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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-15
(45)【発行日】2022-03-24
(54)【発明の名称】インク圧力センサを有する印刷ヘッド
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/14 20060101AFI20220316BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20220316BHJP
   B41J 2/165 20060101ALI20220316BHJP
   B41J 2/175 20060101ALI20220316BHJP
【FI】
B41J2/14 603
B41J2/01 401
B41J2/01 451
B41J2/165 301
B41J2/175 501
B41J2/01 301
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018170758
(22)【出願日】2018-09-12
(65)【公開番号】P2019069596
(43)【公開日】2019-05-09
【審査請求日】2021-09-10
(31)【優先権主張番号】15/729,382
(32)【優先日】2017-10-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴン・ロス・スロット
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン・アール・ブリック
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィット・エル・クニエリム
(72)【発明者】
【氏名】チャド・ジェイ・スレーンズ
【審査官】小宮山 文男
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-178088(JP,A)
【文献】特開2009-083387(JP,A)
【文献】特開2010-208235(JP,A)
【文献】国際公開第2004/106068(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクジェット印刷システムであって、
外部のインク供給部からインクを受容するためのインク経路を含む印刷ヘッドと、
前記印刷ヘッド内でインクを噴射するための複数のノズルと、
前記インク経路内に配置されたインク圧力センサであって、前記印刷ヘッド内の前記インクのインク圧力を判定し、前記インク圧力を示す信号を出力するように構成されている、インク圧力センサと、
プロセッサと、
インク圧力及び時間プロファイルを記憶するように構成されたメモリと、
前記インク圧力センサから前記インク圧力を示す前記信号を受信して処理し、前記インク圧力を示す前記信号を前記プロセッサに転送するように構成され、前記印刷ヘッドを通じてインクをパージするための所定の印刷初期化インク圧力及び時間プロファイルが所定の基準を満たすとき印刷を可能にするようにさらに構成されたコントローラと、を備える、インクジェット印刷システム。
【請求項2】
印刷機状態情報が、前記インク圧力及び時間プロファイルと共に記憶されている、請求項1に記載のインクジェット印刷システム。
【請求項3】
印刷機状態情報が、印刷ヘッドの面板からインクを拭き取るためのワイパの場所、ワイパ速度、及び/またはインク戻りラインのバルブの状態を含む、請求項2に記載のインクジェット印刷システム。
【請求項4】
印刷機の統計値が、前記インク圧力及び時間プロファイルと共に記憶されている、請求項1に記載のインクジェット印刷システム。
【請求項5】
印刷機の統計値が、画像当たりのインク滴の数及び/または発射頻度を含む、請求項4に記載のインクジェット印刷システム。
【請求項6】
前記所定の基準が、前記インク圧力を、最小限の時間、最小閾値より高く保持することを含む、請求項に記載のインクジェット印刷システム。
【請求項7】
前記プロセッサが、前記インク圧力及び時間プロファイルが所定の基準の範囲外であるとき、前記インク圧力及び時間プロファイルを記憶するようにさらに構成されている、請求項1に記載のインクジェット印刷システム。
【請求項8】
前記コントローラが、前記インクの前記インク圧力を連続的に監視し、前記コントローラが、所定の基準を満たさないインク圧力及び時間プロファイルを前記メモリ内に記憶するために、前記インク圧力を示す前記信号を前記プロセッサに送信するようにさらに構成されている、請求項1に記載のインクジェット印刷システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、印刷ヘッド内に位置するインク経路内のインク圧力を判定することに関し、より具体的には、インク供給の問題を診断するため、または印刷ヘッド内部のインク圧力が正または負の圧力閾値を超える場合、インクの吐出を防止するために、印刷ヘッド内部のインク経路内のインク圧力を判定することに関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット印刷システムは、理想的にはインクを適切なインク圧力及び温度で印刷ヘッドに供給するインク送りシステムを含む。インク圧力及び温度の両方が指定された範囲内にあるとき、印刷ヘッドは最良の性能を発揮する。一方、印刷ヘッドは、インク送りシステムが指定された範囲外の圧力及び/または温度でインクを供給する場合、印刷品質を低下させ得る。
【0003】
過度のインク圧力及び/または温度をもたらすインク供給システムの故障はまた、インクを補充することが困難な単一の吐出機構内部に気泡が形成されることに起因して、印刷ヘッドにより永久的な故障を引き起こし得る。これらの印刷ヘッドはまた、印刷ヘッドの上流の熱されたインクによって引き起こされた厚いスラッジからのインク経路の目詰まりに起因して故障し得る。
【0004】
潜在的なインク供給の問題を診断するため、または印刷ヘッドの破局的な故障を防止するために、印刷ヘッド内のインクのインク圧力を監視する方法が必要とされる。
【発明の概要】
【0005】
本開示の一実施形態は、外部インク供給部からインクを受容するためのインク経路に接続された入口と、インクを噴射するための複数のノズルと、インク経路内に配置されたインク圧力センサであって、印刷ヘッドインク経路内のインクのインク圧力を判定し、インク圧力を示す信号を出力するように構成されている、インク圧力センサと、インク圧力センサからの信号を受信して、これに作用するように構成された内部コントローラとを含む、インクジェット印刷ヘッドを含む。インクジェット印刷ヘッドはまた、インク圧力及び時間プロファイルを記憶するためのメモリを含む印刷システムに、圧力読み取り値を送信し得る。内部コントローラはまた、インク圧力が負の閾値を下回るかまたは正の閾値を上回るとき、複数のノズルからインクの噴射を停止させるための信号を出力し得る。
【0006】
本開示の別の実施形態は、印刷ヘッドを用いて印刷手順を実行することと、印刷ヘッド内に配置されたインク圧力センサを介して、印刷手順中に印刷ヘッド内のインクのインク圧力を監視することと、インク圧力及び印刷手順に基づいて所定の動作を実行することとを含む、印刷ヘッド内のインク圧力を監視する方法を含む。印刷手順は、画像受容部材上への印刷、パージ、または印刷初期化手順であってもよく、所定の動作は、インク圧力に基づいてインク圧力及び時間プロファイルを記憶することと、印刷を中止することとを含む。
【0007】
本開示の他の実施形態は、印刷ヘッドを用いて印刷動作を実行することと、印刷ヘッド内に配置されたインク圧力センサを介して、印刷動作中に印刷ヘッド内のインクのインク圧力を判定することと、インク圧力が第1の閾値を上回る、または第2の閾値を下回るとき、印刷動作を中止することとを含む、印刷ヘッド内のインク圧力を監視する方法を含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の実施形態に従うインクジェット印刷システムの概略図である。
図2】通常の印刷ヘッド初期化手順のための例示的なインク圧力プロファイルを例解する。
図3】別の印刷ヘッド初期化手順中の例示的なインク圧力プロファイルを例解する。
図4】圧力低下を経験する印刷動作中の例示的なインク圧力プロファイルを例解する。
図5】過度の負圧を経験する印刷動作中の例示的なインク圧力プロファイルを例解する。
図6】過度の正圧を経験する印刷動作中の例示的なインク圧力プロファイルを例解する。
図7】印刷ヘッド内のインク圧力に基づいて印刷機によって実行されたプロセスを例解する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書で使用される場合、「印刷機」という用語は、概してインクを印刷媒体に塗布するシステムを指し、いずれかの目的のために印刷出力機能を実行する、デジタル複写機、製本機、ファクシミリ機、多機能機等の任意のシステムを包含することができる。印刷機は、画像受容部材上にインク画像を印刷し、本明細書で使用される「画像受容部材」という用語は、インク画像を搬送し、インク画像を印刷媒体に伝達する、ドラム及びベルト等の印刷媒体または中間部材を指す。「印刷媒体」は、プレカットまたはウェブ給紙された、インク画像を受容することに好適な紙、プラスチック、または他の好適な物理的基材の物理的な1枚のシートであり得る。本文書で使用される場合、「インク」は、画像を印刷するために画像受容部材に塗布される液体を指す。例えば、インクは、水性インク、インクエマルション、溶融相転位インク、またはインクが画像受容部材上への塗布もしくは噴射のために液体であることを可能にする温度まで加熱され、次いでゼラチン状態に戻るゲルインクであり得る。印刷機は、フィニッシャ、給紙装置等の様々な他の構成部品を含むことができ、複写機、印刷機、または複合機として具現化することができる。画像は、概してマーキングエンジンによって印刷媒体上にレンダリングされる電子形式の情報を含み、テキスト、グラフィックス、写真等を含むことができる。
【0010】
本明細書で使用される「印刷ヘッド」という用語は、インク滴を画像受容部材上に噴射するように構成された印刷機内の構成部品を指す。典型的な印刷ヘッドは、1つ以上のインク色のインク滴を画像受容部材上に噴射するように構成された複数のインク噴射器を含む。インク噴射器は、1つ以上の行及び列の配列に配設される。いくつかの実施形態において、インク噴射器は、印刷ヘッドの面を横切る互い違いの対角線の行に配設される。種々の印刷機の実施形態は、画像受容部材上にインク画像を形成する1つ以上の印刷ヘッドを含む。いくつかの印刷機の実施形態は、印刷ゾーン内に配設された複数の印刷ヘッドを含む。いくつかの実施形態では、インク潜像を保持する印刷媒体または中間部材等の画像受容部材が、印刷ゾーンを通って処理方向に印刷ヘッドを通えて移動する。印刷ヘッド内のインクジェットが、画像受容部材を横切るプロセス方向に垂直な、クロスプロセス方向の行にインク滴を噴射する。印刷ヘッド内の個々のインクジェットが、画像受容面がプロセス方向に印刷ヘッドを越えて移動する際、プロセス方向に延在するラインを形成するインク滴を噴射する。他の実施形態において、印刷ヘッドが、プロセス方向に前後に移動して、インクを画像受容部材に塗布し得る。
【0011】
図1は、メモリ102、内部コントローラ104を伴う印刷ヘッド120、コントローラ106、プロセッサ136、及び画像データ108を含む例示的なインクジェット印刷システム100を例解する。画像データ108は、メモリ102またはインクジェット印刷システム100内もしくはインクジェット印刷システム100の外部に位置する他のメモリ内に存在してもよい。いくつかの実施形態において、プロセッサ136は、画像データ108を受信し、画像データ108を処理してコントローラ106に命令を提供する。コントローラ106は、プロセッサ136からの命令に従って、外部インク供給部110及び印刷ヘッド120の両方に信号を適用する。プロセッサ136はまた、コントローラ106に命令を提供して、起動事象、パージ等の他の動作を実行し得る。
【0012】
外部インク供給部110は、インク送りシステム112を含み、本明細書でインク供給管とも称される、導管114を通じて印刷ヘッド120に結合される。インク送りシステム112は、例えば、印刷ヘッド120にインクを押圧する、または印刷ヘッド120からインクを引き出すために、正逆方向に動作するポンプ(図示せず)を含み得る。
【0013】
印刷ヘッド120は、入口122でインクを受容し、インクは、マニホルド124を含み得るインク経路134を通じて流れる。インク圧力センサ126は、インク経路134内に配置される。印刷ヘッド120は、インクを画像受容部材上またはインク容器内に噴射するためのインクジェット噴射器128を含む。印刷ヘッド120はまた、インク戻りライン130及びインク戻りラインバルブ132を含む。戻りラインバルブ132が開いているとき、インクは印刷ヘッドからインク戻りライン130に抜けてもよい。
【0014】
インクジェット印刷システム100はまた、図1に示されていない付加的な特徴を含んでもよい。例えば、インクジェット印刷システム100は、インクジェット噴射器128の面板からインクを拭き取るためのワイパアセンブリを含んでもよい。当業者によって理解されるように、インクジェット印刷システム100は、複数の印刷ヘッド120を含んでもよく、各印刷ヘッドは、それぞれのメモリ102及び/またはコントローラ106に取り付けられ得る。さらに、コントローラ106は、インクジェット印刷システム100全体の別のプロセッサ(図示せず)と電気的に通信してもよい。いくつかの実施形態において、印刷ヘッド120は、内部コントローラ104を含まなくてもよく、コントローラ104と同様の特徴を伴う印刷ヘッド120の外部のコントローラと通信してもよい。さらに、いくつかの実施形態において、インク圧力センサ126は、内部コントローラ104よりむしろ、またはそれに加えて、コントローラ106に電気的に接続されてもよい。圧力センサ126がコントローラ106のみに接続されている場合、コントローラ106は、以下で論じられる内部コントローラ104の機能を実行することができる。
【0015】
いくつかの実施形態において、インク圧力センサ126は、プロセッサ136に直接接続され得、プロセッサ136は、以下で論じられる種々の手順を実行し得る。
【0016】
内部コントローラ104及び/またはコントローラ106は、プログラムされた命令、例えば、印刷ヘッドの動作を実行する汎用または専用のプログラム可能なプロセッサに実装することができる。プログラムされた機能を実行するために必要な命令及びデータは、メモリ102内、またはプロセッサもしくはコントローラ内部のローカルメモリ内に記憶され得る。プロセッサ、それらのメモリ、及びインターフェース回路は、インク画像を形成するために、より具体的には、印刷された画像を形成するためにインク滴を噴射するように印刷ヘッド120内のジェット噴射器128の動作を制御するために、インクジェット印刷システム100を構成する。これらの構成部品は、印刷回路カード上に提供されるか、または特定用途向け集積回路(ASIC)内の回路として提供される。各々の回路は、別個のプロセッサに実装することができ、または複数の回路が、同一プロセッサ上に実装することができる。代替的な構成において、回路は、超大規模集積(VLSI)回路内に提供された個別構成部品または回路に実装される。また、本明細書で説明された回路は、プロセッサ、FPGA、ASIC、もしくは個別構成部品の組み合わせに、またはプロセッサ、FPGA、ASIC、もしくは個別構成部品に単一に、実装することができる。例えば、いくつかの実施形態において、内部コントローラ104は、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)である。
【0017】
インク圧力センサ126を印刷ヘッド120の内側のインク経路内に配置することは、インク圧力が印刷ヘッド120内で局所的に監視され、印刷ヘッド120の外部にあるインク送りシステム112の適切な機能を確認することを可能にする。破局的なインク送り状況は、印刷ヘッド内の流入インク圧力に大きな摂動を多くの場合引き起こす。これらの状況において、印刷ヘッド120のインク圧力センサ126の読み取り値は、印刷ヘッド120に吐出データを削除させて、永続的な印刷ヘッド120の故障を回避する。内部コントローラ104及び/またはコントローラ106に電気的に接続されている、インク圧力センサ126は、以下でより詳細に論じられるように、流入インク圧力が高すぎたり低すぎたりするとき、吐出を削除させる、すなわち、停止させることを可能にする。
【0018】
より破局的ではない条件下では、印刷ヘッド120内のインク圧力センサ126からの読み取り値は、吐出を削除することはないが、最適な印刷条件を検証し、維持するのに有用な診断情報を提供し得る。いくつかの実施形態において、以下により詳細に論じられるように、流入インク圧力は、印刷中インク圧力センサ126によって連続的に監視されてもよい。インク圧力の読み取り値の一部またはすべては、メモリ102内に記憶され得る。制限されたインク流等の準最適インク送り条件は、印刷の高塗りつぶし部分中に、減少した、つまり、より負の流入インク圧力を観測することによって診断され得る。
【0019】
例えば、インク圧力センサ126は、印刷前に気泡を除去するために、印刷ヘッド120を通じてインクをパージするためのより高いインク圧力を含む、印刷ヘッド120起動事象、または印刷機初期化手順のインク圧力プロファイルが受け入れ可能であることを確認するために使用され得る。最適な印刷ヘッド120起動事象は、指定されたインク圧力及び時間プロファイルで生じる。インク圧力センサ126は、印刷ヘッド120起動事象中のインク圧力対時間を監視し得、読み取り値は、コントローラ106またはプロセッサ136に転送されて、メモリ102内に診断情報のためのインク圧力及び時間プロファイルを保存し得る。これにより、ユーザが、いずれの起動事象の問題が、インク供給対印刷ヘッドの面板拭き取りに関するのか、またはいずれの他の非インク送り問題に関するのかを判断することを可能にする。
【0020】
印刷ヘッド120は、通常動作の前にパージ及び拭き取りを通常必要とする。パージは、印刷ヘッド120を通じてインクを押圧して、気泡及び部分的に乾燥したインクを除去する。パージは、インク送りシステム112からのインクを使用して印刷ヘッドに送る。インクは、インク経路を通じて流れ、ジェットスタックパージ中にジェット噴射器128を通じて、及び/またはマニホルドパージ中にインク戻りライン130を通じて印刷ヘッド120に存在する。
【0021】
パージは、導管114上の正インク圧力を印刷ヘッド120に提供することを典型的に含む。マニホルドパージのために、インク戻りライン130内のインク戻りバルブ132は、印刷ヘッド120に送られたインクがインク戻りライン130を通じて抜けることを可能とするために開放されている。ジェットスタックパージのために、インク戻りライン130内のバルブ132は閉じられ、インクがジェット噴射器128を通じて抜けることを可能にし、印刷ヘッド120のオリフィス板内部で通気する。パージの後、ジェット噴射器128の面板は、典型的には拭き取られる。インク送りシステム112は、汚染されたインクが吐出オリフィス内に吸い戻されることを防止するために、拭き取り中に僅かな正の圧力を提供してもよい。この初期化手順は、適切な印刷ヘッド120の性能にとって重要である。
【0022】
印刷ヘッド120の初期化中にインク圧力を監視することは、いずれの問題もユーザによって診断されることを可能にする。図2は、通常の印刷ヘッド120の初期化手順のための例示的なインク圧力及び時間プロファイルを例解する。図2に見られるように、約407秒で、インク送りシステム112は、パージインク圧力を開始する。409秒で、インク戻りライン130のバルブ132は、マニホルドパージのために開放され、インク圧力を34キロパスカル(KPa)から22KPaまで低下させる。412秒で、インク送りシステム112は、パージインク圧力の生成を停止し、インク圧力は、図2内のグラフの終わりまでに通常の印刷値-500パスカル(Pa)(-0.5KPa)に戻る。いくつかの実施形態における415秒~429秒の僅かな正のインク圧力は、ジェット噴射器128の面板を拭くために使用され得る。
【0023】
一方、図3は、図2と同じ種類の印刷ヘッド120に対して、異なる印刷システムによって生成されたパージインク圧力プロファイルを提供する。図3において見ることができるように、圧力プロファイルは、ピークインク圧力ほど高く維持しない。結果的に生じるより低いインク流量は、内部印刷ヘッドのインク通路の壁から気泡を除去することができず、印刷ヘッド120は、より負の印刷圧力に戻り得る。
【0024】
いくつかの実施形態において、ユーザは、ユーザ入力(図示せず)を通じて、印刷ヘッド120の初期化中にインク圧力の監視を起動し、インク圧力プロファイルが予想通りであるかどうかを判定するためにインク圧力プロファイルを調べてもよい。インク圧力情報は、インク圧力監視がユーザによって起動されるとき、メモリ102内のログファイルに保存され得る。
【0025】
いくつかの実施形態において、ワイパの場所及び速度、ならびにインク戻りライン130のバルブ132の状態等、他の印刷機状態情報が、ログファイル内に記録され得る。
【0026】
いくつかの実施形態において、インク圧力は、ログファイル内に持続的に監視され、保存される。プロセッサ136は、ログ内に保存されたインク圧力プロファイルを調べ、メモリ102内に保存された予想基準を満たさない印刷機の初期化中のインク圧力プロファイルにフラグを立て得る。例えば、プロセッサ136は、例えば、インク圧力が、2.5秒等の最小期間の間、30KPa等の最小閾値を上回っていることを確認してもよい。当業者によって理解されるように、他の閾値及び期間が使用されてもよい。プロセッサ136はまた、パージ動作後及び拭き取り動作中のインク圧力を監視して、ワイプ動作中にインク圧力が、例えば0~1KPAで正のままであり、次いで、拭き取り後、2秒以下等の最大限界値内で負レベルに戻ることを検証してもよい。このデータは、メモリ102内のログファイルに保存され得る。
【0027】
いくつかの実施形態において、印刷動作は、印刷機の初期化中の印刷ヘッド120のインク圧力プロファイルが許容可能な基準内になるまで有効とならないことがある。すなわち、プロセッサ136が、受容した圧力読み取り値が許容可能な基準に適合しないことを検出する場合、プロセッサ136は、コントローラ106を印刷用に構成しない。他の実施形態において、印刷は、初期化インク圧力プロファイルとは無関係とされるが、初期化インク圧力プロファイルは、ユーザによる後の検査のためにログファイル内に保存される。すべてのログファイルが、必要とされるまで保存され得るか、または予想される範囲もしくは基準外の初期化を有するログファイルのみが保存される。ログファイルはまた、メモリ102がいっぱいになるまで保存されるだけであってもよく、新しいログファイルは、最も古いログファイルに上書き保存される。
【0028】
インク圧力センサ126はまた、通常の印刷動作中にインク圧力を監視するために使用されてもよい。印刷ヘッド120等の印刷ヘッドは、最適なプリント品質のために、またジェット噴射器128からインクが垂れ落ちるのを防止するために、インク供給部に適用された背圧、すなわち、ある程度の負圧を多くの場合必要とする。上記で論じられたように、印刷ヘッド120の動作インク圧力は、典型的に約-500Paである。しかしながら、負のインク圧力が小さすぎると、画質の低下及び/または垂れ落ちを作り出し得る。負のインク圧力が大きすぎるとまた、弱くまたは欠落するジェット噴射器128を含み、画像品質の低下を引き起こすことがある。
【0029】
通常印刷中にインク圧力を監視することにより、ユーザが印刷問題を診断することを可能にし得る。インク圧力センサ126は、インク送りシステム112によって設定された背圧が、通常の印刷動作中等、最も問題となるときに重要であるのと同様、最も問題となる場所、印刷ヘッド120のインク経路内で許容範囲内にあることを確認することができる。
【0030】
印刷手順中のインク供給の問題は、特に問題が一時的なとき、診断することが困難となり得る。例えば、ねじれたインク供給管または導管114は、休止インク圧力に影響を及ぼすことはないが、高い塗りつぶし中、すなわち、高いインク使用量中に、印刷部分に過度の負のインク圧力を引き起こす。通常の印刷中に印刷ヘッド120内のインク圧力センサ126を介してインク圧力を連続的に監視することが、このような問題の検出を可能にし得る。
【0031】
図4は、通常の印刷動作中の印刷ヘッド120内の例示的なインク圧力を例解する。印刷は、少量の低い塗りつぶし画像を伴い、図4の描画内の約171.5秒で開始する。より高い塗りつぶし画像は、ある程度インク圧力の低下を増加させながら176秒で始まる。すなわち、176秒でより負のインク圧力の開始となる。185秒辺りで、インク送りホース、導管114が挟まれ、インク流を制限し、インク圧力の降下をさらに増加させる。185秒辺りでの過度のインク圧力降下が、微妙な画像品質のアーチファクトを引き起こし得る。そのようなアーチファクトの原因は、概して診断が非常に困難である。この故障は一時的であり、インク送りシステム112のさらなる上流の任意の監視によって検出されないであろう。しかしながら、印刷ヘッド内に統合されたインク送りインク圧力センサ126は、印刷ヘッド120が通常の生産環境において動作している間に、導管114の下流の異常を検出する。
【0032】
上記で論じられた印刷初期化動作と同様に、インク圧力データは、通常の印刷動作中にログファイル内に記録され、後にユーザが画質問題に気づいた後、ユーザによって調べられ得る。印刷画像に関する統計はまた、ログファイル内のインク圧力読み取り値を伴い記録され得る。例えば、画像当たりのインク滴の数、噴射頻度など、ログファイル内にインク圧力の読み取り値を伴い記録され得る。
【0033】
インク圧力はまた、通常の印刷機動作中に内部コントローラ104によって持続的に監視され、異常事象中にのみコントローラ106及び/またはプロセッサ136に転送され、異常事象辺りの期間は、印刷機の統計の有無にかかわらず、プロセッサ136によって判定されるように、ログファイル内に記録される。異常事象は、インク圧力読み取り値が-200~-1200Paの典型的な範囲外である等、インク圧力読み取り値が所定のウインドウを超えるとき、発生すると定義され得る。
【0034】
いくつかの実施形態において、異常事象は、例えば、3つ以上の読み取り値等複数の読み取り値が典型的な範囲外であるとして定義される。しかし、当業者によって理解されるように、任意の数の複数の読み取り値が、異常事象を記録するための要件として設定され得る。他のフィルタリングアルゴリズムもまた、インク圧力ロギングを引き起こす異常事象を定義するために使用され得る。このようなアルゴリズムは、メモリ102内に記憶され得、インク圧力が、事象と比較されて、インク圧力がログファイル内に記憶されるべきかどうか判定される。インク圧力はまた、ユーザまたは特定のサービス手順によって必要とされたとき記録されてもよい。
【0035】
上述されたように、インク圧力センサ126はまた、印刷ヘッド120の破局的な故障の防止に役立ち得る。内部コントローラ104が、いずれの印刷手順中に、過度に高いインク圧力または低いインク圧力等の破局的な事象を示す圧力読み取り値を受信する場合、内部コントローラ104は、インク圧力が、負の閾値または正の閾値のいずれかを超えたことを示す故障状態だけでなく、インク圧力読み取り値もコントローラ106に転送する。いくつかの実施形態において、内部コントローラ104はまた、印刷ヘッド120内部の吐出データを削除し、コントローラ106に故障状態を転送してもよく、過度に高いまたは低いインク圧力に起因して吐出が削除されたことを示す。故障状態の受信に応答して、コントローラ106は、印刷ヘッド120に吐出信号の送信を休止させ得る。コントローラ106は、印刷を中止するために故障状態をラッチし、読み取り値だけでなくラッチした状態をプロセッサ136に転送し得る。プロセッサ136は、上記で論じられたように、いずれの付加的な情報を伴い、ログファイル内部に読み取り値を記録するので、ユーザは過度に負の圧力または過度に正の圧力につながる圧力プロファイルを後で見直し得る。
【0036】
これは、印刷ヘッド120がいずれかの条件下で印刷することを防止して、インク送りシステム112等のインクジェット印刷システム100内のいずれかに故障があるとき、印刷ヘッド120への潜在的に修復不可能な損傷を回避する。印刷を停止することは、時間を節約し、印刷ヘッド120の交換だけでなく、印刷ヘッド120のために必要なサービスの量を最小限に抑える。ユーザは、保存されたインク圧力プロファイルに基づいて問題を診断し、サービスまたは交換される必要のある印刷ヘッド120の外の任意の必要とされる構成部品も修理し得る。
【0037】
上述されたように、インク送りシステム112は、これらの条件下で印刷している間に、印刷ヘッド120内部の負のインク圧力における増加を引き起こす、スタックバルブ、ねじれた導管114、または他の理由から封鎖することができる。負のインク圧力が大きくなりすぎる場合、気泡がジェット噴射器128の単一の吐出特性内に深く吸い込まれ、特定のジェット噴射器128が使用できなくなる。これらの欠落したジェット噴射器128の現場回復は困難であり、場合によっては不可能である。インク送り供給部112内またはインク供給部110内のセンサは、この詰まりを検出することはできないが、印刷ヘッド120内のインク圧力センサ126が、インク圧力の変化を検出することができる。内部コントローラ104は、インク圧力センサ126からのインク圧力を、-2000Pa等の負の閾値と比較し、インク圧力が閾値より低い場合、内部コントローラ104はインク圧力読み取り値及び故障状態をコントローラ106に転送する。
【0038】
図5は、大きすぎる負のインク圧力を経験する印刷ヘッド120の例示的なインク圧力プロファイルを示す。印刷は、約6.6秒で開始され、公称-500Paのバック-インク圧力から小さなインク圧力偏差を引き起こす。11秒で、インク送りシステム112は、さらにインクを提供できず、インク圧力センサ126によって検出され、内部コントローラ104によって判定されるように、インク圧力の急激な低下をもたらす。この例において、インク圧力が閾値-2000Paに達すると、内部コントローラ104は、印刷ヘッド120内の吐出データを削除してもよい。他の実施形態において、内部コントローラ104は、コントローラ106に故障状態を知らせてもよく、コントローラ106は、故障状態をラッチし、圧力読み取り値をプロセッサ136に転送する。コントローラ106はまた、ラッチされた故障状態に基づいて、印刷ヘッド120に吐出信号を送信することを休止してもよい。削除は瞬間的ではないので、最終的なインク圧力は-2000Paより低いが、吐出は、印刷ヘッド120への害を回避するために時間内に停止される。閾値は、内部コントローラ104内に設定及び保存され、印刷ヘッド120への損傷を防止する値であるべきである。閾値は、異なる印刷ヘッド120及び/または異なるインクジェット印刷システム100に対して異なり得る。
【0039】
インク送りシステム112内で起こり得る別の故障は、インク供給部110からの負のインク圧力の損失であり、その結果印刷ヘッド120内のインク圧力が正となりすぎる。この故障は、インク供給部110からのインクを、印刷ヘッド120を通じて典型的に排出させる。このようなインク排出事象は、既に問題であるが、印刷ヘッド120がインクを吐出し続けると悪化する。吐出は、インクの後ろの空気が印刷ヘッド120に引き込まれ、最終的には内部印刷ヘッド120内のジェット噴射器128の単一の吐出特性に至るまで、印刷ヘッド120を通じてインクを引き込み、欠落したジェット噴射器128の現場回復を困難または不可能にする。
【0040】
多くのインクジェット印刷システムにおいて、印刷ヘッドは、下方に吐出するので、ジェット噴射器128は印刷ヘッドの底にあり、その結果、印刷ヘッドより高いインク供給部110内のインクは、重力、インク密度、及びジェット噴射器128からインク供給部までの垂直距離に起因して、ジェット噴射器128よりも低い、またはより負のインク圧力を有する。印刷ヘッド120の動作インク圧力、例えば-500Paは、オリフィスレベルで測定される。インクは、ポート122を通じて、印刷ヘッド120よりさらに高いインク供給部110から頂部により近い印刷ヘッド120に多くの場合送られる。印刷ヘッド120の動作インク圧力を維持するために、インク供給部110のインク圧力は、より低く、より負のレベルに制御されなければならない。
【0041】
例えば、インク密度が1100kg/mの場合、重力に起因する加速度は9.8m/sであり、インク供給部110の自由面は、ジェット噴射器128の0.4m上部であり、ジェット噴射器128でインクを噴射するインク圧力は、-500Paであり、次いでインク供給部のインク圧力は、-4812Paでなければならず、これはインク供給部110とジェット噴射器128との間の自由面による重力に起因してインク密度に加速度を乗じて判定され、ジェット噴射器においてインクを噴射するために加える。-4812Paの負のインク圧力が、インク供給部110内のインクより高い空気空間に典型的に適用される。
【0042】
インク供給部110の真空が最初に失われると、印刷ヘッド120内部の動作インク圧力は、上記の実施例を使用すると、4312Pa等の正になる。インク圧力センサ126は、このインク圧力を検出し、内部コントローラ104に送ることができる。内部コントローラ104は、インク圧力センサ126からのインク圧力を1000Pa等の正の閾値と比較する。この実施例において、4312Paのインク圧力は、正の閾値を十分上回っているので、内部コントローラは、故障状態だけでなく、インク圧力もコントローラ106に転送する。
【0043】
図6は、印刷中の印刷ヘッド120内部のインク圧力プロファイルの実施例を例解する。印刷は、199秒のちょうど前に始まり、公称-500Paのバックインク圧力から小さなインク圧力偏差を引き起こす。202秒で、図6の描画上に見られるように、インク送りシステム112は真空を失い、インク圧力内で急激な増加を引き起こす。インク圧力が1000Paに達すると、内部コントローラ104は、故障状態を設定し、印刷ヘッド120内部の吐出データを削除し、コントローラ106に故障状態を伝達する。それに応答して、コントローラ106は、故障状態をラッチし、印刷ヘッド120に吐出信号を送ることを休止する。インクは、ジェット噴射器128から垂れ始め得るが、吐出の不足が、インクの後ろの空気が印刷ヘッド120内に引き込まれること、または少なくとも空気が除去されにくい、内部単一吐出特徴に引き込まれることを防止する。
【0044】
いくつかの実施形態において、過度の正のインク圧力条件が残っている限り、または過度の負のインク圧力条件が残っている限り、印刷ヘッド120の削除された吐出データは存続する。内部コントローラ104が、インク圧力センサ126からの読み取り値を検出して、インク圧力が、例えば、過度に高いインク圧力シナリオに対して-100Pa等の閾値を下回って落ちることを示す、または過度に負のインク圧力シナリオに対しては-2000Paを上回っていることを示す場合、内部コントローラ104は、その故障状態をクリアし、印刷ヘッド120内部の吐出データの削除を終了する。内部コントローラ104はまた、故障クリア状態をコントローラ106に送信し、コントローラ106に印刷ヘッド120への印刷信号の送信を再開させて、ジェット噴射器128を通じてインクを噴射し始める。概して、インク送りシステム112が適切な動作に戻るとき、印刷ヘッド120の介入は必要とされない。
【0045】
他の実施形態において、内部コントローラ104またはコントローラ106は、内部コントローラ104によって検出された故障状態をラッチし、印刷システム内のユーザまたは上位システムコントローラ(図示せず)が印刷ヘッド120を再稼働させるまで、吐出が機能しないままである。これは、部分的に封鎖されたインク送りシステム112が、圧力が上昇及び下降するにつれて、吐出がオン及びオフの循環を引き起こすことを防止する。
【0046】
正の圧力の故障の場合、ラッチは、特定の値である。正の圧力下では、インクは、インク供給がなくなるまで印刷ヘッドを通じて排出される。一度インクが排出されると、圧力は、ほぼゼロに戻るが、重大な故障(インク無し)は、依然として存在する。故障状態をラッチすることなく、インクの大部分が排出され、インクの圧力がゼロに近づいた後、吐出は再開することができる。
【0047】
ヒステリシスは、故障条件中、インクが排出され、インクの圧力がゼロに近づく際、吐出を防止するためにラッチの形態として使用され得る。例えば、異なる立ち上がり及び立ち下がりの故障閾値が、使用され得る。
【0048】
印刷ヘッド120はまた、いくつかの実施形態において、最大インク圧力の読み取り値を維持してもよい。この最大読み取り値は、故障が発生したことを判定し、故障の性質を判定することを援助するための代替的な機構として使用され得る。最大読み取り値は、印刷システムによって内部コントローラ104内でリセットすることができる。
【0049】
図7は、インク圧力センサ126によって検出されたインクのインク圧力に基づいて、インクジェット印刷システム100によって実行された方法を例解する。印刷手順を実行する700。印刷手順は、画像受容部材上の印刷、パージ、拭き取り、印刷初期化手順等、上記で論じられた手順のうちのいずれかであってもよい。印刷手順中、印刷ヘッド内のインクのインク圧力は、印刷ヘッド120内に配置されたインク圧力センサ126を介して、監視される702。所定の動作が、インク圧力及び印刷手順に基づいて実行される704。
【0050】
上述されたように、所定の動作は、インク圧力に基づいてインク圧力及び時間プロファイルを記憶すること、ならびに印刷を中止することを含む。印刷状態情報及び印刷機の静力学は、インク圧力及び時間プロファイルと共に記憶されてもよい。また上述されたように、いくつかの実施形態において、所定の印刷初期化インク圧力及び時間プロファイルが所定の基準を満たすとき、印刷が可能になってもよい。
【0051】
印刷手順は、印刷ヘッド120の損傷を避けるために、インク圧力が負の閾値を下回るか、または正の閾値を上回るとき、中止され得る。故障状態はまた、インク圧力が負の閾値を下回るかまたは正の閾値を上回るとき、インクジェット印刷システム100内に設定され得る。
【0052】
上記の開示の変異体及び他の特徴ならびに機能、またはそれらの代替物は、多くの他の異なるシステムまたはアプリケーションの内部に組み合わされてもよいことが理解されるであろう。種々の現在予見し得ない、または予期し得ない代替物、改造、変形、または改良が、当業者によって今後なされ得、それらもまた以下の請求項に包含されることが意図される。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7