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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-15
(45)【発行日】2022-03-24
(54)【発明の名称】電子素子の放熱装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/20 20060101AFI20220316BHJP
   H01L 23/40 20060101ALI20220316BHJP
   F28D 15/02 20060101ALI20220316BHJP
【FI】
H05K7/20 B
H05K7/20 R
H01L23/40 Z
F28D15/02 M
F28D15/02 101M
F28D15/02 101Z
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020530668
(86)(22)【出願日】2018-12-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-18
(86)【国際出願番号】 KR2018015620
(87)【国際公開番号】W WO2019112401
(87)【国際公開日】2019-06-13
【審査請求日】2020-06-04
(31)【優先権主張番号】10-2017-0168699
(32)【優先日】2017-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2018-0158228
(32)【優先日】2018-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】508112782
【氏名又は名称】ケーエムダブリュ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】特許業務法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドゥク ヨン キム
(72)【発明者】
【氏名】ジュン ウー ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ジン ソー ヨ
(72)【発明者】
【氏名】チャン ウー ヨー
(72)【発明者】
【氏名】ミン シク パク
(72)【発明者】
【氏名】へー ヨン キム
【審査官】小林 大介
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-288682(JP,A)
【文献】登録実用新案第3153018(JP,U)
【文献】特開2015-227768(JP,A)
【文献】特表2013-505416(JP,A)
【文献】特開平06-163770(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0154102(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/20
H01L 23/40
F28D 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
単位発熱素子として複数個の電子素子が一面に備えられたプリント基板と、
前記プリント基板の他面が密着して収容され、その一部が前記プリント基板の一面に対向する外側面を有するハウジング本体と、
前記ハウジング本体の外側面に突出して設けられた複数個の第1放熱リブと
前記ハウジング本体の外側面と離隔して配置され、前記複数個の電子素子から伝達された熱を放熱する追加放熱部と、
一端部は前記複数個の電子素子連結され、他端部は前記追加放熱部に連結され、前記複数個の電子素子別の独立放熱ルートを形成し、前記電子素子から発生した熱を前記追加放熱部に伝達する熱伝達部とを含む、電子素子の放熱装置。
【請求項2】
前記追加放熱部は、前記ハウジング本体に向かうように突出形成された複数個の第2放熱リブと、
前記第2放熱リブと反対方向に突出形成された複数個の第3放熱リブとを含む、請求項1に記載の電子素子の放熱装置。
【請求項3】
前記熱伝達部は、内部に熱伝達流体が充填されたヒートパイプからなる、請求項2に記載の電子素子の放熱装置。
【請求項4】
前記ヒートパイプの一端部は、前記ハウジング本体に形成された前記複数個の第1放熱リブの間に連結され、
前記ヒートパイプの他端部は、前記追加放熱部の一面に外周面の一部が収容されるように連結される、請求項3に記載の電子素子の放熱装置。
【請求項5】
前記ヒートパイプの一端部は、前記ハウジング本体に形成された前記複数個の第1放熱リブの間に備えられたヒート集熱ブロック内に挿入されるように連結される、請求項3に記載の電子素子の放熱装置。
【請求項6】
前記ヒートパイプの他端部は、外周面の一部が前記追加放熱部に形成された前記複数個の第2放熱リブの間に形成された熱接触溝部に挿入される、請求項3に記載の電子素子の放熱装置。
【請求項7】
前記ヒートパイプの一端部と他端部は、それぞれ、前記ハウジング本体の外側面および前記複数個の第2放熱リブが形成された前記追加放熱部の一面に対して平行に配置され、
前記ヒートパイプの一端部と他端部との間の中間部位は、前記ヒートパイプの一端部と他端部に対して折り曲げ形成される、請求項3から請求項6のいずれか一項に記載の電子素子の放熱装置。
【請求項8】
前記ヒートパイプの中間部位は、上向きに傾斜して形成される、請求項7に記載の電子素子の放熱装置。
【請求項9】
前記複数個の第1放熱リブ、前記複数個の第2放熱リブおよび前記複数個の第3放熱リブは、下側から上側に空気が流動するように上下方向に長く形成される、請求項7に記載の電子素子の放熱装置。
【請求項10】
前記ヒートパイプの一端部は、下端部として前記ハウジング本体の外側に連結され、前記ヒートパイプの他端部は、上端部として前記追加放熱部に連結され、この際、前記ヒートパイプは、上下方向に長く配置される、請求項9に記載の電子素子の放熱装置。
【請求項11】
単位発熱素子として複数個の電子素子が面上に配置されたハウジング本体と、
前記ハウジング本体の前記電子素子が配置された面に対向する外側面と平行に離隔して配置され、前記複数個の電子素子から伝達された熱を放熱する複数の放熱リブを有する追加放熱部と、
一端部は前記複数個の電子素子連結され、他端部は前記追加放熱部に連結され、前記複数個の電子素子別の独立放熱ルートを形成し、前記複数個の電子素子それぞれから発生した熱を前記追加放熱部に伝達する熱伝達部とを含む、電子素子の放熱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子素子の放熱装置(A COOLING APPARATUS FOR ELECTRONIC ELEMENT)に関し、より詳細には、発熱箇所の内部に別の送風ファンを設置しなくても、発熱する電子素子から熱の供給を受け、外側に導いて放熱することができる電子素子の放熱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、電子素子は、作動時に熱を発生し、電子素子が集積された空間内で熱が冷却されない場合、電子素子の作動性能が低下する可能性がある。
【0003】
電子素子は、ほとんどがケースの内部に備えられたプリント基板にはんだ付け結合し、この際、外部からの保護のために完全に密閉された空間の内部に配置される。特に、外部に設置されるアンテナ装置に適用される、最近適用されたFPGA素子のような電子素子の場合、その作動時に発熱がひどく、密閉された空間から熱を随時排出できるようにケースの内部に送風ファンを設けることが好ましいが、外部の異物、雨水などの内部への流入を防止するために、完全に密閉されたケースで保護することが一般的である。
【0004】
したがって、上述のようなケースの密閉された空間に備えられた電子素子の個数が小さく発熱がひどくない場合には、既存の放熱面積だけでも、電子素子から発生する熱を十分に冷却することができる。
【0005】
しかし、電子素子の個数が増加する場合には、密閉された空間の内部自体で、既存の放熱構造だけで放熱性能を向上させるには限界があり、ケースの内部と外部を通すように構造を変更する必要がある点で、異物の流入などによる製品の故障をもたらすことが多いという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述の技術的な課題を解決すべくなされたものであって、別の送風ファンを備えず、電子素子が備えられたケースの内側に密閉された空間を維持し、且つ電子素子を効果的に冷却することができる放熱性能が向上した電子素子の放熱装置を提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明は、限定された発熱空間から熱を外部に導いて伝達し、この際、発熱が集中する原因になる電子素子から直接熱を捕集し、熱源ごとに独立した放熱ルートを構成することができる電子素子の放熱装置を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る電子素子の放熱装置の好ましい一実施形態は、単位発熱素子として複数個の電子素子が一面に備えられたプリント基板と、前記プリント基板の他面が密着して収容され、外側面に複数個の第1放熱リブが突出して備えられたハウジング本体と、前記ハウジング本体の外側面と離隔して配置され、前記ハウジング本体から伝達された熱を放熱する追加放熱部と、一端部は前記ハウジング本体の外側面に連結され、他端部は前記追加放熱部に連結され、前記電子素子から発生した熱を前記追加放熱部に伝達する熱伝逹部とを含む。
【0009】
ここで、前記追加放熱部は、前記ハウジング本体に向かうように突出した複数個の第2放熱リブと、前記第2放熱リブと反対方向に突出した複数個の第3放熱リブとを含むことができる。
【0010】
また、前記熱伝逹部は、内部に熱伝逹流体が充填されたヒートパイプからなり得る。
【0011】
また、前記ヒートパイプの一端部は、前記ハウジング本体に形成された前記複数個の第1放熱リブの間に連結され、前記ヒートパイプの他端部は、前記追加放熱部の一面に外周面の一部が収容されるように連結され得る。
【0012】
また、前記ヒートパイプの一端部は、前記ハウジング本体に形成された前記複数個の第1放熱リブの間に備えられたヒート集熱ブロック内に挿入されるように連結され得る。
【0013】
また、前記ヒートパイプの他端部は、外周面の一部が前記追加放熱部に形成された前記複数個の第2放熱リブの間に形成された熱接触溝部に挿入され得る。
【0014】
また、前記ヒートパイプの一端部と他端部は、それぞれ、前記ハウジング本体の外側面および前記複数個の第2放熱リブが形成された前記追加放熱部の一面に対して平行に配置され、前記ヒートパイプの一端部と他端部との間の中間部位は、前記ヒートパイプの一端部と他端部に対して折り曲げ形成され得る。
【0015】
また、前記ヒートパイプの中間部位は、上向きに傾斜して形成され得る。
【0016】
また、前記複数個の第1放熱リブ、前記複数個の第2放熱リブおよび前記複数個の第3放熱リブは、下側から上側に空気が流動するように上下方向に長く形成され得る。
【0017】
また、前記ヒートパイプの一端部は、下端部として前記ハウジング本体の外側に連結され、前記ヒートパイプの他端部は、上端部として前記追加放熱部に連結され、この際、前記ヒートパイプは、上下方向に長く配置され得る。
【0018】
本発明に係る電子素子の放熱装置の他の実施形態は、複数個の電子素子が備えられた放熱空間が備えられたハウジング本体と、前記ハウジング本体の外側面と平行に離隔して配置され、前記ハウジング本体から伝達された熱を放熱する追加放熱部と、一端部は前記複数個の電子素子の外側面に連結され、他端部は前記追加放熱部に連結され、前記複数個の電子素子別の独立放熱ルートを形成し、前記複数個の電子素子それぞれから発生した熱を前記追加放熱部に伝達する熱伝逹部とを含む。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る電子素子の放熱装置の好ましい一実施形態によると、従来のハウジング本体の外側面に備えられた複数個の第1放熱リブに加え、さらなる放熱を可能にするために備えられた追加放熱部により、放熱性能を大幅に向上させるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係る電子素子の放熱装置の実施形態を示す斜視図である。
図2図1の分解斜視図である。
図3図1のA‐A線に沿って切断した断面図である。
図4A図1の構成のうち熱伝逹部を示す一側の分解斜視図である。
図4B図1の構成のうち熱伝逹部を示す他側の分解斜視図である。
図5図4Aおよび図4Bの平面図である。
図6図5のB‐B線に沿って切断した切開斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一部の実施形態について例示的な図面により詳細に説明する。各図面の構成要素に参照符号を付けるに際し、同じ構成要素に対しては、仮に異なる図面上に示されていてもできるだけ同じ符号を有するようにしていることに留意すべきである。また、本発明を説明するにあたり、関連する公知の構成または機能に関する具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にし得ると判断した場合には、その詳細な説明は省略する。
【0022】
明細書の全体において、ある部分がある構成要素を「含む」、「備える」とした場合、これは、特に相反する記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。明細書で使用されている「発熱素子」という構成の用語は、電子素子の一種として、作動時に所定の熱を発生するものであれば、いかなる構成で代替できることは当然であると言える。
【0023】
図1は本発明に係る電子素子の放熱装置の実施形態を示す斜視図であり、図2図1の分解斜視図であり、図3図1のA‐A線に沿って切断した断面図であり、図4Aおよび図4B図1の構成のうち熱伝逹部を示す一側および他側の分解斜視図であり、図5図4Aおよび図4Bの平面図であり、図6図5のB‐B線に沿って切断した切開斜視図である。
【0024】
本発明に係る電子素子の放熱装置1の実施形態は、図1図6に示されているように、複数個の電子素子25が発熱素子として一面に備えられたプリント基板20と、プリント基板20の他面が密着して収容され、外側面に複数個の第1放熱リブ11が突出して備えられたハウジング本体10と、ハウジング本体10の外側面と平行に離隔して配置され、ハウジング本体10から伝達された熱を放熱する追加放熱部40と、一端部31はハウジング本体10の外側面に連結され、他端部33は追加放熱部40に連結され、ハウジング本体10の外側面に印加された熱を追加放熱部40に伝達する熱伝逹部30とを含む。
【0025】
ここで、複数個の電子素子25は、電気的に作動して所定の熱を発生するすべての発熱素子を含む概念であり、代表的に、アンテナ装置に設置されるパワーサプライユニット(PSU、Power Supply Unit)およびFPGA(Field Programmable Gate Array)素子などが挙げられ、それ以外に、熱の発生によって性能が低下し得る素子構成も含むと考えられる。
【0026】
ハウジング本体10は、略一面または他面にプリント基板20の一面または他面が面接触して収容されるように、「コ」字状の収容空間を形成する垂直断面を有することが好ましい。
【0027】
より詳細には、図2および図3に示されているように、ハウジング本体10の上側部位は、上述の収容空間を形成し、この際、前面側に開口するように形成されて、アンテナ素子(図面符号表記せず)またはPSUのような通信素子または電子素子(図示せず)が収容空間の内側に収容され、この際、積層形態に配置され得る。また、ハウジング本体10の下側部位は、上述の収容空間を形成し、この際、後面側に開口するように形成されて、FPGA素子のような発熱素子からなる電子素子25が収容空間の内側に収容されるように配置され得る。
【0028】
アンテナ素子またはPSUのような通信素子または電子素子が備えられたハウジング本体10の上側部位には、レドーム100が開口した前面側に結合し、信号の送信または信号の受信が干渉なく行われて、外部からの異物の流入を防止するように構成されている。
【0029】
また、FPGA素子のような電子素子25が備えられたハウジング本体10の下側部位には、図1図3に示されているように、プリント基板20が設置されるように収容空間の開口した一側面にはハウジングカバー70が備えられて、ハウジング本体10の開口した一面を遮蔽するように設置され得る。
【0030】
ハウジング本体10には、上述のプリント基板20の他に、さらに電子素子を設置する必要がある場合、図3に示されているように、追加プリント基板20´を、ハウジング本体10の内部に予め設置されたプリント基板20に対して所定間隔離隔して積層して設置することができ、この際、ハウジングカバー70の外側面には、追加プリント基板20´から発生した熱を直接外部に放熱する放熱フィン部71が形成され得る。
【0031】
ただし、本発明の一実施形態では、ハウジング本体10の上側部位の前面には、上述のように、レドーム100が結合しているため、アンテナ素子またはPSUのような電子素子から発生した熱を放熱するための後述する追加放熱部40のような構成を追加することは難しく、ハウジング本体10の上部の後面に形成された複数個の放熱リブ11による一方向放熱構造により放熱するように設計されることが好ましい。
【0032】
すなわち、プリント基板20が収容されるハウジング本体10の内側面に対向する外側面には、上述のとおり、プリント基板20に実装された電子素子の作動によって発生する熱を1次的に放熱する複数個の第1放熱リブ11が備えられ得る。
【0033】
より詳細には、複数個の第1放熱リブ11は、ハウジング本体10の下側部位の収容空間に配置された電子素子から発生した熱が、ハウジングカバー70に形成された放熱フィン部71を介して放熱した後、上昇気流を形成するときに、その上昇気流と干渉しないように、それぞれの単位リブが上下に長く形成され、この際、左右方向に所定距離離隔して形成され得る。
【0034】
上述のハウジング本体10の外側面に形成された複数個の第1放熱リブ11およびハウジングカバー70に形成された複数個の放熱フィン部71は、ハウジング本体10およびハウジングカバー70が形成する内部空間(以下、「発熱空間」と称する)から発生した熱を直接放熱する働きをする。
【0035】
一方、複数個の第1放熱リブ11は、それぞれ同一の隔離距離を有するように形成され、この際、上述の熱伝逹部30が設置されるように、複数個の第1放熱リブ11の一部が形成されていない第1設置溝部15が複数個所に形成され得る。
【0036】
追加放熱部40は、図2に示されているように、一面に形成され、この際、ハウジング本体10に向かうように突出形成された複数個の第2放熱リブ41と、他面に形成され、この際、第2放熱リブ41と反対方向に突出形成された複数個の第3放熱リブ43とを含むことができる。
【0037】
かかる追加放熱部40は、熱伝逹部30を媒介としてハウジング本体10に形成された複数個の第1放熱リブ11の先端と所定間隔離隔してハウジング本体10の外部に配置され得る。
【0038】
複数個の第2放熱リブ41および複数個の第3放熱リブ43も、上述のハウジング本体10の複数個の第1放熱リブ11と同様、それぞれ同一の左右隔離距離を有するように形成され、この際、上下垂直方向に長く配置され得る。
【0039】
複数個の第2放熱リブ41が備えられた追加放熱部40の内側面には、上述の熱伝逹部30が設置されるように、複数個の第2放熱リブ41の一部が形成されていない第2設置溝部45が複数個所に形成され得る。
【0040】
一方、熱伝逹部30は、上述のハウジング本体10とハウジングカバー70によって形成された発熱空間に備えられた複数個の電子素子25から熱を直接捕集し、外部に導いて伝達することで、熱源別(すなわち、電子素子別)の独立放熱ルートを構成する役割を果たす。仮に、発熱空間上に備えられた電子素子25が予め設定された個数で備えられた場合、熱伝逹部30の個数は、電子素子25の個数に対応して備えられ、各電子素子25から発熱する熱は、それぞれの熱伝逹部30によって形成された独立放熱ルートを介して外部に放熱される。
【0041】
かかる熱伝逹部30は、内部に熱伝逹流体が充填された複数個のヒートパイプからなり得る。ヒートパイプの内部に充填された熱伝逹流体は、一側から熱が供給されると、気化し、上側に上昇して、ヒートパイプの上端に熱を伝達した後、液化し、重力によって最初の位置に戻ることを繰り返す動作で、熱をヒートパイプの一端部から他端部に移動させる働きをすることができる。
【0042】
ここで、ヒートパイプ30の一端部31は、ハウジング本体10に形成された複数個の第1放熱リブ11の間に備えられた前記第1設置溝部15に連結され、ヒートパイプ30の他端部33は、追加放熱部40の内側面に形成された前記第2設置溝部45に連結され得る。
【0043】
より詳細には、熱伝逹部30は、図2図4に示されているように、単位ヒートパイプ30の一端部31が、ハウジング本体10の発熱空間上に備えられた電子素子25の外側面と平行に備えられ、後述する一側ヒート集熱ブロック90を媒介としてプリント基板20の一側面に結合し、単位ヒートパイプ30の他端部33は、後述する他側ヒート集熱ブロック95を媒介として追加放熱部40の内側面に面接触するように平行に結合し得る。
【0044】
一方、第1設置溝部15には、単位ヒートパイプ30が複数個で備えられたヒートパイプ群30´の一端部の集約設置を媒介する一側ヒート集熱ブロック90が設置され、第2設置溝部45には、単位ヒートパイプ30が複数個で備えられたヒートパイプ群30´の他端部の分散設置を媒介する他側ヒート集熱ブロック95が設置され得る。
【0045】
ここで、ヒートパイプ群30´の一端部31は、図4Aおよび図4Bに示されているように、ハウジング本体10の発熱空間上で複数個の電子素子25が外部に露出するように備えられた第1設置溝部15を介して面接触する一側ヒート集熱ブロック90の後述する一側熱伝逹溝92内に挿入されるように連結され得る。一側ヒート集熱ブロック90は、一つの電子素子25から発生した熱を集約的に捕集できるように、複数個のヒートパイプ30の一端部が密集して設置され得る。
【0046】
ここで、一側集熱ブロック90の外側には、図4Aおよび図4Bに示されているように、ヒートパイプ群30´を介して集熱する熱の一部を直ちに放熱するブロック放熱リブ91が複数個形成され得る。ここで、ブロック放熱リブ91によって熱が放出される空間は、ハウジング本体10と追加放熱部40との間に形成される空間であって、複数個の第1放熱リブ11によって放熱する空間と同一である。
【0047】
逆に、ヒートパイプ群30´の他端部33は、図4Aおよび図4Bに示されているように、第2設置溝部45が備えられた追加放熱部40の内側面に形成された後述する他側熱収容溝49に配置され、他側ヒート集熱ブロック95に形成された他側熱伝逹溝93が形成するホールの内部に挿入されるように連結され得る。他側ヒート集熱ブロック95は、複数個のヒートパイプ30が追加放熱部40の内側面に分散するように設置されて、ヒートパイプ群30´によって伝達された熱が一側に偏って伝達されないようにする役割を果たす。
【0048】
すなわち、一側ヒート集熱ブロック90は、ハウジング本体10の発熱空間上に備えられた電子素子25それぞれの外側面に放出される熱を捕集するように集約設置されたヒートパイプ群30´の一端部に熱を伝達する役割を果たし、他側ヒート集熱ブロック95は、ヒートパイプ群30´を介して伝達される熱を追加放熱部40の内側面に均一に伝達する役割を果たす。一側ヒート集熱ブロック90および他側ヒート集熱ブロック95は、ヒートパイプ群30´の個数に対応して配置されることが好ましい。
【0049】
なお、一側ヒート集熱ブロック90および他側ヒート集熱ブロック95には、ヒートパイプ群30´それぞれの一端部31および他端部33が挿入され配置される一側熱伝逹溝および他側熱伝逹溝92、93が形成され得る。
【0050】
複数個のヒートパイプ群30´の単位ヒートパイプ30の一端部31および他端部33は、それぞれ、ハウジング本体10の外側面が窪んで形成された一側熱収容溝19および追加放熱部40の内側面が窪んで形成された他側熱収容溝49に配置されるように備えられ得る。
【0051】
ここで、ヒートパイプ30の一端部31と他端部33は、それぞれ、ハウジング本体10の外側面および複数個の第2放熱リブ41が形成された追加放熱部40の一面に対して平行に配置され、ヒートパイプ30の一端部31と他端部33との間の中間部位35は、ヒートパイプ30の一端部31と他端部33に対して折り曲げ形成され得る。
【0052】
より詳細には、ヒートパイプ30の中間部位35は、上述の一端部31を下端部とし、上述の他端部33を上端部として、上向きに傾斜して形成され得る。すなわち、複数個の第1放熱リブ11、複数個の第2放熱リブ41および複数個の第3放熱リブ43は、下側から上側に空気が流動するように上下方向に長く形成される際、ヒートパイプ30の一端部31は、下端部としてハウジング本体10の外側に連結され、ヒートパイプ30の他端部33は、上端部として追加放熱部40に連結され、ヒートパイプ30の中間部位35は、上下方向に長く配置され、この際、上向きに傾斜して形成される。
【0053】
前記のように構成される本発明に係る電子素子の放熱装置1による放熱過程について簡単に説明すると、以下のとおりである。
【0054】
ハウジング本体10の内側面に備えられた電子素子25の作動による作動熱が発生し、ハウジング本体10の外側面に伝達されると、一側ヒート集熱ブロック90が熱を捕集する。
【0055】
この際、一側ヒート集熱ブロック90は、第1放熱リブ11とともに外部に露出していることから、電子素子25から伝達された熱の一部は、ブロック放熱リブ91を介して直ちに放熱する。
【0056】
なお、一側ヒート集熱ブロック90によって捕集されていない残熱は、ハウジング本体10の外側面に形成された複数個の第1放熱リブ11を介して1次放熱することができる。
【0057】
一方、一側ヒート集熱ブロック90に集熱した熱は、複数個の単位ヒートパイプ30の一端部31が集約した状態でヒートパイプ群30´に伝達され、それぞれの単位ヒートパイプ30の中で熱伝逹流体が蒸発する動作でヒートパイプ群30´の他端部33側に伝達される。
【0058】
単位ヒートパイプ30の他端部33側に伝達された熱は、他側ヒート集熱ブロック95を媒介として追加放熱部40に備えられた複数個の第2放熱リブ41および複数個の第3放熱リブ43を介して2次放熱することができる。
【0059】
この際、追加放熱部40の内側面に備えられた他側ヒート集熱ブロック95によってヒートパイプ群30´の他端部33に伝達された熱が、追加放熱部40の全部にわたり均一でバランスよく分散することから、熱集中現象を防止することができる。
【0060】
したがって、本発明に係る電子素子の放熱装置1の実施形態は、プリント基板20に集積された電子素子25が増加しても、上述の熱伝逹部30および追加放熱部40の追加放熱構造により放熱性能が拡張できるという利点を有する。
【0061】
以上、本発明に係る電子素子の放熱装置の実施形態について添付の図面を参照して詳細に説明した。しかし、本発明の実施形態は必ずしも上述の実施形態によって限定されるものではなく、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者による様々な変形および均等な範囲での実施が可能であることは当然であると言える。したがって、本発明の真の権利範囲は、後述する請求の範囲によって定められると言える。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明に係る電子素子の放熱装置の実施形態は、特に、発熱の高い電子素子を備えたアンテナ装置に使用可能である。
【符号の説明】
【0063】
1:電子素子の放熱装置
10:ハウジング本体
11:第1放熱リブ
15:第1設置溝部
19:一側熱収容溝
20:プリント基板
30:熱伝逹部
30´:ヒートパイプ群
31:一端部
33:他端部
35:中間部位
49:他側熱収容溝
40:追加放熱部
41:第2放熱リブ
43:第3放熱リブ
45:第2設置溝部
70:ハウジングカバー
71:放熱フィン部
90:一側ヒート集熱ブロック
95:他側ヒート集熱ブロック
100:レドーム
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5
図6