(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-16
(45)【発行日】2022-03-25
(54)【発明の名称】発電装置
(51)【国際特許分類】
F02B 63/04 20060101AFI20220317BHJP
H02J 3/32 20060101ALI20220317BHJP
H02J 3/38 20060101ALI20220317BHJP
H02J 7/34 20060101ALI20220317BHJP
F01N 13/08 20100101ALI20220317BHJP
H02J 9/06 20060101ALI20220317BHJP
【FI】
F02B63/04 B
H02J3/32
H02J3/38 110
H02J7/34 H
H02J3/38 180
F02B63/04 C
F01N13/08 Z
H02J9/06 160
(21)【出願番号】P 2021161941
(22)【出願日】2021-09-30
【審査請求日】2021-10-08
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519320000
【氏名又は名称】一般社団法人発電機協会
(73)【特許権者】
【識別番号】517168118
【氏名又は名称】川上 高幸
(74)【代理人】
【識別番号】100185270
【氏名又は名称】原田 貴史
(74)【代理人】
【識別番号】100225347
【氏名又は名称】鬼澤 正徳
(72)【発明者】
【氏名】川上 高幸
【審査官】家喜 健太
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-207569(JP,A)
【文献】特開2015-126276(JP,A)
【文献】特開2012-002097(JP,A)
【文献】実開昭51-026243(JP,U)
【文献】特開2009-270486(JP,A)
【文献】登録実用新案第3092554(JP,U)
【文献】特開平05-036302(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0111279(KR,A)
【文献】実開平01-125873(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02B 63/00
F02B 77/11
H02J 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液化石油ガスを燃焼させた熱エネルギで回転するエンジンと、
前記エンジンの回転力で発電する発電機と、
前記エンジンに供給する液化石油ガスを収容するガスボンベと、
前記エンジン、前記発電機及び前記ガスボンベを内部に収容する筐体と、
を有する発電装置において、
前記筐体の高さ方向で前記筐体の上に設けられ、かつ、前記発電機から電力が供給される負荷と、
前記筐体の内部に収容され、かつ、前記負荷を制御する制御回路と、
を有
し、
前記負荷は、前記筐体が置かれた設置場所の周辺を撮影するカメラ、及び前記設置場所の風向風速を計測する風向風速計、及び前記設置場所の雨量を計測する雨量計を含み、
前記エンジンから排出される排気ガスを前記筐体の外部に排出するダクトが設けられ、
前記ダクトは、前記筐体の高さ方向で前記負荷よりも下に向けて排気ガスを排出し、
鉛直線に対して垂直な平面内で、前記ダクトは前記カメラの撮影領域から外れた位置に設けられている発電装置。
【請求項2】
請求項
1記載の発電装置において、
鉛直線に対して垂直な平面内で、前記筐体の外周形状は長方形または正方形であり、
鉛直線に対して垂直な平面内で、前記筐体は、互いに平行な第1辺部及び第2辺部を有し、
鉛直線に対して垂直な平面内で、前記ダクトは前記第1辺部及び前記第2辺部に対して突出されている、発電装置。
【請求項3】
請求項1
または2記載の発電装置において、
前記制御回路は、前記筐体の高さ方向で前記ガスボンベと前記負荷との間に設けられている、発電装置。
【請求項4】
請求項
3記載の発電装置において、
前記筐体の内部に、
前記エンジンを収容する第1収容室と、
前記制御回路を収容する第2収容室と、
前記第1収容室と前記第2収容室とを隔てる隔壁と、
が設けられている、発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、負荷に電力を供給する発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
負荷に電力を供給する発電装置の一例が、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載されている信号機無停電電源システムは、信号機無停電電源システムに停電検知器を含む無停電電源装置、リチウムイオン二次電池単独またはリチウムイオン二次電池とキャパシタコンデンサーの両者を含む蓄電池ユニット、充放電制御ユニット、システム制御ユニット、及び処理制御装置インターフェース部を一体化した、充放電、蓄電及び補助充放電の制御システム機能を併せ有するインテリジェント機能付き蓄発電システムまたは太陽電池蓄発電一体パネルを搭載している。
【0003】
特許文献1には、日照時間や太陽光強度不足による発電量が不足する場合には、負荷としての信号機に使用されている商用電源から電流を取り込む、と記載されている。また特許文献1には、地震、台風、水害、事故等による災害が発生した場合、信号機の緊急非常無停電電源として利用する、と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願発明者は、負荷と、負荷を制御する制御装置とがそれぞれ別々に設けられていると、それらの設置スペースが拡大する、という課題を認識した。
【0006】
本開示の目的は、負荷及び制御装置を設置するスペースの拡大を抑制可能な発電装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の発電装置は、液化石油ガスを燃焼させた熱エネルギで回転するエンジンと、前記エンジンの回転力で発電する発電機と、前記エンジンに供給する液化石油ガスを収容するガスボンベと、前記エンジン、前記発電機及び前記ガスボンベを内部に収容する筐体と、を有する発電装置において、前記筐体の高さ方向で前記筐体の上に設けられ、かつ、前記発電部から電力が供給される負荷と、前記筐体の内部に収容され、かつ、前記負荷を制御する制御回路と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本開示の発電装置によれば、負荷及び制御装置を設置するスペースの拡大を抑制可能である。また、ダクトは、筐体の高さ方向で負荷よりも下方に向けて排気ガスを排出する。したがって、カメラで撮影される画像に、排気ガスが映ることを抑制可能である。さらに、風向風速計により計測される風向及び風速が、ダクトから排出される排気ガスの運動エネルギによって変動することを抑制できる。さらにまた、雨量計の上に降り注ぐ雨が、排気ガスによって飛散することを抑制できる。したがって、雨量計による雨量の計測精度が低下することを抑制できる。さらに、鉛直線に対して垂直な平面内で、ダクトは、カメラの撮影領域から外れた位置に設けられている。したがって、ダクトから真下に向けて排出された排気ガスが上昇しても、カメラで撮影される画像に排気ガスが映ることを抑制可能である。
さらに、第1辺部及び第2辺部に対して突出されたダクトから排気ガスが大気中へ排出された場合に、その反力で筐体が振動することを抑制できる。具体的に説明すると、筐体が、筐体の中心を中心として時計回り及び反時計回りに振動すること、例えば、ローリングを抑制できる。したがって、カメラが撮影する画像のブレを抑制可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図7】
図1の発電装置をII-II線に沿って破断した縦断面図である。
【
図8】
図1の発電装置をIII -III 線に沿って破断した縦断面図である。
【
図9】
図1の発電装置をIV-IV線に沿って破断した縦断面図である。
【
図10】
図1の発電装置をV-V線に沿って破断した平面断面図である。
【
図11】
図1の発電装置をVI-VI線に沿って破断した平面断面図である。
【
図12】発電装置の制御系統を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の発電装置の一実施形態を図面に基づいて説明する。商用電源及び発電装置は、負荷に対して電力を供給可能に設けられている。商用電源と発電装置とが、電気回路に並列に配置される。商用電源及び発電装置は、負荷に電力を供給することのできる電力供給装置である。商用電源から負荷に印加される電圧が所定値以上である場合は、商用電源から負荷に電力が供給され、発電装置から負荷に電力は供給されない。商用電源から負荷に印加される電圧が所定値未満である場合は、発電装置から負荷に電力が供給され、商用電源から負荷に電力は供給されない。
【0011】
図1乃至
図12に示す発電装置10は、負荷70に電力を供給する機能を有する。負荷70は、供給される電力を消費する。負荷70は、カメラ11、風向風速計12及び雨量計13を有する。発電装置10は、筐体14、発電部15、ガスボンベ16、制御盤17、切替回路18を備えている。カメラ11、風向風速計12及び雨量計13は、筐体14の高さ方向で筐体14の上に設けられている。筐体14の高さ方向は、重力の作用方向、つまり、図示しない鉛直線に沿った方向である。筐体14は、支持台19の上に載せられている。支持台19は、金属製であり、支持台19は、設置場所20に置かれている。筐体14は、箱形状のハウジング、若しくはケーシングであり、筐体14は、1枚の天板21、1枚の前板22、1枚の後板23を有する。
【0012】
1枚の天板21、1枚の前板22、1枚の後板23は、それぞれ金属を主体として構成されている。天板21と、支持台19の上面とが略平行に配置されている。
図5のように、筐体14を真上から見た平面視で、筐体14の外周形状は、略四角形、例えば長方形または正方形である。筐体14を真上から見た平面形状とは、鉛直線に対して垂直な平面内における、筐体14の形状である。天板21は、筐体14の上部に設けられた略四角形のプレートである。前板22及び後板23は、天板21の平行な長縁から下方に向けてそれぞれ延ばされたプレートである。
図5のように、筐体14を真上から見た平面視で、前板22と後板23とが、略平行に配置されている。筐体14を真上から見た平面視で、前板22及び後板23は、筐体14の平行な第1辺部及び第2辺部と定義してもよい。
【0013】
図1のように、2枚の扉24,25が、前板22に対して開閉可能、つまり、作動可能に取り付けられている。2枚の扉26,27が、後板23に対して開閉可能、つまり、作動可能に取り付けられている。2枚の扉24,26が1組として開閉され、2枚の扉24,26が閉じられた状態で、共に天板21の短縁の下方に位置する。2枚の扉25,27が1組として開閉され、2枚の扉25,27が閉じられた状態で、共に天板21の短縁の下方に位置する。筐体14の高さ方向において、2枚の扉24,26の全長は、2枚の扉25,27の全長より短い。
【0014】
図7のように、前板22と後板23との間に隔壁28が設けられている。隔壁28は、前板22及び後板23に対して略平行に設けられている。前板22と隔壁28との間に収容室29が設けられ、後板23と隔壁28との間に収容室30が設けられている。扉24が作動されると、収容室29が開閉され、扉26が作動されると、収容室30が開閉される。
【0015】
図8及び
図9のように、前板22と後板23との間に仕切り壁31が設けられている。仕切り壁31は、天板21と略平行に設けられている。また、仕切り壁31の上に収容室32及びラック収容室33が設けられている。さらに、仕切り壁31の下にボンベ収容室34が設けられている。仕切り壁31は、収容室32とボンベ収容室34とを隔て、かつ、収容室32とラック収容室33とを隔てる。収容室32とラック収容室33とを隔てる隔壁35が設けられている。隔壁35は、筐体14の高さ方向に沿って設けられている。収容室29,30と、収容室32及びボンベ収容室34とを隔てる隔壁36が設けられている。隔壁36は、前板22と後板23との間に、筐体14の高さ方向に沿って設けられている。
【0016】
図1及び
図4のように、収容室32を開閉する扉37,38が設けられている。扉37は、前板22の上で作動可能であり、扉38は、後板23の上で作動可能である。ラック収容室33を開閉する扉39,40が設けられている。扉39は、前板22の上方で作動可能であり、扉40は、後板23の上方で作動可能である。扉37と扉39とが1組として設けられ、扉38と扉40とが1組として設けられている。
【0017】
図10のように、発電部15は、収容室32に収容されている。発電部15は、負荷70または蓄電装置43に供給する電力を発電する。発電部15は、エンジン41及びモータジェネレータ42を有する。エンジン41は、液化石油ガス(LPG:Liquefied Petroleum Gas)を燃焼させた熱エネルギにより、出力軸が回転する動力装置である。モータジェネレータ42は、出力軸から伝達される運動エネルギを電気エネルギに変換するジェネレータの機能と、電力が供給されると回転力を発生するモータとしての機能と、を有する。モータジェネレータ42は、一例として、定格出力2.0kW、定格電圧105V、定格電流20.0Aである。
【0018】
さらに、モータジェネレータ42には、蓄電装置43が接続されている。蓄電装置43は、充電及び放電が可能な二次電池であり、蓄電装置43としては、リチウムイオン電池等を用いることが可能である。蓄電装置43の電圧に応じた信号を出力する電圧センサ61が設けられている。エンジン41をクランキングさせるために専用のスタータモータ60が設けられている。蓄電装置43の電力でスタータモータ60が回転される。なお、モータジェネレータ42は、蓄電装置43から電力が供給されると電動機として機能する。モータジェネレータ42の回転力でエンジン41をクランキングさせることも可能である。
【0019】
ガスボンベ16は、液化石油ガスを液体の状態で収容する周知のタンクである。本実施の形態では、1本のガスボンベ16が20kgの容量を有する。また、
図11は、6本のガスボンベ16がボンベ収容室34に収容された例である。ガスボンベ16の液化石油ガスは、空気に混入されてエンジン41の燃焼室へ供給される。ガスボンベ16の液化石油ガスをエンジン41に供給する経路(供給管)には、開閉弁44及びベーパライザ45が設けられている。開閉弁44は、ガスボンベ16の液化石油ガスをエンジン41に供給する経路を開閉するバルブである。開閉弁44は、一例としてソレノイドバルブである。ベーパライザ45は、ガスボンベ16から送られる高圧の液化天然ガスを、減圧して気化し、エンジン41の燃焼室へ供給する減圧器である。
【0020】
図12に示す切替回路18は、商用電源46の電力及び発電部15の電力を、負荷70に供給する経路に設けられている。負荷70の一例であるカメラ11、風向風速計12及び雨量計13は、何れも電力の供給を受けて作動及び機能する。商用電源46は、交流電源であり、商用電源46の電圧は、一例として100Vまたは200Vである。切替回路18は、商用電源46または発電部15の何れか一方を、負荷70に接続し、何れか他方を遮断する機能を有するスイッチ回路である。商用電源46の電力は、電柱等から電線を介して切替回路18に供給される。
【0021】
また、切替回路18は、商用電源46と蓄電装置43との間の電気回路を接続及び遮断する機能を有していてもよい。切替回路18が、商用電源46と蓄電装置43との間の電気回路を接続すると、商用電源46の電力を蓄電装置43へ充電可能である。切替回路18が、商用電源46と蓄電装置43との間の電気回路を遮断すると、商用電源46の電力は蓄電装置43へ充電されない。さらに、商用電源46と切替回路18とを接続する電気回路に電圧センサ48が設けられている。電圧センサ48は、商用電源46から負荷70に供給される電圧を検出して信号を出力する。
【0022】
切替回路18から負荷70に至る電力の供給経路に、耐雷トランス47が設けられている。耐雷トランス47は、収容室30に収容されている。耐雷トランス47は、切替回路18に接続される1次巻線と、保護対象である負荷70に接続される2次巻線とを分離した絶縁トランスを主体とし、これにサージ保護デバイス(SPD:Surge Protective Device)及びコンデンサなどを付加したトランスである。耐雷トランス47は、電源線に侵入した雷サージを減衰させることにより、負荷70を保護する雷保護装置である。耐雷トランス47は、収容室30に収容されている。
【0023】
図7及び
図10のように、制御盤17は、収容室29に収容されている。制御盤17は、入力ポート、出力ポート、記憶回路、演算処理装置を有するコンピュータにより構成されている。また、制御盤17は、各種の操作部を有する。操作部は、作業者により操作されるタッチパネル、モニター、レバー、スイッチ等を含む。制御盤17には電圧センサ48,61の信号が入力される。制御盤17は、操作部の操作、電圧センサ48,61の信号、記憶回路に記憶されているデータ等に基づいて、発電部15の起動・停止、開閉弁44の開閉、切替回路18の作動を制御する。
【0024】
図1乃至
図4のように、天板21の上にカバー49が取り付けられており、カバー49から突出された支柱50の上端にカメラ11が取り付けられている。カバー49から突出された支柱51の上端に風向風速計12が取り付けられている。カバー49上に雨量計13が設けられている。カバー49は、例えば金属製のプレートである。
【0025】
カメラ11は、発電装置10が設置されている周囲の環境を監視及び撮影するカメラである。カメラ11は、撮影した画像のデータを信号に変換して出力する。周囲の環境は、道路の状況、河川の状況、火山の状況等の何れでもよい。道路の状況には、通過車両の台数、通過車両の速度、渋滞の有無、事故の有無、道路の冠水、道路への土砂崩れ、等が含まれる。河川の状況には、水位、氾濫状況、堤防の決壊の有無、等が含まれる。火山の状況には、噴煙の程度、火山灰の有無、等が含まれる。
【0026】
風向風速計12は、風向及び風速を計測して信号を出力する。雨量計13は、所定時間(例えば1時間)当たり、及び所定面積(例えば1平方メートル)における降雨量を検出して信号を出力する。なお、筐体14を平面視した
図5は、風向風速計12が、カメラ11と雨量計13との間に配置された例である。
【0027】
図8及び
図10のように、ラック収容室33にラック53が設けられている。つまり、ラック53は、筐体14の高さ方向で、ガスボンベ16と負荷70との間に設けられている。ラック53は、電気的な絶縁材料製、例えば、合成樹脂製の箱である。
図12に示す切替回路18、制御回路57及び通信部58は、ラック53内に設けられている。制御回路57は、入力ポート、出力ポート、記憶回路、演算処理装置を有するコンピュータにより構成されている。制御回路57は、カメラ11から出力される信号、風向風速計12から出力される信号、雨量計13から出力される信号を処理する。制御回路57から出力される信号は、通信部58に入力される。通信部58は、有線または無線により、発電装置10の設置場所から離れた外部設備、例えば、発電装置10を管理する管理センターに接続されている。また、外部設備は、インターネット等のネットワークを含む。さらに、制御回路57と制御盤17とが、通信可能に接続されている。
【0028】
図6のように、天板21を厚さ方向に貫通する排気口52,54が設けられており、排気口52は収容室32につながっている。排気口54は、カバー49と天板21との間の空間により排気口52につながっている。ダクト55が、扉37,38,39,40の外面にそれぞれ取り付けられている。
図5のように、筐体14を平面視すると、4つのダクト55は、筐体14から突出して設けられている。2つのダクト55は、前板22に対して突出され、2つのダクト55は、後板23に対して突出されている。4つのダクト55は、排気通路をそれぞれ有し、各排気通路は、排気口54へそれぞれつながっている。
図1乃至
図4のように、4つのダクト55の排気口56は、筐体14の高さ方向で、それぞれ下に向けられている。4つの排気口56は、全て天板21より下方に位置する。
【0029】
次に、発電装置10の制御例を説明する。管理センターから出力された信号は、通信部58を経て制御回路57に入力される。制御回路57は、管理センターから送信される信号に基づいて、カメラ11、風向風速計12及び雨量計13を制御する信号を出力する。また、制御回路57から制御盤17に信号が入力され、制御盤17は、切替回路18を制御する。すると、商用電源46の電力が、切替回路18及び耐雷トランス47を経由して負荷70に供給され、負荷70が作動及び機能する。
【0030】
カメラ11の撮影された画像、風向風速計12で測定される風向及び風速、雨量計13で計測される雨量等を含む信号は、それぞれ制御回路57に入力され、かつ、通信部58から外部設備へ送信される。
【0031】
商用電源46から負荷70に印加される電圧が、所定値以上であると、制御盤17は、切替回路18を制御して、負荷70と商用電源46とを接続させ、かつ、負荷70と発電部15とを遮断させる。また、商用電源46から負荷70に印加される電圧が、所定値以上であると、制御盤17は開閉弁44を閉じている。このため、ガスボンベ16の液化石油ガスは、エンジン41に供給されない。つまり、エンジン41は停止され、かつ、モータジェネレータ42は発電を行わない。
【0032】
これに対して、商用電源46から負荷70に印加される電圧が所定値未満であると、制御盤17は、切替回路18を制御することにより、負荷70と発電部15とを接続させ、かつ、負荷70と商用電源46とを遮断させる。また、商用電源46から負荷70に印加される電圧が、所定値未満であると、制御盤17は開閉弁44を開く。
【0033】
このため、ガスボンベ16の液化石油ガスは、エンジン41に供給される。また、制御盤17は、蓄電装置43の電力によってスタータモータ60を回転させることにより、エンジン41をクランキングさせる。なお、制御盤17は、蓄電装置43の電力でモータジェネレータ42を回転させ、モータジェネレータ42によってエンジン41をクランキングさせてもよい。
【0034】
そして、エンジン41において液化ガスと空気との混合気が燃焼され、その熱エネルギが運動エネルギに変換されて、エンジン41の出力軸が自律回転する。エンジン41の出力軸の回転力がモータジェネレータ42に伝達されると、モータジェネレータ42は発電を行う。発電部15で得られた電力は、切替回路18を経由して負荷70に供給される。
【0035】
以上のように、商用電源46及び発電部15の何れか一方から、負荷70に電力を供給できる。したがって、商用電源46の電圧が低下した場合、例えば停電した場合は、発電部15から負荷70へ電力を供給できる。
【0036】
なお、商用電源46の電圧が所定値以上であると、制御盤17、制御回路57、通信部58、切替回路18、電圧センサ48、開閉弁44は、商用電源46から供給される電力により機能する。これに対して、商用電源46の電圧が所定値未満であると、制御盤17、制御回路57、通信部58、切替回路18、電圧センサ48、開閉弁44は、蓄電装置43から供給される電力により機能する。
【0037】
さらに、商用電源46の電圧が所定値以上であり、かつ、発電部15が停止し、かつ、蓄電装置43の電圧が所定値未満であると、制御盤17は、切替回路18を制御して商用電源46と蓄電装置43とを接続させることができる。すると、商用電源46の電力が蓄電装置43に充電される。
【0038】
さらに、商用電源46の電圧が所定値以上であり、かつ、蓄電装置43の電圧が所定値未満であると、制御盤17は、発電部15を起動させ、かつ、切替回路18を制御して負荷70と発電部15とを遮断することができる。すると、発電部15で発電された電力は、蓄電装置43に充電される。
【0039】
本実施形態において、負荷70は、筐体14の上に設けられ、かつ、制御回路57及び通信部58は、筐体14内に収容されている。したがって、これらの機器及び部品を設置するスペースの拡大を抑制可能である。具体的には、
図5のように筐体14を真上から平面視すると、これらの機器及び部品を設置するスペースは、全て筐体14の配置領域、つまり、占有領域内にある。したがって、これらの機器及び部品を設置するスペースの拡大を抑制できる。
【0040】
さらに、エンジン41が液化石油ガスを燃焼させた場合に排出される排気ガスは、収容室32、排気口52,54を経由してダクト55から筐体14の外部に排出される。また、収容室32及びラック収容室33へ直接に接続されたダクト55には、ファン59がそれぞれ設けられている。ファン59は、例えばシロッコファンを用いることができる。ここで、ダクト55の排気口56は天板21よりも下に位置し、かつ、排気ガスは排気口56から下方に向けて排出される。したがって、カメラ11で撮影される画像に、排気ガスが映ることを抑制可能である。さらに、風向風速計12により計測される風向及び風速が、ダクト55から排出される排気ガスの運動エネルギによって変動することを抑制できる。さらにまた、雨量計13の上に降り注ぐ雨が、排気ガスによって飛散することを抑制できる。したがって、雨量計13による雨量の計測精度が低下することを抑制できる。
【0041】
また、
図5のように筐体14を真上から平面視すると、全てのダクト55は、カメラ11による撮影領域A1から外れた位置に設けられている。したがって、ダクト55から真下に向けて排出された排気ガスが上昇しても、カメラ11で撮影される画像に排気ガスが映ることを抑制可能である。
【0042】
また、
図5のように筐体14を真上から平面視すると、2つのダクト55は、前板22に対して突出して設けられ、2つのダクト55は、後板23に対して突出して設けられている。カメラ11は、前板22に対して突出されたダクト55と、後板23に対して突出されたダクト55との間に配置されている。つまり、カメラ11は、筐体14の前後方向で略中央に位置する。また、
図2及び
図3において、カメラ11は、筐体14の高さ方向で、筐体14の中心Q1の真上に位置する。さらに、ダクト55の排気口56は、
図1乃至
図4のように、筐体14の高さ方向で下に向けられている。
【0043】
このため、筐体14の両側に配置された2個ずつのダクト55から排気ガスが大気中へ排出された場合に、その反力で筐体14が振動することを抑制できる。具体的に説明すると、筐体14が、
図2及び
図3において、筐体14の中心Q1を中心として時計回り及び反時計回りに振動すること、例えば、ローリングを抑制できる。したがって、カメラ11が撮影する画像のブレを抑制可能である。中心Q1は、筐体14の高さ方向及び前後方向(幅方向)の中心である。中心Q1は、筐体14の高さ方向で排気口56より下に位置する。
【0044】
本実施形態において開示された技術的事項の意味の一例は、次の通りである。発電装置10は、発電装置の一例である。エンジン41は、エンジンの一例である。モータジェネレータ42は、発電機の一例である。ガスボンベ16は、ガスボンベの一例である。筐体14は、筐体の一例である。負荷70は、負荷の一例である。制御回路57は、制御回路の一例である。カメラ11は、カメラの一例である。風向風速計12は、風向風速計の一例である。雨量計13は、雨量計の一例である。ダクト55は、ダクトの一例である。撮影領域A1は、撮影領域の一例である。前板22は、第1辺部の一例である。後板23は、第2辺部の一例である。収容室32は、第1収容室の一例である。ラック収容室33は、第2収容室の一例である。隔壁35は、隔壁の一例である。
【0045】
本開示の発電装置を、図面に開示された実施形態に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施の形態に限られるものではない。例えば、ガスボンベ1本あたりの容量、ガスボンベの本数は、任意に変更可能である。また、カメラと風向風速計と雨量計との位置関係は、任意に変更可能である。
【符号の説明】
【0046】
10…発電装置、11…カメラ、12…風向風速計、13…雨量計、14…筐体、16…ガスボンベ、22…前板、23…後板、32…収容室、33…ラック収容室、35…隔壁、41…エンジン、42…モータジェネレータ、55…ダクト、57…制御回路、70…負荷、A1…撮影領域
【要約】
【課題】負荷及び制御装置を設置するスペースの拡大を抑制可能な発電装置を提供する。
【解決手段】液化石油ガスを燃焼させた熱エネルギで回転するエンジン41と、エンジン41の回転力で発電するモータジェネレータ42と、エンジン41に液化石油ガスを供給するガスボンベ16と、エンジン41、モータジェネレータ42及びガスボンベ16を内部に収容する筐体14と、を有する発電装置10において、筐体14の高さ方向で筐体14の上に設けられ、かつ、モータジェネレータ42から電力が供給される負荷70と、筐体14の内部に収容され、かつ、負荷70を制御する制御回路57と、を有する発電装置10を設けた。
【選択図】
図12