(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-15
(45)【発行日】2022-03-24
(54)【発明の名称】物体の印刷中にダイレクトトゥオブジェクトプリンタ内の印刷ヘッドを枢動するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
B41J 3/407 20060101AFI20220316BHJP
B41J 25/308 20060101ALI20220316BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20220316BHJP
【FI】
B41J3/407
B41J25/308 Z
B41J2/01 109
B41J2/01 303
(21)【出願番号】P 2018199741
(22)【出願日】2018-10-24
【審査請求日】2021-10-18
(32)【優先日】2017-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】リチャード・エイ・キャンベル
【審査官】上田 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-010032(JP,A)
【文献】特開平05-318715(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102016204123(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 3/407
B41J 25/308
B41J 2/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷システムであって、
枢動フレームであって、
一対の
第1の横部材であって、各
第1の横部材が前記少なくとも1つの印刷ヘッドの縦軸に平行である、一対の
第1の横部材と、
前記一対の
第1の横部材に対して垂直であり、前記
枢動フレームを長方形として形成する一対の
第1の垂直部材と、
前記
第1の横部材のうちの少なくとも1つに操作可能に接続された
、前記第1の横部材のうちの前記少なくとも1つ内のねじ穴を通じて延在するリードスクリューと、
前記
リードスクリューに操作可能に接続された第1のアクチュエータと、を含む前記
枢動フレームと、
前記枢動フレーム内に取り付けられたキャリッジフレームと、
少なくとも1つの印刷ヘッドであって、前記
キャリッジフレームに取り付けられ、マーキング材料を吐出するように構成されている少なくとも1つの印刷ヘッドと、
前記
枢動フレームに操作可能に接続された第2のアクチュエータであって、前記
枢動フレームを、枢軸を中心に回転させるように構成されている第2のアクチュエータと、
前記
キャリッジフレーム及び前記少なくとも1つの印刷ヘッドの反対側の物体を保持するように構成されているホルダと、
前記第1のアクチュエータ、前記第2のアクチュエータ及び前記少なくとも1つの印刷ヘッドに操作可能に接続されたコントローラであって、前記第1のアクチュエータを操作して、前記
リードスクリューを回転させて、前記
キャリッジフレーム及び前記少なくとも一つの印刷ヘッドを前記
枢動フレームに対して平行な平面において双方向に移動させ、前記第2のアクチュエータを操作して、前記
枢動フレーム及び前記少なくとも1つの印刷ヘッドを前記枢軸を中心に枢動させ、前記少なくとも1つの印刷ヘッドを操作して、前記ホルダによって保持された前記物体上にマーキング材料を吐出するように構成されているコントローラと、を備える、印刷システム。
【請求項2】
前記
キャリッジフレームが、
前記少なくとも1つの印刷ヘッド内の各印刷ヘッド用の一対のチャネルであって、前記少なくとも1つの印刷ヘッド内の各印刷ヘッドは、前記印刷ヘッドに対応する前記一対のチャネル内で双方向に摺動するように構成されている、一対のチャネルと、
前記少なくとも1つの印刷ヘッドに操作可能に接続された第3のアクチュエータと、をさらに備え、
前記コントローラが、前記第3のアクチュエータに操作可能に接続されており、前記コントローラが、前記第3のアクチュエータを操作して、前記印刷ヘッドに対応する前記チャネル内で前記少なくとも1つの印刷ヘッド内の各印刷ヘッドを双方向に移動させるようにさらに構成されている、請求項
1に記載の印刷システム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの印刷ヘッドが、
複数の印刷ヘッドをさらに備え、各印刷ヘッドが前記印刷ヘッドに対応する前記一対のチャネル内に位置決めされており、
前記コントローラが、前記第3のアクチュエータを操作して、各印刷ヘッドを前記複数の印刷ヘッド内の他の印刷ヘッドから独立して移動させるようにさらに構成されている、請求項
2に記載の印刷システム。
【請求項4】
データを生成するように構成されたセンサをさらに備え、前記データが、前記センサと前記センサの反対側の前記ホルダ内の前記物体の一部との間の距離を示し、
前記コントローラが、前記センサによって生成された前記データを受信するために前記センサに操作可能に接続されており、前記コントローラが、前記センサによって生成された前記データを基準として、前記複数の印刷ヘッド内の各印刷ヘッドと各印刷ヘッドの反対側の前記物体の一部との間の距離を識別し、前記第3のアクチュエータを操作して、各印刷ヘッドについて前記識別された距離を基準として、前記複数の印刷ヘッド内の各印刷ヘッドを移動させるように構成されている、請求項
3に記載の印刷システム。
【請求項5】
前記コントローラが、前記第1のアクチュエータを操作して、前記
キャリッジフレーム及び前記複数の印刷ヘッドを前記各印刷ヘッドについて識別された距離を基準として枢動するようにさらに構成されている、請求項
4に記載の印刷システム。
【請求項6】
前記ホルダが、
第2の横部材と、
前記
第2の横部材に対して垂直であり、U字型フレームを形成する一対の
第2の垂直部材であって、各
第2の垂直部材が開口部を有する、一対の
第2の垂直部材と、
一対のシャフトであって、各シャフトが第1の端部及び第2の端部を有し、各シャフトの前記第2の端部が、把持部内で終端し、各シャフトの前記第1の端部が、互いに排他的な様式で前記
第2の垂直部材のうちの1つ内の前記開口部を通じて延在し、各把持部が前記物体を前記ホルダ内で固定するために前記物体の一部を保持するように構成されている、一対のシャフトと、
前記シャフトのうちの1つの前記第1の端部に操作可能に接続された第4のアクチュエータであって、前記1つのシャフトを回転させるように構成されている、第4のアクチュエータと、をさらに備え、
前記コントローラが、前記第4のアクチュエータに操作可能に接続され、前記コントローラが、前記第4のアクチュエータを操作して、前記1つのシャフト及び前記把持部の間に保持された前記物体を回転させるようにさらに構成されている、請求項
5に記載の印刷システム。
【請求項7】
前記第4のアクチュエータが、前記1つのシャフトを他方のシャフトに向かって、及び他方の軸から離れて移動させるようにさらに構成され、
前記コントローラが、前記第4のアクチュエータを操作して、前記シャフト及び前記物体を前記2つのシャフトと整列した軸に沿って双方向に移動させるようにさらに構成されている、請求項
6に記載の印刷システム。
【請求項8】
前記コントローラに操作可能に接続されたユーザインターフェースをさらに備え、前記ユーザインターフェースが、前記把持部間の前記物体についての形状及び寸法を識別するデータを受信するように構成されており、
前記コントローラが、前記ユーザインターフェースから受信した前記ホルダ内の前記物体の前記形状及び寸法を識別する前記データを基準として、前記第1のアクチュエータ、前記第2のアクチュエータ、前記第3のアクチュエータ、及び前記第4のアクチュエータを操作するようにさらに構成されている、請求項
7に記載の印刷システム。
【請求項9】
前記ユーザインターフェースが、
前記物体に関連付けられた印の読み取り機をさらに備え、前記印が、前記ホルダ内の前記物体の前記形状及び寸法を識別する前記データに対応する、請求項
8に記載の印刷システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、3次元(3D)物体上に印刷するためのシステムに関し、より具体的には、卵形または不規則形状の物体上に印刷するシステムに関する。
【0002】
商業用物品印刷は、物品の製造中に典型的に発生する。例えば、ボールの表皮は、ボールが完成して膨らまされる前にパターンまたはロゴが印刷される。その結果、例えば、潜在的な製品顧客が複数のプロフェッショナルチームまたは大学チームを支持する地域において、物流現場または小売店等の非製造組織は、その領域内で人気のある種々のチームのロゴを有する製品の在庫を保管する必要がある。在庫を維持するため、各異なるロゴ用に正確な数の製品を発注することが、問題となり得る。
【0003】
非生産直販店においてこれらの問題に対処する1つの方法が、印刷されていないバージョンの製品を保管し、物流現場または小売店でそれらにパターンまたはロゴを印刷することである。ダイレクトトゥオブジェクト(DTO)プリンタとして既知のプリンタが、個々の物体を印刷するために、開発されている。これらのDTOプリンタは、別の印刷ヘッド毎に1つの印刷ヘッドを伴う垂直構造で典型的に配置される、複数の印刷ヘッドを有する。これらの印刷ヘッドは、配向が固定される。ボール、水ボトル、及び同様のもの等、印刷される物体が卵形であるとき、物体の表面の一部が印刷ヘッドの平面から外れるため、完全な画像を表面に印刷することはできない。DTOプリンタが卵形物体の全部または一部上に画像を印刷することが可能になることは、有益であろう。
【0004】
新規の3次元(3D)物体印刷システムは、卵形または不規則な形状の物体の表面の大部分または全てが印刷されることを可能にするために、システム内の印刷ヘッドの柔軟性のある配向を提供する。印刷システムは、フレームと、フレームに取り付けられ、マーキング材料を吐出するように構成された少なくとも1つの印刷ヘッドと、フレームに操作可能に接続され、フレームを枢軸を中心に回転させるように構成されている第1のアクチュエータと、フレーム及び少なくとも1つの印刷ヘッドの反対側の物体を保持するように構成されているホルダと、第1のアクチュエータ及び少なくとも1つの印刷ヘッドに操作可能に接続されたコントローラと、を含む。コントローラは、第1のアクチュエータを操作して、フレーム及び少なくとも1つの印刷ヘッドを枢軸を中心に枢動させ、少なくとも1つの印刷ヘッドを操作して、ホルダによって保持された物体上にマーキング材料を吐出するように構成される。
【0005】
卵形または不規則形状の物体の表面の大部分または全てを印刷することを可能とする、3D物体印刷システムを操作する3D物体印刷システム及び方法の前述の態様及び他の特徴が、以下の説明において、添付の図面に関連して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】卵形または不規則形状の物体の表面の大部分または全てを印刷することを可能にする、印刷ヘッド枢動サブシステムを有するDTO印刷システムの背面を通した概略図である。
【
図2】
図1に示されるDTO印刷システムの側面図の概略図である。
【
図4A】フットボールの表面を印刷するために使用された一連の印刷ヘッド位置を図示する。
【
図4B】フットボールの表面を印刷するために使用された一連の印刷ヘッド位置を図示する。
【
図4C】フットボールの表面を印刷するために使用された一連の印刷ヘッド位置を図示する。
【
図5】印刷ヘッド枢動サブシステムを有するプリンタによって印刷され得る種々の形状を図示する。
【
図6】
図1の印刷システムの操作のためのプロセスを図示する。
【0007】
本実施形態の一般的な理解のために、図面を参照する。図面において、同様の参照番号は、同様の要素を示すために全体を通して使用されている。
【0008】
図1は、システムの後部を通して印刷されている物体に向かうダイレクトトゥオブジェクト(DTO)印刷システム100の図を図示する。システム100は、物体回転サブシステム108内に固定される物体104の表面を印刷するための印刷ヘッド118のアレイを伴って構成される。本文書内で使用される場合、「印刷ヘッド」という用語は、マーキング材料を吐出するように構成された複数のイジェクタを有する構成部品を意味する。イジェクタによって吐出されるマーキング材料は、イジェクタが流体接続されるマーキング材料源に依存する。本文書内で使用される場合、「サブシステム」という用語は、より大きなシステム内で特定の機能を実行するように操作される2つ以上の構成部品を指す。印刷ヘッド118は、互いに対して平行であり、物体104の縦軸に対して平行な縦軸を有する。物体回転サブシステム108は、2つの垂直部材158が取り付けられてU字型フレームの脚部を形成するベース部材154を有するU字型フレームを含む。各垂直部材158は、開口部162を含み、その各々はシャフト126を支持する。開口部162は、開口部内のシャフト126の回転を容易にするベアリングまたは他の構成部品を含むことができる。各シャフト126の端部には、印刷のための物体104の1つの端部または側面を保持するように構成された把持部166がある。把持部166は、シャフト126から着脱可能であり、異なる形状の物体を保持するための異なる構成を有する把持部はシャフトから取り外し及びシャフトに取り付けることができる。少なくとも1つのシャフト126は、図内の矢印によって示されるように少なくとも1つのシャフト126を双方向に回転させ、及びシャフト126を双方向に並進させるように構成された1つ以上のアクチュエータ122に操作可能に接続される。把持部166が物体104の一部を保持するとき、駆動シャフト126もまた回転し、2つの軸と整列した軸に沿って他方のシャフト126を並進させる。コントローラ124は、アクチュエータ122に操作可能に接続され、アクチュエータ122を操作して、物体104がサブシステム108内に取り付けられた後に、物体回転サブシステム108を移動させるように構成される。コントローラ124によるアクチュエータ122の操作は、印刷ヘッド118を基準として物体を横方向及び回転方向に位置決めする。
【0009】
印刷ヘッド118は、キャリッジフレーム130内に取り付けられる。クロスフレーム部材は、平行な側面部材132に対して垂直であり、長方形のフレームを形成するが、他のフレーム構成も可能である。クロスフレーム部材138は、ねじ付き開口部142を伴って構成され、各対の開口部は、リードスクリュー134を受容する。リードスクリュー134は、リードスクリュー134上でフレーム130を上下させるために双方向に回転するように構成された1つ以上のアクチュエータ146に操作可能に接続される。代替的に、フレーム130は、無端ベルト及びフレームの各側面上に一対のプーリを伴って構成され、プーリはベルトを回転させるためにアクチュエータによって駆動されて、フレーム130を上下させる。このフレーム130の垂直方向の調整は、印刷及びUV材料の硬化のために、物体104の表面の反対側の種々の位置において、印刷ヘッド118及び紫外線(UV)光硬化装置150を位置決めする。キャリッジフレーム130は、枢動フレーム170内に取り付けられる。フレーム170は、横部材174及び垂直部材178を含む。下部横部材174は、双方向回転のためにアクチュエータ186に操作可能に接続される回転シャフト182に取り付けられる。コントローラ124はまた、アクチュエータ186に操作可能に接続され、アクチュエータ186を操作して、フレーム170及びフレーム130をシャフト182を中心に枢動させて、印刷ヘッド118を物体104の表面を基準とする角度で配向させるように構成される。コントローラ124はまた、アレイ内の印刷ヘッド118を操作して、マーキング材料を物体104の表面上に吐出するように構成される。アレイ112内の1つ以上の印刷ヘッド118が紫外線(UV)マーキング材料を吐出する場合、次いでUV硬化装置150が、UV材料を硬化させるためにコントローラ124によって操作される。本文書内で使用される場合、「UV光線」は、可視光よりも短いが、X線よりも長い波長を有する光を指す。このような光の波長は、約10nm~400nmである。ユーザインターフェース120は、以下でより十分に説明される目的のためにコントローラ124に操作可能に接続される。
【0010】
図2は、
図1に示されるシステム100の側面図である。この図は、印刷ヘッド118の下方の位置に取り付けられた距離測定センサ190を示し、センサは、コントローラ124に操作可能に接続される。この距離センサは、センサ190とセンサの反対側の物体104の一部との間の距離を示すデータを生成するように構成される。センサによって作成された距離測定のための基準点が、印刷ヘッド118の整列面に対応するので、センサと物体との間の距離を示すデータは、印刷ヘッド面と物体との間の距離を判定するために有用である。フレーム130が物体104の反対側に垂直移動する際、コントローラ124は、センサと物体104の表面との間の距離を示すデータを受信し、コントローラは、印刷ヘッド118の各フェースプレートと各フェースプレートの反対側の物体104の一部との間の距離を識別するように構成される。これらの距離は、印刷ヘッド118を操作し、印刷ヘッドによって吐出されたマーキング材料を伴い、物体の表面上に画像を形成するためにコントローラ124によって使用される。
【0011】
引き続き
図2を参照すると、印刷ヘッド118及びUV硬化装置150は、フレーム130の側部部材内のスライドまたはチャネル198内に取り付けられる。1つ以上のアクチュエータ194は、印刷ヘッド118及びUV硬化装置150に操作可能に接続されて、印刷ヘッド及びUV硬化装置をスライドまたはチャネル内で、物体104に向かってまたは物体104から離れて双方向に移動させる。付加的に、1つ以上のアクチュエータ194は、印刷ヘッド118及びUV硬化装置150を互いに独立して移動させて、各印刷ヘッド118またはUV硬化装置150と物体表面との間の距離を、物体104の曲率または特性を基準にして調整するように構成される。
【0012】
図3は、システムの上方から物体104上を見下ろす印刷システム100の図を提供する。矢印は、印刷システム100によって可能にされた種々の運動の程度を示す。コントローラ124は、アクチュエータ122を操作することによって物体104を双方向に横方向に移動させることができ、物体を同様に双方向に回転させることができる。アクチュエータ186を操作することにより、コントローラ124は、フレーム170を枢動シャフト182(
図1)を中心に双方向に枢動させることができる。この移動は、図内の曲線矢印によって示される。コントローラ124はまた、アクチュエータ194(
図2)操作して、印刷ヘッド118及びUV硬化装置150を、物体104の表面に向かって、及び物体104の表面から離れて移動させる。付加的に、コントローラ124は、アクチュエータ146(
図1)を操作して、フレーム130をフレーム170内で垂直に移動させて、印刷ヘッド118及びUV硬化装置の垂直位置を物体104の表面を基準として調整する。
【0013】
フットボール等の長方形の物体を印刷するためのプロセスは、
図4A~4Cに示される。物体104は、上記で説明されたように、シャフト126上の把持部166によって保持される。コントローラ124は、アクチュエータ122を操作して、物体104の1つの端部を印刷ヘッド118の反対側に並進させ、コントローラは、アクチュエータ186を操作して、フレーム170及び印刷ヘッド118を
図4Aに示される位置に枢動させる。一度物体及び印刷ヘッド位置が確立されると、印刷ヘッドは、コントローラを伴って操作される。画像が、印刷ヘッド118のすぐ反対側の部分よりも大きい物体の一部分を覆う場合、コントローラは、アクチュエータ122を操作して、印刷ヘッドが、ボールのその部分の外周の周囲に画像を印刷し続けるように操作される際、ボールを適切に回転させることができる。物体の第1の端部が印刷された後、コントローラ124は、アクチュエータ186を操作して、フレーム170及び印刷ヘッド118を、印刷ヘッドアレイについてのホーム位置である、
図4Bに示される角度に枢動させ、コントローラ124は、アクチュエータ122を操作して、物体を
図4Bに示される位置に並進させる。一度この第2の位置が確立されると、印刷ヘッド118は、コントローラ124を伴って操作される。再び、画像が、印刷ヘッド118のすぐ反対側の部分よりも大きい物体の一部分を覆う場合、コントローラは、アクチュエータ122を操作して、ボールのその部分の外周の周囲に画像を続けるように、ボールを適切に回転させることができる。物体のこの部分が印刷された後、コントローラ124は、アクチュエータ186を操作して、フレーム170及び印刷ヘッド118を、
図4Cに示される角度に枢動させ、コントローラ124は、アクチュエータ122を操作して、
図4Cに示される位置で印刷ヘッド118にボールの他方の端部を提示するために物体を並進させる。一度この位置が確立されると、印刷ヘッド118は、コントローラ124を伴って操作される。画像が、印刷ヘッド118のすぐ反対側の部分よりも大きい物体の一部分を覆う場合、コントローラは、アクチュエータ122を操作して、印刷ヘッドが、ボールのその部分の外周の周囲に画像を印刷し続けるように操作される際、ボールを適切に回転させることができる。物体のこの端部が印刷された後、コントローラ124は、アクチュエータ186を操作させて、フレーム170及び印刷ヘッド118を
図4Cに示される角度まで枢動させて、印刷ヘッドアレイをそのホーム位置に戻す。把持部166は、ここで解放されて、システム100から物体104を取り外すことが可能にすることができる。
【0014】
図5は、
図4A~4Cに関して上述されたものと同様の様式において印刷システム100を操作することによって印刷することができる他の卵形形状の実施例を例解する。これらの形状を識別するデータは、ユーザインターフェース122(
図1)内へ入力することができ、コントローラ124は、印刷ヘッドをどのように垂直に移動し、位置決めするか、物体をどのように水平に移動し、位置決めするか、物体をどのように回転させるか、印刷ヘッドをどのように物体に向かって、または物体から離して移動させるか、及び物体を種々の印刷ヘッドアレイ位置で印刷するためにフレーム170ならびに印刷ヘッド118をどのように枢動させるかを判定するために、物体保持サブシステム108内に取り付けられた物体の形状及び寸法を識別するコード等、これらのデータを使用することができる。代替的または付加的に、ユーザインターフェースは、物体の形状及び位置を物体上またはタグ上の印、ならびに物体に取り付けられた、別様に物体に関連付けられたラベルから識別するデータを得ることができる、バーコード読み取り機等の印読み取り機を含む。
【0015】
プリンタ100を操作するためのプロセスが、
図6に示される。プロセスの説明において、プロセスがいくつかのタスクまたは機能を実行しているという記述は、コントローラまたはプロセッサに操作可能に接続されて、データを操作するか、プリンタ内の1つ以上の構成部品を操作してタスクまたは機能を実行するために、非一時的コンピュータ可読記憶媒体内に格納されたプログラム命令を実行するコントローラまたは汎用プロセッサを指す。上述されたコントローラ124は、そのようなコントローラまたはプロセッサであり得る。代替的に、コントローラは、2つ以上のプロセッサ及び関連付けられた回路ならびに構成部品を伴って実装することができ、その各々は、本明細書で説明された1つ以上のタスクまたは機能を形成するように構成される。付加的に、本方法のステップは、図に示される順序または処理が説明される順序に関わらず、任意の実現可能な経時的順序において実行されてもよい。
【0016】
図6は、物体保持サブシステム108内に保持された物体104を印刷するためにフレーム170及び印刷ヘッド118を枢動させるために印刷システム100を操作するプロセス500のフロー図である。プロセス500は、物体保持サブシステム108が物体104を固定するように操作されることから始まる(ブロック504)。コントローラ124は、センサ190を操作して、物体がホーム位置内の印刷ヘッドアレイの反対側にあるとき、コントローラが印刷ヘッド118の面と物体の部分との間の距離を識別することを可能にするようにアクチュエータ146を操作する(ブロック508)。コントローラ124はまた、ユーザインターフェースからデータを受信し、印刷される物体の形状及び寸法を識別する(ブロック512)。コントローラ124は、形状及び寸法データならびに識別された距離を基準としてアクチュエータ122、146、186、及び194を操作して、物体及び印刷ヘッド118を物体の輪郭及び特性に対応するように移動させる(ブロック516)。コントローラ124は、次いでインク画像データを基準として印刷ヘッドを操作して、印刷ヘッドに面する物体の部分を印刷する(ブロック520)。この物体の印刷は、印刷ヘッドに面する物体の部分の外周に沿って印刷するための物体の回転を含むことができ、また、任意の印刷ヘッドが物体上に画像を形成するためにUV硬化性マーキング材料を吐出する場合、UV硬化装置150の反対側に物体を移動させること及びUVインクを硬化させるために装置150を操作することを含む。 物体の別の部分が印刷される場合(ブロック524)、次いでコントローラ124は、アクチュエータ122、146、186、及び194を操作して、物体104及び印刷ヘッド118を次の物体部分を印刷するために再度位置決めする(ブロック516)。プロセスは、次いで印刷ヘッドを操作して、物体の別の部分を印刷する(ブロック520)。プロセスのこの部分は、物体の印刷が完了するまで続く(ブロック524)。印刷が完了するとき、コントローラ124は、アクチュエータ146、186、及び194を操作して、印刷ヘッド118をそれらのホーム位置に戻し(ブロック528)、物体を、物体保持サブシステム108から解放することができる。