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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-15
(45)【発行日】2022-03-24
(54)【発明の名称】加重加熱織物
(51)【国際特許分類】
   A61F 7/03 20060101AFI20220316BHJP
   D03D 15/275 20210101ALI20220316BHJP
   B32B 7/027 20190101ALI20220316BHJP
   B32B 9/04 20060101ALI20220316BHJP
   A61F 9/04 20060101ALI20220316BHJP
   A47G 9/10 20060101ALI20220316BHJP
   A47G 9/06 20060101ALI20220316BHJP
   A41D 13/005 20060101ALI20220316BHJP
   A41D 13/05 20060101ALI20220316BHJP
   A41D 3/08 20060101ALI20220316BHJP
   D03D 15/50 20210101ALI20220316BHJP
   D03D 15/513 20210101ALI20220316BHJP
【FI】
A61F7/08 332A
D03D15/275
B32B7/027
B32B9/04
A61F9/04 340
A47G9/10 F
A47G9/10 T
A47G9/06 F
A47G9/10 G
A41D13/005 101
A41D13/05 112
A41D3/08 Z
D03D15/50
D03D15/513
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019205523
(22)【出願日】2019-11-13
(65)【公開番号】P2020081867
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2020-08-03
(31)【優先権主張番号】201811383596.2
(32)【優先日】2018-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519405617
【氏名又は名称】杭州浅藍進出口有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100194526
【弁理士】
【氏名又は名称】叶野 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100103207
【弁理士】
【氏名又は名称】尾崎 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】張力
【審査官】小野田 達志
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-237724(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0335853(US,A1)
【文献】登録実用新案第3218940(JP,U)
【文献】中国実用新案第204501192(CN,U)
【文献】実開昭50-039295(JP,U)
【文献】国際公開第2012/009739(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 7/03
D03D 15/513
B32B 7/027
B32B 9/04
A61F 9/04
A47G 9/10
A47G 9/06
A41D 13/005
A41D 13/05
A41D 3/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
織物セット本体(1)を含み、
前記織物セット本体(1)はアイマスクセットであり、アイマスクカバー(11)とその両端に接続された弾性バンド(12)を含み、
該織物セット本体(1)の内部に重りエリア(2)が均一に分布され、該重りエリア(2)の内部に重りビーズが設けられ、
且つ、前記アイマスクカバーを使用者が装着し、前記使用者側の面を底部側とし、前記使用者側の面と反対側の面を外表面側としたときに、
該織物セット本体(1)の底部の局所に加熱層(3)が設けられ、該加熱層(3)がグラフェン加熱シートであり、該加熱層(3)は前記織物セット本体(1)の外表面に設けられる電源スイッチのインターフェース(4)に接続されており、
前記アイマスクカバー(11)は、キルティング加工されており、前記アイマスクカバーを装着した時の正面視における縦方向の縫合によって2つの前記重りエリア(2)が左右に分けられており、
左右の前記重りエリア(2)の底部にそれぞれ前記加熱層(3)が設けられており、
単一前記重りエリア(2)内の前記重りビーズの総量が60g~100gであり、且つ前記重りビーズがシリカガラスビーズを用い、直径が0.8~1.6mmであることを特徴とする加重加熱織物。
【請求項2】
前記重りビーズの下側と前記アイマスクカバー(11)との間には、ポリエステル製のボンドスプレーからなるワッディング(5)が設けられ、前記加熱層(3)が前記ワッディング(5)の中に挟まれるようにして設けられることを特徴とする請求項1に記載の加重加熱織物。
【請求項3】
前記ワッディング(5)の目付が100~300g/mであることを特徴とする請求項に記載の加重加熱織物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベッディング分野に関し、特に、加重加熱織物に関する。
【背景技術】
【0002】
現代社会の生活リズムが絶えず加速するにつれて、亜健康はすでに現代人の通弊になっている。人々のストレスはますます大きくなってきて、体が過負荷になっており、より多い睡眠と情緒の問題をもたらしてきた。
【0003】
一方、アメリカ作業療法(occupational therapy)分野では「加重ブランケット」と呼ばれた製品が流行している。その主な特徴はブランケットの人体に与える重量が人体体重の10%を超えることである。研究によると、一般的に加重ブランケットには不安を和らげ、気持ちをリラックスさせる効果があると同時に、睡眠障害患者の睡眠品質を高めることもできる。実際に、加重ブランケットが睡眠状態を改善し、ストレスを軽減できる研究は長い期間を経ており、利用者からの認可を得ている。
【0004】
このゆえに、加重構造の織物に関する研究はもう一歩進んで展開する必要があるが、冬の保温は重要な課題であり、いかに速く保温するかは重要な問題である。人体に与える重量は人体体重の10%を超えると不安を和らげ、気持ちをリラックスさせ、ストレスを軽減する効果があるため、急速に加熱し、不安を和らげ、気持ちをリラックスさせる織物の開発は必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の問題を解決するために、本発明は充填した重りが合理的で、充填物と織物の結合が完全で、重りが織物に均一に分布され、局所が重過ぎることなく、流動性も良く、且つ本織物が急速加熱モードを備え、冬に使用者を急速に暖かい状態に入らせることができ、快適性が高く、且つ加重織物を配合しており、ストレスを解消し、不安を和らげることができる加重加熱織物を提供する。
【0006】
そして、本織物は多様な構造実施形態を備えており、実用性が高い。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明で採用する技術的手段は下記の通りである。織物セット本体を含み、織物セット本体の内部に重りエリアが均一に分布され、重りエリアの内部に重りビーズが設けられ、且つその内側面の局所に加熱層が設けられ、加熱層がグラフェン加熱シートであり、加熱層は織物セット本体の外表面に電源スイッチインターフェースが接続されている。
【0008】
さらに、織物セット本体はアイマスクセットであり、アイマスクカバーとその両端に接続された弾性バンドを含み、アイマスクカバーが縦方向キルティングによって左右に2つの重りエリアに分けられている。
【0009】
さらに、左右の前記重りエリアの底部にそれぞれ加熱層が設けられ、且つ電源スイッチインターフェースが頂部端部に位置する。
【0010】
さらに、重りビーズの下側とアイマスクカバーとの間には、ポリエステルボンドスプレーワッディングが設けられ、加熱層がその中に挟んで設けられる。
【0011】
また、織物セット本体はU字型枕であっても良い。
【0012】
具体的に、U字型枕はU字型枕カバーを含み、重りエリアは芯セットを介してU字型枕カバー内に着脱可能に設けられる。
【0013】
さらに、加熱層は芯セットの円弧トップに隣接する重りエリアの底部側面に設けられ、且つ電源スイッチインターフェースはU字型枕カバーを介して着脱可能に円弧頂部端部外側に位置する。
【0014】
さらに、重りビーズの下側と芯セットとの間にはポリエステルボンドスプレーワッディングが設けられ、加熱層はその中に挟んで設けられる。
【0015】
そして、織物セット本体がストールであっても良く、ストール本体を含み、重りエリアが横方向と縦方向のキルティングからなる。
【0016】
さらに、加熱層はストール本体の肩・首部にある重りエリアの底部側面に設けられ、電源スイッチインターフェースはストール本体の下部延伸部に位置する。
【0017】
さらに、重りビーズの下側とストール本体との間にはポリエステルボンドスプレーワッディングが設けられ、加熱層がその中に挟んで設けられる。
【0018】
さらに、織物セット本体はブランケットであっても良く、ブランケット本体を含み、重りエリアが横方向と縦方向のキルティングからなる。
【0019】
さらに、加熱層はブランケット本体の中央部に隣接する複数の重りエリアの底部側面に設けられ、電源スイッチインターフェースは前記ブランケット本体のエッジ部に位置する。
【0020】
さらに、重りビーズの下側とブランケット本体との間にはポリエステルボンドスプレーワッディングが設けられ、加熱層はその中に挟んで設けられる。
【0021】
前記織物では、織物セット本体の上表面は保温層であり、下表面は遠赤外抗菌織物層である。
【0022】
さらに、単一重りモジュール内の重りビーズが60g~100gであり、且つ重りビーズがシリカガラスビーズを用い、直径が0.8~1.6mmである。
【0023】
さらに、ポリエステルボンドスプレーワッディングの目付が100~300g/m2である。
【0024】
上述されたように、本発明は下記のメリットを備えている。
【0025】
本発明は適切な質量で人体のストレスポイントを刺激し、情緒を緩和し、心身をリラックスさせる。同時に、本加重織物は充填方式によって加重を実現し、加熱機能を備えている。
【0026】
本発明はキルティングによって重りエリアを分け、充填物とブランケット自体をよく結合させ、充填物が均一に製品に分布され、製品に柔らかさを保たせ、折り畳み可能で、保温でき、かける体験が良く、且つ加重の均一な分布を実現し、重りビーズがブランケット全体に均一に分布され、局所的な重量があまり重くなく、重りビーズが重りモジュール内である程度の流動性を持ち、ブランケット全体の快適さを増加させた。
【0027】
加熱層はグラフェン発熱シートを採用しており、局所的な5s加熱が可能となり、使用者の快適さを高めることができ、そして、本織物は多様な構造実施形態を備え、実用性が高く、多様な使用環境に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明実施形態1の加重加熱織物の構造図である。
図2】同じく斜視図である。
図3】本発明実施形態2の加重加熱織物の平面図である。
図4】本発明実施形態3の加重加熱織物の平面図である。
図5】本発明実施形態4の加重加熱織物の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して本発明の実施形態1~実施形態4を詳しく説明する。
【0030】
本発明実施形態1の加重加熱織物は、図1及び図2に示すように、織物セット本体1を含み、織物セット本体1の内部に重りエリア2が均一に分布され、重りエリア2の内部に重りビーズが設けられ、且つ、その内側面の局所に加熱層3が設けられている。具体的に、加熱層3はグラフェン加熱シートであり、無錫格菲電子薄膜技術有限公司のグラフェン加熱シート又は深セン海徳一徳科技有限公司のグラフェン加熱シートが好ましい。グラフェン加熱シートを採用することは局所的に5s加熱可能になり、使用者の快適さを高めることができる。
【0031】
一方、織物セット本体1の外表面に電源スイッチインターフェース4が接続されており、加熱層3については使用者が加熱機能を使用するか否かを自由に選択できるようになっている。
【0032】
具体的に、図2に示すように、織物セット本体1はアイマスクセットであり、具体的にはアイマスク本体11とその両端に接続された弾性バンド12を含む。
【0033】
この中で、アイマスク本体11は縦方向のキルティングによって単一の重りモジュールを構成しているので、左右の2つの重りエリア2に均一に分けられる。重りエリア2内に重りビーズがあり、その重量は60g~100gであり、且つ重りビーズはシリカビーズを採用しており、その直径は0.8~1.6mmである。
【0034】
アイマスク本体11の上表面は保温層で、下表面は遠赤外抗菌織物層であり、保温層はフランネル層またはフリース層が好ましく、そして、遠赤外抗菌織物層は常熟市東方経緯編織造有限公司の遠赤外布地が好ましい。
【0035】
加熱層3は左右の重りエリア2の底部にそれぞれ設けられ、且つ電源スイッチインターフェース4は頂部端部に位置する。
【0036】
本織物を使用する快適さを高めるため、重りビーズの下側とアイマスク本体11との間にはポリエステルボンドスプレーワッディング5が設けられ、加熱層3がその中に挟んで設けられている。ポリエステルボンドスプレーワッディング5の目付は、100~300g/mであり、実施形態1では100g/mが好ましい。
【0037】
図3に示すように、本発明実施形態2の加重加熱織物は、織物セット本体1がU字型枕である。
【0038】
具体的に、U字型枕はU字型枕カバー101を含み、その上表面は保温層で、下表面は遠赤外抗菌織物層であり、前記保温層はフランネル層またはフリース層が好ましく、遠赤外抗菌織物層は常熟市東方経緯編織造有限公司の遠赤外布地が好ましい。
【0039】
重りエリア2は芯セット(図示なし)を介してU字型枕カバー101内に着脱可能に設けられ、簡単に取り外すことができ、重りエリア2内における重りビーズは60g~100gであり、実施形態2では60gが好ましい。
【0040】
重りビーズはシリカガラスビーズを採用しており、直径は0.8~1.6mmで、実施形態2では0.8mmが好ましい。
【0041】
具体的に、加熱層3はグラフェン加熱層であり、芯セット(図示なし)の円弧トップに隣接する重りエリア2の底面に設けられ、電源スイッチインターフェース4がU字型枕カバー101を介して着脱可能に円弧の頂部端部の外側に位置し、使用中に使用者の肩・首部で加熱し、快適さを高める。
【0042】
使用快適さを高めるため、重りビーズの下側と芯セット(図示なし)との間に、ポリエステルボンドスプレーワッディング5が設けられ、加熱層3がその中に挟んで設けられ、ポリエステルボンドスプレーワッディング5の目付は100~300g/mであり、本実施形態では300g/mが好ましい。
【0043】
図4に示すように、本発明実施形態3の加重加熱織物は、織物セット本体1がストールである。
【0044】
具体的に、ストールはストール本体1001を含み、上表面は保温層で、下表面は遠赤外抗菌織物層で、前記保温層はフランネル層またはフリース層が好ましく、遠赤外抗菌織物層は常熟市東方経緯編織造有限公司のココナツ炭遠赤外布地が好ましい。
【0045】
重りエリア2は横方向と縦方向のキルティングからなり、重りエリア2内における重りビーズは60g~100gで、実施形態3では80gが好ましい。
【0046】
重りビーズはシリカガラスビーズを採用しており、直径は0.8~1.6mmで、実施形態3では1.6mmが好ましい。
【0047】
加熱層3はストール本体1001の肩・首部における重りエリア2の底部側面に設けられ、肩・首部の局所加熱を実現する。
【0048】
電源スイッチインターフェース4はストール本体1001の下部延伸エリア内に位置しており、使用者は自由に開閉できる。
【0049】
使用快適さを高めるため、重りビーズの下側とストール本体1001との間にポリエステルボンドスプレーワッディング5が設けられ、加熱層3がその中に挟んで設けられ、ポリエステルボンドスプレーワッディング5の目付は100~300g/mで、本実施形態3では180g/mが好ましい。
【0050】
図5に示すように、本発明実施形態4の加重加熱織物は、織物セット本体1がブランケットである。
【0051】
具体的に、ブランケットはブランケット本体10001を含み、上表面は保温層で、下表面は遠赤外抗菌織物層で、前記保温層はフランネル層またはフリース層が好ましく、遠赤外抗菌織物層は常熟市東方経緯編織造有限公司の遠赤外布地が好ましい。
【0052】
重りエリア2は横方向と縦方向のキルティングからなり、重りエリア2内における前記重りビーズは60g~100gで、実施形態4では100gが好ましい。
【0053】
重りビーズはシリカガラスビーズを採用しており、直径は0.8~1.6mmで、本施形態4では1.1mmが好ましい。
【0054】
加熱層3はブランケット本体1001の中央部に隣接する複数の重りエリア2の底部側面に設けられている。電源スイッチインターフェース4はブランケット本体10001のエッジに位置する。
【0055】
使用快適性を高めるため、重りビーズの下側とブランケット本体10001との間にポリエステルボンドスプレーワッディング5が設けられている。加熱層3がその中に挟んで設けられ、ポリエステルボンドスプレーワッディング5の目付は100~300g/mで、本実施形態では200g/mが好ましい。
【0056】
本発明の加重加熱織物は充填した重りが合理的で、充填物と織物の結合が完全で、重りが織物に均一に分布され、局所が重過ぎることなく、流動性も良く、且つ本織物は急速加熱モードを備え、冬に使用者を急速に暖かい状態に入らせることができ、快適性が高く、且つ加重織物を配合しており、ストレスを解消し、不安を和らげることができる。
【0057】
上記の実施形態はただ本発明の技術的構想と特徴を説明するためのものであり、その目的はこの技術に詳しい人々に本発明の内容を理解させ、実施させることである。これを以って、本発明の保護範囲を限定できない。本発明の構想に基づいて行う等価変換または修正はいずれも本発明の保護範囲に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0058】
1…織物セット本体
2…重りエリア
3…加熱層
4…電源スイッチインターフェース
5…ポリエステルボンドスプレーワッディング
11…アイマスク本体
12…弾性バンド
101…U字型枕カバー
1001…ストール本体
10001…ブランケット本体
図1
図2
図3
図4
図5