(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-16
(45)【発行日】2022-03-25
(54)【発明の名称】管理システム及び計測装置
(51)【国際特許分類】
G01N 33/493 20060101AFI20220317BHJP
G01G 17/04 20060101ALI20220317BHJP
G01G 3/14 20060101ALI20220317BHJP
【FI】
G01N33/493 B
G01G17/04 C
G01G3/14
(21)【出願番号】P 2018051497
(22)【出願日】2018-03-19
【審査請求日】2021-02-19
(31)【優先権主張番号】P 2017053072
(32)【優先日】2017-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(73)【特許権者】
【識別番号】509352897
【氏名又は名称】ジーニアルライト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140442
【氏名又は名称】柴山 健一
(72)【発明者】
【氏名】寺本 拓
(72)【発明者】
【氏名】國崎 嘉人
(72)【発明者】
【氏名】山川 敦史
(72)【発明者】
【氏名】下北 良
(72)【発明者】
【氏名】藤田 達之
(72)【発明者】
【氏名】澤田 貴
【審査官】三木 隆
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/157982(WO,A1)
【文献】特開2002-311025(JP,A)
【文献】国際公開第2016/103256(WO,A1)
【文献】特開2008-64485(JP,A)
【文献】特表2017-508956(JP,A)
【文献】特開昭62-2150(JP,A)
【文献】国際公開第2020/152575(WO,A1)
【文献】特開2003-10222(JP,A)
【文献】特表2018-503474(JP,A)
【文献】特開2012-105947(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 33/493
G01G 17/04
G01G 3/14
A61B 5/00
A61F 5/44
A61M 1/00
G01N 21/00
G01N 31/00
G01N 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
尿を貯留する貯留部と、前記貯留部に尿を導入する導尿管と、を有する尿バッグに貯留される尿に係る情報を取得する計測装置と、前記計測装置と通信可能である管理装置と、を備える、管理システムであって、
前記計測装置は、
一部が屈曲した前記導尿管の当該屈曲した部分において尿に含まれる血液を検出する検出部と、
前記検出部で検出された検出データを前記管理装置に送信する送信部と、を有し、
前記管理装置は、
前記計測装置から送信された前記検出データを受信する受信部と、
前記受信部において受信された前記検出データに基づいて尿における血尿の状態を算出する算出部と、を有する、管理システム。
【請求項2】
前記計測装置は、前記導尿管を屈曲させた状態で前記導尿管を保持する保持部を有する、請求項1に記載の管理システム。
【請求項3】
前記保持部は、前記導尿管の上流側よりも下流側が低くなるように、前記導尿管を保持する、請求項2に記載の管理システム。
【請求項4】
前記検出部は、前記導尿管の屈曲部よりも前記上流側の位置で前記血液を検出する、請求項3に記載の管理システム。
【請求項5】
前記保持部は、前記導尿管の一部を下方に凸状に屈曲させた状態で前記導尿管を保持する、請求項2~4のいずれか一項に記載の管理システム。
【請求項6】
前記計測装置は、
前記尿バッグの前記貯留部が取り付けられる計量ユニットと、
前記計量ユニットが設けられる本体ユニットと、を有し、
前記本体ユニットは、前記導尿管を保持すると共に、前記導尿管の延在方向における移動を規制する第1規制部を有し、
前記計量ユニットは、前記第1規制部よりも前記導尿管の下流側の位置において前記導尿管を保持すると共に、前記導尿管の延在方向における移動を規制する第2規制部を有し、
前記保持部は、前記本体ユニットにおいて、前記第1規制部と前記第2規制部との間に設けられる、請求項2~5のいずれか一項に記載の管理システム。
【請求項7】
前記検出部は、
光を照射する投光部と、
前記投光部から照射された前記光を受光する受光部と、を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の管理システム。
【請求項8】
前記管理装置は、前記受信部において受信した前記検出データを記憶する記憶部を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の管理システム。
【請求項9】
前記管理装置は、
前記算出部により算出された血尿の状態が所定の閾値を超えた場合に、報知信号を生成する制御部と、
前記制御部により生成された前記報知信号に基づく表示を行う表示部と、を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の管理システム。
【請求項10】
前記管理装置と通信可能である端末を備え、
前記管理装置は、前記制御部で生成された前記報知信号を前記端末に送信する送信部を有する、請求項9に記載の管理システム。
【請求項11】
前記計測装置は、前記尿バッグに貯留される尿を計量する計量部を有し、
前記計測装置の前記送信部は、前記計量部で計量された尿の計量データを前記管理装置に送信する、請求項1~10のいずれか一項に記載の管理システム。
【請求項12】
尿を貯留する貯留部と、前記貯留部に尿を導入する導尿管と、を有する尿バッグに貯留される尿に係る情報を取得する計測装置であって、
一部が屈曲した前記導尿管の当該屈曲した部分において尿に含まれる血液を検出する検出部と、
前記検出部で検出された検出データを送信する送信部と、を備える、計測装置。
【請求項13】
前記導尿管を屈曲させた状態で前記導尿管を保持する保持部を備える、請求項12に記載の計測装置。
【請求項14】
前記保持部は、前記導尿管の上流側よりも下流側が低くなるように、前記導尿管を保持する、請求項13に記載の計測装置。
【請求項15】
前記検出部は、前記導尿管の屈曲部よりも前記上流側の位置で前記血液を検出する、請求項14に記載の計測装置。
【請求項16】
前記保持部は、前記導尿管の一部を下方に凸状に屈曲させた状態で前記導尿管を保持する、請求項13~15のいずれか一項に記載の計測装置。
【請求項17】
前記尿バッグの前記貯留部が取り付けられる計量ユニットと、
前記計量ユニットが設けられる本体ユニットと、を備え、
前記本体ユニットは、前記導尿管を保持すると共に、前記導尿管の延在方向における移動を規制する第1規制部を有し、
前記計量ユニットは、前記第1規制部よりも前記導尿管の下流側の位置において前記導尿管を保持すると共に、前記導尿管の延在方向における移動を規制する第2規制部を有し、
前記保持部は、前記本体ユニットにおいて、前記第1規制部と前記第2規制部との間に設けられる、請求項13~16のいずれか一項に記載の計測装置。
【請求項18】
前記尿バッグに貯留される尿を計量する計量部を備え、
前記送信部は、前記計量部で計量された尿の計量データを送信する、請求項12~17のいずれか一項に記載の計測装置。
【請求項19】
前記検出部は、
光を照射する投光部と、
前記投光部から照射された前記光を受光する受光部と、を有する、請求項12~18のいずれか一項に記載の計測装置。
【請求項20】
前記検出部で検出された前記検出データを記憶する記憶部を備え、
前記送信部は、前記記憶部に記憶されている前記検出データを送信する、請求項12~19のいずれか一項に記載の計測装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理システム及び計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
病院等では、全身麻酔による手術後等、移動することが困難な患者に対して、尿バッグを用いる。尿バッグは、患者から排出された尿を貯留する。尿バッグは、尿を貯留する貯留部と、貯留部に尿を導入する導尿管と、を有している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
手術等の後には、術後の経過を確認するために、尿の血尿の状態を確認する作業が行われることがある。血尿の状態は、貯留部に貯留された尿、及び/又は、排出された直後の尿において確認され得る。排出された直後の尿の血尿の状態を確認する場合、導尿管を通過する尿で血尿の状態を判定する必要がある。しかしながら、導尿管を通過する尿と血尿スケールとを見比べて血尿の状態を判定することは容易ではなく、判定精度が低下し得る。
【0005】
本発明の一側面は、導尿管を通過する尿の血尿の状態を精度良く判定できる管理装置及び計測装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係る管理システムは、尿を貯留する貯留部と、貯留部に尿を導入する導尿管と、を有する尿バッグに貯留される尿に係る情報を取得する計測装置と、計測装置と通信可能である管理装置と、を備える、管理システムであって、計測装置は、一部が屈曲した導尿管の当該屈曲した部分において尿に含まれる血液を検出する検出部と、検出部で検出された検出データを管理装置に送信する送信部と、を有し、管理装置は、計測装置から送信された検出データを受信する受信部と、受信部において受信された検出データに基づいて尿における血尿の状態を算出する算出部と、を有する。
【0007】
本発明の一側面に係る管理システムでは、計測装置は、導尿管の屈曲した部分において尿に含まれる血液を検出する。導尿管の屈曲した部分には、尿が溜まる。したがって、計測装置では、導尿管を通過する尿に含まれる血液を確実に検出できる。管理装置は、計測装置から送信された検出データを受信し、検出データに基づいて血尿の状態を算出する。このように、管理システムでは、導尿管を通過する尿の血液を確実に検出できるため、導尿管を通過する尿の血尿の状態を精度良く判定できる。
【0008】
一実施形態においては、計測装置は、導尿管を屈曲させた状態で導尿管を保持する保持部を有していてもよい。この構成では、導尿管の屈曲部分を確実に保持できる。或いは、導尿管に屈曲部分を形成することができる。これにより、導尿管の屈曲した部分に尿を溜めることができるため、導尿管を通過する尿に含まれる血液を確実に検出できる。
【0009】
一実施形態においては、保持部は、導尿管の上流側よりも下流側が低くなるように、導尿管を保持してもよい。この構成では、導尿管において尿を貯留させつつ、尿を貯留部に導入することができる。
【0010】
一実施形態においては、検出部は、導尿管の屈曲部よりも上流側の位置で血液を検出してもよい。この構成では、導尿管において尿が確実に貯留された位置で、血液を検出することができる。
【0011】
一実施形態においては、保持部は、導尿管の一部を下方に凸状に屈曲させた状態で導尿管を保持してもよい。この構成では、導尿管の屈曲した部分に尿を確実に溜めることができる。
【0012】
一実施形態においては、計測装置は、尿バッグの貯留部が取り付けられる計量ユニットと、計量ユニットが設けられる本体ユニットと、を有し、本体ユニットは、導尿管を保持すると共に、導尿管の延在方向における移動を規制する第1規制部を有し、計量ユニットは、第1規制部よりも導尿管の下流側の位置において導尿管を保持すると共に、導尿管の延在方向における移動を規制する第2規制部を有し、保持部は、本体ユニットにおいて、第1規制部と第2規制部との間に設けられていてもよい。この構成では、保持部で保持される導尿管が引っ張られたりすることを抑制できる。したがって、導尿管の屈曲した部分に尿を適切に溜めることができる。その結果、導尿管を通過する尿に含まれる血液を確実に検出できる。
【0013】
一実施形態においては、検出部は、光を照射する投光部と、投光部から照射された光を受光する受光部と、を有していてもよい。この構成では、受光部において受光された光の強度に基づいて、血尿の状態の判定を精度良く行うことができる。
【0014】
一実施形態においては、管理装置は、受信部において受信した検出データを記憶する記憶部を有していてもよい。この構成では、患者の検出データをログとして記憶できる。そのため、尿の血尿の状態の時間遷移等を確認することができる。また、スタッフが検出データを手書きで記載する必要がないため、スタッフによる記載ミス等の人為的なミスを回避できる。
【0015】
一実施形態においては、管理装置は、算出部により算出された血尿の状態が所定の閾値を超えた場合に、報知信号を生成する制御部と、制御部により生成された報知信号に基づく表示を行う表示部と、を有していてもよい。この構成では、血尿の状態が所定の閾値を超えていることをスタッフに報知できる。
【0016】
一実施形態においては、管理装置と通信可能である端末を備え、管理装置は、制御部で生成された報知信号を端末に送信する送信部を有していてもよい。この構成では、管理装置が設置された場所にスタッフがいない場合であっても、スタッフに対して、血尿の状態について緊急性が生じていることを報知できる。
【0017】
一実施形態においては、計測装置は、尿バッグに貯留される尿を計量する計量部を有し、計測装置の送信部は、計量部で計量された尿の計量データを管理装置に送信してもよい。この構成では、計測装置の計量部によって尿を計量し、計量データを管理装置に送信する。管理装置は、計測装置から送信された計量データを受信し、計量データに係る情報を表示させることが可能となる。このように、管理システムでは、スタッフが病室を訪れなくても、管理装置において尿の量等を確認すること可能となる。したがって、スタッフの目視による確認作業を行う必要がない。そのため、管理システムでは、スタッフの作業負担の軽減を図れる。
【0018】
本発明の一側面に係る計測装置は、尿を貯留する貯留部と、貯留部に尿を導入する導尿管と、を有する尿バッグに貯留される尿に係る情報を取得する計測装置であって、一部が屈曲した導尿管の当該屈曲した部分において尿に含まれる血液を検出する検出部と、検出部で検出された検出データを送信する送信部と、を備える。
【0019】
本発明の一側面に係る計測装置では、導尿管の屈曲した部分において尿に含まれる血液を検出する。導尿管の屈曲した部分には、尿が溜まる。したがって、計測装置では、導尿管を通過する尿に含まれる血液を確実に検出できる。そのため、検出データを管理装置等で受信することにより、検出データに基づいて血尿の状態を算出できる。このように、導尿管を通過する尿の血液を確実に検出できるため、管理装置等において導尿管を通過する尿の血尿の状態を精度良く判定できる。
【0020】
一実施形態においては、導尿管を屈曲させた状態で導尿管を保持する保持部を備えていてもよい。この構成では、導尿管の屈曲部分を確実に保持できる。或いは、導尿管に屈曲部分を形成することができる。これにより、導尿管の屈曲した部分に尿を溜めることができるため、導尿管を通過する尿に含まれる血液を確実に検出できる。
【0021】
一実施形態においては、保持部は、導尿管の上流側よりも下流側が低くなるように、導尿管を保持してもよい。この構成では、導尿管において尿を貯留させつつ、尿を貯留部に導入することができる。
【0022】
一実施形態においては、検出部は、導尿管の屈曲部よりも上流側の位置で血液を検出してもよい。この構成では、導尿管において尿が確実に貯留された位置で、血液を検出することができる。
【0023】
一実施形態においては、保持部は、導尿管の一部を下方に凸状に屈曲させた状態で導尿管を保持してもよい。この構成では、導尿管の屈曲した部分に尿を確実に溜めることができる。
【0024】
一実施形態においては、尿バッグの貯留部が取り付けられる計量ユニットと、計量ユニットが設けられる本体ユニットと、を有し、本体ユニットは、導尿管を保持すると共に、導尿管の延在方向における移動を規制する第1規制部を有し、計量ユニットは、第1規制部よりも導尿管の下流側の位置において導尿管を保持すると共に、導尿管の延在方向における移動を規制する第2規制部を有し、保持部は、本体ユニットにおいて、第1規制部と第2規制部との間に設けられていてもよい。この構成では、保持部で保持される導尿管が引っ張られたりすることを抑制できる。したがって、導尿管の屈曲した部分に尿を適切に溜めることができる。その結果、導尿管を通過する尿に含まれる血液を確実に検出できる。
【0025】
一実施形態においては、尿バッグに貯留される尿を計量する計量部を有し、送信部は、計量部で計量された尿の計量データを送信してもよい。この構成では、計測装置の計量部によって尿を計量し、計量データを送信する。これにより、計量データを受信した管理装置等においては、計量データに係る情報を表示させることが可能となる。このように、スタッフが病室を訪れなくても、管理装置等において尿の量等を確認すること可能となる。したがって、スタッフの目視による確認作業を行う必要がない。そのため、スタッフの作業負担の軽減を図れる。
【0026】
一実施形態においては、検出部は、光を照射する投光部と、投光部から照射された光を受光する受光部と、を有していてもよい。この構成では、受光部において受光された光の強度に基づいて、血尿の状態の判定を精度良く行うことができる。
【0027】
一実施形態においては、検出部で検出された検出データを記憶する記憶部を備え、送信部は、記憶部に記憶されている検出データを送信してもよい。この構成では、患者の検出データをログとして記憶できる。そのため、管理装置等において、尿の血尿の状態の時間遷移等を確認することが可能となる。
【発明の効果】
【0028】
本発明の一側面によれば、導尿管を通過する尿の血尿の状態を精度良く判定できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る管理システムを示す図である。
【
図2】
図2は、計測装置を前方側から示す斜視図である。
【
図3】
図3は、計測装置を後方側から示す斜視図である。
【
図5】
図5は、計測装置の構成を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、管理装置の構成を示すブロック図である。
【
図8】
図8は、管理装置に表示される画面の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、管理装置に表示される画面の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、管理装置に表示される画面の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、変形例に係るセンサの構造を示す図である。
【
図13】
図13は、他の実施形態に係る計測装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0031】
図1に示されるように、管理システム1は、計測装置3と、管理装置5と、携帯端末7と、を備えている。本実施形態では、計測装置3及び携帯端末7は、複数設けられている。計測装置3、管理装置5及び携帯端末7は、無線LAN(Local Area Network)等のネットワークNを介して互いに通信可能とされている。管理システム1は、例えば、病院等において、尿バッグ100(
図2参照)に貯留される患者の尿を管理する。
【0032】
計測装置3は、尿バッグ100に貯留される尿に係る情報を取得する。
図2に示されるように、尿バッグ100は、尿を貯留する貯留部102と、貯留部102に尿を導入する導尿管104と、貯留部102に貯留されている尿を排出する排尿管106と、を有する。排尿管106には、弁108が設けられている。弁108を操作することにより、貯留部102から排尿管106を介して尿を排出できる。尿バッグ100は、市販されているものを用いることができる。
【0033】
図2及び
図3に示されるように、計測装置3は、本体ユニット10と、計量ユニット12と、を備えている。以下の説明においては、
図2及び
図3に示される「前」「後」「左」「右」で方向を規定する。
【0034】
本体ユニット10は、例えば、プラスチック等で形成される筐体である。本体ユニット10は、表示部14と、操作部16と、取付け部18と、第1規制部20と、保持部21と、を有している。また、本体ユニット10には、計測装置3の電源のON/OFFを操作する電源ボタンB、及び、計測装置3に電力を供給する電源コード(図示省略)が接続される接続部Cが設けられている。
【0035】
表示部14は、テキスト、画像等を表示可能なLCD(Liquid Cristal Display)等のディスプレイである。表示部14は、操作部16の操作により、各種設定画面、尿の計量値、血尿の状態等が表示可能である。操作部16は、各種設定、表示部14に表示させるデータの切り換え等の操作が可能である。
【0036】
取付け部18は、計測装置3をベッド等に取り付けるための器具である。取付け部18は、本体ユニット10の後面(背面)10aに配置されている。取付け部18は、U字状のフックである。取付け部18は、ベッドのフレーム等に引っ掛けられる。取付け部18は、ねじ18aを操作することにより、上下方向において移動可能である。これにより、本体ユニット10(計測装置3)の高さ位置の調整が可能である。
【0037】
第1規制部20は、尿バッグ100の導尿管104を保持する。第1規制部20は、例えば、本体ユニット10に導入される導尿管104の最上流の箇所を保持する。第1規制部20は、導尿管104の延在方向における移動を規制する。第1規制部20は、導尿管104が配置される溝20aと、溝20aを覆う蓋20bと、を有する。蓋20bは、揺動自在に設けられており、溝20aに対して開閉可能である。蓋20bは、図示しない係止構造により、閉じた位置で固定される。
【0038】
保持部21は、尿バッグ100の導尿管104を保持する。保持部21は、導尿管104の一部を下方に凸状に屈曲させた状態で導尿管104を保持する。
図2に示されるように、保持部21は、第1保持部材21aと、第2保持部材21bと、第3保持部材21cと、を有する。本実施形態では、第1保持部材21a、第2保持部材21b及び第3保持部材21cは、円柱部材である。第1保持部材21aと、第2保持部材21bと、第3保持部材21cは、本体ユニット10の前面10bから前方に突出して設けられている。
【0039】
保持部21は、第1規制部20と後述する第2規制部22との間に設けられる。
図4に示されるように、保持部21では、本体ユニット10の前方側から見て、第1保持部材21aの中心、第2保持部材21bの中心及び第3保持部材21cの中心を結ぶ直線が三角形状を成すように配置される。詳細には、第2保持部材21bは、第1保持部材21a及び第3保持部材21cの間で、且つ、第1保持部材21a及び第3保持部材21cよりも上方に配置される。導尿管104は、第1保持部材21aの上部、第2保持部材21bの下部及び第3保持部材21cの上部に接触するようにセットされる。これにより、導尿管104は、その一部が下方に凸状に屈曲する。
【0040】
本実施形態では、保持部21は、導尿管104の上流側よりも下流側が低くなるように、導尿管104を保持する。具体的には、
図4に示されるように、第1保持部材21aは、第3保持部材21cよりも高い位置(上方の位置)に配置される。これにより、保持部21に保持された導尿管104は、上流側よりも下流側が低くなる。
【0041】
計量ユニット12は、本体ユニット10に設けられている。計量ユニット12は、本体ユニット10に対して、上下方向に移動可能に設けられている。計量ユニット12は、第2規制部22と、係止部24と、を有している。第2規制部22は、尿バッグ100の導尿管104を保持する。第2規制部22は、本体ユニット10の第1規制部20よりも導尿管104の下流側の位置を保持する。第2規制部22は、導尿管104の延在方向における移動を規制する。第2規制部22は、導尿管104が配置される溝22aと、溝22aを覆う蓋22bと、を有する。蓋22bは、揺動自在に設けられており、溝22aに対して開閉可能である。蓋22bは、図示しない係止構造により、閉じた位置で固定される。
【0042】
係止部24は、尿バッグ100の貯留部102を計量ユニット12に取り付ける。係止部24は、計量ユニット12の前面12aから前方に突出する。係止部24は、尿バッグ100に設けられた取付孔110に挿通される。尿バッグ100の貯留部102は、係止部24に吊るされた状態で保持される。
【0043】
また、
図5に示されるように、計測装置3は、ロードセル(計量部)26と、コンバータ(計量部)28と、センサ(検出部)30と、送信部32と、を備えている。
【0044】
ロードセル26は、本体ユニット10及び計量ユニット12に接続されている。ロードセル26は、計量ユニット12に取り付けられた尿バッグ100の貯留部102の重量を検知する。ロードセル26は、尿バッグ100の貯留部102の重量を検知し、当該重量に関する計量データをコンバータ28へ出力する。ロードセル26が出力する計量データは、計量する物品の重量に応じた電圧等のアナログ信号である。ロードセル26は、半導体圧力センサ等の歪みを計る素子を含んで構成されている。ロードセル26としては、特に限定されず、公知の種々のロードセルを採用できる。
【0045】
コンバータ28は、例えば、本体ユニット10に配置されている。コンバータ28は、ロードセル26から出力されたアナログ信号の計量データを、デジタル信号の計量データへ変換する。また、コンバータ28は、センサ30の後述する受光部30bから出力されたアナログ信号の光量データを、デジタル信号の光量データへ変換する。コンバータ28は、計量データ及び光量データを送信部32に出力する。
【0046】
センサ30は、尿の血尿の状態を検出する。
図6に示されるように、センサ30は、2つの投光部30aと、受光部30bと、を有する。センサ30は、投光部30a及び受光部30bの駆動回路等を更に備えていてもよい。
【0047】
本実施形態では、投光部30aは、光を照射する。光は、例えば、可視光、赤外線を含む光、紫外線を含む光等である。本実施形態では、投光部30aは、可視光を照射する。投光部30aは、例えば、LED(Light Emitting Diode)である。受光部30bは、例えば、PD(Photo Diode)である。受光部30bは、投光部30aから照射された光を受光する。投光部30a及び受光部30bは、本体ユニット10に配置されている。具体的には、センサ30は、導尿管104の屈曲した部分に対応する位置に配置されている。
【0048】
図7に示されるように、2つの投光部30a及び受光部30bは、導尿管104の一方側に配置される。具体的には、2つの投光部30aの間に受光部30bが配置される。このセンサ30では、2つの投光部30aから照射された光が尿で反射され、受光部30bで受光される。受光部30bは、受光した光量に関する光量データ(検出データ)をコンバータ28へ出力する。受光部30bが出力する光量データは、受光した光量に応じた電圧値を示すアナログ信号である。
【0049】
送信部32は、重量データ及び血尿データを無線送信する無線モジュールである。送信部32は、コンバータ28から出力された計量データ及び光量データを、計測装置3の固有の識別コードと関連付けて無線送信する。送信部32の通信方式としては、公知の種々の無線通信方式を利用できる。送信部32が計量データ及び光量データのそれぞれを管理装置5に送信するタイミングは、コンバータ28から計量データ及び血尿データを受け取ったタイミングであってもよいし、所定時間毎であってもよい。
【0050】
管理装置5は、複数の計測装置3を統括的に管理する上位装置として機能する。
図1に示されるように、管理装置5は、複数の計測装置3及び複数の携帯端末7に対して、無線LAN(Local Area Network)等のネットワークNを介して通信可能とされている。管理装置5は、各計測装置3で計測されたデータを、統括的に管理する。管理装置5は、例えば、ナースステーションに設置された専用コンピュータで構成されてもよいが、市販のパーソナルコンピュータにソフトウェアをインストールして用いてもよい。なお、管理装置5は、計測装置3に対して直接通信可能であってもよい。
【0051】
図8に示されるように、管理装置5は、受信部40と、記憶部42と、制御部(算出部)44と、表示部46と、送信部48と、を有している。受信部40は、計測装置3から送信されたデータ及びIDコードを受信する。受信部40は、受信したデータ及びIDコードを記憶部42に出力する。
【0052】
記憶部42は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びHDD(Hard Disc Drive)等で構成されている。記憶部42は、複数の計測装置3のデータ(計量データ、光量データ)それぞれを、識別コードに関連付けて記憶する。また、記憶部42は、制御部44により算出された重量データ及び血尿データを、識別コードに関連付けて記憶する。
【0053】
制御部44は、CPU(Central Processing Unit)等で構成されている。制御部44は、管理装置5の動作を統括的に制御する。
【0054】
制御部44は、尿バッグ100の貯留部102に貯留される尿の重量を算出する。制御部44は、記憶部42に記憶されている計量データから重量を算出し、当該重量から風袋重量(計測装置3の計量ユニット12及び尿バッグ100等を含む重量)を差し引くことにより、尿の重量を算出する。制御部44は、算出した尿の重量を示す重量データを記憶部42に出力する。
【0055】
制御部44は、記憶部42に記憶されている光量データに基づいて、尿の血尿の状態を判定する。尿に血液が含まれる場合、血液(血球)において光が吸収されるため、受光部30bにおける受光量が少なくなる。すなわち、尿に含まれる血液の量によって、尿の色の濃度が変化するため、受光部30bにおける受光量が変化する。電圧値が高い場合、尿に含まれる血液の量が少なく、電圧値が低い場合、尿に含まれる血液の量が多い。記憶部42は、光量データが示す電圧値と、血尿の状態(レベル)とが対応付けられたテーブルを有する。制御部44は、電圧値に基づいて当該テーブルを参照し、血尿の状態を判定する。
【0056】
本実施形態では、制御部44は、血尿の状態を6段階で判定する。具体的には、制御部44は、例えば、電圧値が第1範囲内である場合にはレベル0(Lv.0)、電圧値が第2範囲内である場合にはレベル1(Lv.1)、電圧値が第3範囲内である場合にはレベル2(Lv.2)、電圧値が第4範囲内である場合にはレベル3(Lv.3)、電圧値が第5範囲内である場合にはレベル4(Lv.4)、電圧値が第6範囲内である場合にはレベル5(Lv.5)であると判定する。各レベルは、例えば、赤血球量の含有割合によって設定される血尿スケールに基づいて設定することができる。制御部44は、血尿の状態の判定を常時行ってもよいし、所定の時間毎に行ってもよい。制御部44は、血尿の状態を示す血尿データを記憶部42に出力する。
【0057】
制御部44は、例えばキーボード等の操作部(図示省略)の操作に応じて、表示部46の表示を制御する。表示部46は、コンピュータのディスプレイである。制御部44は、例えば、患者の尿の重量及び血尿の状態の表示を要求する操作を受け付けた場合には、記憶部42から重量データ及び血尿データを取得し、表示部46に表示させる。
【0058】
図9に示されるように、表示部46には、例えば、患者毎に、累尿量、血尿の状態、及び、判定結果が表示されてもよい。累尿量としては、現在の尿の量(例えば25ml)と、尿バッグ100の貯留部102に貯留され得る量(例えば2500ml)とが表示される。血尿の状態としては、現在の血尿の状態のレベル(例えばLv.1)が表示される。判定結果は、累尿量及び血尿の状態の総合的な判定結果を示している。判定は、制御部44が行う。例えば、累尿量及び血尿の状態の両方が所定の閾値に達していない場合には「○(マル)」、累尿量及び血尿の状態の少なくとも一方が所定の閾値に近づいている場合には「△(サンカク)」、累尿量及び血尿の状態の少なくとも一方が閾値を超えている場合には「×(バツ)」とする。
【0059】
また、
図10に示されるように、表示部46には、例えば、複数の患者のデータが表示されてもよい。各患者は、タブで表示される。各患者のデータは、タブを選択することにより表示可能である。各患者のデータとしては、累尿量、血尿の状態、及び、貯留部102の状態を示す図が表示されてもよい。累尿量としては、現在の尿の量(例えば25ml)と、尿バッグ100の貯留部102に貯留され得る量(例えば2500ml)とが表示される。血尿の状態としては、現在の血尿の状態のレベル(例えばLv.1)が表示される。貯留部102の状態を示す図は、貯留部102に貯留されている尿の量を視覚的に認識できる図である。累尿量に応じて、図における尿の高さ位置が変化する。
【0060】
また、
図11に示されるように、表示部46には、各患者のデータが一覧で表示されてもよい。各患者のデータとしては、例えば、累尿量及び血尿の状態が表示される。累尿量としては、現在の尿の量(例えば25ml)と、尿バッグ100の貯留部102に貯留され得る量(例えば2500ml)とが表示される。血尿の状態としては、現在の血尿の状態のレベル(例えばLv.1)が表示される。表示部46において、各患者のデータは、累尿量及び血尿の状態の状態に基づいて、表示の色が区別されてもよい。また、表示部46には、各患者の排尿量及び血尿の状態の時間遷移を示すグラフが表示されてもよい。
【0061】
制御部44は、重量データにおいて、尿の重量が所定の閾値を超えた場合には、報知信号を生成する。また、制御部44は、血尿データにおいて、血尿の状態が所定のレベルを超えた場合には、報知信号を生成する。尿の重量の閾値は、尿バッグ100の貯留部102における貯留可能量に応じて設定可能である。血尿の状態の閾値は、患者の状態等に応じて任意に設定可能である。制御部44は、患者を特定する情報、尿の累尿量及び/又は血尿の状態を示す情報を含む報知信号を任意の携帯端末7に送信する。また、制御部44は、報知信号に基づく画像を表示部46に表示させてもよい。このとき、ブザー等の音を出してもよい。
【0062】
送信部48は、報知信号を無線送信する無線モジュールである。送信部48は、制御部44で生成された報知信号を携帯端末7に送信する。
【0063】
携帯端末7は、管理装置5と通信可能な端末である。携帯端末7は、CPU、ROM、RAM及びHDD等で構成されている。
図11に示されるように、携帯端末7は、受信部50と、表示部52と、を有している。
【0064】
受信部50は、管理装置5から送信された報知信号を受信する。表示部52は、受信部50において受信された報知信号に含まれる情報を表示する。表示部52には、患者の氏名、当該患者の累尿量及び/又は血尿の状態を示す情報が表示される。なお、表示部52で表示する際、ブザー等の音を出してもよい。
【0065】
以上説明したように、本実施形態に係る管理システム1では、計測装置3は、導尿管104の一部を下方に凸状に屈曲させた状態で導尿管104を保持する保持部21を有する。これにより、導尿管104の屈曲した部分に尿が溜まる。計測装置3は、屈曲した部分において尿に含まれる血液を検出し、光量データを管理装置5に送信する。このように、計測装置3では、導尿管104を通過する尿に含まれる血液を確実に検出できる。管理装置5は、計測装置3から送信された光量データを受信し、光量データに基づいて血尿の状態を算出する。このように、管理システム1では、導尿管104を通過する尿の血液を確実に検出できるため、導尿管104を通過する尿の血尿の状態を精度良く判定できる。
【0066】
例えば、放射線治療を行っている患者の尿には、放射性物質等が含まれている場合がある。試験紙によって血尿を判定する場合には、スタッフが尿と接触する可能性があり、スタッフが被爆するおそれがある。本実施形態に係る管理システム1では、尿の接触することなく、尿の血尿の状態を精度良く判定できる。そのため、管理システム1では、スタッフの安全性を確保できる。
【0067】
本実施形態に係る管理システム1では、計測装置3の保持部21は、導尿管104の上流側よりも下流側が低くなるように、導尿管104を保持する。この構成では、導尿管104において尿を貯留させつつ、尿を貯留部102に導入することができる。
【0068】
本実施形態に係る管理システム1では、計測装置3は、尿バッグ100の貯留部102が取り付けられる計量ユニット12と、計量ユニット12が設けられる本体ユニット10と、を有する。本体ユニット10は、導尿管104を保持すると共に、導尿管104の延在方向における移動を規制する第1規制部20を有する。計量ユニット12は、第1規制部20よりも導尿管104の下流側の位置において導尿管104を保持すると共に、導尿管104の延在方向における移動を規制する第2規制部22を有する。保持部21は、本体ユニット10において、第1規制部20と第2規制部22との間に設けられている。この構成では、保持部21で保持される導尿管104が引っ張られたりすることを抑制できる。したがって、導尿管104の屈曲した部分に尿を適切に溜めることができる。その結果、導尿管104を通過する尿に含まれる血液を確実に検出できる。
【0069】
本実施形態に係る管理システム1では、センサ30は、光を照射する投光部30aと、投光部30aから照射された光を受光する受光部30bと、を有する。この構成では、受光部30bにおいて受光された光の強度に基づいて、血尿の状態の判定を精度良く行うことができる。
【0070】
本実施形態に係る管理システム1では、管理装置5は、受信部40において受信した光量データを記憶する記憶部42を有している。この構成では、患者の光量データをログとして記憶できる。そのため、尿の血尿の状態の時間遷移等を確認することができる。また、スタッフが光量データを手書きで記載する必要がないため、スタッフによる記載ミス等の人為的なミスを回避できる。
【0071】
本実施形態に係る管理システム1では、管理装置5の制御部44は、血尿の状態が所定の閾値を超えた場合に、報知信号を生成する。表示部46は、制御部44により生成された報知信号に基づく表示を行う。この構成では、血尿の状態が所定の閾値を超えていることをスタッフに報知できる。
【0072】
本実施形態に係る管理システム1では、管理装置5と通信可能に接続された携帯端末7を備える。管理装置5は、制御部44で生成された報知信号に携帯端末7に送信する送信部48を有する。この構成では、管理装置5が設置された場所にスタッフがいない場合であっても、スタッフに対して、血尿の状態について緊急性が生じていることを報知できる。
【0073】
本実施形態に係る管理システム1では、計測装置3は、尿バッグ100に貯留される尿を計量するロードセル26する。計測装置3の送信部32は、ロードセル26で計量された尿の計量データを管理装置5に送信する。この構成では、計測装置3のロードセル26によって尿を計量し、計量データを管理装置5に送信する。管理装置5は、計測装置3から送信された計量データを受信し、計量データに係る情報を表示部46に表示させることができる。このように、管理システム1では、スタッフが病室を訪れなくても、管理装置5において尿の量等を確認すること可能となる。したがって、スタッフの目視による確認作業を行う必要がない。そのため、管理システム1では、スタッフの作業負担の軽減を図れる。
【0074】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0075】
上記実施形態では、計測装置3が計量データ及び光量データを管理装置5に送信し、管理装置5において重量データ及び血尿の状態を算出する形態を一例に説明した。しかし、計測装置3において重量データ及び血尿の状態を算出してもよい。この場合、計測装置は、重量データ及び血尿データを管理装置に送信する。この構成においては、計測装置は、制御部、記憶部等を有していればよい。
【0076】
上記実施形態では、計量データ及び光量データを管理装置5に送信する形態を一例に説明した。しかし、計量データ及び光量データを携帯端末7に送信してもよい。この場合、携帯端末は、管理装置5と同様の機能を有していてもよい。
【0077】
上記実施形態では、計測装置3と管理装置5とが別体であり、計測装置3と管理装置5とがネットワークNを介して通信する形態を一例に説明した。しかし、計測装置と管理装置とは、一体に構成されていてもよい。すなわち、管理システムは、スタンドアローンで機能してもよい。この管理システムは、1つの装置の中に、計測装置として機能する部分と、管理装置として機能する部分と、を備える。管理システムでは、計測装置において尿に含まれる血液を検出し、計測装置から送信された検出データに係る情報を、管理装置の表示部で表示する。また、管理システムでは、計測装置において尿を計量し、計測装置から送信された計量データに係る情報を、管理装置の表示部で表示してもよい。なお、管理システムは、各種データを、他の記憶装置等に出力してもよい。
【0078】
上記実施形態では、保持部21が円柱状の第1保持部材21a、第2保持部材21b及び第3保持部材21cを有する形態を一例に説明した。しかし、保持部の構成はこれに限定されない。保持部は、例えば、溝であってもよい。この場合、溝は、導尿管104の一部を下方に凸状に屈曲させた状態で導尿管104を保持すればよい。
【0079】
上記実施形態では、保持部21が、導尿管104の一部を下方に凸状に屈曲させた状態で導尿管104を保持する、すなわち保持部21によって導尿管104を屈曲させる形態を一例に説明した。しかし、導尿管に予め屈曲部分が設けられている尿バッグを用いることもできる。この場合、保持部は、導尿管を屈曲させた状態で導尿管を保持する。或いは、計測装置が保持部を備えていなくてもよい。
【0080】
上記実施形態では、保持部21が、導尿管104の一部を下方に凸状に屈曲させた状態で導尿管104を保持する形態を一例に説明した。しかし、保持部は、導尿管を下方に凸状である形状以外の形状に導尿管を屈曲させてもよい。
【0081】
上記実施形態では、計測装置3のセンサ30が、尿バッグ100の導尿管104の部分を検出する形態を一例に説明した。しかし、排尿管106の尿も検出してもよい。
【0082】
上記実施形態では、管理装置5の制御部44が、血尿の状態のレベルを6段階で判定する形態を一例に説明した。しかし、血尿の状態のレベルは、6段階に限られない。
【0083】
上記実施形態では、計測装置3及び管理装置5が無線LANにより通信可能である形態を一例に説明した。しかし、計測装置3及び管理装置5は、有線で通信可能であってもよい。
【0084】
上記実施形態では、計測装置3がロードセル26を備える形態を一例に説明した。しかし、計測装置3は、ロードセルを備えていなくてもよい。すなわち、管理システム1においては、尿の重量を管理しなくてもよい。
【0085】
上記実施形態では、血液の色により血尿の状態を判定する形態を一例に説明した。しかし、血尿の状態は、他の方法によって検出してもよい。
【0086】
上記実施形態では、管理装置5から携帯端末7に報知信号を送信する形態を一例に説明した。しかし、携帯端末7から管理装置5にアスセスすることも可能である。
【0087】
上記実施形態では、
図7に示されるように、2つの投光部30a及び受光部30bが導尿管104の一方側に配置される反射方式である形態を一例に説明した。しかし、センサの構造はこれに限定されない。
図12に示されるように、センサ30Aは、透過方式であってもよい。センサ30Aでは、投光部30Aaと、受光部30Abと、を備えている。投光部30Aaと受光部30Abとは、導尿管104を挟む位置に対向して配置されている。投光部30Aa及び受光部30Abは、導尿管104との間に隙間が設けられないように配置されることが好ましい。投光部30Aaから照射された光は、導尿管104を透過して、受光部30Abで受光される。なお、投光部30Aaと受光部30Abとは、導尿管104を上下方向において挟む位置に対向して配置される場合には、導尿管104の屈曲部(屈曲した部分の最下位置(屈曲点))よりも上流側の位置において、血液を検出することが好ましい。この構成では、導尿管104において尿が確実に貯留された(満たされた)位置で、血液を検出することができる。
【0088】
図13に示されるように、他の実施形態に係る計測装置3Aは、尿バッグ100Aに貯留される尿に係る情報を取得する。尿バッグ100Aは、尿を貯留する貯留部102Aと、貯留部102に尿を導入する導尿管104Aと、を有する。
【0089】
計測装置3Aは、本体ユニット10Aを備えている。本体ユニット10Aは、例えば、プラスチック等で形成される筐体である。
図13及び
図14に示されるように、本体ユニット10Aは、表示部14Aと、操作部16Aと、取付け部18Aと、保持部21Aと、係止部23と、固定部25と、を有している。本体ユニット10Aには、計測装置3Aに電力を供給する電源コードが接続される接続部(図示省略)が設けられている。
【0090】
保持部21Aは、尿バッグ100Aの導尿管104Aを保持する。保持部21Aは、導尿管104Aの一部を下方に凸状に屈曲させた状態で導尿管104Aを保持する。保持部21Aは、本体ユニット10Aに設けられた溝(凹部)である。保持部21Aは、本体ユニット10Aの幅方向において、下方に凸状に湾曲して延在している。保持部21Aは、導尿管104の上流側と下流側の高さ位置が同じになるように導尿管104Aを保持してもよいし、導尿管104の上流側よりも下流側が低くなるように導尿管104Aを保持してもよい。
【0091】
導尿管104Aは、固定部25によって、保持部21Aに保持(固定)される。固定部25は、保持部21Aの中央部に配置されている。固定部25は、本体ユニット10Aにおいて、揺動可能に設けられている。
図14に示されるように、固定部25を開くことによって、保持部21Aに対して導尿管104Aを取り付けることが可能となると共に、保持部21Aから導尿管104Aを取り外すことが可能となる。
図13に示されるように、固定部25を閉じることによって、導尿管104Aを保持部21Aに対して固定できる。固定部25は、保持部21Aにおける導尿管104Aの移動を規制する。
【0092】
係止部23は、尿バッグ100Aの貯留部102Aを本体ユニット10Aに取り付ける。係止部23は、本体ユニット10Aの下部に設けられている。係止部23は、尿バッグ100Aに設けられた取付孔110Aに挿通される。
【0093】
図15に示されるように、計測装置3Aは、コンバータ28と、センサ30Bと、送信部32と、を備えている。センサ30Bは、投光部30Baと、受光部30Bbと、を有している。
【0094】
図16に示されるように、2つの投光部30Ba及び受光部30Bbは、導尿管104Aを上下方向において挟む位置に対向して配置されている。投光部30Baと受光部30Bbとは、保持部21Aにおいて、導尿管104Aの上流側と下流側の高さ位置が同じになるように導尿管104Aが保持されている場合には、導尿管104Aの屈曲部を挟む位置に配置されていることが好ましい。投光部30Baと受光部30Bbとは、保持部21Aにおいて、導尿管104Aの上流側よりも下流側が低くなるように導尿管104Aが保持されている場合には、導尿管104Aの屈曲部よりも上流側の位置に配置されていることが好ましい。投光部30Baから照射された光は、透過性を有する窓部27aを介して導尿管104に照射される。導尿管104を透過した光は、透過性を有する窓部27bを介して、受光部30Bbで受光される。受光部30Bbは、受光した光量に関する光量データをコンバータ28へ出力する。
【0095】
以上説明したように、計測装置3Aは、導尿管104Aの一部を下方に凸状に屈曲させた状態で導尿管104Aを保持する保持部21Aを有する。これにより、導尿管104Aの屈曲した部分に尿が溜まる。計測装置3Aは、屈曲した部分において尿に含まれる血液を検出し、光量データを管理装置5に送信する。このように、計測装置3Aでは、導尿管104Aを通過する尿に含まれる血液を確実に検出できる。
【0096】
計測装置3Aは、ロードセルを備えていてもよい。この場合、ロードセルは、係止部23に接続されている。ロードセルは、係止部23に取り付けられた尿バッグ100Aの貯留部102の重量を検知する。ロードセルは、尿バッグ100Aの貯留部102Aの重量を検知し、当該重量に関する計量データをコンバータ28へ出力する。
【0097】
上記実施形態に加えて、制御部44は、導尿管104(104A)の性質に基づいて、血尿の状態を補正してもよい。具体的には、制御部44は、導尿管104のパラメータ(例えば、色、透過性、厚さ等)に基づいて、光量データが示す電圧値を補正する。これにより、市販されている種々の尿バックにおいて、血尿の状態を精度良く判定できる。
【符号の説明】
【0098】
1…管理システム、3,3A…計測装置、5…管理装置、7…携帯端末(端末)、10…本体ユニット、12…計量ユニット、20…第1規制部、21,21A…保持部、22…第2規制部、26…ロードセル(計量部)、28…コンバータ(計量部)、30,30A,30B…センサ(検出部)、30a,30Aa,30Ba…投光部、30b,30Ab,30Bb…受光部、32…送信部、40…受信部、42…記憶部、44…制御部(算出部)、46…表示部、48…送信部、100,100A…尿バッグ、102,102A…貯留部、104,104A…導尿管。