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特許7041688三次元印刷中に複数のセンサーを用いる三次元画像処理
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-15
(45)【発行日】2022-03-24
(54)【発明の名称】三次元印刷中に複数のセンサーを用いる三次元画像処理
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/386 20170101AFI20220316BHJP
   B29C 64/393 20170101ALI20220316BHJP
   B33Y 50/00 20150101ALI20220316BHJP
   B33Y 50/02 20150101ALI20220316BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20220316BHJP
   B29C 64/10 20170101ALI20220316BHJP
   G01S 17/89 20200101ALI20220316BHJP
   G01S 17/87 20200101ALI20220316BHJP
   B22F 10/80 20210101ALI20220316BHJP
【FI】
B29C64/386
B29C64/393
B33Y50/00
B33Y50/02
B33Y10/00
B29C64/10
G01S17/89
G01S17/87
B22F10/80
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019553359
(86)(22)【出願日】2018-03-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-05-28
(86)【国際出願番号】 US2018022982
(87)【国際公開番号】W WO2018183003
(87)【国際公開日】2018-10-04
【審査請求日】2020-09-28
(31)【優先権主張番号】62/479,361
(32)【優先日】2017-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/479,362
(32)【優先日】2017-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507031918
【氏名又は名称】コニカ ミノルタ ラボラトリー ユー.エス.エー.,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】天野 純
【審査官】▲高▼橋 理絵
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-535690(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0277472(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/386
B29C 64/393
B33Y 50/00
B33Y 50/02
B33Y 10/00
B29C 64/10
G01S 17/89
G01S 17/87
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物の三次元印刷可能なモデルに基づいて前記対象物を三次元印刷する方法であって、
前記対象物が印刷ヘッドにより印刷される間に、複数のライダーセンサーのうちの第1のライダーセンサーにより前記対象物の一部を走査する工程、
前記一部の走査に基づいて前記対象物の少なくとも前記一部の画像を生成する工程、
前記画像を前記三次元印刷可能なモデルと比較することで比較結果を生成する工程、及び
前記比較結果に基づいて前記印刷ヘッドを調整するフィードバック信号を送信する工程を含
前記複数のライダーセンサーは同じ波長で動き、
前記複数のライダーセンサーのうち、前記印刷ヘッドに最も近い1つが走査のために動作し、
前記複数のライダーセンサーの残りは走査のために動作しない、方法。
【請求項2】
前記複数のライダーセンサーは3個のライダーセンサーを含み、
前記3個のライダーセンサーは、印刷される前記対象物を含む堆積平面周りに120度間隔で配置されている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数のライダーセンサーは4個のライダーセンサーを含み、
前記4個のライダーセンサーは、印刷される前記対象物を含む堆積平面周りに90度間隔で配置されている、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記複数のライダーセンサーは6個のライダーセンサーを含み、
前記6個のライダーセンサーは、印刷される前記対象物を含む堆積平面周りに60度間隔で配置されている、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
対象物の三次元印刷可能なモデルに基づいて前記対象物を三次元印刷する方法であって、
前記対象物が印刷ヘッドにより印刷される間に、複数のライダーセンサーのうちの第1のライダーセンサーにより前記対象物の一部を走査する工程、
前記一部の走査に基づいて前記対象物の少なくとも前記一部の画像を生成する工程、
前記画像を前記三次元印刷可能なモデルと比較することで比較結果を生成する工程、及び
前記比較結果に基づいて前記印刷ヘッドを調整するフィードバック信号を送信する工程を含み、
前記第1のライダーセンサーが前記印刷ヘッドと同じ区域内にあることに応じて前記第1のライダーセンサーを動作させる工程、及び
前記第1のライダーセンサーが動作している間に前記第1のライダーセンサーから約180度間隔で配置した第2のライダーセンサーを動作させる工程をさらに含み、
前記画像は前記第2のライダーセンサーによる走査に基づいてさらに生成され、
前記第1のライダーセンサー及び前記第2のライダーセンサーが走査している間、残りのライダーセンサーは動作しない、方法。
【請求項6】
対象物の三次元印刷可能なモデルを取得する工程、
前記対象物の前記三次元印刷可能なモデルに基づいて第1の走査方式を選択する工程、
前記対象物が印刷ヘッドにより印刷される間に前記第1の走査方式に従って複数のセンサーのうちの少なくとも1つのセンサーにより、前記対象物の一部を走査する工程、
前記第1の走査方式を用いる前記対象物の前記一部の走査に基づいて少なくとも前記一部の第1の画像を生成する工程、及び
前記第1の画像を前記三次元印刷可能なモデルと比較することで第1の比較結果を生成する工程を含
前記第1の画像と前記三次元印刷可能なモデルの前記第1の比較結果に基づいて第2の走査方式を選択する工程、
前記第2の走査方式に従って前記対象物の前記一部を走査する工程、
前記第2の走査方式を用いる前記対象物の前記一部の走査に基づいて少なくとも前記一部の第2の画像を生成する工程、
前記第2の画像を前記三次元印刷可能なモデルと比較することで第2の比較結果を生成する工程、及び
前記第2の比較結果に基づいて前記印刷ヘッドを調整するフィードバック信号を送信する工程をさらに含む、前記対象物を三次元印刷する方法。
【請求項7】
前記第1の走査方式は、一度に前記複数のセンサーのうち1つのみが動作する同期方式であり、前記第2の走査方式は、一度に前記複数のセンサーのすべてが動作する非同期方式である、請求項に記載の方法。
【請求項8】
対象物の三次元印刷可能なモデルを取得する工程、
前記対象物の前記三次元印刷可能なモデルに基づいて第1の走査方式を選択する工程、
前記対象物が印刷ヘッドにより印刷される間に前記第1の走査方式に従って複数のセンサーのうちの少なくとも1つのセンサーにより、前記対象物の一部を走査する工程、
前記第1の走査方式を用いる前記対象物の前記一部の走査に基づいて少なくとも前記一部の第1の画像を生成する工程、及び
前記第1の画像を前記三次元印刷可能なモデルと比較することで第1の比較結果を生成する工程を含み、
前記対象物の前記一部を選択する工程をさらに含み、
前記第1の走査方式を選択する工程は、前記一部に対応する前記三次元印刷可能なモデルの一部位のみに基づく、前記対象物を三次元印刷する方法。
【請求項9】
前記複数のセンサーは3個のライダーセンサーを含み、
前記3個のライダーセンサーは、印刷される前記対象物を含む堆積平面周りに120度間隔で配置されている、請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記複数のセンサーは4個のライダーセンサーを含み、
前記4個のライダーセンサーは、印刷される前記対象物を含む堆積平面周りに90度間隔で配置されている、請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記複数のセンサーは6個のライダーセンサーを含み、
前記6個のライダーセンサーは、印刷される前記対象物を含む堆積平面周りに60度間隔で配置されている、請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
対象物の三次元印刷可能なモデルを取得する工程、
前記対象物の前記三次元印刷可能なモデルに基づいて第1の走査方式を選択する工程、
前記対象物が印刷ヘッドにより印刷される間に前記第1の走査方式に従って複数のセンサーのうちの少なくとも1つのセンサーにより、前記対象物の一部を走査する工程、
前記第1の走査方式を用いる前記対象物の前記一部の走査に基づいて少なくとも前記一部の第1の画像を生成する工程、及び
前記第1の画像を前記三次元印刷可能なモデルと比較することで第1の比較結果を生成する工程を含み、
前記複数のセンサーの各々はライダーセンサーであり、
前記複数のライダーセンサーは同じ波長で動き、
前記複数のライダーセンサーのうち、前記印刷ヘッドに最も近い1つが走査のために動作し、
前記複数のライダーセンサーの残りは走査のために動作しない、前記対象物を三次元印刷する方法。
【請求項13】
前記複数のセンサーの各々はライダーセンサーであり、
前記複数のライダーセンサーは異なる波長で動き、
前記複数のライダーセンサーのすべてが走査のために動作する、請求項11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記複数のセンサーの各々はライダーセンサーである、請求項11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
対象物の三次元印刷可能なモデルを取得する工程、
前記対象物の前記三次元印刷可能なモデルに基づいて第1の走査方式を選択する工程、
前記対象物が印刷ヘッドにより印刷される間に前記第1の走査方式に従って複数のセンサーのうちの少なくとも1つのセンサーにより、前記対象物の一部を走査する工程、
前記第1の走査方式を用いる前記対象物の前記一部の走査に基づいて少なくとも前記一部の第1の画像を生成する工程、及び
前記第1の画像を前記三次元印刷可能なモデルと比較することで第1の比較結果を生成する工程を含み、
前記複数のセンサーの各々はライダーセンサーであり、
前記複数のセンサーのうち第1のライダーセンサーが前記印刷ヘッドと同じ区域内にあることに応じて前記第1のライダーセンサーを動作させる工程、及び
前記第1のライダーセンサーが動作している間に、前記複数のセンサーのうち前記第1のライダーセンサーから約180度間隔で配置した第2のライダーセンサーを動作させる工程をさらに含み、
前記第1の画像は前記第2のライダーセンサーによる走査に基づいてさらに生成され、
前記第1のライダーセンサー及び前記第2のライダーセンサーが走査している間、残りのライダーセンサーは動作しない、前記対象物を三次元印刷する方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
一般に、三次元印刷は三次元モデルから物理的対象物を造形する処理に関する。典型的には、三次元印刷は、多層の材料を連続的に堆積させることで三次元モデルから物理的対象物を構築することに関する。
【0002】
さらに、三次元印刷は積層造形とも呼ばれる場合がある。現在、対象物の造形中に可視三次元画像を取得する際には問題があるため、リアルタイムで三次元画像を取り込む有効な方法は存在しない。カメラに基づく通常用いられる画像処理技術は三次元対象物の2次元画像を提供するだけである。
【0003】
ライダー、すなわち光による検出・測距(Light Detection and Ranging、LiDAR)は、レーザー光を用いて範囲と距離を測定する遠隔検出法である。通常用いられる2種類の方法は、飛行時間測定法を用いるパルスレーザー及び位相比較を用いる連続波レーザーである。パルスレーザーシステムは、短い光パルスを送受信して飛行時間を測定することで距離を演算する。この演算的方法は、受信部内に高価な光センサーと高速サンプリングADコンバーターを必要とする。連続波レーザーシステムは、目標の対象物が元の送信信号の位相変位信号を反射するという原理に基づいて動く。受信部内の位相比較器で受信した位相変位信号を元の信号と比較してもよい。位相比較器の出力信号を用いて距離を演算してもよい。
【0004】
アレイ検出器を含む走査式ライダーシステムを用いて、三次元画像処理を達成してもよい。しかしながら、現在利用可能な走査式ライダーシステムは、入射光の機械的走査を用いて三次元画像を生成する。その結果、現在の三次元ライダーシステムは、大型で重量があり高価なため、積層造形/三次元印刷システムにおけるその場三次元画像処理には適さない。
【0005】
さらに、対象物を三次元印刷する間に様々な不備が生じる場合がある。したがって、三次元対象物の三次元モデルをリアルタイムで生成及び利用するのが有用である場合がある。すなわち、印刷中に不備を観測して修正し、又は不備を少なくとも低減するのが望ましい。
【0006】
以下の引用文献は、本発明の主題と関連する主題を持つ可能性がある。
【0007】
2016年8月18日に公開された「Method To Monitor Additive Manufacturing Process For Detection And In-Situ Correction Of Defects(不備を検出してその場で修正するために積層造形処理を監視する方法)」という名称の米国特許出願公開第2016/0236414号。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1つ以上の実施形態によれば、対象物の三次元印刷可能なモデルに基づいて対象物を三次元印刷する方法は、対象物が印刷ヘッドにより印刷される間に、複数のライダーセンサーのうちの第1のライダーセンサーにより対象物の一部を走査する工程、当該一部の走査に基づいて対象物の少なくとも当該一部の画像を生成する工程、画像を三次元印刷可能なモデルと比較することで比較結果を生成する工程、及び比較結果に基づいて印刷ヘッドを調整するフィードバック信号を送信する工程を含複数のライダーセンサーは同じ波長で動き、複数のライダーセンサーのうち、印刷ヘッドに最も近い1つが走査のために動作し、複数のライダーセンサーの残りは走査のために動作しない
【0009】
いくつかの側面では、複数のライダーセンサーは3個のライダーセンサーを含み、3個のライダーセンサーは、印刷される対象物を含む堆積平面周りに120度間隔で配置されている。
【0010】
いくつかの側面では、複数のライダーセンサーは4個のライダーセンサーを含み、4個のライダーセンサーは、印刷される対象物を含む堆積平面周りに90度間隔で配置されている。
【0011】
いくつかの側面では、複数のライダーセンサーは6個のライダーセンサーを含み、6個のライダーセンサーは、印刷される対象物を含む堆積平面周りに60度間隔で配置されている。
【0014】
本発明の1つ以上の実施形態によれば、対象物の三次元印刷可能なモデルに基づいて対象物を三次元印刷する方法は、対象物が印刷ヘッドにより印刷される間に、複数のライダーセンサーのうちの第1のライダーセンサーにより対象物の一部を走査する工程、一部の走査に基づいて対象物の少なくとも一部の画像を生成する工程、画像を三次元印刷可能なモデルと比較することで比較結果を生成する工程、及び比較結果に基づいて印刷ヘッドを調整するフィードバック信号を送信する工程を含み、第1のライダーセンサーが印刷ヘッドと同じ区域内にあることに応じて第1のライダーセンサーを動作させる工程、及び第1のライダーセンサーが動作している間に第1のライダーセンサーから約180度間隔で配置した第2のライダーセンサーを動作させる工程をさらに含み、画像は第2のライダーセンサーによる走査に基づいてさらに生成され、第1のライダーセンサー及び第2のライダーセンサーが走査している間、残りのライダーセンサーは動作しない。
【0015】
本発明の1つ以上の実施形態によれば、対象物を三次元印刷する方法は、対象物の三次元印刷可能なモデルを取得する工程、対象物の三次元印刷可能なモデルに基づいて第1の走査方式を選択する工程、対象物が印刷ヘッドにより印刷される間に第1の走査方式に従って複数のセンサーのうちの少なくとも1つのセンサーにより、対象物の一部を走査する工程、第1の走査方式を用いる対象物の当該一部の走査に基づいて少なくとも当該一部の第1の画像を生成する工程、及び第1の画像を三次元印刷可能なモデルと比較することで第1の比較結果を生成する工程を含第1の画像と三次元印刷可能なモデルの第1の比較結果に基づいて第2の走査方式を選択する工程、第2の走査方式に従って対象物の一部を走査する工程、第2の走査方式を用いる対象物の一部の走査に基づいて少なくとも一部の第2の画像を生成する工程、第2の画像を三次元印刷可能なモデルと比較することで第2の比較結果を生成する工程、及び第2の比較結果に基づいて印刷ヘッドを調整するフィードバック信号を送信する工程をさらに含む
【0017】
いくつかの側面では、第1の走査方式は、一度に複数のセンサーのうち1つのみが動作する同期方式であり、第2の走査方式は、一度に複数のセンサーのすべてが動作する非同期方式である。
【0018】
本発明の1つ以上の実施形態によれば、対象物を三次元印刷する方法は、対象物の三次元印刷可能なモデルを取得する工程、対象物の三次元印刷可能なモデルに基づいて第1の走査方式を選択する工程、対象物が印刷ヘッドにより印刷される間に第1の走査方式に従って複数のセンサーのうちの少なくとも1つのセンサーにより、対象物の一部を走査する工程、第1の走査方式を用いる対象物の一部の走査に基づいて少なくとも一部の第1の画像を生成する工程、及び第1の画像を三次元印刷可能なモデルと比較することで第1の比較結果を生成する工程を含み、対象物の一部を選択する工程をさらに含み、第1の走査方式の選択する工程は当該一部に対応する三次元印刷可能なモデルの一部位のみに基づく。
【0019】
いくつかの側面では、複数のセンサーは3個のライダーセンサーを含み、3個のライダーセンサーは、印刷される対象物を含む堆積平面周りに120度間隔で配置されている。
【0020】
いくつかの側面では、複数のセンサーは4個のライダーセンサーを含み、4個のライダーセンサーは、印刷される対象物を含む堆積平面周りに90度間隔で配置されている。
【0021】
いくつかの側面では、複数のセンサーは6個のライダーセンサーを含み、6個のライダーセンサーは、印刷される対象物を含む堆積平面周りに60度間隔で配置されている。
【0022】
本発明の1つ以上の実施形態によれば、対象物を三次元印刷する方法は、対象物の三次元印刷可能なモデルを取得する工程、対象物の三次元印刷可能なモデルに基づいて第1の走査方式を選択する工程、対象物が印刷ヘッドにより印刷される間に第1の走査方式に従って複数のセンサーのうちの少なくとも1つのセンサーにより、対象物の一部を走査する工程、第1の走査方式を用いる対象物の一部の走査に基づいて少なくとも一部の第1の画像を生成する工程、及び第1の画像を三次元印刷可能なモデルと比較することで第1の比較結果を生成する工程を含み、複数のセンサーの各々はライダーセンサーであり、複数のライダーセンサーは同じ波長で動き、複数のライダーセンサーのうち、印刷ヘッドに最も近い1つが走査のために動作し、複数のライダーセンサーの残りは走査のために動作しない。
【0023】
いくつかの側面では、複数のセンサーの各々はライダーセンサーであり、複数のライダーセンサーは異なる波長で動き、複数のライダーセンサーのすべてが走査のために動作する。
【0024】
いくつかの側面では、複数のセンサーの各々はライダーセンサーである。
本発明の1つ以上の実施形態によれば、対象物を三次元印刷する方法は、対象物の三次元印刷可能なモデルを取得する工程、対象物の三次元印刷可能なモデルに基づいて第1の走査方式を選択する工程、対象物が印刷ヘッドにより印刷される間に第1の走査方式に従って複数のセンサーのうちの少なくとも1つのセンサーにより、対象物の一部を走査する工程、第1の走査方式を用いる対象物の一部の走査に基づいて少なくとも一部の第1の画像を生成する工程、及び第1の画像を三次元印刷可能なモデルと比較することで第1の比較結果を生成する工程を含み、複数のセンサーの各々はライダーセンサーであり、複数のセンサーのうち第1のライダーセンサーが印刷ヘッドと同じ区域内にあることに応じて第1のライダーセンサーを動作させる工程、及び第1のライダーセンサーが動作している間に、複数のセンサーのうち第1のライダーセンサーから約180度間隔で配置した第2のライダーセンサーを動作させる工程をさらに含み、第1の画像は第2のライダーセンサーによる走査に基づいてさらに生成され、第1のライダーセンサー及び第2のライダーセンサーが走査している間、残りのライダーセンサーは動作しない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明の実施形態を添付の図面を参照して記載する。しかし、添付の図面は例示的に本発明の1つ以上の実施形態における特定の実施例又は実装例のみを示し、特許請求の範囲を限定することを意図しない。
【0026】
図1】本発明の1つ以上の実施形態によるシステムを示す。
【0027】
図2】本発明の1つ以上の実施形態によるフローチャートを示す。
【0028】
図3】本発明の1つ以上の実施形態によるフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
ここで、添付の図面を参照して本発明の具体的な実施形態を詳細に記載する。首尾一貫させるため様々な図面で同じ要素は同じ符号で示す。
【0030】
本発明の以下の詳細な記載では、本発明の理解を深めるため多くの具体的な詳細を記載する。しかし、当業者にはこれらの具体的な詳細を用いずに本発明を実施できることが明らかである。他の例では、記載を不必要に複雑にすることを避けるために周知の特徴については詳細には記載していない。
【0031】
本発明の1つ以上の実施形態は、印刷される対象物を三次元画像処理する走査方式を選択する方法、システム、及び非一時的コンピューター可読媒体を提供する。走査方式の選択は、対象物の全体的な三次元印刷可能なモデル(例えば対象物のCAD図面)に基づいてもよい。この選択は、走査される特定部分及びこの特定部分に対応する三次元印刷可能なモデルの一部位に基づいてもよい。1つ以上の実施形態では、最初に選択した走査方式の結果が思わしくない場合には(例えば、走査により生成される画像と三次元印刷可能なモデルの間に大きな差がある場合)、異なる走査方式を選択してもよい。
【0032】
本発明の1つ以上の実施形態は、対象物の三次元印刷可能なモデルに基づいて対象物を三次元画像処理する方法、システム、及び非一時的コンピューター可読媒体を提供する。対象物を印刷する間に、1つ以上のセンサー(例えば、光による検出・測距(ライダー;LiDAR)センサー)が対象物を走査し対象物の画像を生成する。対象物の画像と三次元印刷可能なモデルとを比較して、印刷される対象物の不備又は潜在的不備を特定する。対象物の画像と三次元印刷可能なモデルとの間の差が1つ以上の許容値を超える場合には、印刷ヘッドを調整してもよい。
【0033】
図1に本発明の1つ以上の実施形態によるシステム100を示す。図1に示すように、システム100は三次元印刷機199及びユーザー演算装置108(例えば、デスクトップPC、サーバー、スマートフォン、タブレットPCなど)を含む。三次元印刷機199は、複数のライダーセンサー(ライダーA(102A)、ライダーB(102B)、及びライダーC(102C))、画像処理部106、制御処理部110、及び印刷ヘッド104を含む。ユーザー演算装置108は、制御処理部110経由で三次元印刷機199に接続されている。これらの構成要素のそれぞれを以下に考察する。1つ以上の実施形態では、複数のセンサー(102A、102B、102C)及び/又は画像処理部106は、三次元印刷機199に接続された別々の演算装置内にある。1つ以上の実施形態では、複数のセンサー(102A、102B、102C)及び/又は画像処理部106は、ユーザー演算装置108の構成要素である。1つ以上の実施形態では、制御処理部110及び/又は制御処理部110の何らかの機能はクラウド内にあるか、クラウド内で実行される。
【0034】
本発明の1つ以上の実施形態では、システム100は、任意の数のライダーセンサー(ライダーA(102A)、ライダーB(102B)、及びライダーC(102C))を含む。各ライダーセンサーは、超小型半導体三次元ライダーセンサーであってもよく、以下の仕様を満たしてもよい。(i)容積(大きさ):100cm未満、(ii)測定範囲:2m超、(iii)走査角(水平方向):少なくとも60度~120度、(iv)走査角(垂直方向):5度、(v)操作方法:パルスレーザーによる飛行時間測定法又は連続波レーザーによる周波数変調測定法、(vi)レーザー光の走査:MEMSミラー、光位相配列、表面格子、又はこれらの技術の組み合わせ、(vii)解像度:0.5mm、(viii)画面書換速度:少なくとも10フレーム/秒(20Hz)、及び(xi)レーザー波長:903nm~1.7μm(様々なIII-V及びII-V半導体ダイオードレーザー、分布帰還型(DFB)固体Nd:YAGレーザー、IEC60825-1規格で等級1の眼に対する安全性)。上記の仕様を満たす超小型ライダーセンサーは、5年以内に開発されることが期待されている。現在市販されている大型のライダーセンサーとしては、コニカミノルタの三次元ライダー、VolodyneのLiDAR PUCK Hi-Res(著作権)、及びQuanergyのS3 Solid State LiDAR Sensor(著作権)が挙げられる。図1にはライダーセンサーを示しているが、他の種類のセンサーも考えられる。
【0035】
対象物の三次元印刷においては、原料を印刷ヘッド104で堆積し、対象物を造形する。この堆積を層ごとに行ってもよい。さらに、堆積は三次元印刷機199の堆積室(図示せず)内の堆積平面で行われる。本発明の1つ以上の実施形態では、堆積平面は、犠牲材料と支持材料を底部に含んでもよい。原料は重合体、金属、セラミック、又はこれらを粉状、繊維状、もしくはインク状にした混合体であってもよい。堆積平面上方に堆積平面周りに1度~5度の角度で複数のライダーセンサー(ライダーA(102A)、ライダーB(102B)、及びライダーC(102C))を配置してもよい。複数のライダーセンサーは堆積平面を効果的に区分し、したがって印刷される対象物も複数の区域に区分する。各区域は、これらのライダーセンサーのうちの1つに対応する。
【0036】
複数のライダーセンサー(ライダーA(102A)、ライダーB(102B)、及びライダーC(102C))の測定範囲内の三次元印刷機104のその場(すなわち堆積室内)又はその場外(すなわち堆積室外)に複数のライダーセンサー(ライダーA(102A)、ライダーB(102B)、及びライダーC(102C))を配置してもよい。
【0037】
本発明の1つ以上の実施形態では、システム100は3個のライダーセンサーを含む。これらの3個のライダーセンサーは、堆積平面周りに120度又はほぼ120度間隔で配置されている。
【0038】
本発明の1つ以上の実施形態では、システム100は4個のライダーセンサーを含む。これらの4個のライダーセンサーは、堆積平面周りに90度又はほぼ90度間隔で配置されている。この構成は、30%高いデータ量で画面書換速度がより高くなるので、3個のライダーセンサーを含む構成よりも約30%高い解像度を提供し、中型の三次元印刷機に適している。データ分析及び処理の修正は、エッジ演算又はクラウド演算時に行われる。
【0039】
本発明の1つ以上の実施形態では、システム100は6個のライダーセンサーを含む。これらの6個のライダーセンサーは、堆積平面周りに60度又はほぼ60度間隔で配置される。この構成は、最高の解像度、すなわち3個のライダーセンサーを含む構成よりも50%超高い解像度を提供する。しかしながら、データ量は前述の2種類の構成よりもはるかに高い。この構成は、大型の三次元印刷機に適しており、データ分析及び処理の修正をクラウド演算で行う。
【0040】
本発明の1つ以上の実施形態では、複数のライダーセンサー(ライダーA(102A)、ライダーB(102B)、及びライダーC(102C))は同じ波長で動き、一度に複数のライダーセンサー(ライダーA(102A)、ライダーB(102B)、及びライダーC(102C))のうちの1つのみが動作する(同期動作方式)。すなわち、任意の時点で印刷ヘッド104と同じ区域内にあるライダーセンサーのみが動作する。印刷ヘッドが現在存在しない他の区域にある他のライダーセンサーは動作しない。1つの画像処理サイクルは、複数のライダーセンサー(ライダーA(102A)、ライダーB(102B)、及びライダーC(102C))のそれぞれによる走査を含む。画像処理サイクルを印刷サイクル(すなわち、印刷ヘッドが動くサイクル)と同期させることで、造形される対象物のリアルタイム画像を提供してもよい。同期動作方式の利点としては、より低い電力での動作、複数のレーザーの単一波長での操作、及びより少ない画像データ量が挙げられる。
【0041】
本発明の1つ以上の実施形態では、複数のライダーセンサー(ライダーA(102A)、ライダーB(102B)、及びライダーC(102C))は、異なる波長で動くことでクロストークを回避し、複数のライダーセンサー(ライダーA(102A)、ライダーB(102B)、及びライダーC(102C))のすべてが同時に動作する(非同期動作方式)。すなわち、非同期動作方式では、印刷ヘッド104が現在どこにあるかに関係なく、すべてのライダーセンサーが動作する。画像処理サイクルは、印刷サイクルと同期することで造形される対象物のリアルタイム画像を提供してもよい。非同期動作方式の利点としては、複数角度の画像(すなわち、三角測量による)が得られることと、区域の縫い合わせがないことである。
【0042】
1つ以上の実施形態では、(i)印刷ヘッド104と同じ区域にあるライダーセンサー、及び(ii)印刷ヘッド104がある区域からほぼ180度間隔で配置したライダーセンサーのみが動作する。これは、部分的非同期動作方式である。
【0043】
本発明の1つ以上の実施形態では、三次元印刷機199は、画像処理部106を含む。画像処理部106は画像処理に用いられるデジタル信号プロセッサーである。同期動作方式では、画像処理部106は、一度に複数のライダーセンサー(ライダーA(102A)、ライダーB(102B)、及びライダーC(102C))のうちの1つのみがオンとなるように複数のライダーセンサー(ライダーA(102A)、ライダーB(102B)、及びライダーC(102C))をオン又はオフに切り替える。非同期動作方式では、画像処理部106は、複数のライダーセンサー(ライダーA(102A)、ライダーB(102B)、及びライダーC(102C))を同時にオン又はオフに切り替える。画像処理部106は、堆積される対象物に関する距離及び角度(すなわち測定値)の組を受信し、測定値を処理して三次元画像197にしてもよい。
【0044】
本発明の1つ以上の実施形態では、システム100は、ユーザー演算装置108を含む。ユーザー演算装置108は、本発明の1つ以上の実施形態を実行するための、1つ以上の携帯機器(例えば、ラップトップコンピューター、スマートフォン、携帯情報端末、タブレットコンピューター、又は他の携帯機器)、デスクトップコンピューター、サーバー、サーバーシャシー内のブレード、又は少なくとも最低限の処理能力とメモリーと入出力装置を含む任意の他の種類の1つ以上の演算装置であってもよい。
【0045】
本発明の1つ以上の実施形態では、ユーザー演算装置108は、三次元印刷機199に対象物の三次元印刷可能なモデル198を提供する。三次元印刷可能なモデル198は、三次元スキャナー経由でコンピューター支援設計(computer-aided design、CAD)パッケージを用いて、又は単純なデジタルカメラと写真測量ソフトウェアを用いて作成してもよい。三次元印刷可能なモデル198を三次元コンピューターグラフィックス用の幾何学データとして作成してもよい。1つ以上の実施形態では、三次元印刷可能なモデル198をウェブサイトからダウンロードする。
【0046】
1つ以上の実施形態では、制御処理部110は、印刷ヘッド104の動作を制御し、三次元印刷可能なモデル198に基づいて対象物を生成する(すなわち、印刷する)。1つ以上の実施形態では、制御処理部110は、画像197と三次元印刷可能なモデル198とを比較する。画像197と三次元印刷可能なモデル198との間の1つ以上の差が許容値を超える場合、それは、印刷される対象物が不備を持ち、及び/又は印刷が継続すると、近い将来に不備が発生する場合があるという指標になる。1つ以上の実施形態では、制御処理部110は、印刷ヘッド104を調整するフィードバック信号を生成し、不備の低減、不備の軽減、さらなる不備の防止などを行う。これに加えて、又はこれに代えて、対象物に不備がある場合には印刷が中断される。
【0047】
1つ以上の実施形態では、制御処理部110は、対象物の三次元印刷可能なモデルに基づいて走査方式の選択も行う(以下で考察する)。得られた結果が思わしくない場合、制御処理部110は、異なる走査方式を選択してもよい(以下で考察する)。
【0048】
図1は、構成要素の具体的な構成を示すが、本発明の範囲を逸脱することなく他の構成を用いてもよい。例えば、様々な構成要素を組み合わせて単一の構成要素を作製してもよい。もう一つの例としては、単一の構成要素が実行する機能を2つ以上の構成要素が実行してもよい。
【0049】
図2は、対象物の三次元モデルに基づいて対象物を三次元印刷するフローチャートを示す。図2の複数の工程のうちの1つ以上を、上記で図1を参照して考察したシステム100の構成要素で実行してもよい。本発明の1つ以上の実施形態では、図2に示す複数の工程のうちの1つ以上を省略し、繰り返し、及び/又は図2に示す順序とは異なる順序で実行してもよい。したがって、本発明の範囲は図2に示す特定の順序の工程に限定されるものと考えるべきではない。
【0050】
まず、印刷する対象物の一部を走査のために選択する(工程205)。当該一部は、新たに堆積された層又はこの新たに堆積された層の部位に対応してもよい。当該一部は、印刷される対象物の大部分に対応してもよい。当該一部は、複数の区域にわたって延びていてもよい。
【0051】
工程210では、対象物の選択部分を走査する。動作方式に関係なく、走査から得た測定値が当該部分の画像の生成に用いられる。
【0052】
同期方式で動作する場合、任意の時点で1つのライダーセンサー(すなわち、印刷ヘッドと同じ区域内にあるライダーセンサー)のみを用いて当該部分を走査する。当該部分が複数の区域にわたって延びている場合、当該複数の区域に対応する複数のライダーセンサーを次々に用いて当該部分を走査する。
【0053】
非同期方式で動作する場合、すべてのライダーセンサーが同時に動作する。したがって、当該部分全体を同時に走査してもよい。異なるライダーセンサーを異なる波長で用いることでクロストークを低減してもよい。
【0054】
部分的非同期方式で動作する場合、(i)印刷ヘッドと同じ区域内にあるライダーセンサー及び(ii)印刷ヘッドがある区域から180度又はほぼ180度間隔で配置した、この区域内のライダーセンサーが動作し、対象物の当該部分を走査する。
【0055】
工程215では、走査から生成された画像と対象物の三次元印刷可能なモデルとを比較する。画像と三次元印刷可能なモデルとの間の1つ以上の差が許容値を超える場合、それは、当該部分が不備を持ち、及び/又は印刷が継続すると、近い将来不備が生じる場合があるという指標になる。そのような場合、処理は工程220に進む。他の場合には、処理は工程225に進む。
【0056】
工程220では、フィードバック信号を生成する。フィードバック信号を用いて印刷ヘッドを調整し、印刷が継続する際の不備の低減、不備の軽減、さらなる不備の防止などを試みる。この調整は、印刷ヘッドの配置や、印刷ヘッドが堆積する材料の速度などに関連してもよい。
【0057】
工程225では、考慮すべき対象物の追加部分があるかを判別する。考慮すべき追加部分があると判別された場合、処理は工程205に戻る。対象物の印刷が完了すると、処理は終了することができる。
【0058】
図3は、本発明の1つ以上の実施形態によるフローチャートを示す。図3の処理を用いて走査方式(例えば、同期方式、非同期方式、部分的非同期方式など)を選択してもよい。図2の複数の工程のうちの1つ以上を、上記で図1を参照して考察したシステム100の構成要素(例えば、制御処理部110)で実行してもよい。本発明の1つ以上の実施形態では、図3に示す複数の工程のうちの1つ以上を省略し、繰り返し、及び/又は図3に示す順序とは異なる順序で実行してもよい。したがって、本発明の範囲は図3に示す特定の順序の工程に限定されるものと考えるべきではない。本発明の1つ以上の実施形態では、図3の複数の工程のうちのいくつか又はすべてを図2に示す工程の前に実行する。
【0059】
まず、対象物の三次元印刷可能なモデルを取得する(工程305)。三次元印刷可能なモデルをユーザー演算装置から取得し、及び/又はウェブサイトからダウンロードしてもよい。三次元印刷可能なモデルは、対象物のCAD図面であってもよい。
【0060】
工程310では、三次元印刷可能なモデルに基づいて走査方式を選択する。例えば、三次元印刷可能なモデルが大型で複雑である場合(工業環境ではそうであることが多い)、非同期方式を選択してもよい。これに加えて又はこれに代えて、三次元印刷可能なモデルが小規模の場合(在宅環境ではそうであることが多い)、同期方式を選択する。これに加えて又はこれに代えて、本発明の1つ以上の実施形態では三次元印刷可能なモデルに関係なく初期設定で同期方式を選択する。
【0061】
工程315では、印刷する対象物の一部を走査のために選択する。当該一部は、新たに堆積された層又はこの新たに堆積された層の部位に対応してもよい。当該一部は、印刷される対象物の大部分に対応してもよい。当該一部は、複数の区域にわたって延びていてもよい。
【0062】
1つ以上の実施形態では、工程315を工程310の前に実行する。そのような実施形態では、走査方式の選択は、選択部分に対応する三次元印刷可能なモデルの一部位のみ(すなわち三次元印刷可能なモデル全体ではない)に基づく。したがって、異なる走査方式を異なる部分に選択してもよい。
【0063】
工程320では、対象物の選択部分を走査する。動作方式に関係なく、走査から得た測定値が当該部分の画像の生成に用いられる。
【0064】
同期方式で動作する場合、任意の時点で1つのライダーセンサー(すなわち、印刷ヘッドと同じ区域内にあるライダーセンサー)のみを用いて当該部分を走査する。当該部分が複数の区域にわたって延びている場合、当該複数の区域に対応する複数のライダーセンサーを次々に用いて当該部分を走査する。
【0065】
非同期方式で動作する場合、すべてのライダーセンサーが同時に動作する。したがって、当該部分全体を同時に走査してもよい。異なるライダーセンサーを異なる波長で用いてクロストークを低減してもよい。
【0066】
部分的非同期方式で動作する場合、(i)印刷ヘッドと同じ区域内にあるライダーセンサー及び(ii)印刷ヘッドがある区域から180度又はほぼ180度間隔で配置した、この区域内のライダーセンサーが動作し、対象物の当該部分を走査する。
【0067】
工程325では、走査から生成された画像と対象物の三次元印刷可能なモデルとを比較する。画像と三次元印刷可能なモデルとの間の1つ以上の差が許容値を超える場合、それは誤った(又は不適切な)走査方式が選択されたという潜在的な指標になる。すなわち、別の走査方式が当該部分にはより適していることになる。そのような場合には、処理は工程330に進む。
【0068】
工程330では、異なる走査方式を選択する。例えば、最初に工程305で同期方式を選択した場合、工程330では非同期方式を選択してもよい。走査方式が当該部分を走査するのに適した方式である(すなわち、走査に基づいて生成された画像と三次元印刷可能なモデルとの間の差がより小さい/少ない)ことを期待して異なる走査方式を選択する。
【0069】
工程330を実行した(すなわち、異なる走査方式を選択した)後、選択した異なる走査方式で図2の処理を実行してもよい。本発明の1つ以上の実施形態では、図2の処理を工程310の実行後に実行する(すなわち、工程315、320、325、及び330を省略してもよい)。
【0070】
本発明の1つ以上の実施形態は、以下の複数の利点のうちの1つ以上を提供することができる。すなわち、三次元印刷対象物のモデルをリアルタイムで作成し、積層造形/三次元印刷システム用の三次元画像処理システムの大きさ、重量、及びコストを低減し、リアルタイム処理の監視に三次元印刷対象物のリアルタイム三次元画像を用い、三次元印刷対象物のリアルタイム三次元画像を用いて誤差又は不備を特定し、三次元印刷対象物のリアルタイム三次元画像を用いてリアルタイムで誤差又は不備を修正、低減、又は軽減する。いくつかの同期動作方式でより低い電力、単一波長のレーザー、及びより低いデータ量を採用することができる。いくつかの非同期動作方式により異なるレーザー波長を可能にし、クロストークを回避することができる。いくつかの非同期方式により複数角度の画像が得られ、区域の縫い合わせをなくすことができる。
【0071】
本発明を限られた数の実施形態について記載したが、本開示の利益を有する当業者は、本明細書に開示した本発明の範囲を逸脱することなく他の実施形態を考案することができることが分かっている。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲のみにより限定されるべきである。
図1
図2
図3