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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-15
(45)【発行日】2022-03-24
(54)【発明の名称】半導体素子テスト用ソケット装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/26 20200101AFI20220316BHJP
   H01R 33/76 20060101ALN20220316BHJP
【FI】
G01R31/26 J
H01R33/76 505Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021510648
(86)(22)【出願日】2018-10-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-09
(86)【国際出願番号】 KR2018012601
(87)【国際公開番号】W WO2020075896
(87)【国際公開日】2020-04-16
【審査請求日】2021-02-26
(31)【優先権主張番号】10-2018-0120292
(32)【優先日】2018-10-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519408973
【氏名又は名称】ファン ドン ウォン
(73)【特許権者】
【識別番号】519409279
【氏名又は名称】ファン ローガン ジェ
(73)【特許権者】
【識別番号】515215025
【氏名又は名称】ファン ジェ ベク
(73)【特許権者】
【識別番号】519408984
【氏名又は名称】ハイコン カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ファン,ドン ウォン
(72)【発明者】
【氏名】ファン,ローガン ジェ
(72)【発明者】
【氏名】ファン,ジェ ベク
【審査官】島田 保
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-37722(JP,A)
【文献】特表2002-525832(JP,A)
【文献】特開2018-29040(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2010-0052721(KR,A)
【文献】韓国登録特許第10-0843273(KR,B1)
【文献】韓国公開特許第1998-030099(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/26
H01R 33/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体素子が定着されるベースと;
前記ベースに設けられ、半導体素子の端子とPCBの端子とを電気的に接続する複数のコンタクトを含むコンタクトモジュールと;
前記ベースの一側に上下方向に弾性支持されて設けられるフローティングヒンジブロックと;
前記フローティングヒンジブロックと回動自在に設けられ、下面に半導体素子の上面を加圧するように突設された加圧部が備えられるリッドと;
前記フローティングヒンジブロックと並ぶように前記ベースの一側に上下方向に弾性支持されて前記リッドの固定が可能なフローティングラッチと;
前記ベースと前記フローティングヒンジブロックを貫通して軸設され、回転角に応じて前記フローティングヒンジブロックの上下高さを調節する第1カムシャフトと;
前記ベースと前記フローティングラッチを貫通して軸設され、回転角に応じて前記フローティングラッチの上下高さを調節する第2カムシャフトと;
前記第1カムシャフトと一体に固定されて回転可能なレバーと;
前記第2カムシャフトと一体に固定されて回転可能なハンドルと;
両端がそれぞれ前記レバーと前記ハンドルに回転自在に接続されるリンクと;を含む、半導体素子テスト用ソケット装置。
【請求項2】
前記第1カムシャフトと前記第2カムシャフトのそれぞれは、前記ベースと回動自在に組み立てられる円形の断面を有する第1区間と、第1区間から延長され、外周面の一部に軸方向に平面を有するカム面が形成されて前記フローティングヒンジブロックと前記フローティングラッチとの組み立てが行われる第2区間とを含む、請求項1に記載の半導体素子テスト用ソケット装置。
【請求項3】
前記フローティングヒンジブロックと前記フローティングラッチは、それぞれ当該カムシャフトが貫挿される組立孔が形成され、前記組立孔は、前記カム面との面接触が行われる平面を有することを特徴とする、請求項2に記載の半導体素子テスト用ソケット装置。
【請求項4】
前記フローティングラッチと前記ベースとの間には、並列に配置される複数の弾性体が備えられ、前記フローティングラッチは、前記第2カムシャフトの回転軸に対して前記リッドとの係合方向にトルクが作用することを特徴とする、請求項1に記載の半導体素子テスト用ソケット装置。
【請求項5】
前記弾性体は、互いに異なるばね定数を有することを特徴とする、請求項4に記載の半導体素子テスト用ソケット装置。
【請求項6】
前記加圧部は、温度を調節することができる加熱ユニットをさらに含む、請求項1に記載の半導体素子テスト用ソケット装置。
【請求項7】
前記コンタクトモジュールは、
複数のコンタクトピンが配置されて前記ベースに固定される固定プレートと、
前記固定プレートの上部に離隔して弾性支持され、前記コンタクトピンの上端の一部が突出して位置するフローティングプレートとを含む、請求項1に記載の半導体素子テスト用ソケット装置。
【請求項8】
前記フローティングプレートは、半導体素子の定着位置を案内するように側面に傾斜を有するガイド面が形成されることを特徴とする、請求項7に記載の半導体素子テスト用ソケット装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子のテストに使用するクラムシェル(clamshell)タイプのソケット装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体素子(IC)用ソケットは、テストボードまたはバーンインボード(Burn-In Board)に備えられ、ボード(テストボード、バーンインボード)に形成されたI/O端子(入出力端子)を介して、ICの駆動に必要な電源と電気的信号を入出力することができるようにするバーンインチャンバまたはその周辺装置とICの特性を測定するための別途のテスト装置が接続されることにより、一連のICテストのためのシステムに利用される。
【0003】
一般に広く用いられているICの中で、BGA(Ball Grid Array)型ICは、ICの底面全体にICの端子、すなわちボール(Ball)を配列してICのサイズ及び厚さを革新的に減らしたものである。
【0004】
一方、LGA(Land Grid Array)型ICは、BGA型ICにおけるパッド(PAD)(或いはLand)にボール(Ball)が付いていない状態のICである。
【0005】
最近、LGA型IC、或いはBGA及びLGA複合型ICも多様に生産され、LGA型或いは複合型ICをテストするためのソケットは、上下方向に所定の弾性力を有する多数のコンタクト(Contact)を備え、コンタクトの下部端子はPCBと接触方式或いは半田付け方式で接続される。
【0006】
ここで、コンタクトの上部端子は、ソケットにローディング(Loading)されるICの端子と接触するように構成されており、電気的に安定した接触を行うために、ICを下方に押圧する加圧装置がソケットに備えられていなければならない。
【0007】
参考までに、加圧装置によってICの上面に加えられる物理的力をコンタクト数で割ると、一つのコンタクトあたり加えられる物理的力を算出することができる。
【0008】
さらに詳細には、コンタクトに加えられる物理的力は、一つのコンタクトあたり約10gfであり、例えばIC端子が500個である場合、5.0Kgf程度の強力な物理的力を加えなければならないことが分かる。
【0009】
したがって、ICをテストするためのソケットは、上述した強力な物理的力を効果的にICに加えることができる加圧手段が求められる。
【0010】
最近或いは今後のICは、端子(LEAD)の数が増加し、端子ピッチ(LEAD PITCH)が狭ピッチ化し、厚さがさらに薄くなる傾向を示すが、特に高温で長時間バーンイン(BURN IN)テストを行う場合、IC端子に加えられる上方向のコンタクト力(CONTACT FORCE)に対応して、ICの全面を水平に維持しながら強力に加圧することができる加圧手段を備えたソケットが求められる。
【0011】
図1及び図2は従来技術による半導体素子テスト用ソケット装置の断面構成図であり、図1はリッドが開放された状態を示しており、図2はリッドが閉鎖される状態を示している。
【0012】
図1を参照すると、従来技術のクラムシェルタイプのソケット装置は、半導体素子10が定着されるベース20と、ベース20に設けられ、半導体素子10の端子とPCB(図示せず)の端子とを電気的に接続する複数のコンタクト30と、ベース20の上端一側に枢着され、先端にベース20との固定が可能なラッチ41が備えられ、半導体素子10を加圧するように設けられたリッド(lid)40とを含む。
【0013】
ベース20の中央には、半導体素子10が定着される収納部21が設けられ、この収納部21は、半導体素子10の端子とPCBの端子とを電気的に接続する複数のコンタクト30が設けられる。ベース20は、リッド40のラッチ41が固定されるように係止段22が設けられる。
【0014】
リッド40は、ヒンジピン42によってベース20と回動自在に組み立てられ、ヒンジピン42には、ベース20とリッド40を弾性支持するよヒンジばね43が備えられる。リッド40の先端には、ベース20の係止段22に係止できるラッチ41が設けられ、ラッチ41は、コイルばね44によって弾性支持され、ラッチ41と係止段22は、コイルばね44の弾性力によってリッド40の閉鎖状態が維持される。
【0015】
リッド40の下面のほぼ中央には、加圧部45が突設され、リッド40を閉じると、加圧部45が半導体素子10の上部を押して、半導体素子10の端子とコンタクト30とが十分な接触力で接触することにより、接触抵抗を減らす。
【0016】
しかし、このような従来技術のクラムシェルタイプのソケット装置は、半導体素子のローディング過程で半導体素子10の上面にスクラッチが発生するおそれがあり、特に、半導体素子の上面がベアダイ(BARE Die)である場合には、壊れやすくて半導体素子の損傷が発生するおそれがある。
【0017】
具体的には、図2を参照すると、ベース20に半導体素子10が装着された状態でリッド40を閉じると、リッド40は、固定された回転軸であるヒンジピン42を軸としてベース20を覆い、この過程で、加圧部45は、一端のエッジが半導体素子10の上面と線接触した状態で角度θをもって半導体素子10を押圧し、このとき、半導体素子10の上面の特定の部位(半導体素子との線接触部位)に強い圧縮力が作用してスクラッチが発生したり半導体素子の損傷が発生したりすることができる。
【0018】
このように、従来技術のクラムシェルタイプのソケット装置は、リッド40がベース20に固定された回転軸をもって開閉動作が行われることにより、半導体素子のローディング過程で損傷が発生するおそれがある。
【0019】
特に、コンタクトの上部端子は、前述したように、半導体素子の端子と電気的に安定的に接触するために、一定の物理的力で加圧を行う必要がある。よって、半導体素子の端子が増加するにつれて、クラムシェルタイプのソケット装置は、半導体素子のローディング過程で損傷が発生する可能性が高くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【文献】韓国公開特許第10-2014-0134820号公報(公開日:2014年11月25日)
【文献】韓国公開特許第10-2010-0052721号公報(公開日:2010年5月20日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明は、このような従来の半導体素子テスト用ソケット装置を改善しようとするもので、その目的は、クラムシェルタイプのソケット装置で半導体素子のローディング過程で半導体素子の上面全体に押圧力が均一に作用して半導体素子の損傷を防止することができるソケット装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明に係る半導体素子テスト用ソケット装置は、半導体素子が定着されるベースと;前記ベースに設けられ、半導体素子の端子とPCBの端子とを電気的に接続する複数のコンタクトを含むコンタクトモジュールと;前記ベースの一側に上下方向に弾性支持されて設けられるフローティングヒンジブロックと;前記フローティングヒンジブロックと回動自在に設けられ、下面に半導体素子の上面を加圧するように突設された加圧部が備えられるリッドと;前記フローティングヒンジブロックと並ぶように前記ベースの一側に上下方向に弾性支持されて前記リッドの固定が可能なフローティングラッチと;前記ベースと前記フローティングヒンジブロックを貫通して軸設され、回転角に応じて前記フローティングヒンジブロックの上下高さを調節する第1カムシャフトと;前記ベースと前記フローティングラッチを貫通して軸設され、回転角に応じて前記フローティングラッチの上下高さを調節する第2カムシャフトと;前記第1カムシャフトと一体に固定されて回転可能なレバーと;前記第2カムシャフトと一体に固定されて回転可能なハンドルと;両端がそれぞれ前記レバーと前記ハンドルに回転自在に接続されるリンクと;を含む。
【0023】
好ましくは、前記第1カムシャフトと前記第2カムシャフトのそれぞれは、前記ベースと回動自在に組み立てられる円形の断面を有する第1区間と、第1区間から延長され、外周面の一部に軸方向に平面を有するカム面が形成されて前記フローティングヒンジブロックと前記フローティングラッチとの組み立てが行われる第2区間とを含む。
【0024】
より好ましくは、前記フローティングヒンジブロックと前記フローティングラッチは、それぞれ当該カムシャフトが貫挿される組立孔が形成され、前記組立孔は、前記カム面との面接触が行われる平面を有する。
【0025】
好ましくは、前記フローティングラッチと前記ベースとの間には、並列に配置される複数の弾性体が備えられ、前記フローティングラッチは、前記第2カムシャフトの回転軸に対して前記リッドとの係合方向にトルクが作用し、より好ましくは、前記弾性体は、互いに異なるばね定数を有する。
【0026】
好ましくは、前記加圧部は、温度を調節することができる加熱ユニットをさらに含む。
【0027】
好ましくは、前記コンタクトモジュールは、複数のコンタクトピンが配置されて前記ベースに固定される固定プレートと、前記固定プレートの上部に離隔して弾性支持され、前記コンタクトピンの上端の一部が突出して位置するフローティングプレートとを含み、より好ましくは、前記フローティングプレートは、半導体素子の定着位置を案内するように側面に傾斜を有するガイド面が形成される。
【発明の効果】
【0028】
本発明の半導体素子テスト用ソケット装置は、ベースと、ベースに対してクラムシェルタイプで開閉が行われるリッドと、ベースに対して上下方向に弾性支持されてリッドが回動自在に組み立てられるフローティングヒンジブロックと、フローティングヒンジブロックと並ぶようにベースの上下方向に弾性支持されてリッドの固定が可能なフローティングラッチと、ハンドルユニットの回転操作と連動してフローティングヒンジブロックとフローティングラッチの上下高さを調節するカムシャフト構造とを含むことにより、半導体素子のローディング過程で均一な押圧力をもって半導体素子の加圧が行われて半導体素子の損傷を防止することができるという効果がある。
【0029】
また、本発明の半導体素子テスト用ソケット装置は、半導体素子を加圧するリッドの加圧部に、温度調節が可能な加熱ユニットが付加されることにより、適正の温度条件でテストが行われることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】従来技術による半導体素子テスト用ソケット装置の断面構成図である。
図2】従来技術による半導体素子テスト用ソケット装置の断面構成図である。
図3】本発明の実施形態に係るソケット装置の斜視図である。
図4】本発明の実施形態に係るソケット装置の斜視図である。
図5】本発明の実施形態に係るソケット装置の断面構成図である。
図6】本発明の実施形態に係るソケット装置の断面構成図である。
図7図5のA部分の拡大図である。
図8】(a)及び(b)は本発明の実施形態に係るソケット装置におけるハンドルユニットとカムシャフトとの作動関係を示す図である。
図9】本発明の他の実施形態に係るソケット装置の断面構成図である。
図10】本発明の別の実施形態に係るソケット装置の斜視構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
まず、本明細書及び請求の範囲で使用された用語や単語は、通常的かつ辞典的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者は自身の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則に即して、本発明の技術的思想に符合する意味と概念で解釈されるべきである。
【0032】
したがって、本明細書に記載された実施形態と図面に示された構成は、本発明の最も好適な一実施形態に過ぎないもので、本発明の技術的思想をすべて代弁するものではないので、本出願時点においてこれらを代替することができる様々な均等物と変形例があり得ることを理解すべきである。
【0033】
以下、本発明の好適な実施形態を添付図面によって詳細に説明する。
【0034】
図3及び図4は本発明の実施形態に係るソケット装置の斜視図であって、図3はリッドが開放された状態を示しており、図4はリッドが閉鎖された状態を示している。
【0035】
図3及び図4を参照すると、本実施形態に係るソケット装置は、半導体素子10が定着されるベース100と、ベース100の一端に上下方向に弾性支持されて備えられるフローティングヒンジブロック210と、フローティングヒンジブロック210と回動自在に組み立てられ、下面に半導体素子10の上面を加圧するように突設された加圧部311が備えられるリッド310と、フローティングヒンジブロック210と並ぶようにベース100の一側に上下方向に弾性支持されてリッド310を固定するフローティングラッチ220と、ベース100とフローティングヒンジブロック210を貫通して軸設(C1)される第1カムシャフトと一体に固定されて回転可能なレバー430と、ベース100とフローティングラッチ220を貫通して軸設(C2)される第2カムシャフトと一体に固定されて回転可能なハンドル440と、両端がそれぞれレバー430とハンドル440に回動自在に連結されるリンク450とを含む。
【0036】
好ましくは、レバー430、ハンドル440およびリンク450は、ベース100の左右に対称となるように一対で設けられてハンドルユニットを構成し、ハンドルユニットの操作によって半導体素子のローディング/アンローディングが行われ、その具体的な動作は、再び具体的に説明する。
【0037】
ベース100は、略正方形の構造をもって中央に半導体素子10が定着される収納部が設けられ、この収納部を中心に両端にそれぞれフローティングヒンジブロック210とフローティングラッチ220が設けられる。フローティングヒンジブロック210は、ヒンジピン211によってリッド310と回動自在に組み立てられる。図示してはいないが、ベース100は、PCBに組み立てるための複数の取付孔が形成できる。
【0038】
ベース100の上部に備えられるフローティングヒンジブロック210とフローティングラッチ220は、それぞれ弾性体によって上下方向に弾性支持され、フローティングヒンジブロック210とフローティングラッチ220は、それぞれレバー430およびハンドル440と一体に固定されるカムシャフトの回転運動と連動して上下高さの調節が行われ、これについての具体的な説明は、関連図面を参照して再び具体的に説明する。図面符号431、441は、レバー430とハンドル440をそれぞれのカムシャフトと一体に組み立てるための軸ボルトである。
【0039】
リッド310の先端には、フローティングラッチ220との嵌合が行われるフック突起312が突設され、下面のほぼ中央に半導体素子10の上面を加圧するように加圧部311が突設される。リッド310の上面には、放熱のためのヒートシンク510が追加できる。
【0040】
このように構成されたソケット装置は、リッド310が開放された状態でベース100に半導体素子10を位置させ、リッド310を閉じてフック突起312とフローティングラッチ220を固定する。この時、加圧部311は、半導体素子10と離隔して水平に位置した状態である。次に、図4に示すように、ハンドル440を押して回転させると、リッド310が水平に下方に移動しながら、加圧部311は、半導体素子10の上面と並んだ状態で面接触が行われて半導体素子10を一定の圧力で押圧する。
【0041】
図5及び図6は本発明の実施形態に係るソケット装置の断面構成図であり、図5はリッドが開放された状態を示しており、図6はリッドが閉鎖された状態を示している。
【0042】
図5及び図6を参照すると、フローティングヒンジブロック210とフローティングラッチ220は、半導体素子10が定着される収納部を中心としてベース100の両端に、それぞれ弾性体101、102a、102bによって弾性支持されて一定の高さD1、D2内で上下移動可能に組み立てられる。
【0043】
具体的には、フローティングヒンジブロック210は、ベース100に上下移動可能に設けられ、ベース100とフローティングヒンジブロック210を水平に貫通する第1カムシャフト410が備えられる。第1カムシャフト410は、円形の断面を持つが、一部の区間では、外周面の一部に軸方向に平面を形成するカム面(can surface)412aを有する。また、フローティングヒンジブロック210は、第1カムシャフト410が軸設される第1組立孔213が形成され、第1組立孔213の上部は、第1カムシャフト410とほぼ同じ曲率の円弧面を有するのに対し、第1組立孔213の下部は、カム面412aとの面接触が行われる平面を有する。
【0044】
したがって、第1カムシャフト410の回転角に応じて、第1弾性体101によって弾性支持されるフローティングヒンジブロック210は、一定の高さD1の範囲内で上下移動が行われる。
【0045】
次に、フローティングラッチ220の上端には、フック突起312との係合が行われるラッチ突起221が設けられ、ベース100とフローティングラッチ220を水平に貫通する第2カムシャフト420が備えられる。第2カムシャフト420は、円形の断面を有するが、一部の区間では、外周面の一部に軸方向に平面を有するカム面422aを備える。また、フローティングラッチ220は、第2カムシャフト420が軸設される第2組立孔222が穿設され、第2組立孔222の上部は、第2カムシャフト420とほぼ同じ曲率の円弧面を有するのに対し、第2組立孔の下部は、カム面422aとの面接触が行われるように平面を有する。このようなフローティングラッチ220は、フローティングヒンジブロック210と同様に、第2カムシャフト420の回転角に応じて、第2弾性体102a、102bによって弾性支持されて一定の高さD2の範囲内で上下移動が可能である。
【0046】
一方、フローティングラッチ220は、フック突起312との係合ができるように、第2カムシャフト420を回転軸として一定の角度の範囲内で前後方向θ2に回転運動が可能である。フローティングラッチ220を弾性支持する第2弾性体102a、102bは、複数で構成でき、好ましくは、第2弾性体102a、102bは、第2カムシャフト420の回転軸に対してフローティングラッチ220に一定のトルクを作用するようにフローティングラッチ220の下部に並列配置される第1コイルばね102aと第2コイルばね102bで構成できる。この時、第2コイルばね102bは、第1コイルばね102aよりも大きいばね定数を有する。したがって、第2弾性体102a、102bは、ラッチ突起221とフック突起312との係合方向にフローティングラッチ220を上方向に弾性支持する。
【0047】
フローティングヒンジブロック210の上端には、リッド310がヒンジピン211によって回転可能に組み立てられ、好ましくは、リッド310を開閉方向に弾性支持するようにヒンジピン211にヒンジばね212が挿入されてベース100とリッド310を弾性支持する。
【0048】
好ましくは、加圧部311の内側には中空ホール311aが形成され、この中空ホール311a内に加熱ユニット313が設けられ得る。加熱ユニット313は、外部から印加される電流によって発熱が行われる熱線であり得るが、これに限定されるものではない。また、温度を検出することができる抵抗温度計が付加されることにより、テスト対象である半導体素子10を適正の温度で加熱してテストを行うことができる。
【0049】
コンタクトモジュール110は、複数のコンタクトが備えられてベース100に固定される。本実施形態では、コンタクトモジュール110はベース100に組立ボルト103によって固定されることを示している。
【0050】
図7図5のA部分の拡大図である。
【0051】
図7を参照すると、コンタクトモジュール110は、複数のコンタクトピン115が配置されてベースに固定される固定プレート111、112と、固定プレート111、112の上部に離隔して弾性支持され、コンタクトピン115の上端の一部が突出して位置するフローティングプレート113とを含むことができる。
【0052】
固定プレート111、112は、下部プレート111と上部プレート112で構成でき、別途の組立ボルトによってベースに固定できる。
【0053】
固定プレート111、112は、複数のコンタクトピン115が貫通して位置する。この時、コンタクトピン115は、ポゴピンなどの周知のばねタイプのプローブ(probe)、またはスタンピングピン(stamping pin)、または加圧伝導シリコンゴム(pressure sensitive conductive rubber:PCR)タイプを含むことができる。
【0054】
フローティングプレート113は、半導体素子10が定着され、複数のばね114によって弾性支持されて固定プレート111、112の上部に離隔して位置する。フローティングプレート113は、固定プレート111、112に固定されるコンタクトピン115と対応して貫通孔が形成され、この貫通孔を介して各コンタクトピン115の上端の一部は突出して位置することで半導体素子10の各端子11と接触する。
【0055】
好ましくは、フローティングプレート113は、半導体素子10の定着を案内するように側面に傾斜を有するガイド面113aが形成できる。
【0056】
次に、前述したフローティングヒンジブロック210とフローティングラッチ220の上下高さの調節は、各カムシャフト410、420と同期化されて駆動されるハンドルユニットの操作によって行われ、図8を参照して具体的に説明する。
【0057】
図8の(a)(b)は、本発明の実施形態に係るソケット装置におけるハンドルユニットとカムシャフトとの作動関係を示す図であって、矢印方向は、各カムシャフトのカム面方向を示す。
【0058】
図8の(a)はリッドが開放された状態のハンドルユニットとカムシャフトとの位置関係を示している。第1カムシャフト410は、円形の断面を有する第1区間411と、カム面が形成された第2区間412に区分される。第1カムシャフト410の円形断面を有する第1区間411は、ベース(図示せず)に軸設されて回転が行われ、カム面を有する第2区間412は、フローティングヒンジブロック210に組み立てられる。図面符号214は、リッドとヒンジピンによって組み立てられるヒンジブラケットである。
【0059】
第1カムシャフト410と同様に、第2カムシャフト420は、円形の断面を有する第1区間421と、カム面が形成された第2区間422に区分され、第1区間421は、ベース(図示せず)に軸設されて回転が行われ、カム面を有する第2区間422は、フローティングラッチ220に組み立てられる。
【0060】
一方、第1カムシャフト410は、レバー430と軸ボルトによって一体に固定されて回転が行われ、第2カムシャフト420は、ハンドル440と軸ボルトによって一体に固定されて回転が行われる。レバー430とハンドル440とがリンク450によって連結され、ハンドル440の回転操作によって第1カムシャフト410と第2カムシャフト420とは同期化されて一定の角度だけ回転し、本実施形態において、ハンドル440がほぼ直角である場合に、第1カムシャフト410と第2カムシャフト420の各カム面は、下方を指向する位置関係を有する。
【0061】
次に、図8の(b)に示すように、ハンドル440を押して水平状態になると、第1カムシャフト410と第2カムシャフト420の各カム面は水平方向を指向する。
【0062】
このようにハンドル440の操作位置(垂直/水平)によって、各カムシャフト410、420のカム面は約90°の範囲で回転が行われる。前述したように、各カムシャフト410、420の回転角に応じて、フローティングヒンジブロック210とフローティングラッチ220は、弾性体によって上方向に弾性支持されて上下高さの調節が行われ得る。
【0063】
このように構成された本実施形態のソケット装置による半導体素子のローディング過程は、次のとおりである。
【0064】
図5を参照すると、リッド310が開放された状態でベース100に半導体素子10を位置させ、リッド310を閉じてフック突起312とフローティングラッチ220を固定する。一方、ハンドル440の垂直状態では、弾性体101、102a、102bによって上方に支持されるフローティングヒンジブロック201とフローティングラッチ220によって、リッド310の加圧部311は半導体素子10と離隔して並んで位置した状態を維持している。
【0065】
次に、図6に示すように、ハンドル440を90°回転させると、第1及び第2カムシャフト410、420が一緒に90°回転しながら、フローティングヒンジブロック210とフローティングラッチ220が下方に移動する。よって、それと一緒にリッド310が下方に移動して加圧部311が半導体素子10の上面全体を均一に押圧する。一方、フローティングヒンジブロック210とフローティングラッチ220が下方に移動しながら、弾性体101、102a、102bは圧縮された状態であり、ハンドル440を再び逆方向に90°回転させると、第1及び第2カムシャフト410、420の逆回転が行われ、弾性体101、102a、102bの復元力によって、フローティングヒンジブロック210およびフローティングラッチ220と共にリッド310は上方に移動して、加圧部311と半導体素子10は再び離隔する。
【0066】
図9は本発明の他の実施形態に係るソケット装置の断面構成図であって、それ以前の実施形態と重複する説明は省略し、相違点を中心に説明する。
【0067】
図9に例示されているように、本実施形態のソケット装置は、フローティングヒンジブロック710に回動自在に組み立てられるリッド610の先端には、弾性体611によって弾性支持されて回動可能なラッチ部材612が設けられ、これに対応して、フローティングラッチ720には、ラッチ部材612が係合される係止突起721が設けられる。
【0068】
本実施形態において、フローティングヒンジブロック710とフローティングラッチ720は、ベースに上下移動可能に組み立てられてハンドルユニットの操作によって半導体素子のローディングが行われるのはそれ以前の実施形態と同様であり、リッド610とフローティングラッチ720の固定過程で、リッド610に回動自在に設けられたラッチ部材612が係止突起721に係止されて固定されることを特徴とする。
【0069】
図10は本発明の別の実施形態に係るソケット装置の斜視構成図であって、リッドの上部に備えられるヒートシンク510の上部には冷却ファン800が付加できる。
【0070】
以上のように、本発明はたとえ限定された実施形態と図面によって説明されたが、本発明はこれらによって限定されず、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって、本発明の技術思想および下記の請求の範囲と均等な範囲内で多様な修正及び変形が可能である。
【符号の説明】
【0071】
10 半導体素子
100 ベース
110 コンタクトモジュール
101 第1弾性体
102a、102b 第2弾性体
210、710 フローティングヒンジブロック
211 ヒンジピン
212 ヒンジばね
213 第1組立孔
214 ヒンジブラケット
220、720 フローティングラッチ
221 ラッチ突起
222 第2組立孔
310、610 リッド
311 加圧部
312 フック突起
313 加熱ユニット
410 第1カムシャフト
420 第2カムシャフト
430 レバー
440 ハンドル
450 リンク
510 ヒートシンク
612 ラッチ部材
721 係止突起
800 クーリングファン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8(a)】
図8(b)】
図9
図10