IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社MIRAILABSの特許一覧 ▶ SMS株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-書類の真正を担保するシステム 図1
  • 特許-書類の真正を担保するシステム 図2
  • 特許-書類の真正を担保するシステム 図3
  • 特許-書類の真正を担保するシステム 図4
  • 特許-書類の真正を担保するシステム 図5
  • 特許-書類の真正を担保するシステム 図6
  • 特許-書類の真正を担保するシステム 図7
  • 特許-書類の真正を担保するシステム 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-16
(45)【発行日】2022-03-25
(54)【発明の名称】書類の真正を担保するシステム
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/64 20130101AFI20220317BHJP
   G06F 21/62 20130101ALI20220317BHJP
【FI】
G06F21/64
G06F21/62 309
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020144039
(22)【出願日】2020-08-28
(65)【公開番号】P2022039162
(43)【公開日】2022-03-10
【審査請求日】2020-08-28
(73)【特許権者】
【識別番号】520330021
【氏名又は名称】株式会社MIRAILABS
(73)【特許権者】
【識別番号】520330032
【氏名又は名称】SMS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】前澤 周平
【審査官】岸野 徹
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-310057(JP,A)
【文献】特開2020-052682(JP,A)
【文献】特開2005-322163(JP,A)
【文献】特開2006-285592(JP,A)
【文献】特開2016-004300(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/64
G06F 21/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
書類の真正を担保するシステムであって、
ネットワークを介して情報端末と通信可能なサーバを備え、
前記サーバは、
第1の書類と、前記第1の書類の承認を受けるための第2の書類と、を作成する手段と、
作成された前記第1の書類と前記第2の書類の承認を承認者に依頼する手段と、
承認の下りた前記第1の書類と前記第2の書類を登録する保存手段と、
承認の下りた前記第2の書類に対して、該第2の書類の識別情報である文書IDを含む識別用画像を発行する発行手段と、
承認の下りた前記第1の書類の承認印の近傍に、前記識別用画像を押印する、押印手段と、
前記識別用画像が押印された前記第1の書類を、関係者に送信する、送信手段と、
前記情報端末から、前記識別用画像を介してアクセスされた際に、承認された前記第の書類の情報を開示するかどうかを判定する、判定手段と、
前記情報端末に前記承認された前記第2の書類の情報を開示する、開示手段と、
を有する、
書類の真正を担保するシステム。
【請求項2】
前記第1の書類は対外書類であり、前記第2の書類は社内書類である、請求項1に記載の書類の真正を担保するシステム。
【請求項3】
前記第1の書類は契約書であり、前記第2の書類は稟議書である、請求項2に記載の書類の真正を担保するシステム。
【請求項4】
ネットワークを介して情報端末と通信可能なサーバであって、
第1の書類と、前記第1の書類の承認を受けるための第2の書類と、を作成する手段と、
作成された前記第1の書類と前記第2の書類の承認を承認者に依頼する手段と、
承認の下りた前記第1の書類と前記第2の書類を登録する保存手段と、
承認の下りた前記第2の書類に対して、該第2の書類の識別情報である文書IDを含む識別用画像を発行する発行手段と、
承認の下りた前記第1の書類の承認印の近傍に、前記識別用画像を押印する、押印手段と、
前記識別用画像が押印された前記第1の書類を、関係者に送信する、送信手段と、
前記情報端末から、前記識別用画像を介してアクセスされた際に、承認された前記第の書類の情報を開示するかどうかを判定する、判定手段と、
前記情報端末に前記承認された前記第2の書類の情報を送信する、送信手段と、
を有する、サーバ。
【請求項5】
前記第1の書類は対外書類であり、前記第2の書類は社内書類である、請求項4に記載のサーバ。
【請求項6】
前記第1の書類は契約書であり、前記第2の書類は稟議書である、請求項5に記載のサーバ。
【請求項7】
ネットワークを介して情報端末と通信可能なサーバが実行する書類の真正を担保する方法であって、
第1の書類と、前記第1の書類の承認を受けるための第2の書類と、を作成する段階と、
作成された前記第1の書類と前記第2の書類の承認を承認者に依頼する段階と、
承認の下りた前記第1の書類と前記第2の書類を登録する保存段階と、
承認の下りた前記第2の書類に対して、該第2の書類の識別情報である文書IDを含む識別用画像を発行する発行段階と、
承認の下りた前記第1の書類の承認印の近傍に、前記識別用画像を押印する、押印段階と、
前記識別用画像が押印された前記第1の書類を、関係者に送信する、送信段階と、
前記情報端末から、前記識別用画像を介してアクセスされた際に、承認された前記第2の書類の情報を開示するかどうかを判定する、判定段階と、
前記情報端末に前記承認された前記第2の書類の情報を送信する、送信段階と、
を有する、書類の真正を担保する方法。
【請求項8】
前記第1の書類は契約書であり、前記第2の書類は稟議書である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の書類は契約書であり、前記第2の書類は稟議書である、請求項8に記載の書類の真正を担保する方法。
【請求項10】
請求項7~9のいずれか一項の方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、書類の真正を担保するシステム、そのサーバ、その方法、及びそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
契約書などの書類には、印鑑が押印されるが、その印鑑は、偽造可能であり、さらに、昨今普及している電子印鑑では、デジタル陰影のコピーができるため、一層偽造が容易になっている。
【0003】
電子印鑑においては、デジタル陰影に情報を追加して、真正な書類かどうかが判断できるようなものも存在する。また、特許文献1のように、識別用画像により、承認すべき書類の情報にアクセス可能な技術も開示されている。さらに、特許文献2のように、複数の電子印鑑と電子証明書を選択して電子文書に添付する技術も開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開第5903800号明細書
【文献】特開2003-169051号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、デジタル陰影に情報を追加している電子印鑑では、その情報を読み取るのに特別なソフトウェアが必要になる。また、特許文献1では、真正書類の担保については何ら開示されていない。特許文献2では、ユーザの電子印鑑と電子証明書にて、なりすまし、文書の改ざん等から保護するため、この電子印鑑と電子証明書の組み合わせが必要となる
【0006】
したがって、本発明の目的は、書類の真正の担保を、簡単且つ確実に行うことにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第一の観点では、書類の真正を担保するシステムであって、ネットワークを介して情報端末と通信可能なサーバを備え、上記サーバは、第1の書類と、上記第1の書類の承認を受けるための第2の書類と、を作成する手段と、作成された上記第1の書類と上記第2の書類の承認を承認者に依頼する手段と、承認の下りた上記第1の書類と上記第2の書類を登録する保存手段と、承認の下りた上記第2の書類に対して、該第2の書類の識別情報である文書IDを含む識別用画像を発行する発行手段と、承認の下りた上記第1の書類の承認印の近傍に、上記識別用画像を押印する、押印手段と、上記識別用画像が押印された上記第1の書類を、関係者に送信する、送信手段と、上記情報端末から、上記識別用画像を介してアクセスされた際に、承認された上記第1の書類の情報を開示するかどうかを判定する、判定手段と、上記情報端末に上記承認された上記第2の書類の情報を開示する、開示手段と、を有する。これにより、第1の書類の真正を担保することが出来る。
【0008】
この書類の真正を担保するシステムにおいては、上記第1の書類は対外書類であり、上記第2の書類は社内書類である。これにより対外書類の真正を担保することが出来る。
【0009】
この書類の真正を担保するシステムにおいては、上記第1の書類は契約書であり、上記第2の書類は稟議書である。これにより、契約書の真正を担保することが出来る。
【0010】
第二の観点では、ネットワークを介して情報端末と通信可能なサーバであって、第1の書類と、上記第1の書類の承認を受けるための第2の書類と、を作成する手段と、作成された上記第1の書類と上記第2の書類の承認を承認者に依頼する手段と、承認の下りた上記第1の書類と上記第2の書類を登録する保存手段と、承認の下りた上記第2の書類に対して、該第2の書類の識別情報である文書IDを含む識別用画像を発行する発行手段と、承認の下りた上記第1の書類の承認印の近傍に、上記識別用画像を押印する、押印手段と、上記識別用画像が押印された上記第1の書類を、関係者に送信する、送信手段と、上記情報端末から、上記識別用画像を介してアクセスされた際に、承認された上記第1の書類の情報を開示するかどうかを判定する、判定手段と、上記情報端末に上記承認された上記第2の書類の情報を開示する、開示手段と、を有する。これにより、第1の文書の真正を担保することが出来る。
【0011】
このネットワークを介して情報端末と通信可能なサーバにおいては、上記第1の書類は対外書類であり、上記第2の書類は社内書類である。これにより対外書類の真正を担保することが出来る。
【0012】
このネットワークを介して情報端末と通信可能なサーバにおいては、上記第1の書類は契約書であり、上記第2の書類は稟議書である。これにより、契約書の真正を担保することが出来る。
【0013】
第三の観点では、書類の真正を担保する方法であって、第1の書類と、上記第1の書類の承認を受けるための第2の書類と、を作成する段階と、作成された上記第1の書類と上記第2の書類の承認を承認者に依頼する段階と、承認の下りた上記第1の書類と上記第2の書類を登録する保存段階と、承認の下りた上記第2の書類に対して、該第2の書類の識別情報である文書IDを含む識別用画像を発行する発行段階と、承認の下りた上記第1の書類の承認印の近傍に、上記識別用画像を押印する、押印段階と、上記識別用画像が押印された上記第1の書類を、関係者に送信する、送信段階と、上記情報端末から、上記識別用画像を介してアクセスされた際に、承認された上記第1の書類の情報を開示するかどうかを判定する、判定段階と、上記情報端末に上記承認された上記第2の書類の情報を開示する、開示段階と、を有する。これにより、第1の文書の真正を担保することが出来る。
【0014】
この書類の真正を担保する方法においては、上記第1の書類は対外書類であり、上記第2の書類は社内書類である。これにより対外書類の真正を担保することが出来る。
【0015】
この書類の真正を担保する方法においては、上記第1の書類は契約書であり、上記第2の書類は稟議書である。これにより、契約書の真正を担保することが出来る。
【0016】
第四の観点では、第三の観点の方法をコンピュータに実行させるプログラムを提供できる。これにより、この方法を様々なサーバ等で使用することが出来る。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、文書の真正を担保するシステム、サーバ、方法、プログラムを提供出来る。また、対外書類の真正を担保することができる。さらに、契約書の真正を担保することも出来る。
【0018】
本発明を用いるさらなる有利性、特徴、及び態様は、非限定的な実例として与えられる以下の本発明の実施例の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本発明の実施形態に係る、書類の真正を担保するシステムの構成例を示す図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る、書類の真正を担保するシステムのサーバのハードウェア構成例を示す図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係る、書類の真正を担保するシステムのサーバのソフトウェア構成例を示す図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係る、書類の真正を担保するシステムにアクセスする情報端末のハードウェア構成例を示す図である。
図5図5は、本発明の実施形態に係る、書類の真正を担保するシステムにアクセスする情報端末のソフトウェア構成例を示す図である。
図6図6は、本発明の実施形態に係る、書類の真正を担保するシステムのフローチャート図である。
図7図7は、本発明の実施形態に係る承認済みの第1の書類と承認済みの第2の書類の模式図である。
図8図8は、ほ発明の実施形態に係る承認済みの第1の書類と承認済みの第2の書類に識別用画像が押印された模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施形態を図1~7を参照しながら、以下に詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施形態に係る、書類の真正を担保するシステム100の構成例を示す図である。書類の真正を担保するシステム100は、例えば、1台の書類申請・登録用情報端末30と、2台の承認者用情報端末40と、書類真正確認用情報端末50と、書類の真正を担保するシステムのサーバ20と、を備える。1台の書類申請・登録用情報端末30と、2台の承認者用情報端末40と、書類真正確認用情報端末50と、書類の真正を担保するシステムのサーバ20とはネットワーク10、例えばインターネットを介して接続されている。1台の書類申請・登録用情報端末30は、書類申請・登録用情報端末30の例示であって、書類申請・登録者の数だけ書類申請・登録用情報端末30があってもよい。2台の承認者用情報端末40も2台である必要はなく、承認者の人数により変動する。書類の真正を担保するシステムのサーバ20がウェブサーバであるときには、配信される操作画面はウェブページであり、書類申請・登録用情報端末30、承認者用情報端末40、書類真正確認用情報端末50のウェブブラウザ上にウェブページが表示されることになる。書類申請・登録用情報端末30、承認者用情報端末40、書類真正確認用情報端末50は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末などを含む、各種の情報端末である。ウェブブラウザや、専用のアプリケーションなど、操作画面を表示するためのアプリケーション・プログラムがあらかじめインストールされている。
【0022】
ネットワーク10は、有線、無線を含む通信ネットワークである。ネットワーク10は、例えば、インターネット、公衆回線網、WiFi(登録商標)などを含む。
【0023】
図2は、本発明の実施形態に係る、書類の真正を担保するシステムのサーバ20のハードウェア構成例を示す図である。書類の真正を担保するシステムのサーバ20は、CPU(Central Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、HDD(Hard Disk Unit)24、及び通信装置25など、を備える。
【0024】
CPU21は各種のプログラムの実行や演算処理を行う。ROM22は起動時に必要なプログラムなどが保存されている。RAM23はCPU21での処理を一時的に記憶し、データを記憶する作業領域である。HDD24には各種データ及プログラムが格納されている。通信装置25はネットワーク10を介して書類申請・登録用情報端末30、承認者用情報端末40、書類真正確認用情報端末50等の装置と通信を行う。
【0025】
図3は、本発明の実施形態に係る、書類の真正を担保するシステムのサーバ20のソフトウェア構成例を示す図である。書類の真正を担保するシステムのサーバ20は、主な機能として、承認済みの第1の書類と第1の書類に関連する第2の書類、及びこれらの書類と共に会社名、取引先名、契約名、承認依頼日時、承認者、承認者の役職、承認者別承認日、承認完了日時などの情報が保存されてもよい、書類保存部201と、承認を受ける第1の書類と第2の書類を作成する、第1と第2の書類作成部202と、作成した第1の書類と第2の書類の承認を承認者に依頼する、第1と第2の書類の承認を承認者に依頼する依頼部203と、第2の書類の情報へアクセスする情報を含む識別用画像を発行する、識別用画像発行部204と、第1の書類の押印の近傍に識別用画像を押印する、識別用画像押印部205と、識別用画像が押印された第1の書類を、関係者に送信する、第1の書類を関係者に送信する送信部206と、書類真正確認用情報端末50からのアクセスされた際に、第2の書類の情報を開示するかを判定する、第2の書類の情報を開示するかどうかを判定する判定部207と、書類の情報を開示してよいと判定された時に、第2の書類の情報を開示する開示部208と、を有する。
【0026】
図4は、本発明の実施形態に係る書類申請・登録用情報端末30、承認者用情報端末40、書類真正確認用情報端末50のハードウェア構成例を示す図である。書類申請・登録用情報端末30、承認者用情報端末40、書類真正確認用情報端末50は、CPU(Central Processing Unit)31、41、51。ROM(Read Only Memory)32、42、52、RAM(Random Access Memory)33、43、53、HDD(Hard Disk Unit)34、44、54及び通信装置35、45、55など、を備える。
【0027】
CPU31、41、51は各種のプログラムの実行や演算処理を行う。ROM32、42、52は起動時に必要なプログラムなどが保存されている。RAM33、43、53はCPU31、41、51での処理を一時的に記憶し、データを記憶する作業領域である。HDD34、44、54には各種データ及プログラムが格納されている。通信装置35、5、55はネットワーク10を介して書類の真正を担保するシステムのサーバ20等の装置と通信を行う。
【0028】
図5は、本発明の実施形態に係る書類申請・登録用情報端末30、承認者用情報端末40、書類真正確認用情報端末50のソフトウェア構成例を示す図である。書類申請・登録用情報端末30、承認者用情報端末40、書類真正確認用情報端末50は、主な機能として、書類申請・登録用画面、承認画面、書類を受信するメール画面などを表示する画面表示部301、401、501と、書類の真正を担保するシステムのサーバ20と通信するための通信部302、402、502とを有する。
【0029】
なお、各機能部は、書類の真正を担保するシステムのサーバ20、書類申請・登録用情報端末30、承認者用情報端末40、書類真正確認用情報端末50を構成するコンピュータのCPU,ROM、RAM、HDD、通信手段等のハードウェア資源上で実行されるコンピュータプログラムにより実現されるものである。したがって、これらの機能部は、「手段」、「モジュール」、「ユニット」又は「回路」と読み替えてもよい。
【0030】
さらに、書類の真正を担保するシステムのサーバ20の各機能部の配置は一例であり、システムの構成上、書類の真正を担保するシステムのサーバ20全体として各機能を有していればよい。たとえば、書類の真正を担保するシステムのサーバ20の書類保存部201を別のサーバに移してもよい。
【0031】
本発明の実施形態に係る書類の真正を担保するシステム100の情報処理について説明する。
【0032】
図6は、本発明の実施形態に係る、書類の真正を担保するシステムのフローチャートである。
【0033】
図1で示す、書類申請・登録用情報端末30から書類の真正を担保するシステムのサーバ20にアクセスする(S1)。システム利用者は会社名、役職名、氏名、メールアドレス情報などを登録して、ログインアカウントを予め作成しておく。システム利用者は、第1の書類1と第2の書類2の作成、承認/否認、承認データ(第1の書類、第2の書類及び会社名、取引先名、契約名、承認依頼日時、承認者、承認者の役職、承認者別承認日、承認完了日時など)の登録、確認などができる。第1の書類1、第2の書類2は、それぞれ対外書類1、内部書類2であってもよく、対外書類1、内部書類2はそれぞれ契約書1、稟議書2であってもよい。また、これらの書類は、それぞれ複数の書類であってもよい。ここでは、簡単のため、第1の書類は1通の契約書1、第2の書類は1通の稟議書2として説明する。また、書類の承認者は、上長と社長のみとして説明する。
【0034】
次に契約書1と稟議書2を作成する(S2)。稟議書2は、契約書1の承認のために用いられ、契約書1の真正を担保するために用いられる。契約者名、契約相手先企業情報など必要な情報をまとめることもできる。この契約書1は、契約相手先が作成して、契約相手先の承認印が押印されていてもよい。
【0035】
作成が完了したら、第1と第2の書類の承認を承認者に依頼する(S3)。この際、複数の承認者に同時に依頼することも出来るし、一人の承認者が承認したら、次の承認者が承認するようにしてよい。承認者は依頼をメールなどで受け取り、承認者用情報端末40から書類の真正を担保するシステムのサーバ20にアクセスする。承認者も会社名、役職名、氏名、メールアドレス情報などを登録して、ログインアカウントを作成する。もちろん予め作成しておいてもよい。承認者は、承認と否認を行うことが出来る。すべての承認者が承認をすると契約書1と稟議書2は図7のようになる。稟議書2の符号4は申請者欄で、申請者の電子署名もしくは電子印鑑が押印されている。符号5は上長承認欄で、上長の電子署名もしくは電子印鑑が押印されている。符号6は社長承認欄で、社長の電子署名もしくは電子印鑑が押印されている。契約書1には社長承認欄の符号6のみがあり、稟議書2で押印した電子署名もしくは電子印鑑が押印されている。契約書1にも上長承認欄5や申請者の申請者欄4があってもよい。
【0036】
承認の下りた第1と第2の書類1、2を登録する(S4)。図7で示すような状態の契約書1と稟議書2を登録する。登録時に会社名、取引先名、契約名、承認依頼日時、承認者名、承認者役職、承認者別承認日、承認完了日時のデータも登録されてもよい。
【0037】
識別用画像3を発行する(S5)。識別用画像3(GD)は、稟議書2の識別情報であるIDを含み、例えば、二次元バーコード画像が生成される。二次元バーコードは、QRコード(登録商標)でもよいし、一次元バーコードなどの他のバーコードでもよく、地紋画像等のその他の画像でもよい。識別用画像3には、真正を担保するシステムのサーバ20を介して稟議書2の情報にアクセスするためのURLデータが含まれている。
【0038】
第1の書類1の承認印の近傍に、識別用画像3を押印する(S6)。図8に示すように、契約書1の社長承認欄6の近傍に、識別用画像3が押印される。
【0039】
識別用画像3が押印された第1の書類1を関係者に送信する(S7)。識別用画像3が押印された契約書1が、契約相手先にメールなどで送信される。この際、通常はパスワードなどでロック、又は暗号化された状態で、相手先に送信される。
【0040】
書類真正確認用情報端末50から、識別用画像3を介してアクセスされた際に、第2の書類2の情報を開示するかどうかを判定する(S8)。契約相手先は、この契約書が真正であるかどうかを、自身のスマホ等である、書類真正確認用情報端末50から、識別用画像3を画像認識により、読み込んで、識別用画像3に含まれているURL先に遷移する。遷移するとパスワード認証画面が表示されるので、予め通知されているパスワードを入力する。
【0041】
承認された第2の書類2の情報を開示する(S8)。正しいパスワードが入力されると、稟議書2の情報を確認でき、契約書1が真正であることを確認できる。稟議書2の情報の開示情報にレベルを持たすことも可能であり、パスワードでは、一定レベルの情報まで(例えば稟議書2の1部、又は上記の承認データの1部)しか閲覧できないが、ユーザに応じて閲覧範囲を広げることも可能である。この場合には、会社名、役職名、氏名、メールアドレス情報などを登録して、ログインアカウントを予め作成しておく必要があり、パスワードにて真正を担保するシステムのサーバ20にアクセスした後に真正を担保するシステム100にログインすることによりさらに広範囲の情報を閲覧可能となる。
【0042】
様々なサーバ等で使用するために、上記の書類の真正を担保するシステム100の情報処理のプログラムを提供することも可能である。
【0043】
以上、図面を参照して、本発明の実施例を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0044】
1 第1の書類、対外書類、契約書
2 第2の書類、内部書類、稟議書
3 識別用画像
4 申請者欄
5 上長承認欄
6 社長承認欄
10 ネットワーク
20 書類の真正を担保するシステムのサーバ
21 CPU
22 ROM
23 RAM
24 HDD
25 通信装置
30 書類申請・登録用情報端末
31 CPU
32 ROM
33 RAM
34 HDD
35 通信装置
40 承認者用情報端末
41 CPU
42 ROM
43 RAM
44 HDD
45 通信装置
50 書類真正確認用情報端末
51 CPU
52 ROM
53 RAM
54 HDD
55 通信装置
100 書類の真正を担保するシステム
201 書類保存部
202 第1と第2の書類作成部
203 第1と第2の書類の承認を承認者に依頼する依頼部
204 識別用画像発行部
205 識別用画像押印部
206 第1の書類を関係者に送信する送信部
207 第2の書類の情報を開示するかどうかを判定する判定部
208 第2の書類の情報を開示する開示部
301 画面表示部
302 通信部
401 画面表示部
402 通信部
501 画面表示部
502 通信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8