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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-15
(45)【発行日】2022-03-24
(54)【発明の名称】折畳み式作業用踏み台
(51)【国際特許分類】
   E06C 1/39 20060101AFI20220316BHJP
【FI】
E06C1/39 A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018099373
(22)【出願日】2018-05-24
(65)【公開番号】P2019203317
(43)【公開日】2019-11-28
【審査請求日】2021-04-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000101662
【氏名又は名称】アルインコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077791
【弁理士】
【氏名又は名称】中野 収二
(72)【発明者】
【氏名】伴 和夫
(72)【発明者】
【氏名】稲室 賢一
(72)【発明者】
【氏名】板倉 涼
【審査官】油原 博
(56)【参考文献】
【文献】実開昭50-49502(JP,U)
【文献】特開2002-106165(JP,A)
【文献】実開昭62-190098(JP,U)
【文献】特開平9-228625(JP,A)
【文献】米国特許第6443260(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06C 1/39
E04G 1/34
B25H 1/00
A47C 12/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下に間隔をあけて配置される床部(2)及び座部(3)と、前記上下間隔の空間を埋める支持手段(4)を備え、床部の上で高所作業を行う作業者の荷重を前記支持手段により支持するように構成した作業用踏み台において、
前記支持手段(4)は、合体させられた状態で前記荷重に対抗する膨縮手段(5)と補強手段(6)により構成され、
前記膨縮手段(5)は、流体を充填することにより膨張すると共に排出することにより収縮するバッグ(7)により構成され、膨張時に少なくとも支持手段の径方向に押圧力を生成する押圧面(9)を備え、
前記補強手段(6)は、支持手段の周方向に関して相互に分離自在かつ固定自在に配置される複数の骨部材(8)を備え、該骨部材は、前記バッグの押圧面(9)の押圧力を受けることにより固定状態を保持するように構成されており、
前記バッグ(7)を収縮させることにより、該バッグを折畳み自在かつ前記骨部材(8)を分解自在に構成して成ることを特徴とする折畳み式作業用踏み台。
【請求項2】
前記膨縮手段(5)は、支持手段の中心部に位置するコアバッグ(7A)と、該コアバッグの周囲を包囲する筒状バッグ(7B)から成り、両バッグを分離自在に構成すると共に、両バッグの相対向する外周面と内周面のそれぞれに前記押圧面(9A)(9B)を形成し、
前記補強手段(6)の骨部材(8)は、前記コアバッグと筒状バッグの間に介装されるプレート(8A)により構成されており、
前記コアバッグ(7A)及び筒状バッグ(7B)を膨張した状態で前記押圧面(9A)(9B)により前記プレート(8A)を挟着状態で固定保持するように構成して成ることを特徴とする請求項1に記載の折畳み式作業用踏み台。
【請求項3】
前記補強手段(6)は、前記骨部材を支持手段の周方向に着脱自在に連結して成る支柱(6A)を構成すると共に、隣接する骨部材の相互には、支持手段の径方向に関して求心方向の押圧力を受けたとき、連結固定状態を保持する連結部(19)が設けられており、
前記膨縮手段(5)は、前記補強手段を構成する支柱(6A)の周囲を包囲する筒状バッグ(7C)により構成され、該バッグの内周面に前記押圧面(9C)を形成し、
前記筒状バッグ(7C)の膨張により前記押圧面(9C)の押圧力を介して骨部材(8)により形成された支柱(6A)を外周から緊締状態で固定保持するように構成して成ることを特徴とする請求項1に記載の折畳み式作業用踏み台。
【請求項4】
前記補強手段(6)は、前記骨部材を支持手段の周方向に着脱自在に連結して成る囲繞壁(6B)を構成すると共に、隣接する骨部材の相互には、支持手段の径方向に関して遠心方向の押圧力を受けたとき、連結固定状態を保持する連結部(22)が設けられており、
前記膨縮手段(5)は、前記補強手段を構成する囲繞壁(6B)の内部に挿入されるコアバッグ(7D)により構成され、該バッグの外周面に前記押圧面(9D)を形成し、
前記コアバッグ(7D)の膨張により前記押圧面(9D)の押圧力を介して骨部材により形成された囲繞壁(6B)を内周から緊締状態で固定保持するように構成して成ることを特徴とする請求項1に記載の折畳み式作業用踏み台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業者が上部の床部に搭乗することにより高所作業を行うための作業用踏み台であって、特に、分解と折畳みを可能にした折畳み式作業用踏み台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、種々の作業用踏み台が提供されており、上下に間隔をあけて配置される床部及び座部と、前記上下間隔の空間を埋める支持手段を備え、床部の上で高所作業を行う作業者の荷重を前記支持手段により支持するように構成されている。
【0003】
ところで、作業用踏み台は、運搬や保管の便宜のためには、不使用時に折畳み自在とされていることが好ましい。例えば、脚立式とされた踏み台の場合、床部を形成する天板から下向きに延設した一対の梯子状の脚体を開閉自在に枢結し、不使用時には、脚体を閉脚することにより折畳み姿勢とされる。しかしながら、脚体それ自体は折畳むことできないので、折畳み状態でも嵩高く、コンパクトでないという問題がある。
【0004】
また、脚立式に類似する構造の踏み台に関して、矩形板状とされた天板を二つ折り自在に構成し、折曲方向となる天板の前縁と後縁から脚板を延設し、前後の脚板を連結する側板を二つ折り自在に構成したものも提案されている(特許文献1)。しかしながら、この場合も、脚板それ自体は折畳むことできないので、脚板を嵩低くコンパクトに折畳むことができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-40204号公報
【文献】特開2015-139553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記問題を解決するため本発明が知得したところは、上下に間隔をあけて配置される床部及び座部と、前記上下間隔の空間を埋める支持手段を備え、床部の上で高所作業を行う作業者の荷重を前記支持手段により支持するように構成した作業用踏み台において、前記支持手段をエアバッグ等のバッグから成る膨縮手段により構成し、これにより、使用時には、流体の充填により膨張するバッグにより前記荷重を支持する一方、不使用時には、流体の排出により収縮するバッグを折畳み自在とする点にある。
【0007】
しかしながら、エアバッグ等のバッグは、膨張させた踏み台の使用状態において、作業者の荷重を受けると圧縮されるため、作業者の姿勢が不安定となり、踏み台から転落する危険がある。
【0008】
このため、本発明は、前記支持手段をバッグだけではなく、バッグと補強手段により構成し、両手段により作業者の荷重に対抗可能な構造を提供し、この際、補強手段は、支持手段の周方向に関して分離自在かつ固定自在な複数の骨部材により構成することにより、バッグを収縮したときは骨部材を分離・分解自在にすると共に、バッグを膨張したときは骨部材を固定保持させるように構成することが好ましいことを知見し、このような折畳み式作業用踏み台の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、本発明が前記課題を解決するための手段として構成したところは、上下に間隔をあけて配置される床部及び座部と、前記上下間隔の空間を埋める支持手段を備え、床部の上で高所作業を行う作業者の荷重を前記支持手段により支持するように構成した作業用踏み台において、前記支持手段は、合体することにより前記荷重に対抗する膨縮手段と補強手段により構成され、前記膨縮手段は、流体を充填することにより膨張すると共に排出することにより収縮するバッグにより構成され、膨張時に少なくとも支持手段の径方向に押圧力を生成する押圧面を備え、前記補強手段は、支持手段の周方向に関して相互に分離自在かつ固定自在に配置される複数の骨部材を備え、該骨部材は、前記バッグの押圧面の押圧力を受けることにより固定状態を保持するように構成されており、前記バッグを収縮させることにより、該バッグを折畳み自在かつ前記骨部材を分解自在に構成して成る点にある。
【0010】
本発明の実施形態において、前記膨縮手段は、支持手段の中心部に位置するコアバッグと、該コアバッグの周囲を包囲する筒状バッグから成り、両バッグを分離自在に構成すると共に、両バッグの相対向する外周面と内周面のそれぞれに前記押圧面を形成し、前記補強手段の骨部材は、前記コアバッグと筒状バッグの間に介装されるプレートにより構成されており、前記コアバッグ及び筒状バッグを膨張することにより前記押圧面が前記プレートを挟着状態で固定保持するように構成している。
【0011】
本発明の別の実施形態において、前記補強手段は、前記骨部材を支持手段の周方向に着脱自在に連結して成る支柱を構成すると共に、隣接する骨部材の相互には、支持手段の径方向に関して求心方向の押圧力を受けたとき、連結固定状態を保持する連結部が設けられており、前記膨縮手段は、前記補強手段を構成する支柱の周囲を包囲する筒状バッグにより構成され、該バッグの内周面に前記押圧面を形成し、前記筒状バッグの膨張により前記押圧面の押圧力を介して骨部材により形成された支柱を外周から緊締状態で固定保持するように構成している。
【0012】
本発明の更に別の実施形態において、前記補強手段は、前記骨部材を支持手段の周方向に着脱自在に連結して成る囲繞壁を構成すると共に、隣接する骨部材の相互には、支持手段の径方向に関して遠心方向の押圧力を受けたとき、連結固定状態を保持する連結部が設けられており、前記膨縮手段は、前記補強手段を構成する囲繞壁の内部に挿入されるコアバッグにより構成され、該バッグの外周面に前記押圧面を形成し、前記コアバッグの膨張により前記押圧面の押圧力を介して骨部材により形成された囲繞壁を内周から緊締状態で固定保持するように構成している。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、床部2を支持する支持手段4は、膨縮自在なバッグに7より構成された膨縮手段5と、前記バッグの膨張による押圧面9の押圧力を受けることにより固定状態を保持される骨部材8から成る補強手段6により構成されている。そこで、作業用踏み台1の使用時においては、膨張された膨縮手段5と補強手段6を合体状態に形成した支持手段4により、床部2の上で高所作業を行う作業者の荷重に対抗することができ、従って作業者の荷重により圧縮変形されるようなことはなく、作業者を安定した状態で安全に支持することができる。
【0014】
そして、作業用踏み台1の不使用時においては、バッグ7を収縮させることにより、骨部材8を相互に分離させることにより補強手段6を分解することができ、収縮させたバッグ7は、ロール状に巻回し又は折曲・折重ねることによりコンパクトに折畳むことができるので、運搬及び保管を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1実施形態に係る折畳み式作業用踏み台に関して、膨縮手段を膨張させた使用時の状態を示す斜視図である。
図2】第1実施形態に関して、膨縮手段を膨張させると共に補強手段を固定保持した使用時の状態の断面を示す斜視図である。
図3】第1実施形態に関して、コアバッグと筒状バッグを分離した状態で示す斜視図である。
図4】第1実施形態に関して、コアバッグ及び筒状バッグを収縮させると共に補強手段を分解した不使用時の状態を示す断面図である。
図5】第1実施形態に関して、コアバッグと筒状バッグを膨張させることにより補強手段を固定保持した使用時の状態の縦断面を示しており、図6のA-A線断面図である。
図6図5に示す踏み台の横断面図である。
図7】本発明の第2実施形態に係る折畳み式作業用踏み台に関して、膨縮手段を膨張させた使用時の状態を示す斜視図である。
図8】第2実施形態に関して、天板と、膨縮手段を構成する筒状バッグと、補強手段としての支柱を構成する骨部材と、座板を分離した状態で示す斜視図である。
図9】第2実施形態に関して、筒状バッグを膨張させることにより支柱を固定保持した状態を示しており、(A)は縦断面図、(B)は横断面図である。
図10】本発明の第3実施形態に係る折畳み式作業用踏み台に関して、膨縮手段を膨張させた使用時の状態を示す斜視図である。
図11】第3実施形態に関して、コアバッグを膨張させることにより固定された囲繞壁と、天板と、座板分離した状態で示す斜視図である。
図12】第3実施形態に関して、囲繞壁を構成する骨部材と、コアバッグを分離した状態で示す斜視図である。
図13】第3実施形態に関して、コアバッグを膨張させることにより囲繞壁を固定保持した状態を示しており、(A)は縦断面図、(B)は横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下図面に基づいて本発明の好ましい実施形態を詳述する。
【0017】
図1ないし図6は本発明の第1実施形態を示し、図2ないし図9は本発明の第2実施形態を示し、図10ないし図13は本発明の第3実施形態を示している。
【0018】
全ての実施形態に共通する技術的構成として、本発明の作業用踏み台1は、上下に間隔をあけて配置される床部2及び座部3と、前記上下間隔の空間を埋める支持手段4を備え、床部2の上で高所作業を行う作業者の荷重を前記支持手段4により支持する構成とされている。従って、座部2を接地することにより設置した状態で、床部2に作業者が搭乗することにより、高所作業を行うことができる。
【0019】
前記支持手段4は、互いに合体することにより作業者の荷重に対抗する膨縮手段5と補強手段6により構成されている。
【0020】
前記膨縮手段5は、エア等の流体を充填することにより膨張すると共に排出することにより収縮するバッグ7により構成され、該バッグ7は、膨張時には、補強手段6と協働して前記支持手段4を構成し、収縮時には、ロール状に巻回し又は折曲・折重ねることによりコンパクトに折畳むことができる。
【0021】
前記補強手段6は、支持手段4の周方向に関して相互に分離自在かつ固定自在に配置される複数の骨部材8により構成され、該骨部材8は、前記バッグ7を膨張したときに、該バッグ7と協働して前記支持手段4を構成し、前記バッグ7を収縮したときは、周方向に分離可能とされ、分解することができる。
【0022】
このように、膨縮手段5を提供するバッグ7と、補強手段6を提供する骨部材8は、互いに合体することにより作業者の荷重に対抗する支持手段4を構成し、これにより踏み台1としての使用を可能にする。
【0023】
この際、バッグ7は、膨張時に少なくとも支持手段4の径方向に押圧力を生成する押圧面9を設けており、これに対応し、骨部材8は、前記押圧面9の押圧力を受けて固定保持されることにより補強手段6を形成する。この状態で、バッグ7と骨部材8が合体され、協働することにより、作業者の荷重に対抗する支持手段4を提供する。
【0024】
バッグ7は、ゴムボート等に使用されているようなゴム引きされた強靭なカンバス等のシート材により形成することが好ましく、エアバッグを構成する場合、コンプレッサ等のエア供給手段からエアを受取るための吸排気口10を設けている。
【0025】
従って、作業用踏み台1は、工場や、建築現場や建設現場等のようなコンプレッサ等のエア供給手段が設置された場所において、バッグ7を膨張させることにより、簡単容易に高所作業のために供することができる。
【0026】
(第1実施形態)
図1ないし図6に示す第1実施形態において、前記膨縮手段5は、支持手段4の中心部に位置するコアバッグ7Aと、該コアバッグ7Aの周囲を包囲する筒状バッグ7Bから成り、両バッグ7A、7Bを分離自在に構成すると共に、両バッグの相対向する外周面と内周面のそれぞれに前記押圧面9A、9Bを形成している。
【0027】
図示実施形態の場合、前記コアバッグ7Aは、六角柱を表す柱状キャビティ11を横方向に並設することにより平面視がほぼ星形となるように形成され、前記押圧面9Aを周方向に断続的に設け、底部に座板3Aを設けることにより前記座部3を形成している。尚、柱状キャビティ11は、コアバッグ7Aの上部中央に設けられた吸排気口10Aに対し連通路12を介して連通させられている。
【0028】
前記筒状バッグ7Bは、横断面をそれぞれ矩形とされた外周壁13aと内周壁13bにより角筒状キャビティ14を形成し、外周壁13aに吸排気口10Bを設けており、外周壁13aの上端部には、角筒状キャビティ14の上部を外周縁部に沿って隆起させる膨隆部13cが形成されている。筒状バッグ7Bの内周壁13bに囲まれた中心空間部15は、下部を開口すると共に、上部を二重壁に形成された上壁16により閉塞され、該上壁16に内装された天板2Aにより前記床部2を形成している。尚、図示実施形態の場合、前記上壁16及び天板2Aの中央部を貫通する窓孔17が開設され、コアバッグ7Aの吸排気口10Aを受入れ自在としている。
【0029】
前記中心空間部15には、筒状バッグ7Bの内周壁13bに近接して、横断面が矩形とされた筒状の保持シート18が上壁16から垂設されている。
【0030】
前記補強手段6の骨部材8は、前記コアバッグ7Aと筒状バッグ7Bの間に介装されるプレート8Aにより構成されている。図示実施形態の場合、筒状バッグ7Bの横断面が矩形とされた内周壁13bの各辺と前記保持シート18の間に挿入される4枚のプレート8Aにより補強手段6を構成している。
【0031】
(不使用時の形態)
図示省略しているが、コアバッグ7A及び筒状バッグ7Bは、エアを充填していない収縮状態で、相互に分離され、それぞれロール状に巻回し又は折曲・折重ねることによりコンパクトに折畳まれる。
【0032】
図示実施形態の場合、コアバッグ7Aは、座板3Aを設けているので、該座板3Aの上に折重ねることにより折畳み可能である。この際、座板3Aを着脱自在に構成しておけば、座板3Aを取外した状態でコアバッグ7Aをロール状に巻回することにより折畳むこともできる。
【0033】
同様に、図示実施形態の場合、筒状バッグ7Bは、天板2Aを設けているので、該天板2Aの上に折重ねることにより折畳み可能である。この際、天板2Aを着脱自在に構成しておけば、天板2Aを取外した状態で筒状バッグ7Bをロール状に巻回することにより折畳むこともできる。
【0034】
折畳みに際して、4枚のプレート8Aは筒状バッグ7Bから分離され、コンパクトに積層される。
【0035】
(使用時の形態)
作業用踏み台1として高所作業に供するときは、図4に示すように、筒状バッグ7Bの内周壁13bと保持シート18の間にプレート8Aを挿入し、筒状バッグ7Bを筒状に保形させた状態で、中心開口部15の下部開口からコアバッグ7Aを挿入し、該コアバッグ7Aの吸排気口10Aを窓孔17に嵌合する。
【0036】
この状態で、吸排気口10Aを介してコアバッグ7Aの柱状キャビティ11にエアを供給することにより膨張させると共に、吸排気口10Bを介して筒状バッグ7Bの筒状キャビティ14にエアを供給することにより膨張させると、コアバッグ7Aとプレート8Aと筒状バッグ7Bの3者が合体され、膨縮手段5と補強手段6の協働により、支持手段4を構成し、図1及び図2並びに図5及び図6に示すようなキュービック状の作業用踏み台1が提供される。
【0037】
作業用踏み台1は、座部3を接地させることにより設置され、作業者が床部2に搭乗することにより高所作業を行うために供される。図示実施形態の場合、コアバッグ7Aの底部に設けられた座板3Aにより座部3が形成され、更に、膨張状態とされた筒状バッグ7Bの底部によっても座部3が形成されている。
【0038】
膨張に際して、図5に示すように、コアバッグ7Aが筒状バッグ7Bの上壁16及び座板2Aを上昇させると共に下方から支持する。また、図5及び図6に示すように、プレート8Aは、膨張したコアバッグ7Aの押圧面9Aと筒状バッグ7Bの押圧面9Bにより内側と外側から強く挟着され、緊締状態で固定保持される。
【0039】
従って、作業者が床部2に搭乗して高所作業を行う際、膨張したコアバッグ7A及び筒状バッグ7Bから成る膨縮手段5と、固定保持されたプレート8Aから成る補強手段6により、相互に合体状態として協働する支持手段4が構成されており、これにより作業者の荷重に対抗するので、荷重により膨縮手段5が圧縮変形されるようなことはなく、作業者を安定した状態で安全に支持することができる。
【0040】
(第2実施形態)
図7ないし図9に示す第2実施形態において、支持手段4を構成する補強手段6は、多数の骨部材8を円周状に配置すると共に周方向に着脱自在に連結することにより筒状の支柱6Aを形成するように構成されている。この際、隣接する骨部材8の相互には、支持手段4の径方向に関して求心方向の押圧力を受けたとき、連結固定状態を保持する連結部19が設けられている。図示実施形態の場合、連結部19は、骨部材8の両側縁から前記支柱6Aの中心に向かう平坦な接合面により形成されている。従って、相互に連結部19を接合した多数の骨部材8を周方向に配列することにより筒状の支柱6Aを組立てた状態で、骨部材8の外側から支柱6Aの中心に向かう押圧力を与えると、隣接する連結部19を相互に圧接することにより、骨部材8が固定保持され、支柱6Aの形態を維持するように構成されている。
【0041】
第2実施形態における支持手段4を構成する膨縮手段5は、前記補強手段6を構成する支柱6Aの周囲を包囲する筒状バッグ7Cにより構成され、該バッグ7Cの内周面に押圧面9Cを形成している。前記筒状バッグ7Cは、図示のような角筒状に形成する他、円筒状に形成しても良く、吸排気口10Cを介してエアの充填と排出を可能とされ、膨張と収縮が可能である。
【0042】
図示構成の場合、支持手段4の頂部に配置される天板2Bと、底部に配置される座板3Bにより、それぞれ床部2と座部2が形成される。天板2B及び座板3Bは、それぞれ前記支柱6Aの上部開口と下部開口に挿入される栓部20、21が設けられている。
【0043】
(不使用時の形態)
膨縮手段5を構成する筒状バッグ7Cは、エアを充填していない収縮した状態で、ロール状に巻回し又は折重ねることによりコンパクトに折畳むことができる。
【0044】
補強手段6を構成する多数の骨部材8は、相互に分離させることにより、分解することができる。
【0045】
前記天板2B及び座板3Bは、コンパクトに積層することができる。
【0046】
(使用時の形態)
作業用踏み台1として高所作業に供するときは、骨部材8を周方向に連設させることにより支柱6Aを形成しながら、収縮状態の筒状バッグ7Cを外挿させ、支柱6Aの上部開口に天板2Bの栓部20を挿入すると共に、下部開口に座板3Bの栓部21を挿入する。
【0047】
この状態で、吸排気口10Cを介して筒状バッグ7Cにエアを供給することにより膨張させると、図9に示すように、筒状バッグ7Cの内周面の押圧面9Cが支柱6Aを抱持しながら筒中心部に向けて押圧し、隣接する骨部材8の連結部19を圧接状態で固定することにより、支柱6Aを外周から緊締状態で固定保持する。この際、求心方向に押圧された支柱6Aの上部及び下部により、天板2Bの栓部20及び座板3Bの栓部21が抱着され、床部2及び座部3を提供する。
【0048】
これにより、固定保持された骨部8から成る支柱6Aと筒状バッグ7Cが合体され、膨縮手段5と補強手段6の協働により、支持手段4を構成し、図示のようなキュービック状の作業用踏み台1が提供される。
【0049】
従って、作業者が床部2に搭乗して高所作業を行う際、合体した膨縮手段5と補強手段6の協働により構成された支持手段4が作業者の荷重に対抗するので、荷重により膨縮手段5が圧縮変形されるようなことはなく、作業者を安定した状態で安全に支持することができる。
【0050】
(第3実施形態)
図10ないし図13に示す第3実施形態において、支持手段4を構成する補強手段6は、骨部材8を構成するパネル8Bを周方向に着脱自在に連結して成る囲繞壁6Bを構成すると共に、隣接するパネルの相互には、支持手段の径方向に関して遠心方向の押圧力を受けたとき、連結固定状態を保持する連結部22が設けられている。
【0051】
図例の場合、連結部22は、パネル8Bの左右一方の縁部に設けた嵌合溝22aと、他方の縁部に設けた嵌合リブ22bから成り、隣接するパネル8Bの間において、嵌合リブ22bを嵌合溝22aに嵌挿させることにより着脱自在に連結されるように構成されている。従って、嵌合リブ22bを嵌合溝22aから抜取ると、パネル8Bは相互に分離自在とされ、嵌合リブ22bを嵌合溝22aに嵌挿して囲繞壁6Bを組立てた状態で、内側から遠心方向の押圧力を与えると、嵌合が緊密とされ連結状態が強化されるように構成されている。しかしながら、連結部22は、図示の構成に限定されるものではなく、要するに、骨部材8を着脱自在に連結することにより囲繞壁6Bを形成することができ、該囲繞壁の内側から遠心方向の押圧力を受けたとき、該押圧力を受止めるように連結固定状態を保持する構成とされたものであれば良い。
【0052】
第3実施形態の支持手段4を構成する膨縮手段5は、前記囲繞壁6Bの内部に挿入されるコアバッグ7Dにより構成されており、該バッグ7Dの外周面に押圧面9Dを形成している。コアバッグ7Dは、図示のような角筒状に形成する他、円筒状や円柱状に形成しても良く、吸排気口10Dを介してエアの充填と排出を可能とされ、膨張と収縮が可能である。尚、この吸排気口10Dに対応して、囲繞壁6Bを形成するパネル8Bに窓孔23が開設されている。
【0053】
図示構成の場合、支持手段4の頂部に配置される天板2Cと、底部に配置される座板3Cにより、それぞれ床部2と座部2が形成される。天板2C及び座板3Cは、それぞれ角筒状に形成されたコアバッグ7Dの上部開口と下部開口に挿入される栓部24、25が設けられている。
【0054】
(不使用時の形態)
膨縮手段5を構成するコアバッグ7Dは、エアを充填していない収縮した状態で、ロール状に巻回し又は折重ねることによりコンパクトに折畳むことができる。
【0055】
補強手段6を構成する多数のパネル8Bは、相互に分離させることにより、分解することができる。
【0056】
前記天板2C及び座板3Cは、コンパクトに積層することができる。
【0057】
(使用時の形態)
作業用踏み台1として高所作業に供するときは、連結部22の連結を介してパネル8Bを周方向に連設させることにより囲繞壁6Bを形成し、収縮状態のコアバッグ7Dを挿入し、コアバッグ7Dの上部開口に天板2Cの栓部24を挿入すると共に、下部開口に座板3Cの栓部25を挿入する。
【0058】
この状態で、窓孔23に臨ませられた吸排気口10Dを介してコアバッグ7Dにエアを供給することにより膨張させると、図13に示すように、コアバッグ7Dの外周面の押圧面9Dが囲繞壁6Bを遠心方向に押圧しながら膨張する。
【0059】
筒状とされたコアバッグ7Dは、外向きの膨張により、前記押圧面9Dをパネル8Bに圧接して囲繞壁6Bを内周から緊締状態で固定保持し、内向きの膨張により、天板2Cの栓部24及び座板3Cの栓部25を抱着し、床部2及び座部3を提供する。
【0060】
これにより、緊締状態で固定保持された囲繞壁6Bとコアバッグ7Dが合体され、膨縮手段5と補強手段6の協働により、支持手段4を構成し、図示のようなキュービック状の作業用踏み台1が提供される。
【0061】
従って、作業者が床部2に搭乗して高所作業を行う際、合体した膨縮手段5と補強手段6の協働により構成された支持手段4が作業者の荷重に対抗するので、荷重により膨縮手段5が圧縮変形されるようなことはなく、作業者を安定した状態で安全に支持することができる。
【符号の説明】
【0062】
1 作業用踏み台
2 床部
2A、2B、2C 天板
3 座部
3A、3B、3C 座板
4 支持手段
5 膨縮手段
6 補強手段
6A 支柱
6B 囲繞壁
7 バッグ
7A コアバッグ
7B 筒状バッグ
7C 筒状バッグ
7D コアバッグ
8 骨部材
8A プレート
8B パネル
9(9A、9B、9C、9D) 押圧面
10(10A、10B、10C、10D) 吸排気口
11 柱状キャビティ
12 連通路
13a 外周壁
13b 内周壁
13c 膨隆部
14 筒状キャビティ
15 中心空間部
16 上壁
17 窓孔
18 保持シート
19 連結部
20、21 栓部
22 連結部
22a 溝
22b リブ
23 窓孔
24、25 栓部
図1
図2
図3
図4
図5
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図12
図13