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特許7041943ウエットブラスト用噴射ガン、ウエットブラスト用ガスノズル及びウエットブラスト用噴射ノズル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-16
(45)【発行日】2022-03-25
(54)【発明の名称】ウエットブラスト用噴射ガン、ウエットブラスト用ガスノズル及びウエットブラスト用噴射ノズル
(51)【国際特許分類】
   B24C 5/04 20060101AFI20220317BHJP
   B24C 5/02 20060101ALI20220317BHJP
【FI】
B24C5/04 A
B24C5/02 B
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2017223239
(22)【出願日】2017-11-21
(65)【公開番号】P2019093462
(43)【公開日】2019-06-20
【審査請求日】2020-10-29
(73)【特許権者】
【識別番号】396019631
【氏名又は名称】株式会社チップトン
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】特許業務法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大脇 五郎
【審査官】奥隅 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-121424(JP,A)
【文献】特開2016-101649(JP,A)
【文献】特開2013-146850(JP,A)
【文献】特開2005-288596(JP,A)
【文献】特開2013-226628(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24C 5/02-5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スラリー流入室が形成されたガン本体に対して取付け可能であり、
高圧ガスを偏平状に噴射するガス噴射口を備えており、
前記スラリー流入室に連通する拡散流路内のスラリーを、前記高圧ガスにより加速して前記拡散流路の下流端に開口するスリット状のスラリー噴射口から噴射させるようになっており、
前記ガス噴射口は、円形断面のパイプの先端部に形成され、前記パイプの内部を前記パイプの軸線方向と前記スラリー噴射口の長手方向のみに開放させるように開口した形態であることを特徴とするウエットブラスト用ガスノズル。
【請求項2】
前記スラリー噴射口の長手方向視における前記ガス噴射口の開口形状が楕円弧形であることを特徴とする請求項1記載のウエットブラスト用ガスノズル。
【請求項3】
前記パイプの先端部のうち軸線方向において前記ガス噴射口と対応する領域は、前記スラリー噴射口の短手方向に対向する一対の規制壁部となっており、
前記一対の規制壁部は、噴射方向先端側に向かって互いの間隔を狭めるように湾曲していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のウエットブラスト用ガスノズル。
【請求項4】
前記ガス噴射口が、前記拡散流路に対しスラリーの流動方向に沿って相対的に進退するように位置調整可能であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のウエットブラスト用ガスノズル。
【請求項5】
スラリー流入室が形成されたガン本体に対して取付け可能であり、
前記スラリー流入室に連通する拡散流路と、
前記拡散流路の下流端に開口するスリット状のスラリー噴射口とを備え、
前記拡散流路内のスラリーが、ガス噴射口から偏平状に噴射された高圧ガスにより加速されて前記スラリー噴射口から噴射されるようになっており、
前記ガス噴射口は、円形断面のパイプの先端部に形成され、前記パイプの内部を前記パイプの軸線方向と前記スラリー噴射口の長手方向のみに開放させるように開口した形態であることを特徴とするウエットブラスト用噴射ノズル。
【請求項6】
前記拡散流路は、前記スラリー噴射口の長手方向に沿った長手寸法が前記スラリー流入室側から前記スラリー噴射口側に向かって次第に大きくなり、且つ前記スラリー噴射口の短手方向に沿った短手寸法が前記スラリー流入室側から前記スラリー噴射口側に向かって次第に小さくなる拡散流生成空間を有していることを特徴とする請求項5に記載のウエットブラスト用噴射ノズル。
【請求項7】
前記拡散流生成空間の上流端における断面積が、前記拡散流生成空間の下流端における断面積と同じ面積か、それより大きい面積であることを特徴とする請求項6に記載のウエットブラスト用噴射ノズル。
【請求項8】
前記拡散流路のうち前記拡散流生成空間の下流端から前記スラリー噴射口に至る領域には、断面形状及び断面積が一定の層流生成空間が形成されていることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のウエットブラスト用噴射ノズル。
【請求項9】
スラリー流入室を有するガン本体と、
請求項1ないし請求項4に記載のウエットブラスト用ガスノズルと、
請求項5ないし請求項8に記載のウエットブラスト用噴射ノズルとを備えていることを特徴とするウエットブラスト用噴射ガン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウエットブラスト用噴射ガン、ウエットブラスト用ガスノズル及びウエットブラスト用噴射ノズルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ワークの表面処理を行う手段として、砥粒と液体とが混合されたスラリーを、噴射ノズルの内部で高圧ガスにより固気液三相流状態とし、この固気液三相流状態のスラリーを、高圧ガスの圧力により噴射ノズルの噴射口からワークに向けて噴射するウエットブラスト装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5910933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のウエットブラスト装置は、噴射口の開口形状が円形であるが、スラリーを高圧でワークに当てる必要があるため、噴射口の口径を大きくすることには制約がある。そのため、ブラスト加工の範囲が広いワークの場合、スラリーを噴射しながら噴射ノズルをワークに対して二次元方向へ相対移動させる必要がある。しかし、噴射ノズルを二次元方向へ相対移動させながらスラリーを噴射すると、加工ムラが生じ易くなる。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、加工ムラを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明のウエットブラスト用ガスノズルは、
スラリー流入室が形成されたガン本体に対して取付け可能であり、
高圧ガスを偏平状に噴射するガス噴射口を備えており、
前記スラリー流入室に連通する拡散流路内のスラリーを、前記高圧ガスにより加速して前記拡散流路の下流端に開口するスリット状のスラリー噴射口から噴射させるようになっており、
前記ガス噴射口は、円形断面のパイプの先端部に形成され、前記パイプの内部を前記パイプの軸線方向と前記スラリー噴射口の長手方向のみに開放させるように開口した形態であることを特徴としている。
【0007】
第2の発明のウエットブラスト用噴射ノズルは、
スラリー流入室が形成されたガン本体に対して取付け可能であり、
前記スラリー流入室に連通する拡散流路と、
前記拡散流路の下流端に開口するスリット状のスラリー噴射口とを備え、
前記拡散流路内のスラリーが、ガス噴射口から偏平状に噴射された高圧ガスにより加速されて前記スラリー噴射口から噴射されるようになっており、
前記ガス噴射口は、円形断面のパイプの先端部に形成され、前記パイプの内部を前記パイプの軸線方向と前記スラリー噴射口の長手方向のみに開放させるように開口した形態であることを特徴としている。
【0008】
第3の発明のウエットブラスト用噴射ガンは、
第1の発明のウエットブラスト用ガスノズルと、
第2の発明のウエットブラスト用噴射ノズルと、
を備えていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
拡散流路内のスラリーは、ガス噴射口から噴射された高圧ガスにより偏平状に拡散しながら加速され、スリット状のスラリー噴射口から偏平状に噴射される。したがって、スラリー噴射口をスラリー噴射口の短手方向へ移動させるだけで、ワークの広い範囲に亘ってブラスト加工を施すことが可能である。スラリー噴射口を二次元方向へ移動させる場合に比べると、加工ムラを抑制できる。また、パイプの先端部を潰して楕円形や長円形に変形させたガス噴射口に比べると、ガス噴射口の開口面積が広いので、高圧ガスの流量が低下することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例1のウエットブラスト用噴射ガンの使用状態をあらわす概略側断面図
図2】ウエットブラスト用噴射ガンにおいてガスノズルを最も進出させた状態をあらわす正断面図
図3】ウエットブラスト用噴射ガンにおいてガスノズルを最も進出させた状態をあらわす側断面図
図4】ウエットブラスト用噴射ガンにおいてガスノズルを最も後退させた状態をあらわす正断面図
図5】ウエットブラスト用噴射ガンにおいてガスノズルを最も後退させた状態をあらわす側断面図
図6】ガスノズルの拡大正面図
図7】ガスノズルの拡大側断面図
図8】実施例2のガスノズルの拡大側断面図
図9】実施例3のガスノズルの拡大正面図
図10】実施例3のガスノズルの拡大側面図
図11】実施例4のガスノズルの拡大正面図
図12】実施例4のガスノズルの拡大側面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
第1~第3の発明は、前記スラリー噴射口の長手方向視における前記ガス噴射口の開口形状が楕円弧形であってもよい。この構成によれば、ガス噴射口を形成する際には、パイプの先端部をパイプの軸線に対して斜めをなす平面で切断するだけでよいので、製造コストを低減することができる。
【0013】
第1~第3の発明は、前記パイプの先端部のうち軸線方向において前記ガス噴射口と対応する領域は、前記スラリー噴射口の短手方向に対向する一対の規制壁部となっており、前記一対の規制壁部は、噴射方向先端側に向かって互いの間隔を狭めるように湾曲していてもよい。この構成によれば、ガス噴射口から噴射する高圧ガスの広がり方が大きくなるので、スラリー噴射口の長手方向の寸法が大きい場合や、スラリーの比重が大きい場合でも、スラリーをスラリー噴射口の長手方向において均一に拡散することができる。
【0014】
第1~第3の発明は、前記ガス噴射口が、前記拡散流路に対しスラリーの流動方向に沿って相対的に進退するように位置調整可能であってもよい。この構成によれば、スラリー流入室へのスラリーの供給圧力、スラリー噴射口のスリット幅、スラリーの濃度や種類、ガス噴射口からの高圧ガスの圧力等に応じて、ガス噴射口の位置を調整することで、最適なブラスト加工を実行することができる。
【0015】
第1~第3の発明は、前記拡散流路は、前記スラリー噴射口の長手方向に沿った長手寸法が前記スラリー流入室側から前記スラリー噴射口側に向かって次第に大きくなり、且つ前記スラリー噴射口の短手方向に沿った短手寸法が前記スラリー流入室側から前記スラリー噴射口側に向かって次第に小さくなる拡散流生成空間を有していてもよい。この構成によれば、スラリーは、拡散流生成空間を通過する過程で大きな抵抗を受けたり流速を大きく変動させることなく偏平状に拡散されるので、スラリー噴射口の長手方向全領域に亘って均一に噴射される。
【0016】
第1~第3の発明は、前記拡散流生成空間の上流端における断面積が、前記拡散流生成空間の下流端における断面積と同じ面積か、それより大きい面積であってもよい。この構成によれば、スラリーが拡散流生成空間を通過する過程でスラリーの流速は遅くならないので、スラリーの噴射圧力が低下することを防止できる。
【0017】
第1~第3の発明は、前記拡散流路のうち前記拡散流生成空間の下流端から前記スラリー噴射口に至る領域には、断面形状及び断面積が一定の層流生成空間が形成されていてもよい。この構成によれば、スラリーは、層流生成空間を通過する過程で層流状に整流されるので、スラリー噴射口から噴射するスラリーの飛散が抑制される。
【0018】
<実施例1>
以下、本発明を具体化した実施例1を図1図7を参照して説明する。尚、以下の説明において、上下の方向については、図1~7にあらわれる向きを、そのまま上方、下方と定義する。左右の方向については、図2,4,6にあらわれる向きを、そのまま左方、右方と定義する。
【0019】
<ブラスト処理装置100>
本実施例1の噴射ガン10(請求項に記載のウエットブラスト用噴射ガン)は、ワークWの上面に対しスラリーSを高圧で吹き付けることで研磨等のブラスト処理を施すためのものである。図1に示すように、ブラスト処理装置100の加工室101内には、噴射ガン10と、ワークWを載置するためのネット102が設けられている。ネット102は噴射ガン10の下方に配置されている。加工室101の下端部(噴射ガン10及びワークWより下方の領域)は、スラリーSを貯留するための貯留部103となっている。
【0020】
加工室101の外部には、ブラスト処理装置100を構成するポンプ104とコンプレッサ107が設けられている。ポンプ104は、貯留部103と噴射ガン10のスラリー流入口14との間に配設されたスラリー圧送路105の途中に設けられ、貯留部103内のスラリーSを噴射ガン10のスラリー流入室12内に供給する。スラリー圧送路105のうちポンプ104より下流側(噴射ガン10側)には、スラリー圧送路105内のスラリーSを、噴射ガン10を経由させずに貯留部103へ戻し、貯留部103内のスラリーSを吐出圧で撹拌するためのバイパス流路106が接続されている。コンプレッサ107と噴射ガン10のガス流入口22との間にはガス圧送路108が配設されている。コンプレッサ107は、高圧ガスG(例えば、空気)を噴射ガン10内のガスノズル20に圧送する。
【0021】
<噴射ガン10>
噴射ガン10は、合成樹脂製のガン本体11と、金属製のパイプ21からなるガスノズル20(請求項に記載のウエットブラスト用ガスノズル)と、異種材料からなる複数の部品を組み付けた噴射ノズル30(請求項に記載のウエットブラスト用噴射ノズル)とを組み付けて構成されている。尚、以下の説明では、噴射ガン10が、ガスノズル20(パイプ21)の軸線Aを上下方向に向けた姿勢であるものとする。
【0022】
<ガン本体11>
ガン本体11の内部には、ガン本体11の下端外面に開口するスラリー流入室12が形成されている。ガン本体11の下端外面におけるスラリー流入室12の開口形状は、正方形である。ガン本体11には、その外面から斜め上方へ突出した筒状のスラリー流入路13が形成されている。スラリー流入路13の上端部(上流端)のスラリー流入口14には、上記のスラリー圧送路105の下流端部が接続されている。スラリー流入路13の下端部(下流端)はスラリー流入室12に連通している。スラリーSは、スラリー流入路13を経由してスラリー流入室12内に供給される。
【0023】
ガン本体11には、スラリー流入室12の上端部からガン本体11の上端外面まで貫通した円形断面の貫通孔15が形成されている。ガン本体11の上端部外周面には、貫通孔15及びガスノズル20と同軸の雄ネジからなるねじ込み部16が形成されている。ねじ込み部16にナット状の締付部材17がねじ込まれると、ガン本体11の上端部が縮径変形するようになっている。ガン本体11の下端部外周には、ガスノズル20と同軸の雄ネジ部18が形成されている。
【0024】
<ガスノズル20>
ガスノズル20は、断面形状が円形で直線状に延びたパイプ21からなる。ガスノズル20は、貫通孔15に対しパイプ21を気密状又は液密状に貫通させた状態でガン本体11に取り付けられている。ガスノズル20は、ガン本体11に対し上下方向(ガスノズル20の軸線Aと平行な方向)へ相対移動させることが可能である。貫通孔15にガスノズル20を貫通させた状態で締付部材17を締め付けると、ガスノズル20を、移動可能な範囲内における所望の位置(高さ)に固定することができる。
【0025】
図2,3は、ガスノズル20が最も下方に位置する状態(拡散流路32側へ最も進出した状態)を示す。この状態では、ガスノズル20の下端部がスラリー流入室12の下端から拡散流路32の上端部へ突出し、ガス噴射口23が拡散流路32(拡散流生成空間34)の上端部に臨んでいる。高圧ガスGは、ガス噴射口23から拡散流路32内に噴射されるので、スラリーSは、拡散流路32内において加速が開始される。この場合、スラリー流入室12で加速を開始する場合に比べると、拡散機能は弱いものの、加速開始の位置がスラリー噴射口33に近いので、スラリーSはスラリー噴射口33から高い圧力で噴射され、高い加工力が得られる。
【0026】
図4,5は、ガスノズル20が最も上方に位置する状態(拡散流路32側へ最も進出した状態)を示す。この状態では、ガスノズル20の下端部が、スラリー流入室12内(即ち、拡散流路32よりも上方)に位置し、ガス噴射口23がスラリー流入室12に臨んでいる。したがって、高圧ガスGは、ガス噴射口23からスラリー流入室12内に噴射されるので、スラリーSはスラリー流入室12内において加速が開始される。この場合、高圧ガスGは、拡散流路32の上流端(上端)に到達する時点で左右に拡散しているので、若干の加工力低下はあるものの、拡散流路32内でスラリーSを拡散させる機能が高い。
【0027】
ガスノズル20の上端部は、ガス流入口22となっている。ガス流入口22にはガス圧送路108の下流端が接続されており、高圧ガスGがガスノズル20内に圧送されるようになっている。ガスノズル20(パイプ21)の下端部(先端部)は、ガン本体11の内部、即ちスラリー流入室12内に臨むように、又は後述する拡散流路32内に臨むように位置する。
【0028】
ガスノズル20(パイプ21)の下端部には、ガス噴射口23が形成されている。図6,7に示すように、ガス噴射口23は、パイプ21の左右両側部を、軸線Aに対して斜めに且つ、左右対称に切断して除去することによって形成されている。ガス噴射口23を形成するためにパイプ21を切断したときの切断面(ガス噴射口23の開口縁部)は平面である。したがって、図6に示すように、ガス噴射口23の開口縁の正面視形状は、下向きに(先端に向けて)尖った二等辺三角形となっている。
【0029】
ガス噴射口23は、パイプ21の軸線Aと平行な下方に開口し、軸線Aと直交する左右両方向へも開口している。ガスノズル20の軸線A方向と平行に視たときのガス噴射口23の開口形状は、パイプ21の断面形状と同じく円形である。ガスノズル20の軸線Aと直交する左右方向に視たときのガス噴射口23の開口形状は、図7に示すように、半楕円弧形(楕円形を半分に切断した形状)である。また、ガスノズル20の下端部のうち軸線A方向においてガス噴射口23の開口領域と対応する領域は、前後対称な一対の規制壁部24となっている。一対の規制壁部24は、スラリー噴射口33の短手方向(前後方向)に対向するような位置関係となっている。各規制壁部24の正面視形状は二等辺三角形である。各規制壁部24は、全体として概ねくちばし状をなしている。
【0030】
ガス噴射口23の形態に関して換言すると、ガス噴射口23は、パイプ21の内部を、後述するスラリー噴射口33の長手方向(左右方向)における両側へ開放させる形態である。ガス噴射口23の開口形状は、スラリー噴射口33の長手方向に関して対称である。ガス噴射口23の開口縁部は、パイプ21の軸線Aに対して斜めをなす平面上に配されている。ガス噴射口23をスラリー噴射口33の長手方向に視たときの開口形状は、半楕円形である。
【0031】
ガス噴射口23は、円形断面のパイプ21の下端部(先端部)において、パイプ21の内部をパイプ21の軸線A方向(下方)と左右方向のみに開放させるように開口した形態である。ガス噴射口23の開口縁部のうち前後両側部分は下方へ突出した形態の一対の規制壁部24となっているため、ガス噴射口23は、前後方向へは開口していない。したがって、ガスノズル20に供給された高圧ガスGは、ガス噴射口23から下方及び左右両方向(後述するスラリー噴射口33の長手方向)へは噴射されるが、前後方向(スラリー噴射口33の短手方向)へは殆ど噴射されない。
【0032】
<噴射ノズル30>
噴射ノズル30の上端部には、噴射ノズル30の上端外面に開口する雌ネジ孔31が形成されている。噴射ノズル30は、雌ネジ孔31を雄ネジ部18にねじ込むことでガン本体11に取り付けられている。噴射ノズル30を取付け時と逆向きに回転させると、ガン本体11から取り外すことができる。
【0033】
噴射ノズル30の内部には、上端部(上流端)がスラリー流入室12の下端部(下流端)に連通した拡散流路32が形成されている。拡散流路32の下端部は、噴射ノズル30の下端外面においてスラリー噴射口33として開口している。スラリー噴射口33は、左右方向に長いスリット状をなす。図2,4に示すように、正面視(スラリー噴射口33の短手方向に視たとき)において、スラリー噴射口33を含む拡散流路32の全体は、ガスノズル20の軸線Aを対称軸として左右対称である。また、図3,5に示すように、側面視(スラリー噴射口33の長手方向に視たとき)において、スラリー噴射口33を含む拡散流路32の全体は、ガスノズル20の軸線Aを対称軸として前後対称である。
【0034】
拡散流路32は、拡散流生成空間34と、第1層流生成空間35(請求項に記載の層流生成空間)と、第2層流生成空間36(請求項に記載の層流生成空間)とから構成されている。拡散流路32(拡散流生成空間34)の上端は、スラリー流入室12の下端と連通している。拡散流路32の上端の開口形状は、スラリー流入室12の下端と同じく正方形である。また、拡散流路32の上端の開口寸法は、スラリー流入室12の下端の開口寸法と概ね同じ寸法である。
【0035】
図2,4に示すように、拡散流生成空間34の左右寸法(スラリー噴射口33の長手方向に沿った長手寸法)は、下方(スラリー噴射口33に接近する方向)に向かって次第に大きくなっている。つまり、拡散流生成空間34は、下方(スラリー噴射口33)に向かって次第に幅広となる空間である。また、図3,5に示すように、拡散流生成空間34の前後寸法(スラリー噴射口33の短手方向に沿った短手寸法)は、下方(スラリー噴射口33)に向かって次第に小さくなっている。つまり、拡散流生成空間34は、下方に向かって次第に奥行きが小さくなる空間である。噴射ノズル30をガスノズル20の軸線Aと直角に切断したときの拡散流生成空間34の断面積は、拡散流生成空間34の上端から下端に至る全領域において一定である。
【0036】
第1層流生成空間35の上端(上流端)は拡散流生成空間34の下端(下流端)に連なっている。第1層流生成空間35の断面形状と断面積は、第1層流生成空間35の上端から下端に至る全領域において一定である。第1層流生成空間35の左右寸法は拡散流生成空間34の下端の左右寸法と同じであり、第1層流生成空間35の前後寸法は拡散流生成空間34の下端の前後寸法と同じである。したがって、第1層流生成空間35の断面形状は、拡散流生成空間34の下端における断面形状と同じであり、第1層流生成空間35の断面積は、拡散流生成空間34の下端における断面積と同じである。
【0037】
第2層流生成空間36の上端(上流端)は第1層流生成空間35の下端(下流端)に連なっている。第2層流生成空間36の断面形状と断面積は、第2層流生成空間36の上端から下端に至る全領域において一定である。第2層流生成空間36の左右寸法は第1層流生成空間35の下端の左右寸法と同じであるが、第2層流生成空間36の前後寸法は第1層流生成空間35の下端の前後寸法より小さい。
【0038】
つまり、第2層流生成空間36の断面形状は、第1層流生成空間35の断面形状とは異なっており、第2層流生成空間36の断面積は、第1層流生成空間35の断面積より小さい。また、第2層流生成空間36の上下寸法は、第1層流生成空間35の上下寸法に比べて十分に大きい寸法である。第2層流生成空間36の下端は、噴射ノズル30の下端外面においてスリット状のスラリー噴射口33として下向きに開口している。
【0039】
<実施例1の作用及び効果>
ワークWに対してブラスト加工を施す際には、スラリー流入室12にスラリーSを供給するとともに、ガスノズル20に高圧ガスGを圧送する。すると、スラリー流入室12内のスラリーSは、ガス噴射口23から噴射される高圧ガスGの圧力により加速されてスラリー噴射口33へ送られる。ガス噴射口23の開口縁部には前後一対の規制壁部24が存在しているので、高圧ガスGは、ガス噴射口23から下方へ噴射されるとともに左右両側方(スラリー噴射口33の長手方向)へ拡散するように噴射されるが、前後方向(つまり、スラリー噴射口33の短手方向)へ噴射されることはない。
【0040】
高圧ガスGは、左右に拡散して噴射されるので、スラリー流入室12内のスラリーSは、拡散流生成空間34内を通過する過程で左右方向へ拡散されながら加速される。拡散流生成空間34において左右に拡散されたスラリーSは、第1層流生成空間35において層流状に整流され、さらに第2層流生成空間36を通過する過程で整流され、スラリー噴射口33から固気液三相の整流となってワークWに吹き付けられる。
【0041】
スラリー噴射口33から噴射されるスラリーSは、噴射の直前で第2層流生成空間36により層流状に整流されるので、前後方向や左右方向へ飛散することがない。したがって、スラリー噴射口33から噴射されたスラリーSは、前後方向の奥行きが小さく且つ左右方向に拡がった層流の状態でワークWの上面に吹き付けられる。したがって、スラリー噴射口33を左右に移動させなくても、ワークWの広い範囲に対してスラリーSを均一に吹き付けることができる。
【0042】
本実施例1の噴射ガン10は、スラリー流入室12を有するガン本体11と、噴射ノズル30と、ガスノズル20(ガス噴射口23)とを備えている。噴射ノズル30は、ガン本体11に対して取付け可能であり、スラリー流入室12に連通する拡散流路32と、拡散流路32の下流端に開口するスリット状のスラリー噴射口33とを備えている。ガスノズル20は、ガン本体11に対して取付け可能であり、高圧ガスGを偏平状に噴射するガス噴射口23を備えている。拡散流路32内のスラリーSは、ガス噴射口23から偏平状に噴射された高圧ガスGにより加速され、スラリー噴射口33から噴射されるようになっている。
【0043】
上述のように、拡散流路32内のスラリーSは、ガス噴射口23から噴射された高圧ガスGにより偏平状に拡散しながら加速され、スリット状のスラリー噴射口33から偏平状に噴射される。したがって、スラリー噴射口33を前後方向(スラリー噴射口33の短手方向)へ移動させるだけで、ワークWの広い範囲に亘ってブラスト加工を施すことが可能である。スラリー噴射口33を二次元方向(前後方向と左右方向の両方向)へ移動させる必要がないので、加工ムラを抑制することができる。
【0044】
また、ガス噴射口23は、円形断面のパイプ21の先端部に形成されており、パイプ21の内部をパイプ21の軸線A方向(下方)とスラリー噴射口33の長手方向(左右方向)のみに開放させるように開口した形態である。この構成によれば、パイプ21の先端部を潰して楕円形や長円形に変形させたガス噴射口23に比べると、ガス噴射口23の開口面積が広いので、高圧ガスGの流量が低下することを防止できる。
【0045】
また、スラリー噴射口33の長手方向視(左右方向視)におけるガス噴射口23の開口形状を、楕円弧形としている。この構成によれば、ガス噴射口23を形成する際には、パイプ21の先端部をパイプ21の軸線Aに対して斜めをなす平面で切断するだけでよいので、製造コストを低減することができる。
【0046】
また、ガス噴射口23は、拡散流路32に対しスラリーSの流動方向(上下方向)に沿って相対的に進退するように位置調整可能である。上述のように高圧ガスGの噴射圧(加工力)と拡散機能はトレードオフの関係にあるが、ガスノズル20の位置を調整することにより、スラリー流入室12へのスラリーSの供給圧力、スラリー噴射口33のスリット幅、スラリーSの濃度や種類、ガス噴射口23からの高圧ガスGの圧力等に応じて、ガス噴射口23の位置を調整することで、最適なブラスト加工を実行することができる。
【0047】
また、拡散流路32は、スラリー噴射口33の長手方向に沿った長手寸法(左右寸法)がスラリー流入室12側からスラリー噴射口33側に向かって次第に大きくなり、且つスラリー噴射口33の短手方向に沿った短手寸法(前後寸法)がスラリー流入室12側からスラリー噴射口33側に向かって次第に小さくなる拡散流生成空間34を有している。この構成によれば、スラリーSは、拡散流生成空間34を通過する過程で大きな抵抗を受けたり流速を大きく変動させることなく偏平状に拡散されるので、スラリー噴射口33の長手方向全領域に亘って均一に噴射される。
【0048】
また、拡散流生成空間34の上流端における断面積は、拡散流生成空間34の下流端における断面積と同じ面積である。この構成によれば、スラリーSが拡散流生成空間34を通過する過程でスラリーSの流速が遅くならないので、スラリーSの噴射圧力が低下することを防止できる。
【0049】
また、拡散流路32のうち拡散流生成空間34の下流端からスラリー噴射口33に至る領域には、断面形状及び断面積が一定の第1層流生成空間35と第2層流生成空間36が形成されている。この構成によれば、スラリーSは、第1層流生成空間35と第2層流生成空間36を通過する過程で層流状に整流されるので、スラリー噴射口33から噴射するスラリーSの飛散が抑制される。
【0050】
<実施例2>
次に、本発明を具体化した実施例2を図8を参照して説明する。本実施例2は、ガスノズル40(請求項に記載のウエットブラスト用ガスノズル)を上記実施例1とは異なる構成としたものである。その他の構成については上記実施例1と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。
【0051】
本実施例2のガスノズル40のガス噴射口42を形成する際には、第1工程として、実施例1のガスノズル20と同じく、パイプ41の左右両側部を、軸線Aに対して斜めに且つ、左右対称に切断して除去する。次に、第2工程として、前後一対の規制壁部43に曲げ加工を施す。この曲げ加工により、規制壁部43は、噴射方向先端側(下方)に向かって互いの間隔を狭めるように湾曲した形状となっている。したがって、ガスノズル40の軸線Aと直交する左右方向に視たときのガス噴射口42の開口形状は、半楕円弧形とは異なる形状である。
【0052】
ガス噴射口42は、円形断面のパイプ41の下端部(先端部)において、パイプ41の内部をパイプ41の軸線A方向(下方)と左右方向のみに開放させるように開口した形態である。ガス噴射口42は、前後方向へは開口していない。したがって、ガスノズル40に供給された高圧ガスGは、ガス噴射口42から下方及び左右両方向(スラリー噴射口33の長手方向)へは噴射されるが、前後方向(スラリー噴射口33の短手方向)へは殆ど噴射されない。
【0053】
実施例2のガス噴射口42は規制壁部43を湾曲させた形態なので、ガスノズル40の軸線A方向と平行に視たとき(下面視)のガス噴射口42の開口形状は、非円形(左右方向中央部の前後間隔が狭まった略瓢箪形)である。したがって、実施例2のガス噴射口42(規制壁部43)は、実施例1のガス噴射口23(規制壁部24)に比べると、ガス噴射口42から噴射する高圧ガスGの左右方向(スラリー噴射口33の長手方向)への広がり方が大きくなる。したがって、スラリー噴射口33の長手方向の寸法が大きい場合や、スラリーSの比重が大きい場合でも、スラリーSをスラリー噴射口33の長手方向において均一に拡散することができる。
【0054】
<実施例3>
次に、本発明を具体化した実施例3を図9及び図10を参照して説明する。本実施例3は、ガスノズル45(請求項に記載のウエットブラスト用ガスノズル)を上記実施例1とは異なる構成としたものである。その他の構成については上記実施例1と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。
【0055】
本実施例3のガスノズル45のガス噴射口47は、パイプ46の先端部を、軸線Aに対して斜めに、且つパイプ46の開口領域全体に亘って切断して除去することにより形成されている。ガス噴射口47を形成するためにパイプ46を切断したときの切断面(ガス噴射口47の開口縁部)は平面である。したがって、ガス噴射口47は、パイプ46の内部を、パイプ46の軸線A方向(下方)に開放させるとともに、スラリー噴射口33の長手方向(左右方向)に関してはいずれか一方のみに開放させた形態である。ガスノズル45の軸線A方向と平行に視たときのガス噴射口47の開口形状は、円形である。スラリー噴射口33の長手方向と平行に視たときのガス噴射口47の開口形状は、楕円形である。
【0056】
<実施例4>
次に、本発明を具体化した実施例4を図11及び図12を参照して説明する。本実施例4は、ガスノズル48(請求項に記載のウエットブラスト用ガスノズル)を上記実施例1とは異なる構成としたものである。その他の構成については上記実施例1と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。
【0057】
本実施例4のガスノズル48のガス噴射口50は、スラリー噴射口33の長手方向(左右方向)においてパイプ49の左右いずれか一方の側部を、軸線Aに対して斜めに切断して除去することによって形成されている。ガス噴射口50を形成するためにパイプ49を切断したときの切断面(ガス噴射口50の開口縁部の一部)は平面である。したがって、ガス噴射口50は、パイプ49の内部を、パイプ49の軸線A方向(下方)に開放させるとともに、スラリー噴射口33の長手方向(左右方向)に関してはいずれか一方のみに開放させた形態である。ガスノズル48の軸線A方向と平行に視たときのガス噴射口50の開口形状は、円形である。スラリー噴射口33の長手方向と平行に視たときのガス噴射口50の開口形状は、半楕円弧形である。
【0058】
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施例1~4では、ガス噴射口が、円形断面のパイプの先端部において、パイプの内部をパイプの軸線方向とスラリー噴射口の長手方向とに開放させるように開口した形態であるが、ガス噴射口は、パイプの先端部を楕円形や長円形に潰すように変形させ、パイプの内部を軸線方向のみに開放させる形態としたものであってもよい。
(2)上記実施例1~3では、ガス噴射口の開口縁部が、パイプの軸線に対して斜めをなす平面上に配されているが、ガス噴射口の開口縁部は、パイプの軸線に対して斜めをなす曲面上に配されていてもよい。
(3)上記実施例1、2及び4では、スラリー噴射口の長手方向視におけるガス噴射口の開口形状が半楕円形であるが、スラリー噴射口の長手方向視におけるガス噴射口の開口形状は、半楕円形以外の楕円弧形、方形、三角形等であってもよい。
(4)上記実施例1及び2では、ガス噴射口の開口形状がスラリー噴射口の長手方向に関して対称であるが、ガス噴射口の開口形状はスラリー噴射口の長手方向に関して非対称であってもよい。
(5)上記実施例1~4では、拡散流生成空間は、長手寸法がスラリー噴射口側に向かって次第に大きくなり、且つ短手寸法がスラリー噴射口側に向かって次第に小さくなるが、拡散流生成空間は、短手寸法が一定であってもよい。
(6)上記実施例1~4では、拡散流生成空間の上流端における断面積が、拡散流生成空間の下流端における断面積と同じ面積であるが、拡散流生成空間の上流端における断面積は、拡散流生成空間の下流端における断面積より大きい面積又は小さい面積であってもよい。
(7)上記実施例1~4では、拡散流路の形状がスラリー噴射口の長手方向に関して対称であるが、拡散流路の形状はスラリー噴射口の長手方向に関して非対称であってもよい。
(8)上記実施例1~4では、拡散流路のうち拡散流生成空間の下流端からスラリー噴射口に至る領域に、断面形状及び断面積が一定の第1層流生成空間と、断面形状及び断面積が一定の第2層流生成空間とを形成したが、拡散流路は、第1層流生成空間と第2層流生成空間を備えず拡散流生成空間だけで構成された形態でもよく、第1層流生成空間と第2層流生成空間のうちいずれか一方の層流生成空間と拡散流生成空間とで構成された形態であってもよい。
(9)上記実施例1~4では、ガン本体の下端外面におけるスラリー流入室の開口形状(断面形状)が正方形であるが、スラリー流入室の開口形状は、正方形に限らず、長方形や円形等であってもよい。
(10)上記実施例1~4では、拡散流路の上端部(スラリー流入室との連通部)の開口形状(断面形状)は正方形であるが、拡散流路の上端部の開口形状は、正方形に限らず、長方形や円形等であってもよい。
(11)上記実施例1~4では、スラリー流入室の開口形状と拡散流路の開口形状を同じ形状(正方形)としたが、スラリー流入室の開口形状と拡散流路の開口形状は異なる形状であってもよい。
【符号の説明】
【0059】
10…噴射ガン(ウエットブラスト用噴射ガン)
11…ガン本体
12…スラリー流入室
20,40,45,48…ガスノズル(ウエットブラスト用ガスノズル)
21,41,46,49…パイプ
23,42,47,50…ガス噴射口
24,43…規制壁部
30…噴射ノズル(ウエットブラスト用噴射ノズル)
32…拡散流路
33…スラリー噴射口
34…拡散流生成空間
35…第1層流生成空間(層流生成空間)
36…第2層流生成空間(層流生成空間)
A…軸線
G…高圧ガス
S…スラリー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12