IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フェデラル−モーグル パワートレイン インコーポレイテッドの特許一覧

特許7041681接地用ストラップおよびそれによって複数の導電性部材を接地する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-15
(45)【発行日】2022-03-24
(54)【発明の名称】接地用ストラップおよびそれによって複数の導電性部材を接地する方法
(51)【国際特許分類】
   H01R 4/64 20060101AFI20220316BHJP
   D03D 1/00 20060101ALI20220316BHJP
   D03D 15/25 20210101ALI20220316BHJP
   D03D 15/533 20210101ALI20220316BHJP
   D03D 15/67 20210101ALI20220316BHJP
   D04C 1/02 20060101ALI20220316BHJP
   D04C 1/06 20060101ALI20220316BHJP
   H01R 43/00 20060101ALI20220316BHJP
   H02G 3/30 20060101ALI20220316BHJP
   H02G 3/04 20060101ALN20220316BHJP
【FI】
H01R4/64 Z
D03D1/00 Z
D03D15/25
D03D15/533
D03D15/67
D04C1/02
D04C1/06 Z
H01R43/00 D
H02G3/30
H02G3/04
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019531784
(86)(22)【出願日】2017-12-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-01-23
(86)【国際出願番号】 US2017066338
(87)【国際公開番号】W WO2018112163
(87)【国際公開日】2018-06-21
【審査請求日】2020-12-07
(31)【優先権主張番号】62/434,225
(32)【優先日】2016-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/840,514
(32)【優先日】2017-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503170721
【氏名又は名称】フェデラル-モーグル・パワートレイン・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】FEDERAL-MOGUL POWERTRAIN LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デルトル,ジュリアン
(72)【発明者】
【氏名】ベロノー,メラニー
(72)【発明者】
【氏名】シモン,アメリー
(72)【発明者】
【氏名】トマ,パトリック
(72)【発明者】
【氏名】エトリヤール,ゲロール
【審査官】高橋 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-093198(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0039941(US,A1)
【文献】中国実用新案第2879359(CN,Y)
【文献】米国特許出願公開第2016/0021799(US,A1)
【文献】特開平07-094255(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 4/64
H01R 9/05
H01R 13/648-13/6597
H02G 15/00 -15/076
H05K 9/00
D03D 1/00
D03D 15/67
D03D 15/533
D04C 1/02
D04C 1/06
H01R 43/00
H02G 3/30
H02G 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
EMI、RFIまたはESDの少なくとも1つから保護するように、複数の電気部材(12)を接地するための方法であって、
前記電気部材の各々から外側絶縁シース(28;128)の一部を除去することによって、前記電気部材の各々に露出領域(30;130)を形成することを含み、
前記方法は、
伝導性フィラメントからなるインターレースされた壁(14;114)を、前記インターレースされた壁が前記電気部材と電気的に連通するように、前記露出領域の上面に配置することと、
前記電気部材と電気的に連通した前記インターレースされた壁を動作可能に連結することとをさらに含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
細長い伝導性部材を前記インターレースされた壁(14;114)に連結することと、
前記細長い伝導性部材を接地源(26;126)に固定することとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の電気部材(12)を互いに当接するように束ねることと、
伝導性フィラメントの前記インターレースされた壁(14)の両端部(16、18)を互いに重なり合う関係にするように、前記インターレースされた壁を、当接する前記電気部材の前記露出領域(30)の周りに周方向に巻き付けることとをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記両端部(16、18)を互いに重なり合う関係に付勢するためのヒートセットフィラメントを有するように、前記インターレースされた壁(14)を形成することをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記インターレースされた壁の前記両端部(16、18)を互いに重なり合う関係に維持するように、タイラップ(32)を前記インターレースされた壁(14)の周りに固定することをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記タイラップ(32)を用いて、接地部材(34)を前記インターレースされた壁(14)に連結することをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記電気部材(12)と電気的に連通した前記インターレースされた壁を動作可能に連結することと、
共通の固定具(32)を用いて、細長い伝導性部材を前記インターレースされた壁に連結することと、
必要に応じて、前記共通の固定具をタイラップとして提供することとをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
横方向に互いに離間され且つ互いに平行な関係で延在するように、前記複数の電気部材を形成することと、
前記複数の電気部材を互いに電気的に連通することによって前記複数の電気部材の間に共通の電位を確立するように、前記複数の電気部材を、伝導性フィラメントからなる前記インターレースされた壁(114)に架橋することとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記電気部材を、横方向に互いに離間された複数の別個の束の電気部材として形成することと、
前記複数の束を互いに電気的に連通することによって前記複数の束の間に共通の電位を確立するように、前記複数の束を、伝導性フィラメントの前記インターレースされた壁(114)に架橋することとをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
別個の固定具を用いて、前記電気部材の各々を前記インターレースされた壁(114)に固定することと、
必要に応じて、前記別個の固定具(32)をタイラップとして提供することと、
前記タイラップを前記インターレースされた壁に貫通させることとをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法のための接地ストラップアセンブリであって、
長手方向に沿って両端部(16,18;118)の間で延在する対向縁部(20,22;120,122)を含む壁(14;114)を備え、前記壁は、複数のインターレースされたフィラメントから形成され、前記複数のインターレースされたフィラメントの少なくとも一部は、互いに電気的に連通するようにインターレースされたされた複数の伝導性フィラメントを含み、
前記壁と前記電気部材との電気的な連通状態を維持するように構成された少なくとも1つの細長い固定部材(32;132)を備える、接地ストラップアセンブリ。
【請求項12】
前記複数の伝導性フィラメントの少なくとも一部は、前記長手方向に沿って延在する縦糸フィラメントであり、
前記複数の伝導性フィラメントの少なくとも一部は、前記長手方向に対して横方向に延在する横糸フィラメントであり、
必要に応じて、前記複数のインターレースされたフィラメントの少なくとも一部は、前記長手方向に沿って延在する複数のヒートセットされたフィラメントを含み、
前記ヒートセットされたフィラメントは、前記両端部(16、18;118)を互いに重なり合う関係に付勢する、請求項11に記載の接地ストラップアセンブリ。
【請求項13】
前記少なくとも1つの細長い固定部材(132)は、前記壁(114)を通って延在する複数の細長い固定部材を含み、
前記複数の細長い固定部材は、前記長手方向に沿って互いに離間されている、請求項11に記載の接地ストラップアセンブリ。
【請求項14】
前記少なくとも1つの細長い固定部材(32;132)を介して、前記壁に連結された細長い伝導性部材をさらに含む、請求項11に記載の接地ストラップアセンブリ。
【請求項15】
前記細長い伝導性部材は、編組されている、請求項14に記載の接地ストラップアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互作用
この出願は、2016年12月14日に提出された米国仮出願連続番号第62/434,225号および2017年12月13日に提出された米国特許出願連続番号第15/840,514号の利益を主張し、その内容全体が参照によりここに組み込まれる。
【0002】
発明の背景
1.技術分野
この発明は、概して、導電性部材に関し、より特定的には、複数の導電性部材に互いに共通の接地電位をもたらすための接地用部材に関する。
【背景技術】
【0003】
2.関連技術
電磁干渉(EMI)、無線周波数干渉(RFI)、および静電気放電(ESD)は、すぐ近くの導電性部材間の誘導結合および伝播する電磁波によって、干渉によって生じる電子部品の適切な機能に対する潜在的な問題を引き起こすことが知られている。たとえば、列車、自動車、または他のタイプの車両を含む車両の電力システムに関連する導電性部材の電流は、様々な電子部品において誤った信号を誘導し得る。このような干渉は、車両の制御モジュールまたは他の電子部品の性能を下げ、これにより車両を所望の通りでなく作用させ得る。
【0004】
遮蔽されたケーブルまたはワイヤなどの個々に遮蔽された伝導性部材を、接地対象となる各伝導性部材からシースとして知られる外側絶縁シールドの局所区分を除去することによって接地し、その後、別個の接地用部材を各露出した伝導性部材にはんだ付けすることが知られており、別個の接地用部材は、その後、個々に接地源に経路決めされる。列車用途などのいくつかの用途においては、接地は、伝導性部材の両端部の少なくとも各々で、好ましくは伝導性部材の長さに沿ってほぼメートル毎に行われなければならないため、別個の接地用部材を各伝導性部材にはんだ付けするという試みは、非常に労力を要し、潜在的に有害である。はんだ付けは、局所的な部分への高熱の印加を要求し、操作者への現存するリスクおよび伝導性部材への潜在的なダメージの両方がはんだ付けに要求される温度で評価され得ない。さらに、車両の寿命および使用にわたって、振動および衝撃は、はんだ接合の完全性に影響し、これにより不注意の切断の起こり得る原因を提示する。したがって、個々の接地用部材を個々の伝導性部材にはんだ付けすることは、はじめは効果的であることを示し得るが、時間がかかり、費用がかさみ、潜在的に有害であり、用途の有効寿命にわたって劣化を受ける。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明に関連して製造される接地用部材は、少なくとも上述の接地用の個々の電気ケーブルのついての周知な機構の制限を克服または大幅に最小化し、遮蔽された電気ケーブルおよびワイヤなどの伝導性部材を接地する容易性を向上するという所望の目的を達成し、これによりそれに関する労力および費用を大幅に低減し、とりわけ、本明細書の開示を見る際に当業者によって容易に認識されるように役立つ。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の概要
EMI、RFIまたはESDの少なくとも1つに対する保護のために電気ケーブルを接地するための接地用ストラップが提供される。接地用ストラップは、両端部間で長手方向に沿って延在する対向縁部を備える壁を有する。壁は、複数のインターレースされたフィラメントから形成され、複数のインターレースされたフィラメントのいくつかは、互いに電気的に連通してインターレースされる複数の導電性フィラメントを含む。少なくとも1つの細長い固定部材は、壁を電気部材と電気的に連通した状態で維持するように構成される。
【0007】
別の局面によれば、複数の導電性フィラメントの少なくともいくつかは、長手方向に沿って延在する縦糸フィラメントであり、複数の導電性フィラメントの少なくともいくつかは、長手方向に対して横方向に延在する横糸フィラメントである。
【0008】
別の局面によれば、複数のインターレースされたフィラメントの少なくともいくつかは、長手方向に沿って延在する複数のヒートセットされたフィラメントを含み、ヒートセットされたフィラメントは、両端部を互いに重なる関係になるように付勢する。
【0009】
別の局面によれば、少なくとも1つの細長い固定部材は、壁を通って延在する複数の細長い固定部材を含み、複数の細長い固定部材は、長手方向に沿って互いに離間される。
【0010】
別の局面によれば、細長い接地用伝導性部材は、少なくとも1つの細長い固定部材を介して壁に連結されてもよく、細長い伝導性部材は、接地源への取付けのために構成される。
【0011】
別の局面によれば、EMI、RFIまたはESDの少なくとも1つに対する保護のために複数の電気部材を接地する方法が提供される。上記方法は、電気部材の各々から外側絶縁シースの一部を除去して電気部材の各々に露出した領域を形成することを含む。その後、露出した領域にわたって伝導性フィラメントのインターレースされた壁を配置してインターレースされた壁を電気部材と電気的に連通させる。さらに、インターレースされた壁を電気部材と電気的に連通した状態で動作可能に連結する。
【0012】
別の局面によれば、上記方法は、細長い接地用伝導性部材をインターレースされた壁に連結することと、細長い伝導性接地用部材を接地源に固定することをさらに含んでもよい。
【0013】
別の局面によれば、上記方法は、複数の電気部材を互いに束ねられた当接部で束ねることと、伝導性フィラメントのインターレースされた壁を当接する電気部材の露出した領域の周りに周方向に巻き付けてインターレースされた壁の両端部を互いに重なる関係にすることとをさらに含んでもよい。
【0014】
別の局面によれば、上記方法は、両端部を互いに重なる関係に付勢するヒートセットされたフィラメントを有するインターレースされた壁を提供することをさらに含んでもよい。
【0015】
別の局面によれば、上記方法は、タイラップをインターレースされた壁の周りに固定してインターレースされた壁の両端部を互いに重なる関係に維持することをさらに含んでもよい。
【0016】
別の局面によれば、上記方法は、インターレースされた壁を電気部材と電気的に連通した状態で連結することと、細長い伝導性部材を共通の固定具でインターレースされた壁に連結することとをさらに含んでもよい。
【0017】
別の局面によれば、上記方法は、互いに横方向に離間された平行な関係で延在する複数の電気部材を提供することと、複数の電気部材を伝導性フィラメントのインターレースされた壁と橋渡しして、複数の電気部材を互いに電気的に連通させて複数の電気部材間で共通の電位を確立することとをさらに含んでもよい。
【0018】
別の局面によれば、上記方法は、複数の電気部材を互いに横方向に離間された関係で電気部材の複数の別個の束として提供することと、複数の束を伝導性フィラメントのインターレースされた壁と橋渡しして、複数の束を互いに電気的に連通させて複数の束間で共通の電位を確立することをさらに含んでもよい。
【0019】
別の局面によれば、上記方法は、電気部材の別個の束の各々を別個の固定具でインターレースされた壁に固定することをさらに含んでもよい。
【0020】
別の局面によれば、上記方法は、インターレースされた壁に固定具で穴を開けることと、固定具を電気部材の周りに締め上げて電気部材にインターレースされた壁および互いと共通のポテンシャルをもたらすこととをさらに含んでもよい。
【0021】
これらのおよび他の特徴ならびに利点は、現在好ましい実施形態およびベストモードの以下の詳細な説明、添付の請求項、ならびに添付の図面を考慮して、当業者にとってより容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1A】EMI、RFIまたはESDの少なくとも1つに対して電気部材を保護するために、その周りに巻き付けられる前の、電気部材から飛び出るように示される、本開示の1つの現在好ましい実施形態にしたがって構築される接地用ストラップの斜視図である。
図1B図1Aの電気部材の周りに巻き付けられている接地用ストラップを示す、図1Aに類似する図である。
図1C】電気部材の周りに巻き付けられる接地用ストラップを示す、図1Bに類似する図である。
図1D】接地源に取り付けられるように示される、図1Cの接地用ストラップおよび電気部材の斜視図である。
図1E図1Dの線1E-1Eに概ね沿った断面図である。
図2】接地用部材が、接地用ストラップおよびその中に含まれる電子部材から離れた接地源への接地用部材の取付けのための固定具を介してそこに連結されている、本開示の別の局面にしたがって構築される接地用ストラップを示す、図1Cに類似する図である。
図3A】電気部材に互いに共通の電位をもたらすために複数の電気部材を連結するように示される、本開示の別の局面にしたがって構築される接地用ストラップの上面図である。
図3B図3Aの接地用ストラップおよび電気部材の底面図である。
図3C図3Bの線3C-3Cに概ね沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
好ましい実施形態の詳細な説明
図面をより詳細に参照すると、図1A図1Eは、本開示の現在好ましい局面にしたがって構築される接地用ストラップ10を示す。接地用ストラップ10は、例示であって限定ではないが、EMI、RFIまたはESDの少なくとも1つに対して保護されることとなる導電性ワイヤまたはケーブル12として示される、複数の導電性部材の周りに巻き付けられるように構成される。接地用ストラップ10は、両端部16,18間に延在する対向縁部20,22を備える壁14を有する(図1A)。両端部16,18は、周方向に取り囲まれたキャビティ24に複数の電気ケーブル12を束ねるために、互いに重なる関係になるように巻き付けられるように構成される。壁14は、少なくとも部分的に、互いに電気的に連通してインターレースされる、ヤーンともよばれる、複数の導電性フィラメント(モノフィラメントおよび/またはマルチフィラメント)によって形成されるため、導電性ヤーンを接地源26に動作可能に連結する際に、電気ケーブル12はEMI、RFIまたはESDの少なくとも1つに対して保護される。
【0024】
EMI、RFIおよび/またはESDに対して電気ケーブルを最適に保護するために、各電気ケーブル12の外側絶縁シース28の選択部分がまず除去されて、以下、遮蔽部30とも呼ばれる内側伝導性ワイヤ、ケーブルまたは遮蔽スクリーンを露出させ(図1A)、その後、図1Bに示されるように、接地用ストラップ10は、接地用ストラップ10が各遮蔽部30と電気的に連通されるように、露出した伝導性遮蔽部30の周りに巻き付けられる。電気ケーブル12をより十分に保護するために、図1Cに示されるように、接地用ストラップ10の両端部16,18は、互いに重なる関係にされ、これにより伝導性ケーブル12の遮蔽部30を十分に取り囲む。その後、図1Dおよび図1Eに示されるように、所望であれば、接地用ストラップ10は、接地源26との電気的連通のために動作可能に取り付けられてもよく、示されるように、接地源26に直接当接して取り付けられてもよい。示される実施形態では、タイラップ32などの固定具が、接地用ストラップ10およびその中に含まれる電気ケーブル12を接地源26に直接固定するために、およびケーブル12のそれぞれの遮蔽部30を互いに緊密に当接させるために用いられてもよく、これによりその間により良好な電気的連通を確立する。
【0025】
壁14は、編組、編み、好ましくは織りを含む任意の好適な機構を介してインターレースされ得る。これに関係なく、モノフィラメントおよび/またはマルチフィラメントを含む、用いられるヤーンの少なくともいくつかまたは全体は、その全体が参照によりここに組み込まれる、2012年10月9日に発行された共通所有の米国特許第8,283,563号に開示されるような、金属コーティングされたヤーン、金属ワイヤ、および伝導性フィラメントとともに提供されるまたは撚られる非伝導性フィラメントを含むハイブリッドヤーンなどの、導電性フィラメントとして提供されてもよい。さらに、ヒートセット可能なヤーンが壁14にインターレースされ得ることが考えられ、たとえば、織られた、編まれたまたは編組された構成で、縦糸ヤーンは一方の端部16から反対側の端部18まで長手方向に延在して、対向縁部20,22が自動的に互いに重なる関係に付勢されるように、壁14が自己巻付き壁14になるようにヒートセットされることを可能にする。壁14は、ストラップとも呼ばれる平坦なテープまたは条片として構築されることが認識されるべきである。壁14の長さ(L)は、両端部16,18間に延在する縦糸方向によって規定される。壁14の幅(W)は、対向縁部20,22の間に延在する横糸方向によって規定される。したがって、壁14は、連続的なインターレースプロセスで作製され得、用途に応じて、壁14の長さは、必要に応じて、所定の長さに切断され得る。言うまでもなく、縁部20,22は、緩んだヤーンまたは切断端部を有しないようにインターレースプロセスで形成され、したがって望ましくないほつれがない。
【0026】
本発明の別の局面によれば、図2に示されるように、接地用部材34は、壁14との電気的連通から接地源26まで延在するように構成され得る。これは、接地源26がケーブル12から離れている場合に特に利益がある。接地用部材34は、固定具32と壁14との間に挟まれた関係で挟持されることによるなどして、遮蔽部30と電気的に連通されて固定され得る。接地用部材34の自由端部36は、接地源26への取付けのために構成される。
【0027】
接地用部材34は、撚られたラウンドワイヤ、編組されたラウンドワイヤ、フラットワイヤなどの、意図された用途のために所望されるとおりのワイヤ材料として提供されてもよく、例示であって限定ではないが、スズコーティングされた銅またはニッケルコーティングされた銅材料を含んでもよく、任意の所望の直径および長さを有して提供されてもよい。接地用部材34はタイラップ32を介して壁14に動作可能に取り付けられてもよく、またはそうでなければ、接地用部材34は壁14のヤーンとインターレースされてもよい。壁14とインターレースされた場合、接地用部材34は、接地源26への取付けのために十分な所定の距離にわたって端部18から延在可能である。
【0028】
図3A図3Cに示されるように、本開示のさらに現在好ましい局面にしたがって構築される接地用ストラップ110が示される。100の係数によってずらされた、上記で用いられたのと同様の参照符合が、類似の構成を示すために用いられる。接地用ストラップ110は、両縁部116,118間に延在する対向縁部120,122を備える壁114を有する(図3Aおよび図3B)。壁114は、上述されたように、少なくとも部分的に、互いに電気的に連通してインターレースされる、ヤーンとも呼ばれる、複数の導電性フィラメント(モノフィラメントおよび/またはマルチフィラメント)を有するため、導電性ヤーンを接地源126に動作可能に連結する際に、電気部材12はEMI、RFIまたはESDの少なくとも1つに対して保護される。
【0029】
壁114は、ストラップともよばれる、平坦なテープまたは条片として構築される。壁114の長さ(L)は、両端部116,118間に延在する縦糸方向によって規定される。壁114は、ケーブル12の周りに周方向に巻き付けられるのではなく、上述されたように、絶縁シース28の一部の除去を介するなどして、ケーブル12の遮蔽部30と、導電性の接線方向または実質的に接線方向の当接部(壁114が壁の一部の周りに部分的に延在し得ることを意味するが、ケーブル12と接線関係になり、巻き付けられた関係にはないことが認識され得る)へ配置されるように構成される。示されるように、複数の電気部材12は、互いに横方向に離間された平行な関係で延在する。ストラップ110は、戦略的には、露出した遮蔽部30を橋渡しするように配置されて、複数の横方向に離間された電気部材12を互いに電気的に連通させて複数の電気部材12間で共通の電位を確立する。電気部材12は、例示であって限定ではないが、上述されたように、電気部材12の対向側部上で壁114を貫通して穴を開け、その後固定具32をそれ自体に締め上げて電気部材12を当接した接線関係にするように、および/または、壁114の一部の周りに固定具132で部分的に巻き付けられた(図3C)構成にすることを介して、タイラップ32などの別個の固定具でインターレースされた壁114に固定されてもよい。固定具132を締め上げる結果として、壁114の一部は、複数の電気部材12の周りの弓形経路の周りに曲げられ得る。壁114の残りの部分は、互いに同一平面または実質的に同一平面関係で延在して橋渡し部分40を形成する。さらに、壁114は、壁114を通って配置される固定具32’を介して接地源126に固定され得、固定具に固定される。
【0030】
言うまでもなく、上記の教示を照らせば、本発明の多くの修正および変形が可能である。したがって、添付の請求項の範囲内で、本発明は特定的に説明された以外の態様で実施され得ることが理解されるべきである。すべての請求項およびすべての実施形態のすべての構成は、そのような組み合わせが互いに矛盾しない限り、互いに組み合わされ得ることが考えられる。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2
図3A
図3B
図3C