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特許7041961ヒト嚢胞性線維症肺上皮における気道表面の生理機能の小分子介在性回復
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-16
(45)【発行日】2022-03-25
(54)【発明の名称】ヒト嚢胞性線維症肺上皮における気道表面の生理機能の小分子介在性回復
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/7048 20060101AFI20220317BHJP
   A61K 47/28 20060101ALI20220317BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20220317BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20220317BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220317BHJP
   A61K 47/54 20170101ALI20220317BHJP
   A61K 9/72 20060101ALI20220317BHJP
【FI】
A61K31/7048
A61K47/28
A61P11/00
A61P1/00
A61P43/00 105
A61K47/54
A61K9/72
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2018552659
(86)(22)【出願日】2017-04-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-04-18
(86)【国際出願番号】 US2017026806
(87)【国際公開番号】W WO2017177228
(87)【国際公開日】2017-10-12
【審査請求日】2020-03-17
(31)【優先権主張番号】62/320,111
(32)【優先日】2016-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/320,795
(32)【優先日】2016-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513016884
【氏名又は名称】ザ ボード オブ トラスティーズ オブ ザ ユニヴァーシティ オブ イリノイ
【氏名又は名称原語表記】THE BOARD OF TRUSTEES OF THE UNIVERSITY OF ILLINOIS
(74)【代理人】
【識別番号】100139723
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 洋
(72)【発明者】
【氏名】バーク,マーティン ディー
(72)【発明者】
【氏名】ムラリア,カトリーナ エー
【審査官】福山 則明
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-505965(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0220599(US,A1)
【文献】米国特許第05880101(US,A)
【文献】国際公開第2015/054148(WO,A1)
【文献】PNAS,2012年,Vol. 109, No. 7,pp. 2234-2239
【文献】NATURE CHEMICAL BIOLOGY,2014年,Vol. 10,pp. 400-406, ONLINE METHODS
【文献】J. Am. Chem. Soc.,2015年,Vol. 137,pp. 10096-10099
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00-31/80
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
必要とする対象において嚢胞性線維症を治療するための組成物であって、
(i)アムホテリシンB(AmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、及び
(ii)コレステロール
を含む、組成物。
【請求項2】
嚢胞性線維症を有する対象において気道表面液のpHを高めるための組成物であって、
(i)アムホテリシンB(AmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、及び
(ii)コレステロール
を含む、組成物。
【請求項3】
AmB又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物と、コレステロールとが、1:2.6~1:50の範囲のモル比で存在する、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
AmB又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物と、コレステロールとが、1:3~1:15の範囲のモル比で存在する、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項5】
AmB又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物と、コレステロールとが、1:4~1:12の範囲のモル比で存在する、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項6】
AmB又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物と、コレステロールとが、1:5~1:10の範囲のモル比で存在する、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
必要とする対象において嚢胞性線維症を治療するための組成物であって、
AmB又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物と、コレステロールとが互いに共有結合した複合体を含む、組成物。
【請求項8】
前記対象はヒトである、請求項1~のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記ヒトは12歳未満である、請求項に記載の組成物。
【請求項10】
前記ヒトは12歳以上である、請求項に記載の組成物。
【請求項11】
前記治療は遺伝子型非依存性である、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記嚢胞性線維症が難治性である、請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
全身投与用、静脈内投与用、気道投与用、又はエアロゾル投与用に製剤化されている、請求項1~12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
気道投与用に製剤化されている、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
エアロゾル投与用に製剤化されている、請求項13に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、参照することによって本願に援用される、2016年4月8日出願の米国仮特許出願第62/320,111号;及び2016年4月11日出願の米国仮特許出願第62/320,795号の利益を主張する。
【政府の支援】
【0002】
本発明は、アメリカ国立衛生研究所によって承認された許可番号第GM080436号の下、米国政府の支援により成された。米国政府は本発明において一定の権利を有する。
【背景技術】
【0003】
嚢胞性線維症は、罹患者の寿命を実質的に縮める常染色体劣性遺伝子疾患である。この疾患は、出生数3,000人に対して1人の割合で発症し、脊椎動物における膜発現陰イオンチャネルタンパク質である嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR)をコードするCFTR遺伝子における突然変異を原因とする。その疾患は、慢性的でかつ死に至る可能性がある呼吸器感染によって最もよく特徴づけられるが、嚢胞性線維症に罹患するほとんどの患者に関して対症療法しかない。患者の生存期間中央値は僅か33年である。
【0004】
CFTRは、上皮細胞膜を横断して塩化物イオンを伝導するABC輸送体クラスのイオンチャネルである。塩化物イオンチャネルの機能に影響を及ぼすCFTR遺伝子の突然変異は、肺、膵臓などの臓器における上皮の流体輸送の調節異常を引き起こし、結果的に嚢胞性線維症を生じる。合併症として、頻繁な呼吸器感染を伴う肺の粘稠な粘液、並びに、栄養失調及び糖尿病を生じさせる膵不全が挙げられる。これらの状態は、慢性障害及び平均余命の低下につながる。男性患者では、異常な管腔内分泌に起因して、発達中の精管及び精巣上体の進行性の閉塞及び破壊が生じ、それによって、精管の先天性無形成及び男性不妊が生じるように思われる。
【0005】
CFTRは、cAMP活性化ATP依存性陰イオンチャネルとしての役割を担い、ある特定の陰イオン(例えばCl)がそれらの電気化学的勾配に従って流れるようにコンダクタンスを高める。CFTRにおけるATP駆動性の構造変化は、ゲートを開閉して、電気化学的勾配に従う陰イオンの膜透過の流れを可能にする。この機能は、ATP駆動性の構造変化によって細胞膜を横断する上り方向の基質輸送が刺激される他のABCタンパク質とは対照的である。本質的に、CFTRは、開構造のときに漏れる「破損」したABC輸送体として進化したイオンチャネルである。
【0006】
陰イオンチャネル機能に影響を及ぼすCFTR遺伝子の突然変異は、肺において、上皮のイオン及び流体輸送の調節異常、粘稠な粘液、及び頻繁な呼吸器感染を引き起こし、主として嚢胞性線維症に関連する寿命短縮病態生理を生じさせる。CFTRは、肺、肝臓、膵臓、消化管、生殖器官、及び皮膚を含む多くの臓器の上皮細胞に見られる。肺では、タンパク質イオンチャネルは、重炭酸イオン及び塩化物イオンを上皮細胞内から頂端気道表面液(ASL)に移動させる。これは、適切なASLのpH、粘度、及びpH感受性抗菌性タンパク質の活性を維持する。CFTR機能障害によるASLの変化は、細菌のクリアランス及び殺菌を損なわせ、病的状態及び死亡への主要な牽引となる慢性気道感染症に患者をかかりやすくする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
嚢胞性線維症の有効な治療法に対する切実な必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1つの態様は、(i)アムホテリシンB(AmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物と、(ii)コレステロールとを含む複合体である。この及び類似の複合体は、本明細書に記載のように形成することができ、実施例に記載の方法など、様々な方法によってアッセイすることができる。Anderson TM et al. (2014) Nat Chem Biol 10(5):404-406。
【0009】
本発明の1つの態様は、(i)アムホテリシンB(AmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、及び(ii)コレステロールを含み、AmBのコレステロールに対するモル比が1:2.4より大きい(例えば1:2又は1:1)、又は1:2.6~約1:50の範囲である、組成物である。
【0010】
本発明の1つの態様は、(i)アムホテリシンB(AmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、及び(ii)コレステロールを含み、AmBのコレステロールに対するモル比が1:2.6~約1:50の範囲である組成物である。
【0011】
本発明の1つの態様は、(i)アムホテリシンB(AmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、及び(ii)コレステロールを含み、AmBのコレステロールに対するモル比が約1:3~約1:15の範囲である組成物である。
【0012】
本発明の1つの態様は、(i)C3-デオキシアムホテリシンB(C3deOAmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物と、(ii)コレステロールとを含む複合体である。
【0013】
本発明の1つの態様は、(i)C3-デオキシアムホテリシンB(C3deOAmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、及び(ii)コレステロールを含み、C3deOAmBのコレステロールに対するモル比が1:2.6~約1:50の範囲である組成物である。
【0014】
本発明の1つの態様は、(i)C3-デオキシアムホテリシンB(C3deOAmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、及び(ii)コレステロールを含み、C3deOAmBのコレステロールに対するモル比が約1:3~約1:15の範囲である組成物である。
【0015】
本発明の1つの態様は、嚢胞性線維症を治療する方法であって、それを必要とする対象に、(i)アムホテリシンB(AmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物と、(ii)コレステロールとを含む複合体の治療有効量を投与し、それによって嚢胞性線維症を治療することを含む方法である。
【0016】
本発明の1つの態様は、嚢胞性線維症を治療する方法であって、それを必要とする対象に、(i)アムホテリシンB(AmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、及び(ii)コレステロールを含む組成物の治療有効量を投与し、それによって嚢胞性線維症を治療することを含む方法である。
【0017】
本発明の1つの態様は、嚢胞性線維症を治療する方法であって、それを必要とする対象に、(i)C3-デオキシアムホテリシンB(C3deOAmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物と、(ii)コレステロールとを含む複合体の治療有効量を投与し、それによって嚢胞性線維症を治療することを含む方法である。
【0018】
本発明の1つの態様は、嚢胞性線維症を治療する方法であって、それを必要とする対象に、(i)C3-デオキシアムホテリシンB(C3deOAmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、及び(ii)コレステロールを含む組成物の治療有効量を投与し、それによって嚢胞性線維症を治療することを含む方法である。
【0019】
本発明の1つの態様は、嚢胞性線維症を有する対象において気道表面液のpHを高める方法であって、嚢胞性線維症を有する対象に、(i)アムホテリシンB(AmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物と、(ii)コレステロールとを含む複合体の治療有効量を投与し、それによって嚢胞性線維症を有する対象において気道表面液のpHを高めることを含む方法である。
【0020】
本発明の1つの態様は、嚢胞性線維症を有する対象において気道表面液のpHを高める方法であって、嚢胞性線維症を有する対象に、(i)アムホテリシンB(AmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、及び(ii)コレステロールを含む組成物の治療有効量を投与し、それによって嚢胞性線維症を有する対象において気道表面液のpHを高めることを含む方法である。
【0021】
本発明の1つの態様は、嚢胞性線維症を有する対象において気道表面液のpHを高める方法であって、嚢胞性線維症を有する対象に、(i)C3-デオキシアムホテリシンB(C3deOAmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物と、(ii)コレステロールとを含む複合体の治療有効量を投与し、それによって嚢胞性線維症を有する対象において気道表面液のpHを高めることを含む方法である。
【0022】
本発明の1つの態様は、嚢胞性線維症を有する対象において気道表面液のpHを高める方法であって、嚢胞性線維症を有する対象に、(i)C3-デオキシアムホテリシンB(C3deOAmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、及び(ii)コレステロールを含む組成物の治療有効量を投与し、それによって嚢胞性線維症を有する対象において気道表面液のpHを高めることを含む方法である。
【0023】
本発明の上記の各態様において、ある実施形態では、AmB又はC3deOAmBとコレステロールは複合体として存在する。
【0024】
1つの態様では、嚢胞性線維症を治療する方法であって、それを必要とする対象に、アムホテリシンB(AmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物を含む組成物の治療有効量を投与し、それによって嚢胞性線維症を治療することを含む方法を提供する。
【0025】
1つの態様では、嚢胞性線維症を有する対象において気道表面液のpHを高める方法であって、嚢胞性線維症を有する対象に、アムホテリシンB(AmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物を含む組成物の治療有効量を投与し、それによって嚢胞性線維症を有する対象において気道表面液のpHを高めることを含む方法を提供する。
【0026】
1つの態様では、嚢胞性線維症を有する対象において気道表面液中の重炭酸イオンを増加させる方法であって、嚢胞性線維症を有する対象に、治療有効量のアムホテリシンB(AmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物を投与し、それによって嚢胞性線維症を有する対象において気道表面液中の重炭酸イオンを増加させることを含む方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】アムホテリシンB(AmB)、C35-デオキシアムホテリシンB(C35deOAmB)、及びC3-デオキシアムホテリシンB(C3deOAmB)の構造を示す。
図2】正常肺上皮、嚢胞性線維症(CF)肺上皮、及び嚢胞性線維症(CF)肺上皮+AmBの略図。嚢胞性線維症肺上皮では、頂端のCl及びHCO の分泌が減少して、粘液特性が変化し、並びに気道表面液(ASL)のpHが低下して、抗菌活性を損なう。
図3A】頂端(apical)のAmBは嚢胞性線維症(CF)の初代ヒト肺上皮におけるASLのpHを高めるが側底(basolateral)ではそうでないことを示す棒グラフ。図はまた、頂端のC35deOAmBは効果が無いことも示す。***:p<0.001;NS:統計的に有意でない。
図3B】頂端のAmBが対照(非CF)初代ヒト肺上皮のASLのpHに対しては効果がないことを示す棒グラフ。NS:統計的に有意でない。
図4】ASLのpHのAmB介在性の上昇は膜の破壊又はCFTR活性の増大によるものではないことを示す棒グラフ。
図5A】ASLのpHに対するAmBの経時的な効果を示すグラフ。
図5B】ASLのpHに対するAmBの経時的な効果を示すグラフ。
図6】AmBが患者の遺伝子型とは無関係にCF初代ヒト上皮においてASL粘度(τ)を低下させることを示す棒グラフ。
図7】AmBが患者の遺伝子型とは無関係にCF初代ヒト上皮においてASLの殺菌性を高めることを示す棒グラフ。
図8】予備形成AmB-コレステロール複合体、又はAmB単独での嚢胞性線維症肺上皮におけるASLのpHの変化の用量依存性を示すグラフ。
図9】ASLのpHに対するコレステロール単独の効果がないことを示す棒グラフ。
図10】AmBをコレステロールと予備複合体化させることにより、毒性に対してヒト赤血球(RBCs)を保護するが、ヒトCF肺上皮の透過化を維持することを示す1組のグラフ。
図1113C標識アムホテリシンB-エルゴステロール(AmB-Erg)複合体のNMRスペクトルを示す3つのグラフ群。
図12】正常肺上皮、嚢胞性線維症肺上皮、及び嚢胞性線維症肺上皮+AmBの略図。
図13】0.5μMのAmB(実線)及び0.5μMのC35deOAmB(点線)のウッシングチャンバ実験のトレースを示す。
図14】リポソームからの重炭酸イオンの放出に対するAmBの経時的な効果を示す。
図15A】嚢胞性線維症CuFi-1ヒト肺上皮における細胞内重炭酸イオンに対するAmBの効果を示すグラフ。**:p<0.01
図15B】頂端のAmBは嚢胞性線維症CuFi-1細胞におけるASL中の重炭酸イオンを増加させる能力を有するが側底ではそうでないことを示すグラフ。図面は、CuFi-1細胞においてイバカフトル(ivacaftor)(Iva)の効果が無いことも示す。****:p<0.0001
図15C】AmBはCuFi-1細胞においてASL中の重炭酸イオンを増加させる能力を有するが、重炭酸イオンの取込みをブロックするウアバイン(ouabain)と組み合わせると増加させないことを示すグラフ。*:p<0.05
図16】AmB及びイバカフトルが嚢胞性線維症CuFi-4細胞においてASL中の重炭酸イオンを増加させる能力を示すグラフ。****:p<0.0001
図17】頂端のAmBは嚢胞性線維症CuFi-1細胞におけるASLのpHを高める能力を有するが側底ではそうでないことを示すグラフ。図面は、CuFi-1細胞がNuLi細胞と比較してより低いpHを有することも示す。**:p<0.01;****:p<0.0001
図18】プロトン(H)放出に対する1:100AmB:脂質(丸)の効果をDMSO(三角)と比較して示す。
図19】AmBが側底の重炭酸イオンの存在下で嚢胞性線維症CuFi-1細胞の頂端チャンバのアルカリ化を高める能力を示すグラフ。図面は、側底の重炭酸イオンの存在下で、CuFi-1細胞が、NuLi細胞と比較してより少ない頂端チャンバアルカリ化を有することも示す。重炭酸イオンを含まない緩衝液では頂端チャンバアルカリ化の変化は全く観察されなかった。***:p<0.001;****:p<0.0001;NS:統計的に有意でない。
図20A】AmBはCuFi-1細胞においてASLのpHを高める能力を有するが、重炭酸イオンの取込みをブロックするウアバインと組み合わせるとpHを高めないことを示すグラフ。***:p<0.001;NS:統計的に有意でない。
図20B】嚢胞性線維症CuFi-1細胞においてASLのpHを高めるAmBの能力を示すグラフ。図面は、CuFi-1細胞においてイバカフトルの効果が無いことも示す。*:p<0.05
図20C】AmB及びイバカフトルが嚢胞性線維症CuFi-4細胞においてASLのpHを高める能力を示すグラフ。****:p<0.0001
図21】予備形成AmB-コレステロール複合体(AmB:Chol)、又はAmB単独でのCuFi-1細胞におけるASLのpH変化の用量依存性を示すグラフ。*:p<0.05;**:p<0.01
図22A】フォルスコリン/IBMX(FI)のCFTR活性化に反応する短絡電流(Isc)の増加を示すNuLi細胞のウッシングチャンバ実験のトレースを示す。
図22B】フォルスコリン/IBMX(FI)のCFTR活性化に反応する短絡電流(Isc)の増加を示さないCuFi-1細胞のウッシングチャンバ実験のトレースを示す。
図22C】フォルスコリン/IBMX(FI)のCFTR活性化に反応する短絡電流(Isc)の増加を示さないAmBで処理したCuFi-1細胞のウッシングチャンバ実験のトレースを示す。
図23A】嚢胞性線維症患者由来のサンプルの遺伝子型及び突然変異を要約した表。
図23B】患者由来のCF初代ヒト肺上皮におけるASLのpHを高めるAmBの能力を示すグラフ。
図23C】頂端のAmBは患者由来の嚢胞性線維症(CF)初代ヒト肺上皮におけるASLのpHを高める能力を有するが側底ではそうでないことを示すグラフ。図面は、頂端のC35deOAmBの効果が無いことも示す。***:p<0.001;NS:統計的に有意でない。
図24A】初代細胞におけるASLのpHに対するAmBの経時的な効果を示すグラフ。
図24B】初代細胞におけるASLのpHに対するAmBの経時的な効果を示すグラフ。
図25】対照(非CF)初代ヒト肺上皮のASLのpHに対して頂端のAmBの効果が無いことを示すグラフ。NS:統計的に有意でない。
図26】AmBが患者の遺伝子型に関係なくCF初代ヒト上皮におけるASL粘度(τ)を低下させることを示すグラフ。*:p<0.05.
図27】AmBが、患者の遺伝子型に関係なくCF初代ヒト上皮におけるASLの殺菌性を高めることを示すグラフ。図面は、頂端のC35deOAmBの効果が無いことも示す。**:p<0.01;****:p<0.0001;NS:統計的に有意でない。
【発明を実施するための形態】
【0028】
嚢胞性線維症における機能的CFTRの損失は、肺において2つの重要な影響をもたらす。第1に、肺上皮の頂端面でのCl及びHCO の分泌の減少は、粘液特性を変化させ、粘液の粘性を高め、それによって正常な気道クリアランス機構を妨げる。さらには、CFTRを欠くヒト及びブタにおいて、非胃型H/Kアデノシントリホスファターゼ(ATP12A)による制御されないH分泌は、気道表面液(ASL)を酸性化し、それによって気道の宿主防御が損なわれる。対照的に、CFマウスの気道はほとんどATP12Aを発現せず、最小限のHを分泌するだけである;結果的に、CF及び非CFマウスにおける気道表面液は同様のpHを有する。Pezzulo AA et al. (2012) Nature 487: 109-113; Shah VS et al. (2016) Science 351: 503-507。
【0029】
一部の実施形態では、CF上皮に導入された小分子イオンチャネルは、プロトン吸収、重炭酸イオン分泌、又はその両方を介してCF肺上皮におけるASLの生理学的特徴を回復することができる。そのような分子補綴は、遺伝子型非依存性であり、すなわち、CFにおけるCFTR発現の減少及びCFTR機能の低下の根底にある遺伝子突然変異の正確な性質に無関係にCFに取り組む。
【0030】
気道表面液(ASL)の薄層はヒト肺と環境との間の唯一のバリアの役割を果たす。正常なASL生理機能において、側底ポンプ及びチャネルは、分極上皮細胞内への重炭酸イオンの流れを駆動し、CFTRの主要な機能は、この重炭酸イオンを、頂端膜を通してASLへと受動的に放出することである(図12、左)。CF病態生理の主要なモデルは、CFTRの機能の損失が頂端の重炭酸イオン放出を減らし、ASLの酸性化及び上皮細胞内での重炭酸イオンの蓄積を生じさせると予測する(図12、中央)。これは、気道表面液(ASL)の酸性化を生じ、ASL粘度を高め、さらにpH感受性抗菌性タンパク質の活性を低下させる。ALSにおけるこれらの変化は、細菌のクリアランス及び殺菌性を損なわせ、病的状態及び死亡への主要な牽引となる慢性気道感染症に患者をかかりやすくする。代替モデルは、CFTRが、例えば周辺のイオンチャネルの活性を調節するなど、他の重要な役割も果たすことを示唆し、そのような代替モデルを実験的に除外することは挑戦的であることが分かっている。CFTRの主要な機能が重炭酸イオンの受動的導管として機能することである場合、頂端膜における重炭酸イオン透過性の小分子に基づくチャネルが、CFTR欠損上皮細胞において増進する勾配を利用して、方向選択性重炭酸イオン分泌を回復し、それによって遺伝子型寛容な様式でASL生理機能を回復させることができるであろう(図12、右)。
【0031】
一部の実施形態では、小分子又は複合体は、分化ヒト肺上皮の頂端膜を重炭酸イオンに対して透過化することができる。リポソーム、細胞、及び/又はマウスの鼻腔上皮を陰イオンに対して透過化することが以前報告されている一連の天然及び合成の小分子を、ウッシングチャンバを用いてCuFi-1上皮単層を通過する短絡電流を高める能力に関して試験した。臨床的に承認された抗真菌天然物であるアムホテリシンB(AmB)(図1)は、格別に有効であるとして際立った(図13)。C35deOAmBなどのAmBの一原子欠損合成誘導体を含む、試験した他の全ての化合物では、これら同じ上皮の透過化はほとんど又は全く見られなかった(図12)。コレステロール含有POPCリポソームにおいて適合13C NMRに基づくアッセイを用い、AmBが重炭酸イオンを輸送する能力を試験した。AmBで処理したリポソームから13C標識重炭酸イオンの強くかつ迅速な放出が観察された(図14)。
【0032】
一部の実施形態では、AmB、AmB及びコレステロール、C3deOAmB及びコレステロール、AmB及びエルゴステロール、又はC3deOAmB及びエルゴステロールでの処理は、CF由来の初代肺上皮においてASLのpH、粘度、及び抗菌活性の内の1つ以上を回復した。
【0033】
受動的膜透過性K輸送に関連する機能的Trkを欠くタンパク質イオンチャネル欠損酵母(trk1Δtrk2Δ)は、チャネル形成AmBで処理すると正常な表現型(増殖)に回復させることができる。Cioffi AG et al. (2015) J Am Chem Soc 137: 10096-10099。
【0034】
AmBは、例えば酵母細胞などの真核細胞を、カリウムイオンなどに対して透過性にすることができる。Ermishkin LN et al. (1977) Biochim Biophys Acta 470(3): 357-367。AmBは酵母に対して毒性も強く、この毒性はその膜透過化と密接不可分であると考えられていた。しかしながら、我々は、C35の単一酸素原子を欠くAmBの合成誘導体(C35deOAmB)(図1)が、イオンチャネルを形成せず、かつ強力な抗真菌活性をまだなお維持することを見出した。Gray KC et al. (2012) Proc Natl Acad Sci USA 109(7): 2234-2239。さらなる研究により、AmBが、主にステロールに結合してそれを膜から抜き取ることにより酵母を死滅させること、及びAmBの量がエルゴステロールの量を超えた場合にのみ細胞毒性であることが解明された。Anderson TM et al. (2014) Nat Chem Biol 10(5): 400-406。チャネル形成は要求されない。このことは、低用量で投与する及び/又は予めステロールと複合体化することにより、AmBのイオンチャネル活性を、その殺細胞活性と分離することを可能にする。AmBは、タンパク質イオンチャネル欠損酵母において増殖を回復させることができる。増殖救済が観察される用量範囲は、AmBを、酵母における主要なステロールであるエルゴステロールと予備複合体化(pre-complexed)させた場合に1桁以上拡大され得る。非チャネル形成変異体C35deOAmBは、試験したいずれの濃度でも酵母の増殖を救済しなかった。
【0035】
一部の実施形態では、AmBは、CF患者の肺におけるASLのpHを高めるのに有効であり、それによってこれらの患者における気道の抗菌活性及び気道防御を向上させる。
【0036】
一部の実施形態では、AmBをエルゴステロールと予備複合体化させると、酵母増殖救済に関する治療指数を実質的に高め、すなわち、強力な殺真菌活性なしにチャネル形成を維持する。Cioffi AG et al. (2015) J Am Chem Soc 137: 10096-10099。
【0037】
意外なことに、AmBとコレステロールは一緒に、例えばAmBとコレステロールとの間の予備形成複合体(pre-formed complex)は、CF患者の肺においてASLのpHを高めるのに有効であり、それによってこれらの患者における気道の抗菌活性及び気道防御を向上させる。ある実施形態では、AmB:コレステロールのモル比は1:2.6~約1:50の範囲である。ある実施形態では、AmB:コレステロールのモル比は約1:3~約1:15の範囲である。
【0038】
意外なことに、C3deOAmBとコレステロールは一緒に、例えばC3deOAmBとコレステロールとの間の予備形成複合体は、CF患者の肺においてASLのpHを高めるのに有効であり、それによってこれらの患者における気道の抗菌活性及び気道防御を向上させる。ある実施形態では、C3deOAmB:コレステロールのモル比は1:2.6~約1:50の範囲である。ある実施形態では、C3deOAmB:コレステロールのモル比は約1:3~約1:15の範囲である。
【0039】
注射用のアムビゾーム(AMBIOSOME(登録商標))(Astellas Pharma US, Inc., Northbrook, IL)は、AmBの点滴静注用の滅菌凍結乾燥製剤である。各バイアルは、およそ213mgの水素添加大豆ホスファチジルコリン;52mgのコレステロール、84mgのジステアロイルホスファチジルグリセロール;0.64mgのα-トコフェロールからなるリポローム膜中に挿入させた50mgのアムホテリシンBを、900mgのスクロース、及び緩衝剤としての27mgのコハク酸二ナトリウム六水和物と共に含む。この製品におけるAmBのコレステロールに対するモル比は約1:2.5である。
【0040】
意外なことに、AmBとエルゴステロールは一緒に、例えばAmBとエルゴステロールとの間の予備形成複合体は、CF患者の肺においてASLのpHを高めるのに有効であり、それによってこれらの患者における気道の抗菌活性及び気道防御を向上させる。ある実施形態では、AmB:エルゴステロールのモル比は1:2.6~約1:50の範囲である。ある実施形態では、AmB:エルゴステロールのモル比は約1:3~約1:15の範囲である。
【0041】
意外なことに、C3deOAmBとエルゴステロールは一緒に、例えばC3deOAmBとエルゴステロールとの間の予備形成複合体は、CF患者の肺においてASLのpHを高めるのに有効であり、それによってこれらの患者における気道の抗菌活性及び気道防御を向上させる。ある実施形態では、C3deOAmB:エルゴステロールのモル比は1:2.6~約1:50の範囲である。ある実施形態では、C3deOAmB:エルゴステロールのモル比は約1:3~約1:15の範囲である。
【0042】
本発明の組成物
1つの態様では、アムホテリシンB(AmB)、その薬学的に許容される塩若しくは水和物;及び薬学的に許容される担体を含む組成物を提供する。
【0043】
ある実施形態では、組成物は全身投与用に製剤化される。
【0044】
ある実施形態では、組成物は静脈内投与用に製剤化される。
【0045】
ある実施形態では、組成物は肺投与用に製剤化される。
【0046】
ある実施形態では、組成物は気道投与用に製剤化される。
【0047】
ある実施形態では、組成物はエアロゾル投与用に製剤化される。
【0048】
本発明の1つの態様は、(i)アムホテリシンB(AmB)、その薬学的に許容される塩若しくは水和物と、(ii)コレステロールとの間で形成された複合体である。この及び類似の複合体は、本明細書に記載のように形成することができ、また実施例に記載されているような方法によってアッセイすることができる。Anderson TM et al. (2014) Nat Chem Biol 10(5):404-406。
【0049】
本明細書で用いられる用語「複合体」は、様々な成分部分が共有結合している、2つ以上の成分部分の間で形成されたコンジュゲートを指す。ある実施形態では、複合体は、それに対して全ての他の成分部分が個別に連結する単一又は中心成分部分を有していてよい。ある実施形態では、各成分部分は少なくとも1つの他の成分部分に連結し、すなわち、それに対して全ての他の成分部分が個別に連結する単一又は中心成分部分を必要としない。例えば、ある実施形態では、複合体は、それに対して全てのコレステロース成分部分が個別に連結する単一又は中心AmB成分部分を有していてよい。
【0050】
ある実施形態では、複合体は、(i)アムホテリシンB(AmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物と、(ii)コレステロールとからなる。
【0051】
ある実施形態では、複合体は、(i)アムホテリシンB(AmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物と、(ii)コレステロールとから本質的になる。
【0052】
本発明の1つの態様は、(i)アムホテリシンB(AmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、及び(ii)コレステロールを含み、AmBのコレステロールに対するモル比が1:2.4より大きい(例えば、約1:2、1:1、2:1、3:1、4:1、又は5:1)、或いは1:2.6~約1:50の範囲である、組成物である。
【0053】
本発明の1つの態様は、(i)アムホテリシンB(AmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、及び(ii)コレステロールを含み、AmBのコレステロールに対するモル比が1:2.6~約1:50の範囲である組成物である。
【0054】
ある実施形態では、組成物は、(i)アムホテリシンB(AmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、及び(ii)コレステロールからなり、AmBのコレステロールに対するモル比は1:2.6~約1:50の範囲である。
【0055】
ある実施形態では、組成物は、(i)アムホテリシンB(AmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、及び(ii)コレステロールから本質的になり、AmBのコレステロールに対するモル比は1:2.6~約1:50の範囲である。
【0056】
ある実施形態では、AmBのコレステロールに対するモル比は約1:3~約1:15の範囲である。
【0057】
ある実施形態では、AmBのコレステロールに対するモル比は約1:4~約1:12の範囲である。
【0058】
ある実施形態では、AmBのコレステロールに対するモル比は約1:5~約1:10の範囲である。
【0059】
AmB及びコレステロールは、AmBのコレステロールに対するあるモル比で存在する。ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:6~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:7~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:8~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:9~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:10~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:11~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:12~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:13~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:14~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:15~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:16~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:17~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:18~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:19~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:20~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:21~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:22~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:23~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:24~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:25~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:26~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:27~約1:28である。ある実施形態では、モル比は約1:29~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:30~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:31~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:32~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:33~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:34~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:35~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:36~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:37~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:38~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:39~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:40~約1:50である。
【0060】
ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:6~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:7~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:8~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:9~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:10~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:11~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:12~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:13~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:14~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:15~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:16~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:17~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:18~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:19~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:20~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:21~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:22~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:23~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:24~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:25~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:26~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:27~約1:28である。ある実施形態では、モル比は約1:29~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:30~約1:40である。
【0061】
ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:6~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:7~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:8~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:9~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:10~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:11~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:12~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:13~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:14~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:15~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:16~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:17~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:18~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:19~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:20~約1:30である。
【0062】
ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:6~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:7~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:8~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:9~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:10~約1:20である。
【0063】
ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:10である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:10である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:10である。
【0064】
ある実施形態では、AmBとコレステロールは複合体として存在する。そのような複合体の調製の仕方の例は実施例に記載されている。
【0065】
ある実施形態では、組成物は全身投与用に製剤化される。
【0066】
ある実施形態では、組成物は静脈内投与用に製剤化される。
【0067】
ある実施形態では、組成物は肺投与用に製剤化される。
【0068】
ある実施形態では、組成物は気道投与用に製剤化される。
【0069】
ある実施形態では、組成物はエアロゾル投与用に製剤化される。
【0070】
本発明の1つの態様は、(i)C3-デオキシアムホテリシンB(C3deOAmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物と、(ii)コレステロールとの間で形成された複合体である。
【0071】
ある実施形態では、複合体は、(i)C3deOAmB又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物と、(ii)コレステロールとからなる。
【0072】
ある実施形態では、複合体は、(i)C3deOAmB又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物と、(ii)コレステロールとから本質的になる。
【0073】
本発明の1つの態様は、(i)C3-デオキシアムホテリシンB(C3deOAmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、及び(ii)コレステロールを含み、C3deOAmBのコレステロールに対するモル比が1:2.6~約1:50の範囲である組成物である。
【0074】
ある実施形態では、組成物は、(i)C3deOAmB又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、及び(ii)コレステロールからなり、C3deOAmBのコレステロールに対するモル比は1:2.6~約1:50の範囲である。
【0075】
ある実施形態では、組成物は、(i)C3deOAmB又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、及び(ii)コレステロールから本質的になり、C3deOAmBのコレステロールに対するモル比は1:2.6~約1:50の範囲である。
【0076】
ある実施形態では、C3deOAmBのコレステロールに対するモル比は約1:3~約1:15の範囲である。
【0077】
ある実施形態では、C3deOAmBのコレステロールに対するモル比は約1:4~約1:12の範囲である。
【0078】
ある実施形態では、C3deOAmBのコレステロールに対するモル比は約1:5~約1:10の範囲である。
【0079】
C3deOAmB及びコレステロールは、C3deOAmBのコレステロールに対するあるモル比で存在する。ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:6~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:7~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:8~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:9~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:10~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:11~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:12~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:13~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:14~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:15~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:16~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:17~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:18~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:19~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:20~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:21~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:22~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:23~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:24~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:25~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:26~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:27~約1:28である。ある実施形態では、モル比は約1:29~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:30~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:31~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:32~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:33~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:34~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:35~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:36~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:37~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:38~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:39~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:40~約1:50である。
【0080】
ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:6~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:7~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:8~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:9~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:10~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:11~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:12~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:13~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:14~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:15~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:16~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:17~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:18~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:19~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:20~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:21~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:22~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:23~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:24~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:25~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:26~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:27~約1:28である。ある実施形態では、モル比は約1:29~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:30~約1:40である。
【0081】
ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:6~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:7~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:8~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:9~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:10~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:11~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:12~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:13~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:14~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:15~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:16~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:17~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:18~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:19~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:20~約1:30である。
【0082】
ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:6~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:7~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:8~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:9~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:10~約1:20である。
【0083】
ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:10である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:10である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:10である。
【0084】
ある実施形態では、C3deOAmBとコレステロールは複合体として存在する
【0085】
ある実施形態では、組成物は全身投与用に製剤化される。
【0086】
ある実施形態では、組成物は静脈内投与用に製剤化される。
【0087】
ある実施形態では、組成物は気道投与用に製剤化される。
【0088】
ある実施形態では、組成物はエアロゾル投与用に製剤化される。
【0089】
本発明の1つの態様は、(i)アムホテリシンB(AmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、及び(ii)エルゴステロールを含み、、AmBのエルゴステロールに対するモル比が1:2.6~約1:50の範囲である組成物である。
【0090】
ある実施形態では、組成物は、(i)アムホテリシンB(AmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、及び(ii)エルゴステロールからなり、AmBのエルゴステロールに対するモル比は1:2.6~約1:50の範囲である。
【0091】
ある実施形態では、組成物は、(i)アムホテリシンB(AmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、及び(ii)エルゴステロールから本質的になり、AmBのエルゴステロールに対するモル比は1:2.6~約1:50の範囲である。
【0092】
ある実施形態では、AmBのエルゴステロールに対するモル比は約1:3~約1:15の範囲である。
【0093】
ある実施形態では、AmBのエルゴステロールに対するモル比は約1:4~約1:12の範囲である。
【0094】
ある実施形態では、AmBのエルゴステロールに対するモル比は約1:5~約1:10の範囲である。
【0095】
AmB及びエルゴステロールは、AmBのエルゴステロールに対するあるモル比で存在する。ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:6~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:7~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:8~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:9~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:10~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:11~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:12~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:13~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:14~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:15~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:16~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:17~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:18~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:19~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:20~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:21~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:22~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:23~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:24~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:25~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:26~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:27~約1:28である。ある実施形態では、モル比は約1:29~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:30~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:31~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:32~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:33~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:34~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:35~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:36~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:37~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:38~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:39~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:40~約1:50である。
【0096】
ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:6~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:7~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:8~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:9~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:10~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:11~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:12~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:13~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:14~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:15~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:16~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:17~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:18~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:19~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:20~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:21~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:22~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:23~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:24~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:25~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:26~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:27~約1:28である。ある実施形態では、モル比は約1:29~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:30~約1:40である。
【0097】
ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:6~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:7~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:8~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:9~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:10~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:11~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:12~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:13~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:14~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:15~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:16~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:17~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:18~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:19~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:20~約1:30である。
【0098】
ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:6~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:7~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:8~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:9~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:10~約1:20である。
【0099】
ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:10である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:10である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:10である。
【0100】
ある実施形態では、AmBとエルゴステロールは複合体として存在する。
【0101】
ある実施形態では、組成物は全身投与用に製剤化される。
【0102】
ある実施形態では、組成物は静脈内投与用に製剤化される。
【0103】
ある実施形態では、組成物は肺投与用に製剤化される。
【0104】
ある実施形態では、組成物は気道投与用に製剤化される。
【0105】
ある実施形態では、組成物はエアロゾル投与用に製剤化される。
【0106】
本発明の1つの態様は、(i)C3-デオキシアムホテリシンB(C3deOAmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物と、(ii)エルゴステロールとを含む複合体である。
【0107】
ある実施形態では、複合体は、(i)C3-デオキシアムホテリシンB(C3deOAmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物と、(ii)エルゴステロールとからなる。
【0108】
ある実施形態では、複合体は、(i)C3-デオキシアムホテリシンB(C3deOAmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物と、(ii)エルゴステロールとから本質的になる。
【0109】
本発明の1つの態様は、(i)C3-デオキシアムホテリシンB(C3deOAmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、及び(ii)エルゴステロールを含み、C3deOAmBのエルゴステロールに対するモル比が1:2.6~約1:50の範囲である組成物である。
【0110】
ある実施形態では、組成物は、(i)C3deOAmB又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、及び(ii)エルゴステロールからなり、C3deOAmBのエルゴステロールに対するモル比は1:2.6~約1:50の範囲である。
【0111】
ある実施形態では、組成物は、(i)C3deOAmB又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、及び(ii)エルゴステロールから本質的になり、C3deOAmBのエルゴステロールに対するモル比は1:2.6~約1:50の範囲である。
【0112】
ある実施形態では、C3deOAmBのエルゴステロールに対するモル比は約1:3~約1:15の範囲である。
【0113】
ある実施形態では、C3deOAmBのエルゴステロールに対するモル比は約1:4~約1:12の範囲である。
【0114】
ある実施形態では、C3deOAmBのエルゴステロールに対するモル比は約1:5~約1:10の範囲である。
【0115】
C3deOAmB及びエルゴステロールは、C3deOAmBのエルゴステロールに対するあるモル比で存在する。ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:6~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:7~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:8~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:9~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:10~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:11~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:12~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:13~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:14~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:15~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:16~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:17~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:18~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:19~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:20~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:21~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:22~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:23~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:24~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:25~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:26~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:27~約1:28である。ある実施形態では、モル比は約1:29~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:30~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:31~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:32~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:33~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:34~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:35~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:36~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:37~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:38~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:39~約1:50である。
ある実施形態では、モル比は約1:40~約1:50である。
【0116】
ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:6~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:7~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:8~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:9~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:10~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:11~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:12~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:13~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:14~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:15~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:16~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:17~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:18~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:19~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:20~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:21~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:22~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:23~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:24~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:25~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:26~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:27~約1:28である。ある実施形態では、モル比は約1:29~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:30~約1:40である。
【0117】
ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:6~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:7~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:8~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:9~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:10~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:11~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:12~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:13~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:14~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:15~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:16~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:17~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:18~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:19~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:20~約1:30である。
【0118】
ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:6~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:7~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:8~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:9~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:10~約1:20である。
【0119】
ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:10である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:10である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:10である。
【0120】
ある実施形態では、C3deOAmBとエルゴステロールは複合体として存在する。
【0121】
ある実施形態では、組成物は全身投与用に製剤化される。
【0122】
ある実施形態では、組成物は静脈内投与用に製剤化される。
【0123】
ある実施形態では、組成物は肺投与用に製剤化される。
【0124】
ある実施形態では、組成物は気道投与用に製剤化される。
【0125】
ある実施形態では、組成物はエアロゾル投与用に製剤化される。
【0126】
本発明の方法
1つの態様では、嚢胞性線維症を治療する方法であって、それを必要とする対象に、治療有効量のアムホテリシンB(AmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物を投与し、それによって嚢胞性線維症を治療することを含む方法を提供する。
【0127】
本発明の1つの態様は、嚢胞性線維症を治療する方法であって、それを必要とする対象に、(i)アムホテリシンB(AmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物と、(ii)コレステロールとを含む複合体の治療有効量を投与し、それによって嚢胞性線維症を治療することを含む方法である。
【0128】
本発明の1つの態様は、嚢胞性線維症を治療する方法であって、それを必要とする対象に、(i)アムホテリシンB(AmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、及び(ii)コレステロールを含む組成物の治療有効量を投与し、それによって嚢胞性線維症を治療することを含む方法である。
【0129】
本明細書で用いられる用語「治療する」及び「治療」とは、(a)状態又は疾患を発症するリスクを有する又は状態又は疾患に罹患する素因を有するが、まだ状態又は疾患に罹患しているとは診断されていない対象において、状態又は疾患が生じることを予防する;(b)例えばその発症を遅延又は停止させるなど、状態又は疾患を抑制する;又は、(c)例えば状態又は疾患の退縮を生じるなど、状態又は疾患を軽減又は改善する、という結果をもたらす介入を行うことを指す。一実施形態では、用語「治療する」及び「治療」は、(a)例えばその発症を遅延又は停止させるなど、状態又は疾患を抑制する;又は、(b)例えば状態又は疾患の退縮を生じるなど、状態又は疾患を軽減又は改善する、という結果をもたらす介入を行うことを指す。
【0130】
本明細書で用いられる「対象」とは、生きた哺乳動物を指す。さまざまな実施形態において、対象は、マウス、ラット、ハムスター、モルモット、ウサギ、ヒツジ、ヤギ、ネコ、イヌ、ブタ、ウマ、ウシ、又は非ヒト霊長類を含むがそれらに限定されない、非ヒト哺乳動物である。ある実施形態では、対象はヒトである。
【0131】
本明細書で用いられる語句「有効量」は、所望の生物学的効果を達成するのに十分な任意の量を意味する。
【0132】
本明細書で用いられる語句「治療有効量」は、例えば、嚢胞性線維症を治療するなど、所望の治療効果を達成するのに十分な任意の量を意味する。
【0133】
ある実施形態では、組成物は、(i)アムホテリシンB(AmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、及び(ii)コレステロールからなり、AmBのコレステロールに対するモル比は1:2.6~約1:50の範囲である。
【0134】
ある実施形態では、組成物は、(i)アムホテリシンB(AmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、及び(ii)コレステロールから本質的になり、AmBのコレステロールに対するモル比は1:2.6~約1:50の範囲である。
【0135】
ある実施形態では、AmBとコレステロールは、約1:3~約1:15の範囲のモル比で存在する。
【0136】
ある実施形態では、AmBとコレステロールは、約1:4~約1:12の範囲のモル比で存在する。
【0137】
ある実施形態では、AmBとコレステロールは、約1:5~約1:10の範囲のモル比で存在する。
【0138】
AmBとコレステロールは、AmBのコレステロールに対するあるモル比で存在する。ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:6~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:7~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:8~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:9~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:10~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:11~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:12~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:13~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:14~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:15~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:16~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:17~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:18~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:19~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:20~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:21~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:22~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:23~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:24~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:25~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:26~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:27~約1:28である。ある実施形態では、モル比は約1:29~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:30~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:31~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:32~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:33~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:34~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:35~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:36~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:37~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:38~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:39~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:40~約1:50である。
【0139】
ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:6~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:7~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:8~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:9~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:10~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:11~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:12~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:13~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:14~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:15~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:16~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:17~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:18~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:19~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:20~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:21~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:22~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:23~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:24~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:25~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:26~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:27~約1:28である。ある実施形態では、モル比は約1:29~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:30~約1:40である。
【0140】
ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:6~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:7~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:8~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:9~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:10~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:11~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:12~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:13~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:14~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:15~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:16~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:17~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:18~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:19~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:20~約1:30である。
【0141】
ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:6~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:7~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:8~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:9~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:10~約1:20である。
【0142】
ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:10である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:10である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:10である。
【0143】
さらに別の実施形態では、そのモル比はさらに高くてよく、約1:1程度、又は10:1程度であってもよい。
【0144】
ある実施形態では、AmBとコレステロールは複合体として存在する。
【0145】
ある実施形態では、組成物は全身投与される。
【0146】
ある実施形態では、組成物は静脈内投与される。
【0147】
ある実施形態では、組成物は対象の気道に投与される。例えば、気管支肺胞洗浄(BAL)によって又はエアロゾルによって、組成物を対象の気道に投与することができる。本明細書で用いられる「対象の気道」とは、以下の肺構造の任意のもの又は全てを指す:気管、気管支、細気管支、肺胞。ある実施形態では、対象の気道は、いわゆる誘導気道、すなわち以下の肺構造の任意のもの又は全てを指す:気管、気管支、及び細気管支。
【0148】
ある実施形態では、組成物は、エアロゾルとして対象の気道に投与される。
【0149】
本発明の1つの態様は、嚢胞性線維症を治療する方法であって、それを必要とする対象に、(i)C3-デオキシアムホテリシンB(C3deOAmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物と、(ii)コレステロールとを含む複合体の治療有効量を投与し、それによって嚢胞性線維症を治療することを含む方法である。
【0150】
本発明の1つの態様は、嚢胞性線維症を治療する方法であって、それを必要とする対象に、(i)C3-デオキシアムホテリシンB(C3deOAmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、及び(ii)コレステロールを含む組成物の治療有効量を投与し、それによって嚢胞性線維症を治療することを含む方法である。
【0151】
ある実施形態では、組成物は、(i)C3deOAmB又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、及び(ii)コレステロールからなり、C3deOAmBのコレステロールに対するモル比は1:2.6~約1:50の範囲である。
【0152】
ある実施形態では、組成物は、(i)C3deOAmB又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、及び(ii)コレステロールから本質的になり、C3deOAmBのコレステロールに対するモル比は1:2.6~約1:50の範囲である。
【0153】
ある実施形態では、C3deOAmBとコレステロールは、約1:3~約1:15の範囲のモル比で存在する。
【0154】
ある実施形態では、C3deOAmBとコレステロールは、約1:4~約1:12の範囲のモル比で存在する。
【0155】
ある実施形態では、C3deOAmBとコレステロールは、約1:5~約1:10の範囲のモル比で存在する。
【0156】
C3deOAmBとコレステロールは、C3deOAmBのコレステロールに対するあるモル比で存在する。ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:6~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:7~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:8~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:9~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:10~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:11~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:12~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:13~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:14~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:15~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:16~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:17~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:18~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:19~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:20~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:21~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:22~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:23~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:24~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:25~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:26~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:27~約1:28である。ある実施形態では、モル比は約1:29~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:30~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:31~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:32~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:33~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:34~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:35~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:36~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:37~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:38~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:39~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:40~約1:50である。
【0157】
ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:6~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:7~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:8~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:9~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:10~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:11~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:12~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:13~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:14~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:15~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:16~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:17~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:18~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:19~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:20~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:21~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:22~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:23~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:24~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:25~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:26~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:27~約1:28である。ある実施形態では、モル比は約1:29~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:30~約1:40である。
【0158】
ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:6~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:7~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:8~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:9~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:10~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:11~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:12~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:13~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:14~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:15~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:16~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:17~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:18~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:19~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:20~約1:30である。
【0159】
ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:6~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:7~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:8~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:9~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:10~約1:20である。
【0160】
ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:10である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:10である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:10である。
【0161】
さらに別の実施形態では、そのモル比はさらに高くてよく、約1:1程度、又は10:1程度であってもよい。
【0162】
ある実施形態では、C3deOAmBとコレステロールは複合体として存在する。
【0163】
ある実施形態では、組成物は全身投与される。
【0164】
ある実施形態では、組成物は静脈内投与される。
【0165】
ある実施形態では、組成物は対象の気道に投与される。例えば、気管支肺胞洗浄(BAL)によって又はエアロゾルによって、組成物を対象の気道に投与することができる。本明細書で用いられる「対象の気道」とは、以下の肺構造の任意のもの又は全てを指す:気管、気管支、細気管支、肺胞。ある実施形態では、対象の気道は、いわゆる誘導気道、すなわち以下の肺構造の任意のもの又は全てを指す:気管、気管支、及び細気管支。
【0166】
ある実施形態では、組成物は、エアロゾルとして対象の気道に投与される。
【0167】
本発明の1つの態様は、嚢胞性線維症を治療する方法であって、それを必要とする対象に、(i)アムホテリシンB(AmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物と、(ii)エルゴステロールとを含む複合体の治療有効量を投与し、それによって嚢胞性線維症を治療することを含む方法である。
【0168】
本発明の1つの態様は、嚢胞性線維症を治療する方法であって、それを必要とする対象に、(i)アムホテリシンB(AmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、及び(ii)エルゴステロールを含む組成物の治療有効量を投与し、それによって嚢胞性線維症を治療することを含む方法である。
【0169】
ある実施形態では、組成物は、(i)アムホテリシンB(AmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、及び(ii)エルゴステロールからなり、AmBのエルゴステロールに対するモル比は1:2.6~約1:50の範囲である。
【0170】
ある実施形態では、、組成物は、(i)アムホテリシンB(AmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、及び(ii)エルゴステロールから本質的になり、AmBのエルゴステロールに対するモル比は1:2.6~約1:50の範囲である。
【0171】
ある実施形態では、AmBとエルゴステロールは、約1:3~約1:15の範囲のモル比で存在する。
【0172】
ある実施形態では、AmBとエルゴステロールは、約1:4~約1:12の範囲のモル比で存在する。
【0173】
ある実施形態では、AmBとエルゴステロールは、約1:5~約1:10の範囲のモル比で存在する。
【0174】
AmBとエルゴステロールは、AmBのエルゴステロールに対するあるモル比で存在する。ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:6~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:7~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:8~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:9~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:10~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:11~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:12~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:13~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:14~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:15~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:16~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:17~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:18~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:19~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:20~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:21~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:22~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:23~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:24~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:25~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:26~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:27~約1:28である。ある実施形態では、モル比は約1:29~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:30~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:31~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:32~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:33~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:34~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:35~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:36~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:37~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:38~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:39~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:40~約1:50である。
【0175】
ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:6~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:7~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:8~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:9~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:10~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:11~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:12~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:13~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:14~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:15~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:16~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:17~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:18~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:19~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:20~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:21~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:22~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:23~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:24~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:25~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:26~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:27~約1:28である。ある実施形態では、モル比は約1:29~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:30~約1:40である。
【0176】
ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:6~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:7~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:8~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:9~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:10~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:11~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:12~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:13~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:14~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:15~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:16~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:17~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:18~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:19~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:20~約1:30である。
【0177】
ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:6~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:7~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:8~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:9~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:10~約1:20である。
【0178】
ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:10である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:10である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:10である。
【0179】
さらに別の実施形態では、そのモル比はさらに高くてよく、約1:1程度、又は10:1程度であってもよい。
【0180】
ある実施形態では、AmBとエルゴステロールは複合体として存在する。
【0181】
ある実施形態では、組成物は全身投与される。
【0182】
ある実施形態では、組成物は静脈内投与される。
【0183】
ある実施形態では、組成物は対象の気道に投与される。例えば、気管支肺胞洗浄(BAL)によって又はエアロゾルによって、組成物を対象の気道に投与することができる。本明細書で用いられる「対象の気道」とは、以下の肺構造の任意のもの又は全てを指す:気管、気管支、細気管支、肺胞。ある実施形態では、対象の気道は、いわゆる誘導気道、すなわち以下の肺構造の任意のもの又は全てを指す:気管、気管支、及び細気管支。
【0184】
ある実施形態では、組成物は、エアロゾルとして対象の気道に投与される。
【0185】
本発明の1つの態様は、嚢胞性線維症を治療する方法であって、それを必要とする対象に、(i)C3-デオキシアムホテリシンB(C3deOAmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物と、(ii)エルゴステロールとを含む複合体の治療有効量を投与し、それによって嚢胞性線維症を治療することを含む方法である。
【0186】
本発明の1つの態様は、嚢胞性線維症を治療する方法であって、それを必要とする対象に、(i)C3-デオキシアムホテリシンB(C3deOAmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、及び(ii)エルゴステロールを含む組成物の治療有効量を投与し、それによって嚢胞性線維症を治療することを含む方法である。
【0187】
ある実施形態では、組成物は、(i)C3deOAmB又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、及び(ii)エルゴステロールからなり、C3deOAmBのエルゴステロールに対するモル比は1:2.6~約1:50の範囲である。
【0188】
ある実施形態では、組成物は、(i)C3deOAmB又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、及び(ii)エルゴステロールから本質的になり、C3deOAmBのエルゴステロールに対するモル比は1:2.6~約1:50の範囲である。
【0189】
ある実施形態では、C3deOAmBとエルゴステロールは、約1:3~約1:15の範囲のモル比で存在する。
【0190】
ある実施形態では、C3deOAmBとエルゴステロールは、約1:4~約1:12の範囲のモル比で存在する。
【0191】
ある実施形態では、C3deOAmBとエルゴステロールは、約1:5~約1:10の範囲のモル比で存在する。
【0192】
C3deOAmBとエルゴステロールは、C3deOAmBのエルゴステロールに対するあるモル比で存在する。ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:6~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:7~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:8~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:9~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:10~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:11~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:12~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:13~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:14~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:15~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:16~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:17~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:18~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:19~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:20~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:21~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:22~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:23~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:24~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:25~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:26~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:27~約1:28である。ある実施形態では、モル比は約1:29~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:30~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:31~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:32~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:33~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:34~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:35~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:36~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:37~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:38~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:39~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:40~約1:50である。
【0193】
ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:6~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:7~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:8~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:9~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:10~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:11~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:12~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:13~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:14~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:15~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:16~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:17~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:18~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:19~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:20~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:21~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:22~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:23~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:24~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:25~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:26~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:27~約1:28である。ある実施形態では、モル比は約1:29~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:30~約1:40である。
【0194】
ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:6~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:7~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:8~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:9~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:10~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:11~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:12~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:13~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:14~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:15~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:16~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:17~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:18~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:19~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:20~約1:30である。
【0195】
ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:6~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:7~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:8~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:9~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:10~約1:20である。
【0196】
ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:10である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:10である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:10である。
【0197】
さらに別の実施形態では、そのモル比はさらに高くてよく、約1:1程度、又は10:1程度であってもよい。
【0198】
ある実施形態では、C3deOAmBとエルゴステロールは複合体として存在する。
【0199】
ある実施形態では、組成物は全身投与される。
【0200】
ある実施形態では、組成物は静脈内投与される。
【0201】
ある実施形態では、組成物は対象の気道に投与される。例えば、気管支肺胞洗浄(BAL)によって又はエアロゾルによって、組成物を対象の気道に投与することができる。本明細書で用いられる「対象の気道」とは、以下の肺構造の任意のもの又は全てを指す:気管、気管支、細気管支、肺胞。ある実施形態では、対象の気道は、いわゆる誘導気道、すなわち以下の肺構造の任意のもの又は全てを指す:気管、気管支、及び細気管支。
【0202】
ある実施形態では、組成物は、エアロゾルとして対象の気道に投与される。
【0203】
1つの態様では、嚢胞性線維症を有する対象において気道表面液のpHを高める方法であって、嚢胞性線維症を有する対象に、治療有効量のアムホテリシンB(AmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物を投与し、それによって嚢胞性線維症を有する対象において気道表面液のpHを高めることを含む方法を提供する。
【0204】
ある実施形態では、組成物は全身投与される。
【0205】
ある実施形態では、組成物は静脈内投与される。
【0206】
ある実施形態では、組成物は対象の気道に投与される。例えば、気管支肺胞洗浄(BAL)によって又はエアロゾルによって、組成物を対象の気道に投与することができる。本明細書で用いられる「対象の気道」とは、以下の肺構造の任意のもの又は全てを指す:気管、気管支、細気管支、肺胞。ある実施形態では、対象の気道は、いわゆる誘導気道、すなわち以下の肺構造の任意のもの又は全てを指す:気管、気管支、及び細気管支。
【0207】
ある実施形態では、組成物は、エアロゾルとして対象の気道に投与される。
【0208】
本発明の1つの態様は、嚢胞性線維症を有する対象において気道表面液のpHを高める方法であって、嚢胞性線維症を有する対象に、(i)アムホテリシンB(AmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物と、(ii)コレステロールとを含む複合体の治療有効量を投与し、それによって嚢胞性線維症を有する対象において気道表面液のpHを高めることを含む方法である。
【0209】
本発明の1つの態様は、嚢胞性線維症を有する対象において気道表面液のpHを高める方法であって、嚢胞性線維症を有する対象に、(i)アムホテリシンB(AmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、及び(ii)コレステロールを含む組成物の治療有効量を投与し、それによって嚢胞性線維症を有する対象において気道表面液のpHを高めることを含む方法である。
【0210】
ある実施形態では、組成物は、(i)アムホテリシンB(AmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、及び(ii)コレステロールからなり、AmBのコレステロールに対するモル比は1:2.6~約1:50の範囲である。
【0211】
ある実施形態では、組成物は、(i)アムホテリシンB(AmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、及び(ii)コレステロールから本質的になり、AmBのコレステロールに対するモル比は1:2.6~約1:50の範囲である。
【0212】
対象における気道表面液(ASL)のpHは、当業者に知られている任意の技術を用いて測定することができる。例えば、気道pHは、気管表面に平面pH感受性プローブを設置することによって測定することができる。Pezzulo AA et al. (2012) Nature 487: 109-113。
【0213】
対象におけるASLのpHは、非処置対象のASLのpHよりも測定可能な程度高い場合に高められたという。一実施形態では、対象におけるASLのpHは、本発明の方法に従う処置の前又は処置から一定期間あけた同じ対象のASLのpHよりも測定可能な程度高い場合に高められたという。
【0214】
ある実施形態では、pHの上昇は0.01pH単位~2.0pH単位であってよい。ある実施形態では、pHの上昇は0.01pH単位~1.0pH単位であってよい。ある実施形態では、pHの上昇は0.01pH単位~0.5pH単位であってよい。ある実施形態では、pHの上昇は0.01pH単位~0.4pH単位であってよい。ある実施形態では、pHの上昇は0.01pH単位~0.3pH単位であってよい。ある実施形態では、pHの上昇は0.01pH単位~0.2pH単位であってよい。ある実施形態では、pHの上昇は0.01pH単位~0.1pH単位であってよい。
【0215】
一部の実施形態では、pHの上昇は、本明細書に記載の組成物の任意の1つを頂端に添加することによるものである。
【0216】
一部の実施形態では、ASLのpHの上昇は、頂端溶液のアルカリ化に関連する。一部の実施形態では、頂端溶液のアルカリ化は重炭酸イオン依存性である。一部の実施形態では、頂端チャンバのアルカリ化の増進は、側底の重炭酸イオンの存在下で生じる。
【0217】
一部の実施形態では、ASLのpHの上昇は、CFTR活性/表面への輸送を高める又は膜完全性を破壊することによるものではない。
【0218】
ある実施形態では、AmBとコレステロールは、約1:3~約1:15の範囲のモル比で存在する。
【0219】
ある実施形態では、AmBとコレステロールは、約1:4~約1:12の範囲のモル比で存在する。
【0220】
ある実施形態では、AmBとコレステロールは、約1:5~約1:10の範囲のモル比で存在する。
【0221】
AmBとコレステロールは、AmBのコレステロールに対するあるモル比で存在する。ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:6~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:7~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:8~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:9~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:10~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:11~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:12~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:13~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:14~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:15~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:16~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:17~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:18~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:19~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:20~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:21~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:22~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:23~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:24~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:25~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:26~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:27~約1:28である。ある実施形態では、モル比は約1:29~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:30~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:31~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:32~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:33~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:34~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:35~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:36~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:37~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:38~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:39~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:40~約1:50である。
【0222】
ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:6~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:7~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:8~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:9~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:10~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:11~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:12~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:13~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:14~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:15~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:16~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:17~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:18~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:19~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:20~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:21~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:22~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:23~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:24~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:25~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:26~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:27~約1:28である。ある実施形態では、モル比は約1:29~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:30~約1:40である。
【0223】
ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:6~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:7~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:8~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:9~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:10~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:11~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:12~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:13~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:14~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:15~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:16~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:17~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:18~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:19~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:20~約1:30である。
【0224】
ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:6~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:7~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:8~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:9~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:10~約1:20である。
【0225】
ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:10である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:10である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:10である。
【0226】
さらに別の実施形態では、そのモル比はさらに高くてよく、約1:1程度、又は10:1程度であってもよい。
【0227】
ある実施形態では、AmBとコレステロールは複合体として存在する。
【0228】
ある実施形態では、組成物は全身投与される。
【0229】
ある実施形態では、組成物は静脈内投与される。
【0230】
ある実施形態では、組成物は対象の気道に投与される。例えば、気管支肺胞洗浄(BAL)によって又はエアロゾルによって、組成物を対象の気道に投与することができる。本明細書で用いられる「対象の気道」とは、以下の肺構造の任意のもの又は全てを指す:気管、気管支、細気管支、肺胞。ある実施形態では、対象の気道は、いわゆる誘導気道、すなわち以下の肺構造の任意のもの又は全てを指す:気管、気管支、及び細気管支。
【0231】
ある実施形態では、組成物は、エアロゾルとして対象の気道に投与される。
【0232】
本発明の1つの態様は、嚢胞性線維症を有する対象において気道表面液のpHを高める方法であって、嚢胞性線維症を有する対象に、(i)C3-デオキシアムホテリシンB(C3deOAmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物と、(ii)コレステロールとを含む複合体の治療有効量を投与し、それによって嚢胞性線維症を有する対象において気道表面液のpHを高めることを含む方法である。
【0233】
本発明の1つの態様は、嚢胞性線維症を有する対象において気道表面液のpHを高める方法であって、嚢胞性線維症を有する対象に、(i)C3-デオキシアムホテリシンB(C3deOAmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、及び(ii)コレステロールを含む組成物の治療有効量を投与し、それによって嚢胞性線維症を有する対象において気道表面液のpHを高めることを含む方法である。
【0234】
ある実施形態では、組成物は、(i)C3deOAmB又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、及び(ii)コレステロールからなり、C3deOAmBのコレステロールに対するモル比は1:2.6~約1:50の範囲である。
【0235】
ある実施形態では、組成物は、(i)C3deOAmB又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、及び(ii)コレステロールから本質的になり、C3deOAmBのコレステロールに対するモル比は1:2.6~約1:50の範囲である。
【0236】
ある実施形態では、C3deOAmBとコレステロールは、約1:3~約1:15の範囲のモル比で存在する。
【0237】
ある実施形態では、C3deOAmBとコレステロールは、約1:4~約1:12の範囲のモル比で存在する。
【0238】
ある実施形態では、C3deOAmBとコレステロールは、約1:5~約1:10の範囲のモル比で存在する。
【0239】
C3deOAmBとコレステロールは、C3deOAmBのコレステロールに対するあるモル比で存在する。ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:6~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:7~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:8~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:9~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:10~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:11~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:12~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:13~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:14~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:15~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:16~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:17~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:18~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:19~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:20~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:21~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:22~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:23~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:24~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:25~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:26~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:27~約1:28である。ある実施形態では、モル比は約1:29~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:30~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:31~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:32~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:33~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:34~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:35~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:36~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:37~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:38~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:39~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:40~約1:50である。
【0240】
ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:6~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:7~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:8~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:9~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:10~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:11~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:12~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:13~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:14~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:15~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:16~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:17~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:18~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:19~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:20~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:21~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:22~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:23~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:24~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:25~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:26~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:27~約1:28である。ある実施形態では、モル比は約1:29~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:30~約1:40である。
【0241】
ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:6~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:7~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:8~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:9~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:10~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:11~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:12~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:13~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:14~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:15~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:16~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:17~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:18~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:19~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:20~約1:30である。
【0242】
ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:6~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:7~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:8~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:9~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:10~約1:20である。
【0243】
ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:10である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:10である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:10である。
【0244】
さらに別の実施形態では、そのモル比はさらに高くてよく、約1:1程度、又は10:1程度であってもよい。
【0245】
ある実施形態では、C3deOAmBとコレステロールは複合体として存在する。
【0246】
ある実施形態では、組成物は全身投与される。
【0247】
ある実施形態では、組成物は静脈内投与される。
【0248】
ある実施形態では、組成物は対象の気道に投与される。例えば、気管支肺胞洗浄(BAL)によって又はエアロゾルによって、組成物を対象の気道に投与することができる。本明細書で用いられる「対象の気道」とは、以下の肺構造の任意のもの又は全てを指す:気管、気管支、細気管支、肺胞。ある実施形態では、対象の気道は、いわゆる誘導気道、すなわち以下の肺構造の任意のもの又は全てを指す:気管、気管支、及び細気管支。
【0249】
ある実施形態では、組成物は、エアロゾルとして対象の気道に投与される。
【0250】
本発明の1つの態様は、嚢胞性線維症を有する対象において気道表面液のpHを高める方法であって、嚢胞性線維症を有する対象に、(i)アムホテリシンB(AmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物と、(ii)エルゴステロールとを含む複合体の治療有効量を投与し、それによって嚢胞性線維症を有する対象において気道表面液のpHを高めることを含む方法である。
【0251】
本発明の1つの態様は、嚢胞性線維症を有する対象において気道表面液のpHを高める方法であって、嚢胞性線維症を有する対象に、(i)アムホテリシンB(AmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、及び(ii)エルゴステロールを含む組成物の治療有効量を投与し、それによって嚢胞性線維症を有する対象において気道表面液のpHを高めることを含む方法である。
【0252】
ある実施形態では、組成物は、(i)アムホテリシンB(AmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、及び(ii)エルゴステロールからなり、AmBのエルゴステロールに対するモル比は1:2.6~約1:50の範囲である。
【0253】
ある実施形態では、、組成物は、(i)アムホテリシンB(AmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、及び(ii)エルゴステロールから本質的になり、AmBのエルゴステロールに対するモル比は1:2.6~約1:50の範囲である。
【0254】
ある実施形態では、AmBとエルゴステロールは、約1:3~約1:15の範囲のモル比で存在する。
【0255】
ある実施形態では、AmBとエルゴステロールは、約1:4~約1:12の範囲のモル比で存在する。
【0256】
ある実施形態では、AmBとエルゴステロールは、約1:5~約1:10の範囲のモル比で存在する。
【0257】
AmBとエルゴステロールは、AmBのエルゴステロールに対するあるモル比で存在する。ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:6~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:7~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:8~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:9~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:10~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:11~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:12~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:13~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:14~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:15~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:16~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:17~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:18~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:19~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:20~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:21~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:22~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:23~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:24~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:25~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:26~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:27~約1:28である。ある実施形態では、モル比は約1:29~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:30~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:31~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:32~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:33~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:34~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:35~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:36~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:37~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:38~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:39~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:40~約1:50である。
【0258】
ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:6~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:7~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:8~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:9~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:10~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:11~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:12~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:13~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:14~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:15~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:16~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:17~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:18~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:19~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:20~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:21~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:22~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:23~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:24~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:25~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:26~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:27~約1:28である。ある実施形態では、モル比は約1:29~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:30~約1:40である。
【0259】
ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:6~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:7~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:8~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:9~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:10~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:11~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:12~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:13~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:14~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:15~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:16~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:17~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:18~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:19~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:20~約1:30である。
【0260】
ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:6~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:7~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:8~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:9~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:10~約1:20である。
【0261】
ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:10である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:10である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:10である。
【0262】
さらに別の実施形態では、そのモル比はさらに高くてよく、約1:1程度、又は10:1程度であってもよい。
【0263】
ある実施形態では、AmBとエルゴステロールは複合体として存在する。
【0264】
ある実施形態では、組成物は全身投与される。
【0265】
ある実施形態では、組成物は静脈内投与される。
【0266】
ある実施形態では、組成物は対象の気道に投与される。例えば、気管支肺胞洗浄(BAL)によって又はエアロゾルによって、組成物を対象の気道に投与することができる。本明細書で用いられる「対象の気道」とは、以下の肺構造の任意のもの又は全てを指す:気管、気管支、細気管支、肺胞。ある実施形態では、対象の気道は、いわゆる誘導気道、すなわち以下の肺構造の任意のもの又は全てを指す:気管、気管支、及び細気管支。
【0267】
ある実施形態では、組成物は、エアロゾルとして対象の気道に投与される。
【0268】
本発明の1つの態様は、嚢胞性線維症を有する対象において気道表面液のpHを高める方法であって、嚢胞性線維症を有する対象に、(i)C3-デオキシアムホテリシンB(C3deOAmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物と、(ii)エルゴステロールとを含む複合体の治療有効量を投与し、それによって嚢胞性線維症を有する対象において気道表面液のpHを高めることを含む方法である。
【0269】
本発明の1つの態様は、嚢胞性線維症を有する対象において気道表面液のpHを高める方法であって、嚢胞性線維症を有する対象に、(i)C3-デオキシアムホテリシンB(C3deOAmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、及び(ii)エルゴステロールを含む組成物の治療有効量を投与し、それによって嚢胞性線維症を有する対象において気道表面液のpHを高めることを含む方法である。
【0270】
ある実施形態では、組成物は、(i)C3deOAmB又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、及び(ii)エルゴステロールからなり、C3deOAmBのエルゴステロールに対するモル比は1:2.6~約1:50の範囲である。
【0271】
ある実施形態では、組成物は、(i)C3deOAmB又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、及び(ii)エルゴステロールから本質的になり、C3deOAmBのエルゴステロールに対するモル比は1:2.6~約1:50の範囲である。
【0272】
ある実施形態では、C3deOAmBとエルゴステロールは、約1:3~約1:15の範囲のモル比で存在する。
【0273】
ある実施形態では、C3deOAmBとエルゴステロールは、約1:4~約1:12の範囲のモル比で存在する。
【0274】
ある実施形態では、C3deOAmBとエルゴステロールは、約1:5~約1:10の範囲のモル比で存在する。
【0275】
C3deOAmBとエルゴステロールは、C3deOAmBのエルゴステロールに対するあるモル比で存在する。ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:6~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:7~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:8~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:9~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:10~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:11~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:12~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:13~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:14~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:15~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:16~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:17~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:18~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:19~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:20~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:21~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:22~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:23~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:24~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:25~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:26~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:27~約1:28である。ある実施形態では、モル比は約1:29~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:30~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:31~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:32~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:33~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:34~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:35~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:36~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:37~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:38~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:39~約1:50である。ある実施形態では、モル比は約1:40~約1:50である。
【0276】
ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:6~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:7~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:8~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:9~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:10~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:11~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:12~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:13~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:14~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:15~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:16~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:17~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:18~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:19~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:20~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:21~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:22~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:23~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:24~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:25~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:26~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:27~約1:28である。ある実施形態では、モル比は約1:29~約1:40である。ある実施形態では、モル比は約1:30~約1:40である。
【0277】
ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:6~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:7~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:8~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:9~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:10~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:11~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:12~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:13~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:14~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:15~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:16~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:17~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:18~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:19~約1:30である。ある実施形態では、モル比は約1:20~約1:30である。
【0278】
ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:6~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:7~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:8~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:9~約1:20である。ある実施形態では、モル比は約1:10~約1:20である。
【0279】
ある実施形態では、モル比は約1:3~約1:10である。ある実施形態では、モル比は約1:4~約1:10である。ある実施形態では、モル比は約1:5~約1:10である。
【0280】
さらに別の実施形態では、そのモル比はさらに高くてよく、約1:1程度、又は10:1程度であってもよい。
【0281】
ある実施形態では、C3deOAmBとエルゴステロールは複合体として存在する。
【0282】
ある実施形態では、組成物は全身投与される。
【0283】
ある実施形態では、組成物は静脈内投与される。
【0284】
ある実施形態では、組成物は対象の気道に投与される。例えば、気管支肺胞洗浄(BAL)によって又はエアロゾルによって、組成物を対象の気道に投与することができる。本明細書で用いられる「対象の気道」とは、以下の肺構造の任意のもの又は全てを指す:気管、気管支、細気管支、肺胞。ある実施形態では、対象の気道は、いわゆる誘導気道、すなわち以下の肺構造の任意のもの又は全てを指す:気管、気管支、及び細気管支。
【0285】
ある実施形態では、組成物は、エアロゾルとして対象の気道に投与される。
【0286】
別の態様では、嚢胞性線維症を有する対象において気道表面液中の重炭酸イオンを増加させる方法であって、嚢胞性線維症を有する対象に、治療有効量のアムホテリシンB(AmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物を投与し、それによって嚢胞性線維症を有する対象において気道表面液中の重炭酸イオンを増加させることを含む方法を提供する。
【0287】
ある実施形態では、組成物は全身投与される。
【0288】
ある実施形態では、組成物は静脈内投与される。
【0289】
ある実施形態では、組成物は対象の気道に投与される。
【0290】
ある実施形態では、組成物は、エアロゾルとして対象の気道に投与される。
【0291】
前述した各実施形態に従い、ある実施形態では、対象はヒトである。
【0292】
前述した各実施形態に従い、ある実施形態では、対象は12歳未満である。
【0293】
前述した各実施形態に従い、ある実施形態では、対象は12歳以上である。例えば、ある実施形態では、対象は少なくとも12~約16歳である。ある他の実施形態では、対象は約16~約24歳である。ある他の実施形態では、対象は約24~約30歳である。ある他の実施形態では、対象は約30~約40歳である。ある他の実施形態では、対象は約40~約50歳である。ある他の実施形態では、対象は約50~約60歳であるある他の実施形態では、対象は約60~約70歳である。ある他の実施形態では、対象は約70~約80歳である。
【0294】
一部の実施形態では、本明細書に記載の任意の方法は頂端膜を透過性にする。一部の実施形態では、本明細書に記載の任意の方法は、プロトンに対して頂端膜を透過性にする。一部の実施形態では、本明細書に記載の任意の方法は、重炭酸陰イオンに対して頂端膜を透過性にする。
【0295】
CF患者において1900を超える異なるCFTR突然変異が見いだされ、そのうち数百は、少なくとも5つの異なる機能損失機序を介して疾患を引き起こすことが確認されている。CFTRの特定の突然変異型に結合することによってその活性を高める遺伝子型特異的小分子薬剤の開発における近年の重要な進歩がある。しかしながら、全CF患者のほぼ半数は、現在の小分子治療に反応しないCFTR遺伝子型を有する。これらは、機能的CFTRタンパク質の完全な損失をもたらす主要なトランケーション、及び機能欠損の機構的な基礎が不明である非常に稀少な突然変異を含む。
【0296】
一部の実施形態では、本明細書に記載の任意の方法は、クラスI、II、III、IV、V、VI、U、及びそれらの組合せからなる群より選択される嚢胞性線維症の突然変異クラスを治療する。一部の実施形態では、突然変異クラスは、I/I、II/II、II/U、及びU/IIIからなる群より選択される。
【0297】
一部の実施形態では、本明細書に記載の任意の方法は、嚢胞性線維症の特定の遺伝子型を治療する。一部の実施形態では、遺伝子型は、ΔF508/ΔF508、R553X/E60X、ΔF508/1717-1G→A、ΔF508/c.2052dupA、D293G/V520F、及びG551Dからなる群より選択される。
【0298】
一部の実施形態では、本明細書に記載の任意の方法は遺伝子型非依存性治療である。
【0299】
本明細書で用いられる語句「遺伝子型非依存性」又は「遺伝子型寛容」は、CFにおけるCFTR発現の減少及びCFTR機能の低下の根底にある遺伝子突然変異の正確な性質に無関係である任意の治療を意味する。
【0300】
一部の実施形態では、本明細書に記載の任意の方法は、難治性又は抵抗性の嚢胞性線維症を治療する。一部の実施形態では、嚢胞性線維症は、1つ以上の嚢胞性線維症治療(例えば、イバカフトル)に対して難治性又は抵抗性である。
【0301】
製剤
本発明の製剤は、薬学的に許容される濃度の塩、緩衝剤、保存剤、適合性の担体、アジュバント、及び任意選択で他の治療成分を通常含みうる薬学的に許容される溶液で投与してよい。
【0302】
アムホテリシンBは、デオキシコール酸塩製剤、及び脂質(リポソームを含む)製剤などの、多くの製剤で市販されている。本発明の目的のために、AmBは、典型的にはコレステロールと共に製剤化される。ある実施形態では、そのような製剤は、AmBとコレステロールとの間で形成された複合体を含む。ある他の実施形態では、AmBは、典型的にはエルゴステロールと共に製剤化される。ある実施形態では、そのような製剤は、AmBとエルゴステロールとの間で形成された複合体を含む。
【0303】
治療での使用に関して、有効量の本発明の活性化合物又は組成物は、所望の場所又は表面に化合物又は組成物を送達する任意の用法で対象に投与されうる。本発明の医薬組成物の投与は、当業者に知られている任意の手段によって達成されうる。投与経路としては、経口、静脈内、筋肉内、腹腔内、皮下、直接注入(例えば、腫瘍又は膿瘍内)、粘膜、吸入、及び局所が挙げられるが、これらに限定されない。
【0304】
ある好ましい実施形態では、化合物又は組成物は全身投与される。ある好ましい実施形態では、化合物又は組成物は静脈内投与される。
【0305】
ある好ましい実施形態では、化合物又は組成物は気道に投与される。ある好ましい実施形態では、化合物又は組成物はエアロゾルとして気道に投与される。
【0306】
凍結乾燥製剤は、通常、投与の直前に、例えば滅菌水又は生理食塩水などの適切な水溶液中に再構成される。
【0307】
活性化合物を当技術分野で周知の薬学的に許容される担体と組み合わせることによって、経口投与用に化合物(すなわち、本発明の化合物、及び他の治療剤)を容易に製剤化することができる。そのような担体は、本発明の化合物を、治療対象による経口摂取のために、錠剤、丸薬、糖衣錠、カプセル、液体、ゲル、シロップ剤、スラリー、懸濁液などとして製剤化することを可能にする。経口用途のための医薬調製物は、固体の賦形剤として得ることができ、任意選択で、得られた混合物を粉砕し、必要に応じて適切な助剤を加えた後、顆粒の混合物を加工して、錠剤又は糖衣錠のコアを得る。適切な賦形剤としては、特に、ラクトース、スクロース、マンニトール、又はソルビトールを含む糖類などの充填剤;例えば、トウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントガム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及び/又はポリビニルピロリドン(PVP)などのセルロース調製物などがある。必要に応じて、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、又はアルギン酸若しくはその塩(例えばアルギン酸ナトリウム)などの崩壊剤を加えてもよい。任意選択で、経口製剤は、生理食塩水、又は例えば内部の酸性状態を中和するためのEDTAなどの緩衝液中に製剤化してよく、或いはいずれの担体も使用せずに投与してもよい。
【0308】
上記の1種類以上の成分の経口剤形もまた具体的に予定されている。1種類以上の成分を、誘導体の経口送達が有効になるように化学的に修飾してもよい。一般に、考えられる化学的修飾は、成分分子自体への少なくとも1つの部分の付加であり、その部分は、(a)酸加水分解の抑制;及び(b)胃又は腸から血流への取り込みを可能にする。1種類以上の成分の全体的な安定性の向上、及び体内における循環時間の増加もまた所望される。このような部分の例として、ポリエチレングリコール、エチレングリコールとプロピレングリコールの共重合体、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びポリプロリンなどが挙げられる。Abuchowski and Davis, “Soluble Polymer-Enzyme Adducts”, In: Enzymes as Drugs, Hocenberg and Roberts, eds., Wiley-Interscience, New York, N.Y., pp. 367-383 (1981); Newmark et al., J Appl Biochem 4:185-9 (1982)。使用可能な他のポリマーは、ポリ-1,3-ジオキソラン及びポリ-1,3,6-チオキソカンである。医薬用途に好ましいものは、前述の通り、ポリエチレングリコール部分である。
【0309】
成分(又は誘導体)について、放出場所は、胃、小腸(十二指腸、空腸、又は回腸)、又は大腸であってよい。当業者は、胃内では溶解しないで、十二指腸又は腸の他の場所において物質を放出する利用可能な製剤を有する。好ましくは、放出は、本発明の化合物(又は誘導体)の保護によって、或いは例えば腸におけるなど胃内環境を過ぎてからの生物活性物質の放出によってのいずれかにより、胃内環境の有害な影響を回避する。
【0310】
十分な胃耐性を確実にするためには、少なくともpH5.0に対して非浸透性のコーティングが必須である。腸溶性コーティングとして用いられるより一般的な不活性成分の例は、トリメリト酸酢酸セルロース(CAT)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、HPMCP 50、HPMCP 55、ポリビニルアセテートフタレート(PVAP)、Eudragit L30D、Aquateric、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、Eudragit L、Eudragit S、及びシェラックである。これらのコーティングは、混合膜として使用してもよい。
【0311】
コーティング又はコーティング混合物は、胃に対する保護が意図されていない錠剤でも使用することができる。このコーティングには、糖衣、或いは錠剤をより飲み込み易くするコーティングが含まれうる。カプセルは、乾燥治療薬(例えば粉末)の送達用の硬質シェル(ゼラチンなど)で構成されうる;液体形態については、軟質ゼラチンシェルが使用されうる。カシェ剤のシェル材料は、濃デンプン又は他の食用紙であってよい。丸薬、トローチ剤、成形錠剤又は湿製錠剤については、湿式塊化法(moist massing techniques)を使用することができる。
【0312】
治療薬を、粒径約1mmの顆粒又はペレットの形態の細かい多微粒子として、製剤中に含めてもよい。カプセル投与用の物質の製剤は、粉末、軽度に圧縮されたプラグ(lightly compressed plugs)、又は錠剤であってもよい。治療薬は、圧縮によって調製することができる。
【0313】
着色剤及び香味剤は全て含めてよい。例えば、本発明の化合物(又は誘導体)を(リポソーム又はマイクロスフィアのカプセル化などにより)製剤化し、次いで、着色剤及び香味剤を含有する冷蔵飲料などの可食製品内にさらに含めてよい。
【0314】
不活性物質を用いて、治療薬を希釈し又はその容積を増加させてもよい。これらの希釈剤としては、特に、マンニトール、α-ラクトース、無水乳糖、セルロース、スクロース、改質デキストラン及びデンプンなどの炭水化物が挙げられる。特定の無機塩を充填剤として使用してもよく、例えば三リン酸カルシウム、炭酸マグネシウム及び塩化ナトリウムなどが含まれる。幾つかの市販の希釈剤としては、ファスト-フロ(Fast-Fro)、エムデックス(Emdex)、STA-Rx 1500、エンコンプレス(Emcompress)及びアビセル(Avicell)がある。
【0315】
治療薬を固体剤形に製剤化する際に崩壊剤を含めてよい。崩壊剤として使用される物質には、限定はされないがデンプンが含まれ、デンプンをベースとした市販の崩壊剤であるエキスプロタブが挙げられる。デンプングリコール酸ナトリウム、アンバーライト、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ウルトラミロペクチン、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、オレンジピール、酸型カルボキシメチルセルロース、天然のスポンジ及びベントナイトは、すべて使用されうる。崩壊剤の別の形態は、不溶性陽イオン交換樹脂である。粉末状ガムは、崩壊剤として及び結合剤として使用することができ、寒天、カラヤ又はトラガカントなどの粉末状ガムが挙げられる。アルギン酸及びそのナトリウム塩も崩壊剤として有用である。
【0316】
硬質の錠剤を形成するために治療剤を結合させるのに結合剤を使用してよく、結合剤として、アカシア、トラガカント、デンプン及びゼラチンなどの天然物由来の材料が挙げられる。他には、メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)及びカルボキシメチルセルロース(CMC)などが挙げられる。ポリビニルピロリドン(PVP)及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)は両方とも、治療薬を粒状にするためにアルコール溶液中において使用されうる。
【0317】
抗摩擦剤(anti-frictional agent)は、製剤プロセス中の接着を防止するために治療薬の製剤中に含めてよい。潤滑剤は、治療薬とダイ壁との間の層として使用してよく、これらには、ステアリン酸並びにそのマグネシウム及びカルシウム塩、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、液体パラフィン、植物油及びワックスが含まれるが、これらに限られない。ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、さまざまな分子量のポリエチレングリコール、Carbowax 4000及び6000などの可溶性の潤滑剤も使用してよい。
【0318】
製剤化中の薬物の流動特性を改善し、圧縮中の再配列を補助しうる滑剤を添加してもよい。滑剤としては、デンプン、タルク、焼成シリカ及びケイ酸アルミニウム水和物(hydrated silicoaluminate)が挙げられる。
【0319】
水性環境中への治療薬の溶解を補助するために、サーファクタントを湿潤剤として添加してもよい。サーファクタントとしては、ラウリル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム及びスルホン酸ジオクチルナトリウムなどの陰イオン性界面活性剤が挙げられる。使用可能な陽イオン性界面活性剤としては、塩化ベンザルコニウム及び塩化ベンゼトニウムが挙げられる。製剤にサーファクタントとして含まれるうる非イオン性界面活性剤としては、ラウロマクロゴール400、ステアリン酸ポリオキシル40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油10、50及び60、モノステアリン酸グリセリル、ポリソルベート40、60、65及び80、スクロース脂肪酸エステル、メチルセルロース、並びにカルボキシメチルセルロースが挙げられる。これらのサーファクタントは、本発明の化合物又は誘導体の製剤中に、単独で、又はさまざまな比率の混合物として、存在しうる。
【0320】
経口的に用いることができる医薬製剤として、ゼラチンで作られた押し込み式(push-fit)カプセル、並びに、ゼラチン、及びグリセロール又はソルビトールなどの可塑剤で作られた軟質の密封カプセルが挙げられる。押し込み式カプセルは、ラクトースなどの充填剤、デンプンなどの結合剤、及び/又は、タルク又はステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、並びに、任意選択で安定剤と混合して、活性成分を含みうる。軟質カプセルでは、活性化合物は、脂肪油、液体パラフィン、又は液体ポリエチレングリコールなどの適切な液体に溶解又は懸濁されうる。さらに、安定剤を添加してもよい。経口投与用に製剤化されたマイクロスフィアも使用してよい。このようなマイクロスフィアは、当技術分野で十分に定義されている。経口投与用のすべての製剤は、そのような投与に適した用量であろう。
【0321】
口腔内投与用に、組成物は、従来のやり方で製剤化された錠剤又はトローチ剤の形態をとりうる。
【0322】
吸入による投与のために、本発明に従う使用のための化合物及び組成物は、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素又は他の適切なガスなどの適切な推進剤を使用して、加圧されたパック又は噴霧器から、エアロゾルスプレー形態で便利に送達させることができる。加圧エアロゾルの場合には、用量単位は、定量を送達するための弁を設けることによって決定されうる。吸入器又は吹き付け器で使用するための例えばゼラチンのカプセル及びカートリッジは、化合物と、ラクトース又はデンプンなどの適切な粉末基剤との粉末混合物を含むように調合されうる。
【0323】
本発明の化合物(又はその誘導体)の肺送達もまた、本明細書において予定されている。本発明の化合物(又は誘導体)は、吸入する間に、哺乳動物の肺に送達され、肺上皮の内膜を横断して血流へと移動する。吸入分子の他の報告として、Adjei et al., Pharm Res 7:565-569(1990);Adjei et al., Int J Pharmaceutics 63:135-144(1990)(酢酸リュープロリド);Braquet et al., J Cardiovasc Pharmacol 13(suppl. 5):143-146(1989)(エンドセリン-1);Hubbard et al., Annal Int Med 3:206-212(1989)(α1-アンチトリプシン);Smith et al., 1989, J Clin Invest 84:1145-1146(a-1-プロテイナーゼ);Oswein et al., 1990, “Aerozolization of proteins”, Proceedings of Symposium on Respiratory Drug Derivery II, Keystone, Colorado, March(組換えヒト成長ホルモン);Debs et al., 1988, J Immunol 140:3482-3488(インターフェロン-γ及び腫瘍壊死因子α)、及び、Platzらの米国特許第5,284,656号明細書(顆粒球コロニー刺激因子)が挙げられる。全身作用のための薬物の肺送達の方法及び組成物は、1995年9月19日にWongらに発行された米国特許第5,451,569号明細書(参照により取り込まれる)に記載されている。
【0324】
噴霧器、定量吸入器、及び粉末吸入器を含むがそれらに限定されない、治療薬品の肺送達用に設計された広範な機械装置が、本発明の実施での使用に予定されており、それらのすべてが当業者によく知られている。
【0325】
本発明の実施に適した市販の装置の幾つかの具体例としては、米国ミズーリ州セントルイス所在のMallinckrodt, Inc.社製のUltravent噴霧器;米国コロラド州エングルウッド所在のMarquest Medical Products社製のAcorn II噴霧器;米国ノースカロライナ州リサーチ・トライアングル・パーク所在のGlaxo Inc.社製のベントリン定量吸入器;及び、米国マサチューセッツ州ベッドフォード所在のFisons Corp.社製のSpinhaler粉末吸入器がある。
【0326】
このような装置はすべて、本発明の化合物(又は誘導体)の投薬に適した製剤の使用を必要とする。典型的には、各製剤は、用いられる装置の種類に特有であり、治療に有用な通常の希釈剤、アジュバント、及び/又は担体に加えて、適切な推進用物質の使用も含んでいてよい。また、リポソーム、マイクロカプセル又はマイクロスフィア、包接複合体、又は他の種類の担体の使用も予定されている。化学的に修飾された本発明の化合物もまた、化学的修飾の種類又は用いられる装置の種類に応じて、さまざまな製剤に調製されうる。
【0327】
ジェット式又は超音波式の噴霧器とともに使用するのに適した製剤は、典型的には、溶液1mLあたり約0.1~25mgの生物学的に活性な本発明の化合物の濃度で水に溶解した本発明の化合物(又は誘導体)を含む。製剤はまた、緩衝剤及び単糖も含みうる(例えば本発明の化合物の安定化及び浸透圧の調節のため)。噴霧製剤はまた、エアロゾルを形成する際に溶液の微粒子化により生じる本発明の化合物の表面誘導性凝集を低減又は防ぐために、サーファクタントを含んでいてよい。
【0328】
定量吸入デバイスとともに使用する製剤は、一般に、サーファクタントの助けを借りて推進剤に懸濁された本発明の化合物(又は誘導体)を含む微細化された粉末を含む。推進剤は、クロロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、若しくは、トリクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタノール、及び1,1,1,2-テトラフルオロエタン、又はそれらの組合せを含む炭化水素など、この目的に用いられる通常の材料であってよい。適切なサーファクタントとしては、ソルビタントリオレエート及び大豆レシチンが挙げられる。オレイン酸もまた、サーファクタントとして有用である。
【0329】
粉末吸入デバイスから投薬するための製剤は、本発明の化合物(又は誘導体)を含む微細化された乾燥粉末を含み、またラクトース、ソルビトール、スクロース、又はマンニトールなどの増量剤も、例えば製剤の50~90質量%など、装置からの粉末の分散を促進する量で含んでいてよい。本発明の化合物(又は誘導体)は、有利には、肺深部への最も有効な送達のために、10マイクロメートル(μm)未満、最も好ましくは0.5~5μmの平均粒径を有する微粒子の形態に調製されるであろう。
【0330】
本発明の医薬組成物の経鼻送達もまた予定されている。経鼻送達は、肺での薬品の堆積の必要なしに、鼻への治療薬品の投与後直接、血流への本発明の医薬組成物の通過を可能にする。経鼻送達用の製剤としては、デキストラン又はシクロデキストランを用いたものが挙げられる。
【0331】
経鼻投与用に、有用な装置は、定量噴霧器が取り付けられた小さい硬質のボトルである。一実施形態では、溶液中の本発明の医薬組成物を容積が画定されたチャンバ内へと引き込むことによって定量が送達され、このチャンバは、チャンバ内の液体が圧縮されたときに噴霧を形成することによってエアロゾル製剤をエアロゾル化するように寸法化された開口部を有する。チャンバは圧縮されて本発明の医薬組成物を投与する。特定の実施形態では、チャンバはピストン構成である。このような装置は市販されている。
【0332】
あるいは、スクイズされたときに噴霧を形成することによってエアロゾル製剤をエアロゾル化するように寸法化された開口部又は開口を備えたプラスチックのスクイズボトルが用いられる。開口は、通常、ボトルの頂部に設けられ、この頂部は、概して、エアロゾル製剤の効率的な投与のために、鼻道に部分的に適合するようにテーパ状になっている。好ましくは、鼻吸入器は、薬物の定量投与のために、定量のエアロゾル製剤を供給する。
【0333】
化合物は、その全身送達が望ましい場合には、例えばボーラス注入又は持続注入などの注入による非経口投与用に製剤化されうる。注入用製剤は、例えば、保存剤が添加された、アンプル又は多回投与用容器などの単位投薬形態で存在しうる。組成物は、油性または水性ビヒクル中の懸濁液、溶液又はエマルションなどの形態をとってよく、懸濁剤、安定剤及び/又は分散剤などの製剤化剤(formulatory agents)を含んでいてよい。
【0334】
非経口投与用の医薬製剤には、水溶性形態の活性化合物の水溶液が含まれる。加えて、活性化合物の懸濁液は、適切な油性注射用懸濁液として調製されうる。適切な親油性溶媒又はビヒクルとしては、ゴマ油などの脂肪油、若しくは、オレイン酸エチル又はトリグリセリド、などの合成脂肪酸エステル、若しくは、リポソームが挙げられる。水性注射用懸濁液は、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ソルビトール、又はデキストランなど、懸濁液の粘性を高める物質も含んでいてよい。任意選択で、懸濁液は、化合物の溶解性を高めて高濃縮溶液の調製を可能にする適切な安定剤又は薬剤も含んでいてよい。
【0335】
あるいは、活性化合物は、使用前に、例えば滅菌した発熱物質を含まない水などの適切なビヒクルで再構成するための粉末の形態であってよい。
【0336】
化合物はまた、例えばココアバター又は他のグリセリドなどの従来の坐剤基剤を含む、坐剤又は停留浣腸などの直腸又は膣用組成物に製剤化してもよい。
【0337】
上述の製剤に加えて、化合物はまた、デポー製剤としても製剤化されうる。このような長時間作用型の製剤は、適切なポリマー性又は疎水性の材料(例えば許容される油中のエマルションとして)又はイオン交換樹脂を用いて、或いは例えば難溶性塩などの難溶性誘導体として製造化されうる。
【0338】
医薬組成物はまた、適切な固体又はゲル相担体又は賦形剤も含んでいてよい。このような担体又は賦形剤の例としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、さまざまな糖類、デンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、及び、ポリエチレングリコールなどのポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0339】
適切な液体又は固体の医薬製剤の形態は、例えば、吸入用の水溶液又は生理食塩水、マイクロカプセル化形態、渦巻形内包化(encochleated)形態、微細な金粒子上に被覆された形態、リポソームに内包された形態、ネブライザー投与用の形態、エアロゾル、皮膚への移植用ペレット、又は、皮膚を引っ掻くための鋭器上の乾燥形態などである。医薬組成物としては、顆粒、粉末、錠剤、コーティング錠、(マイクロ)カプセル、坐剤、シロップ剤、エマルション、懸濁液、クリーム、点滴剤、又は、活性化合物が持続放出される製剤も挙げられ、該製剤において、賦形剤及び添加剤、及び/又は、例えば、崩壊剤、結合剤、コーティング剤、膨潤剤、潤滑剤、香味剤、甘味剤又は可溶化剤などの助剤が、上述したように慣用的に用いられる。医薬組成物は、さまざまな薬物送達システムにおける使用に適している。薬物送達のための方法の簡単なレビューに関して、参照によってこの中に組み込まれるLanger R, Science 249:1527-33(1990)を参照されたい。
【0340】
本発明の化合物及び任意選択で他の治療薬は、それ自体(そのまま)で、又は薬学的に許容される塩の形態で投与されうる。医薬に用いられる場合、塩は薬学的に許容されるものであるが、薬学的に許容されない塩は、それらの薬学的に許容される塩の調製に便利に用いられうる。このような塩としては、以下の酸から調製されるものが挙げられるが、それらに限られない:塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、マレイン酸、酢酸、サリチル酸、p-トルエンスルホン酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、ギ酸、マロン酸、コハク酸、ナフタレン-2-スルホン酸、及びベンゼンスルホン酸。また、このような塩は、カルボン酸基のナトリウム、カリウム又はカルシウム塩など、アルカリ金属又はアルカリ土類塩として調製されうる。
【0341】
適切な緩衝剤として:酢酸及び塩(1~2%w/v);クエン酸及び塩(1~3%w/v);ホウ酸及び塩(0.5~2.5%w/v);並びに、リン酸及び塩(0.8~2%w/v)が挙げられる。適切な保存剤としては、塩化ベンザルコニウム(0.003~0.03%w/v);クロロブタノール(0.3~0.9%w/v);パラベン(0.01~0.25%w/v)及びチメロサール(0.004~0.02%w/v)が挙げられる。
【0342】
本発明の医薬組成物は、薬学的に許容される担体中に含まれる、有効量の本発明の化合物、及び任意選択で他の治療剤を含む。用語「薬学的に許容される担体」とは、ヒト又は他の脊椎動物への投与に適した1種類以上の適合性の固体又は液体の充填剤、希釈剤又は内包用物質を意味する。用語「担体」は、適用を容易にするために活性成分と組み合わせる、天然又は合成の有機又は無機の成分を意味する。医薬組成物の成分はまた、実質的に所望の薬剤効率を損なうような相互作用が存在しない態様で、本発明の化合物と、及び互いに、混合可能である。
【0343】
特に本発明の化合物を含むがそれに限られない治療剤を、粒子内に提供してもよい。本明細書で用いられる粒子は、ナノ粒子又はマイクロ粒子(又は、場合によっては、より大きい粒子)を意味し、該粒子は、本明細書に記載される本発明の化合物又は他の治療剤の全部又は一部で構成されうる。粒子は、腸溶性コーティングを含むがそれに限られないコーティングによって取り囲まれたコア内に、治療剤を含みうる。治療剤はまた、粒子全体に分散されてもよい。治療剤はまた、粒子内に吸着されていてもよい。粒子は、ゼロ次放出、一次放出、二次放出、遅延放出、徐放、即時放出、及びそれらのいずれかの組合せ等を含む、任意の次数の放出速度論を示しうる。粒子は、治療剤に加えて、崩壊性(erodible)、非崩壊性、生分解性、又は非生分解性の物質又はそれらの組合せを含むがそれらに限られない、薬学及び医学の分野で日常的に使用される物質を含んでいてよい。粒子は、溶液又は半固体状態である本発明の化合物を含むマイクロカプセルであってよい。粒子は、事実上、どのような形状であってもよい。
【0344】
非生分解性及び生分解性の両方のポリマー物質を、治療剤の送達のための粒子の製造に使用することができる。このようなポリマーは、天然のポリマーであっても合成のポリマーであってもよい。ポリマーは、放出が望まれる期間に基づいて選択される。特に注目される生体接着性のポリマーとしては、その教示が本明細書に援用される、Sawhney H S et al. (1993) Macromolecules 26:581-7に記載される生体内分解性のハイドロゲルが挙げられる。これらには、ポリヒアルロン酸、カゼイン、ゼラチン、グルチン、ポリ無水物、ポリアクリル酸、アルギン酸塩、キトサン、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸エチル)、ポリ(メタクリル酸ブチル)、ポリ(メタクリル酸イソブチル)、ポリ(メタクリル酸ヘキシル)、ポリ(メタクリル酸イソデシル)、ポリ(メタクリル酸ラウリル)、ポリ(メタクリル酸フェニル)、ポリ(アクリル酸メチル)、ポリ(アクリル酸イソプロピル)、ポリ(アクリル酸イソブチル)、及びポリ(アクリル酸オクタデシル)が含まれる。
【0345】
治療剤は、制御放出システム内に含まれていてもよい。用語「制御放出」は、製剤からの薬物放出の態様及びプロファイルが制御された、任意の薬物含有製剤を指すことが意図されている。これは、即時放出性、並びに非即時放出性製剤を指し、非即時放出性製剤には、徐放性及び遅延放出性の製剤が含まれるがそれらに限定されない。用語「徐放性」(「持続放出」とも称される)は、長期間にわたり薬物の逐次放出をもたらし、好ましくは、必ずというわけではないが、長期間にわたり薬物の実質的に一定の血中濃度を生じる、製剤のことを指す通常の意味で用いられる。用語「遅延放出性」は、製剤の投与と、製剤からの薬物の放出との間に時間的遅延が存在する製剤のことを指す通常の意味で用いられる。「遅延放出性」は、長期間にわたる薬物の逐次放出を含んでも含まなくてもよく、したがって、「徐放性」であってもなくてもよい。
【0346】
長期徐放性インプラントの使用は、慢性的な状態の治療に特に適するであろう。「長期」放出は、本明細書で用いられる場合、インプラントが、少なくとも7日間、好ましくは30~60日間、治療レベルの活性成分を送達するように構成され及び配置されることを意味する。長期徐放性インプラントは、当業者に広く知られており、上述の放出システムの幾つかを含む。
【0347】
用法用量
上記のように、「有効量」とは、所望の生物学的効果を達成するのに十分な量を指す。本明細書で提供される教示と併せて、さまざまな活性化合物の中から選択し、さらに効力、相対的バイオアベイラビリティ、患者の体重、有害な副作用の重症度、及び、好ましい投与方式などの因子に重み付けすることによって、有効な予防的又は治療的治療レジメンを、実質的に望ましくない毒性を生じさせずになお特定の対象を治療するのに有効となるように、計画することができる。特定の適用のための有効量は、治療される疾患又は状態、投与される本発明の特定化合物、対象のサイズ、又は、疾患又は状態の重症度などの因子に応じて変動しうる。当業者は、本発明の特定化合物及び/又は他の治療剤の有効量を、過度の実験を必要とすることなく、経験的に決定することができる。一般的に、最大用量、すなわち、幾つかの医学的判断に従った最大安全用量が用いられることが好ましい。化合物の適切な全身濃度を達成するために、1日当たり複数回の投与が予定されてもよい。適切な全身濃度は、例えば、患者における薬物のピーク又は持続細胞質濃度の測定によって、決定することができる。「投与量」及び「用量」は本明細書において交換可能に用いられる。
【0348】
一般的に、AmB(又はC3deOAmB)に関して測定した1日用量は、ヒト対象について、1日当たり約0.01mg/kg~1日当たり1000mg/kgであろう。1日当たり1又は数回の投与で0.5~50mg/kgの範囲の経口投与量は、所望の結果をもたらすと期待される。用量は、投与形態に応じて、局所又は全身の所望の薬物濃度を達成するように適切に調節されうる。例えば、静脈内投与は、1桁から数桁少ない1日当たりの投与量であることが予想される。このような投与量で対象における反応が不十分な場合には、さらに高い投与量(又は、異なるより局所的な送達経路による、効果的なより高い投与量)を、患者の耐容性が許容する程度まで用いてもよい。化合物の適切な全身濃度を達成するために、1日当たり複数回の投与が考えられる。
【0349】
一実施形態において、本発明の組成物の静脈内投与は、典型的には、AmB(又はC3deOAmB)に関して測定して0.1mg/kg/日~20mg/kg/日となりうる。従って、静脈内投与量は、AmBの最大耐量と同様であるか、又は有利にはAmBの最大耐量を超えてもよい。
【0350】
本明細書に記載の任意の化合物又は組成物に関して、治療有効量は、最初は動物モデルから特定することができる。治療有効用量はまた、ヒトにおいて試験された本発明の化合物についてのヒトデータ、及び他の関連活性薬剤などの同様の薬理学的活性を示すことが知られている化合物についてのヒトデータから決定してもよい。非経口投与には、より高い投与量が必要とされるであろう。適用される投与量は、相対的バイオアベイラビリティ及び投与される化合物の効力に基づいて調整することができる。上述の方法及び当技術分野で周知の他の方法に基づき最大効果を達成するために投与量を調整することは、十分に当業者の能力の範囲内である。
【0351】
本明細書に記載の組成物及び方法に対する他の適切な変更及び適合は、当業者に公知の情報を考慮して、本明細書に含まれる本発明の説明から容易に明らかとなり、さらに本発明又はその任意の実施形態の範囲を逸脱することなく行うことができることは関連分野の当業者に理解されるであろう。
【実施例
【0352】
これまで本発明を詳細に説明してきたが、本発明は、単なる例証の目的で本明細書に含まれ、かつ本発明の範囲を限定することが意図されていない、下記の実施例を参照することによってさらに明確に理解されるであろう。
【0353】
実施例1.AmBはCFヒト肺上皮におけるASLのpHを高める
我々は、嚢胞性線維症のための潜在的治療薬としてアムホテリシンB(AmB)の使用を既に提案し、ヒト肺上皮を透過性にしてASLの高さを高めるその能力を示してきた。我々は次に、蛍光pH指示薬を用いて、AmB処置が、多様な疾患遺伝子型を有するヒトCF肺上皮の培養においてASLのpHを高めることができるか試験した。
【0354】
気道表面液(ASL)のpHアッセイ
デキストラン、SNARF(登録商標)-1、70,000MW レシオメトリック色素(Thermo Fisher D3304)を用い、確立された蛍光色素アッセイによりASLのpHを試験した。成熟分化CuFi-1(ATCC CRL-4013)上皮単層を、Corning Costar 0.4μmトランズウェルクリアーポリエステルメンブレンセルカルチャーインサート(Corning 3470)上で増殖させた。CuFi上皮をパーフルオロ炭化水素(PFC)ビヒクル、AmB、AmB:コレステロール(Chol)、又はコレステロール(Chol)で処理し、37℃で実験の時間経過の間インキュベートした。撮像の日に、PFC中のSNARF-デキストランの懸濁液100μLを単層の頂端側に添加した。色素添加の2時間後に単層を撮像した。イメージング用の10mmのガラスボトムディッシュ Fluorodish(World Precision Instruments)上の100μLのUltroser(商標)G媒体の上に単層を置いた。40倍の水浸対物レンズでZeiss LSM 880共焦点顕微鏡において膜当たり5つの画像を撮像した。ImageJを用いてこれらの画像を解析し、各画像の緑対赤の比を決定した。pHが分かっている溶液を用いて、このシステムを用いたpH検出を校正した。
【0355】
結果
AmBは、頂端インキュベーションの48時間後にヒトCF肺上皮におけるASLのpHを約0.2pH単位高めた(図3A)。この結果は、患者ドナー遺伝子型とは全く無関係であった。
【0356】
実施例2.C35deOAmBはヒトCF肺上皮におけるASLのpHを高めない
AmBチャネルによる経上皮コンダクタンスの観察された持続的な増加は、AmBがヒト肺上皮においてイオンチャネルを形成していることの第一の証拠である。この仮説を更に考査するために、脂質膜を透過性にすることができないことが既に示されているAmBの一原子修飾変異体であるC35deOAmBを利用した。C35deOAmBは、イオンチャネルを形成できないため、ヒト肺上皮に対するAmBの観察効果がそのイオンチャネル活性により特異的に介在されるか否かを特定するための重要なプローブである。
【0357】
結果
AmBとは対照的に、C35deOAmBは試験したいずれの濃度においても、非処置対照と比較してASLのpHを高めることはできなかった(図3A)。頂端膜のAmB介在性透過化が特にこの回復を引き起こすことを実証することとして、AmBを側底面に添加したときにはASLのpHの上昇は見られなかった(図3A)。さらに、AmB処置は非CF上皮のpHに全く影響がなく(図3B)、AmBチャネルが経上皮イオン輸送に影響を与えるのにCFTRの不在により生じるイオン不均衡が必要であるという仮説を裏付ける。
【0358】
実施例3.ASLのpHのAmB介在性の上昇は膜を破壊すること又はCFTR活性を高めることによるものではない
以前記載したように、非CF(対照)及びCF初代ヒト肺上皮を調製し、in vitroで維持した。Pezzulo AA et al. (2012) Nature 487: 109-113。例えば、Karp PH et al. (2002) In Wise C., Epothelial Cell Culture Protocols, Humana Press, Inc. 188: 115-137に既に記載されているように、酵素消化により気管及び気管支から上皮細胞を単離し、コラーゲン被覆半透膜(0.6cm Millicell-PCF;Millipore,Bedford,MA)上に播種し、さらに気相液相界面(air-liquid interface)培養で増殖させた。培地は、ダルベッコ改変イーグル培地とハムF12培地の1:1混合培地(DMEM/F12)に2%Ultroser G(PALL France SAS; Saint Germain-en-Laye, France)を補足した。播種の少なくとも14日後に分化上皮を用いた。
【0359】
これらの細胞を、最終濃度2μMのAmBで48時間処理し、次いで、短絡電流の変化を測定した。代表的な結果を図4に示す。
【0360】
図に示されるように、非処理非CF初代ヒト肺上皮は、非処理CFヒト肺上皮と比較してより大きな短絡電流の変化を示した。また、図に示されるように、AmB処理CF初代ヒト肺上皮は、非処理CF初代ヒト肺上皮と比較して短絡電流の変化に有意な差はなかった。これらの結果は、AmB介在性のASLのpHの上昇が膜を破壊することによるのでもCFTR活性を高めることによるのでもないことを示唆する。
【0361】
実施例4.AmBは時間依存的様式でASLのpHを高める
AmB効果の時間的経過を、急性添加後短期間(6時間まで)及び長期間(48時間まで)の両方において試験した。AmBは、時間依存的様式でASLのpHを高め、その効果は少なくとも48時間持続した(図5A図5B)。
【0362】
実施例5.AmBはCF初代ヒト肺上皮においてASL粘度を低下させる
上記の通り、非CF(対照)及CF初代ヒト肺上皮を調製し、in vitroで維持した。Pezzulo AA et al. (2012) Nature 487: 109-113。これらの細胞を、最終濃度2μMのAmBで48時間処理し、次いでASLの粘度を測定した。代表的な結果を図6に示す。
【0363】
図に示されるように、未処理CF初代ヒト肺上皮は、未処理非CF初代ヒト肺上皮と比較して有意に高められたASLの粘度を有していた。また、図に示されるように、AmB処理CF初代ヒト肺上皮は、未処理CF初代ヒト肺上皮と比較して有意に低減されたASL粘度を有し、さらに非CF初代ヒト肺上皮とほぼ同じであった。これらの結果は、患者サンプルの遺伝子型に無関係であった。
【0364】
実施例6.AmBはCF初代ヒト肺上皮におけるASLの殺菌性を高める
上記の通り、CF初代ヒト肺上皮を調製し、in vitroで維持した。Pezzulo AA et al. (2012) Nature 487: 109-113。これらの細胞を、最終濃度2μMのAmB又はC35deOAmBで1分間処理し、その後洗浄し、48時間培養して維持し、次いで殺菌性を測定した。代表的な結果を図7に示す。
【0365】
図に示されるように、殺菌割合(%)はAmBへの曝露で約25%から約40%に増加した(p<0.0001)。また、図に示されるように、殺菌割合(%)はC35deOAmBへの曝露では対象から有意に変化しなかった。これらの結果は患者サンプルの遺伝子型に無関係であった。
【0366】
実施例7.AmBは濃度依存的様式でASLのpHを高める
AmB用量の範囲を、溶解性の限度であるPFC中の100μM懸濁液まで試験した。AmBは用量依存的様式でASLのpHを高めることが分かった。pHは、PFC中の2μM懸濁液までの用量で増加した。しかしながら、この効果はその後低下し始め25μM及びそれ以上では開始pHよりも約0.05pH単位まで下がった(図8)。標的組織における薬剤の濃度を厳密に制御することは非常に挑戦的となりうるため、高濃度でのこの急激な効果の低下は、この戦略の臨床適用への潜在的限界を示す。
【0367】
実施例8.AmB:コレステロールの予備形成(pre-formed)複合体はAmBがASLのpHを回復させる濃度領域を広げる
我々は次に、AmBのコレステロールとの予備複合体化が、より高いAmB濃度でのpH回復の低減を推進させうるあるタイプのAmB介在性のコレステロール抽出/摘出を緩和できるか質問した。特に、予備形成AmB:コレステロール複合体の活性を試験した。
【0368】
アムホテリシンB:コレステロール複合体の調製
ここでの試験用にAmBとコレステロール(Chol)との予備複合体化凝集体を作製するために、最初にコレステロールをCHCl中の4mg/mLのストック溶液として調製した。965μLのこの溶液を7mLのガラスバイアルに添加し、穏やかな窒素ガス流の下で溶媒を除去した。次いで、2mMのAmBの1mLのDMSO溶液を固体コレステロールに添加して、10mMの最終コレステロール濃度の1:5のモル比のコレステロール(Chol):AmB懸濁液を作製した。小さな撹拌バーをこの懸濁液に添加し、バイアルに蓋をして、300rpmで撹拌しながら、アルミニウム加熱ブロックにおいて1時間80℃に加熱してコレステロール完全に溶解させた。次に、得られたAmB:Chol溶液を室温まで冷却させた。この溶液を100μgのアリコートに分ける前にさらに30分間室温に放置して複合体を形成し、一晩凍結乾燥した。これらの試験のために、AmB単独もDMSO溶液中に調製し、100μgのアリコートで凍結乾燥した。
【0369】
結果
1:5の化学量論比のAmB:コレステロールの予備形成複合体は、ウッシングチャンバにおいて透過化を維持した。際立って、この複合体は、AmBがASLのpHを回復させる濃度領域を、溶解性の限界である100μMまで広げることができた(図8)。コレステロール単独ではASLのpHを高めることはできなかった(図9)。従って、AmB:コレステロール複合体は、嚢胞性線維症肺上皮において欠損しているCFTRタンパクの機能的代理としてAmB単独よりも優れている。
【0370】
実施例9.AmBのコレステロールとの予備複合体化はヒト赤血球を毒性に対して保護するがCFヒト肺上皮の透過化を維持する
遠心分離によりヒト赤血球(RBCs)を全血から分離し、次いで、20μMまでの濃度範囲にわたりAmB又は予備形成AmB:Chol複合体(1:5)(実施例8)に曝した。次いで溶血を測定した。代表的な結果を図10に示す。図に示されるように、非複合体化AmBは約7μMで50%の溶血及び約10μMで100%の溶血であったが、予備形成AmB:Chol複合体は20μMでさえ実質的に全く溶血はなかった。
【0371】
別のセットの実験において、培養したCuFi-1細胞をDMSO中のAmB、予備形成AmB:Chol複合体(1:5)、又はDMSO単独で処理し、次いで短絡電流を約70分間までの時間にわたり測定した。結果を図10に示す。図に示されるように、予備形成AmB:Chol複合体は、非複合体化AmBと比較して、短絡電流の短期間のより少ない増加を誘導した。
【0372】
実施例10.C3deOAmBの合成
スキーム1に示す効率的な9工程合成においてAmB誘導体であるC3deOAmBを作製した。天然物を用いて開始し、一連の官能基保護は中間体1を提供した(スキーム1)。低温で化合物1をNaHMDSに曝すと、おそらくE1cBタイプの機序を介して、C3p-メトキシフェニルアセタールを官能基選択的に脱離させ、中間体エノン2をもたらす。続くカルボニルコンジュゲートC3,C4二重結合の部位選択的ストライカー還元は、脱酸素化中間体3を提供する。最後の一連の脱保護は目的の一原子修飾変異体C3deOAmBをもたらした。
【化1】
【0373】
実施例11.AmB-エルゴステロール(Erg)複合体のNMR解析
H)-13C-(H-H)-13C SSNMR実験を、異種核のコンタクトタイムを400μ秒に設定し、H-Hミキシングタイムを400μ秒で、MAS速度11.628kHzにて10℃で実施した。これらの条件は、~4~6Åの13C-13C原子核間距離に関して交差ピーク(クロスピーク)を示した。新規なAmB-Erg分子間交差ピークを適切に同定するために、(H)-13C-(H-H)-13Cスペクトルを同一条件下で連続して獲得し、材料の量に基づき総測定時間を含め、信号加算平均化し、調節した。POPC:U-13C-AmB:Erg(10:1:1モル比)及びPOPC:U-13C-AmB:13C-Erg(10:1:1モル比)のローターを~25mgで充填し、スペクトル信号を各7.8日について平均化した。10:1:1のPOPC:AmB:13C-Ergサンプルは~16mgであり、従って13.6日の信号を平均化した。3つのスペクトルを全て同様に処理し、直接及び間接次元でそれぞれ40及び75Hz13Cの線幅広がりが適用された。結果を図11に示す。
【0374】
実施例12.AmBはCF初代ヒト肺上皮においてASLの重炭酸イオンを増加させる
14C重炭酸イオンを単層の側底側に投与して細胞を通るイオンの経時的な動きを追跡した。患者由来の肺上皮細胞株CuFi-1(ΔF508/ΔF508)から増殖させた上皮単層も試験した。遺伝子型ΔF508/ΔF508は全CF患者の約46.5%を示し、比較的重篤な欠損症であると考えられる。AmBを用いた重炭酸陰イオンに対する頂端膜の透過化は、CFTRの欠損から生じる流れの異常を訂正することができる。2μMのAmBで48時間処理すると、CuFi-1単独と比較して、細胞内14C重炭酸イオンの減少及びASLの14C重炭酸イオンの増加が観察された(図15A及び15B)。AmBの側底処理は重炭酸イオンの頂端輸送も増加させることはできず、AmBの膜透過化活性が、添加する側に特異的であることを実証した(図15B)。ウアバインによる側底Na/KATPaseの阻害は、ASLへの重炭酸イオンの輸送のAmB介在性の増加を失効させ、重炭酸イオン輸送のブロッキングと一致した(図15C)。
【0375】
特定タイプのゲーティング欠陥を有するCFTRチャネルの開口確率を高める小分子増強薬であるイバカフトルは、G551D対立遺伝子又はこの比較的軽度のクラスの突然変異における他のものを有するCF患者の小さなサブセット(2~4%)にとって大きな進歩を示す。意外なことに、CFTR活性を部分的に回復させるのみにもかかわらず、この薬剤は、この選択患者群において肺機能及び全体的な生活の質の実質的な向上を示している。B. W. Ramsey et al. (2011) New England Journal of Medicine 365, 1663-1672。同様のゲーティング突然変異を有する一部の患者も利益を享受しているが、V520Fなどの他のゲーティング突然変異は応答しないように見える。F. Van Goor, et al., (2014) J.Cystic Fibrosis 13, 29-36。G551Dゲーティング突然変異を有する患者由来の初代副鼻腔上皮細胞培養におけるCF救済に関するマーカーとしてのASLのpH変化及びその下流の効果を用いて、イバカフトルが対照と比較してASLのpHを約0.2pH単位高め、かつ粘度を約2単位低下させたことが分かった。E. H. Chang et al., Int Forum Allergy Rhinol 5, 178-181 (2015)。この薬剤の固有の抗菌特性のせいで抗菌活性に対する変化を試験することはできなかった。予測FEVの10%の上昇、及び処置の48週間にわたるこの突然変異を有する患者におけるイベントフリー対象の20%を超える増加によって証明されるように、この薬剤は、G551D突然変異を有するCF患者において肺機能も実質的に改善した。CFの病態生理のこの新たな理解、及びイバカフトルにより生じるASLの生理機能における定量化可能なin vitro変化は、従って、CFTRの機能損失に対処する代替アプローチを評価するためのベンチマークとしての役割を果たすことができる。イバカフトルはCFTRタンパク質の機能全体を回復することができるが、AmBは重炭酸イオン輸送におけるCFTRの単一機能のみを模倣し、この違いが、CFTRのどの役割が生理機能に最も直接の影響を及ぼすことができるかを精査することも可能にするであろう。
【0376】
イバカフトルは、嚢胞性線維症を治療するために臨床承認されかつ有効な薬剤であり、実験の一部において対照として用いた。in vitroイバカフトル投与の先例である文献に続き、CuFi-4(ΔF508/G551D)上皮を、CFTRのリン酸化を促進するためにフォルスコリン(Fsk)、及びチャネルを介するコンダクタンスを増強するためにイバカフトル(Iva)を用いて処理した。E. H. Chang et al., Int Forum Allergy Rhinol 5, 178-181 (2015); F. Van Goor et al. (2009) Proc. Natl. Acad. Sci. 106, 18825-18830。この遺伝子型特異的小分子に関して予測されるように、イバカフトルは、CuFi-4単層ではASLの14C重炭酸イオンを増加させることができたが、CuFi-1単層ではできなかった(図15B及び16)。対照的に、AmBは両方の細胞株においてASL14C重炭酸イオンを有意に増加させることができた(図15B及び16)。これは、イバカフトル及びAmBの両方が重炭酸イオン輸送を増加させるが、AmBは遺伝子型寛容な機序を通して作用していることの証拠を提供する。
【0377】
実施例13.AmBは重炭酸イオン依存的様式でCFヒト肺上皮においてASLのpHを高める
レシオメトリック蛍光pH色素を用いたところ、CuFi-1は、NuLi上皮単層と比較して低下したpHを有していた(図17)。Pezzulo AA et al. (2012) Nature 487: 109-113; Shah VS et al. (2016) Science 351: 503-507。AmBはCuFi-1においてASLのpHを高めることが分かった(図17)。AmBの側底への添加は、ASLのpHを高めることはできず、14C重炭酸イオンの試験と一致した(図17)。
【0378】
AmBはプロトンも輸送することができ、これは、その小分子がASLのpHに影響を及ぼすことができる代替機序を提示した(図18)。AmB介在性重炭酸イオン輸送がASLのpH上昇を引き起こすか直接精査するために、重炭酸イオンの存在下又は重炭酸イオンを含まない溶液中のいずれかで、大きなNuLi及びCuFi-1上皮単層においてpH-stat実験を実施した。Cho, DY, et al., (2009) Am J Rhinol Allergy 23, e10-13; Cho, DY, et al., (2011) Int Forum Allergy Rhinol 1, 123-127。AmBの添加は、側底重炭酸イオンの存在下において用量依存的様式でCuFi-1上皮単層の頂端チャンバのアルカリ化を高めた(図19)。ASLのアルカリ化におけるプロトン吸収の潜在的役割に取り組むために、重炭酸イオンを含まない緩衝液中でこれらの実験を繰り返した。AmBは重炭酸イオンの不在下では頂端チャンバのアルカリ化を高めず、頂端溶液のAmB介在性アルカリ化が重炭酸イオン依存性であることの証拠を提供する(図19)。
【0379】
さらに、重炭酸イオンの細胞内保持とpH変化とを結び付け、さらに重炭酸イオン輸送の結果と一致して、側底のウアバイン処理はASLのpHのAmB介在性上昇を阻害した(図20A)。遺伝子型特異的イバカフトル/フォルスコリン処理は、CuFi-1単層においてASLのpHを高めることはできず、AmB単独はこの細胞株で有効であった(図20B)。重要なこととして、イバカフトル/フォルスコリン及びAmB処理の両方がCuFi-4上皮ではASLのpHを高めた(図20C)。これは、イバカフトルがG551D培養において~0.2pH単位の上昇を誘導したことの以前の結果(E. H. Chang et al., Int Forum Allergy Rhinol 5, 178-181 (2015))の再現であり、AmBにより介在される同じpH単位の上昇が臨床的に有意であることの証拠を提供する。特に、AmBはCFTRの重炭酸イオン輸送機能のみを複製するが、イバカフトルで増強された機能的CFTRタンパク質と同程度効果的にASLのpHを高めることができる。これは、単純な頂端重炭酸イオン輸送が、肺の生理機能におけるCFTRの最も重要な機能でありうることを暗示する。
【0380】
実施例14.AmB:コレステロールの予備成形複合体はAmBが重炭酸イオン依存的様式でASLのpHを回復させる濃度領域を広げる
PFC中100μM懸濁液の濃度までの用量範囲を試験し、AmBは投薬でALSのpHを高め、PFC中5μM懸濁液でピークとなり、その後低下して25μMで開始pHまで戻ることが分かった(図21)。用量の増加に伴うこの効果の低下を観察した後、以前の試験で設計された機序モデルを受けて、その潜在的に破壊的であるステロール結合活性を緩和するためにAmBをコレステロールと予備複合体化させた。Gray KC et al. (2012) Proc Natl Acad Sci USA 109(7): 2234-2239; Anderson TM et al. (2014) Nat Chem Biol 10(5): 400-406。AmB:コレステロール複合体の活性を試験し、この複合体は、ASLのpHを回復させる有効用量を100μMまで拡大させることができた(図21)。AmBで48時間処理後、CuFi-1単層をウッシングチャンバで評価した。NuLiと比較して、非処理CuFi-1単層及びAmB処理CuFi-1単層のいずれも、フォルスコリン/IBMXのCFTR活性化に反応する短絡電流の増加を示さず、ASLのpHのAmB介在性上昇がCFTR活性/表面への輸送を高める又は膜完全性を破壊することによるものではないという結論に一致する(図22A~22C)。
【0381】
実施例15.CF患者由来のサンプルにおけるASLのpHに対するAmBの効果は遺伝子型非依存性である
細胞株における観察が臨床的意義を有する可能性があるかを特定するために、CF患者ドナーからサンプルを得て、それらサンプルから初代ヒト培養細胞を作製した。ASLのpHを試験するために、CF初代上皮単層をビヒクル又はAmBで処理した。AmB処理は、5つの異なる疾患遺伝子型を有する9名のCF患者に由来するヒト肺上皮の初代培養において、ASLのpHを高めた(図23A及び23B)。患者1~5は、共通のΔF508/ΔF508突然変異を有していた。患者8及び9は両方とも稀少で未分類の突然変異対立遺伝子を有し、後者の患者の分かっている2つ目の突然変異対立遺伝子はイバカフトルの標的であるG551Dと同じカテゴリーにあるが、治療が無効であることが分かっった。AmBは、その両方が事実上全くCFTRタンパク質の産生をもたらさない二重欠失変異遺伝子型(患者6)又は希少なスプライス部位変異対立遺伝子(患者7)の場合でさえ、ASLのpHの上昇を促進させることができ、AmBがCFTRとは関係なく作用することのさらなる証拠を提供する(図23B)。
【0382】
AmBは、患者ドナー遺伝子型とは無関係に、初代ヒト上皮において頂端インキュベーションの48時間後に平均で再度0.2pH単位ASLのpHを高めたが、チャネル不活化誘導体C35deOAmB、及びAmBの側底添加は高めることができないことが見いだされ、細胞株での結果と一致した(図23C)。AmBは、用量及び時間依存的様式で初代細胞においてpHを高めた(図24A及び24B)。興味深いことに、AmB処理は非CF上皮のpHには影響を及ぼさず、頂端分泌を高めるのにプールされた細胞内重炭酸イオンが必要であることのさらなる証拠を提供する。
【0383】
実施例16.AmBはCF患者由来のサンプルにおいてASLの殺菌性を高める
ASLのpH酸性化の下流効果であるASL粘度の上昇は、粘液及び細菌を肺から排除できないことに寄与する。pH変化に一致して、AmBは、患者の遺伝子型に関係なく初代ヒト上皮においてASL粘度を低下させた(図26)。ASLのpHはASL中の抗菌性タンパク質が殺菌性を実行する能力にも密接に関連する。ASLのpHの観察されたAmB介在性上昇を、ASLの殺菌性の有意義な増加と結びつけるために、AmB処理上皮を黄色ブドウ球菌(S. aureus)のヒト菌株に対して試験した。Pezzulo AA et al. (2012) Nature 487: 109-113。AmBは、患者の遺伝子型に無関係に初代ヒト上皮におけるASLの殺菌性を高めた(図27)。さらには、C35deOAmBは初代ヒト上皮においてASLの抗菌活性を高めることはできず、ASLのpHを高めることができないことに一致した(図27)。これらの結果は、臨床的に成功したイバカフトルにより改善されることが観察されている、ASLのpHのAmB介在性上昇の重要な下流効果を表し、CF治療薬としてのAmBの可能性に良い前兆となりうる。
【0384】
AmBが、欠損タンパク質に全く関係なく作用し、より標的化されたアプローチとは異なり、完全に自立したアプローチは突然変異に関係なく機能するため欠陥の根本的な機序が分かる必要がないことは、注目に値する。理論上は一般化可能である遺伝子治療アプローチを開発する広範囲の試みは、実質的な科学的挑戦を受け、さらにまだ実質的な臨床的影響をもたらさなければならない。ごく最近、イバカフトルと、タンパク質のミスフォールディングのコレクターであるルマカフトルとの組合せが、ΔF508/ΔF508CF患者において、わずかな臨床的効果を示し、具体的には、肺機能においてほんの2~4%の改善を示した。Wainwright CE et al. (2015) New Engl. J. Med. 373, 220-231。さらには、薬剤の作用機序の潜在的に競合的な性質に関する懸念が上げられている。Cholon DM et al. (2014) Sci Transl Med 6, 246ra296。このアプローチは、ほとんど又は全くCFTRタンパク質が産生されない突然変異に対処する能力に根本的に限界があり、また患者集団が小さくその機能損失機序が不明である稀少な突然変異の場合、各遺伝子型のための独自の薬剤のカスタマイズされた開発を達成するのは困難であろう。CFの病態生理におけるASLのpH及び下流効果の役割に関する一連の証拠が示され、疾患の主要なけん引役としての単純な重炭酸イオン分泌の損失を指摘する。
【0385】
参照による取り込み
上記説明において言及されたすべての特許及び特許出願公開公報は、その全体が、ここに参照することによって本明細書に取り込まれる。
【0386】
等価物
明確な理解のために、これまで、例証及び実例を通して本発明を詳細に説明してきたが、本発明の範囲又はその任意の具体的な実施形態に影響を与えることなく、幅広い及び同等の条件、配合及び他のパラメータの範囲内で本発明を修正又は変更しても同様に実施でき、またこのような修正及び変更が添付の特許請求の範囲に含まれることが意図されていることは当業者に明白であろう。
最後に、本発明の好ましい実施態様を項分け記載する。
[実施態様1]
(i)アムホテリシンB(AmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、及び(ii)コレステロールを含み、AmBのコレステロールに対するモル比が1:2.6~約1:50の範囲である組成物。
[実施態様2]
AmBのコレステロールに対するモル比が約1:4~約1:12の範囲である、実施態様1に記載の組成物。
[実施態様3]
AmBのコレステロールに対するモル比が約1:5~約1:10の範囲である、実施態様1に記載の組成物。
[実施態様4]
AmBとコレステロールは複合体として存在する、実施態様1~3のいずれかに記載の組成物。
[実施態様5]
全身投与用に製剤化されている、実施態様1~4のいずれかに記載の組成物。
[実施態様6]
静脈内投与用に製剤化されている、実施態様5に記載の組成物。
[実施態様7]
気道投与用に製剤化されている、実施態様1~4のいずれかに記載の組成物。
[実施態様8]
エアロゾル投与用に製剤化されている、実施態様7に記載の組成物。
[実施態様9]
(i)C3-デオキシアムホテリシンB(C3deOAmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、及び(ii)コレステロールを含み、C3deOAmBのコレステロールに対するモル比が1:2.6~約1:50の範囲である組成物。
[実施態様10]
C3deOAmBのコレステロールに対するモル比が約1:4~約1:12の範囲である、実施態様9に記載の組成物。
[実施態様11]
C3deOAmBのコレステロールに対するモル比が約1:5~約1:10の範囲である、実施態様9に記載の組成物。
[実施態様12]
C3deOAmBとコレステロールは複合体として存在する、実施態様9~11のいずれかに記載の組成物。
[実施態様13]
全身投与用に製剤化されている、実施態様9~12のいずれかに記載の組成物。
[実施態様14]
静脈内投与用に製剤化されている、実施態様13に記載の組成物。
[実施態様15]
気道投与用に製剤化されている、実施態様9~12のいずれかに記載の組成物。
[実施態様16]
エアロゾル投与用に製剤化されている、実施態様15に記載の組成物。
[実施態様17]
嚢胞性線維症を治療する方法であって、必要とする対象に、(i)アムホテリシンB(AmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、及び(ii)コレステロールを含む組成物の治療有効量を投与し、それによって嚢胞性線維症を治療することを含む方法。
[実施態様18]
AmBとコレステロールは、約1:3~約1:15の範囲のモル比で存在する、実施態様17に記載の方法。
[実施態様19]
AmBとコレステロールは、約1:4~約1:12の範囲のモル比で存在する、実施態様17に記載の方法。
[実施態様20]
AmBとコレステロールは、約1:5~約1:10の範囲のモル比で存在する、実施態様18に記載の方法。
[実施態様21]
AmBとコレステロールは複合体として存在する、実施態様17~20のいずれかに記載の方法。
[実施態様22]
前記組成物は全身投与される、実施態様17~21のいずれかに記載の方法。
[実施態様23]
前記組成物は静脈内投与される、実施態様22に記載の方法。
[実施態様24]
前記組成物は前記対象の気道に投与される、実施態様17~21のいずれかに記載の方法。
[実施態様25]
前記組成物はエアロゾルとして投与される、実施態様24に記載の方法。
[実施態様26]
嚢胞性線維症を治療する方法であって、必要とする対象に、(i)C3-デオキシアムホテリシンB(C3deOAmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、及び(ii)コレステロールを含む組成物の治療有効量を投与し、それによって嚢胞性線維症を治療することを含む方法。
[実施態様27]
C3deOAmBとコレステロールは、約1:3~約1:15の範囲のモル比で存在する、実施態様26に記載の方法。
[実施態様28]
C3deOAmBとコレステロールは、約1:4~約1:12の範囲のモル比で存在する、実施態様26に記載の方法。
[実施態様29]
C3deOAmBとコレステロールは、約1:5~約1:10の範囲のモル比で存在する、実施態様26に記載の方法。
[実施態様30]
C3deOAmBとコレステロールは複合体として存在する、実施態様26~29のいずれかに記載の方法。
[実施態様31]
前記組成物は全身投与される、実施態様26~30のいずれかに記載の方法。
[実施態様32]
前記組成物は静脈内投与される、実施態様31に記載の方法。
[実施態様33]
前記組成物は前記対象の気道に投与される、実施態様26~30のいずれかに記載の方法。
[実施態様34]
前記組成物はエアロゾルとして投与される、実施態様33に記載の方法。
[実施態様35]
嚢胞性線維症を有する対象において気道表面液のpHを高める方法であって、嚢胞性線維症を有する対象に、(i)アムホテリシンB(AmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、及び(ii)コレステロールを含む組成物の治療有効量を投与し、それによって嚢胞性線維症を有する対象において気道表面液のpHを高めることを含む方法。
[実施態様36]
AmBとコレステロールは、約1:3~約1:15の範囲のモル比で存在する、実施態様35に記載の方法。
[実施態様37]
AmBとコレステロールは、約1:4~約1:12の範囲のモル比で存在する、実施態様35に記載の方法。
[実施態様38]
AmBとコレステロールは、約1:5~約1:10の範囲のモル比で存在する、実施態様35に記載の方法。
[実施態様39]
AmBとコレステロールは複合体として存在する、実施態様35~38のいずれかに記載の方法。
[実施態様40]
前記組成物は全身投与される、実施態様35~39のいずれかに記載の方法。
[実施態様41]
前記組成物は静脈内投与される、実施態様40に記載の方法。
[実施態様42]
前記組成物は前記対象の気道に投与される、実施態様35~39のいずれかに記載の方法。
[実施態様43]
前記組成物はエアロゾルとして投与される、実施態様42に記載の方法。
[実施態様44]
嚢胞性線維症を有する対象において気道表面液のpHを高める方法であって、嚢胞性線維症を有する対象に、(i)C3-デオキシアムホテリシンB(C3deOAmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物、及び(ii)コレステロールを含む組成物の治療有効量を投与し、それによって嚢胞性線維症を有する対象において気道表面液のpHを高めることを含む方法。
[実施態様45]
C3deOAmBとコレステロールは、約1:3~約1:15の範囲のモル比で存在する、実施態様44に記載の方法。
[実施態様46]
C3deOAmBとコレステロールは、約1:4~約1:12の範囲のモル比で存在する、実施態様44に記載の方法。
[実施態様47]
C3deOAmBとコレステロールは、約1:5~約1:10の範囲のモル比で存在する、実施態様44に記載の方法。
[実施態様48]
C3deOAmBとコレステロールは複合体として存在する、実施態様44~47のいずれかに記載の方法。
[実施態様49]
前記組成物は全身投与される、実施態様44~48のいずれかに記載の方法。
[実施態様50]
前記組成物は静脈内投与される、実施態様49に記載の方法。
[実施態様51]
前記組成物は前記対象の気道に投与される、実施態様44~48のいずれかに記載の方法。
[実施態様52]
前記組成物はエアロゾルとして投与される、実施態様51に記載の方法。
[実施態様53]
前記対象はヒトである、実施態様17~52のいずれかに記載の方法。
[実施態様54]
前記ヒトは12歳未満である、実施態様53に記載の方法。
[実施態様55]
前記ヒトは12歳以上である、実施態様53に記載の方法。
[実施態様56]
嚢胞性線維症を治療する方法であって、必要とする対象に、アムホテリシンB(AmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物を含む組成物の治療有効量を投与し、それによって嚢胞性線維症を治療することを含む方法。
[実施態様57]
嚢胞性線維症を有する対象において気道表面液のpHを高める方法であって、嚢胞性線維症を有する対象に、アムホテリシンB(AmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物を含む組成物の治療有効量を投与し、それによって嚢胞性線維症を有する対象において気道表面液のpHを高めることを含む方法。
[実施態様58]
嚢胞性線維症を有する対象において気道表面液中の重炭酸イオンを増加させる方法であって、嚢胞性線維症を有する対象に、治療有効量のアムホテリシンB(AmB)又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物を投与し、それによって嚢胞性線維症を有する対象において気道表面液中の重炭酸イオンを増加させることを含む方法。
[実施態様59]
前記組成物は全身投与される、実施態様56~58のいずれかに記載の方法。
[実施態様60]
前記組成物は静脈内投与される、実施態様59に記載の方法。
[実施態様61]
前記組成物は前記対象の気道に投与される、実施態様56~58のいずれかに記載の方法。
[実施態様62]
前記組成物はエアロゾルとして投与される、実施態様61に記載の方法。
[実施態様63]
前記対象はヒトである、実施態様56~62のいずれかに記載の方法。
[実施態様64]
前記ヒトは12歳未満である、実施態様63に記載の方法。
[実施態様65]
前記ヒトは12歳以上である、実施態様63に記載の方法。
[実施態様66]
前記治療は遺伝子型非依存性である、実施態様17~34及び56のいずれかに記載の方法。
[実施態様67]
前記嚢胞性線維症が難治性である、実施態様17~66のいずれかに記載の方法。
図1
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図3A
図3B
図4
図5A
図5B
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図15A
図15B
図15C
図16
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図20B
図20C
図21
図22A
図22B
図22C
図23A
図23B
図23C
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図24B
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図27