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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-16
(45)【発行日】2022-03-25
(54)【発明の名称】状態収集システム
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20220317BHJP
【FI】
G05B23/02 V
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018547561
(86)(22)【出願日】2017-10-13
(86)【国際出願番号】 JP2017037150
(87)【国際公開番号】W WO2018079306
(87)【国際公開日】2018-05-03
【審査請求日】2020-08-21
(31)【優先権主張番号】P 2016208806
(32)【優先日】2016-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】太田 聡
(72)【発明者】
【氏名】反町 康夫
【審査官】影山 直洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-139227(JP,A)
【文献】特開2011-108112(JP,A)
【文献】特開昭61-211787(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出装置と、ネットワーク構築装置と、データ記憶装置と、データ記憶カードと、携帯端末と、を備え、
前記検出装置は、所定の測定対象の状態を検出する検出部と、所定の情報を非接触で記憶可能なタグ部とを有し、少なくとも前記検出部が検出した前記状態及び前記検出装置を特定する検出装置特定情報を、前記ネットワーク構築装置によって構築されるネットワークを介して前記ネットワーク構築装置に送信し、
前記データ記憶装置は、少なくとも前記ネットワーク構築装置から受信する前記状態及び前記検出装置特定情報を格納する記憶部を有し、
前記データ記憶カードは、前記情報を格納し、かつ、前記携帯端末と非接触で通信可能であり、
前記携帯端末は、前記データ記憶カードから前記情報を非接触で自動的に読み取り可能であり、かつ、前記検出装置の前記タグ部に読み取った前記情報を非接触で自動的に格納させることが可能なタグ制御部を有し、
前記検出装置は、前記タグ部に前記情報が格納された場合に、所定の動作を行い、
前記データ記憶カードとして、複数種類のデータ記憶カードを含み、前記複数種類のデータ記憶カードは、各々がその外装部に各々の種類に対応する複数種類の対応色を有し、
前記携帯端末は、前記複数種類の対応色の少なくともいずれかで発光可能な第1の発光部と、前記タグ制御部が前記複数種類のデータ記憶カードのいずれかの読み込み待ち及び読み込み完了の少なくともいずれかである場合に、前記第1の発光部を読み込み待ち及び読み込み完了の少なくともいずれかであるデータ記憶カードの種類に対応する対応色で発光させる発光制御部と、を備えてなる、
ことを特徴とする状態収集システム。
【請求項2】
前記データ記憶カードとして、前記情報として前記ネットワークに接続するためのネットワーク特定情報を含むネットワーク情報を格納する第1のデータ記憶カードを少なくとも含み、
前記検出装置は、前記タグ部に前記ネットワーク情報が格納された場合に、前記ネットワーク構築装置に少なくとも前記ネットワーク特定情報を送信し、
前記ネットワーク構築装置は、前記ネットワーク特定情報を用いて前記検出装置の前記ネットワークへの接続を許可するか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の状態収集システム。
【請求項3】
前記データ記憶カードとして、前記情報として前記検出部の種類を示す種類情報を格納する第2のデータ記憶カードをさらに含み、
前記携帯端末の前記タグ制御部は、前記第1のデータ記憶カードから前記ネットワーク情報を非接触で自動的に読み取った後に、前記第2のデータ記憶カードから前記種類情報を自動的に読み取り可能となり、かつ、前記検出装置の前記タグ部に読み取った前記ネットワーク情報と前記種類情報とを非接触で自動的に格納させることが可能であり、
前記検出装置は、前記タグ部に格納された前記種類情報に対応する検出部が検出した前記状態及び前記検出装置特定情報を、前記ネットワークを介して前記ネットワーク構築装置に送信する、
ことを特徴とする請求項2に記載の状態収集システム。
【請求項4】
前記データ記憶カードとして、前記情報として作業者を特定する作業者特定情報を格納する第3のデータ記憶カードと、前記情報として作業者の作業内容を示す作業内容情報を格納する第4のデータ記憶カードと、をさらに含み、
前記携帯端末の前記タグ制御部は、前記第3のデータ記憶カードから前記作業者特定情報を非接触で自動的に読み取り可能であるとともに、前記作業者特定情報を読み取った後に、前記第4のデータ記憶カードから前記作業内容情報を読み取り可能となり、かつ、前記検出装置の前記タグ部に読み取った前記作業者特定情報と前記作業内容情報を非接触で自動的に格納させることが可能であり、
前記検出装置は、前記タグ部に格納された前記作業者特定情報及び前記作業内容情報と前記検出装置特定情報とを、前記ネットワークを介して前記ネットワーク構築装置に送信し、
前記データ記憶装置は、前記ネットワーク構築装置から受信した前記作業者特定情報と
前記作業内容情報と前記検出装置特定情報とを前記記憶部に格納する、
ことを特徴とする請求項1に記載の状態収集システム。
【請求項5】
前記データ記憶カードは、第1のパスワード情報を格納し、前記携帯端末の前記タグ制御部に対して前記第1のパスワード情報を認証した場合に、前記携帯端末の前記タグ制御部に対して前記情報の読み取りを許可する、
ことを特徴とする請求項1に記載の状態収集システム。
【請求項6】
前記検出装置の前記タグ部は、第2のパスワード情報を格納し、前記携帯端末の前記タグ制御部に対して前記第2のパスワード情報を認証した場合に、前記携帯端末の前記タグ制御部に対して前記情報の書き込みを許可する、
ことを特徴とする請求項1に記載の状態収集システム。
【請求項7】
前記携帯端末の前記発光制御部は、前記複数種類のデータ記憶カードのいずれかの読み込み待ちである場合に、前記第1の発光部を読み込み待ちであるデータ記憶カードの種類に対応する対応色で第1の状態にて発光させ、前記複数種類のデータ記憶カードのいずれかの読み込み完了である場合に、前記第1の発光部を読み込み完了のデータ記憶カードの種類に対応する対応色で前記第1の状態とは異なる第2の状態にて発光させる、
ことを特徴とする請求項に記載の状態収集システム。
【請求項8】
前記第1の発光部は、列状に配置された複数の発光部からなる、
ことを特徴とする請求項に記載の状態収集システム。
【請求項9】
前記携帯端末は、前記複数種類の対応色と異なる第1の報知色及び第2の報知色で発光可能な第2の発光部を備え、
前記発光制御部は、前記タグ制御部が前記検出装置の前記タグ部への書き込み待ち及び書き込み完了の少なくともいずれかである場合に、前記第2の発光部を前記第1の報知色で発光させ、前記タグ制御部が前記タグ部への書き込み失敗、前記複数種類のデータ記憶カードのいずれかの読み込み失敗及び初期化に伴う自己診断機能におけるエラーの少なくともいずれかである場合に、前記第2の発光部を前記第2の報知色で発光させる、
ことを特徴とする請求項に記載の状態収集システム。
【請求項10】
前記携帯端末は、音声を出力可能な音声出力部と、前記タグ制御部が前記複数種類のデータ記憶カードのいずれかの読み込み完了及び読み込み失敗、前記検出装置の前記タグ部への書き込み待ち及び書き込み失敗並びに初期化に伴う自己診断機能におけるエラーの少なくともいずれかである場合に、前記音声出力部に所定の音声を出力させる音声制御部と、を備えてなる、
ことを特徴とする請求項に記載の状態収集システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、状態収集システムに関する。本発明は、特に、所定の測定対象の状態を検出する検出装置の設置に係る作業及び/または作業者の作業内容の連絡に係る作業を簡素化する状態収集システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、検出装置と、携帯端末と、ネットワーク構築装置と、データ記憶装置と、を備えるプラント機器状態収集システムが開示されている。特許文献1に記載されているプラント機器状態収集システムにおいては、検出装置は、プラント内に配置されたプラント機器の状態を検出する検出部と、ネットワーク構築装置によって構築されるネットワークに接続可能なネットワーク接続部と、携帯端末から少なくともネットワークに接続するためのネットワーク情報を含む設定情報の少なくとも一部を非接触で記憶可能なタグ部とを有し、少なくとも検出部が検出したプラント機器の状態及び検出装置を特定する特定情報を、ネットワークを介してネットワーク構築装置に送信し、携帯端末は、検出装置のタグ部に設定情報の少なくとも一部を非接触で自動的に記憶させることが可能なタグ制御部を有し、且つデータ記憶装置と通信可能に構成されており、データ記憶装置は、少なくともネットワーク構築装置から受信するプラント機器の状態及び検出装置の特定情報を記憶する記憶部を有し、ネットワーク構築装置は、携帯端末によって検出装置のタグ部にネットワーク情報が記憶されたときに、このネットワーク情報を用いて検出装置のネットワークへの接続を許可するか否かを判定する。
【0003】
特許文献1に記載されているプラント機器状態収集システムにおいて、作業者は、携帯端末に入力されたネットワーク情報を、非接触で自動的に検出装置に記憶させることができる。すなわち、例えば、作業者は、検出装置に有線接続された携帯端末に対して検出装置にネットワーク情報を記憶させるための操作をする必要がない。したがって、携帯端末と検出装置を接続するケーブル等を接続する作業及び取り外しをする作業が作業者に発生しないことによって、検出装置をプラント機器に取り付ける作業を簡素化することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-139227号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載されているプラント機器状態収集システムでは、携帯端末として、検出装置のタグ部に非接触で記憶させる情報を作業者が手動入力するためにタッチパネル式のディスプレイモジュールなどの入力部及び表示部を有するタブレット端末が用いられている。また、作業者がこのタブレット端末にタッチパネル式のディスプレイモジュールを用いてプラント機器の点検や修繕等の作業内容をタッチ操作等で入力し、無線通信を介してデータ記憶装置(クラウドサーバ)に送信可能である。
【0006】
しかしながら、検出装置をプラントに設置する場合(新規に設置する場合及び交換する場合)に、作業者がタブレット端末のタッチパネル式のディスプレイモジュールを用いて設定情報を手動入力すると、入力ミスや入力確認の時間を要するなど、設置作業が煩雑になり、検出装置をプラント機器に取り付ける作業全体として煩雑になる。作業内容の連絡に際しても、同様に入力ミスや入力確認の時間を要するなど、連絡作業が煩雑となり、プラント機器状態収集システムを運用する作業全体として煩雑になる。このように、プラント機器状態収集システムにおいて検出装置を設置する作業及び作業者の作業内容を連絡する作業には改善の余地がある。
【0007】
本発明は、所定の測定対象の状態を検出する検出装置の設置に係る作業及び/または作業者の作業内容の連絡に係る作業を簡素化する状態収集システムを提供することを1つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の状態収集システムは、検出装置と、ネットワーク構築装置と、データ記憶装置と、データ記憶カードと、携帯端末と、を備え、
前記検出装置は、所定の測定対象の状態を検出する検出部と、所定の情報を非接触で記憶可能なタグ部とを有し、少なくとも前記検出部が検出した前記状態及び前記検出装置を特定する検出装置特定情報を、前記ネットワーク構築装置によって構築されるネットワークを介して前記ネットワーク構築装置に送信し、
前記データ記憶装置は、少なくとも前記ネットワーク構築装置から受信する前記状態及び前記検出装置特定情報を格納する記憶部を有し、
前記データ記憶カードは、前記情報を格納し、かつ、前記携帯端末と非接触で通信可能であり、
前記携帯端末は、前記データ記憶カードから前記情報を非接触で自動的に読み取り可能であり、かつ、前記検出装置の前記タグ部に読み取った前記情報を非接触で自動的に格納させることが可能なタグ制御部を有し、
前記検出装置は、前記タグ部に前記情報が格納された場合に、所定の動作を行う、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、所定の測定対象の状態を検出する検出装置の設置に係る作業及び/または作業者の作業内容の連絡に係る作業を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明のプラント機器状態収集システムの全体構成の例を示す図である。
図2A図1に示されるプラント機器状態収集システムの各構成要素の内部構造の例を示す図である。
図2B図1に示されるネットワーク構築装置が記憶するネットワーク構築情報及び図1に示されるデータ記憶装置が記憶するプラント情報のデータ構造の例を示す図である。
図2C図1に示される携帯端末の外観を示す図である。
図2D図1に示されるデータ記憶カードの例を示す図である。
図2E図2Aに示される携帯端末のタグ制御部による、検出装置のタグ部への情報の記憶及びタグ部からの情報の取得の動作の一例を示す図である。
図2F図1に示される携帯端末の状態遷移を示す図である。
図2G図2Aに示される携帯端末のタグ制御部の状態遷移を示す図である。
図2H図2Aに示される携帯端末の発光部及びブザーの動作の例を示す図である。
図3A図1に示されるプラント機器状態収集システムがプラント機器の状態を収集する動作の例を示すフローチャートである。
図3B図3Aに示される動作で使用されるデータ構造の例を示す図である。
図4A図1に示される検出装置を取り付ける作業の例を示すフローチャートである。
図4B図4Aに示される作業で使用されるデータ構造の例を示す図である。
図4C図4Aに示される作業において図1に示される携帯端末を用いた作業を示す図である。
図5A図1に示される携帯端末を用いて作業内容を送信する作業の例を示すフローチャートである。
図5B図5Aに示される作業で使用されるデータ構造の例を示す図である。
図5C図5Aに示される作業において図1に示される携帯端末を用いた作業を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に説明する好ましい実施形態は、本発明を容易に理解するために用いられている。従って、当業者は、本発明が、以下に説明される実施形態によって不当に限定されないことを留意すべきである。
【0012】
《1.全体の構成》
図1に示されるように、状態収集システム1は、検出装置10とネットワーク構築装置20とデータ記憶装置30と携帯端末40とデータ記憶カード50とを備える。検出装置10は、複数個備えられ、各検出装置10は、図示されていないプラント内に配置される複数のプラント機器のうち対応するプラント機器に取り付けられる。複数の検出装置10は、ネットワーク構築装置20が構築する例えば無線LAN(Local Area Network)及びZigBee(登録商標)等の規格を用いた無線センサネットワーク(Wireless Sensor Network;WSN)に接続することができる。WSNは、いわゆるメッシュ型ネットワークであることが好ましい。すなわち、複数の検出装置10がネットワーク構築装置20と接続し、各検出装置10(例えば、検出装置10-b)は、それ自身が隣接する他の1又は複数の検出装置10(例えば、検出装置10-a及び検出装置10-c)とも接続することが好ましい。また、ネットワーク構築装置20から距離が離れていること等によってWSNと直接接続できない検出装置10(例えば、検出装置10-a)が存在するときは、プラント機器状態収集システム1は中継器60を更に備えて、WSNの接続可能範囲を補間してもよい。
【0013】
ネットワーク構築装置20は、3G回線又はLTE(Long Term Evolution)回線等のモバイル通信を利用可能に構成されている。以下、「3G回線又はLTE回線等のモバイル通信」を「3G/LTE」とも呼ぶ。ネットワーク構築装置20は、3G/LTEを介してデータ記憶装置30と通信可能に構成されている。
【0014】
図1に示される例では、3個の検出装置10-a,10-b,10-cがネットワーク構築装置20によって構築されるWSNに接続されるように示されているが、WSNに接続される検出装置10は、4個以上であってもよく、1又は2個であってもよい。また、実際のプラント機器状態収集システム1では、複数のネットワーク構築装置(図1のネットワーク構築装置20及び図示されていない他の1又は複数のネットワーク構築装置)が備えられている。図示されていない他の1又は複数のネットワーク構築装置には、図1と同様に、図示されていない複数の検出装置が接続されている。
【0015】
図2Aには、図1に示されるプラント機器状態収集システム1の各構成要素の内部構成の例が示される。図2Aに示される検出装置10は、制御部11、検出部12、ネットワーク接続部13、タグ部14及び報知部15を有する。検出装置10は、図示されていない電源ケーブル等で電力を供給することが困難な場所に取り付けられることが想定されるため、更にバッテリ16を有していることが好ましい。また、検出装置10は、例えば制御部11、検出部12、ネットワーク接続部13、タグ部14及び報知部15の少なくとも1つに対して、電源ケーブル又はバッテリ16からの電力の供給を制御する電源制御部17を更に有してもよい。電源制御部17は、例えば、リレーシーケンス又はトランジスタ等のスイッチング素子等を有する、自己保持回路を備える。以下、「検出装置10」を「センサモジュール10」とも呼ぶ。
【0016】
検出装置10の制御部11は、例えばマイクロコンピュータ等からなり、検出部12、ネットワーク接続部13、タグ部14及び報知部15の動作を制御する。また、制御部11は、例えば、さらにバッテリ16の残量を取得可能に構成されていてもよい。検出装置10の検出部12は、検出装置10が取り付けられたプラント機器の状態を検出する。ここで、プラント機器とは、例えばスチームトラップ、回転機等であり、プラント機器の状態とは、例えばプラント機器の温度、振動、湿度、圧力、ph(ペーハー)等である。
【0017】
検出装置10のネットワーク接続部13は、ネットワーク構築装置20によって構築されるWSNに接続可能に構成されている。検出装置10のタグ部14は、タグIC(integrated circuit)14-1及びタグアンテナ14-2を有する、例えば、NFC(Near Field Communication)に用いられるRF(Radio Frequency)タグである。タグ部14は、後述する携帯端末40のタグ制御部42が、非接触で情報をタグIC14-1に例えば書き込むことによって格納させることができるように構成されている。ここで、非接触とは、検出装置10のタグ部14と携帯端末40のタグ制御部42とを例えばケーブル等で有線接続されること等によって、検出装置10のタグ部14と携帯端末40のタグ制御部42とが直接的な状態又は間接的な状態で機械的に接触しないことをいう。また、タグ部14、具体的にはタグIC14-1に、検出装置10を特定する検出装置特定情報である、例えばセンサIDが予め格納されている。
【0018】
検出装置10の報知部15は、例えばLED、ブザー等であって、制御部11の制御によって起動又は停止する。検出装置10のバッテリ16は、検出装置10が電源ON状態であるときに、少なくとも制御部11に対して電力を供給する。検出部12、ネットワーク接続部13、タグ部14及び報知部15に対する電力の供給は、例えば、制御部11を介して電力が供給されてもよく、制御部11を介さずに電力が供給されてもよい。
【0019】
図2Aに示されるネットワーク構築装置20は、制御部21、3G/LTE通信部22、ネットワーク構築部23及び記憶部24を有する。以下、「ネットワーク構築装置20」を「センサゲートモジュール20」とも呼ぶ。
【0020】
ネットワーク構築装置20の制御部21は、例えばマイクロコンピュータ等からなり、3G/LTE通信部22、ネットワーク構築部23及び記憶部24の動作を制御する。ネットワーク構築装置20が3G/LTE通信部22を有することによって、ネットワーク構築装置20は3G/LTEに接続可能である。また、ネットワーク構築装置20は、ネットワーク構築部23を有することによって、WSNを構築可能である。ネットワーク構築装置20が構築するWSNは、特定のネットワーク構築装置20によって構築されたWSNであることを特定するネットワーク特定情報である、例えばネットワークIDが与えられている。
【0021】
ネットワーク構築装置20の記憶部24は、例えば、図2Bに示されているネットワーク構築装置20が構築するWSNのネットワーク構築情報(データ001)を記憶する。ネットワーク構築情報(データ001)は、例えば、ネットワークID、このネットワークIDで特定されるWSNに接続されている検出装置10のセンサID及びこれらの検出装置10のWSNへの接続状態のリストを含む。ネットワークIDで特定されるWSNに中継器60が接続されているときは、ネットワーク構築情報(データ001)は、中継器ID及び中継器のWSNへの接続状態を更に含んでもよい。
【0022】
図2Aに示されるデータ記憶装置30は、制御部31、3G/LTE通信部32及び記憶部33を有する。以下、「データ記憶装置30」を「クラウドサーバ30」とも呼ぶ。
【0023】
データ記憶装置30の記憶部33は、例えば、図2Bに示されているプラント情報(データ002)を記憶する。プラント情報(データ002)は、例えば、複数のネットワークID、各ネットワークIDで特定されるWSNに接続されている検出装置10のセンサID、検出装置10の接続状態、検出装置10の取付情報(SM(センサモジュール)取付情報)、検出装置10の動作条件(SM動作条件)、プラント機器の状態及び検出装置10が検出する検出値、作業者ID及び作業内容を含む。検出装置10の取付情報は、例えば、プラント内の番地等の取付エリアを含む。検出装置10の動作条件は、例えば、検出装置10の検出部12が検出する検出項目を含む。また、中継器60が接続されているWSNが存在するときは、中継器ID、これらのWSNへの接続状態及び中継器の取付情報を更に含んでもよい。なお、プラント情報(データ002)には、ネットワーク構築情報(データ001)の全ての項目が含まれている。
【0024】
図2Aに示される携帯端末40は、制御部41、タグ制御部42、記憶部43、発光部44及びブザー45(音声出力部の一例)を有する。携帯端末40は、プラント内で働く作業者がプラント内で携帯することが想定されるため、更にバッテリ46を有していることが好ましい。また、携帯端末40は、例えば制御部41、タグ制御部42、記憶部43、発光部44及びブザー45の少なくとも1つに対して、バッテリ46からの電力の供給を制御する電源制御部47を更に有してもよい。電源制御部47は、例えば、リレーシーケンス又はトランジスタ等のスイッチング素子等を有する、自己保持回路を備える。携帯端末40は、情報の取得をタグ制御部42のみで行い、作業者が入力操作を行うためのタッチパネル式のディスプレイのような表示部及び入力部を備えない。以下、「携帯端末40」を「ノッカー40」とも呼ぶ。
【0025】
携帯端末40の制御部41は、例えばマイクロコンピュータ等からなり、タグ制御部42、記憶部43、発光部44、ブザー45の動作を制御する。すなわち、制御部41は発光制御部及び音声制御部として機能する。また、制御部41は、例えば、さらにバッテリ46の残量を取得可能に構成されていてもよい。携帯端末40のタグ制御部42は、タグリーダ/ライタ42-1及びタグ制御アンテナ42-2を有する。タグ制御部42は、検出装置10のタグ部14へ非接触で情報を書き込むことによって格納させることができる。検出装置10は、タグ部14へ情報が格納された場合に、ネットワークへの参加や自身の制御、情報のネットワーク構築装置20への送信などの所定の動作を行う。また、タグ制御部42は、データ記憶カード50から非接触で情報を読み込むことによって取得することができる。タグ制御部42による、検出装置10のタグ部14への情報の格納及びデータ記憶カード50からの情報の取得は、携帯端末40を検出装置10あるいはデータ記憶カード50にかざすこと、すなわち、例えば携帯端末40を検出装置10あるいはデータ記憶カード50から所定の距離(例えば10cm)まで近づけることによって自動的に実行される。タグ制御部42による、検出装置10のタグ部14への情報の格納及びデータ記憶カード50からの情報の取得の具体的な動作は、図2Eを参照して後述する。記憶部43は、タグ制御部42が読み込んだ情報を格納することができる。携帯端末40の発光部44は、例えば複数のLEDからなり、制御部41の制御によってタグ制御部42の状態やイベントに応じて所定の色で発光可能である。携帯端末40のブザー45は、制御部41の制御によってタグ制御部42の状態やイベントに応じて所定の音声を出力可能である。発光部44及びブザー45の具体的な動作は、図2F図2Hを参照して後述する。携帯端末40のバッテリ46は、携帯端末40が電源ON状態であるときに、少なくとも制御部41に対して電力を供給する。タグ制御部42、記憶部43、発光部44及びブザー45に対する電力の供給は、例えば制御部41を介して電力が供給されてもよく、制御部41を介さずに電力が供給されてもよい。
【0026】
図2Cは、携帯端末40の外観を示す図である。携帯端末40は、筐体40-1と、スライドスイッチ40-2と、プッシュスイッチ40-3と、発光部44を構成するID用発光部44-1(第1の発光部の一例)、作業内容用発光部44-2(第1の発光部の一例)及び書込状態用発光部44-3(第2の発光部の一例)と、を有する。筐体40-1は、例えば導電性樹脂と非導電性樹脂とを適宜組み合わせてなり、上述した各部を収容する。スライドスイッチ40-2は、作業者のスライド操作に応じて携帯端末40の電源のオン・オフを切り替える電源スイッチである。プッシュスイッチ40-3は、作業者のプッシュ操作に応じて携帯端末40のアクティブ状態・非アクティブ状態を切り替え可能なアクティブスイッチである。ID用発光部44-1、作業内容用発光部44-2及び書込状態用発光部44-3は、携帯端末40の表面側から見て横方向に列状に配置されたLEDからなる。ID用発光部44-1は、青色に発光可能である。作業内容用発光部44-2は黄色及びシアン(青緑色)で切り替えて発光可能である。書込状態用発光部44-3は緑色及び赤色で切り替えて発光可能である。各発光部44-1~44-3の各発光色の機能については後で述べる。
【0027】
データ記憶カード50は、いわゆる非接触式のICカードであり、IC51と、アンテナ52とを有し、所定の情報をIC51に予め格納可能であり、かつ、携帯端末40と非接触で通信が可能である。データ記憶カード50は、IC51に予め格納される情報の種類に応じて複数種類が用いられる。以下、「データ記憶カード50」を「作業カード50」とも呼ぶ。
【0028】
図2Dはデータ記憶カード50の例を示すものである。本実施形態においては、複数種類のデータ記憶カード50として、ネットワークIDカード50-1(第1のデータ記憶カードの一例)、作業者IDカード50-2(第3のデータ記憶カードの一例)、作業内容(設置時用)カード50-3(第2のデータ記憶カードの一例)及び作業内容(運用時用)カード50-4(第4のデータ記憶カードの一例)を有する。ネットワークIDカード50-1は、情報としてネットワーク構築装置20が構築するWSNに接続するためのネットワーク情報が格納されている。このネットワーク情報には、WSNを特定するネットワーク特定情報であるネットワークID及びこのネットワークIDで特定されるWSNに接続するためのネットワークパスワードが含まれる。ネットワークIDカード50-1は、WSNの数だけ、すなわち、ネットワーク構築装置20の数だけ複数用意される。作業者IDカード50-2は、情報として作業者を特定する作業者特定情報である、作業者IDが格納されている。作業者IDカード50-2は、作業者の数だけ複数用意される。作業内容(設置時用)カード50-3は、情報として検出装置10に接続される検出部12の種類を示す種類情報(以下、単に「検出部12の種類」とも呼ぶ)を格納する。作業内容(設置時用)カード50-3は、プラント機器状態収集システム1で準備された検出部12の種類の数だけ複数用意され、例えば「温度センサ」、「振動センサ」、「センサなし(中継器)」、「汎用センサ」などがある。作業内容(運用時用)カード50-4は、情報として設備点検などにおける作業者の作業内容を示す作業内容情報(以下、単に「作業内容」とも呼ぶ)を格納するものである。作業内容(運用時用)カード50-4は、作業内容等の種類の数だけ複数用意され、例えば設備点検等の作業内容として「異常なし」、「異常あり(注意)」、「異常あり(警告)」、「修理完了」などがある。また、作業内容として設置後の検出装置10に対して動作を変更させる動作内容を含んでもよく、動作内容としては「停止(自動復旧不可)」、「再接続」、「初期化」などがある。作業内容は、例えば英数字と記号の組み合わせからなるIDとして格納される。データ記憶装置30には、このIDに関連付けられて例えば作業内容を示す紐付けデータ(例えばテキストデータ)が格納される。これにより、送信データの負荷を軽減することができ、また、データ記憶装置30側でのデータ管理の自由度が増す。前述の作業者IDについても同様に英数字と記号の組み合わせからなり、データ記憶装置30に作業者IDに関連付けられて作業者を示す紐付けデータ(例えばテキストデータ)が格納される。ネットワークIDカード50-1、作業者IDカード50-2、作業内容(設置時用)カード50-3、作業内容(運用時用)カード50-4は、樹脂や紙等からなるその外装部にそれぞれの種類に応じた対応色を有する。対応色は例えば印刷等で設けられる。具体的に、ネットワークIDカード50-1及び作業者IDカード50-2は、その対応色として青色を有する。以下、ネットワークIDカード50-1及び作業者IDカード50-2をまとめて「IDカード50-1,50-2」とも呼ぶ。作業内容(設置時用)カード50-3は、その対応色として黄色を有する。作業内容(運用時用)カード50-4は、その対応色としてシアン(青緑色)を有する。このほか、データ記憶カード50として、例えば携帯端末40に所定の動作をさせるカードを更に用意してもよい。
【0029】
プラントの管理者は、3G/LTEに接続可能なノートパソコン等の管理端末70を用いることで、3G/LTEを介してプラント情報(データ002)を閲覧及び編集することができる。その結果、管理者はプラント機器を直接監視しにいくことなく、プラント機器の状態を遠隔で監視することが可能になり、異常状態を発見したときに、携帯端末40を携帯する作業者に修繕作業の指示等をすることが可能になる。
【0030】
図2Aに示される中継器60は、制御部61、ネットワーク接続部62、タグ部63、報知部64及びバッテリ65を有する。また、電源制御部66を更に有してもよい。中継器60は、検出装置10と概ね同様の内部構造であるが、検出部を有さない点で検出装置10と異なる。
【0031】
図2Eを参照して、携帯端末40のタグ制御部42による、検出装置10のタグ部14への情報の格納及びデータ記憶カード50からの情報の取得の動作の一例を説明する。図2Eにおいて、図中の細い矢印は命令等の信号を表し、図中の太い矢印は電力の供給を表す。また、携帯端末40のタグ制御部42による、中継器60のタグ部63への情報の格納の動作も同様であるので説明を省略する。
【0032】
携帯端末40が検出装置10にかざされたとき、携帯端末40のタグ制御部42は、タグリーダ/ライタ42-1が生成する例えば書き込み信号を、タグ制御アンテナ42-2が生成する例えば電波又は磁界に含んで、検出装置10に送信する。検出装置10のタグ部14は、タグアンテナ14-2で受信する電波を整流することによって又は受信する磁界による電磁誘導によって、タグアンテナ14-2に電力が発生する。タグアンテナ14-2は、発生した電力をタグIC14-1に供給し、タグIC14-1が起動する。タグアンテナ14-2が受信する電波又は磁界に含まれる信号が書き込み信号であったとき、起動したタグIC14-1は、書き込み信号に含まれる情報を格納する。
【0033】
このように、携帯端末40のタグ制御部42が、タグ部14へ情報を格納するときは、検出装置10の内部からタグ部14に電力が供給される必要がない。すなわち、検出装置10が電源OFF状態又はスリープ状態であるときも、携帯端末40のタグ制御部42は、検出装置10のタグ部14への情報の格納をすることができる。
【0034】
また、タグアンテナ14-2が受信した電波又は磁界によって起動したタグIC14-1は、例えば、電源制御部17に対して起動信号を出力する。起動信号を入力した電源制御部17は、電源制御部17がバッテリ16から供給される電力を、例えば少なくとも制御部11に対して供給する。例えば、電力が供給された制御部11が起動することによって、検出装置10が電源ON状態となる。すなわち、検出装置10は、携帯端末40のタグ制御部42によってタグ部14に情報が記憶されたときに、電源ON状態となるように構成されている。検出装置10の電源がON状態であるときは、制御部11がタグ部14のタグIC14-1に対して電力を供給することによって、制御部11によるタグIC14-1への情報の格納やタグIC14-1からの情報の取得をすることができる。
【0035】
さらに、電源ON状態である検出装置10が電源OFF状態又はスリープ状態となるときは、制御部11は、電源制御部17に対して停止信号又はスリープ信号を出力する。停止信号又はスリープ信号を入力した電源制御部17は、例えば、少なくとも制御部11に対して電力の供給を停止又は電力供給の量を低下させる。例えば、制御部11への電力の供給が停止されたときに検出装置10は電源OFF状態となり、制御部11への電力供給の量が低下されたときに検出装置はスリープ状態となる。
【0036】
一方、携帯端末40がデータ記憶カード50にかざされたとき、携帯端末40のタグ制御部42は、タグリーダ/ライタ42-1が生成する例えば読み込み信号を、タグ制御アンテナ42-2が生成する例えば電波又は磁界に含んで、データ記憶カード50に送信する。データ記憶カード50は、アンテナ52で受信する電波を整流することによって又は受信する磁界による電磁誘導によって、アンテナ52に電力が発生する。アンテナ52は、発生した電力をIC51に供給し、IC51が起動する。アンテナ52が受信する電波又は磁界に含まれる信号が読み込み信号であったとき、起動したIC51は、読み取り信号に応じてIC51に記憶されている情報を、アンテナ52が生成する電波又は磁界に含んで返信する。携帯端末40のタグ制御部42は、返信された電波又は磁界をタグ制御アンテナ4-2で受信し、電波又は磁界に含まれる情報をタグリーダ/ライタ42-1に送信する。これにより、タグリーダ/ライタ42-1にデータ記憶カード50の情報が格納される。
【0037】
このように、携帯端末40のタグ制御部42が、データ記憶カード50から情報を取得するときは、作業者はタッチパネル式のディスプレイモジュールを用いるような手動操作による煩雑な入力操作を行う必要がない。すなわち、携帯端末40のタグ制御部42は、入力ミスや入力内容の確認時間を生じることなく、作業に必要な情報を格納することができる。
【0038】
図2F図2G及び図2Hを参照して、携帯端末40の状態遷移と発光部44及びブザー45の動作の例について説明する。図2Fは携帯端末40の状態遷移を示している。携帯端末40は、電源オフの状態ST10のときスライドスイッチ40-2オンのイベントEV10が発生すると電源をオンにして非アクティブの状態ST20に遷移する。このとき、携帯端末40は、初期化の処理PC10を行う。初期化の処理PC10において、発光部44は停止し、タグ制御部42は初期化及び自身が正常に機能するか否かを判定する自己診断処理後に停止し、記憶部43に格納されているタグ制御部42が取得した読込情報は消去される。非アクティブの状態ST20は、省電力モードであり、少なくともタグ制御部42及び発光部44を停止する。携帯端末40は非アクティブの状態ST20のときプッシュスイッチ40-3オンのイベントEV20が発生するとアクティブの状態ST30に遷移する。このとき、携帯端末40のタグ制御部42が起動し、記憶部43に記憶される読込情報を読み出す読込情報ロードの処理PC20を行う。記憶部43に記憶される読込情報がない場合は、読み出しは行わない。また、携帯端末40は非アクティブの状態ST20のときスライドスイッチ40-2オフのイベントEV30が発生すると電源オフの状態ST10に遷移する。アクティブの状態ST30は、携帯端末40の全ての機能が実行可能なモードであり、タグ制御部42と発光部44が起動する。アクティブの状態ST30における状態遷移については図2Gを参照して後で述べる。携帯端末40はアクティブの状態ST30のときプッシュスイッチ40-3オフのイベントEV40が発生すると非アクティブの状態ST20に遷移する。このとき、制御部41は、タグ制御部42が取得した読込情報を記憶部33に格納する読込情報セーブの処理PC30を行う。また、携帯端末40はアクティブの状態ST30のときスライドスイッチ40-2オフのイベントEV50が発生すると電源オフの状態ST10に遷移する。
【0039】
図2Gは携帯端末40のアクティブの状態ST30におけるタグ制御部42の状態遷移を示している。図2Hは、タグ制御部42の状態やイベント後処理に応じた発光部44及びブザー45の動作の例を示している。携帯端末40のタグ制御部42は、記憶部33から読み出した読込情報の有無及びその内容によって、後述する状態ST31~35に遷移する。まず、携帯端末40が初期化の処理PC10を経て、すなわち記憶部33に読込情報がない状態でアクティブの状態ST30に遷移すると、タグ制御部42はIDカード50-1,50-2の読込待機の状態(以下、ID読込待機の状態とも呼ぶ)ST31に遷移する。
ID読込待機の状態ST31は、格納している情報がなく、かつIDカード50-1,50-2のみが読み込み可能な状態である。ID読込待機の状態ST31において制御部41は発光部44のうちID用発光部44-1を青色で点滅発光(第1の状態)させる。他の作業内容用発光部44-2,書込状態用発光部44-3は消灯する。作業者は、ID用発光部44-1による対応色(青色)の点滅によって、IDカード50-1,50-2が読み込み可能であることが瞬時に理解できる。ID読込待機の状態ST31のときネットワークIDカード50-1を読み込むイベント(以下、ネットワークID読込イベントとも呼ぶ)EV31-1が発生すると、タグ制御部42はネットワーク情報を取得して作業内容(設置時)カード50-3の読み込み待機の状態(以下、作業内容(設置時)読込待機の状態とも呼ぶ)ST32に遷移する。このとき、制御部41は、ネットワークID読込イベントEV31-1に応じて読込成功通知の処理PC31-1を行う。読込成功通知の処理PC31-1においては、制御部41の制御のもとID用発光部44-1及び作業内容用発光部44-2が状態に依存した動作(この場合では、ID用発光部44-1は青色点滅、作業内容用発光部44-2は消灯)を行い、書込状態用発光部44-3が一定時間緑色で点灯し、ブザー45が「ピッ」の音声を出力する。作業者は、ブザー45の音声と書込状態用発光部44-3の点灯によりネットワークIDカード50-1の読み込みが成功したことを瞬時に理解できる。また、ID読込待機の状態ST31のとき作業者IDカード50-2を読み込むイベント(以下、作業者ID読込イベントとも呼ぶ)EV31-2が発生すると、タグ制御部42は作業者IDを取得して作業内容(運用時)カード50-4の読み込み待機の状態(以下、作業内容(運用時)読込待機の状態とも呼ぶ)ST33に遷移する。このとき、制御部41は、作業者ID読込イベントEV31-2に応じて読込成功通知の処理PC31-2を行う。読込成功通知の処理PC31-2は、前述の読込成功通知の処理PC31-1と同じである。
作業内容(設置時)読込待機の状態ST32は、ネットワークIDカード50-1の読み込みが完了し、かつ、作業内容(設置時)カード50-3のみが読み込み可能な状態である。作業内容(設置時)読込待機の状態ST32において、制御部41は発光部44のうちID用発光部44-1を青色で点灯(第2の状態)させ、作業内容用発光部44-2を黄色で点滅させる。書込状態用発光部44-3は消灯する。作業者は、ID用発光部44-1による対応色(青色)の点灯及び作業内容用発光部44-2の対応色(黄色)による点滅によって、ネットワークIDカード50-1の読み込みが完了し、今度は作業内容(設置時)カード50-3が読み込み待ちであることが瞬時に理解できる。作業内容(設置時)読込待機の状態ST32のとき作業内容(設置時)カード50-3を読み込むイベント(以下、作業内容(設置時)読込イベントとも呼ぶ)EV32-1が発生すると、タグ制御部42は検出部12の種類を取得して検出装置10へのネットワーク情報及び検出部12の種類(以下、設置情報とも呼ぶ)の書き込み待機の状態(以下、設置情報書込待機の状態とも呼ぶ)ST34に遷移する。このとき、制御部41は、作業内容(設置時)読込イベントEV32-1に応じて読込成功通知の処理PC32-1を行う。読込成功通知の処理PC32-1においては、制御部41の制御のもとID用発光部44-1及び作業内容用発光部44-2が状態に依存した動作(この場合では、ID用発光部44-1は青色点灯、作業内容用発光部44-2は黄色点滅)を行い、書込状態用発光部44-3が一定時間緑色で点灯し、ブザー45が「ピッ」の音声を出力する。また、作業内容(設置時)読込待機の状態ST32のとき作業者ID読込イベントEV32-2が発生すると、タグ制御部42は作業者IDを取得して作業内容(運用時)読込待機の状態ST33に遷移する。このとき、タグ制御部42に格納されるネットワーク情報は消去される。すなわち、ネットワーク情報と作業者IDとはいずれか一方のみがタグ制御部42に格納できる。また、このとき、制御部41は、作業者ID読込イベントEV32-2に応じて読込成功通知の処理PC32-2を行う。読込成功通知の処理PC32-2は、前述の読込成功通知の処理PC32-1と同じである。また、作業内容(設置時)読込待機の状態ST32のときネットワークID読込イベントEV32-3が発生すると、タグ制御部42はネットワーク情報を取得、更新して再び作業内容(設置時)読込待機の状態ST32に遷移する。このとき、制御部41は、ネットワークID読込イベントEV32-3に応じて、読込成功通知の処理PC32-3を行う。読込成功通知の処理PC32-3は、前述の読込成功通知の処理PC32-1と同じである。
作業内容(運用時)読込待機の状態ST33は、作業者IDカード50-2の読み込みが完了し、かつ作業内容(運用時)カード50-4のみが読み込み可能な状態である。作業内容(運用時)読込待機の状態ST33において、制御部41は発光部44のうちID用発光部44-1を青色で点灯させ、作業内容用発光部44-2をシアンで点滅させる。書込状態用発光部44-3は消灯する。作業者は、ID用発光部44-1による対応色(青色)の点灯及び作業内容用発光部44-2の対応色(シアン)による点滅によって、作業者IDカード50-2の読み込みが完了し、今度は作業内容(運用時)カード50-4の読み込み待ちであることが瞬時に理解できる。作業内容(運用時)読込待機の状態ST33のとき作業内容(運用時)カード50-4を読み込むイベント(以下、作業内容(運用時)読込イベントとも呼ぶ)EV33-1が発生すると、タグ制御部42は作業内容あるいは動作内容を取得して検出装置10への作業者ID及び作業内容等(以下、運用情報とも呼ぶ)の書き込み待機の状態(以下、運用情報書込待機の状態とも呼ぶ)ST35に遷移する。このとき、制御部41は、作業内容(運用時)読込イベントEV33-1に応じて読込成功通知の処理PC33-1を行う。読込成功通知の処理PC33-1においては、制御部41の制御のもとID用発光部44-1及び作業内容用発光部44-2がタグ制御部42の状態に依存した動作(この場合では、ID用発光部44-1は青色点灯、作業内容用発光部44-2はシアン点滅)を行い、書込状態用発光部44-3が一定時間緑色で点灯し、ブザー45が「ピッ」の音声を出力する。また、作業内容(運用時)読込待機の状態ST33のときネットワークID読込イベントEV33-2が発生すると、タグ制御部42はネットワーク情報を取得して作業内容(設置時)読込待機の状態ST32に遷移する。このとき、タグ制御部42に格納される作業者IDは消去される。また、このとき、制御部41は、ネットワークID読込イベントEV33-2に応じて読込成功通知の処理PC33-2を行う。読込成功通知の処理PC33-2は、前述の読込成功通知の処理PC33-1と同じである。また、作業内容(運用時)読込待機の状態ST33のとき作業者ID読込イベントEV33-3が発生すると、タグ制御部42は作業者IDを取得、更新して再び作業内容(運用時)読込待機の状態ST33に遷移する。このとき、制御部41は、作業者ID読込イベントEV33-3に応じて、読込成功通知の処理PC33-3を行う。読込成功通知の処理PC33-3は、前述の読込成功通知の処理PC33-1と同じである。
設置情報書込待機の状態ST34は、ネットワークIDカード50-1及び作業内容(設置時)カード50-3の読み込みが完了し、検出装置10に設置情報を書込み可能な状態である。設置情報書込待機の状態ST34において、制御部41は発光部44のうちID用発光部44-1を青色で点灯させ、作業内容用発光部44-2を黄色で点灯させ、書込状態用発光部44-3を緑色で点滅させる。作業者は、ID用発光部44-1及び作業内容用発光部44-2による対応色(青色及び黄色)の点灯及び書込状態用発光部44-3の緑色による点滅によって、ネットワークIDカード50-1及び作業内容(設置時)カード50-3の読み込みが完了し、今度は検出装置10に設置情報が書き込み待ちであることが瞬時に理解できる。設置情報書込待機の状態ST34のとき検出装置10へ設置情報を書き込むイベント(以下、設置情報書込イベントとも呼ぶ)EV34-1が発生すると、タグ制御部42は設置情報を保持しつつ再び設置情報書込待機の状態ST34に遷移する。したがって、検出装置10への設置情報の書込みは連続して行うことができる。このとき、制御部41は設置情報書込イベントEV34-1に応じて、書込成功通知の処理PC34-1を行う。書込成功通知の処理PC34-1においては、制御部41の制御のもとID用発光部44-1及び作業内容用発光部44-2がタグ制御部42の状態に依存した動作(この場合では、ID用発光部44-1は青色点灯、作業内容用発光部44-2は黄色点灯)を行い、書込状態用発光部44-3が一定時間緑色で点灯し、ブザー45が「ピッピッ」の音声を出力する。また、設置情報書込待機の状態ST34のとき作業内容(設置時)読込イベントEV34-2が発生すると、タグ制御部42は検出部12の種類を取得、更新し再び設置情報書込待機の状態ST34に遷移する。したがって、同じネットワーク情報を保持したまま検出部12の種類を変更して、検出装置10への設置情報の書込みを行うことができる。このとき、制御部41は、作業内容(設置時)読込イベントEV34-2に応じて、読込成功通知の処理PC34-2を行う。読込成功通知の処理PC34-2においては、制御部41の制御のもとID用発光部44-1及び作業内容用発光部44-2が状態に依存した動作(この場合では、ID用発光部44-1は青色点灯、作業内容用発光部44-2は黄色点灯)を行い、書込状態用発光部44-3が一定時間緑色で点灯し、ブザー45が「ピッ」の音声を出力する。
運用情報書込待機の状態ST35は、作業者IDカード50-2及び作業内容(運用時)カード50-3の読み込みが完了し、検出装置10に運用情報を書込み可能な状態である。運用情報書込待機の状態ST35において、制御部41は発光部44のうちID用発光部44-1を青色で点灯させ、作業内容用発光部44-2をシアンで点灯させ、書込状態用発光部44-3を緑色で点滅させる。作業者は、ID用発光部44-1及び作業内容用発光部44-2による対応色(青色及びシアン)の点灯及び書込状態用発光部44-3の緑色による点滅によって、作業者IDカード50-2及び作業内容(運用時)カード50-4の読み込みが完了し、今度は検出装置10に運用情報が書き込み待ちであることが瞬時に理解できる。運用情報書込待機の状態ST35のとき検出装置10へ運用情報を書き込むイベント(以下、運用情報書込イベントとも呼ぶ)EV35-1が発生すると、タグ制御部42は運用情報を保持しつつ再び運用情報書込待機の状態ST35に遷移する。したがって、検出装置10への運用情報の書込みは連続して行うことができる。このとき、制御部41は運用情報書込イベントEV35-1に応じて、書込成功通知の処理PC35-1を行う。書込成功通知の処理PC35-1においては、制御部41の制御のもとID用発光部44-1及び作業内容用発光部44-2がタグ制御部42の状態に依存した動作(この場合では、ID用発光部44-1は青色点灯、作業内容用発光部44-2はシアン点灯)を行い、書込状態用発光部44-3が一定時間緑色で点灯し、ブザー45が「ピッピッ」の音声を出力する。また、運用情報書込待機の状態ST35のとき作業内容(運用時)読込イベントEV35-2が発生すると、タグ制御部42は作業内容等を取得、更新し再び運用情報書込待機の状態ST35に遷移する。したがって、同じ作業者IDを保持したまま作業内容等を変更して、検出装置10への運用情報の書込みを行うことができる。このとき、制御部41は、作業内容(運用時)読込イベントEV35-2に応じて、読込成功通知の処理PC35-2を行う。読込成功通知の処理PC35-2においては、制御部41の制御のもとID用発光部44-1及び作業内容用発光部44-2がタグ制御部42の状態に依存した動作(この場合では、ID用発光部44-1は青色点灯、作業内容用発光部44-2はシアン点灯)を行い、書込状態用発光部44-3が一定時間緑色で点灯し、ブザー45が「ピッ」の音声を出力する。
また、上述した条件以外でデータ記憶カード50を読み込むイベントや検出装置10に書き込むイベントが発生したり、読込あるいは書込が失敗したりした場合は、制御部41は、エラー通知の処理を行う。このエラー通知の処理においては、制御部41の制御のもとID用発光部44-1及び作業内容用発光部44-2がタグ制御部42の状態に依存した動作を行い、書込状態用発光部44-3が一定時間赤色で点灯し、ブザー45が「ピーー」の音声を出力する。作業者は、書込状態用発光部44-3の対応色(青色、黄色、シアン)並びに読込及び書込成功の報知色(緑色)以外の警告色(赤色)での点灯及びブザー45の警告音により、エラーであることを瞬時に理解することができる。
また、図2Fの初期化の処理PC10において自己診断の結果エラー(正常な状態でない)となった場合、制御部11はこの結果に応じて自己診断エラーの処理を実行する。自己診断エラーの処理においては、制御部41の制御のもとID用発光部44-1及び作業内容用発光部44-2は消灯し、書込状態用発光部44-3が赤色で点滅し、ブザー45が「ピーピーピー」の音声を出力する。ブザー45の警告音により、自己診断エラーであることを瞬時に理解することができる。
また、携帯端末40が初期化の処理PC10を経ないで、すなわち記憶部33に読込情報がある状態でアクティブの状態ST30となった場合は、タグ制御部42は記憶部33から読み出した読込情報の種類によって、各状態ST33~ST35のいずれかに遷移する。具体的に、例えば、読込情報がネットワーク情報のみであった場合は、作業内容(設置時)読込待機の状態ST32に遷移する。また例えば、読込情報が作業者IDのみであった場合は、作業内容(運用時)読込待機の状態ST33に遷移する。また例えば、読込情報がネットワーク情報及び検出部12の種類であった場合は、設置情報書込待機の状態ST34に遷移する。また例えば、読込情報が作業者ID及び作業内容等であった場合は、運用情報書込待機の状態ST35に遷移する。
【0040】
《2.プラント機器状態収集システムの動作》
《2-1.プラント機器の状態の収集》
図3A及び図3Bを参照して、プラント機器状態収集システム1が、プラント機器の状態を収集する動作の例について説明する。ここでは、センサモジュール10は、センサゲートモジュール20が構築するWSNへ接続されていることを前提に説明する。センサモジュール10のセンサゲートモジュール20が構築するWSNへの接続については、《2-2.検出装置(センサモジュール)の取り付け》で説明する。
【0041】
ステップST101では、センサモジュール10は、設定された検出間隔毎に設定された検出項目についてセンサモジュール10が取り付けられたプラント機器の状態を検出し、その検出値をセンサゲートモジュール20に自身のセンサIDと共に送信する。すなわち、ステップST101で送信されるデータは、図3Bに示されるデータ101である。
【0042】
ステップST102では、センサゲートモジュール20は、受信したセンサID及び検出値を、3G/LTEを介してクラウドサーバ30に自身が構築するWSNのネットワークIDと共に送信する。すなわち、ステップST102で送信されるデータは、図3Bに示されるデータ102である。
【0043】
ここで、ステップST102では、センサゲートモジュール20は、自身が構築するWSNに接続されているいずれかのセンサモジュール10から検出値を受信する度に、そのセンサID及び検出値をネットワークIDと共に送信してもよい。代替的に、ステップST102では、センサゲートモジュール20は、受信するセンサID及び検出値を一時的に記憶しておき、設定された送信間隔毎に一時的に記憶された複数のセンサID及び検出値をネットワークIDと共に送信してもよい。
【0044】
ステップST103では、クラウドサーバ30は、受信したデータ102をクラウドサーバ30の記憶部33が記憶するプラント情報(データ002)に反映させて、プラント情報(データ002)を更新する。ステップST101、ステップST102及びステップST103は、随時繰り返される。
【0045】
プラント機器状態収集システム1では、センサモジュール10が検出したプラント機器の状態が、自動的にクラウドサーバ30が記憶するプラント情報(データ002)に反映される。その結果、作業者はプラント機器の状態を検出又は確認する度に、対象のプラント機器が配置されている位置に移動する必要がない。また、管理者は、ステップST104のように、管理端末70を用いて遠隔でプラント機器の状態を閲覧、編集することができる。
【0046】
《2-2.検出装置(センサモジュール)の取り付け》
図4A図4B及び図4Cを参照して、センサモジュール10をプラント機器に取り付ける(新規に設置及び交換)作業の例について説明する。センサモジュール10をプラント機器に取り付ける作業は、作業者がセンサモジュール10をプラント機器に取り付けると、ステップST201に進む。なお、作業者がセンサモジュール10をプラント機器に取り付けたときは、センサモジュール10は例えば電源OFF状態(休止状態を含む)又はスリープ状態である。
【0047】
ステップST201では、作業者は、ノッカー40に作業カード50からセンサモジュール10に関する設置情報を読み込む。ステップST201で取得されるデータは、図4Bに示されるデータ201である。すなわち、ステップST201で取得されるデータ201は、センサモジュール10をセンサゲートモジュール20が構築するWSNに接続するためのネットワーク情報及び検出部12の種類を含む。
【0048】
データ201のネットワーク情報には、ネットワークID及びこのネットワークIDで
特定されるWSNに接続するためのネットワークパスワードが含まれる。例えばセンサモジュール10には、データ201の検出部12の種類に応じて、所定の動作条件(検出項目及び検出間隔の初期値)が設定されている。検出部12の種類は、例えば、センサモジュール10が取り付けられるプラント機器がスチームトラップであるときは温度センサが選択され、センサモジュール10が取り付けられるプラント機器が回転機であるときは温度センサと振動センサが選択される。
【0049】
図4Cには、ノッカー40を用いた設置情報読込作業の例が示されている。作業者は、まずアクティブの状態ST30であるノッカー40を任意のネットワークIDカード50-1にかざすことでネットワーク情報を取得し、次いでノッカー40を任意の作業内容(設置時)カード50-3にかざすことで検出部12の種類を取得する。このとき、スライドスイッチ40-2のオンから開始すれば、ノッカー40のタグ制御部42の状態、イベント及びイベント後の処理は、ID読込待機の状態ST31、ネットワークID読込イベントEV31-1、読込成功通知の処理PC31-1、作業内容(設置時)読込待機の状態ST32、作業内容(設置時)読込イベントEV32-1、読込成功通知の処理PC32-1、設置情報書込待機の状態ST34の順に生じる。これに応じた発光部44及びブザー45の動作は、ID用発光部44-1の青色点滅、書込状態用発光部44-3の緑色一時点灯及びブザー45の「ピッ」音声、ID用発光部44-1の青色点灯及び作業内容用発光部44-2の黄色点滅、書込状態用発光部44-3の緑色一時点灯及びブザー45の「ピッ」音声、ID用発光部44-1の青色点灯,作業内容用発光部44-2の黄色点灯及び書込状態用発光部44-3の緑色点滅の順に行われる。したがって、発光部44及びブザー45の動作によって、読み込むべき情報の内容と順序を瞬時に理解でき、ネットワーク情報と検出部12の種類の取得を容易に行うことができる。
【0050】
ステップST202では、作業者がノッカー40をセンサモジュール10にかざすことによって、ノッカー40に格納された設置情報がセンサモジュール10のタグ部14に自動的に格納される。ステップST202でセンサモジュール10のタグ部14に格納される設置情報はデータ201である。
【0051】
図4Cには、ノッカー40を用いた設置情報書込作業の例が示されている。作業者は、ノッカー40をセンサモジュール10にかざすことで設置情報をセンサモジュール10のタグ部14に書き込む。このとき、ノッカー40のタグ制御部42の状態、イベント及びイベント後の処理は、設置情報書込待機の状態ST34、設置情報書込イベントEV34-1、書込成功通知の処理PC34-1の順に生じる。これに応じた発光部44及びブザー45の動作は、ID用発光部44-1の青色点灯,作業内容用発光部44-2の黄色点灯及び書込状態用発光部44-3の緑色点滅、書込状態用発光部44-3の緑色一時点灯及びブザー45の「ピッピッ」音声の順に行われる。したがって、発光部44及びブザー45の動作によって、作業者はセンサモジュール10への情報の書込みの成否を瞬時に理解することができる。
【0052】
ステップST203では、センサモジュール10は、ステップST202でデータ201が格納されたときに、電源ON状態となる。センサモジュール10が電源ON状態となると、ステップST204に進む。ステップST204では、センサモジュール10の制御部11は、タグ部14に記憶されたデータ201を取得する。
【0053】
ステップST205では、センサモジュール10は、センサゲートモジュール20にネットワーク参加リクエストを送信する。ステップST205のネットワーク参加リクエストで送信されるデータは、図4Bに示されるセンサID及びネットワーク情報を含むデータ202である。
【0054】
ステップST206では、ネットワーク参加リクエストを受信したセンサゲートモジュール20は、ネットワーク参加リクエストを送信したセンサモジュール10のネットワークへの参加の可否を判定する。すなわち、センサゲートモジュール20は、ネットワーク参加リクエストに含まれるネットワーク情報のネットワークID及びネットワークパスワードと、自身が構築するWSNのネットワークID及びネットワークパスワードと一致するか否かを判定する。ネットワーク参加リクエストに含まれるネットワーク情報のネットワークID及びネットワークパスワードと、自身が構築するWSNのネットワークID及びネットワークパスワードとが一致したときはステップST208に進む。その一方で、ネットワーク参加リクエストに含まれるネットワーク情報のネットワークID及びネットワークパスワードと、自身が構築するWSNのネットワークID及びネットワークパスワードとが一致しなかったときは、ステップST208、ステップST209、ステップST210及びステップST211が実行されることなく、終了する。
【0055】
ステップST207では、センサモジュール10は、ステップST205でネットワーク参加リクエストを送信したときから、ネットワーク参加リクエスト中であることを報知する。例えば、センサモジュール10の報知部15がLEDを含むとき、センサモジュール10の制御部11は、LEDを例えば点滅させることで、ネットワーク参加リクエスト中であることを報知する。作業者は、例えばLEDが点滅していることを視認することによって、センサモジュール10からネットワーク参加リクエストが送信されたことを認識できる。
【0056】
ステップST208では、センサゲートモジュール20は、センサモジュール10のネットワークへの参加を許可し、自身が構築するWSNへセンサモジュール10を接続させる。ステップST209では、センサゲートモジュール20は、ネットワーク構築情報(データ001)にステップST208でネットワーク参加の許可をしたセンサモジュール10のセンサID及び接続状態を追加してクラウドサーバ30に送信する。
【0057】
ステップST210では、センサモジュール10は、ネットワークへの参加が完了したことを報知する。例えば、センサモジュール10の制御部11は、ステップST207で点滅させたLEDを消灯させることで、ネットワークへの参加が完了したことを報知する。作業者は、例えばLEDが消灯したことを視認することによって、センサモジュール10のWSNへの接続が完了したことを認識できる。
【0058】
ステップST211では、クラウドサーバ30は、クラウドサーバ30の記憶部33が記憶するプラント情報(データ002)に、ステップST211で受信したデータ001を反映させる。これによりネットワークへの参加が完了したセンサモジュール10の情報が閲覧可能となる。管理者は、管理端末70を用いて、クラウドサーバ30の記憶部33が記憶するプラント情報(データ002)を確認することができる。また、作業者は、ノッカー40に格納した設置情報を用いて、さらに他のセンサモジュール10をプラント機器に取り付ける作業を行うことができる。また、センサモジュール10は、ノッカー40から取得した検出部12の種類に応じて、自身の検出項目及び検出間隔を設定する。
【0059】
プラント機器状態収集システム1は、ノッカー40をネットワークIDカード50-1及び作業内容(設置時)カード50-3にかざすことによって、容易にネットワークIDを含むネットワーク情報及び検出部12の種類を取得することができ、さらにノッカー40をセンサモジュール10にかざすことによって、ノッカー40に格納したネットワーク情報及び検出部12の種類を自動的にセンサモジュール10に設定することができる。すなわち、例えば、タブレット端末のように情報を手動入力するための煩雑な入力操作をする必要がない。したがって、ノッカー40への情報取得作業を簡素化することによって、センサモジュール10を設置する作業を簡素化することができる。
【0060】
また、プラント機器状態収集システム1は、例えば、ノッカー40にタッチパネル式のディスプレイモジュールなどの手動入力のための表示部及び入力部を備えることが不要である。したがって、ノッカー40に表示部及び入力部を備える場合と比較して、防爆、防塵及び/又は防水のための構造を容易に実現することができる。
【0061】
また、プラント機器状態収集システム1は、ノッカー40に入力した設置情報がセンサモジュール10のタグ部14に記憶されたときに、センサモジュール10が電源ON状態となる。したがって、センサモジュール10をプラント機器に取り付けた後に、ネットワークに接続するまでの待機時間が長時間になるときであっても電源ON状態で待機する必要がないことによってバッテリの消費を抑えることができる。さらに、作業者がセンサモジュール10の電源スイッチ等を操作してセンサモジュール10を電源ON状態にする必要がないことによって、センサモジュール10をプラント機器に取り付ける作業を簡素化することができる。
【0062】
《2-3.中継器の取り付け》
中継器60をプラント内に取り付ける作業は、例えば、《2-2.検出装置(センサモジュール)の取り付け》のステップST202の後に、十分な時間が経過しても、プラント機器へ取り付けたセンサモジュール10がWSNに接続されないときに行う作業である。中継器60をプラント内に取り付ける作業の例は、《2-2.検出装置(センサモジュール)の取り付け》で説明された作業と概ね同様である。センサモジュール10の取り付け作業と異なる点としては、中継器60は、検出部12を有さないため、ステップST201でノッカー40に設置情報を取得する際に、検出部12の種類として「センサなし」の情報が格納された作業内容(設置時)カード50-3から「センサなし」の情報を取得する点である。
【0063】
以上のように、中継器60をプラント内に取り付ける作業は、《2-2.検出装置(センサモジュール)の取り付け》で説明された作業と概ね同様である。したがって、中継器60をプラント内に取り付ける作業においても、《2-2.検出装置(センサモジュール)の取り付け》で説明された効果に相当する効果が得られる。その結果、プラント機器状態収集システム1では、中継器60をプラント内に取り付ける作業が簡素化される。
【0064】
《2-4.作業内容の送信》
図5A図5B及び図5Cを参照して、作業者の作業内容を送信するときの動作の例について説明する。以下の例は、プラント機器状態収集システム1の運用時にプラント機器の定期点検を行った場合を示している。このほか、作業者の作業タイミングとしては、プラント機器の状態に異常状態が発生し、プラント機器を修理したとき、センサモジュール10の動作を変更するときなどがある。すなわち、作業内容の送信は作業者が作業を行った後あるいは作業と同時に行われる。
【0065】
ステップST301では、作業者は、ノッカー40に作業カード50から作業者自身の作業内容に関する運用情報を読み込む。ステップST301で取得されるデータは、図5Bに示されるデータ301である。すなわち、ステップST301で取得されるデータ301は、作業者自身の作業者ID及び作業内容を含む。
【0066】
データ301の作業内容は、作業者が行ったあるいは行う作業に応じて適宜選択される。例えば、定期点検においてプラント機器に異常がない場合は、作業内容として「異常なし」が選択される。異常がある場合は、適宜「異常あり(注意レベル)」、「異常あり(警告レベル)」などが選択される。プラント機器の修繕を行った場合は、作業内容として「修理完了」が選択される。プラント機器の動作を変更する場合は、適宜「停止(自動復旧不可)」、「再接続」、「初期化」などが選択される。
【0067】
図5Cには、ノッカー40を用いた運用情報読込作業の例が示されている。作業者は、まずノッカー40を自身の作業者IDカード50-2にかざすことで作業者IDを取得し、次いでノッカー40を任意の作業内容(運用時)カード50-4にかざすことで作業内容を取得する。このとき、スライドスイッチ40-2のオンから開始すれば、ノッカー40のタグ制御部42の状態、イベント及びイベント後の処理は、ID読込待機の状態ST31、作業者ID読込イベントEV31-2、読込成功通知の処理PC31-2、作業内容(運用時)読込待機の状態ST33、作業内容(運用時)読込イベントEV33-1、読込成功通知の処理PC33-1、運用情報書込待機の状態ST35の順に生じる。これに応じた発光部44及びブザー45の動作は、ID用発光部44-1の青色点滅、書込状態用発光部44-3の緑色一時点灯及びブザー45の「ピッ」音声、ID用発光部44-1の青色点灯及び作業内容用発光部44-2のシアン点滅、書込状態用発光部44-3の緑色一時点灯及びブザー45の「ピッ」音声、ID用発光部44-1の青色点灯,作業内容用発光部44-2のシアン点灯及び書込状態用発光部44-3の緑色点滅の順に行われる。したがって、発光部44及びブザー45の動作によって、読み込むべき情報の内容と順序を瞬時に理解でき、ネットワーク情報と検出部12の種類の取得を容易に行うことができる。
【0068】
ステップST302では、作業者がノッカー40をセンサモジュール10にかざすことによって、ノッカー40に格納された運用情報がセンサモジュール10のタグ部14に自動的に格納される。ステップST302でセンサモジュール10のタグ部14に格納される運用情報はデータ301である。
【0069】
図5Cには、ノッカー40を用いた運用情報書込作業の例が示されている。作業者は、ノッカー40をセンサモジュール10にかざすことで運用情報をセンサモジュール10のタグ部14に書き込む。このとき、ノッカー40のタグ制御部42の状態、イベント及びイベント後の処理は、運用情報書込待機の状態ST35、運用情報書込イベントEV35-1、書込成功通知の処理PC35-1の順に生じる。これに応じた発光部44及びブザー45の動作は、ID用発光部44-1の青色点灯,作業内容用発光部44-2のシアン点灯及び書込状態用発光部44-3の緑色点滅、書込状態用発光部44-3の緑色一時点灯及びブザー45の「ピッピッ」音声の順に行われる。したがって、発光部44及びブザー45の動作によって、作業者はセンサモジュール10への情報の書込みの成否を瞬時に理解することができる。
【0070】
ステップST303では、センサモジュール10は、ステップST302でデータ301が格納されたときに、電源ON状態となる。センサモジュール10が電源ON状態となると、ステップST304に進む。ステップST304では、センサモジュール10の制御部11は、タグ部14に記憶されたデータ301を取得する。
【0071】
ステップST305では、センサモジュール10は、センサゲートモジュール20に運用情報を送信する。ステップST305で送信されるデータは、図5Bに示されるセンサID、作業者ID及び作業内容を含むデータ302である。ステップST306では、センサモジュール10は、ステップST305で運用情報を送信したときから、運用情報送信中であること報知する。例えば、センサモジュール10の報知部15がLEDを含むとき、センサモジュール10の制御部11は、LEDを例えば点滅させることで、運用情報送信中であることを報知する。作業者は、例えばLEDが点滅していることを視認することによって、センサモジュール10から運用情報が送信されたことを認識できる。
【0072】
ステップST307では、センサゲートモジュール20は、センサモジュール10から受信した運用情報をクラウドサーバ30に送信する。ステップS307で送信されるデータは、図5Bに示されるネットワークID、センサID、作業者ID及び作業内容を含むデータ303である。ステップS308では、センサゲートモジュール20は、センサモジュール10に運用情報送信完了情報を送信する。
【0073】
ステップS309では、センサモジュール10は、運用情報の送信が完了したことを報知する。例えば、センサモジュール10の制御部11は、ステップST306で点滅させたLEDを消灯させることで、運用情報の送信が完了したことを報知する。作業者は、例えばLEDが消灯したことを視認することによって、クラウドサーバ30への運用情報の送信が完了したことを認識できる。
【0074】
ステップST310では、クラウドサーバ30は、クラウドサーバ30の記憶部33が記憶するプラント情報(データ002)に、ステップST307で受信した運用情報を反映させる。これにより作業者による作業内容の情報が閲覧可能となる。管理者は、管理端末70を用いて、クラウドサーバ30の記憶部33が記憶するプラント情報(データ002)を確認し、作業者による作業内容を確認することができる。また、作業者は、ノッカー40に格納した運用情報を用いて、さらに作業を行った後あるいは作業と同時に他のセンサモジュール10を介して作業内容の送信を行うことができる。
【0075】
ステップST311では、センサモジュール10は、運用情報にセンサモジュール10の動作を変更する動作内容が含まれる場合、この情報に応じて動作変更を行う。運用情報にセンサモジュール10の動作内容が含まれない場合はステップST306の処理は行われない。
【0076】
プラント機器状態収集システム1は、ノッカー40を作業者IDカード50-2及び作業内容(運用時)カード50-4にかざすことによって、容易に作業者ID及び作業内容を取得することができ、さらにノッカー40をセンサモジュール10にかざすことによって、ノッカー40に格納した作業者ID及び作業内容をセンサモジュール10を介してクラウドサーバ30に送信することができる。すなわち、例えば、タブレット端末のように情報を手動入力するための煩雑な入力操作をする必要がない。したがって、ノッカー40への情報取得作業を簡素化することによって、作業内容を連絡する作業を簡素化することができる。
【0077】
以上のように、本実施形態であるプラント機器状態収集システム1によれば、所定の測定対象(プラント機器)の状態を検出する検出装置10の設置に係る作業及び/または作業者の作業内容の連絡に係る作業を簡素化することができる。この作用及び効果は、以下の構成によって実現することができる。
【0078】
プラント機器状態収集システム1は、検出装置10と、ネットワーク構築装置20と、データ記憶装置30と、データ記憶カード50と、携帯端末40と、を備え、
検出装置10は、所定の測定対象の状態を検出する検出部12と、所定の情報を非接触で記憶可能なタグ部14とを有し、少なくとも検出部12が検出した前記状態及び検出装置10を特定する検出装置特定情報(センサID)を、ネットワーク構築装置20によって構築される前記ネットワークを介してネットワーク構築装置20に送信し、
データ記憶装置30は、少なくともネットワーク構築装置20から受信する前記状態及び前記検出装置特定情報を格納する記憶部33を有し、
データ記憶カード50は、前記情報を格納し、かつ、携帯端末40と非接触で通信可能であり、
携帯端末40は、データ記憶カード50から前記情報を非接触で自動的に読み取り可能であり、かつ、検出装置10のタグ部14に読み取った前記情報を非接触で自動的に格納させることが可能なタグ制御部42を有し、
検出装置10は、タグ部14に前記情報が格納された場合に、所定の動作を行う。
【0079】
また、データ記憶カード50として、前記情報として前記ネットワークに接続するためのネットワーク特定情報(ネットワークID)を含むネットワーク情報を格納する第1のデータ記憶カード(ネットワークIDカード50-1)を少なくとも含み、
検出装置10は、タグ部14に前記ネットワーク情報が格納された場合に、ネットワーク構築装置20に少なくとも前記ネットワーク特定情報を送信し、
ネットワーク構築装置20は、前記ネットワーク特定情報を用いて検出装置10の前記ネットワークへの接続を許可するか否かを判定する。
【0080】
また、データ記憶カード50として、前記情報として検出部12の種類を示す種類情報を格納する第2のデータ記憶カード(作業内容(設置時)カード50-3)をさらに含み、
携帯端末40のタグ制御部42は、前記第1のデータ記憶カードから前記ネットワーク情報を非接触で自動的に読み取った後に、前記第2のデータ記憶カードから前記種類情報を自動的に読み取り可能となり、かつ、検出装置10のタグ部14に読み取った前記ネットワーク情報と前記種類情報とを非接触で自動的に格納させることが可能であり、
検出装置10は、タグ部14に格納された前記種類情報に対応する検出部12が検出した前記状態及び前記検出装置特定情報を、前記ネットワークを介してネットワーク構築装置20に送信する。
【0081】
データ記憶カード50として、前記情報として作業者を特定する作業者特定情報(作業者ID)を格納する第3のデータ記憶カード(作業者IDカード50-2)と、前記情報として作業者の作業内容を示す作業内容情報を格納する第4のデータ記憶カード(作業内容(設置時)カード50-4)と、をさらに含み、
携帯端末40のタグ制御部42は、前記第3のデータ記憶カードから前記作業者特定情報を非接触で自動的に読み取り可能であるとともに、前記作業者特定情報を読み取った後に、前記第4のデータ記憶カードから前記作業内容情報を読み取り可能となり、かつ、検出装置10のタグ部14に読み取った前記作業者特定情報と前記作業内容情報を非接触で自動的に格納させることが可能であり、
検出装置10は、タグ部14に格納された前記作業者特定情報及び前記作業内容情報と前記検出装置特定情報とを、前記ネットワークを介してネットワーク構築装置20に送信し、
データ記憶装置30は、ネットワーク構築装置20から受信した前記作業者特定情報と前記作業内容情報と前記検出装置特定情報とを記憶部33に格納する。
【0082】
また、データ記憶カード50は、第1のパスワード情報を格納し、携帯端末40のタグ制御部42に対して前記第1のパスワード情報を認証した場合に、携帯端末40のタグ制御部42に対して前記情報の読み取りを許可してもよい。具体的には、データ記憶カード50のIC51と携帯端末40のタグ制御部42とに予め第1のパスワード情報を格納しておき、携帯端末40のタグ制御部42から読み込み信号とともに前記第1のパスワードをデータ記憶カード50に送信する。データ記憶カード50のIC51は、受信した前記第1のパスワードが自身に格納される前記第1のパスワードと一致する場合に、自身に格納される前記情報を携帯端末40のタグ制御部42に送信する。これにより、所定の携帯端末40以外の機器からの情報の読み取りを制限でき、情報の漏洩を防止することができる。
【0083】
また、検出装置10のタグ部14は、第2のパスワード情報を格納し、携帯端末40のタグ制御部42に対して前記第2のパスワード情報を認証した場合に、携帯端末40のタグ制御部42に対して前記情報の書き込みを許可してもよい。具体的には、検出装置10のタグ部14と携帯端末40のタグ制御部42とに予め第2のパスワード情報を格納しておき、携帯端末40のタグ制御部42から書き込み信号とともに前記第2のパスワードを検出装置10に送信する。検出装置10のタグ部14(タグIC14-1)は、受信した前記第2のパスワードが自身に格納される前記第2のパスワードと一致する場合に、書き込み信号に含まれる情報を格納する。これにより、所定の携帯端末40以外の機器からの情報の書き込みを制限でき、誤った情報の格納及び送信を防止することができる。
【0084】
また、データ記憶カード50として、複数種類のデータ記憶カード50(ネットワークIDカード50-1、作業者IDカード50-2、作業内容(設置時)カード50-3、作業内容(運用時)カード50-4)を含み、複数種類のデータ記憶カード50は、各々がその外装部に各々の種類に対応する複数種類の対応色(青色、黄色あるいはシアン)を有し、
携帯端末40は、前記複数種類の対応色の少なくともいずれかで発光可能な第1の発光部(ID用発光部44-1及び作業内容用発光部44-2)と、タグ制御部42が複数種類のデータ記憶カード50のいずれかの読み込み待ち及び読み込み完了の少なくともいずれかである場合に、前記第1の発光部を読み込み待ち及び読み込み完了の少なくともいずれかであるデータ記憶カード50の種類に対応する対応色で発光させる発光制御部(制御部41)と、を備えてなる。これによれば、作業者は、携帯端末40にかざすべきデータ記憶カード50を瞬時に理解することができ、携帯端末40への情報取得作業をさらに容易にすることができる。
【0085】
携帯端末40の前記発光制御部は、複数種類のデータ記憶カード50のいずれかの読み込み待ちである場合に、前記第1の発光部を読み込み待ちのデータ記憶カード50の種類に対応する対応色で第1の状態(点滅)にて発光させ、複数種類のデータ記憶カード50のいずれかの読み込み完了である場合に、前記第1の発光部を読み込み完了のデータ記憶カード50の種類に対応する対応色で前記第1の状態とは異なる第2の状態(点灯)にて発光させる。これによれば、作業者は、携帯端末40にかざすべきデータ記憶カード50と情報の読み込み完了を瞬時に理解することができ、携帯端末40への情報取得作業をさらに容易にすることができる。
【0086】
また、前記第1の発光部は、列状に配置された複数の発光部からなる。これによれば、携帯端末40にかざすべきデータ記憶カード50の順序を瞬時に理解することができ、携帯端末40への情報取得作業をさらに容易にすることができる。
【0087】
また、携帯端末40は、前記複数種類の対応色と異なる第1の報知色(緑色)及び第2の報知色(赤色)で発光可能な第2の発光部(書込状態用発光部44-3)を備え、
前記発光制御部は、タグ制御部42が検出装置10のタグ部14への書き込み待ち及び書き込み完了の少なくともいずれかである場合に、前記第2の発光部を前記第1の報知色で発光させ、タグ制御部42がタグ部14への書き込み失敗、複数種類のデータ記憶カード50のいずれかの読み込み失敗及び初期化に伴う自己診断機能におけるエラーの少なくともいずれかである場合に、前記第2の発光部を前記第2の報知色で発光させる。これによれば、携帯端末40の書き込みに関する状態及び再読み込み等を要する状態を瞬時に理解することができ、携帯端末40による書込作業を容易にすることができる。
【0088】
また、携帯端末40は、音声を出力可能な音声出力部(ブザー45)と、タグ制御部42が複数種類のデータ記憶カード50のいずれかの読み込み完了及び読み込み失敗、検出装置10のタグ部14への書き込み待ち及び書き込み失敗並びに初期化に伴う自己診断機能におけるエラーの少なくともいずれかである場合に、前記音声出力部に所定の音声を出力させる音声制御部(制御部41)と、を備えてなる。これによれば、されに音声によっても携帯端末40の状態を瞬時に理解することができ、携帯端末40による情報取得作業及び書込作業を容易にすることができる。
【0089】
本発明は、上述の例示的な実施形態に限定されず、また、当業者は、上述の例示的な実
施形態を特許請求の範囲に含まれる範囲まで、容易に変更することができるであろう。例えば、本発明の状態収集システムにおいて、測定対象はプラント内のプラント機器に限定されるものではなく、主には温度や振動などによって状態を判断する機器であれば広く適用可能である。また、本実施形態においては、読込成功通知の処理PC31-1、31-2、32-1、32-2、32-3、33-1、33-2、33-3、34-2、35-2で書込状態用発光部44-3を一時緑色で点灯させたが、書込状態用発光部44-3を発光させず、ブザー35による音声出力のみを行ってもよい。また、前記エラー通知の処理において、ID用発光部44-1あるいは読込状態用発光部44-2(第1の発光部)を対応色以外の警告色(例えば赤色)で発光(例えば一時点灯)させてもよい。
【符号の説明】
【0090】
1・・・プラント機器状態収集システム、10・・・検出装置、11・・・検出装置の制御部、12・・・検出装置の検出部、13・・・検出装置のネットワーク接続部、14・・・検出装置のタグ部、15・・・検出装置の報知部、20・・・ネットワーク構築装置、30・・・データ記憶装置、33・・・データ記憶装置の記憶部、40・・・携帯端末、41・・・携帯端末の制御部、42・・・携帯端末のタグ制御部、44・・・携帯端末の発光部、45・・・携帯端末のブザー、50・・・データ記憶カード。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C