IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジルソン エスアーエスの特許一覧

特許7041672手動操作式のシングルチャネル又はマルチチャネル型ピペット及びこのようなピペットのための制御ボタン
<>
  • 特許-手動操作式のシングルチャネル又はマルチチャネル型ピペット及びこのようなピペットのための制御ボタン 図1
  • 特許-手動操作式のシングルチャネル又はマルチチャネル型ピペット及びこのようなピペットのための制御ボタン 図2
  • 特許-手動操作式のシングルチャネル又はマルチチャネル型ピペット及びこのようなピペットのための制御ボタン 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-15
(45)【発行日】2022-03-24
(54)【発明の名称】手動操作式のシングルチャネル又はマルチチャネル型ピペット及びこのようなピペットのための制御ボタン
(51)【国際特許分類】
   B01L 3/02 20060101AFI20220316BHJP
   G01F 13/00 20060101ALI20220316BHJP
   G01F 11/00 20060101ALI20220316BHJP
   G01N 1/00 20060101ALN20220316BHJP
【FI】
B01L3/02 D
G01F13/00 321
G01F11/00 A
G01N1/00 101K
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019517979
(86)(22)【出願日】2017-10-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-12-26
(86)【国際出願番号】 FR2017052754
(87)【国際公開番号】W WO2018069611
(87)【国際公開日】2018-04-19
【審査請求日】2020-07-06
(31)【優先権主張番号】1659760
(32)【優先日】2016-10-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】513310243
【氏名又は名称】ジルソン エスアーエス
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パリ、ニコラ
(72)【発明者】
【氏名】サンケ、フレデリク
(72)【発明者】
【氏名】ド マック、フレデリク
【審査官】河野 隆一朗
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/035180(WO,A1)
【文献】特表2015-511878(JP,A)
【文献】特表2007-520719(JP,A)
【文献】国際公開第2015/168171(WO,A1)
【文献】特表2013-543437(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0085162(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0247141(US,A1)
【文献】特表2014-528058(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01L 3/02
B01J 4/02
G01N 1/00
G01N 35/10
G01F 11/00 - 13/00
G01F 17/00 - 22/00
H01H 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体試料を所定のプロトコルに従って採取及び分注するための、手動操作式のシングルチャネル型又はマルチチャネル型のピペット(1)であって、
力センサ(12)が設けられた作動ノブ(2)と、
ピストン及び圧力センサ(14)が設けられた吸入チャンバ(10)と、
を備え、
前記ピペットは、前記作動ノブ(2)に配置された自律制御装置をさらに備え、
前記自律制御装置は、マイクロコントローラ(16)と、無線通信モジュール(18)とを含み、
当該無線通信モジュール(18)は、
一方では、前記ピペットに固有の物理量を測定するための第1の一連のセンサ及びピペット操作の環境に関連するデータを収集するための第2の一連のセンサと前記作動ノブ(2)が通信すること、他方では、情報処理装置(20)と前記作動ノブ(2)が通信することを可能にし、
当該情報処理装置(20)は、
前記圧力センサ(14)により測定された圧力の時間の関数としての変化を分析することで、前記所定のプロトコルの実行における不良を検出し、
ピペット操作中にリアルタイムで、前記ピペット操作に関する情報をユーザに配信する、
ように構成されており
前記ピペットは操作ロッド(4)をさらに備え、
前記操作ロッド(4)は、
前記作動ノブ(2)と一体化した上端(6)と、
前記吸入チャンバ(10)内のピストンの運動を操作する下端(8)と、
を有し、
前記力センサ(12)は、所定の位置を通る前記ピストンの通過を検知するように構成され、
前記圧力センサ(14)は、前記ピストンと採取される液体との間に含まれるガス量の圧縮及び押圧運動に対応する圧力をリアルタイムで測定するように構成され、これにより前記測定された圧力の時間の関数として時間に対する変化曲線を描くことを可能にし、
当該曲線の分析が、前記ピペット操作における不良の検出を可能にしつつ、アラーム信号が前記ユーザにリアルタイムで送信されることを可能にする、
ピペット。
【請求項2】
前記自律制御装置は、アラームモジュール(22)をさらに含み、
前記アラームモジュール(22)は、
前記第1の一連のセンサ及び前記第2の一連のセンサにより読み出されると共に、前記情報処理装置(20)により分析された情報の関数として、アラート信号を生成することで、前記ユーザの直接介入なしに前記所定のプロトコルに従って前記ピペット操作を行うための自動制御を提供するように構成されている、
請求項1に記載のピペット。
【請求項3】
前記第1の一連のセンサは、採取及び/又は分注された液体の量を測定する手段と協働することで前記作動ノブの運動を測定する手段を含み、
前記第2の一連のセンサは、少なくとも1つの時計と、少なくとも1つの運動及び空間位置センサと、少なくとも1つの温度計と、を含む、
請求項2に記載のピペット。
【請求項4】
前記ユーザに送信される前記アラーム信号が触覚的である、請求項に記載のピペット。
【請求項5】
前記ユーザに送信される前記アラーム信号が光学的である、請求項に記載のピペット。
【請求項6】
前記ユーザに送信される前記アラームが音響的である、請求項に記載のピペット。
【請求項7】
前記作動ノブ(2)は、その他の接続されたピペットと、及び/又は自動ピペット操作システムと、及び/又は前記所定のピペット操作プロトコルに関連する接続された機器と通信するように構成されている、
請求項1に記載のピペット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピペットの分野に関し、より詳細には、液体試料を所定のプロトコルに従って採取及び分注するための手動操作式シングルチャネル又はマルチチャネル型ピペットと、このようなピペットに具備されるための作動ノブとに関する。これらのピペットは、試料の採取及び分注操作中に操作者の手に把持されることを意図されている。これらの操作は、作動ノブを、このノブに軸方向の作動圧力を加えて移動させることにより行われる。1以上のピペットに行われるこれらのアクションのシーケンスは、前記所定のピペット操作プロトコルの実行である。
【背景技術】
【0002】
先行技術によるピペットにおいて、手動ピペットにより実際に分注される容量をリアルタイムで直接チェック/妥当性確認することは、試料を計量スケール上に配置する仮定可能性はさておき、不可能である。計量スケール上に配置する場合でも、計量スケールの、分注容量の測定に必要な、ISO8655規格に準ずる精度は、試料の体積及び全重量には不適合であろう。
【0003】
ラボラトリノートの手書き又は電子式記録は、操作者の様々な動作を反映し、これらを記録し、且つプロトコルに関して妥当性確認すると考えられるが、トレーサビリティの必要条件を完全に満たすものではない。なぜなら、この記録は、操作の質に関する情報を与えないからである。また、このラボラトリノートの記録は、操作者の積極的で連続的な参加を必要とする。さらに、器具(ピペットなど)とラボラトリ情報管理システム(LIMS)との接続が分かっている場合、この接続が、自律的供給部、センサ、情報処理システム、及び送受信機から成る構造を有する電子又はハイブリッド式ピペットのために確保される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的の1つは、手動操作式シングルチャネル又はマルチチャネル型ピペットに、自律的な情報システムを組み込むことであり、この情報システムは、操作者のジェスチャーを変更せず、また、操作者(彼/又は彼女)の補助を必要とせずに、行われている操作の妥当性に関する情報を操作者にリアルタイムで知らせることができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、液体試料を所定のプロトコルに従って採取及び分注するための、手動操作式シングルチャネル型又はマルチチャネル型のピペットを用いることにより達成される。このピペットは作動ノブを備え、当該作動ノブに自律制御装置が具備されている。当該自律制御装置は、ピペット操作中に、前記ピペット操作に関する情報をユーザにリアルタイムで配信できる。
【0006】
本発明による前記自律制御装置は、マイクロコントローラと、無線通信モジュールとを含み、当該無線通信モジュールは、前記作動ノブが、一方において、前記ピペットに固有の物理量を測定するための第1の一連のセンサ、及び、ピペット操作の環境に関連するデータを前記自動制御装置に提供するための第2の一連のセンサと通信し、そして、他方においては情報処理装置と通信することを可能にしており、当該情報処理装置は、前記ピペット操作中に前記第1の一連のセンサ及び前記第2の一連のセンサにより提供されるデータから解釈された任意のイベントを記録する。
【0007】
選択的に、前記自律制御装置は、さらに、アラート信号を生成するように適合されたアラームモジュールを含み、前記アラート信号は、前記ピペット操作を前記所定のプロトコルに従ってユーザの直接介入なしに行うための自動制御を提供するように、前記第1の一連のセンサ及び前記第2の一連のセンサにより読み出されて前記情報処理装置により分析された情報の関数としてのアラート信号である。
【0008】
本発明の別の特徴によれば、前記作動ノブは、その他の接続されたピペットと、及び/又は、自動ピペット操作システムと、及び/又は、所定のピペット操作プロトコルに関する接続された機器と通信するように構成されている。
【0009】
本発明の好ましい実施形態において、前記第1の一連のセンサは、前記作動ノブの運動を、採取及び/又は分注された液体の量を測定するための手段と協働して測定するための手段を含み、前記第2の一連のセンサは、少なくとも1つの時計と、少なくとも1つの運動及び空間位置センサと、少なくとも1つの温度計とを含む。
【0010】
前記作動ノブの運動を測定するための手段は、少なくとも1つの力センサ、及び/又は、1つの速度センサ、及び/又は、1つの加速度センサを含み、前記採取及び/又は分注された液体の量を測定するための手段は、少なくとも1つの圧力センサ、及び/又は超音波センサ、及び/又は光学センサを含む。
【0011】
本発明に係る前記作動ノブを備えた手動操作式ピペットは自律制御装置を含み、当該自律制御装置は、マイクロコントローラと無線通信モジュールとを含み、当該無線通信モジュールは、前記作動ノブが、一方において、前記ピペットに固有の物理量を測定するための第1の一連のセンサ、及び、ピペット操作の環境に関連するデータを前記自律制御装置に提供するための第2の一連のセンサと通信し、そして、他方においては情報処理装置と通信することを可能にしている。当該情報処理装置は、前記ピペット操作中に前記第1の一連のセンサ及び前記第2の一連のセンサにより提供されたデータから解釈された任意のイベントを記録する。
【0012】
このノブは、さらに、ピペットに固有の物理量を測定するための1以上のセンサ、及び、前記自律制御装置にピペット操作の環境に関するデータを提供するための1以上のセンサを含む。
【0013】
選択的に、前記ピペットに組み込まれた前記第1の一連のセンサは、少なくとも1つの力センサを含み、前記ピペットに組み込まれ又は組み込まれていない前記第2の一連のセンサは、少なくとも1つの時計と、少なくとも1つの運動及び空間位置センサと、少なくとも1つの温度計とを含む。本発明による前記作動ノブは、また、アラートを生成するように適合されたアラームモジュールも含み、前記アラートは、前記ピペット操作を前記所定のプロトコルに従ってユーザの直接介入なしに行うための自動制御を提供するように、前記第1の一連のセンサ及び前記第2の一連のセンサにより読み出されて前記情報処理装置により分析された情報の関数としてのアラートである。
【0014】
好ましい実施形態において、前記自律制御装置は、Bluetooth(登録商標)プロトコルを介して情報処理装置と通信するように構成されており、この通信は、ピペット操作の環境に関連する許可ユーザのグループにより共有されるデータを前記情報処理装置が記憶装置に送信可能なように行われる。
【0015】
本発明のさらなる特性及び利点は、添付図面を参照しつつ非限定的な例として与えられる以下の説明から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明によるピペットの概略図である。
図2】本発明によるノブの概略図である。
図3図2の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、手動操作式のシングルチャネル又はマルチチャネル型のピペット1を概略的に示している。ピペット1は、作動ノブ2、操作ロッド4を備え、操作ロッド4の上端6は作動ノブ2と一体であり、操作ロッド4の下端8は、吸入チャンバ10内のピストンの運動を操作する。力センサ12が、予め決められた位置を通るピストンの通過を検知するために作動ノブ2に配置されている。また、圧力センサ14が吸入チャンバ10に配置されており、これは、ピストンと採取される液体との間に含まれるガス量の圧縮及び押圧運動に対応する圧力をリアルタイムで測定するためである。作動ノブ2は、さらに、自律制御装置を含み、自律制御装置は、マイクロコントローラ16及び無線通信モジュール18(例えばBluetooth又はWifi)を含み、無線通信モジュール18は、前記作動ノブが、一方で圧力センサ14及び幾つかの環境センサ26(例えば、時計、運動及び空間位置センサ、温度計)と通信し、他方で情報処理装置20と通信することを可能にしている。情報処理装置20は、ピペット操作中に圧力センサ及び力センサ並びに様々な環境センサにより提供されたデータから解釈された任意のイベントを記録する。ピペット操作中に測定された圧力値は情報処理装置20に送信され、情報処理装置20は、測定された圧力変動を時間の関数として表す曲線をリアルタイムで描く。得られた曲線を分析することにより、ピペット操作における不良(fault)が検出され、そして、アラートが、アラートユニット22によりリアルタイムでトリガーされ得る。不良の場合、アラートユニットはユーザに、触覚信号及び/又は光信号並びに/若しくは音響信号を即時に伝達する。
【0018】
情報処理装置20は、記憶メモリ24に、例えばWiFi接続を介して接続されており、記憶メモリ24には、ユーザの環境に特有で、且つ許可ユーザのグループにより共有されるデータ(物理的な値、分析結果、ドキュメンテーション、ヒストリなど)が記録されている。
【0019】
図2及び図3は、それぞれ、ピペット1が備えている作動ノブ2の断面図及び分解図を示す。この作動ノブは、拡大鏡34を収容する中央開口部を含む金属リング32の下のベース30から成り、拡大鏡34は、ピペット1の型番の識別を含む識別タグ36を覆っている。歪み分散ディスク38が、力センサ42の上に重ねられたエラストマーディスク40の上に配置されている。電子ボード44が、メモリに関連付けられたマイクロコントローラ16を含み、当該メモリに、ピペットに関する具体的な情報、例えば、シリアルナンバー、バッチナンバー、及び、無線通信を保証するために使用される部品に関する単一の識別子(例えば、Bluetooth通信を保証する部品のアドレス)が記録されている。また、電子ボード44は、無線通信モジュール18も含み、作動ノブの電力供給がディスク40の下で行われる。
【0020】
歪み分散ディスク38、エラストマーディスク40、及び、力センサ42には、これらの中央に、光インジケータ46を受け入れるための穴があけられている。
【0021】
使用において、所定のピペット操作プロトコルの実行時に、操作者は、情報処理装置上で、実行されるべきピペット操作プロトコルを選択し、情報処理装置と、ピペット、及び、所与のプロトコルを実行するために用いられる補完アクセサリとのペアリングを行う。想定されるピペット操作が複数のピペットを必要とする場合、これらのピペットの各々が情報処理装置に、マイクロコントローラ16に関連付けられたメモリに記憶されている単一の識別子を用いてペアリングされる。このために、ピペット又はアクセサリは、作動ノブに加えられた圧力により作動され、これが、電磁信号の、無線接続を介した送信(例えばBluetooth信号)をトリガーする。次いで、ピペットのノブ又はアクセサリに事前に記憶されていたメッセージに含まれている情報が情報処理装置に送信される。ペアリング後、ピペットノブに加えられる各動作が、作動ノブ1に組み込まれているセンサ、及び、作動ノブの外部の環境センサの反応をトリガーする。こうして、力センサは、圧力を検知したときに反応し、それにより、吸入又は分注の性能の妥当性を確認し、運動センサがピペット又はアクセサリの使用を検知し、地理的位置センサが、ユーザの環境におけるピペット又はアクセサリの空間位置を検出し、そして、リアルタイムクロックが、各センサにより識別された各イベントの正確な日時を提示する。
【0022】
無線通信モジュール18は、各センサにより提供された全ての情報を含むメッセージを情報処理装置20に送信し、情報処理装置20は、送信された情報を、ピペット操作プロトコルの現在のステップにおいて予測される結果と比較する。一方、情報処理装置により収集された情報はクロスチェックされる。
【0023】
こうして、ピペット及びアクセサリが同時に用いられる場合(リアルタイムクロックにより提供された情報に基づく推論)、情報処理装置20は、ピペットから受信した情報を、アクセサリから受信した情報と組み合わせて新しい情報を生成し、これが、レポートに記録される。
【0024】
情報処理装置20が、プロトコル実行における不良を検出した場合、情報処理装置20は、関連するピペットにエラー信号を、無線通信モジュール18を介して送信する。関連するピペットは、このエラー信号を受信したら即時に、ユーザが即時に感知可能な、視覚式(ノブに組み込まれた光インジケータ)又は音響式又は触覚式のアラート信号を発生する。触覚式の場合、操作者は、操作者の親指で振動を感じることができ、これにより操作者は、不良に即時に反応することが可能であろう。
【0025】
ピペットを移動することにより運動センサが作動されるとき、位置センサは、ピペットの空間位置がチェックされることを可能にする。空間位置が、適切でないゾーンにある場合、アラート信号が操作者に送信され、操作者は、例えば汚染されたピペットを無菌ゾーンに入れること、又は、滅菌されたピペットを汚染ゾーンにいれることを回避できる。マイクロ滴定プレート(96ウェル)の場合、この用途を拡大して、列又はウェルにおける分注エラーを回避又は信号することも考えられる。
【0026】
運動センサが作動されるとき、ピペット又はアクセサリは、現在の日付と、次回のメンテナンス又は管理日を自動的にチェックする。現在の日付が次回のメンテナンス又は管理日よりも後の場合、アラートが操作者に送信されて、操作者に、ピペット又はアクセサリが使用可能でないことを通知する。
【0027】
このようにセンサにより読み出された情報に基づいてリストされて、情報処理装置20により中継された情報と比較されるアラートが、ピペット操作プロトコルの実行の制御を、操作者がこれらのチェックを操作者自身により行うことを要求されずに向上させることを可能にする。
【0028】
運動センサが完全手動のピペット操作により作動される場合、マイクロコントローラ16がピペットのデッドスペース容積の圧力値の連続記録をトリガーし、これらの圧力値に対応する曲線を返送することは、注目に値する。この曲線は、妥当性限界P+及びP-により制限される基準曲線とリアルタイムで比較される。測定された曲線が妥当性フィールドから逸脱している場合、アラームがユーザに送信される。
【0029】
この制御が、ピペット操作の正確さ及び精度(粘度などの物理的特性の検出、超音波、光、電磁気タイプの信号などにより導出される容積の検出)を通知するいずれのタイプのセンサを用いても、本発明の範囲から逸脱せずに行われ得ることに留意されたい。
【符号の説明】
【0030】
1 ピペット
2 作動ノブ
4 操作ロッド
10 吸入チャンバ
12 力センサ
14 圧力センサ
16 マイクロコントローラ
18 無線通信モジュール
20 情報処理装置
22 アラートユニット
24 記憶装置、記憶メモリ
26 環境センサ
32 金属リング
36 識別タグ
42 力センサ
44 電子ボード
図1
図2
図3