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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-16
(45)【発行日】2022-03-25
(54)【発明の名称】重症患者のための日本語入力キーボード
(51)【国際特許分類】
   G09B 21/00 20060101AFI20220317BHJP
   G06F 3/023 20060101ALI20220317BHJP
   G06F 3/04886 20220101ALI20220317BHJP
【FI】
G09B21/00 H
G09B21/00 F
G06F3/023 460
G06F3/0488 160
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020141039
(22)【出願日】2020-08-24
(65)【公開番号】P2021033306
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2020-08-24
(31)【優先権主張番号】10-2019-0105029
(32)【優先日】2019-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520322794
【氏名又は名称】ユン,ヒョン ジン
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ユン,ヒョン ジン
【審査官】宇佐田 健二
(56)【参考文献】
【文献】特開昭63-240860(JP,A)
【文献】特開2014-140236(JP,A)
【文献】特開2001-051778(JP,A)
【文献】特開2002-268818(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 21/00
G06F 3/023,3/04886
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
日本語に使われる全てのひらがな又はカタカナ、アラビア数字が複数の分割1表示ウィンドウに所定の個数に分割されて配置された統合第1文字盤と、
前記統合第1文字盤に含まれた日本語と数字が複数の細部1ウィンドウに所定の個数に分割されて配置された細部1文字盤と、
前記細部1文字盤に含まれた日本語と数字がそれぞれ1つずつセクターに配置された細部連係文字盤と、を含み
患者の瞳による選択に応じて前記統合第1文字盤、細部1文字盤、細部連係文字盤が患者に順次提示され、
患者は、瞳の動きにより前記統合第1文字盤から意図する分割1表示ウィンドウを選択し、前記細部1文字盤から意図する日本語又は数字を選択し、患者の対話相手は選択された日本語と数字を結合して単語を構成することを特徴とする重症患者のための日本語入力キーボード。
【請求項2】
前記統合第1文字盤は、患者の対話相手により患者が選択した日本語又は数字の入力が行われる文字入力ウィンドウをさらに含む請求項1に記載の重症患者のための日本語入力キーボード。
【請求項3】
前記分割表示ウィンドウは最大5つの日本語と5つの数字を含み、前記分割表示ウィンドウは前記統合第1文字盤の中心を基準に10時方向に位置する第1分割1表示ウィンドウ、2時方向に位置する第2分割1表示ウィンドウ、8時方向に位置する第3分割1表示ウィンドウ、4時方向に位置する第4分割1表示ウィンドウ、6時方向に位置する第5分割1表示ウィンドウを含む請求項1に記載の重症患者のための日本語入力キーボード。
【請求項4】
前記細部1文字盤は患者が瞳の凝視により前記統合第1文字盤から選択した分割1表示ウィンドウのいずれか1つであり、前記細部1文字盤は統合第1文字盤から選択される第1細部1文字盤、第2細部1文字盤、第3細部1文字盤、第4細部1文字盤、第5細部1文字盤を含む請求項3に記載の重症患者のための日本語入力キーボード。
【請求項5】
記細部連係文字盤は、前記細部連係文字盤の中心を基準に10時方向に位置する第1セクター、2時方向に位置する第2セクター、8時方向に位置する第3セクター、4時方向に位置する第4セクター、6時方向に位置する第5セクターを含む請求項1に記載の重症患者のための日本語入力キーボード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重症患者のための日本語入力キーボードに関し、より詳しくは、ルーゲーリック病のように精神活動はできるが、身体を動かすことがほとんどできず、瞳を動くことはできる患者が使用できる日本語入力キーボードに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、コミュニケーション障害者のための拡大代替コミュニケーションは主に発達障害児を対象にした技術が多く、特に、運動能力に制限のない発達障害児を対象にした製品が主となっている。しかしながら、筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic Lateral Sclerosis:ALS)、ケネディ病(Kennedy Disease:KD)、進行性球麻痺(Progressive Bulbar Palsy:PBP)などの運動神経疾患のある成人患者は次第に運動能力に制限が生じ、言語によるコミュニケーションが非常に困難な状況に至る。
【0003】
彼らの身体の大部分は次第に運動能力を失い、最終的には目の凝視又は目の動きのみができる状態になり、従って、言葉によるコミュニケーションはほとんど不可能な状況になる。結局、彼らには目の凝視及び目の動きが外部とのコミュニケーションのための唯一のシグナルとなるが、従来は彼らの特殊な状況を考慮した拡大代替コミュニケーション関連製品があまり開発されていない状況である。
【0004】
最近は、ユーザが機器を用いて意思を表現できるようにする頭脳-コンピュータインタフェース(Brain-Computer Interface:BCI)などの技術が開発されている。これは、脳の活動過程から出る脳波をリアルタイムで分析してユーザの意図を把握してキーボードを入力させるか、特定機器を動作させるなどの商用化に成功した事例が次第に増加する傾向にある。
【0005】
しかしながら、このようなBCIシステムは比較的高価であるため、一般のユーザには多少負担になる点があり、BCIシステムを使うとしても、簡単なコミュニケーションのために常に頭部に脳波を分析する装置を装着していなればならないという煩わしい問題が発生する。従って、一般のユーザが簡単に使用できる重症患者とのコミュニケーション製品の開発の必要性が高まっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic Laterbl Sclerosis:ALS)、ケネディ病(Kennedy Disease:KD)、進行性球麻痺(Progressive Bulbar Palsy:PBP)のように身体の大部分を動かせない運動神経疾患を患っている重症患者とのコミュニケーションがより容易に行える媒介手段を提供することを目的とする。
【0007】
本発明は、重症患者の思考言語が日本語である場合、保護者とより迅速かつ便利にコミュニケーションできる日本語入力キーボードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態による重症患者のための日本語入力キーボードは、日本語に使われる全てのひらがな又はカタカナ、アラビア数字が複数の分割1表示ウィンドウに所定の個数に分割されて配置された統合第1文字盤と、前記統合第1文字盤に含まれた日本語と数字が複数の細部1ウィンドウに所定の個数に分割されて配置された細部1文字盤と、前記細部1文字盤に含まれた日本語と数字がそれぞれ1つずつセクターに配置された細部連係文字盤と、を含み、患者の瞳による選択に従って前記統合第1文字盤、細部1文字盤、細部連係文字盤が患者に順次提示され、患者は瞳の動きにより前記統合第1文字盤から意図する分割1表示ウィンドウを選択し、前記細部1文字盤から意図する日本語又は数字を選択し、患者の対話相手は選択された日本語と数字を結合して単語を構成することを特徴とする。
【0009】
ここで、前記統合第1文字盤は、患者の対話相手により患者が選択した日本語又は数字の入力が行われる文字入力ウィンドウをさらに含んでもよい。
【0010】
また、前記分割表示ウィンドウは、最大5つの日本語と5つの数字を含み、前記分割表示ウィンドウは前記統合文字盤の中心を基準に10時方向に位置する第1分割1表示ウィンドウ、2時方向に位置する第2分割1表示ウィンドウ、8時方向に位置する第3分割1表示ウィンドウ、4時方向に位置する第4分割1表示ウィンドウ、6時方向に位置する第5分割1表示ウィンドウを含んでもよい。
【0011】
ここで、前記細部1文字盤は、患者が瞳の凝視により統合第1文字盤から選択された分割1表示ウィンドウのいずれか1つであり、前記細部1文字盤は統合第1文字盤から選択される第1細部1文字盤、第2細部1文字盤、第3細部1文字盤、第4細部1文字盤、第5細部1文字盤を含んでもよい。
【0012】
また、前記細部連係文字盤は、前記細部連係文字盤の中心を基準に10時方向に位置する第1セクター、2時方向に位置する第2セクター、8時方向に位置する第3セクター、4時方向に位置する第4セクター、6時方向に位置する第5セクターを含んでもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の実施形態による重症患者のための日本語入力キーボードは、身体の動きのうち目の動きができる患者に対して使用でき、患者は高価の装備を使用しなくても目で凝視して希望することを迅速かつ正確に表現することができる。
【0014】
本発明の日本語入力キーボードは、携帯可能なスマートフォン又はタブレット端末において画面に表示される状態で提供され、それぞれの画面が複数の日本語入力キーボードとして提供されるので、患者に適した方式を選択して意思表現が可能であり、患者が移動中である場合にも意思表現が可能であるという長所がある。
【0015】
本発明の日本語入力キーボードは、ユーザの身体的能力に応じて自発的使用又は対話相手の補助による使用が可能であり、認知能力が正常水準に対応し、文解力のある患者に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態による重症患者のための日本語入力キーボードにおいてひらがなを含む統合第1文字盤を示す図である。
【0017】
図2】本発明の実施形態による重症患者のための日本語入力キーボードにおいてカタカナを含む統合第2文字盤を示す図である。
【0018】
図3a-3b】本発明の実施形態による重症患者のための日本語入力キーボードにおいてひらがなの一部を含む細部第1文字盤を示す図である。
【0019】
図4a-4e】本発明の実施形態による重症患者のための日本語入力キーボードにおいて細部第1文字盤から選択される細部連系文字盤を示す図である。
【0020】
図5a-5c】本発明の実施形態による重症患者のための日本語入力キーボードにおいて文字を入力する過程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付の図面を参照して本実施形態について詳細に説明するが、本実施形態により制限されるか又は限定されるものではない。本発明の説明において、公知された機能又は構成により具体的な説明は本発明の要旨を明瞭にするために省略されてもよい。
【0022】
本発明は、身体の動きのうち唯一に眼の凝視のみができる退行性コミュニケーション障害患者が使用できる日本語入力キーボードであって、スマートフォン又はタブレット端末にインストールされたアプリケーションにより提供されてもよく、複数の文字盤セットにより提供されてもよく、以下では、スマートフォンのような電子機器の画面において本日本語入力キーボードを使用することを例として説明する。また、本発明の日本語入力キーボードは、 日本語を構成するひらがなとカタカナを基礎とするタイピング方法を用いる。
【0023】
図1は、本発明の実施形態による重症患者のための日本語入力キーボードにおいてひらがなを含む統合第1文字盤を示す図である。図1に示すように、統合第1文字盤100は、日本語を構成するひらがなとアラビア数字を含み、患者に最初に見られる日本語入力キーボードであり得る。
【0024】
前記統合第1文字盤100は、複数の分割1表示ウィンドウ110、120、130、140、150、160及び文字入力ウィンドウ170を含む。前記分割1表示ウィンドウ110、120、130、140、150、160は、患者の瞳の凝視により選択されるウィンドウであり、前記文字入力ウィンドウ170は、患者の対話相手(保護者)により入力されるウィンドウである。
【0025】
前記分割1表示ウィンドウ110、120、130、140、150、160は、前記統合第1文字盤100の中心を基準に既設定の角度に沿って配置される。前記分割1表示ウィンドウ110、120、130、140、150、160は、前記統合第1文字盤100の中心を基準に10時方向に位置する第1分割1表示ウィンドウ110、2時方向に位置する第2分割1表示ウィンドウ120、8時方向に位置する第3分割1表示ウィンドウ130、4時方向に位置する第4分割1表示ウィンドウ140、6時方向に位置する第5分割1表示ウィンドウ150、ひらがな及びカタカナを切り替える切替表示ウィンドウ160を含む。実施形態において、患者の目の凝視が6方向に区分されるように6つからなるそれぞれの分割1表示ウィンドウが所定の距離だけ離隔され、中心を基準に所定の角度を有するように配置した。
【0026】
日本語のひらがなは計46個であり、20個の濁音、5個の半濁音、「あ」行の小書きとして使われる5個の二重母音、10個の数字が所定の個数の分だけ分割されてそれぞれの分割表示ウィンドウに表示される。
【0027】
図2は、本発明の実施形態による重症患者のための日本語入力キーボードにおいてカタカナを含む統合第2文字盤を示す図である。
【0028】
図2に示すように、統合第2文字盤200は、日本語を構成するカタカナとアラビア数字を含み、患者に最初に見られる日本語入力キーボードであり得る。
【0029】
前記統合第2文字盤200は、複数の分割2表示ウィンドウ210、220、230、240、250、260及び文字入力ウィンドウ270を含む。前記分割2表示ウィンドウ210、220、230、240、250、260は患者の瞳の凝視により選択されるウィンドウであり、前記文字入力ウィンドウ270は患者の対話相手(保護者)により入力されるウィンドウであり得る。
【0030】
前記分割2表示ウィンドウ210、220、230、240、250、260は、前記統合第2文字盤200の中心を基準に既設定の角度に沿って配置される。前記分割2表示ウィンドウ210、220、230、240、250、260は、前記統合第2文字盤200の中心を基準に10時方向に位置する第1分割2表示ウィンドウ210、2時方向に位置する第2分割2表示ウィンドウ220、8時方向に位置する第3分割2表示ウィンドウ230、4時方向に位置する第4分割2表示ウィンドウ240、6時方向に位置する第5分割2表示ウィンドウ250, ひらがな、カタカナを切り替える切替表示ウィンドウ260を含む。統合第2文字盤200は、統合第1文字盤100のように6方向に区分されるように、6つからなるそれぞれの分割2表示ウィンドウが所定の距離だけ離隔され、中心を基準に所定の角度を有するように配置された。
【0031】
前記統合第2文字盤200には、ひらがなと対応するカタカナが所定の個数の分だけ分割されてそれぞれの分割2表示ウィンドウに表示される。
【0032】
図3a及び図3bは、本発明の実施形態による重症患者のための日本語入力キーボードにおいて細部1文字盤を示す図である。図3に示すように、細部1文字盤は図1において患者により選択される分割1表示ウィンドウにより選択される日本語入力キーボードである。
【0033】
前記細部1文字盤300、400、500、600、700は、患者が瞳の凝視により統合第1文字盤100から選択した分割第1表示ウィンドウのいずれか1つであり、前記文字入力ウィンドウ360、460、560、660、760は、患者の対話相手(保護者)により入力されるウィンドウであり得る。前記細部1文字盤は統合第1文字盤100から選択される第1細部1文字盤300、第2細部1文字盤400、第3細部1文字盤500、第4細部1文字盤600、第5細部1文字盤700を含む。
【0034】
前記第1細部1文字盤300は、複数の細部1ウィンドウ310、320、330、340と、ひらがな及びカタカナ切替ウィンドウ350と、文字入力ウィンドウ360を含む。前記細部1ウィンドウ310、320、330、340は、患者が瞳の凝視により選択するウィンドウであり、前記文字入力ウィンドウ360は、患者の対話相手(保護者)により入力されるウィンドウであり得る。
【0035】
前記細部1ウィンドウ310、320、330、340は、前記第1細部文字盤300の中心を基準に既設定の角度に沿って配置される。日本語のひらがなの「あ」行と「が」行は10個であり、濁音「が」行が5個、「あ」行の小書きとして使われる二重母音5個のうち代表の発音に分割されて、それぞれの分割表示ウィンドウに行別に表示される。
【0036】
実施形態は、前記それぞれの細部1ウィンドウが最大4つの日本語行列と数字を含むように配置し、よって、図3の細部1文字盤には計5つの分割表示ウィンドウが表示される。
【0037】
図3aにおいて、第1細部1文字盤300は、(あ、か、あ、が)のひらがなの「あ」と「が」行と二重母音「あ」行、濁音「が」を含み、第1細部1ウィンドウ310が選択される場合は、前記第1細部1ウィンドウ310の細部情報を含む第1細部連係文字盤311が患者に提示される。
【0038】
図4aないし図4eは、本発明の実施形態による重症患者のための日本語入力キーボードにおいて細部連係文字盤を示す図である。図4aないし図4eに示すように、細部連係文字盤は、図1図3において患者により選択される統合第1文字盤、細部第1文字盤により選択できる日本語入力キーボードである。図4においては、便宜上、ひらがなの行順に整列してそれぞれの分割表示ウィンドウに表示されるようにしているが、計46個のひらがな、20個の濁音、5個の半濁音、「あ」行の小書きとして使われる5個の二重母音、10個の数字は各分割表示ウィンドウにランダムに混ざっていてもかまわない。
【0039】
前記第1細部連係文字盤311は、前記第1細部連係文字盤311の中心を基準に10時方向に位置する第1セクター312、2時方向に位置する第2セクター313、8時方向に位置する第3セクター314、4時方向に位置する第4セクター315、6時方向に位置する第5セクター316を含む。第1細部の連係文字盤311は、(あ、い、う、え、お)の日本語を含んでいるので、第1セクター312は「あ」、第2セクター313は「い」、第3セクター314は「う」、第4セクター315は「え」、第2セクター316は「お」の情報を含む。
【0040】
同様に、第2細部1ウィンドウ320に含まれる文字情報(か、き、く、け、こ)を含む第2細部連係文字盤321、第3細部1ウィンドウ330に含まれる文字情報(あ、い、う、え、お)を含む第3細部連係文字盤331、第4細部1ウィンドウ340に含まれる文字情報(が、ぎ、ぐ、げ、ご)を含む第4細部連係文字盤341が備えられる。
【0041】
前記第2細部1文字盤400から第5細部1文字盤700は、中心を基準に10時方向に位置する第1細部1ウィンドウ410、510、610、710、2時方向に位置する第2細部1ウィンドウ420、520、620、720、8時方向に位置する第3細部1ウィンドウ430、530、630、4時方向に位置する第4細部1ウィンドウ440、540、640を含む。
【0042】
第4細部1ウィンドウと第5細部1ウィンドウの細部連係表示ウィンドウ625、725に表示された「拗音」は患者が小書きとして使うことを希望する時、先に又は後で指示されると、小書きとして使うことができる。
【0043】
第4細部1ウィンドウの細部連係表示ウィンドウ646の「0」は数字0又はピリオド「。」又は「分かち書き」の意味として使用できる。
【0044】
図2のカタカナの場合もひらがなの場合と同様の方法で使用できる。
【0045】
実施形態において、ひらがな又は数字が含まれた分割1表示ウィンドウを5つとして配置し、ここで指示された細部第1文字盤4つを4つずつ、1つを2つに分類したため、これに対応する細部文字盤も18個が備えられ、カタカナも同様に備えられる。
【0046】
図5aないし図5cは、本発明の実施形態による重症患者のための日本語入力キーボードにおいて文字を入力する過程を示す図であり、日本語入力キーボードを用いて1つを文字を入力する過程を示す。
【0047】
まず、患者の対話相手(保護者)は、患者とのコミュニケーションのために患者に日本語入力キーボードを見える位置に最初の日本語入力キーボードである統合第1文字盤100を提示する。患者は意図した単語を表現するために瞳を動かして意図した単語の初声に該当する日本語又は数字が含まれている統合第1文字盤100の内部の分割1表示ウィンドウを見つめる。このとき、保護者は患者の瞳の動きを観察して患者が見つめていると判断される分割1表示ウィンドウを認識する。
【0048】
「ありがとう」という文字を入力することと例にして説明すると、患者は「あ」を含む10時方向の第1分割1表示ウィンドウ110を見つめ、保護者は当該第1分割1表示ウィンドウ110の情報を含む第1細部1文字盤300に切り替え、さらに患者の10時方向指示により細部情報を含む第1細連係文字盤311が患者に提示され、患者は再び第1細部連係文字盤311に「あ」が位置した10時方向の第1セクター312を見つめ、保護者は患者の瞳の動きを見て文字入力部318に「あ」を記入する。前述したような過程を経て、1つのひらがなに対する入力過程が行われる。
【0049】
次いで,再び患者に統合第1文字盤100が提示される。患者は、瞳を動かして統合第1文字盤100に配置された複数の分割1表示ウィンドウのうち「り」が属する「ら」行の6時方向の第5分割1表示ウィンドウ150を見つめる。患者が第5分割1表示ウィンドウ150を見つめたと判断されると、保護者は第5分割1表示ウィンドウ150の文字情報を含む第5細部1文字盤700を患者に提示する。患者が再び第5細部1文字盤700において「り」が属する「ら」710を指示すると、保護者は患者に細分化された第5細部連係文字盤711を提示し、患者が再び第2セクターの「り」を指示すると入力部718に「り」を記入し、以前に記入された「あ」と結合して「あり」が記入される。このような過程を「が」、「と」、「う」に対して同様に繰り返すことにより、「ありがとう」という単語が完成する。その後の過程は、前述のとおり進行され、保護者は患者が選択する日本語、数字を組み合わせて患者の意図を単語又は文章で表現することにより患者とのコミュニケーションを円滑に行うことができる。
【0050】
前述したように、本発明の日本語入力キーボードはキーボードの入力方式に基づいて患者が希望する文字を患者の意図に従って保護者が反応して順次選択し、選択された文字を保護者が入力することにより患者の意図する単語が完成し、従って、患者と保護者間のスピーディなコミュニケーションが行われる。
【0051】
実施形態は、日本語のひらがな、カタカナとアラビア数字の総和が162個であることを考慮して、患者の瞳の凝視方向をよりうまく認識できるように日本語入力キーボードの中心を基準に5方向に選択できるウィンドウが配置されるようにした。すなわち、文字数が多くて統合文字盤に全て入れる場合は混乱が予想されて、中分類文字盤にもう一度分類した後、細部文字盤に分けることにより、保護者は患者の瞳の位置を把握しやすく、患者が意図する文字がより正確に選択される。
【0052】
実施形態は、保護者が患者に日本語入力キーボードを提示し、患者により選択された日本語又は数字ウィンドウを保護者が認識して該当する日本語入力キーボードを再び患者に提示する方式が用いられ、患者に提示される日本語入力キーボードは紙の形態で製作されてもよく、耐久性のために軽いプラスチック材質で製作されてもよい。
【0053】
また、本発明は、スマートフォン又はタブレット端末にインストールされたアプリケーションの形態で提供されてもよい。この場合には、ディスプレイの形式で患者に統合画面が提示され、患者は画面において意図する日本語又は数字が含まれた分割表示ウィンドウをタッチする。分割表示ウィンドウには該当する細部文字盤が予め保存されているため、選択された細部文字盤が含む日本語又は数字が画面の中央を基準に既設定の角度で画面上に配置されることができる。患者が瞳の動きにより意図する日本語又は数字を見つめると、患者の対話相手が該当する日本語又は数字をタッチすることにより画面の下段又は特定領域にその文字が表示される。スマートフォンのアプリケーションを使用する場合は、患者が見つめる方向を内蔵したカメラにより認識して、統合文字盤と細部文字盤により患者の意図する文字が表示されるようにする。
【0054】
以上、本発明について、その好ましい実施形態を中心に説明したが、これは単に例示に過ぎず、本発明を限定するものではなく、本発明の属する分野の通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性を外れない範囲で、以上に例示されていない様々な変形と応用ができることを理解できるであろう。例えば、本発明の実施形態に具体的に示された各構成要素は変形して行うことができるものである。そして、このような変形と応用に関係する相違点は、添付の請求範囲に規定する本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきであろう。
図1
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図4c
図4d
図4e
図5a
図5b
図5c