(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-16
(45)【発行日】2022-03-25
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理プログラムおよび情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G01C 21/34 20060101AFI20220317BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20220317BHJP
【FI】
G01C21/34
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2016224170
(22)【出願日】2016-11-17
【審査請求日】2019-10-09
(73)【特許権者】
【識別番号】500168811
【氏名又は名称】株式会社ナビタイムジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】名取 洋也
【審査官】岡澤 洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-130918(JP,A)
【文献】特開2013-137673(JP,A)
【文献】特開2007-257111(JP,A)
【文献】特開2010-262459(JP,A)
【文献】特開2014-186504(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/34
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
出発地から目的地までのパークアンドライド経路を取得する経路取得手段と、
前記取得した経路に含まれる駐車場にユーザが到達したことを判定する到達判定手段と、
前記出発地から前記駐車場までの自動車での移動に対して前記ユーザにインセンティブを付与する手段と、
前記到達判定手段により前記駐車場に到達したと判定された場合に、前記駐車場から前記目的地までの前記自動車以外での移動に対して、前記ユーザに付与するインセンティブ情報を生成するインセンティブ情報生成手段と、
を備えた情報処理システム。
【請求項2】
前記経路取得手段は、前記ユーザの経路探索結果、または前記ユーザの移動履歴に基づいて、前記パークアンドライド経路を取得する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
出発地から目的地までのユーザの移動履歴を取得する経路取得手段と、
前記取得した移動履歴に基づいて、前記ユーザが駐車場に到達し、駐車場到達後に公共交通機関を利用していたことを判定する到達判定手段と、
前記出発地から前記駐車場までの自動車での移動に対して前記ユーザにインセンティブを付与する手段と、
前記到達判定手段により駐車場到達後に公共交通機関を利用していたと判定された場合に、前記駐車場から前記目的地までの前記自動車以外での移動に対して、前記ユーザに付与するインセンティブ情報を生成するインセンティブ情報生成手段と、
を備えた情報処理システム。
【請求項4】
前記インセンティブ情報生成手段は、前記目的地および/または前記目的地周辺の駐車場の満空情報、または前記目的地に至る経路上の交通状況を考慮して、前記インセンティブ情報を生成する、請求項1~3のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項5】
コンピュータを、
出発地から目的地までのパークアンドライド経路を取得する経路取得手段、
前記取得した経路に含まれる駐車場にユーザが到達したことを判定する到達判定手段、
前記出発地から前記駐車場までの自動車での移動に対して前記ユーザにインセンティブを付与する手段、
前記到達判定手段により前記駐車場に到達したと判定された場合に、前記駐車場から前記目的地までの前記自動車以外での移動に対して、前記ユーザに付与するインセンティブ情報を生成するインセンティブ情報生成手段、
として機能させる情報処理プログラム。
【請求項6】
コンピュータを、
出発地から目的地までのユーザの移動履歴を取得する経路取得手段、
前記取得した移動履歴に基づいて、前記ユーザが駐車場に到達し、駐車場到達後に公共交通機関を利用していたことを判定する到達判定手段、
前記出発地から前記駐車場までの自動車での移動に対して前記ユーザにインセンティブを付与する手段、
前記到達判定手段により駐車場到達後に公共交通機関を利用していたと判定された場合に、前記駐車場から前記目的地までの前記自動車以外での移動に対して、前記ユーザに付与するインセンティブ情報を生成するインセンティブ情報生成手段、
として機能させる情報処理プログラム。
【請求項7】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
出発地から目的地までのパークアンドライド経路を取得するステップと、
前記取得した経路に含まれる駐車場にユーザが到達したことを判定するステップと、
前記出発地から前記駐車場までの自動車での移動に対して前記ユーザにインセンティブを付与するステップと、
前記駐車場に到達したと判定された場合に、前記駐車場から前記目的地までの前記自動車以外での移動に対して、前記ユーザに付与するインセンティブ情報を生成するステップと、
を備えた情報処理方法。
【請求項8】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
出発地から目的地までのユーザの移動履歴を取得するステップと、
前記取得した移動履歴に基づいて、前記ユーザが駐車場に到達し、駐車場到達後に公共交通機関を利用していたことを判定するステップと、
前記出発地から前記駐車場までの自動車での移動に対して前記ユーザにインセンティブを付与するステップと、
駐車場到達後に公共交通機関を利用していたと判定された場合に、前記駐車場から前記目的地までの前記自動車以外での移動に対して、前記ユーザに付与するインセンティブ情報を生成するステップと、
を備えた情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、出発地から駅やバス停留所周辺の駐車場まで自動車で移動し、当該駐車場に自動車を駐車させたのち、鉄道やバスなどの公共交通機関を利用して目的地へと向かうパークアンドライドという移動方法が知られている。
【0003】
このようなパークアンドライドに関連する技術として、特許文献1には、ユーザが駐車場で受け取れる割引などの特典情報を見ながらパークアンドライドで利用する駐車場を自由に選択することが可能であり、選択された駐車場を目的地または経由地に設定してパークアンドライド経路を探索するナビゲーション装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、現在、自動車で走行した距離に応じてユーザにポイントを付与するサービスが提案されているが、これまでのサービスでは、駐車場から目的地までの公共交通機関を利用した移動に対しては、なんらインセンティブが考慮されていないため、パークアンドライドを利用すると、出発地から目的地までを自動車で移動する場合に比べて、受け取れるポイントが少なくなる。そのため、ユーザにパークアンドライドの利用を促すことにつながっていない。
【0006】
特許文献1に開示されたナビゲーション装置は、初めからパークアンドライドを利用すると決めているユーザに対して、いくつかのパークアンドライドの候補の中からより有利な条件でパークアンドライドを利用できる機会を与えるものであり、出発地から目的地まで自動車で移動するかそれともパークアンドライドを利用するかを決めかねているユーザに対して、パークアンドライドの利用を促すものではない。
【0007】
本発明は、ユーザにパークアンドライドの利用を促すことができる情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置および情報処理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る情報処理システムは、
出発地から目的地までのパークアンドライド経路を取得する経路取得手段と、
前記取得した経路に含まれる駐車場にユーザが到達したことを判定する到達判定手段と、
前記到達判定手段により前記駐車場に到達したことを判定した場合に、前記ユーザに付与するインセンティブ情報を生成するインセンティブ情報生成手段と、
を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザにパークアンドライドの利用を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る情報処理システムの概略的な構成を示す図である。
【
図2A】
図2Aは、第1の実施形態に係る情報処理システムの動作の一例を説明するための概念図である。
【
図2B】
図2Bは、第1の実施形態に係る情報処理システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、第1の実施形態の第1の変形例に係る情報処理システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、第1の実施形態の第2の変形例に係る情報処理システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、第1の実施形態の第3の変形例に係る情報処理システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、第1の実施形態の第4の変形例に係る情報処理システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、第1の実施形態の第5の変形例に係る情報処理システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、第2の実施形態に係る情報処理システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、各図において同等の機能を有する構成要素には同一の符号を付し、同一符号の構成要素の詳しい説明は繰り返さない。
【0012】
(第1の実施形態)
第1の実施形態に係る情報処理システムについて説明する。
図1は、第1の実施形態に係る情報処理システム1の概略的な構成を示す図である。
【0013】
図1に示すように、情報処理システム1は、端末装置2と、サーバ3とを備えている。端末装置2とサーバ3とは、インターネット等のネットワーク4を介して互いに通信可能に接続されている。ネットワーク4は、無線回線を含むのであれば、回線の種類や形態は問わない。なお、端末装置2およびサーバ3の少なくとも一部は、コンピュータにより実現される。
【0014】
端末装置2は、少なくとも自動車での移動の際にユーザとともに移動するものであり、たとえば、スマートフォンやタブレット端末などのモバイル端末、ノートブックコンピュータ、カーナビゲーション装置、またはGPS(Global Positioning System)ロガー(単にGPSの測位情報を記録する装置)である。
【0015】
図1に示すように、端末装置2は、端末通信部21と、端末制御部22と、端末記憶部23と、端末入力部24と、端末出力部25とを有している。まず、端末装置2の構成要素のうち、端末制御部22以外の構成要素、すなわち、端末通信部21、端末記憶部23、端末入力部24および端末出力部25について説明する。
【0016】
端末通信部21は、端末装置2とネットワーク4との間の通信インターフェースである。端末通信部21は、ネットワーク4を介して端末装置2とサーバ3との間で情報を送受信する。なお、端末通信部21は、ユーザのICカードから公共交通機関の乗車履歴を取得したり、自動改札機からの入退場情報を取得したりすることが可能なNFC(Near Field Communication)機能などの近距離無線通信機能を備えていてもよい。
【0017】
端末記憶部23は、たとえば内蔵メモリや外部メモリ(SDメモリカード等)などのデータストレージである。端末記憶部23には、端末制御部22が取り扱う各種データが記憶される。端末記憶部23は、必ずしも端末装置2内に設けられていなくてもよく、ネットワーク4を介して端末装置2と通信可能に接続された別の装置(たとえば、サーバ)内に設けられていてもよい。
【0018】
端末入力部24は、ユーザが端末装置2に情報を入力するためのインターフェースであり、たとえばモバイル端末におけるタッチパネルやマイクロフォン、タッチパッドもしくはダイヤルボタンであってもよい。
【0019】
端末出力部25は、端末装置2からユーザに対して各種情報を出力するインターフェースであり、たとえば液晶ディスプレイ等の映像表示手段である。具体的には、たとえば、端末出力部25は、ユーザからの操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)を表示する。端末出力部25は、各種情報を音声出力するスピーカであってもよい。
【0020】
次に、端末制御部22について説明する。端末制御部22は、
図1に示すように、位置測位部221を有している。
【0021】
位置測位部221は、端末装置2の現在位置を測位する。位置測位部221は、たとえば、GPS、ビーコンなどの電波航法手段による測位情報に基づいて現在位置を測位する。位置測位部221は、加速度センサや地磁気センサなどの自律航法手段による測位情報を測位に用いてもよい。なお、これらの加速度センサや地磁気センサは、現在位置を測位するだけでなく、ユーザの歩数を検知することに用いられてもよい。
【0022】
本実施形態では、端末装置2は、少なくとも自動車での移動の際にユーザとともに移動するものであるから、位置測位部221により測位した位置情報は、少なくとも自動車での移動時におけるユーザの位置情報を示すものである。
【0023】
端末制御部22は、位置測位部221により測位した位置情報を、端末通信部21を通じてサーバ3に送信する。端末装置2から送信された測位情報は、サーバ3に記憶される。サーバ3に複数の位置情報が記憶されることで、ユーザの移動履歴情報が形成される。
【0024】
次に、サーバ3について説明する。
図1に示すように、サーバ3は、サーバ通信部31と、サーバ制御部32と、サーバ記憶部33とを有している。
【0025】
このうちサーバ通信部31は、サーバ3とネットワーク4との間の通信インターフェースである。サーバ通信部31は、ネットワーク4を介して端末装置2とサーバ3との間で情報を送受信する。なお、サーバ通信部31は、鉄道会社のサーバ等の他のサーバからユーザの公共交通機関の乗車履歴を受信してもよい。
【0026】
サーバ制御部32は、経路取得手段の一例である経路取得部321と、到達判定手段の一例である到達判定部322と、インセンティブ情報生成手段の一例であるインセンティブ情報生成部323とを有している。これらの各部は、サーバ3内のプロセッサが所定のプログラムを実行することにより実現されてもよい。これらの各部については、後述する。
【0027】
サーバ記憶部33は、たとえばハードディスク等の固定型データストレージである。サーバ記憶部33には、サーバ制御部32が取り扱う各種データが記憶される。たとえば、サーバ記憶部33には、経路ネットワーク情報と、経路ネットワーク情報に対応する地図を示す地図情報と、複数の測位情報により特定される移動履歴を示す移動履歴情報と、インセンティブ情報生成手段により生成されたインセンティブ情報とが記憶される。
【0028】
経路ネットワーク情報とは、移動手段の経路ネットワークを示す情報である。経路ネットワークは、複数のノードと、複数のノード間を接続するリンクとを含む。たとえば、経路ネットワーク情報は、自動車用の道路ネットワーク、徒歩用の道路ネットワーク、自転車用の道路ネットワーク、公共交通機関(たとえば、電車、バス、船舶、および航空機等)の交通ネットワークを示す。
【0029】
インセンティブ情報とは、目的地に向かって自動車で移動するユーザに、パークアンドライドの利用を促すためのものである。たとえば、目的地周辺の道路の混雑緩和を推奨するために、駅やバス停留所周辺の駐車場に自動車を駐車したのち、公共交通機関を利用して目的地へと移動することで混雑回避に貢献したユーザに、インセンティブが付与される。インセンティブの具体的な態様は特に限定されず、たとえば、マイル、ポイント、駐車料金の割引およびクーポンなどの金銭的価値のあるものであってもよい。インセンティブがポイントの場合、ポイントは、たとえば、情報処理システムの保有者(すなわち、自社)が提供する商品やサービスに専用の自社専用ポイント、情報処理システムの保有者以外の者(すなわち、他社)が提供する商品やサービスに適用される他社用ポイント、他社用ポイントに還元可能なポイント、または、懸賞用のポイントなどであってもよい。
【0030】
インセンティブ情報は、ユーザの識別情報やインセンティブ付与の理由となったパークアンドライドなどの情報と対応付けられた情報でサーバ記憶部33に記憶されてもよい。サーバ3は、サーバ記憶部33に記憶されたインセンティブが、これを適用可能なサービスに利用されたときに、利用されたインセンティブを減少させる。
【0031】
なお、サーバ記憶部33は、必ずしもサーバ3内に設けられなくてもよく、ネットワーク4を介してサーバ3と通信可能に接続された別の装置内に設けられてもよい。
(動作の一例)
【0032】
次に、このような構成からなる情報処理システム1の動作の一例について、
図2Aおよび
図2Bを参照して説明する。
図2Aは、情報処理システム1の動作の一例を説明するための概念図である。
図2Bは、情報処理システム1の動作の一例を示すフローチャートである。
【0033】
まず、
図2Aおよび
図2Bに示すように、サーバ制御部32が、パークアンドライド経路を探索する(ステップS11)。具体的には、たとえば、サーバ制御部32は、端末装置2から送信される現在位置(出発地S)や目的地Gなどの経路探索条件を、サーバ通信部31を通じて取得する。サーバ制御部32は、サーバ記憶部33に記憶された経路ネットワーク情報に基づいて、経路探索条件を満たすようなパークアンドライド経路を含む移動経路を探索する。サーバ制御部32は、探索された移動経路のうち最適経路を、サーバ通信部31を通じて端末装置2に送信する。
【0034】
端末制御部22は、サーバ3から送信された最適経路を、端末出力部25においてユーザに提示する。提示された最適経路の中からパークアンドライド経路がユーザにより選択されると、端末制御部22は、選択されたパークアンドライド経路を、端末通信部21を通じてサーバ3に送信する。
【0035】
経路取得部321は、端末装置2から送信されたパークアンドライド経路を、サーバ通信部31を通じて取得する(ステップS12)。経路取得部321は、サーバ記憶部33に記憶された地図情報に基づいて、取得したパークアンドライド経路上の駐車場Kを特定する。
【0036】
サーバ制御部32は、取得したパークアンドライド経路に基づいて、特定された駐車場Kまでの案内(ナビゲーション)を開始する(ステップS13)。具体的には、たとえば、サーバ制御部32は、駐車場Kまでのナビゲーション情報を、サーバ通信部31を通じて端末装置2に送信する。端末制御部22は、サーバ3から送信されたナビゲーション情報を、端末出力部25においてユーザに提示する。
【0037】
また、端末制御部22は、位置測位部221の測位情報(すなわちユーザの位置情報)を、端末通信部21を通じてサーバ3に送信する。サーバ制御部32は、端末装置2から送信された位置情報を、サーバ通信部31を通じて取得して、サーバ記憶部33に記憶する。サーバ記憶部33に複数の位置情報が記憶されることにより、ユーザの移動履歴情報が形成される。
【0038】
到達判定部322は、パークアンドライド経路に含まれる駐車場Kにユーザが到達したことを判定する(ステップS14)。より詳しくは、到達判定部322は、パークアンドライド経路から特定される駐車場Kの位置情報とユーザの位置情報との比較に基づいて、当該駐車場Kにユーザが到達したことを判定する。到達判定部322による駐車判定は、単なる駐車場付近の通過や駐車場付近での信号待ちなどを駐車したと判定しないものであれば、その具体的な態様は問わない。たとえば、到達判定部322は、パークアンドライド経路から特定される駐車場Kの位置とユーザの位置との間の直線距離を算出し、算出した直線距離が予め定められた閾値(たとえば10m)より短くなったら、駐車場Kにユーザが到達したと判定する。あるいは、到達判定部322は、駐車場Kの領域にユーザの位置が含まれた場合、ユーザが駐車場Kに駐車したと判定してもよい。到達判定部322は、駐車場Kに備えられているビーコンなどから情報を受信することで、ユーザが駐車場Kに入場したことを判定してもよい。到達判定部322は、ユーザがエンジンをオフにした情報を車両側から取得し、その車両の位置が駐車場Kの領域であると判断できる場合、ユーザが駐車場Kに駐車したことを判定してもよい。到達判定部322は、ユーザの移動手段が自動車から別の移動手段に切り替わった場合、その切り替わった地点を駐車場Kとして駐車判定してもよい。
【0039】
駐車場Kにユーザが到達したと判定された場合(ステップS15:Yes)、インセンティブ情報生成部323は、パークアンドライド経路から特定される、駐車場Kから目的地Gまでの自動車以外の移動手段による移動距離を算出する(ステップS16)。より詳しくは、たとえば、インセンティブ情報生成部323は、サーバ記憶部33に記憶された徒歩用の道路ネットワーク情報に基づいて、駐車場Kから乗車駅までの徒歩での移動距離(第1移動距離)を算出し、サーバ記憶部33に記憶された公共交通機関の交通ネットワーク情報に基づいて、乗車駅から降車駅までの公共交通機関での移動距離(第2移動距離)を算出し、サーバ記憶部33に記憶された徒歩用の道路ネットワーク情報に基づいて、降車駅から目的地Gまでの徒歩での移動距離(第3移動距離)を算出する。そして、インセンティブ情報生成部323は、第1~第3移動距離を合算する。なお、
図2Bに示す例では、駐車場Kから目的地Gまでの移動距離が、到達判定部322による駐車判定(ステップS15)の後に算出されるが、本実施の形態はこれに限定されない。たとえば、駐車場Kから目的地Gまでの移動距離が、パークアンドライド経路の探索時(ステップS11)に算出されてもよいし、ユーザの自動車での走行中(ステップS13~S15)に算出されてもよい。
【0040】
インセンティブ情報生成部323は、算出した自動車以外の移動手段による移動距離(第1~第3移動距離を合算した距離)に基づいて、ユーザに付与するインセンティブ情報を生成する(ステップS17)。インセンティブ情報を生成するタイミングは、(1)到達判定部322が駐車判定した後からユーザが目的地Gに到着するまでの間であってもよいし、(2)ユーザが目的地Gに到着した後から駐車場Kに戻ってくるまでの間であってもよいし、(3)ユーザが目的地Gから駐車場Kに戻ってきた後であってもよい。目的地Gに到着した後にインセンティブ情報を生成する場合(上記(2)または(3)の場合)、インセンティブ情報生成部323は、ユーザが実際に移動した移動ログ(移動履歴情報)に基づいて駐車場Kから目的地Gまでの移動距離を算出し、当該移動距離に基づいてインセンティブ情報を生成してもよい。インセンティブ情報生成手段323は、ユーザの移動履歴情報を参照し、駐車場Kから目的地Gまでを自動車以外の移動手段で移動した場合には、駐車場Kから目的地Gまでを自動車で移動する場合よりも多くのインセンティブが付与されるように、インセンティブ情報を生成するのが望ましい。また、インセンティブ情報生成部323は、駐車場Kから目的地Gまでの移動距離に対応する往路分のインセンティブ情報を生成してもよいし、駐車場Kから目的地Gまでの移動距離の2倍の距離に対応する往復分のインセンティブ情報を生成してもよい。インセンティブ情報生成部323は、生成したインセンティブ情報を、サーバ記憶部33に記憶する。
【0041】
一方、駐車場Kにユーザが到達したと判定されなかった場合(ステップS15:No)、インセンティブ情報生成部323は、インセンティブ情報を生成せずに処理を終了する。
【0042】
ところで、発明が解決しようとする課題の欄でも言及したように、自動車で走行した距離に応じてユーザにポイントを付与するこれまでのサービスでは、駐車場Kから目的地Gまでの公共交通機関を利用した移動に対しては、なんらインセンティブが考慮されていないため、パークアンドライドを利用すると、出発地Sから目的地Gまでを自動車で移動する場合に比べて、受け取れるポイントが少なくなる。そのため、ユーザにパークアンドライドの利用を促すことにつながっていない。
【0043】
これに対し、第1の実施形態によれば、
図2Aに示すように、パークアンドライド経路から特定される駐車場Kにユーザが到達した場合に、ユーザに付与するインセンティブ情報が生成される。このインセンティブ情報は、出発地Sから駐車場Kまでの自動車での移動に対して付与されるインセンティブとは別に生成されるものであるから、駐車場Kから目的地Gまで公共交通機関を利用して移動することに対して付与されるインセンティブであるとみなすことができる。すなわち、パークアンドライドを利用するユーザは、駐車場Kから目的地Gまで公共交通機関を利用して移動することに対してインセンティブを受け取ることができる。したがって、ユーザにパークアンドライドの利用を促すことができ、パークアンドアイドライドの利用数が増加することで渋滞緩和などに貢献できる。
【0044】
(第1の変形例)
第1の変形例について、
図3を参照して説明する。
図3は、第1の変形例に係る情報処理システム1の動作の一例を示すフローチャートである。到達判定部322が駐車場に到達したことを判定するまでの工程(ステップS11~S15)は、上述の実施形態と同様であり、説明を省略する。
【0045】
図3に示すように、第1の変形例では、駐車場にユーザが到達したと判定された場合(ステップS15:Yes)、インセンティブ情報生成部323は、駐車場から目的地までを自動車で移動した場合の走行距離を算出する(ステップS161)。より詳しくは、たとえば、インセンティブ情報生成部323は、サーバ記憶部33に記憶された自動車用の道路ネットワーク情報に基づいて、駐車場から目的地までの自動車での走行距離を算出する。そして、インセンティブ情報生成部323は、算出した走行距離に基づいて、ユーザに付与するインセンティブ情報を生成する(ステップS171)。インセンティブ情報生成部323は、生成したインセンティブ情報を、サーバ記憶部33に記憶する。
【0046】
ところで、たとえばスマートフォン用のプログラム(アプリ)では、自動車を利用した移動のためのナビゲーションプログラム(いわゆるカーナビゲーション)と、公共交通機関を利用した移動のためのナビゲーションプログラム(いわゆる乗換案内)とが、互いに独立して存在することがある。この場合、上述の実施形態では、目的地から駐車場までの移動に対してはカーナビゲーションでポイントが生成され、駐車場から目的地までの移動に対しては乗換案内でポイントが生成されるため、生成されたポイントをまとめて管理することができない。
【0047】
これに対し、第1の変形例によれば、駐車場から目的地までの移動に対してもカーナビゲーションでポイントが生成されるため、生成されたポイントをまとめて管理することができて便利である。
【0048】
(第2の変形例)
第2の変形例について、
図4を参照して説明する。
図4は、第2の変形例に係る情報処理システム1の動作の一例を示すフローチャートである。到達判定部322が駐車場に到達したことを判定するまでの工程(ステップS11~S15)は、上述の実施形態と同様であり、説明を省略する。
【0049】
図4に示すように、第2の変形例では、駐車場にユーザが到達したと判定された場合(ステップS15:Yes)、インセンティブ情報生成部323は、予め定められた大きさのインセンティブ情報(たとえば、50ポイント)を生成する(ステップS162)。インセンティブ情報生成部323は、生成したインセンティブ情報を、サーバ記憶部33に記憶する。
【0050】
第2の変形例によれば、第1の変形例と同様に、駐車場から目的地までの移動に対してカーナビゲーションでポイントを生成することができるため、生成されたポイントをまとめて管理することができて便利である。
【0051】
(第3の変形例)
第3の変形例について、
図5を参照して説明する。
図5は、第3の変形例に係る情報処理システム1の動作の一例を示すフローチャートである。到達判定部322が駐車場に到達したことを判定するまでの工程(ステップS11~S15)は、上述の実施形態と同様であり、説明を省略する。
【0052】
図5に示すように、第3の変形例では、駐車場にユーザが到達したと判定された場合(ステップS15:Yes)、インセンティブ情報生成部323は、出発地から目的地まで自動車で移動した場合の走行距離を算出する(ステップS163)。より詳しくは、たとえば、インセンティブ情報生成部323は、サーバ記憶部33に記憶された自動車用の道路ネットワーク情報に基づいて、出発地から目的地までの自動車での走行距離を算出する。そして、インセンティブ情報生成部323は、算出した走行距離に基づいて、ユーザに付与するインセンティブ情報を生成する(ステップS173)。インセンティブ情報生成部323は、生成したインセンティブ情報を、サーバ記憶部33に記憶する。
【0053】
第3の変形例によれば、パークアンドライドを利用したユーザに対して、出発地から目的地までを自動車で移動した場合と同じインセンティブが付与される。これにより、出発地から目的地まで自動車で移動するかそれともパークアンドライドを利用するかを決めかねているユーザが、パークアンドライドの利用を控える理由として、パークアンドライドを利用すると受け取れるインセンティブが少なくなるという理屈が成り立たなくなる。したがって、ユーザにパークアンドライドの利用を促すことができる。
【0054】
(第4の変形例)
第4の変形例について、
図6を参照して説明する。
図6は、第4の変形例に係る情報処理システム1の動作の一例を示すフローチャートである。
【0055】
図6に示すように、第4の変形例では、ユーザが自動車で走行している途中で、サーバ制御部32が、目的地または目的地付近の駐車場の満空情報を取得する(ステップS104)。目的地または目的地付近の駐車場に空きがなかった場合、サーバ制御部32は、サーバ記憶部33に記憶された経路ネットワーク情報に基づいて、現在位置から目的地までのパークアンドライド経路を探索する。サーバ制御部32は、探索されたパークアンドライド経路を、サーバ通信部31を通じて端末装置2に送信する。
【0056】
端末制御部22は、サーバ3から送信されたパークアンドライド経路を、端末出力部25においてユーザに提示する。提示されたパークアンドライド経路がユーザにより選択(採用)されると、端末制御部22は、選択されたパークアンドライド経路を、端末通信部21を通じてサーバ3に送信する。
【0057】
経路取得部321がパークアンドライド経路を取得する工程(ステップS11)から、到達判定部322が駐車場に到達したことを判定する工程(ステップS15)までは、上述の実施形態と同様であり、説明を省略する。
【0058】
図6に示すように、第4の変形例では、駐車場にユーザが到達したと判定された場合(ステップS15:Yes)、インセンティブ情報生成部323は、目的地または目的地付近の駐車場の満空情報を考慮して、インセンティブ情報を生成する(ステップS164)。たとえば、目的地または目的地付近の駐車場に空きがなかった場合、インセンティブ情報生成部323は、通常のインセンティブ情報より大きい(割増の)インセンティブ情報を生成する。ここで、通常のインセンティブ情報は、(1)上述した実施形態(
図2B参照)のステップS16、S17と同様に、駐車場から目的地までの自動車以外の移動手段(公共交通機関や徒歩)による移動距離に基づいて算出されてもよいし、(2)第1の変形例(
図3参照)のステップS161、S171と同様に、駐車場から目的地まで自動車で移動した場合の走行距離に基づいて算出されてもよいし、(3)第2の変形例(
図4参照)のステップS162と同様に、予め定められた大きさで生成されてもよい。インセンティブ情報生成部323は、生成されたインセンティブ情報を、サーバ記憶部33に記憶する。
【0059】
第4の変形例によれば、目的地または目的地付近の駐車場の満空情報を考慮してインセンティブ情報が生成されるため、目的地または目的地付近の駐車場に空きがなかった場合にパークアンドライドの利用を効果的に促すことができる。これにより、目的地または目的地付近の駐車場待ちの行列を減らすことができ、目的地周辺の道路の混雑緩和に貢献できる。
【0060】
(第5の変形例)
第5の変形例について、
図7を参照して説明する。
図7は、第5の変形例に係る情報処理システム1の動作の一例を示すフローチャートである。
【0061】
図7に示すように、第5の変形例では、ユーザが自動車で走行している途中で、サーバ制御部32が、目的地に至る経路上の交通状況を取得する(ステップS105)。たとえば、交通状況情報は、VICS(Vehicle Information and Communication System)情報、プローブ情報、および公共交通機関が提供する情報の少なくとも1つから得られる交通状況を示す情報である。たとえば、目的地に至る道路が混雑している場合、あるいはイベントなど(花火大会など)で目的地から帰る時間帯に目的地周辺の道路の混雑が予測される場合には、サーバ制御部32は、サーバ記憶部33に記憶された経路ネットワーク情報に基づいて、現在位置から目的地までのパークアンドライド経路を探索する。サーバ制御部32は、探索されたパークアンドライド経路を、サーバ通信部31を通じて端末装置2に送信する。
【0062】
端末制御部22は、サーバ3から送信されたパークアンドライド経路を、端末出力部25においてユーザに提示する。提示されたパークアンドライド経路がユーザにより選択(採用)されると、端末制御部22は、選択されたパークアンドライド経路を、端末通信部21を通じてサーバ3に送信する。
【0063】
経路取得部321がパークアンドライド経路を取得する工程(ステップS11)から、到達判定部322が駐車場に到達したことを判定する工程(ステップS15)までは、上述の実施形態と同様であり、説明を省略する。
【0064】
図7に示すように、第5の変形例では、駐車場にユーザが到達したと判定された場合(ステップS15:Yes)、インセンティブ情報生成部323は、目的地に至る経路上の交通状況を考慮して、インセンティブ情報を生成する(ステップS165)。たとえば、目的地に至る道路が混雑している場合、あるいはイベントなど(花火大会など)で目的地から帰る時間帯に目的地周辺の道路の混雑が予測される場合、インセンティブ情報生成部323は、通常のインセンティブ情報より大きい(割増の)インセンティブ情報を生成する。ここで、通常のインセンティブ情報は、(1)
図2BのステップS16、S17と同様に、駐車場から目的地までの自動車以外の移動手段(公共交通機関や徒歩)による移動距離に基づいて算出されてもよいし、(2)
図3のステップS161、S171と同様に、駐車場から目的地まで自動車で移動した場合の走行距離に基づいて算出されてもよいし、(3)
図4のステップS162と同様に、予め定められた大きさで生成されてもよい。インセンティブ情報生成部323は、生成されたインセンティブ情報を、サーバ記憶部33に記憶する。
【0065】
第5の変形例によれば、目的地に至る経路上の交通状況を考慮してインセンティブ情報が生成されるため、目的地に至る道路が混雑している場合などにパークアンドライドの利用を効果的に促すことができる。これにより、目的地周辺の道路の混雑緩和に貢献できる。
【0066】
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態では、経路取得手段331が、ユーザの経路探索結果に基づいて、パークアンドライド経路を取得する例について説明した。これに対して、第2の実施形態では、経路取得手段331が、ユーザの移動履歴に基づいて、パークアンドライド経路を取得する。
【0067】
第2の実施形態について、
図8を参照して説明する。
図8は、第2の実施形態に係る情報処理システム1の動作の一例を示すフローチャートである。
【0068】
まず、
図8に示すように、経路取得部321は、端末装置2から送信された位置測位部221の測位情報(すなわちユーザの位置情報)に基づいて、ユーザの移動履歴情報を取得する(ステップS21)。より詳しくは、たとえば、経路取得部321は、端末装置2から送信された位置測位部221の測位情報を、サーバ通信部31を通じて取得して、サーバ記憶部33に記憶する。サーバ記憶部33に複数の測位情報が記憶されることにより、ユーザの移動履歴情報が形成される。
【0069】
次に、到達判定部322は、ユーザの移動履歴情報(ユーザの位置情報の集まり)と駐車場の位置情報との比較に基づいて、ユーザが駐車場に到達していたことを判定する(ステップS22)。到達判定部322による駐車判定は、単なる駐車場付近の通過や駐車場付近での信号待ちなどを駐車したと判定しないものであれば、その具体的な態様は問わない。たとえば、到達判定部322は、サーバ記憶部33に記憶された経路ネットワーク情報に基づいて、駐車場の位置とユーザの位置との間の直線距離を算出し、算出した直線距離が予め定められた閾値(たとえば10m)より短くなったら、駐車場にユーザが到達していたと判定する。あるいは、到達判定部322は、駐車場の領域にユーザの位置が含まれた場合、ユーザが駐車場に駐車したと判定してもよい。到達判定部322は、駐車場に備えられているビーコンなどから情報を受信したという記録が残されていた場合に、ユーザが駐車場に入場したことを判定してもよい。到達判定部322は、ユーザがエンジンをオフにした情報が記録として残されていて、オフにした時の車両の位置が駐車場の領域であると判断できる場合に、ユーザが駐車場に駐車したことを判定してもよい。到達判定部322は、ユーザの移動手段が自動車から別の移動手段に切り替わった場合、その切り替わった地点を駐車場として駐車判定してもよい。
【0070】
ユーザが駐車場に到達していたと判定された場合(ステップS23:Yes)、到達判定部322は、ユーザの移動履歴情報に基づいて、駐車場到達後に公共交通機関が利用されたことを判定する(ステップS24)。たとえば、到達判定部322は、ユーザが駐車場に到達した後に、駐車場周辺の駅の自動改札機から入場したという情報を、鉄道会社のサーバから取得することで、公共交通機関が利用されたことを判定する。
【0071】
駐車場到達後に公共交通機関が利用されたと判定された場合(ステップS25:Yes)、インセンティブ情報生成部323は、経路取得部321により取得されたユーザの移動履歴情報を、パークアンドライド経路であるとみなす(ステップS26)。
【0072】
次に、インセンティブ情報生成部323は、インセンティブ情報を生成する(ステップS27)。ここで、インセンティブ情報は、(1)
図2BのステップS16、S17と同様に、駐車場から目的地までの自動車以外の移動手段(公共交通機関や徒歩)による移動距離に基づいて算出されてもよいし、(2)
図3のステップS161、S171と同様に、駐車場から目的地まで自動車で移動した場合の走行距離に基づいて算出されてもよいし、(3)
図4のステップS162と同様に、予め定められた大きさで生成されてもよい。インセンティブ情報生成部323は、生成されたインセンティブ情報を、サーバ記憶部33に記憶する。
【0073】
一方、ユーザが駐車場に到達していたと判定されなかった場合(ステップS23:Yes)、または公共交通機関が利用されなかったと判定された場合(ステップS25:No)、インセンティブ情報生成部323は、インセンティブ情報を生成せずに処理を終了する。
【0074】
以上のような第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、パークアンドライド経路から特定される駐車場にユーザが到達した場合に、ユーザに付与するインセンティブ情報が生成される。このインセンティブ情報は、出発地から駐車場までの自動車での移動に対して付与されるインセンティブとは別に生成されるものであるから、駐車場から目的地まで公共交通機関を利用して移動することに対して付与されるインセンティブであるとみなすことができる。すなわち、パークアンドライドを利用するユーザは、駐車場から目的地まで公共交通機関を利用して移動することに対してインセンティブを受け取ることができる。したがって、ユーザにパークアンドライドの利用を促すことができ、パークアンドアイドライドの利用数が増加することで渋滞緩和などに貢献できる。
【0075】
なお、上述した実施形態で説明した情報処理システム1の少なくとも一部は、ハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアで構成してもよい。ハードウェアで構成する場合には、情報処理システム1の少なくとも一部の機能を実現するプログラムをフレキシブルディスクやCD-ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。
【0076】
また、情報処理システム1の少なくとも一部の機能を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布してもよい。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布してもよい。
【0077】
さらに、一つまたは複数の情報処理装置によって情報処理システム1を機能させてもよい。複数の情報処理装置を用いる場合、情報処理装置のうちの1つをコンピュータとし、当該コンピュータが所定のプログラムを実行することにより情報処理システム1の少なくとも1つの手段として機能が実現されてもよい。
【0078】
また、方法の発明においては、全ての工程(ステップ)をコンピュータによって自動制御で実現するようにしてもよい。また、各工程をコンピュータに実施させながら、工程間の進行制御を人の手によって実施するようにしてもよい。また、さらには、全工程のうちの少なくとも一部を人の手によって実施するようにしてもよい。
【0079】
上記の記載に基づいて、当業者であれば、本発明の追加の効果や様々の変形を想到できるかもしれないが、本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではない。特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
【符号の説明】
【0080】
1 情報処理システム
2 端末装置
21 端末通信部
22 端末制御部
221 位置測位部
23 端末記憶部
24 端末入力部
25 端末出力部
3 サーバ
31 サーバ通信部
32 サーバ制御部
321 経路取得部
322 到達判定部
323 インセンティブ情報生成部
33 サーバ記憶部
4 ネットワーク