(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-16
(45)【発行日】2022-03-25
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20120101AFI20220317BHJP
【FI】
G06Q30/06 306
(21)【出願番号】P 2019212073
(22)【出願日】2019-11-25
【審査請求日】2021-01-07
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514277905
【氏名又は名称】株式会社マクアケ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】中山 亮太郎
【審査官】安田 勇太
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-156927(JP,A)
【文献】特開2015-197904(JP,A)
【文献】特開2017-204034(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0130480(US,A1)
【文献】イギリスで高評価! 西陣織職人による色と技法にこだわったカードケース 「Hi-color」がクラウドファンディングで6 月 1 日から国内先行販売開始![オンライン],2017年06月01日,https://www.value-press.com/pressrelease/184023,2021年9月8日検索
【文献】濃さを簡単に調整できる、新開発コーヒードリッパーを届けたい![オンライン],2016年11月02日,https://web.archive.org/web/20161102150531/https://kibidango.com/67,2021年9月8日検索
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 -99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置が、
所定の商品又はサービスを先行予約販売するプロジェクトに対する予約販売を受け付け、前記予約販売の受付状況を公開するプラットフォームを提供すること、
他の処理装置から、識別情報を含むログイン情報を取得すること、
前記プラットフォームを利用するユーザの第1識別情報と、前記商品又はサービスを他人に提供するバイヤの第2識別情報とを記憶する記憶部に記憶される前記第1識別情報及び前記第2識別情報を用いて、前記ログイン情報に含まれる前記識別情報が前記第1識別情報又は前記第2識別情報のいずれであるかを判定すること、
前記プラットフォームにおいて登録され
、前記予約販売を受け付けている1又は複数のプロジェクトの中から、少なくとも一のプロジェクトを選択すること、
前記識別情報が前記第2識別情報である場合に、
前記予約販売を受け付けている前記1又は複数のプロジェクトの中から選択された前記プロジェクトの商品又はサービスに対し、前記バイヤからの発注要求を取得すること、
前記発注要求に関する処理を実行すること、
を含む情報処理方法。
【請求項2】
前記情報処理装置が、
前記識別情報が前記第1識別情報である場合に、前記他の処理装置に表示される第1表示情報と、前記識別情報が前記第2識別情報である場合に、前記他の処理装置に表示される第2表示情報とを異ならせること
をさらに含む、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記発注要求に含まれる発注個数の上限値は、前記ユーザが購入できる数よりも多い、請求項1又は2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記処理を実行することは、
前記他の処理装置から前記所定の商品又はサービスに関する発注情報を前記発注要求とともに取得すると、前記所定の商品又はサービスを供給するサプライヤが利用する処理装置に、前記発注情報を送信することを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記処理を実行することは、
前記発注情報に関する決済処理を実行することを含む、請求項4に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記処理を実行することは、
前記所定の商品の取引に関する管理、又は発送処理を行うことを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項7】
所定の商品又はサービスに対する予約販売を受け付け、前記予約販売の受付状況を公開するプラットフォームを提供する提供部と、
他の処理装置から、識別情報を含むログイン情報を取得すること、
前記プラットフォームを利用するユーザの第1識別情報と、前記商品又はサービスを他人に提供するバイヤの第2識別情報とを記憶する記憶部に記憶される前記第1識別情報及び前記第2識別情報を用いて、前記ログイン情報に含まれる前記識別情報が前記第1識別情報又は前記第2識別情報のいずれであるかを判定すること、
前記プラットフォームにおいて登録され
、前記予約販売を受け付けている1又は複数のプロジェクトの中から、少なくとも一のプロジェクトを選択する選択部と、
前記識別情報が前記第2識別情報である場合に、
前記予約販売を受け付けている前記1又は複数のプロジェクトの中から選択された前記プロジェクトの商品又はサービスに対し、前記バイヤからの発注要求を取得する取得部と、
前記発注要求に関する処理を実行する処理部と、
を備える情報処理装置。
【請求項8】
情報処理装置に、
所定の商品又はサービスに対する予約販売を受け付け、前記予約販売の受付状況を公開するプラットフォームを提供すること、
他の処理装置から、識別情報を含むログイン情報を取得すること、
前記プラットフォームを利用するユーザの第1識別情報と、前記商品又はサービスを他人に提供するバイヤの第2識別情報とを記憶する記憶部に記憶される前記第1識別情報及び前記第2識別情報を用いて、前記ログイン情報に含まれる前記識別情報が前記第1識別情報又は前記第2識別情報のいずれであるかを判定すること、
前記プラットフォームにおいて登録され
、前記予約販売を受け付けている1又は複数のプロジェクトの中から、少なくとも一のプロジェクトを選択すること、
前記識別情報が前記第2識別情報である場合に、
前記予約販売を受け付けている前記1又は複数のプロジェクトの中から選択された前記プロジェクトの商品又はサービスに対し、前記バイヤからの発注要求を取得すること、
前記発注要求に関する処理を実行すること、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の技術は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、企業は、新製品や新サービスのマーケティングツールの一つとして、クラウドファンディングのような先行予約販売システムを利用する機会が増えている。先行予約販売システムでは、商品やサービスの予約販売を受け付け(例えば支援とも称する)、この予約状況を公開する(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の予約販売システムでは、支援対象者は一般ユーザであり、例えば卸売業者や小売業者などのバイヤにとっても利便性の良い予約販売システムは存在しなかった。
【0005】
そこで、開示技術は、予約販売システムに対して、バイヤを支援対象者に含む新たな仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示の一態様における情報処理方法は、情報処理装置が、所定の商品又はサービスに対する予約販売を受け付け、前記予約販売の受付状況を公開するプラットフォームを提供すること、 前記プラットフォームにおいて登録されたプロジェクトの中から、少なくとも一のプロジェクトを選択すること、選択された前記プロジェクトの商品又はサービスに対し、当該商品又はサービスを他人に提供するバイヤからの発注要求を取得すること、前記発注要求に関する処理を実行すること、を含む。
【発明の効果】
【0007】
開示技術によれば、予約販売システムに対して、バイヤを支援対象者に含む新たな仕組みを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態に係る予約販売システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】一実施形態に係る予約販売システムの概要を説明するための図である。
【
図3】一実施形態に係るサーバの一例を示すブロック図である。
【
図4】一実施形態に係るユーザ端末の一例を示す図である。
【
図5】一実施形態に係るユーザデータの一例を示す図である。
【
図6】一実施形態に係るプロジェクトデータの一例を示す図である。
【
図7】一実施形態に係るリターンデータの一例を示す図である。
【
図8】一実施形態に係る取引データの一例を示す図である。
【
図9】一実施形態に係るテンプレートデータの一例を示す図である。
【
図10】一実施形態に係る納品書のテンプレートの一例を示す図である。
【
図11】一実施形態に係る登録画面の一例を示す図である。
【
図12】一実施形態に係るログイン画面から遷移例を示す図である。
【
図13】一実施形態に係る予約販売システムの各装置による処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図14】一実施形態に係るサーバの処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0010】
[実施形態]
<システム構成>
図1は、開示の一実施形態に係る予約販売システム1の構成の一例を示す図である。
図1に示すとおり、予約販売システム1は、サーバ10と、複数のユーザ端末20と、複数のユーザ端末30とを含む。サーバ10と、1又は複数のユーザ端末20と、1又は複数のユーザ端末30は、ネットワークNを介して通信プロトコルにTCP/IP等を用いて相互にデータの送受信が可能になっている。ネットワークNは、例えば、インターネット、専用通信回線(例えば、CATV(Community Antenna Television)回線)、移動体通信網(基地局等を含む)、及びゲートウェイ等により構築されている。開示の予約販売システムは、例えば、所定の商品やサービス(以下、「商品等」ともいう。)に対して先行して予約を受け付けるシステムをいう。所定の商品等は、予約販売システム1の運営側により承認された商品等を含み、例えば、実際に販売されていない未販売の商品等以外にも、海外では販売されているが、その国では販売されていない商品等、また、BtoBで販売済みではあるが、一般ユーザに認知又は販売されていない商品等、現状の商品等の改良版(機能、色、形状等)、及び地方(限定されたエリア)のみで販売していた商品等の少なくとも1つを含んでもよい。
【0011】
サーバ10は、予約販売システム1を実行するプラットフォームを提供するサーバである。予約販売システム1は、所定の商品又はサービスを提供するプロジェクトを実現するために、インターネットを通じて多数の支援者から資金を集め、このプロジェクトを実現するための仕組みである。この予約販売システム1を実現するための例として、クラウドファンディング(Crowd Funding)がある。クラウドファンディングには、購入型や投資型など様々なタイプがある。
【0012】
ユーザ端末20は、サーバ10が提供するプラットフォームにより実現される予約販売システム1において公開されたプロジェクトを支援するユーザ(支援者又は購入者)が利用する端末装置である。ユーザ端末20として、例えばパーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)、スマートフォン等の携帯情報端末、携帯電話機等が用いられる。
【0013】
ユーザ端末30は、サーバ10が提供する予約販売システム1に実現されるプラットフォームにおいて公開されたプロジェクトを実行するユーザ(プロジェクト実行者)が利用する端末装置である。ユーザ端末30として、例えばパーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)、スマートフォン等の携帯情報端末、携帯電話機等が用いられる。以下、ユーザ端末20又はユーザ端末30を区別しない場合、ユーザ端末20(30)とも表記する。
【0014】
ユーザ端末20(30)には、サーバ10が提供する予約販売システム1のプラットフォームを利用するためのアプリケーションプログラム(アプリ)が記憶されてもよい。当該アプリは、サーバ10が提供する予約販売サービスにおいて、プロジェクトの企画、支援などのサービスをユーザ端末20(30)に実行させる。当該アプリを実行することにより、ユーザ端末20(30)はサーバ10にアクセスして、アプリの実行に用いる情報を送受信する。
【0015】
また、ユーザ端末20(30)は、ウェブブラウザを用いて、サーバ10が提供するウェブサイトにアクセスし、このウェブサイトにおいて公開されるプロジェクトを支援したり、プロジェクトを起案したりしてもよい。
【0016】
<システム概要>
図2は、開示の一実施形態に係る予約販売システム1の概要を説明するための図である。
図2の左側には、1又は複数のバイヤを示し、中央には、予約販売システム1を実現するプラットフォームAを示し、右側には、各プロジェクト実行者(サプライヤ)が実現したいプロジェクト内容が、プラットフォームAにより公開されていることを示す。プロジェクトの表示画面には、プロジェクトの詳細や、予約販売の状況を報告するレポートなどが含まれる。公開されるプロジェクトは、予約販売を受付中のプロジェクト、予約販売の受付終了のプロジェクトが含まれうる。
【0017】
図2に示す例では、バイヤは、プラットフォームAを利用するため、ユーザ端末20にインストールされたアプリ又はウェブブラウザを用いてログイン操作を行う。プラットフォームAを提供するサーバ10は、ユーザ端末20からログイン情報を受信し、ログイン情報の認証処理を実行する。ログイン情報は、バイヤにより入力されてもよいし、Cookieなどに保存されていてもよい。
【0018】
サーバ10は、ログイン情報に基づいて、ログインを要求したユーザがバイヤであるか否かを判定する。この場合、サーバ10は、ユーザ登録する際に、バイヤか否かを示す情報をユーザ識別情報などに関連付けてデータベースに登録しておくとよい。これにより、サーバ10は、ログイン情報に含まれるユーザ識別情報を用いて、バイヤであるか否かを判定することができる。
【0019】
サーバ10は、ログインユーザがバイヤであると判定した場合、例えば、バイヤ用のウェブページやアプリのページ(以下、バイヤ用ページとも称する。)を表示するようにし、バイヤ用ページに表示されるプロジェクトの中から選択された一のプロジェクトに対し、バイヤからの発注要求を取得する。選択可能なプロジェクトには、予約販売受付中のプロジェクト、予約販売受付が終了したプロジェクトが含まれうる。ここで、バイヤ用ページは、例えば一般ユーザに表示されるページとは異なり、プロジェクト実行者に対して、商品やサービスに対する発注を行ったり、仕入れ等の交渉を行ったりすることができるページを示す。
【0020】
プロジェクト実行者は、プラットフォームAを介してバイヤから発注の連絡を受ける。例えば、プロジェクト実行者が利用するユーザ端末30は、サーバ10から発注に関する情報を受信し、画面に表示することで、発注内容をプロジェクト実行者に確認させる。ユーザ端末30は、受注される場合にプロジェクト実行者からの受注操作を受け付け、受注操作に基づく受注情報をサーバ10に送信する。また、ユーザ端末30は、発注に対して交渉が申し入れられた場合に、プロジェクト実行者からの交渉内容に対する回答操作を受け付けることで、回答操作に基づく回答情報をサーバ10に送信する。
【0021】
プロジェクト実行者は、発注された商品やサービスをバイヤに提供し、納品を行う。納品時に、例えば、ユーザ端末30は、サーバ10を介して、バイヤが利用するユーザ端末20に納品書データを送信してもよい。
【0022】
以上の予約販売システム1によれば、バイヤを支援対象者に含む新たな仕組みを提供することができる。例えば、バイヤは、支援対象者としてシステムにログインすることが可能であり、さらに、一般ユーザとは異なり、所定の商品やサービスに対して発注を行うことも可能である。これにより、予約販売システム1におけるプラットフォームを、サプライヤ(プロジェクト実行者)と、バイヤとを仲介するプラットフォームとしても機能させることが可能である。以下、上述した予約販売システム1の各構成等について詳細に説明する。
【0023】
<ハードウェア構成>
図3は、開示の一実施形態に係るサーバ10の一例を示すブロック図である。サーバ10は、1つ又は複数の処理装置(CPU)110、1つ又は複数のネットワーク又は他の通信インタフェース120、メモリ130、ユーザインタフェース150、及びこれらの構成要素を相互接続するための1つ又は複数の通信バス170を含む。
【0024】
サーバ10は、場合によりユーザインタフェース150を含んでもよく、これとしては、ディスプレイ装置151、及び入力装置(キーボード及び/又はマウス、又は他の何らかのポインティングデバイス等)152を挙げることができる。
【0025】
メモリ130は、例えば、DRAM、SRAM、DDR RAM又は他のランダムアクセス固体記憶装置などの高速ランダムアクセスメモリであり、また、1つ又は複数の磁気ディスク記憶装置、光ディスク記憶装置、フラッシュメモリデバイス、又は他の不揮発性固体記憶装置などの不揮発性メモリでもよく、非一時的な記録媒体でもよい。
【0026】
メモリ130は、予約販売システム1により用いられるデータを記憶する。例えば、メモリ130は、ユーザデータ、プロジェクトデータ、リターンデータ、発注に関する取引データ、発注に関するテンプレートデータなどを記憶する。なお、各データの詳細は、
図5~9を用いて後述される。
【0027】
また、メモリ130の他の例として、CPU110から遠隔に設置される1つ又は複数の記憶装置でもよい。ある実施形態において、メモリ130はCPU110により実行されるプログラム、モジュール及びデータ構造、又はそれらのサブセットを格納する。
【0028】
CPU110は、メモリ130に記憶されるプログラムを実行することで、提供部112、判定部113、処理部114、選択部115、取得部116を構成する。提供部112は、所定の商品又はサービスに対する予約販売を受け付け、この予約販売の受付状況を公開するプラットフォームAを提供する。プラットフォームAが提供されることで、予約販売システム1が実現される。
【0029】
例えば、提供部112は、ユーザ登録を行ったり、プロジェクトを公開したり、プロジェクトに対する予約販売を受け付けたり、予約販売の受付状況を報告したりする。一例として、提供部112は、購入型のクラウドファンディングのプラットフォームを提供する。
【0030】
判定部113は、ユーザがプラットフォームAを利用するためのログイン時のログイン情報を取得し、取得したログイン情報を用いて認証処理を実行する。ログイン情報は、プロジェクト実行者やバイヤや一般ユーザなどのユーザを識別するユーザ識別情報(ユーザID)、パスワードなどを含む。ユーザIDは、例えばユーザ固有の情報であり、メールアドレスやユーザにより設定された英数字の組み合わせなどである。
【0031】
また、判定部113は、バイヤや一般ユーザなどのユーザが利用する他の処理装置から、ネットワーク通信インタフェース120を介して、ユーザIDを取得した場合、取得されたユーザIDが、一般ユーザのユーザID(第1識別情報)又はバイヤのユーザID(第2識別情報)のいずれであるかを判定する。なお、判定部113は、一般ユーザ、バイヤ以外にも、プロジェクト実行者、他のカテゴリのユーザを判定してもよい。
【0032】
例えば、判定部113は、メモリ130に記憶されるユーザデータ(会員データ)を用いて、ログイン情報に含まれるユーザIDに対応するユーザを判定する。ユーザデータには、少なくとも、プラットフォームAを利用するユーザのユーザID(第1識別情報)と、所定の商品又はサービスを他人に販売するバイヤのユーザID(第2識別情報)とが記憶される。また、プロジェクト実行者のユーザIDなどもユーザデータに記憶されてもよい。
【0033】
処理部114は、判定部113の判定結果に基づく処理を実行する。例えば、取得されたユーザIDが一般ユーザを示す場合、処理部114は、予約販売システム1における通常のウェブページが、ユーザ端末20に表示されるよう制御する。通常のウェブページとは、個人ユーザ向けにプロジェクトを公開し、プロジェクトに対するリターンを表示し、支援を募ったりする(プロジェクトの運転資金を集める)ことが可能なページである。
【0034】
また、処理部114は、取得されたユーザIDがバイヤを示す場合、バイヤ用のウェブページが、ユーザ端末20に表示されるよう制御する。バイヤ用のウェブページとは、例えば、所定の商品やサービスに対して発注を申し入れることを可能にするウェブページであり、通常のウェブページに、バイヤ用のウェブページを表示させるためのUI部品(例えばボタン)が含まれるものも含む。
【0035】
これにより、ログイン時のユーザIDに基づく判定結果に応じて、処理部114が後段の処理を実行することで、ログインユーザに適した後段の処理を実行することが可能になる。開示の予約販売システム1では、ログインユーザにバイヤが含まれるため、バイヤによる、プラットフォームA上で公開された予約販売の受付情報を参考にした発注等を可能にすることができる。
【0036】
また、処理部114は、選択部115と、受付部116とを含む。選択部115は、プラットフォームAに登録されたプロジェクトの中から、少なくとも一のプロジェクトを選択する。例えば、選択部115は、支援者(例えばバイヤ)の選択操作に基づいて、公開中の1又は複数のプロジェクトの中から選択されたプロジェクトを示す情報(例えばプロジェクトID)をユーザ端末20から取得する。選択部115は、取得されたプロジェクトIDに基づいて、一のプロジェクトを選択する。なお、選択可能なプロジェクトは、予約販売受付中のプロジェクトや予約販売受付期間が終了したプロジェクトなどを含む。予約販売受付期間が終了したプロジェクトも選択可能とすることにより、バイヤは、先行予約販売の最終的な受付結果を考慮して、発注内容を決めることができる。また、バイヤに対し、選択可能なプロジェクト数を増加させることもできる。
【0037】
取得部116は、選択されたプロジェクトの商品又はサービスに対し、この商品又はサービスを他人に提供するバイヤからの発注要求を取得する。例えば、ユーザ端末20において、発注画面から所定項目が入力されて、発注ボタンがバイヤにより押下されたときに、取得部116は、ユーザ端末20から、バイヤからの発注要求を取得する。
【0038】
また、処理部114は、取得された発注要求に関する処理を実行する。例えば、処理部114は、発注要求に基づいて、取引データを生成し、生成した取引データをメモリ130に管理する。具体的には、処理部114は、取引IDを付与し、発注要求を取得した日付や、発注要求に発注情報が付与されていれば、発注情報に含まれる発注個数、金額、納期、決済方法などを取引IDに関連付けてメモリ130に記憶する。
【0039】
これにより、プラットフォームAでは、公開中の商品等に対して、バイヤからの仕入れ等の発注要求を取得することで、円滑な処理による発注サービスを提供することが可能になる。なお、処理部114は、発注要求に関する処理として、以下に説明する処理も含む。
【0040】
処理部114は、取得されたユーザIDが一般ユーザを示すID(第1識別情報)である場合にユーザ端末20に表示される第1表示情報(例えば通常のウェブページ)と、取得されたユーザIDがバイヤを示すID(第2識別情報)である場合にユーザ端末20に表示される第2表示情報(例えばバイヤ用のウェブページ)とを異ならせてもよい。例えば、通常のウェブページと、バイヤ用のウェブページとにおいて、表示内容がそれぞれ異なってもよいし、ユーザインタフェースの観点で画面の操作性が異なっていてもよい。例えば、バイヤ用ウェブページでは、商品の発注を大量に行うことができたり、値段に対する交渉ができたり、仕様等についての質問ができたりするようなページ構成にすることが可能である。
【0041】
これにより、予約販売システム1において、バイヤ用の表示情報を提供することにより、一般ユーザの支援ではできない大量の発注を行ったり、商談を行ったりすることが可能になる。また、一例として、バイヤは、予約販売の受付情報をチェックしつつ、どのプロジェクトに対し、どれくらいの量や価格で発注するかを検討し、その検討結果をシステム上で入力することが可能になる。
【0042】
また、処理部114は、取得されたユーザIDがバイヤのユーザIDである場合に、バイヤが利用するユーザ端末20から所定の商品又はサービスに関する発注情報を発注要求とともに受信してもよい。次に、処理部114は、所定の商品又はサービスを供給するプロジェクト実行者が利用するユーザ端末20に、受信した発注情報を送信するよう制御する。例えば、発注情報は、個数や納期や値段などの発注に関する各情報を含む。
【0043】
これにより、バイヤは、予約販売システム1が提供するプラットフォームAを介して、プロジェクト実行者(サプライヤ)に発注情報を送信することで、商品等の仕入れ交渉を申し入れることが可能になる。
【0044】
また。処理部114は、発注情報に関する決済処理を実行してもよい。例えば、プロジェクト実行者により発注が承認された場合には、バイヤからプロジェクト実行者への支払いを行う決済処理を処理部114が行ってもよい。例えば、サーバ10は、バイヤに支払い情報を登録させておくことで、発注する個数と価格とが決定されれば、その合計金額を算出し、決済してもよい。支払い情報は、例えば、銀行口座番号、クレジットカード情報、電子マネーを用いるサービスのアカウント情報などのうち、少なくとも1つを含む。
【0045】
また、処理部114は、プロジェクト実行者が利用するユーザ端末20に、納品書のテンプレートファイルを送信してもよい。また、処理部114は、発注に関する書類(例えば発注書など)の各テンプレートファイルを、適時、購入者側のユーザ端末20や、プロジェクト実行者側のユーザ端末30に送信するようにしてもよい。例えば、処理部114は、発注情報を送信する際に、納品書のテンプレートファイルを合わせて送信したり、プロジェクト実行者用のウェブページからダウンロード可能にしたりする。
【0046】
これにより、自社の納品書を保持していないプロジェクト実行者に対して、納品書のテンプレートファイルを送信することが可能になり、より適切なサービスを提供することが可能になる。
【0047】
処理部114は、バイヤに対して所定の保険に加入する処理を行ってもよい。例えば、プラットフォームAを提供する会社が、小売業、卸売業用の保険を提供する保険会社と連携し、この保険をバイヤに推薦、提供するようにする。具体的には、バイヤ用のウェブページを表示する画面上に、生産物賠償責任保険などの保険の加入を促すUI部品(例えばチェックボタン、ラジオボタンなど)が表示される。このUI部品がバイヤにより操作されると、保険の内容を示す画面が表示され、処理部114により保険の加入手続きが実行される。
【0048】
これにより、商品を販売するバイヤに対して、適切な保険を提供することが可能になる。また、発注操作の中に保険加入操作を含めることで、バイヤは容易に保険に加入することが可能になる。また、処理部114は、プロジェクト実行者に対して、例えば、生産物賠償責任保険などの保険に加入する処理を行ってもよい。例えば、プロジェクト実行者に対して、発注に対する回答操作の中に保険加入操作を含めることで、プロジェクト実行者は容易に保険に加入することが可能になる。
【0049】
また、処理部114は、所定の商品の取引に関する管理、又は発送処理を行ってもよい。例えば、プラットフォームAを提供する会社が保有する倉庫を利用して、処理部114は、プロジェクト実行者から倉庫に配送された商品を管理したり、倉庫からバイヤ等への発送を管理したりする。
【0050】
これにより、倉庫を保有しないプロジェクト実行者に対して、適切な商品管理を可能にし、プラットフォームAの信頼性を高めることができる。また、取引処理と在庫管理、発送管理を一元管理することができ、処理の効率化を図ることができる。
【0051】
また、処理部114は、所定の商品又はサービスの取引相手に対するレビュー情報を取得してもよい。この場合、メモリ130は、取得されたレビュー情報を、取引相手を示すユーザIDに関連付けて記憶する。例えば、処理部114は、納品が完了した後、バイヤからプロジェクト実行者のレビュー情報、プロジェクト実行者からバイヤへのレビュー情報の入力を促すレビュー要求通知を、バイヤ及びプロジェクト実行者それぞれのユーザ端末20に送信するよう制御してもよい。この場合、レビュー要求通知に応答して入力された各レビュー情報がサーバ10に受信されてもよい。
【0052】
これにより、プロジェクト実行者、バイヤは、これから取引をする相手のレビュー情報を参照することが可能になり、取引相手の選定に役立てることができる。
【0053】
図4は、開示の一実施形態に係るユーザ端末20(30)の一例を示す図である。ユーザ端末20(30)は、1つ又は複数の処理装置(CPU)210、1つ又は複数のネットワーク又は他の通信インタフェース220、メモリ230、ユーザインタフェース250、及びこれらの構成要素を相互接続するための1つ又は複数の通信バス270を含む。
【0054】
ユーザインタフェース250は、ディスプレイ装置251、及び入力装置(キーボード及び/又はマウス、又は他の何らかのポインティングデバイス等)252を含む。
【0055】
メモリ230は、例えば、DRAM、SRAM、DDR RAM又は他のランダムアクセス固体記憶装置などの高速ランダムアクセスメモリであり、また、1つ又は複数の磁気ディスク記憶装置、光ディスク記憶装置、フラッシュメモリデバイス、又は他の不揮発性固体記憶装置などの不揮発性メモリでもよく、非一時的な記録媒体でもよい。
【0056】
メモリ230は、予約販売システム1により用いられるデータやプログラムを記憶する。例えば、メモリ230は、予約販売システム1における携帯端末用のアプリケーションプログラムなどを記憶する。
【0057】
CPU210は、メモリ230に記憶されるプログラムを実行することで、クライアントアプリケーション211を構成する。クライアントアプリケーション211は、例えば、ウェブブラウザやメールアプリケーションなどを含む。ウェブブラウザは、プラットフォームAのウェブページの閲覧を可能にする。また、インストールされた予約販売システム1における携帯端末用のアプリケーションの実行により、プラットフォームAのウェブページの閲覧が可能になる。
【0058】
支援対象者側のユーザ端末20のCPU210は、プラットフォームAにログインし、商品等を予約販売するプロジェクトの閲覧などを可能にする。また、プロジェクト実行者側のユーザ端末30のCPU210は、プラットフォームAにログインし、予約販売状況などの確認や支援対象者からの質問等への回答が可能になる。
【0059】
<各データの例>
次に、サーバ10のメモリ130に格納される各データについて
図5~
図9を用いて説明する。
図5は、一実施形態に係るユーザデータの一例を示す図である。
図5に示す例のユーザデータには、ユーザIDに関連付けて、ユーザ名、メールアドレス、パスワード、バイヤか否かを示す情報などが含まれる。
【0060】
「ユーザID」は、例えば、ユーザを識別するための情報を示す。「ユーザ名」は、例えば、氏名、ニックネームなどのプラットフォームA上でユーザを表示する際に用いられるデータを示す。「メールアドレス」は、例えば、ユーザの連絡先である電子メールアドレスを示す。「業者」は、小売り業者や卸売り業者などのバイヤか否かを示すデータを示し、「〇」はバイヤを示し、「-」は一般ユーザを示す。また、ユーザデータには、住所や、銀行口座番号やクレジットカード番号などの決済情報、プロジェクト実行者か否かを示す情報などが含まれてもよい。
【0061】
図6は、一実施形態に係るプロジェクトデータの一例を示す図である。
図6に示す例のプロジェクトデータには、プロジェクトIDに関連付けて、名称、ユーザID、開始日、終了日、目標額、Webページなどが含まれる。
【0062】
「プロジェクトID」は、例えば、商品やサービスの実現を目指すプロジェクトを識別する情報を示す。「名称」は、例えば、プロジェクトの名称を示す。「ユーザID」は、例えば、このプロジェクトを企画したプロジェクト実行者のユーザIDを示す。「開始日」は、例えば、このプロジェクトが開始する日を示す。「終了日」は、このプロジェクトが終了する日時を示す。「目標額」は、例えば、このプロジェクトの遂行に関して設定された下限の販売額を示す。「Webページ」は、例えば、このプロジェクトの内容を閲覧したり、このプロジェクトを支援したりするウェブページのURLを示す。
【0063】
図7は、一実施形態に係るリターンデータの一例を示す図である。
図7に示す例のリターンデータには、プロジェクトIDやリターンIDに関連付けて、名称、価格、最大販売数、残り販売数、リターン詳細などが含まれる。
【0064】
「プロジェクトID」は、例えば、プロジェクトを識別するためのIDを示す。「リターンID」は、例えば、ユーザが支援した際に得られるリターンを識別するためのIDを示す。「名称」は、例えば、このリターンの名称を示す。「価格」は、例えば、このリターンの販売価格を示す。「最大販売数」は、例えば、このリターンの最大販売数を示す。「残り販売数」は、例えば、このリターンの残りの販売数を示す。「リターン詳細」は、例えば、このリターンの詳細を説明するテキストデータなどを示す。なお、リターンは、一つのプロジェクトに複数設定されてもよい。
【0065】
図8は、一実施形態に係る取引データの一例を示す図である。
図8に示す例の取引データには、プロジェクトIDや取引ID、プロダクトID等に関連付けて、ユーザID、発注数、卸価格、発注日、取引形態、ステータス、納品予定日などが含まれる。取引データの少なくとも一部の情報が、上述した発注情報になりうる。
【0066】
「プロジェクトID」は、例えば、プロジェクトを識別するためのIDを示す。「取引ID」は、例えば、発注などの取引を識別するためのIDを示す。「プロダクトID」は、例えば、プロジェクトの商品等を識別するためのIDである。「ユーザID」は、例えば、バイヤのユーザIDを示す。「発注数」は、例えば、このプロジェクトの商品等に対する発注数を示す。「卸価格」は、例えば、交渉中又は交渉成立した商品等の価格を示す。「発注日」は、例えば、バイヤにより発注が要求された日を示す。また、「発注日」は、取引が成立した日を示してもよい。「取引形態」は、例えば、取引の形態を示し、委託販売や仕入れ販売などが取引形態に含まれる。「ステータス」は、例えば、バイヤとプロジェクト実行者との取引の状況を示す。「納品予定日」は、例えば、商品等が納品される予定日を示す。なお、取引データには、支払いの方法を示す決済方法、加入保険などがさらに含まれてもよい。
【0067】
また、一般ユーザの販売履歴データがサーバ10のメモリ110に記憶されるが、図示しない。販売履歴データには、例えば、プロジェクトID、購入者ID、リターンID、販売日時、決済方法などが含まれる。
【0068】
図9は、一実施形態に係るテンプレートデータの一例を示す図である。
図9に示す例のテンプレートデータには、ファイルIDに関連付けて、テンプレート名、データなどが含まれる。
【0069】
「ファイルID」は、例えば、テンプレートを識別するためのIDを示す。「テンプレート名」は、例えば、取引に利用される文書の名称を示す。「データ」は、例えば、テンプレートの格納場所を示す。
【0070】
図10は、一実施形態に係る納品書のテンプレートの一例を示す図である。
図10に示すテンプレートは、プロジェクト実行者に送信される、又はダウンロードされる納品書のテンプレートである。
図10に示すようなテンプレートが、サーバ10から、ユーザ端末20(30)に適時送信されたり、テンプレートデータの格納先を含む通知が、サーバ10から、ユーザ端末20(30)に適時送信されたりする。
【0071】
<表示画面例>
図11は、一実施形態に係る登録画面の一例を示す図である。
図11に示す例では、プラットフォームAの会員登録を行う画面には、右欄にメールアドレス、ユーザ名、パスワードなどの入力欄、小売、卸売業者などのバイヤであるかを示すチェック欄が表示される。また、左欄には、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)などを用いて会員登録を行う表示欄が設けられる。
【0072】
例えば、ユーザが、小売、卸売業者などのバイヤであるかを示すチェック欄にチェックした場合、更にバイヤ用の登録画面が表示され、店舗の情報や決済方法などをバイヤに登録させる。これにより、ユーザがバイヤか一般ユーザかを登録時に設定させることで、システム側で判断することが可能になる。なお、
図11に示す登録画面は一例であって、会員登録の初めに、業者か一般ユーザかをユーザに選択させて、それぞれに対応する登録画面が表示されるようにしてもよい。
【0073】
図12は、一実施形態に係るログイン画面から遷移例を示す図である。
図12に示す例では、ログイン画面は、任意のユーザに共通の画面であり、メールアドレス(ユーザ識別情報の一例)やパスワードがユーザにより入力される。
【0074】
ログインが完了すると、例えば、一般ユーザであれば、処理部114は、中央左画面がユーザ端末20に表示されるように制御し、バイヤであれば、処理部114は、中央右画面がユーザ端末20に表示されるように制御する。なお、ログイン画面から、中央の画面に遷移する前に、プラットフォームAのホーム画面が表示されてもよい。
【0075】
ここで、一般ユーザの場合の表示画面と、バイヤの場合の表示画面はそれぞれ異なる。例えば、バイヤの場合には、プロジェクト実行者と仕入れ交渉等が可能な画面に遷移するための「業者の方」ボタンが表示される。
【0076】
バイヤは、「業者の方」ボタンを押下すると、処理部114は、右下の発注画面がユーザ端末20に表示されるように制御する。この発注画面には、発注数の入力欄、希望価格の入力欄、保険加入のチェックボックスなどが表示される。また、発注画面には、その他、決済方法の入力欄、納期の入力欄などが表示されてもよい。
【0077】
これにより、例えば、予約販売システム1のプラットフォームAにおいて、ログイン時にバイヤであることが判定され、バイヤ用の表示画面が表示されることで、バイヤによる発注を可能にするプラットフォームを提供することが可能になる。また、
図12に示すように、バイヤであっても、通常の支援を可能にしておいてもよい。なお、
図12に示す表示画面は、一例であって、ログイン後に、一般ユーザと、バイヤとで全く異なる表示画面が表示されるようにしてもよい。また、プラットフォームAでは、ログイン時にバイヤか否かが判定されるのではなく、ログイン後に、
図12に示す中央左の画面が表示され、「業者の方」ボタンが押下されたときに、業者か否かが判定されてもよい。
【0078】
<動作説明>
次に、予約販売システム1の各動作について説明する。
図13は、一実施形態に係る予約販売システム1の各装置による処理の一例を示すシーケンス図である。
図13に示す例では、ユーザ端末20Aは、バイヤAが利用する端末であり、ユーザ端末30Aは、バイヤAが発注したい商品を販売予定のプロジェクト実行者が利用する端末とする。
【0079】
ステップS102で、ユーザ端末20Aのクライアントアプリケーション211は、バイヤAの操作に基づいて、サーバ10にログイン要求を行う。例えば、ログイン要求は、ユーザIDとパスワードとともに送信される。
【0080】
ステップS104で、サーバ10の判定部113は、ログイン要求を受信すると、ユーザIDとパスワードを用いて認証処理を実行する。このとき、判定部113は、ユーザIDを用いて、メモリ130に記憶されるユーザデータを参照し、ログイン対象者が、一般ユーザなのか、バイヤなのかを判定してもよい。また、この判定では、ユーザ端末20Aから取得されたユーザIDが、ユーザデータに登録されたどのユーザIDに一致するかの照合処理が行われる。ここでは、判定部113によりログイン対象者はバイヤであると判定されたとする。
【0081】
ステップS106で、サーバ10の処理部114は、ログインの認証後の画面情報を、ユーザ端末20Aに送信する。例えば、プラットフォームAのホーム画面が表示される。
【0082】
ステップS108で、ユーザ端末20Aのクライアントアプリケーション211は、バイヤの操作に基づいて、プロジェクトの閲覧を表示制御したりし、例えば、
図12に示すプロジェクト画面内の「業者の方」ボタンが押下されたとすると、発注用画面をサーバ10に要求するよう制御する。
【0083】
ステップS110で、サーバ10の処理部114は、ユーザ端末20Aからの発注用画面要求に応答して、発注用画面情報をユーザ端末20Aに送信する(例えば、
図12に示す右下画面参照)。
【0084】
ステップS112で、ユーザ端末20Aのクライアントアプリケーション211は、バイヤの操作に基づいて、発注情報が入力され、送信ボタンなどが押下されると、発注情報をサーバ10に送信するよう制御する。発注情報は、プロジェクトID、発注数、希望価格、バイヤのユーザIDなどを含む。
【0085】
ステップS114で、サーバ10の処理部114は、ユーザ端末20Aから取得した発注情報に基づいて、発注に関する取引IDなどを付与し、この発注の取引情報を管理するようにした後で、発注情報をユーザ端末30Aに送信する。処理部114は、発注情報の送信先として、発注情報に含まれるプロジェクトIDから特定したプロジェクト実行者のユーザIDに基づいて送信先を特定可能である。
【0086】
ステップS116で、ユーザ端末30Aのクライアントアプリケーション211は、プロジェクト実行者の操作に基づいて、発注情報に対する回答を含む回答情報をサーバ10に送信するよう制御する。回答情報は、発注情報に対してプロジェクト実行者が希望する希望価格や納期などの情報を含む。
【0087】
ステップS118で、サーバ10の処理部114は、ユーザ端末30Aから受信した回答情報を用いて取引情報を更新し、回答情報をユーザ端末20Aに送信する。
【0088】
ステップS120で、ユーザ端末20Aのクライアントアプリケーション211は、回答情報を表示制御し、バイヤの操作に基づいて、発注に関して修正された修正情報を取得し、修正情報をサーバ10に送信する。
【0089】
ステップS122で、サーバ10の処理部114は、ユーザ端末20Aから受信した修正情報を用いて取引情報を更新し、修正情報をユーザ端末30Aに送信する。
【0090】
これにより、バイヤは、プラットフォームAを介して、プロジェクト実行者と発注に関して交渉を行うことができ、交渉手続をスムースに実行することができる。なお、ステップS116からS122は、取引が成立するまで繰り返されてもよく、また、ステップS114の発注内容でプロジェクト実行者が受注する場合は、省略されてもよい。
【0091】
ステップS124で、ユーザ端末30Aのクライアントアプリケーション211は、プロジェクト実行者の操作に基づいて、OKボタンなどの押下により、発注を受けることを認識すると、受注を示す受注情報をサーバ10に送信する。
【0092】
ステップS126で、サーバ10の処理部114は、ユーザ端末30Aから受信した受注情報を用いて取引情報のステータスを取引成立に更新し、受注情報をユーザ端末20Aに送信する。
【0093】
ステップS128で、サーバ10の処理部114は、例えば、ユーザ端末30Aに納品テンプレートを送信する。ステップS128の処理は、他のタイミングで行われてもよく、例えば、ステップS114の発注情報とともに納品テンプレ―トが送信されてもよい。
【0094】
ステップS130で、サーバ10の処理部114は、この取引における決済処理を実行する。例えば、バイヤにより設定された決済方法で、取引により発生する費用がバイヤからプロジェクト実行者に支払われるように決定処理が行われる。
【0095】
ステップS132で、無事に納品が行われた後などに、ユーザ端末20Aのクライアントアプリケーション211は、バイヤの操作に基づいて、プロジェクト実行者に対するレビューを含むレビュー情報をサーバ10に送信するよう制御する。
【0096】
ステップS134で、商品等の発送が行われた後などに、ユーザ端末30Aのクライアントアプリケーション211は、プロジェクト実行者の操作に基づいて、バイヤに対するレビューを含むレビュー情報をサーバ10に送信するよう制御する。サーバ10は、双方のレビュー情報を受信すると、ユーザデータのそれぞれのユーザIDに関連付けてレビュー情報を登録するとよい。
【0097】
以上の処理によれば、予約販売システム1に対して、バイヤを支援対象者に含む新たな仕組みを提供することができる。また、バイヤは、所定の商品等に対して発注を行うことができ、また、公開された予約販売状況を確認し、所定の商品等の成長性を予測して、発注を行うか否か等を判断することができる。
【0098】
図14は、一実施形態に係るサーバ10の処理の一例を示すフローチャートである。
図14に示す例では、ログインから発注情報の送信までの処理を示し、受注後の処理は省略する。
【0099】
ステップS202で、サーバ10の判定部113は、ユーザ端末20からログイン情報を受信する。
【0100】
ステップS204で、サーバ10の判定部113は、取得されたログイン情報を用いて認証処理を行い、認証に成功したか否かを判定する。認証が成功すれば(ステップS204-YES)、処理はステップS208に進み、認証が失敗すれば(ステップS204-NO)、処理はステップS206に進む。
【0101】
ステップS206で、サーバ10の判定部113は、認証失敗をユーザ端末20に通知する。これにより、ログインのリトライをユーザに促す。
【0102】
ステップS208で、サーバ10の判定部113は、ログインユーザが業者であるか否かを判定する。ログインユーザが業者であれば(ステップS208-YES)、処理はステップS210に進み、ログインユーザが業者であれば(ステップS208-NO)、処理はステップS220に進む。なお、この処理は、別のタイミングで行われてもよい。例えば、この処理は、ステップS212の後などに行われてもよい。
【0103】
ステップS210で、サーバ10の処理部114は、バイヤ用(業者用)の画面情報をユーザ端末20Aに送信するよう制御する。
【0104】
ステップS212で、サーバ10の処理部114は、ユーザ端末20から、発注画面の表示要求を受信したか否かを判定する。発注画面の表示要求が受信されれば(ステップS212-YES)、処理はステップS214に進み、発注画面の表示要求が受信されなければ(ステップS212-NO)、処理は終了したり、ステップS222に進んだりする。
【0105】
ステップS214で、サーバ10の処理部114は、発注画面情報をユーザ端末20に送信する。
【0106】
ステップS216で、サーバ10の処理部114は、ユーザ端末20から、発注画面内で設定された情報に基づいて発注情報を受信する。
【0107】
ステップS218で、サーバ10の処理部114は、取得した発注情報を、プロジェクト実行者のユーザ端末30に送信するよう制御する。
【0108】
ステップS220で、サーバ10の提供部112は、一般ユーザ用の画面情報をユーザ端末20に送信する。
【0109】
ステップS222で、サーバ10の提供部112は、ユーザからの支援があるか否かを判定する。支援があれば(ステップS222-YES)、処理はステップS224に進み、支援がなければ(ステップS222-NO)、処理は終了する。
【0110】
ステップS224で、サーバ10の提供部112は、どのリターンに対する支援かを特定することを含む支援処理を実行する。支援処理により、どのユーザが、どのプロジェクトのどのリターンに支援したかを特定することができる。
【0111】
以上の処理により、既存のプラットフォームを利用して、バイヤ用のユーザインタフェースを追加することで、バイヤに、所望の商品に対する発注を可能とする仕組みを提供することが可能になる。
【0112】
以上、実施形態について詳述したが、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、下記に示すように、上記実施形態以外にも種々の変形及び変更が可能である。
【0113】
[変形例]
実施形態で説明した予約販売システム1は、ログイン時に、ログインユーザがバイヤであるかの判定を行うのではなく、プラットフォームAにおいて任意のユーザに共通に表示される画面内の「業者の方」ボタンが押下されたときなどに判定されてもよい。この場合、プラットフォームAのホーム画面やプロジェクト閲覧画面は、任意のユーザに共通であり、一般ユーザが「業者の方」ボタンを押下した場合には、エラー画面が通知されるとよい。また、業者は、納品された商品等に加工を加えて販売等してもよい。
【0114】
以上、実施形態及び変形例は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施形態及び変形例のみに限定する趣旨ではなく、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。
【符号の説明】
【0115】
1…予約販売システム、10…サーバ、20、30…ユーザ端末、110…CPU、130…メモリ、112…提供部、113…判定部、114…処理部、210…CPU、211…クライアントアプリケーション、230…メモリ