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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-16
(45)【発行日】2022-03-25
(54)【発明の名称】玩具システム
(51)【国際特許分類】
   A63H 30/04 20060101AFI20220317BHJP
   A63H 11/00 20060101ALI20220317BHJP
   A63F 9/24 20060101ALI20220317BHJP
   A63H 13/06 20060101ALI20220317BHJP
【FI】
A63H30/04 A
A63H11/00 Z
A63F9/24 Z
A63H13/06
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020198716
(22)【出願日】2020-11-30
【審査請求日】2021-10-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003584
【氏名又は名称】株式会社タカラトミー
(73)【特許権者】
【識別番号】503439167
【氏名又は名称】株式会社ギャング
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】永井 智人
(72)【発明者】
【氏名】羽柴 健太
【審査官】安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-181152(JP,A)
【文献】特開2003-038863(JP,A)
【文献】特開2003-164676(JP,A)
【文献】国際公開第2016/067474(WO,A1)
【文献】特開平08-173643(JP,A)
【文献】特開2001-259243(JP,A)
【文献】特開平09-047575(JP,A)
【文献】特開2007-301004(JP,A)
【文献】特開2009-000286(JP,A)
【文献】特開2019-158156(JP,A)
【文献】特開2011-139823(JP,A)
【文献】特開2005-198728(JP,A)
【文献】特許第5426775(JP,B2)
【文献】特開2019-088878(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00-37/00
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の玩具を備え、ゲームを実行する玩具システムであって、
前記複数の玩具のそれぞれは、玩具本体と、前記玩具本体との間で設定された第1無線通信チャンネルを介して通信を行うコントローラと、を備え、
前記玩具本体は、
前記玩具本体の状態を検知する検知用ユニットと、
前記コントローラから送信された動作指令を受信するとともに、前記検知用ユニットによる検知結果を前記コントローラへ送信する第1無線通信ユニットと、を備え、
前記コントローラは、
前記動作指令に対応する操作入力を行う操作入力ユニットと、
前記操作入力ユニットへの入力内容に応じた動作指令を前記玩具本体へ送信するとともに、前記検知結果を受信する第2無線通信ユニットと、
少なくとも1つの他の玩具との間で設定された、前記第1無線通信チャンネルとは異なる第2無線通信チャンネルを介して、前記玩具本体の状態の情報の送信、及び、前記少なくとも1つの他の玩具の玩具本体の状態の情報の受信を行う第3無線通信ユニットと、を備え、
前記第3無線通信ユニットを介して送受信される前記状態の情報には、前記操作入力ユニットへの直接的な動作指令なしで送受信されるゲーム参加同期情報を含む時間同期情報が含まれ、
前記ゲーム参加同期情報に基づいて前記ゲームに参加する玩具が確定した後に、前記玩具本体は、前記参加したゲームの進行のための動作を行う、
ことを特徴とする玩具システム。
【請求項2】
前記ゲーム参加同期情報には、前記ゲームへの参加の勧誘情報、前記ゲーム参加への承諾情報が含まれ、
前記時間同期情報には、前記参加しているゲームの終了情報が更に含まれる、
ことを特徴とする請求項1に記載の玩具システム。
【請求項3】
前記複数の玩具が2台の玩具である場合に、前記玩具本体が、前記ゲームへの参加が終了するまで、前記動作指令に応じた動作を行う第1動作モードを実行する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の玩具システム。
【請求項4】
前記玩具本体は、前記動作指令に応じずに自律的な動作を実行しつつ前記ゲームに参加する第2動作モードの動作を制御する自律動作制御ユニットを更に備え、
前記操作入力には、前記玩具本体の動作モードを指定する動作モード指定操作が含まれ、
前記動作モードには、前記第1動作モード及び前記第2動作モードが含まれる、
ことを特徴とする請求項3に記載の玩具システム。
【請求項5】
前記操作入力には、前記玩具本体の動作モードを指定する動作モード指定操作が含まれ、
前記動作モードには、3台以上の玩具が参加する第3動作モードが更に含まれる、
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の玩具システム。
【請求項6】
前記ゲームは、対戦のゲームであり、
前記状態の情報には、予め定められたゲーム規約において敗北状態となった情報が含まれる、
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の玩具システム。
【請求項7】
2台の玩具の対戦において、前記他の玩具との間で前記敗北状態となった情報の授受が所定時間内に交わされたときには、前記コントローラは、前記対戦の結果が引き分けであったと判定する、ことを特徴とする請求項6に記載の玩具システム。
【請求項8】
前記玩具本体は、
ロボット玩具本体であり、
着脱可能なパイロットフィギュアと、
前記パイロットフィギュアを所定の付勢力に抗して装着状態に保持し、一の的を構成し外力を受けたときに前記パイロットフィギュアの保持を解除させて前記玩具本体から前記パイロットフィギュアを排出させる保持機構と、
前記保持機構の動作を規制して前記パイロットフィギュアの保持状態を維持させ、他の的に外力を受けたときに前記保持機構の動作の規制を解除する規制機構と、を備えた、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の玩具システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、玩具システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数の玩具が参加して、予め定められたルール(規約)に従って行われる様々なゲームが広く行われている。こうしたゲームとして、例えば、玩具としてロボット玩具同士を対戦させるロボット対戦ゲームがあり、当該ロボット対戦ゲームに利用可能なロボット玩具が提案されている(例えば、特許文献1参照;以下、「従来例」という)。
【0003】
ところで、従来例のロボット玩具は、制御装置を有するロボット玩具本体と、当該制御装置を介してロボット玩具本体を遠隔制御するコントローラとを備えている。このコントローラを操作者が操作することにより、当該操作に応じた動作(パンチの繰り出し、前方への移動等)を行う。そして、ロボット玩具本体は、所定回数のパンチを顔面に浴びると、対戦に敗れたと判断し、動作を一定時間にわたって停止する。
【0004】
なお、ロボット玩具本体には、パンチを浴びた回数に応じたダメージの程度を、点灯、点滅及び消灯の態様(又は、発光色の変化)で表示するLED(発光ダイオード)を備えている。また、コントローラは、ロボット玩具本体の状態を取得できるようになっており、例えば、パンチを浴びたこと等の通知を受信すると、内蔵するスピーカからパンチ音等の効果音を出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第5426775号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した従来例の技術では、コントローラは、自らが制御するロボット玩具本体と通信することにより、当該ロボット玩具本体の状態を把握することができる。しかしながら、コントローラの通信相手は、自らが制御するロボット玩具本体に限られているので、対戦相手のロボット玩具本体の状態を把握することができなかった。このため、対戦相手のロボット玩具本体の状態に応じた音声の出力等の演出を的確に行うことができなかった。
【0007】
例えば、当該コントローラは、自らが制御するロボット玩具本体が敗戦したことは認識できるので、敗戦音の出力等の敗戦演出を的確なタイミングで行うことができる。一方、当該コントローラは、対戦相手のロボット玩具本体が敗戦したことは認識できず、当該認識は、当該コントローラの操作者の視覚や聴覚に頼るしかなかったので、勝利音の出力等の勝利演出を的確なタイミングで行うことができなかった。
【0008】
本発明は、かかる問題点に鑑みなされたもので、玩具それぞれについて的確な動作制御を行うことができる玩具システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の手段は、
複数の玩具を備え、ゲームを実行する玩具システムであって、
前記複数の玩具のそれぞれは、玩具本体と、前記玩具本体との間で設定された第1無線通信チャンネルを介して通信を行うコントローラと、を備え、
前記玩具本体は、
前記玩具本体の状態を検知する検知用ユニットと、
前記コントローラから送信された動作指令を受信するとともに、前記検知用ユニットによる検知結果を前記コントローラへ送信する第1無線通信ユニットと、を備え、
前記コントローラは、
前記動作指令に対応する操作入力を行う操作入力ユニットと、
前記操作入力ユニットへの入力内容に応じた動作指令を前記玩具本体へ送信するとともに、前記検知結果を受信する第2無線通信ユニットと、
少なくとも1つの他の玩具との間で設定された、前記第1無線通信チャンネルとは異なる第2無線通信チャンネルを介して、前記玩具本体の状態の情報の送信、及び、前記少なくとも1つの他の玩具の玩具本体の状態の情報の受信を行う第3無線通信ユニットと、を備え、
前記第3無線通信ユニットを介して送受信される前記状態の情報には、前記操作入力ユニットへの直接的な動作指令なしで送受信されるゲーム参加同期情報を含む時間同期情報が含まれ、
前記ゲーム参加同期情報に基づいて前記ゲームに参加する玩具が確定した後に、前記玩具本体は、前記参加したゲームの進行のための動作を行う、
ことを特徴とする。
なお、「ゲーム参加同期情報」としては、例えば対戦ゲームにおける対戦開始同期情報が挙げられる。
【0010】
第2の手段は、第1の手段であって、
前記ゲーム参加同期情報には、前記ゲームへの参加の勧誘情報、前記ゲーム参加への承諾情報が含まれ、
前記時間同期情報には、前記参加しているゲームの終了情報が更に含まれる、
ことを特徴とする。
なお、「参加しているゲームの終了情報」としては、例えば対戦ゲームにおける対戦終了情報が挙げられる。
【0011】
第3の手段は、第1又は第2の手段であって、
前記複数の玩具が2台の玩具である場合に、前記玩具本体が、前記ゲームへの参加が終了するまで、前記動作指令に応じた動作を行う第1動作モードを実行する、
ことを特徴とする。
【0012】
第4の手段は、第3の手段であって、
前記玩具本体は、前記動作指令に応じずに自律的な動作を実行しつつ前記ゲームに参加する第2動作モードの動作を制御する自律動作制御ユニットを更に備え、
前記操作入力には、前記玩具本体の動作モードを指定する動作モード指定操作が含まれ、
前記動作モードには、前記第1動作モード及び前記第2動作モードが含まれる、
ことを特徴とする。
【0013】
第5の手段は、第3又は第4の手段であって、
前記操作入力には、前記玩具本体の動作モードを指定する動作モード指定操作が含まれ、
前記動作モードには、3台以上の玩具が参加する第3動作モードが更に含まれる、
ことを特徴とする。
【0014】
第6の手段は、第1~第5の手段のいずれかであって、
前記ゲームは、対戦ゲームであり、
前記状態の情報には、予め定められたゲーム規約において敗北状態となった情報が含まれる、
ことを特徴とする。
【0015】
第7の手段は、第6の手段であって、
2台の玩具の対戦において、前記他の玩具との間で前記敗北状態となった情報の授受が所定時間内に交わされたときには、前記コントローラは、前記対戦の結果が引き分けであったと判定する、
ことを特徴とする。
【0016】
第8の手段は、第1~第7の手段のいずれかであって、
前記玩具本体は、
ロボット玩具本体であり、
着脱可能なパイロットフィギュアと、
前記パイロットフィギュアを所定の付勢力に抗して装着状態に保持し、一の的を構成し外力を受けたときに前記パイロットフィギュアの保持を解除させて前記玩具本体から前記パイロットフィギュアを排出させる保持機構と、
前記保持機構の動作を規制して前記パイロットフィギュアの保持状態を維持させ、他の的に外力を受けたときに前記保持機構の動作の規制を解除する規制機構と、を備えた、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
第1の手段によれば、コントローラの操作入力ユニットへの操作入力に応じた動作指令が玩具本体に第1無線通信チャンネルを介して送信され、当該動作指令に応じた動作を玩具本体が実行する。また、玩具本体の状態の検知結果がコントローラに第1無線通信チャンネルを介して送信され、コントローラが玩具本体の状態を把握することができる。
さらに、第1の手段によれば、第1無線通信チャンネルとは異なる第2無線通信チャンネルを介して、玩具本体の状態の情報の送信、及び、少なくとも1つの他の玩具の玩具本体の状態の情報の受信を行う。ここで、「第2無線通信チャンネルを介して送受信される状態の情報」には、操作入力ユニットへの直接的な動作指令なしで送受信されるゲーム参加同期情報を含む時間同期情報が含まれ、当該ゲーム参加同期情報に基づいて当該ゲームに参加する玩具が確定した後に、玩具本体は、参加したゲームの進行のための動作を行う。
このため、コントローラは、自身が動作を制御する玩具本体の状態に加えて、少なくとも1つの他の玩具の玩具本体の状態を把握することができる。
したがって、第1の手段によれば、ゲームに参加する複数の玩具間で同期の取れたゲーム開始時の演出を自動的に行うことを可能としつつ、玩具それぞれについて的確な動作制御を行うことができる。
【0018】
第2の手段によれば、「ゲーム参加同期情報」には、ゲームへの参加の勧誘情報、ゲーム参加への承諾情報が含まれ、「時間同期情報」には、参加しているゲームの終了情報が更に含まれるので、ゲームの開始や終了等に際して、ゲームに参加する複数の玩具間で同期の取れたゲーム開始時や終了時等の演出を自動的に行うことができる。
【0019】
第3の手段によれば、複数の玩具が2台の玩具である場合に、玩具本体が、ゲームへの参加が終了するまで、動作指令に応じた動作を行う第1動作モードを実行するので、例えば1対1の対戦ゲームの場合に、操作者は、自らの操作入力により、ゲーム参加中におけるゲームの進行させることができる。
【0020】
第4の手段によれば、上記の第1動作モード以外に、動作指令に応じずに自律的な動作を実行しつつゲームに参加する第2動作モードの態様でゲームに参加することができる。そして、第1動作モード及び第2動作モードのいずれかによりゲームに参加するかを、操作者が選択可能となっている。このため、第1動作モードによるゲームへの参加に加えて、第2動作モードによるゲームへの参加というバリエーションが加わるので、操作者にとっての楽しみを広げることができる。
【0021】
第5の手段によれば、ゲームへの参加態様として、3台以上の玩具が参加する第3動作モードを選択することができるので、例えば、バトルロイヤルの対戦ゲームを選択して楽しむことができる。
【0022】
第6の手段によれば、ゲームは対戦のゲームであり、「状態の情報」には、予め定められたゲーム規約において敗北状態となった情報が含まれるので、対戦相手玩具が敗北状態になったことをコントローラが認識することができ、また、自玩具が敗北状態となったことを対戦相手の他コントローラへ知らせることができる。このため、玩具のそれぞれにおいて勝利又は敗北に応じた演出を、操作者の操作入力に頼らずに、的確なタイミングで自動的に行うことができる。
【0023】
第7の手段によれば、対戦ゲームにおいて、勝利及び敗北以外に、実質的な引き分けが合理的に判定される。このため、対戦結果のバリエーションを増やしたうえで、対戦結果に応じた演出を、操作者の操作入力に頼らずに、的確なタイミングで自動的に行うことができる。
【0024】
第8の手段によれば、対戦結果に応じた演出を、操作者の操作入力に頼らずに、的確なタイミングで自動的に行うことができるロボット対戦ゲームが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の実施形態に係る玩具システムの2体のロボット玩具本体の対戦の様子を示した斜視図である。
図2】玩具本体の斜視図を示している。
図3】走行機構の斜視図である。
図4】腕動作機構の斜視図である。
図5】腕動作機構の左側の要部構成部品の分解斜視図である。
図6】腕動作機構の右側の要部構成部品の分解斜視図である。
図7】左腕部を内側から見た斜視図である。
図8】パイロットフィギュア保持機構、保持解除レバー及び第1の回動規制部材を示す斜視図である。
図9】玩具本体の前面側上部を示す斜視図である。
図10】第2の回動規制部材により回動規制解除された係止解除レバーを示す分解斜視図である。
図11】本発明の実施形態に係る玩具システムの概略的機能構成を示す図である。
図12】情報の伝達に着目した、玩具本体の構成を説明するためのブロック図である。
図13】情報の伝達に着目した、コントローラの構成を説明するためのブロック図である。
図14】玩具における処理を説明するためのフローチャートである。
図15】操作入力対応処理を説明するためのフローチャートである。
図16】通常モード動作制御処理を説明するためのフローチャートである。
図17】オートパイロットモード動作制御処理を説明するためのフローチャートである。
図18】バトルロイヤルモード動作制御処理を説明するためのフローチャートである。
図19】バトルロイヤルモードの勝敗決定処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0027】
(玩具システム100の概要)
図1は、一実施形態に係る玩具システム100の2体のロボット玩具本体(以下、単に「玩具本体」と言う。)11の対戦の様子を示した斜視図である。
玩具システム100は複数の玩具10によって構成され、玩具10は玩具本体11とコントローラ12とを備える。各玩具本体11は、対応するコントローラ12によって遠隔操縦される。ここで、各コントローラ12は、互いに電気的に接続された右側操作ユニット31と左側操作ユニット32とから構成されている。
2体の玩具本体11の対戦にあたっては、予め、各玩具本体11にパイロットフィギュアX1((飛出し部材;図2参照)を装着した後、一方の玩具本体11とそれに対応するコントローラ12とのペアリング、他方の玩具本体11とそれに対応するコントローラ12とのペアリング、一方のコントローラ12と他方のコントローラ12とのペアリングをそれぞれ行っておく。
対戦の開始は、双方のコントローラ12から同期して発せられる音声による開始の合図によってなされる。対戦が開始されたら、各操作者は、右側操作ユニット31や左側操作ユニット32を実際にパンチを繰り出すように振る。すると、玩具本体11は、操作者が振った操作ユニット側の半身を前に進めながら、振った操作ユニット側の手でパンチを繰り出す。
そして、繰り出したパンチが相手側の玩具本体11の左右の第1の的53L,53R(図2参照)のいずれかに当たると、パンチを受けた側の玩具本体11の枠体54(第2の回動規制部材201)が開く。さらに、枠体54が開いた後、パンチを左右の胸の正中の第2の的55に受けると、今度は、玩具本体11に乗っていたパイロットフィギュアX1が飛び出す。これによって、勝敗が決せられ、それぞれのコントローラ12からはその結果が報知される。
以上が通常動作モード(第1動作モード)の場合であり、本実施形態は、その他オートパイロットモード(第2動作モード)及びバトルロイヤル動作モード(第3動作モード)でも動作する。
【0028】
〈玩具本体11の機械的構成〉
《全体》
図2は、玩具本体11の斜視図を示している。
玩具本体11は、胴部57、左脚部58L、右脚部58R、左腕部59L及び右腕部59Rと、パイロットフィギュアX1とを備えている。パイロットフィギュアX1は直立した人形の形を有し、玩具本体11に着脱可能となっている。
胴部57の背には電池ボックス60(図1参照)が設けられ、電池ボックス60には電池(図示せず)が収容されている。さらに、胴部57の上面には、図2に示すように、孔57aが形成され、この孔57aにはパイロットフィギュアX1が上から装着可能となっている。装着したパイロットフィギュアX1の頭部は胴部57の上端から上方に突出し、見た目上で、玩具本体11の頭部をも構成している。
【0029】
《駆動機構25》
玩具本体11は、駆動機構25として走行機構61及び腕動作機構62を備える。
図3は走行機構61の斜視図、図4は腕動作機構の斜視図である。
走行機構61は、モータMの動力を左右の車輪65L,65Rに伝達する歯車列66を備える。この歯車列66は、歯車(モータ歯車)67、68、69,70,71L,71R,72L,72R,73L,73R,74L,74R,75L,75R,76L,76Rを備える。
ここで、歯車68と歯車69とは同軸に固定されている。また、歯車69は太陽歯車であり、歯車70は歯車69の周りで自公転可能な遊星歯車となっている。そして、歯車70は、モータMの回転方向に応じて歯車71L,71Rの1つと選択的に噛合する。また、歯車73L,73Rはクラウン歯車である。また、歯車76L,76Rは対応する車輪65L,65Rと同軸に固定されている。
このように構成された走行機構61は、モータMの動力を、67、68、69,70,71L,72L,73L,74L,75L,76Lを介して、左の車輪65Lに伝達する。また、走行機構61は、モータMの動力を、67、68、69,70,71R,72R,73R,74R,75R,76Rを介して、右の車輪65Rに伝達する。
なお、車輪77L,77Rの各々は側面視で角が面取りされた正3角形となっている。その結果、車輪65L,65Rが選択的に回転されたとき、回転する車輪側の半身が上下動を伴いながら前へ進む。
【0030】
《腕動作機構62》
図4は腕動作機構62の斜視図、図5は腕動作機構62の左側の要部構成部品の分解斜視図、図6は腕動作機構62の右側の要部構成部品の分解斜視図である。
腕動作機構62は、上記の走行機構61を構成する歯車67、68、69,70,71L,71R,72L,72R,73L,73R,74L,74Rの外、歯車74L,74Rに噛合する歯車78L,78Rと、歯車78L,78Rによって動作される押圧部材79L,79Rと、を備える。
押圧部材79L,79Rは、歯車78L,78Rと略同径の円板の外周に押圧部81L,81Rを突設させた形状となっている。
押圧部材79L,79Rは、歯車78L,78Rの外側端面に付設された偏心軸82L,82R(偏心軸82Lは図示せず)に嵌合している。また、押圧部材79L,79Rの内側には突起83L,83R(突起82Rは図示せず)が形成され、この突起83L,83Rは、歯車78L,78Rに形成された弧状溝84L,84R(弧状溝84Lは図示せず)に挿入されている。さらに、偏心軸82L,82Rにはトーションばね85L,85Rが巻回されている。そして、トーションばね85L,85Rの一端は歯車78L,78Rに掛けられ、他端は押圧部材79L,79Rに掛けられている。
この腕動作機構62は、モータMの動力により、歯車78Lが回転すると押圧部81Lで左腕部59Lを押圧することにより動作させ、歯車78Rが回転すると押圧部81Rで右腕部59Rを押圧することにより動作させる。この動作の詳細は後述する。
なお、図5及び図6において、符号80L、80Rはキャップを指示している。
【0031】
《左腕部59L,右腕部59R》
図7は左腕部59Lを内側から見た斜視図である。
左腕部59Lは、上腕部87Lと、下腕部88Lと、上腕部87L及び下腕部88Lの外側に付設されたカバー89Lとから構成されている。左腕部59Lには、4つの対偶590L,591L,592L,593Lを有し上腕部87Lの肩関節及び肘関節を2つの対偶590L,593Lとする4節リンク機構が設けられ、肩から肘を構成するリンクに設けた被押圧部90Lを上記押圧部81Lで押圧することで、左腕部59Lは屈曲状態から伸長状態となり、パンチが繰り出される。
なお、右腕部59Rは左腕部59Lとは鏡面対象となっているため、その詳しい説明は省略する。
【0032】
《腕部の動作》
左腕部59L及び右腕部59Rの動作は、歯車78L,78Rが1回転する毎になされる。
すなわち、左腕部59L及び右腕部59Rの付け根に近くにはストッパ(図示せず)が玩具本体11に固定して設けられている。そして、歯車78L,78Rの回転により押圧部材79L,79Rの押圧部81L,81Rが屈曲した左腕部59L及び右腕部59Rの被押圧部90L,90Rに当たる直前位置(第1位置)でストッパに当たり、押圧部材79L,79Rの回転だけが止められる。その後も歯車78L,78Rは回転するので、トーションばね85L,85Rが蓄勢される。そして、歯車78L,78Rが第2位置まで回転すると、押圧部材79L,79Rが歯車78L,78Rに対して偏心していることから、押圧部材78L,78Rの押圧部81L,81Rがストッパから外れる。これにより、押圧部材78L,78Rは、トーションばね85L,85Rの付勢力により勢いよく回転し、押圧部材78L,78Rの押圧部81L,81Rが左腕部59L及び右腕部59Rの被押圧部90L,90Rを勢い良く押して左腕部59L及び右腕部59Rが伸長される。パンチが繰り出された後は、押圧部材78L,78Rの押圧部81L,81Rが左腕部59L及び右腕部59Rの被押圧部90L,90Rから離れるので、左腕部59L及び右腕部59Rが自重により屈曲状態となる。
【0033】
《パイロットフィギュア保持機構91》
パイロットフィギュア保持機構91はパイロットフィギュアX1を装着状態に保持するものである。図8はパイロットフィギュア保持機構91の斜視図である。
パイロットフィギュア保持機構91は、上記孔57a内で昇降可能に構成された昇降部材92を備える。昇降部材92は、コイルばね92dによって上方に向けて付勢されている。これにより、パイロットフィギュアX1を孔57a内へ挿入していない状態では上昇位置に存在している。なお、コイルばね92dの他端は後述の第2の回動規制部材201に掛けられている。
昇降部材92は、2つの主面が前後を向く背板92aと、背板92aの幅方向中央に設けられた仕切り板92bとから構成されている。パイロットフィギュアX1を孔57a内に挿入したとき、パイロットフィギュアX1が仕切り板92bを跨ぎ、パイロットフィギュアX1を孔57aに深く押し込むと、パイロットフィギュアX1の股の部分で仕切り板92bを下方に押す。これにより昇降部材92は、パイロットフィギュアX1の孔57a内への挿入に伴ってコイルばね92dの付勢力に抗して下降する。
また、昇降部材92の仕切り板92bの移動経路の下端部近くには、上下方向中間部を軸93aで支持され当該軸93aを中心に回動可能な係止レバー93が設けられている。係止レバー93の軸93aより上の片(上片93b)には後方に突出する摺接部93cが設けられている。この摺接部93cは、昇降部材92が下降したときに、仕切り板92bの摺接部92cに摺接して、係止レバー93は、トーションばね94の付勢力に抗して回動し、仕切り板92bの摺接部92cが摺接部93cを超えた所で、トーションばね94の付勢力で摺接部93cの下面と摺接部92cの上面とが係合する。これにより、昇降部材92ひいてはパイロットフィギュアX1が下降位置で保持される。なお、トーションばね94の一端は係止レバー93に掛けられ、他端は係止部材203の後面に掛けられている。
【0034】
《係止解除レバー95》
係止解除レバー95は、係止レバー93によって下降位置に係止された昇降部材92の係止を解除してパイロットフィギュアX1を発射(排出)させるものである。
係止解除レバー95は、上下方向中間部で軸95aによって支持され、当該軸95aを中心に回動可能に構成されている。係止解除レバー95の軸95aよりも下の片(下片95b)は、上記係止レバー93の上片93bの後面に当接している。一方、係止解除レバー95の軸95aよりも上の片(上片95c)は第2の的55を構成している。そして、係止解除レバー95の上片95cに相手方の玩具本体11のパンチが当たった場合に、係止解除レバー95の下片95bが係止レバー93の上片93bを前方に押す方向に回動し、摺接部93cの下面と摺接部92cの上面との係合を解除させる。これにより、昇降部材92がコイルばね92dの付勢力によって上方に移動し、パイロットフィギュアX1が発射される。
【0035】
《第1の回動規制部材96》
第1の回動規制部材96は、係止レバー93の回動を規制するものである。具体的には、パイロットフィギュアX1が孔57aに挿入されていないときに、係止レバー93の回動を規制して摺接部93cの下面と摺接部92cの上面との係合をさせないようにする。換言すれば、パイロットフィギュアX1が孔57aに挿入されたときだけ、係止レバー93の回動を規制解除して摺接部93cの下面と摺接部92cの上面との係合をさせるようにする。
これにより想定外の物の発射を防止する。
第1の回動規制部材96は、平面視コ字状で前後方向に動作可能に構成されている。第1の回動規制部材96はコイルばね97によって後方に向けて付勢されている。第1の回動規制部材96の後方に延びる左右の片96L,96Rの先端上面には、パイロットフィギュアX1の孔57aへの挿入に伴い足裏に摺接して、第1の回動規制部材96をコイルばね97の付勢力に抗して前方に動作させる摺接部98L,98Rが形成されるとともに、挿入後に爪先に当接する当接部99L,99Rが形成されている。つまり、パイロットフィギュアX1が装着される場合だけ第1の回動規制部材96が前方へ移動し、爪先が当接部99L,99Rに当接する。この当接部99L,99RにパイロットフィギュアX1の爪先が当接している場合には、左右の片96L,96Rを繋ぐ横バー96aが係止レバー93の下片93dから離間しており、係止レバー93が回動可能な状態となっている。一方、孔57aにパイロットフィギュアX1が挿入されていない場合には、第1の回動規制部材96がコイルばね97の付勢力で後方に動作して、第1の回動規制部材96の横バー96aで係止レバー93の下片93dが押されて摺接部93cと摺接部92cとが係合しない状態におかれる。つまり、パイロットフィギュアX1が孔57aに挿入されたときだけ、係止レバー93により昇降部材92が係止される。
【0036】
《第2の回動規制部材201》
第2の回動規制部材201は、係止解除レバー95の回動を規制するものである。具体的には、最初に第1の的53L,53Rが相手方の玩具本体10からのパンチを受けない限り、係止解除レバー95の回動を規制してパイロットフィギュアX1の飛び出しを阻止する。
図9は、玩具本体11の前面側上部を示す斜視図、図10は、第2の回動規制部材201により回動規制解除された係止解除レバー95を示す分解斜視図である。
第2の回動規制部材201は枠体54(図2参照)を構成し、平面視コ字状の枠体から構成されている。つまり、第2の回動規制部材201は、玩具本体11の前後方向に延びる左右の片201L,201Rと、左右の片201L,201Rの前側で両者を繋ぐ横バー201aとを有する。そして、左右の片201L,201Rの後端で軸201bによって玩具本体11に支持されている。この第2の回動規制部材201は軸201bを中心に回動することで玩具本体11に対して開閉可能に構成され、玩具本体11の肩上に乗る閉じた状態(図2図9参照)と、肩から起立する開いた状態(図10参照)とを選択的に取る。なお、この第2の回動規制部材201は上記コイルばね92dによって開く状態を取る方向に付勢されている。
また、玩具本体11は、第2の回動規制部材201を上記コイルばね92dの付勢力に抗して閉じた状態に係止するための係止部材203を備える。係止部材203は、係止解除レバー95の軸95aを中心に回動可能に構成されている。この係止部材203の前面は、玩具本体11の第1の的53L,53Rを構成している。係止部材203の前面上端には左右の爪203L、203Rが形成されている。そして、第2の回動規制部材201が閉じた状態にあるとき、左右の爪203L、203Rが第2の回動規制部材201の横バー201aの裏のポケット(図示せず)に係合し、第2の回動規制部材201が閉じた状態に保持される。また、このとき、係止解除レバー95の上片95cは、第2の回動規制部材201の横バー201aの前面に当接し、第1の係止解除レバー95の上片95cの後方への回動が規制される。この状態で、係止部材203にパンチが当たると、第2の回動規制部材201の横バー201aの裏のポケットから係止部材203の左右の爪203L、203Rが離脱し、第2の回動規制部材201は上記コイルばね92dによって起き上がる。これによって、係止解除レバー95の上片95cが後方への移動可能な状態となる。
【0037】
(機能構成)
図11は玩具システム100の概略的機能構成を示すブロック図である。
【0038】
図11に示すように、玩具システム100は、玩具101,102,…を備えている。ここで、玩具10(j=1,2,…,N;N≧2)は、玩具本体(ロボット)11と、コントローラ12と、を備えている。
【0039】
玩具本体11とコントローラ12とは、無線通信チャンネルCH1を介して、情報の通信が可能となっている。また、玩具10(より詳しくは、コントローラ12)と、玩具10(より詳しくは、コントローラ12;k=1,2,…,N(k≠j))とは、無線通信チャンネルCH2を介して、情報の通信が可能となっている。
【0040】
《情報の伝達に着目した玩具本体11の構成》
図12は、情報の伝達に着目した玩具本体11の構成を示すブロック図である。この図12に示すように、玩具本体11は、無線通信ユニット21と、制御ユニット22、検知用ユニット23とを備えている。また、玩具本体11は、表示ユニット24と、駆動機構25とを備えている。
【0041】
上記の無線通信ユニット21は、制御ユニット22による制御のもとで、コントローラ12との間で通信を行う。すなわち、無線通信ユニット21は、コントローラ12から受信した動作指令を制御ユニット22へ送る。また、無線通信ユニット21は、制御ユニット22から受けたコントローラ12への報告情報をコントローラ12へ送信する。ここで、当該報告情報には、検知用ユニット23から受けた玩具本体11の状態情報の少なくとも一部が含まれている。
なお、「検知用ユニット」については、リーフスイッチを用いて構成することもできるし、センサ素子を用いて構成することもできる。
【0042】
上記の制御ユニット22は、中央処理装置(CPU)及び周辺回路を備えて構成されている。この制御ユニット22は、様々なプログラムを実行することにより、コントローラ12から受信した動作指令及び検知用ユニット23から受けた状態情報に応じて玩具本体11全体を統括制御する。
【0043】
上記の検知用ユニット23jは、玩具本体11の状態を検知する。こうした状態には、後述するパイロットフィギュアX1が玩具本体11に装着されているか否か等がある。検知用ユニット23による検知結果は、制御ユニット22へ送られる。検知用ユニット23jは、例えば、昇降部材92の下降状態を検知するリーフスイッチを備える。
【0044】
上記の表示ユニット24は、本実施形態では、少なくとも1つの発光ダイオード(LED)を備えて構成されている。こうしたLEDとしては、多色発光LED、点滅動作可能な単色発行LED等を採用することが好ましい。
【0045】
表示ユニット24は、制御ユニット22jから送られた表示制御信号を受ける。そして、表示ユニット24は、当該表示制御信号に応じた態様で、LEDの点灯及び消灯による表示を行う。
【0046】
上記の駆動機構24は、制御ユニット22から送られた駆動制御信号を受ける。そして、駆動機構24は、当該駆動制御信号に応じた機械的要素の駆動を行う。
なお、本実施形態では、駆動制御信号には、右側駆動制御信号、左側駆動制御信号等が含まれている。
【0047】
《情報の伝達に着目したコントローラ12の構成》
図13は、情報の伝達に着目したコントローラ12の構成を示すブロック図である。この図13に示すように、コントローラ12は、右側操作ユニット31と、左側操作ユニット32とを備えている。ここで、右側操作ユニット31と左側操作ユニット32とは有線接続されている。
【0048】
上記の右側操作ユニット31は、制御ユニット41と、操作ボタン42と、移動検知ユニット43とを備えている。また、上記の右側操作ユニット31は、音出力ユニット44と、無線通信ユニット45とを備えている。
【0049】
制御ユニット41は、中央処理装置(CPU)及び周辺回路を備えて構成されている。この制御ユニット41は、様々なプログラムを実行することにより、コントロ-ラ12j全体を統括制御する。ここで、制御ユニット41は、タイマ機構(計時機構)を備えている。
なお、制御ユニット41が実行する処理の詳細については、後述する。
【0050】
操作ボタン42(以下、「実行ボタン42」とも記す)は、本実施形態では、押下ボタンであって、操作者が押下している期間にはON状態となり、操作者が押下していない場合にはOFF状態となる押下ボタンである。この操作ボタン42の操作による押下状態を示す押下信号が、制御ユニット41へ送られる。
【0051】
移動検知ユニット43は、操作者による右側操作ユニット31の移動を検知する。移動検知ユニット43による検知結果は、制御ユニット41へ送られる。
なお、移動検知ユニット43については、リーフスイッチと金属製の重りとの組合せを用いて構成してもよいし、加速度センサを用いて構成してもよい。
【0052】
音出力ユニット44は、スピーカを備えて構成されている。この音出力ユニット44は、制御ユニット41から送られた音出力信号を受ける。そして、音出力ユニット44は、当該音出力信号に応じた音を出力する。なお、音出力ユニット44から出力される音には、玩具本体44の様々な状態や状態遷移に応じた演出効果音やガイダンス音等が含まれている。
【0053】
無線通信ユニット45は、制御ユニット41による制御のもとで、玩具本体11との間で通信を行う。すなわち、無線通信ユニット45は、制御ユニット41から受けた玩具本体11への動作指定を、無線通信チャンネルCH1を介して、玩具本体11へ送信する。また、無線通信ユニット45は、無線通信チャンネルCH1を介して玩具本体11から受信した報告情報を制御ユニット41へ送る。
【0054】
また、無線通信ユニット45は、制御ユニット41による制御のもとで、他コントローラ12との間で通信を行う。すなわち、無線通信ユニット45は、制御ユニット41から受けた玩具本体11の状態に関する通知情報を、無線通信チャンネルCH2を介して、他コントローラ12へ送信する。また、無線通信ユニット45は、他コントローラ12から受信した他玩具本体11の状態に関する通知情報を制御ユニット41へ送る。このため、無線通信ユニット45は、一の無線通信ユニットで、第2及び第3無線通信ユニットの機能を果たすようになっている。
【0055】
一方、左側操作ユニット32は、移動検知ユニット49を備えている。この移動検知ユニット49は、操作者による左側操作ユニット32の移動を検知する。移動検知ユニット49による検知結果は、制御ユニット41へ送られる。
なお、移動検知ユニット49については、移動検知ユニット43にと同様に、リーフスイッチと金属製の重りとの組合せを用いて構成してもよいし、加速度センサを用いて構成してもよい。
【0056】
なお、以下の説明においては、上述した操作ボタン42、移動検知ユニット43及び移動検知ユニット49を総称して「操作入力ユニット」記す。
【0057】
《動作》
次に、上記のように構成された玩具システム100の動作について、コントローラ12における制御ユニット41が実行する処理に主に着目して説明する。
【0058】
図14に示すように、コントローラ12の電源がONとなると、制御ユニット41の処理が開始される。制御ユニット41の処理が開始されると、制御ユニット41は、まず、ステップS11Cにおいて、ペアリング設定処理を行う。かかるペアリング設定処理では、制御ユニット41は、まず、無線通信チャンネルCH1を介して、ペアリング勧誘を送信する。このペアリング勧誘に応答して、玩具本体11からペアリング応答が返送されると、制御ユニット41は、ペアリング確認を、玩具本体11へ送信する。この結果、コントローラ12と玩具本体11との間でペアリングが設定される。
【0059】
こうしてペアリング設定に成功すると、制御ユニット41は、ペアリング成功音を音出力ユニット44から出力させた後に、制御ユニット41は、ステップS12Cにおいて、操作入力対応処理を行う。かかる操作入力対応処理は、コントローラ12の電源がOFFとなるまで、又は、当該ペアリングが解消されるまで、継続して実行される。
【0060】
一方、玩具本体11の電源がONとなると、制御ユニット22の処理が開始される。制御ユニット22の処理が開始されると、制御ユニット22は、まず、ステップ11Rにおいて、ペアリング待機処理を行う。かかるペアリング待機処理では、制御ユニット22は、コントローラ12からのペアリング勧誘を待つ。そして、当該ペアリング勧誘を受信すると、制御ユニット22は、ペアリング応答をコントローラ12へ返送する。この後、コントローラ12からのペアリング確認を受信すると、ペアリングが成功したと判断する。
【0061】
引き続き、制御ユニット22は、パイロットフィギュアX1が装着されているか否かを判定し、当該判定結果に応じた表示を、表示ユニット24を利用して行う。
【0062】
次に、制御ユニット22は、ステップS12Rにおいて、動作指令対応処理を実行する。かかる動作指令対応処理では、制御ユニット22は、コントローラ12から受信した動作指令(右側駆動指令、左側駆動指令等)に応じた動作制御を行う。動作指令対応処理は、玩具本体11の電源がOFFとなるまで、又は、当該ペアリングが解消されるまで、継続して実行される。
【0063】
なお、玩具本体11の電源又はコントローラ12の電源がOFFとなると、当該ペアリングが解消される。
【0064】
次に、ステップS12Cにおける入力操作対応処理について説明する。
【0065】
かかる入力操作対応処理では、図15に示すように、まず、ステップS21において、制御ユニット41jが、スタンバイモード設定を行う。このスタンバイ設定に際して、制御ユニット41jは、内部の動作モードの情報を通常動作モード(第1動作モード)に設定する。なお、本実施形態では、当該動作モードとして、通常動作モード以外にも、オートパイロット動作モード(第2動作モード)及びバトルロイヤル動作モード(第3動作モード)が用意されている。
【0066】
ここで、通常動作モードは、対戦相手玩具(敵玩具)の数が「1」である場合に、本体との対戦が開始してから終了するまで、操作者のコントローラ12jに対する手動操作に応じて、玩具本体11が動作する動作モードである。また、オートパイロット動作モードは、対戦相手玩具の数が「1」である場合に、対戦相手玩具本体との対戦が開始してから終了するまで、操作者のコントローラ12に対する手動操作によらず、予め定められた複数の動作パターンをランダムに実行する動作モードである。また、バトルロイヤル動作モードは、対戦開始時の対戦相手玩具の数が「2以上」である場合に、完全勝利又は敗北するまで、操作者のコントローラ12に対する手動操作に応じて、玩具本体11が動作する動作モードである。
【0067】
次に、ステップS22において、制御ユニット41jが、動作モード決定処理を行う。この動作モード決定処理に際して、制御ユニット41jは、操作ボタン42jが瞬時的(時間t(例えば、3秒)未満)に押下されると、その時点で内部に設定されている動作モードを対戦時の動作モードに決定する。
【0068】
なお、本実施形態では、ステップS21においてスタンバイモード設定を行った後、操作ボタン42が瞬時的に押下される前に、時間t以上の押下である長押しがされると、制御ユニット41が、モード選択処理を実行する。かかるモード選択処理に際して、制御ユニット41は、まず、表示ユニット24にモード選択中表示をさせる。この後、右側操作ユニット31の移動による右側駆動指定がなされるたびに、右側パンチ音を音出力ユニット44から出力させるとともに、内部の動作モードを、オートパイロット動作モード、バトルロイヤル動作モード、オートパイロット動作モード、…の順で更新する。一方、左側操作ユニット32の移動による左側駆動指定がなされるたびに、左側パンチ音を音出力ユニット44から出力させるとともに、内部の動作モードを、バトルロイヤル動作モード、オートパイロット動作モード、バトルロイヤル動作モード、…の順で更新する。
【0069】
その後、実行ボタン42が瞬時的に押下されると、その時点で内部に設定されている動作モードを対戦時の動作モードに決定する。一方、実行ボタン42が長押しされると、再度、ステップS21のスタンバイモード設定処理が実行され、内部の動作モードは、通常動作モードに設定される。
【0070】
以上のように、実行ボタン42が瞬時的な押下に応じて対戦時の動作モードが決定されると、制御ユニット41は、モード設定音を音出力ユニット44から出力させるとともに、表示ユニット24に決定された動作モード表示をさせる。そして、ステップ22の処理が終了する。
【0071】
なお、本実施形態では、動作モード決定処理中に内部の動作モードが更新されると、制御ユニット41は、更新された動作モードに対応した音を音出力ユニット44から出力させる。
【0072】
ステップS22の処理が終了すると、処理はステップS23へ進む。このステップS23では、制御ユニット41が、通常動作モードに決定されたか否かを判定する。ステップS23における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS23:Y)には、処理はステップS24へ進む。このステップS24では、制御ユニット41が、通常モード動作制御処理を実行する。かかる通常動作モード制御処理の詳細については後述する。
【0073】
ステップS23における判定の結果が否定的であった場合(ステップS23:N)には、処理はステップS25へ進む。このステップS25では、制御ユニット41が、オートパイロット動作モードに決定されたか否かを判定する。ステップS25における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS25:Y)には、処理はステップS26へ進む。このステップS26では、制御ユニット41が、オートパイロットモード動作制御処理を実行する。かかるオートパイロット動作モード制御処理の詳細については後述する。
【0074】
ステップS25における判定の結果が否定的であった場合(ステップS25:N)には、処理はステップS27へ進む。このステップS27では、制御ユニット41が、バトルロイヤルモード動作制御処理を実行する。かかるバトルロイヤル動作モード制御処理の詳細については後述する。
【0075】
次いで、ステップS24における通常モード動作制御処理について説明する。
【0076】
かかる通常モード動作制御処理では、図16に示すように、まず、ステップS31において、制御ユニット41が、パイロットフィギュアX1が装着されているか否かを判定する。ステップS31における判定の結果が否定的であった場合(ステップS31:N)であった場合には、処理はステップS32へ進む。
【0077】
ステップS32では、制御ユニット41jが、エラー処理を行う。かかるエラー処理では、制御ユニット41jは、エラー音を音出力ユニット44jから出力させる。この後、ステップS24の処理が終了し、処理は、図15のステップS21へ戻る。
【0078】
ステップS31における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS31:Y)であった場合には、処理はステップS33へ進む。このステップS33では、制御ユニット41が、対戦相手決定処理を実行する。
【0079】
かかる対戦相手決定処理に際して、制御ユニット41は、まず、無線通信チャンネルCH2を介して、対戦勧誘を受信したか否かの対戦勧誘受信判定をする。この対戦勧誘受信判定の結果が肯定的であった場合には、制御ユニット41は、無線通信チャンネルCH2を介して、対戦承諾を、当該対戦勧誘を送信した玩具に返信し、その玩具からの対戦確認の受信を待つ。そして、無線通信チャンネルCH2を介して、対戦確認を受信すると、制御ユニット41は、当該対戦勧誘を送信した玩具を対戦相手に決定する。
【0080】
対戦勧誘受信判定の結果が否定的であった場合には、制御ユニット41は、無線通信チャンネルCH2を介して、対戦勧誘を送信し、対戦承諾の受信を待つ。当該対戦承諾を、無線通信チャンネルCH2を介して受信すると、引き続き、制御ユニット41は、無線通信チャンネルCH2を介して、対戦確認を、当該対戦承諾を送信した玩具へ送信する。そして、制御ユニット41は、当該対戦承諾を送信した玩具を対戦相手に決定する。
【0081】
なお、ステップS33の実行中に、対戦相手を決定できないまま、ステップS33の開始から時間T0(例えば、10秒)が経過すると、処理はステップS32へ進む。
【0082】
ステップS33の対戦相手決定処理により対戦相手が決定すると、対戦開始時の演出制御処理が行われた後、処理はステップS34へ進む。ここで、当該対戦開始時の演出制御処理に際して、本実施形態では、制御ユニット41jは、所定時間にわたって、音出力ユニット44jから対戦開始音等を出力させる。なお、本実施形態では、当該対戦開始音等の出力中には、制御ユニット41jは、右側駆動指令及び左側駆動指令を玩具本体11へ送信しないようになっている。このため、対戦相手玩具との間で対戦開始タイミングの同期が図られる。
【0083】
ステップS34では、制御ユニット41が、パイロットフィギュアX1が排出されたか否かを判定する。ステップS34における判定の結果が否定的(ステップS34:N)であった場合には、処理はステップS38へ進む。
【0084】
ステップS38では、制御ユニット41jが、無線通信チャンネルCH2を介して、対戦相手から敗北情報を受信したか否かを判定する。ステップS38における判定の結果が否定的(ステップS38:N)であった場合には、処理はステップS34へ戻る。以後、ステップS34における判定結果又はステップS38における判定結果が肯定的となるまで、ステップS34,S38の処理が繰り返される。
【0085】
ステップS34における判定結果が肯定的となると(ステップS34:Y)、処理はステップS35へ進む。このステップS35では、制御ユニット41が、無線通信チャンネルCH2を介して、敗北情報を対戦相手の玩具へ送信する。
【0086】
引き続き、ステップS36において、制御ユニット41が、敗北情報の送信から時間T1(例えば、1秒)の経過前に、対戦相手の玩具からの敗北情報を、無線通信チャンネルCH2を介して受信したか否かを判定する。ステップS36における判定結果が否定的であった場合(ステップS36:N)場合には、処理はステップS37へ進む。
【0087】
ステップS37では、制御ユニット41が、敗北処理を実行する。かかる敗北処理では、制御ユニット41は、敗北音(例えば、爆発音)を音出力ユニット44から出力させた後、対戦終了音を音出力ユニット44から出力させるとともに、表示ユニット24に敗北表示をさせる。
【0088】
こうしてステップS37の処理が終了すると、ステップS24の処理が終了する。そして、処理は、図15のステップS21へ戻る。
【0089】
ステップ36における判定結果が肯定的であった場合(ステップS36:Y)場合には、処理はステップS42へ進む。このステップS42では、制御ユニット41jが、引き分け処理を実行する。かかる引き分け処理に際して、制御ユニット41が、上述した敗北処理における敗北音の出力タイミングと同様のタイミングで、対戦終了音を音出力ユニット44から出力させた後、引き分け音を音出力ユニット44から出力させる。
【0090】
ステップS42の処理が終了すると、ステップS24の処理が終了する。そして、処理は、図15のステップS21へ戻る。
【0091】
上述したステップS38における判定結果が肯定的となると(ステップS38:Y)、処理はステップS39へ進む。このステップS39では、制御ユニット41が、敗北情報の受信から時間T1の経過前に、パイロットフィギュアX1が排出されたか否かを判定する。ステップS39における判定の結果が否定的であった場合(ステップS39:N)場合には、処理はステップS40へ進む。
【0092】
ステップS40では、制御ユニット41が、勝利処理を実行する。かかる勝利処理では、制御ユニット41は、上述した敗北処理における敗北音の出力タイミングと同様のタイミングで、対戦終了音を音出力ユニット44から出力させた後、勝利音を音出力ユニット44から出力させるとともに、表示ユニット24に勝利表示をさせる。
【0093】
こうしてステップS40の処理が終了すると、ステップS24の処理が終了する。そして、処理は、図15のステップS21へ戻る。
【0094】
ステップS39における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS39:Y)場合には、処理はステップS41へ進む。このステップS41では、制御ユニット41が、無線通信チャンネルCH2を介して、敗北情報を対戦相手の玩具へ送信する。
【0095】
ステップS41の処理が終了すると、処理は、上述したステップS42へ進む。そしてステップS42が終了すると、そして、処理は、図15のステップS21へ戻る。
【0096】
なお、ステップ24の処理中に操作ボタン42が長押しされると、ステップS24の処理が終了し、処理は、図15のステップS21へ戻る。
【0097】
次いで、ステップS26におけるオートパイロットモード動作制御処理について説明する。
【0098】
かかるステップS26におけるオートパイロットモード動作制御処理は、図17に示すように、上述した図16のステップS24と異なる点は、ステップS33に代えてステップS33Bが実行されるとともに、ステップS38における判定結果が否定的であった場合(ステップS38:N)には、ステップS47の処理が実行される点である。以下、これらの相違点に主に着目して説明する。
【0099】
ステップS33Bにおける処理は、上述したステップS33における処理と比べて、対戦相手が決定されないまま、時間T2(例えば、5秒)が経過すると、対戦相手決定処理が終了する点が異なっている。そして、ステップS33Bの処理が終了すると、対戦開始時の演出制御処理(対戦開始音の出力等の制御処理)、及び、オートパイロットモード動作開始指令の玩具本体11への送信が行われた後、処理はステップS34へ進む。
【0100】
上述したように、ステップS38における判定結果が否定的であった場合(ステップS38:N)には、処理はステップS47へ進む。このステップS47では、制御ユニット41が、ステップ33Bの処理の終了から時間T3(例えば、60秒)が経過したか否かを判定する。
【0101】
ステップS47における判定が否定的であった場合(ステップS47:N)には、処理はステップS34へ戻る。一方、ステップS47における判定が肯定的であった場合(ステップS47:Y)には、処理はステップS42へ進む。
【0102】
次いで、ステップS27におけるバトルロイヤルモード動作制御処理について説明する。
【0103】
かかるバトルロイヤルモード動作制御処理では、図18に示されるように、まず、ステップS51おいて、制御ユニット41jが、パイロットフィギュアX1が装着されているか否かを判定する。ステップS51における判定の結果が否定的であった場合(ステップS51:N)であった場合には、処理はステップS52へ進む。
【0104】
ステップS52では、制御ユニット41jが、上述した図16のステップS32の場合と同様のエラー処理を行う。この後、ステップS27の処理が終了し、処理は、図15のステップS21へ戻る。
【0105】
ステップS51における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS51:Y)であった場合には、処理はステップS53へ進む。このステップS53では、制御ユニット41が、親機となったか否かを判定する。かかる親機判定に際して、制御ユニット41は、無線通信チャンネルCH2を介して、時間T4(例えば、5秒)が経過する前にエントリ勧誘を受信したか否かを判定する。このエントリ勧誘受信判定が否定的であった場合には、制御ユニット41が、玩具10が親機である判断し、ステップS53における判定結果が肯定的となる。このため、本実施形態では、最初にバトルロイヤル動作モードに設定された玩具が親機となるようになっている。
【0106】
ステップS53における判定結果が肯定的であった場合(ステップS53:Y)には、処理はステップS54へ進む。このステップS54では、制御ユニット41が、対戦グループの形成処理を実行する。
【0107】
かかる対戦グループの形成処理に際して、制御ユニット41は、無線通信チャンネルCH2を介して、エントリ勧誘を送信する。当該エントリ勧誘を受信した玩具からのエントリ希望を受信すると、内部のエントリ数Pを、受信したエントリ希望の累積数に更新する。なお、本実施形態では、内部のエントリ数Pの最大数P0(例えば、「9」)となっている。
【0108】
上記の受信したエントリ希望の累積数が最大数P0となると、制御ユニット41は、エントリ希望の受付を締め切る。そして、内部の対戦玩具数Mが値(P0+1)に設定された後、処理はステップS55へ進む。
【0109】
また、対戦グループの形成処理を開始してから時間T5が経過するとエントリ数Pの値にかかわらず、制御ユニット41は、エントリ希望の受付を締め切る。そして、内部の対戦玩具数Mが値(P+1)に設定された後、処理はステップS55へ進む。
【0110】
なお、制御ユニット41は、エントリ希望の受付を締め切るまでは、定期的に(例えば、1秒間隔で)、無線通信チャンネルCH2を介して、エントリ勧誘を送信するようになっている。
【0111】
上述したように、ステップ54の処理が終了すると、処理はステップS55へ進む。このステップS55では、制御ユニット41は、エントリ数Pが「0」であるか否かを判定する。ステップS55における判定結果が肯定的であった場合(ステップS55:Y)には、処理は、上述したステップS52へ進む。
【0112】
ステップS55における判定結果が否定的であった場合(ステップS55:N)には、処理はステップS56へ進む。このステップS56では、制御ユニット41が、無線通信チャンネルCH2を介して、対戦玩具数Mを指定したエントリ締切りを、勧誘エントリ希望を受け付けた玩具へ送信する。
【0113】
そして、対戦開始演出制御処理を行った後、処理はステップS57へ進む。このステップS57では、制御ユニット41が、勝敗決定処理を実行する。ここで、当該勝敗決定処理は、操作入力ユニットへの操作入力に対応した玩具本体11に対する動作制御処理と並行して実行される。
【0114】
ステップS57で実行される勝敗決定処理の詳細については、後述する。
【0115】
上述したエントリ勧誘受信判定が肯定的であった場合には、制御ユニット41が、玩具10が子機である判断し、ステップS53における判定結果が否定的となる。ステップS53における判定結果が否定的であった場合(ステップS53:N)には、処理はステップS58へ進む。
【0116】
ステップS58では、制御ユニット41が、エントリ締切り待処理を行う。かかるエントリ締切り待処理では、制御ユニット41は、時間T6(>T5)経過前に、無線通信チャンネルCH2を介して、エントリ締切りを受信したか否かのエントリ締切り受信判定を行う。
【0117】
当該エントリ締切り受信判定の結果が否定的であった場合には、処理は、上述したステップS52へ進む。一方、エントリ締切り受信判定の結果が肯定的であった場合には、通常モード動作制御の場合と同様の対戦開始時の演出制御処理が行われた後、処理はステップS57へ進む。
【0118】
≪ステップS57における勝敗決定処理≫
次に、ステップS57における勝敗決定処理について説明する。
【0119】
かかる勝敗決定処理では、図19に示されるように、まず、ステップS61おいて、制御ユニット41が、チャンネルCH2を介して、敗北情報を受信したか否かを判定する。ステップS61における判定結果が肯定的であった場合(ステップS61:Y)には、処理はステップS62へ進む。
【0120】
ステップS62では、制御ユニット41が、内部の対戦玩具数Mの値を値「M-1」に更新する。引き続き、ステップS63において、制御ユニット41が、戦者数Mが「1」なったか否か、すなわち、玩具10のみがバトルイヤル対戦の完全勝利者となったか否かを判定する。ステップS63における判定結果が否定的であった場合(ステップS63:N)には、処理はステップS64へ進む。
【0121】
ステップS64では、制御ユニット41が、パイロットフィギュアX1が排出されたか否かを判定する。ステップS64における判定結果が否定的であった場合(ステップS64:N)には、処理はステップS61へ戻る。以後、ステップS63又はS64における判定結果が肯定的となるまで、ステップS61~64の処理が繰り返される。
【0122】
ステップS63における判定結果が肯定的となると(ステップS63:Y)には、処理はステップS67へ進む。このステップS67では、制御ユニット41が、完全勝利処理を実行する。かかる完全勝利処理では、制御ユニット41は、対戦終了音を音出力ユニット44から出力させた後、完全勝利音を音出力ユニット44から出力させるとともに、表示ユニット24に完全勝利表示をさせる。
【0123】
こうしてステップS67の処理が終了すると、ステップS27の処理が終了する。そして、処理は、図15のステップS21へ戻る。
【0124】
また、ステップS64における判定結果が肯定的となると(ステップS64:Y)には、処理はステップS65へ進む。このステップS65では、制御ユニット41が、無線通信チャンネルCH2を介して、敗北情報を対戦相手の玩具へ送信する。
【0125】
次に、ステップS66において、制御ユニット41が、敗北処理を実行する。かかる敗北処理では、制御ユニット41は、上述した図16のステップS37と同様の処理を実行する。
【0126】
こうしてステップS66の処理が終了すると、ステップS27の処理が終了する。そして、処理は、図15のステップS21へ戻る。
【0127】
≪効果≫
以上説明したように、本実施形態では、コントローラ12の操作入力ユニットへの操作入力に応じた動作指令が玩具本体に第1無線通信チャンネルCH1を介して送信され、当該動作指令に応じた動作を玩具本体11が実行する。また、玩具本体11に内蔵された検知用ユニット23による玩具本体11の状態の検知結果がコントローラ12に第1無線通信チャンネルCH1を介して送信され、コントローラ12が玩具本体11の状態を把握する。
【0128】
さらに、第1無線通信チャンネルCH1とは異なる第2無線通信チャンネルCH2を介して、玩具本体11の状態の情報の送信、及び、少なくとも1つの他の玩具11の玩具本体11の状態の情報の受信を行う。このため、コントローラ12は、自身が動作を制御する玩具本体11に加えて、他の玩具10の玩具本体11の状態を把握する。
【0129】
したがって、本実施形態によれば、玩具本体11の状態、及び、玩具本体11の状態の双方に応じて、玩具10について的確な動作制御を行うことができる。
【0130】
また、本実施形態では、状態の情報には、対戦相手決定のためのゲームに関する時間同期情報(対戦勧誘、対戦承諾、対戦確認、対戦終了等)が含まれる。このため、対戦玩具間における対戦開始や対戦終了等のタイミングの同期を自動的に図る。
【0131】
また、本実施形態では、動作モードとして、通常動作モード(第1動作モード)、オートパイロット動作モード(第2動作モード)及びバトルロイヤル動作モード(第3動作モード)のいずれかを選択することができる。このため、各玩具の操作者が様々な楽しさを味わうことができる。
【0132】
本実施形態では、対戦相手玩具が敗北状態になったことを認識することができ、また、自玩具が敗北状態となったことを対戦相手玩具へ知らせることができる。このため、玩具のそれぞれにおいて勝利又は敗北に応じた演出を、操作者の操作入力に頼らずに、的確なタイミングで自動的に行うことができる。
【0133】
本実施形態では、勝利及び敗北以外に、実質的な引き分けが合理的に判定される。このため、対戦結果のバリエーションを増やしたうえで、対戦結果に応じた演出を、操作者の操作入力に頼らずに、的確なタイミングで自動的に行うことができる。
【0134】
(実施形態の変形)
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲で様々な変形が可能である。
【0135】
例えば、上記の実施形態では、コントローラが音出力ユニットを備えるようにした。これに対し、音出力及び表示が可能な報知ユニットを備えるようにし、コントローラから操作者への情報提示を、音及び画像の双方により行うようにすることができる。
【0136】
また、上記の実施形態では、通常動作モード、オートパイロット動作モード及びバトルロイヤル動作モードの3種の動作モードのいずれかを選択することができるようにした。これに対し、通常動作モードによる動作を行うようにすることもできるし、通常動作モードと、オートパイロット動作モード及びバトルロイヤル動作モードのいずれかとの組み合わせという2種の動作モードのいずれかを選択することができるようにしてもよい。
さらに、上記の3種に加えて他の動作モードを選択できるようにしてもよい。こうした他の動作モードとしては、例えば、対戦相手の存在を想定せずに、自玩具本体の操作制御を行う一人遊びのための動作モード等が挙げられる
【0137】
また、上記の実施形態では、検知用ユニット23の検知対象として、パイロットフィギュアX1が玩具本体11に装着されているか否かを例示したが、玩具本体が対戦相手の玩具本体による有効打撃を受けたこと等を更に検知するようにしてもよい。
【0138】
また、上記の実施形態では、操作ボタンの長押しを、スタンバイモードへの復帰用のために用いたが、操作ボタンの長押し時間に応じて、様々な動作指令を割り当てるようにしてもよい。例えば、対戦中の所定時間にわたる操作ボタンの長押しを、相手機のコントラーラへの動作妨害信号の送信指令とすることができる。そして、当該動作妨害信号を受信した相手機のコントローラでは、例えば、一定時間にわたって操作できなくしたり、ランダムな動作制御を行うようにすることができる。
【0139】
また、上記の実施形態では、ロボット同士の格闘という対戦ゲームの場合に本発明を適用したが、カー(カートを含む)レースゲーム、乗り物(戦車等)を走行させつつ光線銃等を用いた銃撃戦ゲーム等の対戦ゲームに本発明を適用することができる。さらに、参加玩具の玩具本体間における動作の同調度により採点等を行うダンスゲーム等にも本発明を適用することができる。
【0140】
また、上記の実施形態における演出は例示であり、ゲーム種類、ゲーム規約等に応じた演出を行うことができる。
【符号の説明】
【0141】
10 玩具処理システム
11 玩具本体
11 玩具本体
12 コントローラ
12 コントローラ
21 無線通信ユニット(第1無線通信ユニット)
22 制御ユニット
23 検知用ユニット
24 表示ユニット
25 駆動機構
31 右側操作ユニット
32 左側操作ユニット
41 制御ユニット(自律動作制御ユニットを含む)
42 操作ボタン(操作入力ユニットの一部)
43 移動検知ユニット(操作入力ユニットの一部)
44 音出力ユニット
45 無線通信ユニット(第2及び第3無線通信ユニット)
【要約】      (修正有)
【課題】玩具それぞれについて的確な動作制御を行うことができる玩具システムを提供する。
【解決手段】複数の玩具は、玩具本体11jと、玩具本体との間で設定された第1無線通信チャンネルを介して通信を行うコントローラ12jと、を備え、玩具本体は、玩具本体の状態を検知する検知用ユニットと、コントローラから送信された動作指令を受信するとともに、検知用ユニットによる検知結果をコントローラへ送信する第1無線通信ユニットと、を備え、コントローラは、操作入力ユニットへの入力内容に応じた動作指令を玩具本体へ送信するとともに、検出結果を受信する第2無線通信ユニットと、他の玩具との間で設定された、第2無線通信チャンネルを介して、玩具本体の状態の情報の送信、及び、他の玩具の玩具本体の状態の情報の受信を行う第3無線通信ユニットと、を備える。
【選択図】図13
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19