療器具100の第1突出部111b及び第2突出部111cは、中心軸線Oの周りの周方向において、第2カバー部11bの第3フランジ部17b及び第4フランジ部18bに隣接する位置に配置されている。換言すれば、
図10、
図11に示す状態で、第1医療器具100の第1突出部111b及び第2突出部111cは、中心軸線Oの周りの周方向において、切欠部21b、24b(
図5参照)の位置に配置されている。
【0136】
また、
図10、
図11に示す状態で、第2医療器具200のホルダ216の凸部224aは、第2カバー部11bの凹部27b(
図5(b)等参照)に収容されている。換言すれば、
図10、
図11に示す状態で、第2医療器具200のホルダ216の凸部224aは、中心軸線Oの周りの周方向において、第2カバー部11bの凸部26b(
図5(b)等参照)と隣接する位置に配置されている。そのため、第2医療器具200の凸部224a(
図10参照)は、周方向において、第2カバー部11bの凸部26b(
図5(b)等参照)と干渉する。その結果、第2医療器具200の接続保持具1に対する相対的な回動が規制される。
【0137】
更に、
図10、
図11に示す状態で、第2医療器具200のホルダ216の一部は、第2カバー部11bの第1フランジ部15b及び第2フランジ部16bによって、中心軸線方向Bにおいて挟まれている。その結果、接続保持具1に対する第2医療器具200の中心軸線方向Bへの相対的な移動を規制することができる。
【0138】
図10、
図11に示す状態から、接続保持具1の第1カバー部11aを回動させ、第1カバー部11aの第1係止部13と、第2カバー部11bの第2係止部14と、を係合させることで、
図12、
図13に示すように、接続保持具1を装着形態に変化させる。
【0139】
図10、
図11に示す状態から、
図12、
図13に示す状態とすることにより、ねじ接合されている第1医療器具100及び第2医療器具200において、第1医療器具100のコネクタ部101としてのカテーテルハブ111と、第2医療器具200のホルダ216と、を第2カバー部11bの内面のみならず、第1カバー部11a(
図11等参照)の内面でも受けるようにすることができる。換言すれば、
図10、
図11に示す第1医療器具100及び第2医療器具200と第2カバー部11bとの位置関係と同様な位置関係を、第1医療器具100及び第2医療器具200と第1カバー部11a(
図11等参照)との間でも実現することができる。
【0140】
より具体的に、
図12、
図13に示す状態では、第1医療器具100の第1突出部111b及び第2突出部111cは、中心軸線Oの周りの周方向において、第2カバー部11bの第3フランジ部17b及び第4フランジ部18bとは反対側の位置で、第1カバー部11a(
図11等参照)の第3フランジ部17a(
図11等参照)及び第4フランジ部18a(
図11等参照)に隣接する。
【0141】
換言すれば、
図12、
図13に示す状態で、第1医療器具100の第1突出部111b及び第2突出部111cは、中心軸線Oの周りの周方向において、第1カバー部11a(
図11等参照)の第3フランジ部17a(
図11等参照)と、第2カバー部11bの第3フランジ部17bと、により挟まれる位置、より具体的には、内縁凹部22(
図6(a)参照)の位置に配置される。
【0142】
同様に、
図12、
図13に示す状態で、第1医療器具100の第1突出部111b及び第2突出部111cは、中心軸線Oの周りの周方向において、第1カバー部11a(
図11等参照)の第4フランジ部18a(
図11等参照)と、第2カバー部11bの第4フランジ部18bと、により挟まれる位置、より具体的には、内縁凹部25(
図6(a)、
図8参照)の位置に配置される。
【0143】
そのため、
図12、
図13に示す状態では、第1医療器具100の第1突出部111b及び第2突出部111cは、第1カバー部11a(
図11等参照)の第3フランジ部17a(
図11等参照)、第1カバー部11aの第4フランジ部18a(
図11等参照)、第2カバー部11bの第3フランジ部17b、及び、第2カバー部11bの第4フランジ部18b、と周方向に干渉する。その結果、第1医療器具100の接続保持具1に対する相対的な回動が規制される。
【0144】
また、
図12、
図13に示す状態で、第2医療器具200のホルダ216の凸部224a(
図10参照)は、第1カバー部11aの凹部27a(
図11等参照)に収容される。換言すれば、
図12、
図13に示す状態で、第2医療器具200のホルダ216の凸部224a(
図10参照)は、中心軸線Oの周りの周方向において、第1カバー部11aの凸部26a(
図11等参照)と隣接する位置に配置されている。そのため、第2医療器具200の凸部224a(
図10参照)は、周方向において、第1カバー部11aの凸部26a(
図11等参照)と干渉する。その結果、第2医療器具200の接続保持具1に対する相対的な回動が規制される。
【0145】
更に、
図12、
図13に示す状態で、第2医療器具200のホルダ216の一部は、第1カバー部11a(
図11等参照)の第1フランジ部15a(
図11等参照)及び第2フランジ部16a(
図11等参照)によって、中心軸線方向Bにおいて挟まれている。その結果、接続保持具1に対する第2医療器具200の中心軸線方向Bへの相対的な移動を規制することができる。
【0146】
以上のように、本実施形態の接続保持具1を用いれば、第1係合部61(本実施形態では第3フランジ部17a、17b及び第4フランジ部18a、18b)(
図11等参照)及び第2係合部62(本実施形態では凸部26a、26b)(
図5(b)、
図11等参照)により、第1医療器具100及び第2医療器具200それぞれが、中心軸線Oの周りに、接続保持具1に対して、接続が解除される方向に相対的に回動することを抑制することができる。その結果、第1医療器具100及び第2医療器具200が、接続が解除される方向に相対的に回動することを抑制することができる。その結果、第1医療器具100及び第2医療器具200の接続が意図せずに解除されることを抑制できる。
【0147】
更に、本実施形態の接続保持具1を用いれば、第3係合部63(本実施形態では第1フランジ部15a、15b及び第2フランジ部16a、16b)により、第2医療器具200、及び、この第2医療器具200に接続されている第1医療器具100が、接続保持具1に対して中心軸線方向Bに相対的に移動することを抑制することができる。その結果、接続保持具1が、第1医療器具100及び第2医療器具200に対して、中心軸線方向Bに相対的に移動し、第1医療器具100及び第2医療器具200の周囲の位置から移動することを抑制できる。
【0148】
次に、
図12、
図13に示す状態から、カバー部材2を中心軸線方向Bの流路下流側に移動させる。より具体的に、
図13に示すカバー部材2の内面に形成されている環状凸部30が、
図13に示す接続保持具1の突起部31を乗り越える位置まで、カバー部材2を中心軸線方向Bの流路下流側へ移動させ、カバー部材2の接続保持具1への装着を完了させる(
図14、
図15参照)。
【0149】
図14に示すように、カバー部材2を接続保持具1に装着することで、第3医療器具300のコネクタ部301(本実施形態ではISO80369-7に準拠するルアーロック方式のオスコネクタ部)の周囲が覆われる。そのため、第3医療器具300の誤操作による、第2医療器具200との間での接続解除を抑制することができる。更に、本実施形態のカバー部材2は、接続保持具1に対いて回動可能に装着されている。したがって、カバー部材2が回動しても、そのトルクは第3医療器具300に伝達され難いため、意図せずに第3医療器具300が第2医療器具200に対して相対的に回動することを、より一層抑制することができる。
【0150】
このように、本実施形態の接続保持具セット10を用いれば、接続保持具1によって、2つの医療器具(本実施形態では第1医療器具100及び第2医療器具200)の接続を保持できるだけではなく、2つの医療器具の一方の医療器具と、この一方の医療器具に接続される別の医療器具(本実施形態では第2医療器具200に接続される第3医療器具300)との間の接続状態についても、カバー部材2によって覆い隠すことで、意図しない外力等により解除されることを抑制することができる。
【0151】
本開示に係る接続保持具及び接続保持具セットは、上述した実施形態及び変形例に示す具体的な構成に限られず、特許請求の範囲に記載されている範囲内で、種々の変形・変更が可能である。例えば、上述した実施形態では、第1医療器具100としての管状部材と、第2医療器具200としての医療用コネクタと、の2つの医療器具の接続を保持する接続保持具1について例示説明しているが、相対的に回動することにより接続状態を解除可能な2つの医療器具であれば、上述の実施形態とは異なる2つの医療器具の接続を保持する接続保持具としてもよい。かかる場合は、接続保持具の構成は、特許請求の範囲の記載を逸脱しない限り、医療器具の形状等に応じて適宜設計することができる。
【産業上の利用可能性】
【0152】
本開示は接続保持具及び接続保持具セットに関する。
【符号の説明】
【0153】
1:接続保持具
2:カバー部材
10:接続保持具セット
11:周囲カバー部
11a:第1カバー部
11b:第2カバー部
11c:ヒンジ部
12:係止受け孔
13:第1係止部
14:第2係止部
15a:第1カバー部の第1フランジ部
15b:第2カバー部の第1フランジ部
16a:第1カバー部の第2フランジ部
16b:第2カバー部の第2フランジ部
17a:第1カバー部の第3フランジ部
17b:第2カバー部の第3フランジ部
18a:第1カバー部の第4フランジ部
18b:第2カバー部の第4フランジ部
19a:第1カバー部のカバー本体部
19b:第2カバー部のカバー本体部
20a:第1カバー部の第3フランジ部の周面部
20b:第2カバー部の第3フランジ部の周面部
21a:第1カバー部の第3フランジ部の切欠部
21b:第2カバー部の第3フランジ部の切欠部
22:内縁凹部
23a:第1カバー部の第4フランジ部の周面部
23b:第2カバー部の第4フランジ部の周面部
24a:第1カバー部の第4フランジ部の切欠部
24b:第2カバー部の第4フランジ部の切欠部
25:内縁凹部
26a:第1カバー部の凸部
26b:第2カバー部の凸部
27a:第1カバー部の凹部
27b:第2カバー部の凹部
28:第1当接壁部
29:第2当接壁部
30:環状凸部
31:突起部
32:中空部
52:カバー部材
53:隙間
54:中空部
61:第1係合部
62:第2係合部
63:第3係合部
100:第1医療器具
100a:第1医療器具の中空部
101:第1医療器具のコネクタ部
110:カテーテル本体
111:カテーテルハブ
111a:ハブ本体部
111b:第1突出部
111c:第2突出部
112:雄ねじ部
200:第2医療器具
200a:第2医療器具の中空部
201:第2医療器具のコネクタ部
202:第2医療器具のコネクタ部
210:ハウジング
211:弾性弁体
212:スリット
213:挿入部
214:流路
215:キャップ
216:ホルダ
217:天面キャップ
218:底面キャップ
219:縁部
220:雄ねじ部
221:雌ねじ部
222:外筒部
223:オスルアー部
224:連結部
224a:凸部
224b:凹部
300:第3医療器具
300a:第3医療器具の中空部
301:第3医療器具のコネクタ部
310:チューブ本体
311:医療用コネクタ
311a:チューブ接続部
311b:オスルアー部
311c:外筒部
312:雌ねじ部
313:凸状リブ
314:凹部
500:接続体
500a:流路
A:回転周方向
A1:第1回動方向
A2:第2回動方向
B:中心軸線方向
O:中心軸線