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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-16
(45)【発行日】2022-03-25
(54)【発明の名称】ユーザ牽引装置
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20220317BHJP
   G08G 1/005 20060101ALI20220317BHJP
   B64C 29/00 20060101ALI20220317BHJP
【FI】
G01C21/26 P
G08G1/005
B64C29/00 Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018003672
(22)【出願日】2018-01-12
(65)【公開番号】P2019124490
(43)【公開日】2019-07-25
【審査請求日】2020-08-31
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(73)【特許権者】
【識別番号】504171134
【氏名又は名称】国立大学法人 筑波大学
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121980
【弁理士】
【氏名又は名称】沖山 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100128107
【弁理士】
【氏名又は名称】深石 賢治
(72)【発明者】
【氏名】高田 崚介
(72)【発明者】
【氏名】真鍋 宏幸
(72)【発明者】
【氏名】山田 渉
(72)【発明者】
【氏名】志築 文太郎
【審査官】藤村 泰智
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-096657(JP,A)
【文献】特開2004-268640(JP,A)
【文献】特開2004-098752(JP,A)
【文献】特開2012-140102(JP,A)
【文献】特開2011-225137(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0127094(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00 ~ 21/36
G08G 1/00 ~ 5/06
B64C 29/00 ~ 29/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
推力を発生する推力発生部を備え、当該推力発生部が発生する推力に基づいて推進力を発生する推進部と、
ユーザに装着される装着部と、
前記推進部と前記装着部とを連結する連結部と、
を備え
前記連結部は、前記推進部と前記装着部との連結を解除可能な解除機構を備える、
ユーザ牽引装置。
【請求項2】
前記装着部は、前記ユーザの頭部に装着される、請求項1に記載のユーザ牽引装置。
【請求項3】
前記推力発生部は、プロペラを含んで構成され、
前記推進部は、2つ以上の前記推力発生部を備え、任意の方向又は任意の回転方向に推進力を発生する、
請求項1又は2に記載のユーザ牽引装置。
【請求項4】
前記推力発生部は、取り付け角度が可変のプロペラを含んで構成される、請求項1~3の何れか一項に記載のユーザ牽引装置。
【請求項5】
前記連結部は、前記推進部が発生した推進力に応じた方向へ前記装着部を傾けることが可能な傾き制御機構を備える、
請求項1~4の何れか一項に記載のユーザ牽引装置。
【請求項6】
前記連結部は、前記推進部を前記ユーザに接触させないように当該連結部の傾き角度を制御する傾き角度制御機構を備える、請求項1~5の何れか一項に記載のユーザ牽引装置。
【請求項7】
前記連結部は、当該連結部の角度を動的に制御する動的制御機構を備える、請求項1~の何れか一項に記載のユーザ牽引装置。
【請求項8】
自装置の位置を推定する位置推定部をさらに備え、
前記推進部は、前記位置推定部によって推定された位置に基づいて決定された方向に推進力を発生する、
請求項1~の何れか一項に記載のユーザ牽引装置。
【請求項9】
周囲の障害物を検知する障害物検知部をさらに備え、
前記推進部は、前記障害物検知部による検知に基づいて決定された方向に推進力を発生する、
請求項1~の何れか一項に記載のユーザ牽引装置。
【請求項10】
前記推力発生部は、前記推進部が備える電源と前記ユーザが携帯している電源との少なくとも一方から電力を供給可能である、請求項1~の何れか一項に記載のユーザ牽引装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザを牽引するユーザ牽引装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、歩行者に触覚刺激を行うことで、所定の歩行方向に誘導する手法が提案されている(例えば、下記特許文献1及び2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-27442号公報
【文献】特開2007-144057号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、触覚刺激を用いた手法は、例えば人又は盲導犬が歩行者を誘導する場合のように外力を用いて歩行者を直接牽引することに比べて直感的では無く、不自然さが残るという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、かかる課題に鑑みて為されたものであり、より直感的にユーザを牽引することができるユーザ牽引装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明のユーザ牽引装置は、推力を発生する推力発生部を備え、当該推力発生部が発生する推力に基づいて推進力を発生する推進部と、ユーザに装着される装着部と、推進部と装着部とを連結する連結部と、を備える。
【0007】
このようなユーザ牽引装置によれば、推進部によって発生した推進力が、連結部及び装着部を介してユーザに伝わり、ユーザを牽引する。すなわち、外力によりユーザを牽引することができるため、より直感的にユーザを牽引することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、より直感的にユーザを牽引することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係るユーザ牽引装置の構成図である。
図2】第1実施形態に係るユーザ牽引装置の構成図である。
図3】第1実施形態に係るユーザ牽引装置の側面図である。
図4】第1実施形態に係るユーザ牽引装置の前進方向への牽引例を示す図である。
図5】第1実施形態に係るユーザ牽引装置の回転方向への牽引例を示す図である。
図6】第2実施形態に係るユーザ牽引装置の構成図である。
図7】第3実施形態に係るユーザ牽引装置の構成図である。
図8】第4及び第5実施形態に係るユーザ牽引装置の構成図である。
図9】第6実施形態に係るユーザ牽引装置の構成図である。
図10】第7実施形態に係るユーザ牽引装置の構成図である。
図11】第8実施形態に係るユーザ牽引装置の構成図である。
図12】第9実施形態に係るユーザ牽引装置の構成図である。
図13】第10実施形態に係るユーザ牽引装置の構成図である。
図14】本発明の実施形態に係るユーザ牽引装置への電力供給方法を示す図である。
図15】本発明の実施形態に係るユーザ牽引装置のハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面とともに装置の実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、以下の説明における実施形態は、本発明の具体例であり、特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの実施形態に限定されないものとする。
【0011】
図1は、本発明の実施形態に係るユーザ牽引装置1の構成図である。図1に示す通り、ユーザ牽引装置1は、推進部2と、ユーザに装着される装着部4と、推進部2と装着部4とを連結する連結部3とを備える。
【0012】
推進部2は、推力を発生する推力発生部を備え、当該推力発生部が発生する推力に基づいて推進力を発生する。推力発生部は、例えば、モーターで回転するプロペラを含んで構成される。推力は、例えば、プロペラの回転によって生まれる力である。推進部2は、1つ以上の任意の数の推力発生部を備えてもよい。推進部2は、例えば、ドローン(自律式又は遠隔操縦の無人航空機、マルチコプター)である。推進部2は、推進部2の重さ(自重)を基本的に打ち消す方向に推進力を発生する。推進部2は、ユーザを牽引するための装置である。
【0013】
連結部3は、推進部2と装着部4とを連結(接続)する機構又は部材等である。
【0014】
装着部4は、人間であるユーザ(装着者)の身体に装着される機構又は部材等である。装着部4は、例えば、ユーザの頭部に装着されるヘルメットである。なお、以降の説明での「ユーザ」は、装着部4を装着している人間を示すものとする。
【0015】
ユーザ牽引装置1は、推進部2が推進力を発生させた際に、推進方向に向かって連結部3及び装着部4が牽引されることにより、装着部4を装着しているユーザは牽引力を受ける。牽引力は、ユーザを引っ張る力であり、推進力によって生じる力である。牽引力は、なにかしらの物体がユーザを引っ張る力である外力とほぼ同義である。
【0016】
装着部4をユーザの頭部に装着した場合、ユーザの頭部に対して外力を与えることができる。頭部に外力を加えた場合、効果的な牽引が可能となるので、ユーザの歩行牽引を効率的に行うことができるようになる。また、ユーザの腕部や脚部に装着した場合に比べて、ユーザの手足が自由となるため、歩行中の動作の妨げになりにくい。
【0017】
推進部2は常に上方向に推進力を発生させることにより、推進部2自体の重量によるユーザへの負担を軽減させることができる。また、ユーザの歩行動作に合わせて推進力の強さ及び方向を調整することで、ユーザの歩行負荷を軽減させること、並びに、ユーザの歩行速度の向上及び抑制を行うことができる。
【0018】
ユーザ牽引装置1は、例えば推進部2としてドローンを流用することで、安価に牽引装置を製造することができる。また、推進部2としてのドローンをユーザの頭部に対して傾けることで、牽引力を高めることができる。ドローンに備わっている複数の推力発生部であるプロペラの一部を逆回転させれば、さらに牽引力を高めることができる。通常のドローンでは、ドローンを飛行させ続けることは困難となるため、プロペラを逆回転させることがない。一方、ユーザ牽引装置1ではプロペラを逆回転させることで、牽引力を高めることができる。
【0019】
以下では、ユーザ牽引装置1の各実施形態について説明する。なお、各実施形態において、ユーザ牽引装置1、推進部2、連結部3及び装着部4と同様の構成については参照符号の数字の後に英字を追記し、詳細な説明は省略する。また、以下の各実施形態の構成等は排他的では無く、各実施形態の構成等を二つ以上適宜組み合わせることができる。
【0020】
[第1実施形態]
図2~5を用いて、第1実施形態に係るユーザ牽引装置1Aについて説明する。
【0021】
図2は、ユーザ牽引装置1Aの構成図(斜視図)である。図3は、ユーザ牽引装置1Aの側面図(横図)である。図2及び3に示す通り、推進部2Aは、4つの推力発生部20A、位置推定部21A及び障害物検知部22Aを含んで構成される。連結部3Aは、連結機構30A及び傾き角度制御機構31Aを含んで構成される。
【0022】
推力発生部20Aは、モーターで回転するプロペラを含んで構成される。ユーザ牽引装置1Aは、4つの推力発生部20Aを備え、各推力発生部20Aが発生する推力を個別に制御することができる。これにより、ユーザ牽引装置1Aは、任意の方向に対して推進力を発生させることができ、任意の回転方向に対して推進力を発生させることができる。そのため、歩行者であるユーザを任意の方向に牽引させること、又は、任意の方向に向かせることができる。例えば、ユーザ牽引装置1Aによる推進力の制御により、図4に示すように、ユーザを牽引することができる。
【0023】
位置推定部21Aは、自装置であるユーザ牽引装置1Aの位置を推定する。位置推定部21Aは、例えばGPS(Global Positioning System)であり、緯度及び経度等を、ユーザ牽引装置1Aの推定される位置として取得する。推進部2Aは、位置推定部21Aによって推定された位置に基づいて決定された方向に推進力を発生する。例えば、推進部2Aは、後述の情報処理部200をさらに備え、情報処理部200が、位置推定部21Aから取得した位置(現在位置)と予めメモリ等に格納された地形情報とに基づいて現在位置の周囲の地形情報を抽出し、現在位置と周囲の地形情報とに基づいて、ユーザを牽引する方向を決定する。そして、推進部2Aは、情報処理部200が決定した方向に推進力を発生する。この構成によりユーザ牽引装置1Aは、目的地に向かう方向にユーザを牽引することができる。
【0024】
障害物検知部22Aは、ユーザ牽引装置1Aの周囲の障害物を検知する。障害物検知部22Aは、例えば赤外線センサーである。推進部2Aは、障害物検知部による検知に基づいて決定された方向に推進力を発生する。例えば、推進部2Aは、後述の情報処理部200をさらに備え、情報処理部200が、障害物検知部22Aによって検知された障害物を回避する方向を、障害物検知部22Aによる検知の履歴情報に基づく障害物の過去の動き等に基づいて決定する。そして、推進部2Aは、情報処理部200が決定した方向に推進力を発生する。この構成によりユーザ牽引装置1Aは、障害物を回避する方向にユーザを牽引することができ、事故等の危機を回避させることができる。
【0025】
連結機構30Aは、推進部2Aと装着部4Aとを連結する機構又は部材等である。連結機構30Aは、例えば伸縮するようなゲル等を用いた機構である。
【0026】
傾き角度制御機構31Aは、推進部2Aをユーザに接触させないように連結部3Aの傾き角度を制御する機構である。図4は、ユーザ牽引装置1Aの前進方向への牽引例を示す図である。図4に示す通り、傾き角度制御機構31Aは、推進部2Aが推進力を発生させた際に、推進部2Aが傾き、装着部4Aを装着しているユーザに衝突し、ユーザが怪我をしないために、連結部3Aの傾きを一定のところで抑えることができる。傾き角度制御機構31Aは、例えばストッパーである。このような構成により、推進部2Aが必要以上に傾き、ユーザに接触することを防ぐことができるため、ユーザは安全にユーザ牽引装置1Aを利用することができる。
【0027】
連結部3Aの傾きを一定のところで抑えることができる傾き角度制御機構31Aは、ユーザ牽引装置1Aに角度検出部(不図示)を装着し、一定の角度になったらユーザ牽引装置1Aの推進力を調整し、ユーザ牽引装置1Aがそれ以上傾かないよう制御することでも実現できる。
【0028】
連結部3Aの傾きを一定のところで抑えることができる傾き角度制御機構31Aは、連結部3Aに角度検出部(不図示)を装着し、連結部3Aの角度を計測し、一定の角度になったらユーザ牽引装置1Aの推進力を調整し、ユーザ牽引装置1A(連結部3A)がそれ以上傾かないよう制御することでも実現できる。
【0029】
なお、ユーザ牽引装置1Aが備える推力発生部20Aは、それぞれがユーザに接近したことを検出する近接検知部(不図示)を備え、推力発生部20Aのいずれかがユーザに衝突しそうになった場合に、それ以上ユーザ牽引装置1が傾かないよう制御するようにしても良い。
【0030】
また、装着部4に角度検出部(不図示)を装着し、ユーザの装着部位の角度を計測することにより、ユーザが装着部位を傾けた際に、ユーザ牽引装置1が装着部位に衝突しないように推進力を調整するようにしても良い。この場合、装着部4の角度検出部と推進部2とは有線又は無線のネットワーク等で互いに接続され、情報を送受信することで連携する。
【0031】
図5は、ユーザ牽引装置1Aの回転方向への牽引例を示す図である。図5に示す通り、ユーザ牽引装置1Aは、前後左右の推進力に加え、旋回方向へ推進力を発生させ、ユーザが回転する方向に牽引することができる。
【0032】
[第2実施形態]
図6は、第2実施形態に係るユーザ牽引装置1Bの構成図である。図6に示す通り、推進部2Bは、4つの推力発生部20Bを含んで構成される。連結部3Bは、各推力発生部20Bのモーター及び電源等を含んで構成され、装着部4に直接取り付けられている。なお、連結部3Bは推進部2Bの一部として捉え、ユーザ牽引装置1Bは、連結部3Bが存在せず、装着部4Bに推進部2Bを直接装着した構成と解釈することもできる。ユーザ牽引装置1Bの構成においても、ユーザ牽引装置1Aと同様に、各推力発生部20Bの推力を制御することにより、牽引力を発生させ、ユーザを牽引することができる。
【0033】
ユーザ牽引装置1Bは、構造的に、推力発生部20Bがユーザに衝突することは無い。ここで、ユーザ牽引装置1Aのように、装着部4Aを連結部3Aを介して推進部2Aに接続し、牽引する場合は、ユーザは連結部3Aが引っ張られる。一方、ユーザ牽引装置1Bでは、推進力を発生させた際に、装着部4B全体が傾くため、ユーザの頭部に直接外力を与えることができる。
【0034】
[第3実施形態]
図7は、第3実施形態に係るユーザ牽引装置1Cの構成図である。図7に示す通り、推進部2Cは、1つ(1基)の推力発生部20C、2つ(2基)の推力発生部21C及びモーターMCを含んで構成される。連結部3Cは、バネ30Cを含んで構成される。ユーザ牽引装置1Cは、推力発生部の配置及び形状を変えた実施形態である。
【0035】
図7に示す通り、推力発生部20Cは推進部2Cの中心に備えられ、旋回及び前後方向への推進力を発生させることができる推力発生部21Cを推進部2Cの側面部に備えられている。ユーザ牽引装置1Cにおいて、中心の推力発生部20Cはユーザを牽引するための推進力を発生させるために利用し、側面部の2基の推力発生部21Cは牽引方向を制御するために利用する。側面部の推力発生部21Cから同一方向の推進力を発生した場合は前後に、逆方向の推進力を発生した場合は旋回方向の牽引力を発生させることができる。
【0036】
バネ30Cは、推進部2Cが発生した推進力に応じた方向へ装着部4Cを柔軟に傾けることが可能な傾き制御機構でもある。バネ30Cは、推進部2Cが推進力を生じさせた場合、連結部3Cは推進力の方向に自動的に傾く。連結部3Cが傾くことにより、ユーザを牽引する力を効率的に発揮させることができるようになり、ユーザを任意の方向に牽引することができる。この傾きによって、より効果的にユーザに外力を与えることができる。
【0037】
[第4実施形態]
図8(a)は、第4実施形態に係るユーザ牽引装置1Dの構成図である。図8(a)に示す通り、連結部3Dは、ジョイント機構30Dを含んで構成される。
【0038】
ジョイント機構30Dは、推進部2Dが発生した推進力に応じた方向へ装着部4Dを柔軟に傾けることが可能な傾き制御機構でもある。ジョイント機構30Dは、推進部2Dが推進力を生じさせた場合、連結部3Dは推進力の方向に自動的に傾く。連結部3Dが傾くことにより、ユーザを牽引する力を効率的に発揮させることができるようになり、ユーザを任意の方向に牽引することができる。この傾きによって、より効果的にユーザに外力を与えることができる。
[第5実施形態]
図8(b)は、第5実施形態に係るユーザ牽引装置1Eの構成図である。図8(b)に示す通り、連結部3Eは、ジャバラ機構30Eを含んで構成される。
【0039】
ジャバラ機構30Eは、推進部2Eが発生した推進力に応じた方向へ装着部4Eを柔軟に傾けることが可能な傾き制御機構でもある。ジャバラ機構30Eは、推進部2Eが推進力を生じさせた場合、連結部3Eは推進力の方向に自動的に傾く。連結部3Eが傾くことにより、ユーザを牽引する力を効率的に発揮させることができるようになり、ユーザを任意の方向に牽引することができる。この傾きによって、より効果的にユーザに外力を与えることができる。
【0040】
[第6実施形態]
図9は、第6実施形態に係るユーザ牽引装置1Fの構成図である。図9に示す通り、連結部3Fは、土台30F及びツメ機構31Fを含んで構成される。ユーザ牽引装置1Fは、推力発生部の配置及び形状を変えた実施形態である。
【0041】
連結部3Fは、推進部2Fと装着部4Fとの連結(接続)を解除可能な解除機構である土台30F及びツメ機構31Fを備える。土台30F及びツメ機構31Fは、推進部2Fと装着部4Fとを任意に接続又は接断することができる。
【0042】
連結部3Fとの接続を解除した推進部2Fは、単独で飛行する(飛び立つ)ことができ、連結部3Fに着陸することもできる。また、推進部2Fは、ユーザが事故に巻き込まれそうになり、その事態が緊急である場合などに、連結部3Fとの接続を解除し、推進部2Fが飛行してユーザの周囲に移動し、歩行を阻害することにより事故回避を促すことができる。
【0043】
また、推進部2Fがカメラを備える場合、ユーザの写真を撮影したい場合に、ユーザがユーザ牽引装置1Fを操作し、推進部2Fを切り離し、任意の点に推進部2Fを移動させ、写真を撮影させることができる。
【0044】
また、複数の推進部2Fがあった場合に、ユーザを牽引するための推進部2Fを適宜切り替えることができる。これにより現在牽引中の推進部2Fの電源のエネルギーが切れそうになった場合、及び、推進部2Fが損傷した場合に、別の推進部2Fに切り替えることができる。例えば、1台の推進部2Fは連結部3Fを介してユーザと接続してユーザを牽引しており、別の1台の推進部2Fはユーザの上空を飛行して周辺環境のセンシング又は写真撮影などを行っている状況で有効である。
【0045】
また、ユーザが頭、腕又は背中などの複数の部位に装着部4Fを装着している場合に、推進部2Fの装着位置を任意に切り替えることが可能となる。これにより、常にユーザの同じ身体的部位に負担をかけないようにすること、及び、牽引する方向に合わせてより効果的に牽引力を発揮できる場所に推進部2Fを移動させ、効率的な牽引を行うことができるようになる。
【0046】
ユーザ牽引装置1Fの電源のエネルギーが切れた場合、推進部2Fの重量を感じさせない方向に推進力を発生させることができず、ユーザに負担をかける場合がある。この場合に、エネルギーが切れる前に推進部2Fを切り離し、ユーザへの負担を減らすことができる。
【0047】
また、推進部2Fが障害物に衝突しそうになった場合に、推進部2Fが損傷及び衝突によるユーザへの衝撃を防ぐため、接続を切り離すことができる。推進部2Fは障害物との衝突が回避できるよう自立的に飛行し、障害物との衝突が回避できた後に推進部2Fは再び連結部3Fに接続することができる。
【0048】
また、電源がなくなった場合、及び、推進部2Fが故障した場合等に、推進部2Fの接続を解除し、他の推進部2Fと入れ替え、再度連結することができる。
【0049】
以上の通り、ユーザ牽引装置1Fにおいて、推進部2Fが飛び立つもしくは連結部3Fに着陸することができるため、複数の装着部4Fの間を推進部2Fが移動することができる。
【0050】
[第7実施形態]
図10は、第7実施形態に係るユーザ牽引装置1Gの構成図である。図10に示す通り、推進部2Gは、推力発生部20Gを含んで構成される。連結部3Gは、動的制御機構30G及びモーターMGを含んで構成される。ユーザ牽引装置1Gは、角度が能動的に指定可能な連結部3Gを含む実施形態である。
【0051】
動的制御機構30Gは、連結部3Gの角度を動的に制御する機構である。動的制御機構30Gの角度は、能動的に制御(指定)可能である。動的制御機構30Gによって連結部3Gの角度を制御することにより、推進部2Gが発生させた推進力の推進方向を制御することができ、ユーザの牽引方向の制御を連結部3Gにて行うことができる。ドローンのような複数のプロペラを備えた推進部2Gの、プロペラの回転数(推力)を制御することにより牽引力を発生させる場合に比べ、推進部2Gが発生させている推進力の向きを直接制御することができるため、より強い牽引力をユーザに与えることができると共に、連結部3Gの角度によって、ユーザを牽引する方向を制御することができる。
【0052】
また、ユーザ牽引装置1Gが不要である場合、又は、障害物に衝突しそうな場合等に、推進部2Gを、歩行の妨げとならない頭部背面部等に収納することができる。
【0053】
[第8実施形態]
図11は、第8実施形態に係るユーザ牽引装置1Hの構成図である。図11に示す通り、連結部3Hは、ひも30Hを含んで構成される。
【0054】
ユーザ牽引装置1Hでは、推進部2Hが推進力を発生させている場合でも、連結部3Hに引張力が発生していない間(たわんでいる間)は、牽引力が発生せず、ユーザは外力の影響を受けること無く歩行を行うことができる。
【0055】
[第9実施形態]
図12は、第9実施形態に係るユーザ牽引装置1Iの構成図である。図12に示す通り、推力発生部20Iは、角度変形機構21Iを含んで構成される。
【0056】
角度変形機構21Iは、推力発生部20Iの取り付け角度を可変(動的に制御可能)とする機構である。角度変形機構21Iによって、推力発生部20I(プロペラ)の回転数を変えずに、角度のみを変えることにより、ユーザに与える水平方向の推進力を制御することができる。また、本角度制御と併せて、推力発生部20I(プロペラ)の回転数を調整することにより、推進力の制御をより短時間にて行うことができる。また、推力発生部20I(プロペラ)の角度によって、推進力を発生させる方向を制御することができるため、例えばプロペラの数が少ない場合であっても、ユーザを任意の方向に牽引することができるようになる。
【0057】
[第10実施形態]
図13は、第10実施形態に係るユーザ牽引装置1Jの構成図である。図13に示す通り、連結部3Jは、連結機構30J及び傾き角度制御機構31Jを含んで構成される。また、装着部4Jは、ユーザの頭部ではなく、ユーザの腕部に装着される。
【0058】
ユーザ牽引装置1Jは、ユーザの腕部を牽引することにより、歩行牽引を行うものである。例えば、図11に示したのひも状の連結部と組み合わせることにより、ユーザは盲導犬に牽引されている場合と同様の外力を受けながら、牽引される。図13では装着部4Jを腕に装着する例を示したが、装着部4Jの装着部位は頭部又は腕に限定されない。例えば、肩、背中又は足等でも良い。
【0059】
[推進部2への電源供給方法]
図14は、推進部2への電力供給方法を示す図である。図14に示す通り、ユーザ牽引装置1において、推進部2自体がバッテリB1(電源)を備え、パワーラインP1を介して電力を供給する場合と、ユーザがバッテリB2(電源)を携帯(装着)し、パワーラインP2を介して電力を供給する場合と、両方のバッテリB1及びB2を備え、パワーラインP1及びP2を介して電力を供給する場合との何れでも実施することができる。すなわち、推力発生部は、推進部2が備えるバッテリB1とユーザが携帯しているバッテリB2との少なくとも一方から電力を供給可能である。両方のバッテリB1及びB2を備えている場合、通常はバッテリB2の電力を供給し、連結部3の接続が途切れたときにバッテリB1の電力を供給しても良い。これにより、推進部2はその後、バッテリB1の電力を利用して飛行することができる。
【0060】
また、バッテリB1は、バッテリB2の電力を用いて充電することができる。より具体的に、ユーザがユーザ牽引装置1を装着している間、ユーザが携帯しているバッテリB2から電力供給を受けることができる。これにより、推進部2がユーザの牽引を行っている最中に、推進部2のエネルギーが切れることを防ぐことができる。
【0061】
[その他の実施形態]
以下では、ユーザ牽引装置1のその他の実施形態について説明する。
【0062】
ユーザ牽引装置1は、ユーザに衝突することが予想される物体を検知する物体検知部(不図示)をさらに備え、推力発生部は、物体検知部によって物体が検知された場合に、当該物体を弾くように推力を発生してもよい。例えば、物体検知部は、ユーザの頭上又は周囲からユーザに衝突しそうな物体(落下物)があるかどうかを検知し、そのような物体が検知された場合に、推力発生部は当該物体を弾く方向に推力を発生させる(プロペラを回転させる)ことで、当該物体を弾き飛ばし、ユーザに物体が衝突することを防ぐこと(ユーザを保護すること)ができる。
【0063】
ユーザ牽引装置1は、音発生装置(不図示。騒音防止機能)をさらに備え、音発生装置は、推進力発生装置であるプロペラの回転時の騒音を検出し、検出した騒音の逆位相の音を発生する。これにより、プロペラが回転した際に発生する騒音の影響を抑えることができ、ユーザの聴覚への影響を抑えることができる。
【0064】
ユーザ牽引装置1は、上方向の推進力を発生させることにより、ユーザの転倒を防ぐことができる。例えば、加速度センサ等を用いて、ユーザが転倒しそうであることを転倒の直前に検知する機構を推進部2に予め組み込めば、ユーザが転倒しそうであることを検出した時に推進力を急激に増大させ、転倒を防止することができる。
【0065】
また、ユーザに対して上下方向の推進力を発生させることにより、ユーザ牽引装置1を擬似的な低重力体験装置又は高重力体験装置として利用することができる。さらにヘッドマウントディスプレイと組み合わせることにより、例えば月面空間を歩行するアプリケーションとして利用することができる。またヘッドマウントディスプレイ内で前後に引っ張られる映像を提示している際に、推進部2でユーザを前後に牽引する等、ユーザ牽引装置1を力覚フィードバックの提示装置としても利用することができる。
【0066】
推進部2が発生させる推進力の推進方向の制御は、周囲の地理的情報、推定した自己位置、周囲の障害物情報によって決定される経路情報に基づく制御だけでなく、ユーザ牽引装置1を操作するための操作装置を用いて制御しても良い。
【0067】
ユーザ牽引装置1を操作するための操作装置を、ユーザ自身が操作することにより、自身の運動能力の向上に利用することができる。例えばユーザが通常よりも高く飛ぶ、速く走る、又は足が不自由な人が松葉杖のように歩行の支援装置として利用する場合等に利用することができる。
【0068】
ユーザ牽引装置1を操作するための操作装置を、周囲の人が操作することにより、ユーザの歩行方向を制御することができる。例えばユーザ牽引装置1やユーザ自身が気づいていない周囲の障害物等の回避、小売店の行列の制御、又はスポーツの補助等に利用することができる。
【0069】
複数の推進部2をひも状の連結部3を介して装着部4に接続することにより、複数の推進部2が発生させる推進力を合成した牽引力にてユーザを牽引することができる。また、複数のうちの一基の推進部2が停止した場合でも、他の推進部2によってその影響を打ち消す方向に推進力を発生させることができる。また、複数の操縦者がそれぞれ一つの推進部2を操縦している場合に、それぞれの操縦している推進部2の推進力を合成した、牽引力の方向にユーザを牽引することができる。
【0070】
推進部2が映像提示装置(モニター)を備える場合、周囲に映像広告又はユーザが指定した映像を提示したり、他のカメラからユーザを識別するためのパターンの表示を行ったりすることができる。
【0071】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。
【0072】
近年、歩行者の目的地までの経路をサポートするシステムが、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)等の携帯情報端末の普及により、そのアプリケーションとして提供され、携帯端末の画面上に、携帯端末の周辺地図、及びその携帯端末を持つ歩行者の現在位置を表示し、歩行者の移動に伴ってその画面上の表示が随時更新されると共に、目的地までの経路を随時音声にて歩行者に通知されるようになっている。すなわち、視覚、聴覚への提示が主流である。
【0073】
しかしながら、視覚、聴覚は、歩行時に外部から情報を得る為に使われる重要な感覚でもある。携帯情報端末を操作しながら歩行すると、小さな画面を注視することになるため、周囲が見えているのにも関わらず、周囲で起こっていることが認識しづらくなる、非注意性盲目という状態に陥るため、危険である。
【0074】
また、視覚障害者にとっては、携帯情報端末の画面を目視で確認することができず、音声によるナビゲーションであっても、外部情報取得として視覚障害者にとって非常に重要な聴覚の妨げになる課題がある。また直接誘導されていない為、反応までに時間がかかり、危機回避が難しい課題がある。従って、より安全な歩行時のナビゲーションの為には、視覚、聴覚に依らないことが望ましい。
【0075】
人が歩行者を誘導する場合や、盲導犬が歩行者を誘導する場合に、歩行者を直接牽引する方法が最も直感的であり、触覚刺激を用いた手法では、外力を発生できないことに寄って生じる不自然さが残る課題がある。
【0076】
上記問題を解決するために、ユーザ牽引装置1は、歩行者を外力を用いた簡便かつ直感的な歩行牽引システムであって、特に外力を発生させる推進部2の推進方向によって牽引方向を変えることができる、新たな歩行牽引システムを提案するものである。
【0077】
ユーザ牽引装置1は、ユーザの歩行時に、周囲の障害物を回避しながら目的地に向かって進むために、ユーザが周囲に注意すること必要が無いよう、適切な方向に推進力を発生させることにより、ユーザを牽引することが可能な、ユーザの身体に装着可能な歩行牽引システムである。
【0078】
ユーザ牽引装置1は、ユーザを牽引するため、任意の方向に対して推進力を発生させることができる推進部2と、ユーザに装着するための装着部4と、推進部2と装着部4を接続するための連結部3とから構成される。
【0079】
ユーザ牽引装置1によれば、歩行者の歩行を誘導するために直接的に外力を与えることができる歩行牽引装置を提供することができる。
【0080】
なお、上記実施の形態の説明に用いた各機能は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能の実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能は、物理的及び/又は論理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線)で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
【0081】
例えば、上述の情報処理部200などは、コンピュータとして機能してもよい。図15は、情報処理部200のハードウェア構成の一例を示す図である。情報処理部200は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0082】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。情報処理部200のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0083】
情報処理部200における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信や、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することで実現される。
【0084】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。例えば、情報処理部200の各種処理等は、プロセッサ1001で実現されてもよい。
【0085】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールやデータを、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、情報処理部200の各種処理を実行する機能は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001で実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップで実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
【0086】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、情報処理部200の各種処理を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0087】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及び/又はストレージ1003を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0088】
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。例えば、情報処理部200の各種処理の一部は、通信装置1004で実現されてもよい。
【0089】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0090】
また、プロセッサ1001やメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
【0091】
また、情報処理部200は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
【0092】
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0093】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、または追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0094】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:trueまたはfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0095】
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0096】
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0097】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0098】
また、ソフトウェア、命令などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)などの有線技術及び/又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0099】
本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0100】
なお、本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。
【0101】
本明細書で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベースまたは別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。
【0102】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。本明細書で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及び/又はプリント電気接続を使用することにより、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどの電磁エネルギーを使用することにより、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0103】
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0104】
「含む(including)」、「含んでいる(comprising)」、およびそれらの変形が、本明細書あるいは特許請求の範囲で使用されている限り、これら用語は、用語「備える」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「または(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0105】
本開示の全体において、例えば、英語でのa、an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、これらの冠詞は、文脈から明らかにそうではないことが示されていなければ、複数のものを含むものとする。
【符号の説明】
【0106】
1…ユーザ牽引装置、2・2A・2C・2D・2E・2F・2G・2H・2J…推進部、3・3A・3B・3C・3D・3E・3F・3G・3H・3J…連結部、4・4A・4B・4C・4D・4E・4F・4G・4H・4J…装着部、20A・20B・20C・21C・20G・20I…推力発生部、21A…位置推定部、21I…角度変形機構、22A…障害物検知部、30A・30J…連結機構、30C…バネ、30D…ジョイント機構、30E…ジャバラ機構、30F…土台、30G…動的制御機構、30H…ひも、31A・31J…傾き角度制御機構、31F…ツメ機構、200…情報処理部、1001…プロセッサ、1002…メモリ、1003…ストレージ、1004…通信装置、1005…入力装置、1006…出力装置、1007…バス、B1・B2…バッテリ、MC・MG…モーター、P1・P2…パワーライン。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15